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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

ポルナレフ「安価で妹の仇を取りに行く」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 15:35:04.60 ID:mqgm/huE0

この数年、俺はスタンドの修行と金稼ぎに明け暮れてきた。
今のチャリオッツの剣速なら、どんな相手との戦いだろうが引けは取るまい。

両手が右手の男……奴だけは許さない。そのためにこの数年を捧げてきた。今こそ仇を打ちに行くときだ!

だが情報はまるで無い。フランス国内は十分探し回ったから、とりあえず次は >>3 あたりに行ってみようと思う。




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 15:36:06.80 ID:XETfUzHg0



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 15:43:32.23 ID:mqgm/huE0

かつて風の噂に聞いたことがある。隕石の破片で傷を負った南極研究員が不思議な力を身に着けたことがあると。

月の由来には未だ複数の学説があるが、その一つに「地球が形成される際に地球から分裂した部分が月」という説がある。
南極の永久凍土の中には、月と非常に性質の近い岩石が眠っていたからだそうだ。

――つまり、スタンドとは月とかかわりのある物なのではないだろうか。

「といっても、流石に月面旅行する金はないぜ……。代わりに宇宙を研究している場所へでも行ってみるか」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 15:50:26.44 ID:mqgm/huE0

ケープカナベラル ケネディ宇宙センター

甘かった。最新鋭の研究がされている場所に外国人のオレが簡単に入れるわけが無かった。
観光ツアーの企画なんかも始まってるらしいが、現時点ではまだ一般人立ち入り禁止だ。もっと調べてからにすれば良かった……。

有刺鉄線に高圧電流、何とも厳重なことだぜ。チャリオッツを使えば入れないこともないが、別にこの中に両右手の男がいるわけでもないしなあ。

神父「カブトムシ……ドロローサへの道……ぶつぶつ」

……なんだこいつ。怪しい黒人が怪しい独り言をつぶやいている。
しかも神父の服装だ。ご丁寧にロザリオまで首から下げてやがる。宇宙と神父、そしてカブトムシ。まるでつながりが見えん。
全面的に怪しい。どうしようか >>7


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 15:51:01.44 ID:XETfUzHg0

下痢をする


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 15:57:33.09 ID:mqgm/huE0

うおっ、やべえ!!! スタンドも月まで吹っ飛ぶこの衝撃!
トイレ! トイレだ! くそっ、いかに無敵のチャリオッツと言えど、トイレを作り出す能力は無い。
山奥で修行してる最中は、草陰で用を足すこともあったが、街中では無理だ。

「うおおおお! トイレ! トイレットぉぉぉ」

周囲にある建造物はこのケネディ宇宙センターだけだ。トイレを探すなら、侵入するしかない。
だが逆に言えば、あの黒人以外にこの場にいる人間はいない。
十分に距離を取るか、あの黒人を気絶させればパンツを代償にして路上で済ませることも可能!

つい叫びをあげたせいで黒人にもこちらの状況は気取られてしまった。くそっ、なんだその「可愛そうだけどもうすぐ人間やめちゃうのね」って目は。
人間なんてもとは猿だ。生理現象に苦しんだことくらいお前だってあるだろ。澄ました顔しやがってこの神父この野郎。

うおおお! 決断は今するしかない! 悩めば悩むだけ状況は悪化する!

俺の選択は! >>11


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 15:58:56.26 ID:7Odscqn70

オムツを買う


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:09:36.19 ID:mqgm/huE0

「やはりただの人間の骨では完全な赤ん坊は生まれないか……。カナベラルの地で言霊に反応を示さないなら失敗だな」

あの神父、よく見れば背中に赤子を背負っている!
なんだか気味の悪い色だが……今はそんなことは関係ない。

「ヘイ! そこのお前! 俺とのラッキーな出会いに感謝しな! 俺は今『オムツ』を必要としている」

サイフに手を突っ込んで紙幣を適当に掴む。オムツ一つに対する値段としては破格のものだ。
黒人といえば貧乏と相場が決まっている。これで動かないはずがない!

「……残念だが、今この赤ん坊がつけているものしかない」
「てめぇ、俺に死ねって言うのか!?」
「叩けよ。されば開かれる。――そこでトイレを借りられるか聞いてみたらどうだ?」

くそっ、正面には見るからに融通効かなそうな男が二人。見た目で分かるねっ! あいつらは「規則なのでできません」としか言わないタイプだ!

便意は一端弱まっているが、これは一時的に力を蓄えているに違いない。
山のイノシシと同じだ。一度止まるのは、疲労からではない。さらなる攻めが必要だと理解したがため!
くそっ、ケツ押さえて飛び回る姿なんて天国の妹にみせられねえ。早くなんとかしなくては!

最悪この赤ちゃんのおむつを剥ぎ取ることまで視野に入れる勢いだ。
今の状況を打開するためなら便器を舐めたっていい。神様、お助けを!

さあ、早く次の行動に移らなくては

>>16


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:16:47.33 ID:qjmXEM6CP

神父をぶっ叩いて道を開く


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:22:09.92 ID:mqgm/huE0

「うおおお! オムツを寄こせぇぇぇぇ!」

修行で鍛えたのはスタンドの扱い方だけではない!
スタンド、それは心の力。スタンド使いの心の在り方1つで、その性能は大きく変わる!

剣を操るスタンドの修行としてポルナレフが選んだのは、自ら剣を持つこと。
身体の動かし方、鋭い踏みこみ、相手の僅かな隙を逃さぬ洞察力。全て剣術と共に学び取った。

「な!?」

ゆえにその一歩は早く正確で長く、一瞬にして神父との間合いをつめ――られない!?

「な、なんだ! 相手がどんどん大きくなっていく……!? いや、これは俺が縮んでいるのか!?」

甘かった、こいつ、スタンド使い! スタンド使いは惹かれあう!!!


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:30:50.84 ID:mqgm/huE0

明らかにあと半歩も要らぬ距離。だというのに、いくら前進しても辿りつけない。

「な、なんてスタンドだ。此方からはまったく攻められず、逆に相手に追い込まれていってるわけか!?」

慌てて距離を取ろうとするも、小さすぎる身体ではなかなか距離が離せない。
唯一の救いは、あの神父に戦うそぶりが見えないことか。ちょっと足を動かして俺を踏んづけるだけで、俺はシェリーのところに逝っちまう。

「!」

今の俺は極小。つまり俺が下痢をしても、汚物も極小になるのではないだろうか。
さっきから離れているはずなのに、まるで距離が離せない。もしこのスタンド能力が半永久のものなら、ここで用を足すのもアリか!?
このままでは集中できないのも事実。下痢痛の第二波が襲い掛かれば、俺は冷静な思考を無くしてしまう。

い、いや待て。スタンド使いを前にして、うんこだと?。俺は既に冷静な思考を無くしてしているのではないだろうか。
落ち着け、落ち着くんだジャン・ピエール・ポルナレフ。落ち着いて >>22


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:33:48.38 ID:vQJdrhPS0

パンツを下ろそう


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:41:51.79 ID:mqgm/huE0

まずは落ち着いてパンツを下ろそう。チャックを開ける。ズボンを脱ぐ。
慣れたはずの動作が酷く難しいことに思えるぜ……。

「無用な殺しで足がつくのは避けたいな。記憶だけ奪って放り出すとするか」

神父の声が凄まじい爆音に聞こえる。それだけで服が揺れるぜ。脱ぎ終わったズボンがとんでいっちまいそうだ。

と思ってると、神父が背中から赤子を降ろした。そのまま一歩下がる。
急速に俺の身体が元のサイズへと戻っていく。同時にかつてない便意!

