fc2ブログ

ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

ウェイバー「最強の助っ人だ!」ダンテ「ショータイムだ」

  
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 15:55:32.84 ID:MT0dL7UE0

兄との死闘から数日。崩壊しきった事務所に戻るわけにもいかず、スラム街の安ホテルで次の大仕事が来るまでの束の間、ダンテは怠惰をむさぼっていた

エンツォ「よぉ、ダンテ。今日も来てやったぜ」

ダンテ「またお前かよ。できればそのだみ声、しばらく聞きたくなかったんだがな」

エンツォ「そりゃこっちだっておんなじさ。だがこっちもビジネスだ。事務所ハデにぶっ壊されたお前さんには気の毒だが払うもんは払ってもらうぜ」

ダンテ「…持ってけよ。好きなのくれてやる」

エンツォ「何が好きなのもってけだ。もうこれしか残ってねぇじゃねぇか。タチの悪いバーゲンだなおい?」

ダンテ「払うもんは払ってるだろ?それとも余計なこと言う口に鉛玉でも詰め込んでみるか?」

エンツォ「冗談に聞こえねぇよ……それはそうとなダンテ。アンタを訪ねてたボウヤがいたぜ。ウェイバーとかいう線の細いいかにもな坊ちゃんだ。聖杯がどーのこーの言ってやがったが」

ダンテ「……聞かせな」

その後、ダンテを訪ねる少年が訪れるまでそう時間はかからなかった




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 16:05:13.65 ID:MT0dL7UE0

――魔塔テメンニグル。一連の事件は魔術の最高学府、時計塔でも波紋を呼び物議を醸していた。と言っても多くの生徒は所謂「遠くで起こった凄いニュース」程度にしか思っておらず、またウェイバー少年もその一人であった。
ケイネスの聖遺物を持ち出し自ら聖杯戦争に参加する身となるまでは

ダンテ「御苦労なこった。わざわざこんな埃くせぇスラムまでやってくるとはな」

ウェイバー「ぼ、僕…いや私はどうしても勝ち残らなければならないんだ。聖杯戦争に」

ダンテ「そう、それが気になってたんだよ。話してくれ。なるべく手短にな、せっかくのピザが冷めちまう」

ウェイバー「――聖杯戦争。七人の英霊が集い万能の器、聖杯に至るための戦争だ」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 16:14:12.24 ID:MT0dL7UE0

ダンテ「万能の器、ね。いきなりキナ臭ぇな。俺好みだぜ。お前は何を叶えるんだ?背でも高くしてもらうのか?」

ウェイバー「違う!僕が望むのは……正当な評価だけさ。聖杯戦争に勝てばみんな僕を認める」

ダンテ「…それだけで殺し合いか。ハハハハハ!イカれてるぜ、お前?そこらのパンクバンドが裸足で逃げ出すくらいにはな」

ウェイバー「お、おかしいかよ」ムッ

ダンテ「いいや気に入ったぜ。クレイジーとクールは紙一重さ。で、俺は何をすりゃいい?景気付に演奏でもすればいいのか?」

ウェイバー「さっきも言ったようにどうしても自分の力で勝ち残らなければならない。そのための手伝いをしてほしい」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 16:23:26.24 ID:MT0dL7UE0

ダンテ「過去の英雄サマと乱闘パーティーか、悪くねぇがそれは自分自身の力からはズレてねぇのか?」

ウェイバー「魔塔の事件からアンタまでたどり着いたのは紛れもなく自分自身の力さ。これ、アンタのことだろ?」
ウェイバーは一冊の本を手に取った。古くはあるが聖遺物のように何百年も前のようなものではない


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 16:26:19.42 ID:MT0dL7UE0

ベッヘレムに救いの星の輝きし頃
冥府の深き底にて、いと猛き怪魔の興れり。
かの者、荒ぶる物怪を悉く統べて自らを魔帝と称し、
さらには人の棲する現世をも攻め取らんと欲す。
されどスパーダなる万夫不当の魔剣士、
魔帝に叛きてその兵卒を皆斬り、
遂には魔帝をも打ち負かし封印せり。
怪魔の身なるスパーダが同胞に仇なしたるは、
今儚き人の心を惜しみ慈しみたればなり。
彼は戦の後、冥府を離れ現世に住まい、
常人の女を娶り子をもうけるべし。
なれど神の使途らよ、心せよ。
呪われし魔帝は二千年の後に縛めを断ち、
再び奇しき力もて現世を侵す宿命なれば。
スパーダのもうけし半魔の子こそ
我らが護り手たらん。

