律子「じゃあ私のことの姉ちゃんって呼びなさいよ!!」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 14:35:01.39 ID:Jgz2mteV0
亜美「えっ」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 14:39:15.08 ID:Jgz2mteV0
亜美「律っちゃん? な、なに言ってんの?」
律子(噛んだ……)
律子「……ごほん! えっとね、そうじゃなくて……」
亜美「あ、そだよね。うんうん、いまのは亜美の聞き間違いだよね!」
律子「私のこと『も』、姉ちゃんって呼びなさいよ! って言ったの!」
亜美「……」
律子「それであんたは私の妹になりなさいよ!!!」
亜美「うあうあー! 律っちゃんが壊れちゃったっぽいよ~!」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 14:48:15.57 ID:Jgz2mteV0
【ちょっと前】
律子「あ、いたわね。亜……」
亜美「あんちゅあ~ん あんちゅあ~ん」クネクネ
P「はは、なんだそれ。福山雅治の真似か?」
律子「ちょっと……」
亜美「ねえねえ兄ちゃん兄ちゃん!」
P「どうした?」
亜美「亜美おなか減っちゃった。ごはん食べに連れてってよ~」
P「律子に連れてってもらえよ。俺はいま忙しいからさ」
亜美「暇そうにしてんじゃん! それに、律っちゃんはちょっと……」
P「なんで?」
亜美「律っちゃんに言ったら怒られちゃうもん」
P「飯くらいで怒ることないだろ……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 14:55:29.48 ID:Jgz2mteV0
亜美「そんなことあるよ! 律っちゃんってば、亜美の食べるものに文句ばっかりぶーぶー言っちゃってさ~」
P「そうなのか? ……亜美、こないだ律子の前で何食べたんだ?」
亜美「お子様ランチ!」
P「おお……中学生が……」
亜美「だってあのキーホルダー欲しかったんだもん」
P「……ま、何を食べようと自由だよな。亜美にはなんとなく似合うだろうし、お子様ランチ」
亜美「んっふっふー! やっぱ兄ちゃんは、律っちゃんと違ってわかってるよね~!」
律子「……っ」ピク
P「でもさ、律子だって別に……」
律子「いーかげんにしなさい、亜美」
亜美「うげっ! り、律っちゃん!?」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:03:40.98 ID:Jgz2mteV0
律子「いつまでもプロデューサーに迷惑かけてるんじゃないの。そろそろ仕事、行くわよ」
亜美「メーワクなんてかけてないもんっ!」
律子「……」
亜美「う……こわい……。なんでもないっぽいよ……」
P「お、おい律子。俺だって別に、迷惑なんて……」
律子「あなたもあなたです。あんまり亜美を甘やかさないでください」
P「う……こわい……」
律子「亜美は私の担当アイドルです。あなたの担当とはまた別でしょう?」
P「そりゃそうだけどさ……」
律子「文句ある?」ギロ
P「……なあ、律子。なんか、いつもと違くないか?」
律子「違くないです、これがいつもの私よ」
P「とは言っても……いつもより、イライラしてるって言うか」
律子「……べつに、そんなこと」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:11:55.39 ID:Jgz2mteV0
P「あ、もしかしてあの日」
律子「フンッ!!!」
ドガッ
P「――――っ!!! お、おおっ」
亜美「兄ちゃん!? だ、だいじょぶ~……?」
律子「さすがに今のは無神経すぎよ。今月はまだですから」
P「すいませんでした……いたた……」
亜美「……律っちゃんっ!!」
律子「な、なによ」
亜美「兄ちゃんをいじめないで!」
律子「……いじめるっていうか……」
亜美「もう亜美は怒っちゃったっぽいよ! 怒りによって目覚めて伝説の戦士と化したんだから!」
P「亜美、べつに俺のことは……」
亜美「ダメダメ! こうなった亜美のことは、もうフリーザでも止められないんだから!」
律子「……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:17:32.47 ID:Jgz2mteV0
律子「……だったら、どうするって言うの?」
亜美「もう亜美、兄ちゃんの子になるっ!!」
P・律子「「……は?」」
亜美「律っちゃんの担当アイドルなんてやめてやるんだから~! うあうあー!」
P「お、落ち着け、亜美」
律子「ちょっと、何言ってんの!?」
亜美「兄ちゃんのユニットで、真美といっしょに、面白おかしく兄ちゃんと遊んで暮らしてやるんだから~!」
P「……」
律子「……」
P「……おい、律子」ヒソヒソ
律子「は、はい……」
P「そんなに動揺するな。目が赤くなってるぞ」
律子「……べ、べつにそんなことは……」
ゴシゴシ
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:27:51.65 ID:Jgz2mteV0
律子「ど、動揺なんてしてません……」
P「こんなこと言われるなんて思ってなかったか?」