「ホワイトスネイクっ!」

相手がスタンドを出現させた。まずい、こっちに向かってくる。
記憶を奪う、とか言ってたな。相当ヤバいスタンドみたいだ。だが特異な能力に恵まれた分、スピードはチャリオッツには及ばない。
便意で意識が乱れなければ、十分に迎撃は可能! だがその前提状況が、果てしなく難しい。この一瞬、意識と尻を引き締めるしかねえ!



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:50:59.07 ID:mqgm/huE0

「チャリオッツ! 迎え撃てえええええ!」

突きだした剣先が、何か丸い物で逸らされる。奇妙な、柔らかいものに触れるような感覚が伝わってくる。
普段ならこの一撃で仕留められるってのに、やはり便意で気が乱れた。

チャリオッツは、踏みこんだことで再び収縮の影響化に入り、半分ほどのサイズに。
その隙に、相手のスタンドは手に持ったものを俺に投げつけてくる。なんだあれは……DISC?

触れるのはやばい。それがどんな攻撃であれ、ダメージを受ければ間違いなく漏れる。
俺は全身全霊を込めて身体を沈め、DISCをかわす。

……それがまずかった。結果的にうんこ座りに近い体勢になった俺は壮絶に漏らした。
B29もかくやの爆撃音。飛び散る汚臭、消えゆく誇り。

俺は吹っ切れた。周囲がスローに感じる。風が下半身を撫でる様子が細かく感じられる。
――風は、言葉だ。物が動けば空気が動く。風を読むとは、周囲を読むということ。

風を知る者は、未来を知るッ! 相手のただでさえスローな動きが、手に取るように分かる。
頭が急速に冷えていく。否、燃えていくッ! 許さねえ! 俺にこんな醜態をさらさせやがって!


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 16:58:14.88 ID:mqgm/huE0

下半身にダイレクトに伝わる風が、未来を教えてくれる。

相手のスタンドがこちらに向かってくる。チャリオッツの剣で牽制、俺は一歩後ろへ飛ぶ。
下段からの蹴りには、こちらも勢いよく足を上げて蹴り返す。同時に剣を収める――!
体勢を崩した相手スタンドの足を掴み、後ろに投げる。

「うぐ!? スピード・パワーともにザ・ワールドに匹敵するレベルだと!?」

迂闊に近づければ小さくされる。ならば引き離した今は勝機。
落ちてくる相手スタンドを見据え、剣に手を当て、構える。

居合。それは東洋を代表する剣技。慢心は勿論のこと、奢りも誇りもすべて消し、心を空にして放つ必殺の技。
かつての俺にはできなかった技だが、今ならできる。この、進化しつつあるチャリオッツとなら――ッ!


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:06:12.29 ID:mqgm/huE0

瞬間。敵が消える。未来が見えなくなる。

いや、違う。下半身が風を感じられなくなったんだ。ただズボンとパンツを履き直しただけで……え?

「助かったよディオ。ただの変態と甘くみたせいだ。実に情けない」
「うむ。あまりに見苦しかったので、換えのオムツを履かせて身嗜みを整えておいた」

この一瞬で、俺はオムツを履かされ、脱いだはずのズボンを履き直している。もこもこして変な感じだ。
ついでに高そうな上着を着せられており、その上着がオムツでモコモコした部分を隠している。ナイスフォローだ、知らない人。

「漏らすのはアレだったが、なかなかの剣士のようだ。どうだ、俺の部下になる気はないか」

突然現れた大柄な男は、俺の肩に手を置いてそういってきた。
美しい金髪。精悍な顔立ち。威風堂々たる立ち姿。加えて俺の惨状をいくらか救ってくれた男。

だがあの得体のしれぬ黒人の仲間であり、同時にこの金髪の男自身もまたどこか怪しい。
人間離れした雰囲気。頭のどこかで警鐘が鳴っている。

「さあ、返事をしたまえ」

俺の答えは――>>36


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:09:39.08 ID:7bMe44HS0

だが断る


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:10:12.48 ID:7bMe44HS0

だが断る


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:11:01.68 ID:7bMe44HS0

だが断る


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:11:07.88 ID:3P1pltJZi

だが断る


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:11:38.03 ID:7bMe44HS0

だが断る


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:20:26.08 ID:mqgm/huE0

「……仲間になれば、俺が漏らしたことは黙っててもらえるのか?」
「俺は有能な人材には、敬意を惜しまない」

「後ろの黒人、てめえも今日のことは忘れてくれるか?」
「私はディオに命を救われた。この件に関しては彼の意思に従うつもりだ」

わざわざ高級そうな上着までプレゼントしてくれた、恩人と、その友人。
二人とも、俺が頷けば快く今日のことは忘れてくれると言う。

「だが断る」

――そんなわけがない。きっとこれから毎晩、ベッドの中で俺の惨めな有様を思い出して笑いを堪えるんだ。
今戦えば、俺の惨めさは今日限りだ。勝てば勝利の名誉がある。負けても剣士の誇りは守られる。だがここで頷けば、俺は終わりだ。

「それは残念だ。これから貴様は己のクソより醜いグチャグチャの死体になるわけだが、覚悟はいいか?」

金髪の男がスタンドを出現させる。それは筋骨隆々たる男。威厳に満ちたスタンド。
強敵だ。俺の最後の戦いになるのだとしても、相手にとって不足無し。

さらにホワイトスネイクと呼ばれたスタンドも立ち上がり、俺の背後に立っている。
圧倒的不利。今までの俺には勝ち目は無かっただろう。だが今の俺には、幽かに勝利の可能性も残されている。

俺は諦めない。まずは >>46


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:24:44.48 ID:7bMe44HS0

自分のスタンドに矢を指す


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:25:51.65 ID:LvC6sOvpO

持ってんのかよwwww


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:31:46.80 ID:mqgm/huE0

右耳のイヤリングを千切り取り、強く強く握りしめる。
赤いハート型のそれは、元々は妹が着けていたものだ。

その日、つまらない諍いで喧嘩に出向くことになった俺に怒るでもなく、妹はただこういった。
「無茶しちゃダメ……って言ってもどうせ止まらないだろうから。はい、お守り。月の石の欠片は、持ち主に力をくれるんだって」

妹を殺した男は、何かを探しているようだった。衣類をずさずさにしたのはレイプのためかと思ったが、そういった傷はないようだった。
もしかすると――。

「シェリー。俺に力を貸してくれ……」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:42:50.31 ID:mqgm/huE0

イヤリングが、俺の手の中に吸い込まれていく。

チャリオッツの鎧に罅が入る。それは蝶が繭を破る如く。
新たな段階へ進むために、不要な部分を切り捨てるために。鎧が砕け散る。

「こ、これは!?」
「下がっていろ! ホワイトスネイクではアレの相手は無理だ」

砕けた鎧は四方八方へと飛び、しかし一つも俺の身体には刺さらない。
一方、前後のスタンドは体の節々に切り傷を負っていた。

「いくぞ、シルバー・チャリオッツ・プレリュード!」

重たい鎧を捨てたことで、その速さは別次元へと進化した。
パワー・能力・射程から精密動作に至るまで、金髪の男のスタンドには決して敵わないのだと直感する。

だが、こと速さにおいては、俺はあいつを超えられるッ!