ヴァチカン禁書図書館収蔵『魔界史』(年代不詳)より抜粋


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 16:32:29.72 ID:MT0dL7UE0

ウェイバー「…これ、アンタのことじゃないか?魔塔はスパーダがきっと関係していると思うし、それにアンタは関係してる。そして並外れた戦闘能力と変な事件には関わりたがるって胡散臭いおっさんから聞いたよ。アンタがそのスパーダの子孫……違ってるか?」

ダンテ「子孫も何もスパーダは俺のオヤジだよ。おかげで昔から迷惑してるぜ」

ウェイバー「ほらやっぱり僕の予想は……ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?む、息子なのかよ!?」ガタっ

ダンテ「デカい声出すなよ。…ったくキンキン響きやがるぜ」

ウェイバー「ごめん、でもこれで僕は確実に勝てるんだ…」

ダンテ「オーライ、話は決まりだ。早いとここんなシケたホテルから出ようぜ」バッ

華麗に愛銃二丁をホルスターに収納し、リベリオン、そして父や兄の思いが詰まったフォースエッジを背中にかける。


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 16:41:48.50 ID:MT0dL7UE0

ダンテ「ほらよ、ほぼタダ同然で行ってやるんだ。荷物くらいは持ちな」ポイッ

乱暴にネヴァンとベオウルフを放る。勿論小柄なウェイバーは受け止めきれず尻餅をついてしまう

ダンテ「過去の英雄様が相手か、最高にワクワクしてきたぜ!!」ダンっ

ハデにドアをけ破る。もはや借金のことなどダンテには見えていない。

ダンテ「レッツロックだ、ベイビー!!!」

こうして若き日の最強のデビルハンターは英霊を狩る者として夜の戦いに身を投じる

―――空港―――

ダンテ「ここが日本か。サムライとゲイシャしかいないと思ってたんだが期待外れだぜ」

ウェイバー「あのなぁ、日本ってアジアじゃ有数の先進国なんだぞ」

ダンテ「道理でレディが偽造パスポート用意と荷物の手配してやるから借金馬鹿みたいに上乗せなんて言いやがるわけだ。手間がかかるんだな」

ウェイバー「そういえばパスポートのトニー・レッドグレイブってアンタがえっと…レディって人にわざわざ頼んだんだよな?何でその名前に?」

ダンテ「あぁ―――何てことはない昔の名前さ」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 16:52:35.63 ID:MT0dL7UE0

ダンテ「早くこんなとこから出てこうぜ、どいつもこいつもガイジンガイジンって機械みたいに言いやがる」

ウェイバー「そう思うならもうちょっと控えめな格好にしろよな!」

―――倉庫前―――
ダンテ「召喚できたら起こせって言ったのに早とちりしすぎだぜ。ったく日本人の真面目さでも移ったか?」

ウェイバー「もしサーヴァントが凶悪な奴だったら困るだろ、それに僕はもともと真面目さ」

ダンテ「ソレがあるってことは粗方呼び出すのはもう決まってるんだろ?何が出てくるんだ?」

ウェイバー「イスカンダル…征服王ってよばれた奴だよ。アンタも名前くらいは聞いたことあるだろう」

ダンテ「生憎俺は物心ついた時から剣ばっかふらさせられてたからな……征服王イスカンダルか、確かに狂暴そうな名前してやがる。名前負けしてないことを神に祈ってるぜ」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 17:08:55.60 ID:MT0dL7UE0

――――――――
―――――
―――
「告げる―――」

「汝の身は我が下に我が命運は汝の剣に、聖杯の寄る辺に従い」

「この意 この理に従うならば答えよ。」

「誓いを此処に、我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。」

「汝三大の言霊をまとう七天。抑止の輪より来たれ天秤の守り手よ―――!」

ズズズズズズズズズズズズズズズズズズ

ダンテ「来やがったか――――!!」

「―――問おう。貴様が余を招きしマスターか?」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 17:17:12.51 ID:MT0dL7UE0