律子「……」
P「亜美だって本気で言ってるわけないよ。だからさ……」
律子「わかってます、わかってますけど……」
P「……あのことさ。言いづらいなら、やっぱり俺からでも亜美に言ってやろうか?」
律子「……いえ、結構です。ちゃんと私から、言うから」
P「……そっか。ならまかせる」
律子「亜美」
亜美「なーに? もう亜美は、律っちゃんの言うことなんてゼッタイ聞かないんだからね」プイ
律子「……私、亜美にちょっと厳しくしすぎたかもしれない」
亜美「……」
律子「ご、ごめんね。だから、その……」
亜美「律っちゃん……?」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:34:16.56 ID:Jgz2mteV0
律子「……なんて言えばいいんだろ。あーもう……」
亜美「……兄ちゃんに、謝って」
P「いや、俺はべつに気にしてないぞ? ほら、もうピンピンして」
律子「プロデューサー」
P「……」
律子「……ごめんなさい。暴力ふるうなんて、どうかしてました」
P「あ、いや……いつも俺からお願いしてるくらいだし」
律子「ちょちょちょ!!? な、何言ってんの!?」
亜美「……?」
律子「と、とにかく……ごめんなさい。今後は気をつけるわ」
P「……うん、いいよ。最初っから、怒ってなんかないからさ」
亜美「むー……」
P「亜美、俺達はこの通り、仲直りしたから。律子のことも許してやってくれないか?」
亜美「……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:44:00.21 ID:Jgz2mteV0
亜美「……ホントにホント?」
P「ああ」
亜美「……じゃあ、許したげる」
律子「ほ、本当?」
亜美「うんっ! んっふっふ~、やっぱ兄ちゃんと律っちゃんは、仲良しのほうがいいもんねっ!」
律子「……よかった……」
亜美「じゃあさ、じゃあさ! 仲直り記念に、みんなでごはんいこっ!」
ぐ~
P「あはは、そうしたいのは山々だけど……」
律子「それはダメよ、亜美。ほら、さっきから真美が、構って欲しそうな目でプロデューサーを見てるでしょ」
P「俺達もそろそろいかなきゃ。亜美達だって、これから仕事だろ?」
亜美「え~! やだやだ! 亜美、兄ちゃんといっしょがいいっ!」
律子「……」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:50:32.29 ID:Jgz2mteV0
亜美「ねぇ兄ちゃ~ん。いいでしょ。いいでしょ?」
P「そうは言っても……」
亜美「ねえねえ兄ちゃん兄ちゃん~。たまには亜美とも遊んでよ~」
律子「……」
P「でもなぁ……って、あれ?」
律子「……――うやって、いつもいつも……」
P「ど、どうした、律子……?」
律子「……そんなに……兄ちゃん、のことが好きなの?」
亜美「あったりまえっしょ~! えへへ、だって兄ちゃんはなんだかんだ言って、いっつも亜美と」
律子「だったら! 私に甘えればいいじゃない!!」
亜美「えっ」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 15:57:47.87 ID:Jgz2mteV0
P「あの……」
律子「そうよ、あんたはいつだってそう。アイドルアルティメイトのときだって、この人に甘えてばっかりで」
亜美「律っちゃん……?」
律子「プロデューサーから聞いたわ。ずっとイタズラばっかりしてたんでしょ?」
亜美「うう……ば、バレてた……」
律子「私の前では(比較的)良い子ちゃんでいるくせに……」
亜美「……」
P「……」
律子「それを聞いて、私がどう感じたと思ってるの?」
亜美「わ、わかんないけど」
律子「私だってたまには、そういう感じがいいなー、亜美は私よりプロデューサーのほうが好きなのかなー、なんて思ったりしたのよ!」
P「嘘だろ……」
亜美「で、でも! そんなことしたら律っちゃん、怒るじゃん!」
律子「照れ隠しよ! わかりなさいよ!」
亜美「嘘っしょ~……」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:02:53.59 ID:Jgz2mteV0
亜美「で、でもでも……」
律子「いきなりそんなこと言われてもわけわかんないって感じ?」
亜美「う、うん……」
律子「……わかったわ」
亜美「……」
律子「それじゃあせめて、こうして」
亜美「……なに?」
律子「いきなり甘えろだなんて言わない。せめて、じゃあ……!」
律子「じゃあ私のことの、姉ちゃんって呼びなさいよ!!」
亜美「えっ」
律子(噛んだ……)
【回想おわり】
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:08:07.45 ID:Jgz2mteV0
―――
――
―
律子「……ということで、呼びなさい」
亜美「……」
P「……律子。お前、どうしたんだ? 今日はなんか情緒不安定だな」
律子「私だってもう、ここまで来たら引き下がれないんです」
律子「こうなったらとことん、やるとこまでやってやるわ……!」
P「そうですか……」
亜美「……えっと……」
律子「!」
亜美「……ねえ、ちゃん?」
律子「な、なあに? 姉ちゃんのこと、呼んだ?」
律子(んほお!)