「ザ・ワールド!」

それが相手のスタンドの名なのか。ワールドは地面を殴ってコンクリ破片と埃を巻き上げる。
それは純粋な力比べをさける選択。今の俺の力を、相手が認めたということ。

チャリオッツの剣で身に迫るコンクリ片の軌道を逸らし、次いで来る攻撃に備える。
ワールドの右ストレート。予想通りの位置にきた攻撃に合わせて、身を退きながら剣を突きだす。

「ぬっ!?」

鋭い剣先がワールドの拳に潜り込む。同時に本体の拳からも血が流れ出る。
だが、腕に達するほど深く切り込んだにも関わらず、まるでひるまずに蹴りを放ってくる。やはり、強いッ!


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 17:51:29.20 ID:mqgm/huE0

ほとんど掠っただけだというのに、肋骨が折れるほどの衝撃が伝わってくる。
今のチャリオッツが防御性に乏しいからではない。純粋にワールドのパワーが桁外れなのだ。

背後から飛んでくるディスクを、ポルナレフは後ろを見ること無くかわす。
ポルナレフはそのまま神父へと一直線に走りだす。

ザ・ワールドの追撃の手は止まらない。噴き出す血を飛ばしてくる。
目に入れば視界を奪われ、剣を持つ手につけば握りが甘くなる。

だがそれを、チャリオッツはまるで意に介さずに剣を振るう。
ただその風圧だけで、ディオの飛ばした血は風に吹き飛ばされて狙いを外す。

二撃目。チャリオッツの剣はワールドの肩を貫く。
……だがワールドは止まらない。逆に筋肉を収縮させて剣を捉え、頭突きを放ってくる。
慌てて首を反らずも、頭突きはチャリオッツの肩に激突する。

「うぐおおおッ」

だが、神父との距離は詰めた。ホワイトスネイクは後方。痛みで呻いてる場合じゃない。
神父の首を、絞めつけるッ!


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:06:39.36 ID:mqgm/huE0

「人質のつもりか?」

神父の喉を締め上げる音と、風の音だけが残る。
この場の三人と、三体のスタンドは動きを止めていた。

だが、誤算。この神父のスタンド、自律行動型なのか!? 神父がダメージを負っても、倒れない。

「愚かな。世界を統べる我が能力に、ひれ伏すがいい」

見える。今とは違う光景。全てが止まった中を、悠々と動くワールドの姿。
これがワールドの能力なのか。そして、これがチャリオッツの新たな力なのか。

神父を押さえつけたまま大きく飛ぶ。そしてディオがくれた上着を脱ぎ捨てる。
そしてディオの時間が始まる。

「ふむ。上着で視界を覆い、プッチを突きだしたか。的を確認せずに殴ればプッチが盾になる。いや、なかなかな早業だ。」

ディオは止まった世界の中を余裕を持って歩いていく。ポルナレフの背後に立って感心し、そして止まった。

「……この、クソ野郎がぁああああああああ!」

ポルナレフの背後。そこには先ほどポルナレフが漏らした糞があった。
激昂し、さきほどまでの寛容さをかなぐり捨ててザ・ワールドを動かす。

そこで、ディオの世界が終わる。

「大切なのは冷静であることだ。ディオ。その能力、まだ使いこなせていないんだろう?
シェリーも言ってたな。『無茶しちゃダメ』だ。隙だらけだぜ」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:15:53.85 ID:mqgm/huE0

居合。それは心を無にして放つ必殺の奥義。

「チャリオッツ! やれ!」

いかにパワーで負けるチャリオッツと言えど、カウンターの形でなら威力は十分。
神速の一閃が奔る。ワールドのラッシュをことごとく擦り抜けて、細身の刀身が過たず心臓を穿つ。

ディオの口から血が零れる。神父は眼を見開いて驚愕し、ディオが倒れる。

だが見える。イヤリングから授かった力は、精神を支配する力。今のポルナレフは、他者の心を覗くことで疑似的な未来予知を可能にしている。

だから分かるのだ。ディオの精神はまったく衰えていない。それは生命の危機に瀕した者の心ではない。
いわば、害虫刺されたような、そんな傲慢にして自信に溢れた怒り。

続けるのは危険だ。一矢報いることはできた。神父を離して逃げるという発想が頭に浮かぶ。
臆病ではない。生物が自然に持つ、生きるための器官が、ポルナレフに逃走を指示する。闘争を拒否する。

逃げるならいましかないが…… >>74


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:23:39.33 ID:zFkW97q70

シスコン同士のシンパシーを感じた神父を連れて逃げる


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:32:17.90 ID:mqgm/huE0

精神を読む力が、神父の心の中を見せる。
妹への愛。そして過ち。

それが、ポルナレフの中に残った僅かな闘志を奪い去った。
イヤリングが手の甲に浮き出る。チャリオッツに漲っていた力が消えていく。

矢の加護を無くした彼は、神父のすぐ側にいる赤子の能力に抗う術が無い。
見る間に縮んでいくポルナレフの横で、ディオが胸を押さえて立ち上がった。

「俺の脚を汚すなど言語道断。なんて醜い戦い方だッ。ただ殺すだけでは許せぬ」
「ぐっ、ま、待てディオ。この男のスタンドに何が起きたのか知る必要がある。まだ殺すな」

苦しそうに息をしながら、プッチがディオを止める。
親友の胸倉を掴んでしばらく暴れ、プッチの顔の真っ青な顔を見て、ようやくディオは平静を取り戻した。

「そうだな。これほどの能力を持った男、ただ殺すのは惜しい。プッチ、すまない。ありがとう」


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:39:31.12 ID:mqgm/huE0

脳内で声がする。従え、従え、と。
心の力が萎えていく。これまでの自分を忘れていく。
ただディオに『従え』と。自分の内側の声が鳴り続ける。

意識を取り戻した時、自分の前にはディオがいた。何処とも知れぬ薄暗い部屋。ディオは安楽椅子に座り、聖書を読んでいる。

「やあ。身体に痛むところは無いか? 欲しい物があるならいいたまえ。俺は力あるものには敬意を惜しまない」

物事が上手く考えられない。気絶する前、何があったのだろうか。
確か俺はディオに殴られて、それから確かディオは、ディオ様は俺の頭に――。

「あれから考え直したのだ。やはり君は殺すには惜しい。俺の元で働いてもらう」

俺の意識と関係なく身体が動き、ディオに頭を下げていた。

「早速だが君にやってもらいたいことがある。>>80だ」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:41:57.38 ID:l0MO2G/B0