召喚陣よりあらわれたのは威風堂々、筋骨隆々たる巨漢。その威厳溢れる姿にウェイバーは腰を抜かしダンテはハズレではなかったと僅かに口を歪めた

イスカンダル「だから訊いておろうが。小僧、貴様が余のマスターで相違ないな?」

ウェイバー「ぼぼぼ僕がいや、私が!お前のマスターウェイバー・ベルベットです!いや、なのだ!」

イスカンダル「うむ、じゃあ契約は完了。いやぁ余のマスターが『スパーダ』なのではないかと冷や汗をかいたぞ?なぁスパーダよ?」

ウェイバー「何言ってんだよ、そいつは…」

ダンテ「ちょっと黙ってな。――どういうことだ?」

イスカンダル「どうもこうもないであろうが。貴様英霊の座にもよく知られるあのスパーダなのであろう?」

うーん。と手を組みイスカンダルは何やら考え込んでいる。ウェイバーは状況が呑み込めず双方をキョロキョロと見渡す。


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 17:27:38.84 ID:MT0dL7UE0

イスカンダル「ふむ、百聞は一見にしかず、やはり矛を交え知るが早しか」

ウェイバー「はぁぁぁぁ!?お前らは今回味方なんだぞ!!戦う必要なんてないんだよ!!」

じたばたと暴れまわりながら力説するウェイバーを二人の大男がひょいと摘み上げる

ダンテ「何も殺しやしないさ。ちょっとしたオードブルみたいなもんだよ」

イスカンダル「ほぉ、余を前菜扱いとは流石は伝説の魔剣士と言ったところか」

ダンテ「昔から慣れてるが今度は英霊様が相手とはな。いいぜ、踊りなベイビー!!」

イスカンダル「征服王イスカンダルがこの一斬にて覇権を問う!」

現れたのは勇壮たる雄牛二頭が曳く戦車。それがイスカンダルがライダーたる由縁でありライダーが絶対の信頼を置く宝具の一つであった

ダンテ「――戦車ね あの時以来だな。今度はスローにされるなんてのはごめんだぜ」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 17:38:59.70 ID:MT0dL7UE0

イスカンダル「AAAAAAAlalalalalalalaie!!!!!!」ドドドドドドドド

怒涛の疾走蹂躙。一瞬の間に閃光と火花、銃声が響き渡った

ダンテ「ッハー!!いいねぇ、これくらいしてもらわないと張り合いがいがないからな」

イスカンダル「ぬぅ、並の相手ならこれで一撃だが…流石と言ったところか」

ウェイバー「ななな、何が起こったんだ今…」

イスカンダル「最初に剣で斬れぬと判断するや神威の車輪の軌道上から身をそらし、銃で十数発…だな」

ウェイバー「今の一瞬で…」

ダンテ「説明はその辺にして続きをしようぜ。 そんなもんじゃないだろ?」

イスカンダル「無論、まだ戦は始まったばかりだ」

ダンテ「そう来ないとな。ガッツがあるみたいで安心したぜ」

イスカンダル「いざ参らん!!」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 17:49:47.25 ID:MT0dL7UE0

冴えわたる剣技、怒涛の疾走、華麗なる銃撃。それは観客が居ようものなら一種の劇のように完成されたやり取りだった。
何十、何百――その攻防は永遠に続くと思われた。しかし唐突にダンテが剣を置いた