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:18:26.25 ID:Jgz2mteV0
亜美「うぅ……なんか、キラキラしててキモチワルイっぽいよ~……」
律子「もうっそんなこと言わないで! ……ね、ねえ、亜美」
亜美「なに~……?」
律子「もっかい言って」
亜美「……姉ちゃん」
律子「! こ、こういうのも……やっぱり悪くないわね!」
亜美「……」
P「……亜美」ヒソヒソ
亜美「どったの兄ちゃん……」
P「今日だけは付き合ってやってくれないか? そしたら今度、真美と一緒にどっか連れてってやるから」
亜美「ホント!? 遊園地でもいい?」
P「……いいぞ」
亜美「やったー! んっふっふ~。兄ちゃんの頼みとなっちゃ、しょーがないっぽいね!」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:26:07.90 ID:Jgz2mteV0
P「律子もさ……うん、色々と抱えてるものがあるんだよ」
亜美「彼氏さんだから知ってるの?」
P「まあ……そう、だけど……」
亜美「兄ちゃんも苦労してるんだね~」
P「あはは……」
亜美「まっかせといて! なんたって亜美は、妹キャラでロリ○ン人気大確定だかんねっ!」
律子「グヘヘ」
亜美「姉ちゃん姉ちゃん!」
律子「な、なあに?」
亜美「えへへ……今日もお仕事、がんばろうね?」
律子「!」
亜美「亜美、姉ちゃんの期待にこたえられるように、いっぱいいっぱい、がんばっちゃうからね」
律子「え、ええ! そうね、一緒に頑張りましょう!」
律子(この気持ち……なんだろう、涼に姉ちゃんと呼ばれるのとは全然違うわ……)
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:36:08.21 ID:Jgz2mteV0
律子「それじゃあ、そろそろ行きましょうか……ふふふ」
亜美「うんっ! じゃあね、兄ちゃんっ!」
P「おう、行ってらっしゃい」
P「さて、俺達も……」
真美「……」
P「そんな顔するなって……べつに、気付いてなかったわけじゃ」
真美「じゃあ真美も会話に入れてよっ! 兄ちゃんったら、亜美とばっかり話して~!」
P「いや、それはその……」
真美「うあうあー! 兄ちゃんは真美の兄ちゃんなのに~!」
P「わかった、わかったから! 話聞いてなら知ってるだろ、今度、な! 遊園地、な!」
真美「えっ、ホントに連れてってくれんの!? やったーん♪」クルクル
P「やっぱり双子だな……単純だ……」
真美「ゼッタイゼッタイ、約束だかんね!」
P「はいはい……」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:42:58.08 ID:Jgz2mteV0
しかし、この約束が果たされることは――なかった。
亜美「う……うぅ……グスッ……ま、真美……兄ちゃん……!」
律子「……っ」
亜美「……どうして……こんなこと……もう二度と……会えない、話せない……」
亜美「真美といっしょにイタズラして……真美といっしょに……兄ちゃんに怒られることも……もう……」
律子「……亜美」
亜美「律っちゃん……」
律子「……いまは、泣きなさい……」
ぎゅっ
亜美「……! う、うう……」
亜美「うわぁあああああん!!!」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:48:17.25 ID:Jgz2mteV0