承太郎一行にスパイとして潜り込む


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:49:39.22 ID:mqgm/huE0

「承太郎?」

「そうだ。彼と私とは浅からぬ仲でね。私の下に彼を送り届けてくれ
――無論、生死は問わない。だができれば死体は残してくれ」

今のポルナレフに、断るという発想は無かった。ただ再度頭を下げて、ポルナレフは部屋を出た。

承太郎一行。既にディオ様の刺客を何人か倒した、腕利きのスタンド使いらしい。
スタンド使いの集団。その中に両右手の男がいる可能性は高い。何しろスタンド使い自体が希少な存在なのだから。

復讐に繋がるかもしれない情報を与えてくれたディオに対する感謝に満たされながら、ポルナレフは歩みを進めた。

承太郎一行の乗った飛行機は最近中国に墜ちたらしい。さて、どう接触しようか。>>86


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:50:40.59 ID:EMmfevd/0

地の文が実にポルポルらしいというか、良質な文章力だ。


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 18:50:42.15 ID:r0Ha5oAV0

観光客のフリ


92: くそっ、中国語でポルって読む漢字探したがみつからねえ! 2012/07/10(火) 19:02:51.26 ID:mqgm/huE0

「ジジイ、何が中国語なら任せろだ」
「いや、これは失敗したわけではない。初めからこういう料理が食べたかっただけだ」

「地の文が実に ??(ポルポル) らしいというか、良質な文章力だ……」
「おや、韓国語ができるのか?」
「ええ、アブドゥルさん。日中韓から英語までできますよ」

「くっ、道理で花京院のところにだけはまともな料理がならんどるわけじゃ!」

承太郎一行は呑気にお茶会だ。これなら空気なら楽に接触できる。
とりあえずすぐ隣に座っているアブドゥルに声にかけてみるか……。

「よう、お前らも観光客か?」
「まあそんなところです。あなたは?」
「俺は…… >>95


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:04:20.85 ID:l0MO2G/B0

シュトロハイムの息子


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:05:07.48 ID:Zm5fVx890

確かにちょっと似てる


104: ちょっとご飯食べてくる 2012/07/10(火) 19:14:56.66 ID:mqgm/huE0

「シュトロハイムの息子だ」

「なん、じゃと!?」

一行の中での最年長、ジョセフ・ジョースターが大きく反応する。
ディオ様の調査は完璧だ。これでジョセフの信頼は勝ち取れただろう。

「親父はスターリングラードの攻防戦で向かう前、言った。もしもの時はジョセフ・ジョースターへの借りを代わりに返してくれ、と」
「そうか……。つまり今わしらが何のために旅をしているかも、わかっているというわけじゃな?」
「ああ! 力になろう!」

ジョセフはそのまま、どこか遠い向こうを見据えて口を閉ざした。まずは一人。この調子で一向に溶け込む!

「待ってくださいジョースターさん。彼は本当にそのシュトロハイムの息子だという証拠の無いのに……」
「見れば分かる。その髪を見れば、な」

次はアブドゥルだ。明らかに疑いの視線を向けてきている。これがディオ様も一目置く占い師の勘という奴か。
上等だぜ。ハリウッドクラスの演技で黙らせてやる。映画を発明した国なめんな!

さて、どう納得させようか>>110


106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:17:03.70 ID:DVejxaAp0

髪………ん?


110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:23:37.82 ID:DLivJfA60

パンツーマルミエをやる


116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:47:41.66 ID:mqgm/huE0

パン! 両の手を勢いよく合わせれば空気が弾け、手のひらは気持ちの音を発する。その形は仏教の禅に通じる!
ツー! 指を二本立てる動作。避雷針を思わせるその形は、東洋の女戦士が必殺技に用いたとも聞く!
マル! 親指と人差し指の邂逅。それは肉親の情へ立ち返る姿。ゆえに円満。
ミエ! 目の前に円をかざせば、世界そのものが円満と化す!

「YEAAH!」

アブドゥルは冷めた目で見つめていたが、花京院とジョセフが反応してくれた。
位置関係上、この席からはピシ・ガシ・グッグッができないのが残念だ。

「アブドゥルさん、この人は信頼できます。少なくとも悪人ではない。この花京院が保証しましょう」
「ぬ、ぬう? 占い師を始めて以来、これほど理解に苦しむ光景を見たのは初めてだ……」
「これは世界の共通言語なんですよ……」

花京院。人を信用しない冷たい男だと聞いていたが、案外話の分かる奴じゃねえか。
ディオ様が一度目をつけたというのも頷ける。良い男だ。

「では、占わせてもらっていいか? 占いに聞いて良い結果が得られれば、君を信じよう」
「それで信じてくれるってのなら結構だが、占いを理由に毛嫌いされるってのは御免こうむりたいぜ」

「では…… >>119 で占おう」


119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:51:59.03 ID:a0csgVlR0

髪の長さ


121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:58:46.71 ID:mqgm/huE0

「では、髪の長さで占おう」
「はあ?」

アブドゥルは俺の自慢の髪を凝視している。急に席から立ち上がり、俺の髪の輪郭を撫で始めた。
せっかくセットした髪が乱れたら大変だ。俺は当然頭を逸らして手をよけようとする。

「な、なにしやがる!」
「髪と占うと言っただろう。黙ってそこに座っていてもらいたい」

ここで変に抵抗したら、怪しいと思われるかもしれない。仕方ない、髪が乱れない程度になら許すしかない、か。

「うむ。良い髪だ。まっすぐで、歪みがない」
「分かってるじゃねえか」

アブドゥルは俺の髪を丁寧に撫でていく。

「根元から先端まで力強い。それでいてしなやかだ」
「ああ! シャンプーにはこだわりがあるんだ」

そして何の前触れも無く俺の髪をかき分けて叫んだ。

「ジョースターさん! 肉の芽です!!!」


122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:59:30.63 ID:oJ1WFpP80

以外!!


123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 19:59:53.45 ID:a0csgVlR0

それは肉の芽ッ!


126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:06:32.73 ID:mqgm/huE0

「くっ、アブドゥル……。俺の髪を弄びやがって!」

「それを言うならディオだ。人の心を弄ぶなど、許されぬ所業」

まずい。人数で負けている以上、俺は圧倒的不利だ。
西洋剣術の基本は歩兵戦。すなわち目の前の敵を倒すために特化した技術。囲い込まれた状況でできる動きはそう多くない。

どうする。一度逃げて出直すか? いや、俺の髪は目立つ。奇襲は難しいし、趣味にも合わない。

「一対一でやろう」

必死に考えを巡らす俺にとって、思ってもみない言葉。それを口にしたのは >>130だった


130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:09:07.37 ID:7bMe44HS0

DIO様


135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:11:31.98 ID:EMmfevd/0

ここでDIO様wwwwwwwwwwwww
急展開にも程があるwwwwwww


137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:17:15.41 ID:mqgm/huE0

「一対一でやろう」

その一言は、なんと俺自身の口から出た言葉だった。肉の芽を通じての指令は、俺自身の意思に優先する。
この状況を何らかの能力でディオ様が見ているのだ。そして肉の芽を通じて喋った。いや、まだ喋り続けている。