イスカンダル「む、どうしたのだ?これで終いか」

ダンテ「お遊びはもういいだろ さっさと本番にしようぜ 気は長いほうじゃねぇんだ」

ダンテから発せられる魔力は渦を巻き、今まさに真の姿、魔の権化へと変貌しようとしていた

イスカンダル「やはり来たか。もはや対抗するにはアレしかあるまいて!余の無双の軍勢、うつつの世に今憚らん!」

ウェイバー「まさか…こんなとこで宝具を使うのか!?」

時空は歪みライダーの背後にはかつて彼が従えた線を越える兵士たち、その胸に焼付いた悠久の砂丘が見えたその時だった


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 17:56:51.19 ID:MT0dL7UE0

ダンテ「…今日はここまでだな」

短い銃声の後、ダンテはつまらなそうに呟いた

イスカンダル「使い魔か。下らん水を差しおって…まぁ最初はこんなもんだわな」

ガハハと豪勢に笑うイスカンダルに対しウェイバーはほっと胸をなでおろす

ウェイバー「はぁ…この先どうなるんだこいつ等…」

マッケンジー宅

イスカンダル「何!?では貴様はスパーダではなくその子孫と申すか?」

ダンテ「間違われるなんてのは日常茶飯事だがな 確かにスパーダは俺のオヤジさ」

先の不機嫌を吹き飛ばすように酒を交えながらの男同士の会話は弾んでいた。樽に満たされていた酒は半分ほどになっている。最も酒代を払った張本人は会話にも入れず酒も飲めずじまいである


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 18:09:24.84 ID:MT0dL7UE0

イスカンダル「余はな…一度スパーダに敗れておるのだ」

ダンテ「こう言うのもなんだがオヤジが負けるなんて想像つかねぇな」
そこで今の今まで会話に混ざれなかったウェイバーが口を開いた

ウェイバー「スパーダが人間界に来たのって確か二千年前だろ?で、ライダーが実在してたのはもっと前じゃなかったか?」

イスカンダル「以前にも余は聖杯戦争紛いのモノに呼び出されたことがあってな。その時らしいのだ」

ダンテ「その時の記憶…英霊の場合は記録のほうが正しいんだったか」

イスカンダル「余はこやつだけは倒さねばならん宿敵だと思い最終の手段に訴えた」

ウェイバー「中途半端にしか見てないけどさっきのアレ…だよな?アレが破られたのか?相手はたった一人だったんだろ」

イスカンダル「余が誇る宝具「王の軍勢」の現界時間は約30ターン。だが奴は数ターンも経たず余の軍勢を倒してしまったのだ」

懐かしむように、しかし悔しさをにじませた何とも言えない表情で征服王は続けた

イスカンダル「しかも奴は対軍宝具の類を使うことなく、その剣技のみで、な。恐らく残り半数でかかってもありゃダメだったろうなぁ」


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 18:13:05.08 ID:MT0dL7UE0

>>37
三過ぎたばっかりのところだからまだ未熟ってとこでどうか一つ


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 18:24:34.15 ID:MT0dL7UE0

ダンテ「なるほどな。それで俺にリベンジってワケか 筋が通るな」

イスカンダル「敗れた余に奴はこう言ったのだ。いつか魔界へ遠征へ往け。きっと貴様を満足させる。とな、あれは胸が躍ったのぅ」

ダンテ「親父らしいな。――魔界へドライブか悪くないね」

イスカンダル「あぁ、いつか行ってみたいものよな」

ダンテ「戦争には勝つんだろ?問題ないさ。軍入りはお断りだが気が向いたら手伝ってやるさ。借金もすぐに返せそうだしな」

イスカンダル「おぉ!それは頼もしいな!ぜひ頼んだぞダンテよ」

ダンテ「オーライ。ライダーの旦那期待してるぜ」

征服王と悪魔狩人。聖杯戦争でも異例のタッグはこうして結成されることとなった


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 18:36:46.72 ID:MT0dL7UE0

>>43
そうそう世界で英雄的活動をしてたと考えられる時期に
聖杯戦争的なものがあってそこでイスカンダルと本物スパーダが偶然戦いましたよー的な


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 18:38:01.47 ID:MT0dL7UE0

鉄橋上
ウェイバー「あぁ…イギリスに帰りたい…」

イスカンダル「そう急くなと言うておろうが。状況も動き出しそうだぞ。これは一戦やらかす予感だぞ」

ウェイバー「どうせお前は突っ込むんだろ?そんな大事な時に何でダンテはいないんだよ!」

イスカンダル「それを余にいうのは些か筋違いと言うものだろう。だが「最高にクレイジーでクールな登場してるやるから楽しみにしてな」とは言っておったのう」

ウェイバー「嫌な予感しかしないぞあぁもう!とりあえず降りる!」

イスカンダル「む、あ奴等さっそくおっ始めおったか。我らもそろそろ行くか!」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 18:45:23.64 ID:MT0dL7UE0