亜美「……亜美ね……真美に、ゼンゼン、言ったことなかったんだ……」
律子「……何を?」
亜美「お姉ちゃん、って……」
律子「……そう」
亜美「……亜美……良い、妹でいられたのかなぁ……」
律子「私には……わからないわ……」
亜美「……っ」
律子「でもね、亜美」
亜美「な、なに……?」
律子「きっと真美も……いま、天国で幸せなはずよ」
亜美「しあわせ……?」
律子「ええ……だって、こんなにも……、あなたに泣いてもらえるんだもの」
亜美「……う、うう……!」
ポロポロ……
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:52:13.53 ID:Jgz2mteV0
律子「……これからは……」
亜美「え……?」
律子「私が、あなたのお姉ちゃんになる」
亜美「……り、律っちゃん……」
律子「真美に甘えられなかったぶん……これからは、たくさん私に甘えて……」
律子「そして……時々でいいから、思い出しましょう。それでいっしょに……、泣きましょう」
亜美「……」
律子「……」
亜美「……ね、ねえ、ちゃん……!」
律子「亜美……!」
―――
――
―
亜美「ということで、亜美は律っちゃんのこと、姉ちゃんって呼ぶことになったんだ~」
伊織「バッカじゃないの!!? 勝手に殺すんじゃないわよ!!」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 16:53:55.72 ID:zKOJODmy0
りっちゃんはマリみてとか好きそう
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 17:01:03.71 ID:Jgz2mteV0
律子「ち、違うのよ伊織。ホントは真美もプロデューサーもべつに死んでなんか……」
伊織「わかってるわよ! 本気にすると思ったわけ!?」
あずさ「あら、伊織ちゃん。なんだか目、赤くなってるわよ? はい、ハンカチをどうぞ」スッ
伊織「べ、べつにそんなこと、あるわけないじゃない! ……ふんっ、ありがとっ!」
あずさ「ふふっ、どういたしまして~。……ところで、律子さん、亜美ちゃん?」
律子「なんですか?」
亜美「なーに、あずさお姉ちゃん?」
あずさ「どうして急に、『姉ちゃん』、なんて呼ぶことになったんですか~?」
律子「う、それは……」
亜美「んっふっふー! あずさお姉ちゃん、それはね……もがもが」
律子「だ、ダメよ亜美っ! 秘密にするって約束でしょう!」
伊織「どーせろくでもない理由なんでしょ……どうでもいいわよ、そんなの。ずびー」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 17:11:51.39 ID:Jgz2mteV0
亜美「ねぇ姉ちゃん」
律子「な、なあに亜美。グヘヘ」
あずさ「……」
亜美「えっへへ……姉ちゃんっていっつもキレイだね」
亜美「亜美、大きくなったら、姉ちゃんみたいになりたいなっ!」
律子「ふおお」
亜美「んっふっふ~! ねぇねぇねえちゃ」
あずさ「亜美ちゃん」
亜美「えっ?」
あずさ「その……わ、私にも、言ってくれないかしら……?」
伊織「ちょっとあずさ!? あんたまで何言ってんのよ!?」
あずさ「ちょっとだけ、ちょっとだけだから~……ね、ね?」
亜美「え~……」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 17:18:54.26 ID:Jgz2mteV0
亜美「……姉ちゃん、いいかな?」チラ
律子(かわいい!)