「相手は……そう。アブドゥル、お前を指名する。かつて俺の誘いを断ったことを後悔させてやろう。ポルナレフは、手強いぞ」

ようやく俺の身体が自由になる。

「いいだろう。モハメド・アブドゥル、受けて立つ。場所を変えよう」


近くの庭園。芝生は炎使いのアブドゥルにとっていくらか有利な地形だろうが、その程度の不利は乗り越えられる。
距離は5mほど。互いにスタンドを出し合い、向かい合う。

たった一言で窮地を打ち破るとは流石ディオ様だ。一度会っただけだと言うのに、アブドゥルの性質を理解している。


140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:18:51.14 ID:EMmfevd/0

そうきたか、うまいなwwww


146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:29:02.07 ID:mqgm/huE0

5m。それはチャリオッツにとっては一歩で踏みこめる距離であり、同時にマジシャンズ・レッドにとっても炎弾で攻撃するのに申し分ない距離だ。
先に動いた方が不利だ。四方に障害物の無いこの場所で、来ると分かっている初撃を防ぐのは容易い。後攻側には攻撃後の隙をつくチャンスが生まれるだろう。

「アブドゥル。どうした、怖気づいたか」
「そちらこそ。早く剣を抜いてはどうですか?」

だから動けない。
膠着が一分ほど続く。

先に動いたのは、ポルナレフ。剣を抜かないまま、じりじりとすり足で距離を詰めていく。
4m 3m 2m――アブドゥルが動いた。いや、実は既に動いていた。

「何だッ!? 空間が歪んだ!?」
「魔術師の赤とは、炎を操るスタンド。既に空気そのものを燃やしていたッ」

チャリオッツの前の空気が揺らめく。極度の熱が空気に温度層を作りだし、光を屈折させているのだ。

「いけっ! マジシャンズ・レッド! クロス・ファイヤー・ハリケーン!」

『四方に障害物の無いこの場所で、来ると分かっている初撃を防ぐのは容易い』
だがチャリオッツの前には熱の壁がある。後ろによければポルナレフ本体に当たる。左右しか選択肢は無い。

アンク型の炎の塊が迫る。本体ともども右に横っとび。

「まだだ! 追撃しろ! マジシャンズ・レッド!」


147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:31:35.45 ID:oJ1WFpP80

渋いねぇ…おたくまったく渋いぜ…


148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:35:48.69 ID:08lfBJMoO

ブラボー!おおブラボー!


151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:43:47.26 ID:mqgm/huE0

続く炎の渦が、チャリオッツを呑みこむ。

「甘いッ! 白銀はその程度の炎では溶けはしない!」

炎の中からチャリオッツが飛び出す。アブドゥルを守るように立ちふさがるマジシャンズレッドに容赦無く斬りつける。
悪あがきとばかりに繰り出された炎は、やはりチャリオッツを倒すには不足。いくらかの火傷を負ってはいるが、致命傷とはなりえない。

「うぐぁああああ!」

赤き鳥人から迸る赤き鮮血。肩から胴まで袈裟切りにされ、アブドゥルが姿勢を崩す。
瞬間、血が発火する。最初のクロスファイヤーハリケーンに勝るとも劣らず火力。

いまにも振り下ろそうとしていた刃を下し、仕方なしに後ずさるチャリオッツ。
追加の炎弾を飛ばしながら立ち上がるマジシャンズレッドだが、その攻撃も容易くかわされてしまう。

「口ほどにもないぞ、アブドゥル!」

「ふっ。相手が勝利を確信した時、既に決着はついている……でしたよね、ジョースターさん」

「な、なにっ!?」

「その剣を見てみるがいい」

チャリオッツの剣は、剣先が一度溶けて丸まっていた。刺して裂くことに重点を置いた剣にとって、致命的。
極度の熱を剣先に集中させ、その上で空気に冷やされなければこうはならない。

「先ほどからの攻撃、全てその剣の先を集中して熱することだけを考えていた。
火力不足に違和感を感じたりはしなかったか? 大変だったぞ、その髪を燃やさないように炎を操るのは」

「だが、お前は既に大きな傷を負っている。持久戦に持っていかれれば、お前が不利なのは変わらない」


155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 20:51:28.18 ID:mqgm/huE0

「そう。しかしその剣では、私は倒せても残りの戦いに勝つことは不可能だ」

確かに、違和感は感じていた。特に血飛沫が燃え上がるタイミングはおかしかった。剣を引くだけで回避できてしまったのだから。
アブドゥルほどの使い手なら、もっと引きつけてから攻撃することなど容易かったはず。

「アブドゥル、貴様……」

「先ほどの言葉に嘘はない。その髪、良く手入れされている。占い師として言おう。君は筋の通った良い男だ」

俺がアブドゥルを殺そうとしている時、既にアブドゥルは俺を救うことを考えていた。くそっ、完敗だ……。
チャリオッツを消し、その場に膝を着く。アブドゥル、なんて優しい男。その優しさが命取りになるかもしれないというのに。

「この勝負、ここで終わりにしていいか?」
「ああ……」

ジョセフの茨が俺の身体に巻き付いて俺を拘束する。しかし今の俺に抵抗する意思は無く、ただ心地いい敗北感に打ちひしがれていた。

「承太郎、頼む」
「ああ」


159: 風呂入ってきまー わりと長湯します 2012/07/10(火) 21:02:53.89 ID:mqgm/huE0

スタープラチナ。究極のパワーとスピード、精密性を兼ね備えたスタンド。
その指先は針の穴を通すが如き正確さで肉の芽を掴み、そして引き抜いていくッ!

肉の芽は触手を繰り出して承太郎の体内へ潜り込もうとするが、スタープラチナの動きはまるで鈍らない。
だが今回は花京院の時とは違った!

肉の芽がポルナレフに指令を出す。その体は肉体の限界を無視した力でもってハーミットパープルの拘束に対抗し、腕を伸ばす。
ポルナレフの両腕の筋肉があり得ないほど膨張し、承太郎の首を掴む!

本体そのものが揺さぶられては、いかにスタープラチナと言えど影響を受けざるを得ない。
その隙に、承太郎の脳へと、触手が届いてしまったッ!

最後の瞬間、承太郎とポルナレフの喉が同時に動く。
「良くやった、ポルナレフ。やはり君は優秀な男だ」

ハーミットパープルを通じて送られた波紋が、ポルナレフから摘出された肉の芽を焼く。
だが承太郎の脳に入った分はどうしようもない。

「ふふっ。やはりジョースターの肉は良く馴染む……」

承太郎はそう言い残して走り去っていく。

アブドゥルは負傷が激しい。放っておくわけにはいかないが、しかし承太郎を放置するわけにもいかない。

どうする >>165


165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 21:06:27.13 ID:4poYx3mD0

もう一度チャリオッツに矢を刺す


172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 21:37:47.19 ID:mqgm/huE0

考えろポルナレフ。これはお前の責任だ。
このままじゃあディオの思い通りじゃないか。シェリーに顔向けできねえぜ。

そうシェリー。ディオとの戦いの時はシェリーに力を貸してもらって……?
あれ、思い出せねえ。肉の芽の影響か? あの糞漏らしたあたりで記憶がぷっつりと切れて……。

「ポルナレフ、アブドゥルのことは任せた!」
「追いましょう、ジョースターさん!」

右耳を触りながら、ポルナレフは首を傾げる。何か、何か大切なことが……。


175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 21:46:32.64 ID:mqgm/huE0