埠頭
ランサー「次こそは獲らせてもらうぞ。セイバーよ」

セイバー「それは私に獲られなかった時の話だランサー」

再び両者が剣と槍を交えようとしたとき、晴れ渡っていた空には雲が立ち込め雷鳴が響いた。雄叫びをあげながらの征服王の登場である

イスカンダル「双方武器をおさめよ!王の御前である!!我が名は征服王イスカンダル!此度の聖杯戦争ではライダーのクラスを得て現界した!!」

ランサー「先に名乗った心意気には感服だが目的はなんだ?」

イスカンダル「ものは相談だが貴様ら余の臣下となる気はないか?今や伝説の魔剣士、スパーダの直系とも盟友となった余の軍勢。もはや敵はおるまいて」

セイバー「あの…スパーダの直系が?」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 18:52:17.92 ID:MT0dL7UE0

イスカンダル「応とも。グータラだがアレはまさしく本物だ。まだまだ伸びるぞ」

セイバー「…だとしてもその誘いは断らせてもらう。私も王としてかつてブリテンを預かった身だ」

ランサー「右に同じく。俺が今生にて聖杯を捧げると誓ったのはマスターだけだ。断じて貴様ではないぞライダー!!」

イスカンダル「…待遇は応相談だが?」

セイバー・ランサー「「くどい!!」」

ウェイバー「どうするんだよライダぁぁぁぁ……!!」

「まさか、君も聖杯戦争に参加する腹だったとはねぇ」

「ウェイバー・ベルベット君?」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:01:21.88 ID:MT0dL7UE0

ウェイバー「ケイネス……!」

ケイネス「教え子には幸せになってもらいたかったのだがねぇ。君には特別課外授業を受け持ってあげようではないか」

ウェイバー「あ…あぁ…」

ケイネス「魔術師同士が殺しあうという本当の意味。その恐怖と苦痛を余すことなく教えてあげるよ」

ウェイバー「あぁぁ…あ…」

絶望に染まるウェイバーの方を大きな手がポンと叩く。それはもはや手ではなく強大な盾で守られているような安心感がウェイバーを包み込み震えは消えた

イスカンダル「おう魔術師よ。貴様坊主に成り代わって余のマスターになるつもりだったらしいが片腹痛いのぅ」

ケイネス「……?」

イスカンダル「余のマスターは共に戦場を駆ける勇者でなければならん。闇に隠れて見を決め込むようなものに余のマスターは務まらんわ」

ケイネス「………ッ!」

イスカンダル「他にもおるだろう!闇にまぎれて見物しておる連中は!この際に及んで顔見せを尚怖じるようなものはこの征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものと痴れ!!!!」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:03:43.52 ID:MT0dL7UE0

「――よもや、一夜のうちに王を語る不埒者が二匹も沸くとはな」

現れたのは黄金。圧倒的な王気を纏い華美な鎧を身に着けし深紅の瞳のサーヴァント
そのサーヴァントは二人の王、輝く貌を前に臆することなく憚った

イスカンダル「難癖つけられたところでなぁ…余は余に知れ渡る征服王イスカンダルに他ならんのだが」

セイバー「貴様は…」

ギルガメッシュ「雑種共、我はこそ天上天下唯一の王。此度の聖杯戦争ではアーチャーの座にて君臨した」

ギルガメッシュ「我が拝謁の栄に浴してなおこの面貌を見知らぬと申すならそんな蒙昧は生かしておく価値すらない!」

十―数十を超える剣、槍その他etc数えきれない宝具の数々
その一つ一つが至宝であり、そこには贋作の一つすらない

「―さて、主役の登場と行こうか ハデにかますぜ!」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:16:58.13 ID:MT0dL7UE0