律子「……い、いいんじゃない? べつに……」
亜美「そっか……でも、亜美の姉ちゃんは、律子姉ちゃんだけだかんね?」
亜美「あずさお姉ちゃんは、今だけの姉ちゃんなんだかんね?」
律子「わ、わかってるわよ……もちろん……」
亜美「じゃあ……」
あずさ「……」
クイクイ
亜美「姉ちゃん」
あずさ「! な、なあに、亜美ちゃん」
亜美「えへへ……なんか亜美、さびしいから……」
亜美「姉ちゃんに、くっついても、いい?」
あずさ「!! え、ええ! こっちにいらっしゃい、亜美ちゃんっ!」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 17:25:11.43 ID:Jgz2mteV0
ぎゅー
あずさ「うふふふふ……」
亜美「ね、姉ちゃん……くるしいっぽいよ」
あずさ「あ、あら……ごめんなさいね、亜美ちゃん」
亜美「……ううん、いいの。姉ちゃんのムネムネはふわふわしてて、なんか気持ちいいから……」
亜美「もっと、ぎゅっとしてくれても、いいよ……? えへへっ……♪」
あずさ「!!!」
伊織「ノリノリね……というか、真美だって一応あんたの姉でしょうが……」
律子「……」
伊織「……律子?」
律子「な、なによ」
伊織「なんて顔してんのよ。もしかしてあんた、嫉妬してるわけ?」
律子「そそ、そんなことあるわけないじゃない!」
伊織「はぁ~……ほーんと、今日はみんながおかしいわね」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 17:36:54.00 ID:Jgz2mteV0
―――
スタッフ「おつかれ様でしたー」
伊織「皆様、おつかれ様でした♪」
伊織「今後とも、水瀬伊織ちゃん率いる竜宮小町を、是非ご贔屓にしてくださいね♪ にひひ♪」
スタッフ「かわいい!」
伊織「ふー……律子」
律子「どうしたの?」
伊織「代わりに挨拶しておいてやったわよ……」
律子「代わりって……私だってさっき」
伊織「うわの空だったじゃない! たぶん、ほとんどちゃんと聞かれてなかったわよ」
律子「う……そ、そうだったかしら……」
伊織「ったく……ほんと、どうしちゃったの? いつものあんたらしくもない」
律子「……」
伊織「……とにかく、亜美を放しなさいよ。着替えくらいさせてあげて」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 17:43:35.74 ID:Jgz2mteV0
亜美「姉ちゃんのよだれでベトベトだよー」
伊織「はやくシャワー浴びないとね。ま、とにかく着替えてらっしゃい」
亜美「うんっ」
タッタッタ……
伊織「……で?」
律子「……反省してるわ。私としたことが、情けない……」
伊織「そうじゃないわよ。何があったかって聞いてるの」
律子「……」
伊織「……」
律子「実は、その……ね」
伊織「……まさか、あんた……」
律子「……」
伊織「まだあのこと、亜美に言ってないの?」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 17:53:45.72 ID:Jgz2mteV0
伊織「はぁ~……なんだか今日は、ため息ばっかりね」
律子「……」
伊織「律子も律子だけど、プロデューサーもプロデューサーよ。なんでこう、パパッと言えないのかしら」
律子「……あの人は、関係ないわ。亜美と真美には、私から言うってことに決めてたから」
伊織「亜美はともかく、真美にも? 真美の担当はアイツじゃない」
律子「真美に言ったら、どうせすぐに亜美にも伝わるでしょ? だから……」
伊織「……ま、たしかにそうかもね」
律子「……伊織やあずささんと違って、亜美はまだ子ども。だから……」
伊織「だからって、いつまでも先延ばしにしていいことでもないでしょ?」
律子「……そうね」
伊織「……べつに、大丈夫よ」
律子「え?」
伊織「私もあずさも……もちろん亜美も。あんたが思ってるほど、もうよわくはないんだから」
律子「……」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:02:07.49 ID:Jgz2mteV0
律子「さて、と……それじゃあそろそろ、かえり――」
ザァァ……
ビュォォ……
律子「……え、なにこれ?」
あずさ「雨、ですね~」
律子「ちょっと、聞いてないわよ!? さっきまであんなに良い天気だったのにっ!」
あずさ「山の天気は変わりやすいといいますからー……」
律子「とは言っても、こんな……」
ピカッ!!