承太郎は香港の街を疾走していく。

花京院、ジョセフも走るが、段々と距離が離されていく。

「このまま走っても追いつけん! わしは念写で先回りを目指す! 花京院、先に行ってくれ!」
「分かりました! 僕は後ろから追いかけ、ジョースターさんは前に待ち受ける!」

香港。複雑な歴史的背景を経て生まれた、中国の異端地域。
血と金とで発展してきたその土地は、外敵を阻み、内部に闇を膨らませてきた。
香港の街には、数百の小道が張り巡らされている。一歩道を間違えれば、麻薬も殺人もまかり通る暗黒街に繋がっている。

「SHIT! なんて分かりづらい街なんじゃ!」

途中で絡んできた香港マフィアを殴り倒し、ジョセフは懸命に承太郎の行く先を予測する。


176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 21:47:31.60 ID:7bMe44HS0

ジョセフ年取ってもやっぱ強いな


177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 21:48:38.34 ID:4poYx3mD0

あのマッチョ体型だし波紋もあるし


180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 21:52:35.99 ID:mqgm/huE0

「くっ、このままじゃ引き離される一方だ。エメラルドスプラッシュ!」

緑の宝玉は承太郎の前方のコンクリートで跳ね返る。
ただかわすだけなら、後ろに下がれば容易。足止めのための攻撃。
一般人を巻き込む可能性も少ない、合理的な行動といえよう。

「オラァ!」

だが承太郎は止まらない。スタープラチナで薙ぎ払い、強引に進んでいく。
いや、実際はそれは計算し尽された動き。宝玉同士がぶつかり合って軌道を変える。承太郎はほぼ無傷。
まるでエメラルドスプラッシュが承太郎を避けているようだった。

「くっ、スタープラチナ。やはり強い」

二人の距離は縮まらず、刻一刻と開いていく。


186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 22:06:45.62 ID:mqgm/huE0

「承太郎、そこまでだ。娘についた悪い虫を振り払いたい思って日本に来たが……。
仕方ない、先にお前の方の『悪い虫』を焼き殺すとしよう」

ぎりぎり。花京院の足が悲鳴を上げたころ、ジョセフが承太郎の前に立ちふさがった。
承太郎は無言で祖父を見つめる。その様は普段とまるで変わりが無い。

「ジジイ。どきな」
「日本語は苦手でな。拳で語れ!」

ジョセフの言葉に促されるように、スタープラチナの拳がジョセフに向かう。
ハーミット・パープルではパワーが違いすぎる。受け止めるのは不可能。

「ズームパンチ!」

関節をはずし、痛みを波紋で軽減。不自然な骨の有り様は、腕にハーミットパープルを巻き付けることでカバー!
リーチで勝ったジョセフの腕が、向かってくるスタープラチナを殴る。スタープラチナの力を逆利用した形の一撃。

「闘いの年季が違うんじゃよ……」


191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 22:13:12.17 ID:mqgm/huE0

スタープラチナは怯まない。元々波紋とは対吸血鬼用の技。
生命のエネルギーは、ただ放っても人にダメージを与えることはできない。

だが波紋の奔る瞬間、ビリリと全身が痺れる。
蹴り上げてッ! ハーミットパープルで締め上げてる!
行き場を失った衝撃が承太郎の体内を暴れ回り、体勢を立て直す前に胸に拳が入る。

一撃一撃はスタープラチナの足元にも及ばないが、そのコンビーネーションは威力十分。
承太郎は肺から空気を絞り出されて呻く。ハーミットパープルの拘束はますます強まる。

一足遅れて花京院が到着。

「遅かったな花京院。さて、これから肉の芽をどうするかってとこじゃ」 


195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 22:22:51.37 ID:mqgm/huE0

「勝ったと思った時、既に決着はついている……だったか?」

弾丸が、ハーミットパープルを貫く。 その隙に拘束を抜け出す。

「よお。先回りってのは良い手だよな。その点は俺も認めてる。
だが残念ながら、お前らは誘導されてただけだ。本当に待ち伏せてたのは、俺の方だぜ」

近くの建物の屋上から、西部劇風の格好をした男が声をかける。その手には一丁の拳銃。
音も無く発射された弾丸は、今度はジョセフに狙いを付けて発射される。

横に飛んで回避するも、弾丸はすぐさま方向を変えて追尾してくる。
二回目の回避に合わせて、花京院がエメラルドスプラッシュで叩き落とす。

「くっ、承太郎だけでも厄介だというのに」

「てめえが今回の相棒か。よろしくな。おれぁホル・ホース。援護は任せろ」
「要らん。俺一人でもこの程度の茨、引きちぎれた」
「ヒヒっ。そう言うなよ」


201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 22:30:09.78 ID:mqgm/huE0

スタープラチナのジャブがジョセフを追い詰めていく。
回避とガードを繰り返して直撃は避けているが、段々とジョセフの動きに余裕が無くなっていく。
元々単純な性能ではトップクラスのスタンド。搦め手や特殊能力無くして攻略できる相手ではないのだ。

上段への一撃をハーミットパープルを巻いた腕で受け止める。すかさずスタープラチナの左手が奔る。
ハーミットパープルから流した波紋によってスタープラチナの行動を僅かに狂わせ、その隙に紙一重で回避する。

先ほどからこんな攻防の繰り返し。段々と息が上がっていき、波紋が消耗していく。
無理な攻めを行わないのは、はっきりとスタープラチナが優位に立っているから。

ジョセフはだんだんと追い込まれていく。


205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 22:37:06.81 ID:mqgm/huE0

次々と発射されるスタンドの弾丸を、エメラルドスプラッシュで迎撃していく。

だが相手の一発は、こちらの弾幕に甘いところがあればすり抜けていく。
一方エメラルドスプラッシュは、収束すれば大きく回って回避され、拡散すれば隙間を縫って回避されてしまう。
したがって花京院は全力のエメラルドスプラッシュを放出し続ける他無い。

一対多。燃費が違いすぎる。このまま続ければ、先に根を上げるのは間違いなく花京院。

「承太郎とジョースターさんに助けてもらった恩を、今こそ返す時……!」
「はっ。世の中はギブ&テイク。一回の恩のために一生を捨てるなんて馬鹿なことやめな!」

エメラルドスプラッシュの流れ弾は一応はホルホースの方へ飛んでいくが、距離が開けばスタンドパワーも弾幕密度も減る。
どうしようもなく不利。花京院はだんだんと追い込まれていく。


211: なんかだんだん文章がおかしくなっていってるんだぜ! 疲れかな? 2012/07/10(火) 22:53:08.11 ID:mqgm/huE0

「このままではジリ貧じゃ」
「なら一か八か……!」

承太郎との距離を詰められていたジョセフ。
エンペラーに追い込まれ、後退を余儀なくされていた花京院。

二人が同時に、入れ替わるッ!