夜の埠頭に響き渡るエレキギターの雷鳴、轟音、コンテナは演出のように次々と爆発し、華麗に宙を舞いながら、王の財を足蹴にするかのごとく弾き飛ばしながらそれは現れた

ダンテ「主役は少し遅れて出てくる。完璧だな…趣味の悪いキンピカ野郎がいるな 馴染みの服屋でも教えてやろうか?」

―悪魔は現れた

ギルガメッシュ「…な、にぃ?貴様如き雑種が王たるこの我の装飾に異を唱えるか?」

ダンテ「気に入らないね 服装もだが――態度もだ 俺より目立つ奴とお喋りな奴は気に食わない」

ダンテ「ついでに言ってやると雑種って言い方もだ ロクでもねえ親父だがこれでも誇り持ってるんでね 大体アンタも雑種だろ?混じり物の臭いがしやがるぜ」

ギルガメッシュ「吼えるな雑種。貴様、塵芥に帰ろうとも尚王の怒りは鎮められんものと思え!」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:26:13.31 ID:MT0dL7UE0

バーサーカー「■■■■■―――――!!!!」

溶けた闇が形を成すように漆黒の甲冑は現れた
今までダンテに注がれていた視線は全て狂戦士に向けられる

ダンテ「――もう少し待ってればよかったな」

ギルガメッシュ「誰の許しを得て我を見ている?」

バーサーカー「……………」

ギルガメッシュ「せめて散り様で我を興じさせよ」

宝物庫から二振りの剣が投じられる
一瞬のうちに起った爆発は完全にバーサーカーを粉砕したと思われた

バーサーカー「………………………」

ギルガメッシュ「汚らわしいその手で我が宝物に触れるとは―それほど死に急ぐか狗!!」

続々と投じられる至宝の群を紙一重で華麗にかわしていく。その姿はまさにスタイリッシュそのもの。完全にお家芸を奪われてしまっている


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:32:25.17 ID:MT0dL7UE0

ダンテ「こっちにも放ってこいよ。もっといいもんを魅せてやるぜ」

ギルガメッシュ「ならば貴様も纏めて吹き飛ばしてくれるわ「王の財宝」」

ダンテ「―――こんなもんか」

王の財宝が放たれ、それは確かにダンテを捕えていた。ダンテ自身も手を掲げ指を鳴らす以外の動作は何もしなかった。が、ダンテは顕在し、王は丁寧に並べられた剣を忌々しい目で見ながら憤慨している

ギルガメッシュ「――なっ!?貴様!!」

ウェイバー「おいライダー!説明しろよ!なんでアイツ怒ってるんだ?」

ライダー「フム、あの剣に秘密があるのか、どれ」

ライダー「――あぁ、成程なぁ」

上空から見ると放たれた至宝の数々は「FUCK」の字を象るように綺麗に並べられていた


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:38:07.25 ID:MT0dL7UE0

ウェイバー「あんな一瞬でどうやって…」

ライダー「何にせよアイツ、まだまだ切れる手札があるみたいだな」

ダンテ「―燃費は悪いが中々ゴキゲンなスタイルだろ?」

―クイックシルバー。大魔術にも匹敵する時空制御の術を広範囲にやってのける荒業。通常の魔術師では数秒と持たないがダンテのその魔力はやってのける

尤も燃費が悪いのも事実であり魔人化と併用でもしようものなら流石のダンテでも十数秒が限界と言ったネックを抱えている

ギルガメッシュ「―何!?ここで引けと?―――――…ッ!まぁよい、そこの赤い雑種、貴様は我の手で直に屠ってくれる。精々有象無象を間引いておけ」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:44:35.39 ID:MT0dL7UE0

ンサー「邪魔が入ったなセイバーよ。貴公との勝負、預けておこう。ではな」

セイバー「あぁ、最後まで共に勝ち進み剣を交えること、心待ちにしているぞランサー」

ダンテ「堅い連中だな。こんなのしかいないのか?ライダーの旦那よ?」

ライダー「そうさなぁ…余はスパーダを見ておるとお前の弾けっぷりの方が異端に感じるというのもあるのだが…」

ウェイバー「そうだよ!お前はもう少し隠密にいけぇ!」

ライダー「奴の戦い方じゃそれは無理だ。坊主、お前が悪い」

ダンテ「そういうことだ これからもハデに決めてやるからよろしく頼んだぜ。雇い主様よ」



こうして聖杯戦争は幕を開けた

一部完


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:10:01.24 ID:4ruXWsS70

ダンテって何歳くらいなんだろう
スパーダが二千年前の悪魔の英雄で奥さんは普通の人間なんだよな
スパーダの寿命半端ねーな




関連記事
スポンサーサイト