花京院を追ってきたエンペラーの弾丸を、ハーミットパープルの茨が弾く。
スタープラチナにハイエロファントが絡みつき、動きを一瞬止める。

あまりにも短距離。軌道を変える時間も無く、弾丸がスタープラチナの腰を貫く。

「何っ!?」
「やれやれ、だから援護などいらないと言ったのに」

「大丈夫かッ!? すまねえ、俺がディオなんかにしてやられたせいで……ッ!」

包帯を巻いたアブドゥルに肩を貸しながら、ポルナレフが現れる。

「チッ、ここは一端退却だ。いいな、相棒」

正確に操作するなら、一発。限界まで集中しても二発か三発。それがエンペラーの限界。
だが操作を放棄し、ただ弾丸を撃つだけなら、もっと大量に放てる。

ありったけのスタンドエネルギーで銃弾を放ち、結果を見ずに屋上から飛び降りる。
戦闘が行われた方とは逆側、ホルホースが落ちた先には屋台がある。壊れた屋台に頭を下げつつ、焼鳥を一本くすねてホルホースは立ち去った。

銃弾の雨の中、スタープラチナは己が拳だけで十全な防御を行う。必死に迎撃するジョースター一行から、承太郎は静かに離れていった。


214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 22:59:11.25 ID:mqgm/huE0

ジョースター一行は、一人の仲間を得て、代わりに一人の仲間を失った。
だが悲しみに暮れるでも無く、彼らは元いた飲食店に戻って食事を再開していた。

腹が減っては戦はできぬ。食事をとらなければ、回復もできない。
この状況下で胃袋が活動を続けられるのは、彼らが楽天家だからではなく、彼らが戦士だからだ。

だがディオに囚われた承太郎をどうするかについては、一向に意見がまとまらない。
騒がしく、けれど暗く。食事は進んでいく。

どうしようか >>217


217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 23:01:02.07 ID:422P5WjQ0

アブドゥルをディオにスパイとして送り込む


219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 23:04:58.56 ID:oJ1WFpP80

熱い、熱いぞ!


222: どんどんポルポル君と別のところで話が進んでいくじゃないですかー 2012/07/10(火) 23:14:24.56 ID:mqgm/huE0

「私がディオの下に潜り込むというのはどうでしょう」
「アブドゥル、お前も肉の芽の恐ろしさは知ってるだろ。俺の二の舞になっちまうぜ」

「……いや、ありかもしれん」

ジョセフは苦い顔をしてコーヒーを飲みながら言った。

「一時的になら、修行していない者でも扱えるんじゃ。 わしの、波紋法はな!
加えてアブドゥルは幽波紋使い。才能は十分。この作戦、可能性が無いわけではない」
「しかし、危険すぎる。」

「いえ、やらせてください――ッ!」

滝のように汗を流し、ディオとの出会いを思い出して震え、それでもアブドゥルははっきりと言った。

ジョセフは立ち上がり、無言でアブドゥルの胸を突く。波紋のツボ。一時的に肺を刺激し、太陽の呼吸を強制する。
加えて、浅仙脈疾走(パーパスオーバードライブ)! 生命力の一部を分け与えることで、相手の波紋を強化する。

「うおおッ! 漲るぞハート! いけるッ、この状態が維持できる限り、肉の芽には犯されない」


224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 23:15:36.38 ID:vQJdrhPS0

アヴドゥルハード~肉の芽快感地獄~


228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 23:19:13.06 ID:I4LbUYzM0

クリムゾンオーバードライブか


230: 三部買い揃えておけばよかった タロット・九栄神にどんな奴いたかよく覚えてないぜ…… 2012/07/10(火) 23:28:38.35 ID:mqgm/huE0

「ディオ様。承太郎という男、やはり危険です」
「分かっている。下がれヴァニラ」
「既に節制・恋人が病院送りになっています」
「分かっている。二度言わせる気か」

承太郎は気に入らない連中を容赦なくぶちのめし、ディオの配下と誰とも打ち解けなかった。
しかしディオはその承太郎の行動を一切咎めない。自然、承太郎の周りからは人が消えていった。

「へい、相棒! 今日もご機嫌ナナメか?」
「黙れ」

ホルホースただ一人をのぞいては。

承太郎はあてども無くディオの館を歩き回り、ホルホースは承太郎について回る。
今日もそんな、普段通りの一日。灰を被った部屋を漁り、何もないことを確認して出ていく。その繰り返し。

だが今日は、発見があった。

「なんだこれは……DISCか?」
「ああ、知ってるぜ。プッチって奴のスタンド能力でな。記憶を物質に変えられるらしいぜ」

真暗の部屋の片隅から、スタープラチナがDISCを発見。ホルホースが使用法を教え、二人はその記憶を見ることになる。

「あのディオが押されているだとぉ……!? 信じらんねえ。しかもポルナレフの野郎が?」
「興味深い」

衝撃。未来予知と、時間停止。まさにスタンドの頂上決戦。
それは二人に可能性を見せた。あのイヤリングを手に入れれば、ディオを倒せるかもしれない、と。

「こいつぁ、ディオが片耳につけてる奴じゃねえか」


235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 23:39:44.71 ID:mqgm/huE0

「おいディオ様がお呼びだ。とっとと行きな、承太郎」
「……・ヌケサクが」
「おっとホルホース、てめーは呼ばれてねーぜ。大人しくクソして寝てな」

ディオの部屋、常に暗闇に閉ざされ、蜘蛛の巣が侵入者を拒む一室。
その闇の中に、三人もの男がいるのは珍しい。

ディオ、承太郎、そしてアブドゥル。

「アブドゥルは我が軍門に下りたいそうだ。どう思う、承太郎」

アブドゥルは何も言わない。何の感情も見せないし、何の行動も起こさない。
ただ、その頬は赤く腫れ上がっており、ここに来るまでに何があったかは一目瞭然だ。

「信用ならねえな。俺がお前なら、肉の芽を埋め込むが」
「結構だ。承太郎。やはりお前は良い」

「だから――お前が、お前の手で、アブドゥルに肉の芽を埋え付けろ
気絶させて額を近づけるだけでいい。いや、気絶させずとも、拘束できていればいい。簡単だろう?」

「……ああ」


240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 23:48:54.70 ID:mqgm/huE0

承太郎が私に近づいてくる。

ジョースターさんから受け取った波紋は、ここ数日で使い果たした。
だがその呼吸の方法、波紋そのものの理論についてはそれまでに大体把握できた。
ジョースターさんの暖かな力は、しっかりと私の力になってくれている。

波紋の師には、予言を得意とする者が多いらしい。逆に、占い師である私には波紋の才能があったのかもしれない。

だから、肉の芽を埋め込まれても、その瞬間に波紋を流せば、寄生されることは無い。
しかしそれは明らかにディオを敵に回すということ。ディオと承太郎を同時に相手にするのは無理だ。

「アブドゥル、何故来た」

今のうちに部屋から逃げ、追ってきた承太郎を倒して脳へのダメージ覚悟で肉の芽の除去に挑むか。
あるいはぎりぎりまでひきつけておいて、承太郎の肉の芽が私に触手を伸ばす瞬間に、肉の芽を焼き払うか。
もしくはあえて肉の芽を受け入れて仲間になったふりをし、意識を奪われる直前に波紋の呼吸を行うか。

案はいくつか浮かぶが、そのどれもディオに通用するかと言われれば可能性は薄い。

私の選択は……>>245


245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 23:51:43.57 ID:ebDQc2DK0

波紋を承太郎に流す


254: せっかくなので展開を変えて書き直してみた 2012/07/11(水) 00:10:58.35 ID:wvORalv50

「山吹色の波紋疾走!(サンライトイエローオーバードライブ)」

承太郎を直前までひきつけて、渾身の頭突きを叩き付ける。
波紋は、一点集中がもっとも効率が良い。直接露出し、私に寄生しようとする肉の芽に対してなら、私の微弱な波紋でも効果があるはず。

「残念だったなアブドゥル」

だが、次の瞬間にはスタープラチナが私の腹を殴りつけていた。
頭の中に星が飛ぶ。内臓が燃えるように熱い。ただの一撃で、なんという破壊力。

続けて私の脇腹にスタープラチナの蹴りが叩き込まれる。
一応マジシャンズレッドで受け身を取ったが、それでも吹っ飛ばされて壁に叩き付けられる。

「いいぞ承太郎。あと一撃入れたら肉の芽を入れてやれ」

承太郎は、壁にもたれかかったままの私に向かって歩いていき

「俺に命令するなッ! 虫唾が走る――!」

その途上で、ディオに向かって殴りかかった。


257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 00:18:53.47 ID:wvORalv50

だがディオも速い。異常に早い。
首を動かすだけの動きで、スタープラチナの渾身の一撃をかわしてしまう。

「おのれ承太郎、知っていたのか……!」

いや、かわしたようにしか見えなかったのだが、ディオの耳から血が流れ落ちた。

「アブドゥル、逃げろ! こいつは俺が引き留める。あと三分くらいは正気でいられるはずだ」

スタープラチナが跳びあがり、天井を破壊する。崩れ落ちた天井がディオに降り注ぐ。
それ自体はディオにダメージを与えるには不足だが、零れ落ちた夕日がディオの足を止める。

承太郎からハート型のイヤリングと謎のDISCを渡され、私はスタープラチナによって天井の穴へと投げ飛ばされた。
全身が痛い。ここに来るまでに受けた拷問の傷が酷く、上手く走ることすらできない。

それでも必死に足を動かして、ディオの館から離れていく。
くっ、私の波紋では承太郎を助けるには不足なのか……。もっと早くここに辿りつけていれば……!


261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 00:28:55.19 ID:wvORalv50

「ギイイイイ!」

アブドゥルの前に、氷柱が落ちてくる。夕焼けの中を舞う、一匹の鳥。
続けてアブドゥルの周囲を取り囲むように、氷柱が天井より落ちてくる。

「動物のスタンド使いだと!?」

円環状となった氷柱の中に閉じ込められたアブドゥルに向かって、鳥が急降下してくる。

「だが相性が悪かったな! マジシャンズレッド!」

氷の輪から抜け出し、刃物のように研ぎ澄まされたクチバシから逃れる。
だが溶け出した水がその直後に再度凍りつき、アブドゥルの足を掴んで凝固する。

「何っ! なんてスタンドパワーだ! こいつ、強い!」

自身の足が火傷を追うのを承知で氷を焼き払う。痛む全身に鞭打って、アブドゥルは走る。
所詮鳥。日が沈めば人間以上に視力が落ちる。アブドゥルはただ逃げ延びれば勝てる。

わざと捕まり、ディオの館に送り込まれるまでに、既に満身創痍となったアブドゥル。
夕焼けの中。鳥という種族柄、夜目が効かず、タイムリミットを背負ったペットショップ。

互いにハンデを背負っての、炎と氷の決戦――!


266: あれ、ハヤブサって夜でもわりと視えるのか 2012/07/11(水) 00:41:21.87 ID:wvORalv50

降り注ぐ氷の雨を掻い潜り、しかし遠くへ逃げようとはしない。
無理に燃やしてもすぐ氷に元通りだ。避けられる限りは避け、攻撃の間に呼吸を整えるッ!

「グゥエエエエ!」

痺れを切らして高度を落としてきたハヤブサに、軽く炎弾を投げ付けながらバックステップ。
しなやかな錐もみ回転と共に炎弾をかわすが、先ほどの攻撃は油断させるためのもの。

「クロスファイヤーハリケーンスペシャル!!!」

多数のアンク状の炎がハヤブサに向かって飛ぶ。だが、その炎が、そのまま氷漬けになったッ!
地上から上空へ、奇妙な形の氷の塔が立つ。なんて強大なスタンドパワー……!

大技の跡には隙ができる。続く氷の槍を避ける術は無く、肩と頬とを切り裂かれる。
今の私の力では勝てないのか……?


270: ねむくなってきました 2012/07/11(水) 00:53:22.88 ID:wvORalv50

地面から忍び寄る氷に反応して飛び退く。
だがそれもハヤブサの思惑のうち。空中では身動きが取れない。

前方からハヤブサのくちばしが迫る。後方には氷の塔。
全力でマジシャンズレッドの炎を展開してカウンターを狙うが、ハヤブサは直前で軌道を変えて私の横をすり抜けていく。

自身の炎で身体を焼かれていたのは逆に幸運だったのか。尚も地面から這い寄る氷は、私を足を凍らせるまでにまだ時間をようする。

ハヤブサは氷の塔の上に立ち、冷徹な目で私を見つめてくる。

「ふふふ、この時を待っていた――ッ。お前がその塔で羽根を休める、その瞬間を!」

体内で生成した波紋を、スタンドエネルギーと練り合わせる。
赤と青、正反対の力が混ざり合わせられ、生まれるのは波紋の師、ジョセフの紫色!

緋色の波紋疾走――波紋は物質の力を刺激し、熱を生みだして。
青緑波紋疾走――水の中でより強くより激しく駆け巡る。

「紅碧色の波紋疾走(ターコイズレッドオーバードライブ!) その塔が貴様の墓標だ!」

一瞬にして氷の塔が燃え上がり、溶けだした水の中を波紋が駆け巡る。
あわてて空へ逃げようとするハヤブサを、波紋の伝わった水蒸気が取り囲む。

夕焼けが落ち切る直前、マジックアワーの中で、ハヤブサは真っ逆さまに落下していった。


272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 00:55:31.01 ID:mDE41dDR0

アブさんかっけー


274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 00:55:57.18 ID:x8N3UPSK0

なにこのかっこいいブ男


275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 00:57:38.07 ID:osUoM9xB0

かっこよすぎ吹いた


276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 00:57:57.74 ID:wvORalv50

眠いので、キリが良いところでそろそろ寝ます。
続けたいとは思ってるけど、前回同様、打ち切りになる可能性も否めない。
とりあえず>>1はスタンドパワーを使い果しました

to be continued――→?


279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 01:00:35.58 ID:7SiWRpIA0

乙。相変わらずすごいな


282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 01:01:02.49 ID:YQphWRUD0

>>1ィィィィィィィィィ
乙だッ!オレも乙だッ!乙なんだよォ――ッ!!

オレに「打ち切り」と命令しないでくれ―――ッ!
アブドゥルはオレなんだッ!オレだ!アブドゥルの足のキズはオレのキズだ!!



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