律子「」ビクッ
ドォォン…… ゴロゴロ……
律子「……こんなの、まるで台風じゃない……」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:10:23.47 ID:Jgz2mteV0
律子「……とにかく、帰りましょう」
伊織「そうね……でも、大丈夫なの?」
律子「なにが?」
伊織「……バス、もう出てないみたいよ。思ったより収録に時間かかっちゃったから」
律子「……」
伊織「新幹線に乗るにしても、まず駅に着かなきゃどうしようもないわ」
律子「う……」
亜美「姉ちゃん……」
律子「ど、どうしたの亜美。大丈夫よ、心配しないで」
亜美「うん……」
伊織「……傘さして、歩いていく?」
律子「それは……」
ゴォォォ……
律子「難しいわね、この風に大雨じゃ……あずささんもいるし……」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:17:36.75 ID:Jgz2mteV0
律子「タクシーは……」
あずさ「……もう、いっぱいみたいですね。あんなに行列が……」
律子「……」
伊織「もうこうなったらしょうがないわね……泊まっていきましょう」
律子「ホテル?」
伊織「ええ、それしかないじゃない。幸い明日の仕事ははやくないし、朝一で出ればきっと間に合うでしょ?」
律子「……そうね」
伊織「そうと決まったら、さっさと行くわよ。たしかここからそう遠くない場所に、それらしいのがあったから」
律子「……伊織」
伊織「なあに?」
律子「ごめんなさい……本来は、私がこういう……」
伊織「いいわよ。私はリーダーなんだから」
律子「……」
伊織「……あんたがいなくても大丈夫なんだ、って、証明してやらなきゃいけないしね。にひひ♪」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:24:28.80 ID:Jgz2mteV0
【お城みたいなホテル】
律子「……ここ? 伊織が見たそれらしいのって……」
伊織「……え、ええ」
あずさ「まぁ……」
亜美「なんかすっごい、キラキラしてるよ~。お城みたい!」
律子「……」
伊織「……」
あずさ「……」
亜美「どったの? はやく行こーよ~。もう亜美、寒いしおなか減ったしでタイヘンなんだよ~」
律子「ちょ、ちょっと待って。まだ心の準備が」
伊織「どどどどどうってことないでしょ! い、いい、いきましょ!」
あずさ「こんなところに泊まるの、私、初めてだわ~……」
亜美「まったまたあずさお姉ちゃんったら大ボケしちゃって~。前にもホテル、みんなで泊まったことあるっしょ?」
律子「それとこれとは種類が違うのよ……」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:33:32.05 ID:Jgz2mteV0
律子「ええ、はい……休憩? あ、いや、宿泊で……」
律子「……あら、こんなに安いのね。こういう場所だといつも……だから、知らなかったわ」
伊織「ど、どうだった?」
律子「もうすぐその……ベッドメイキングが終わるから、しばらくお待ちくださいって」
伊織「そう……女性だけでも、いいのね」
律子「汚れないからでしょ、きっと……」
伊織「汚れるってなんの話よ……でもまあ、なんというか……アレね」
律子「……そうね」
亜美「あずさお姉ちゃん~。なんで亜美の耳、ふさいでるの?」
あずさ「そ、それは~……」
伊織「なんで待合室が個室で、しかもカーテンで仕切られてるわけ?」
律子「なんとなくわかるでしょ……」
伊織「わかりたくなかったわよ……」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:41:59.73 ID:Jgz2mteV0
律子「部屋は二部屋取れたけど……どうする?」
亜美「ふたつ? みんな一緒じゃダメなの?」
律子「そんなにひとつの部屋にたくさんベッドはないのよ。こういうところは、ね」
亜美「そーなんだ……姉ちゃん、詳しいんだね」
伊織「そりゃそうよ。なんたって律子は――」
あずさ「まぁ……」
律子「やめて!」
伊織「……私とあずさが同じ部屋で寝るわ」
あずさ「あら、もう決まっちゃってたの?」
伊織「ええ、いいでしょ? 亜美と一緒だと、寝てる間にどんなイタズラされるかわからないもの」
亜美「うあうあー! 亜美だって、いおりんが寝ようとしたらおでこに水垂らすことくらいしかしないよ~!」
伊織「ふざけんじゃないわよ拷問よそれ!!」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:48:35.85 ID:Jgz2mteV0
律子「伊織……。ありがと」
伊織「べつに、お礼を言われるようなことじゃないわ。いつまでもウジウジしてるのが見てらんないってだけよ」
律子「……そうね」
伊織「……ちゃんと、言いなさいよね?」
律子「わかってるわ」
亜美「んっふっふ~! じゃあじゃあ姉ちゃんっ! 今日はずーっと、亜美と一緒だね!」
律子「……ええ、そうね」
亜美「……あれ?」
律子「じゃあ、行きましょうか。明日もはやいからね、さっさと寝て、英気を養いましょう!」
伊織「ええ」
あずさ「おやすみなさい、亜美ちゃん、律子さん」
律子「おやすみなさい、ふたりとも」
亜美「……律っちゃん……?」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 18:56:48.77 ID:Jgz2mteV0
ガチャ
律子「……あら、案外綺麗じゃない。地方のっていうくらいだから、私てっきり……」
亜美「ベッド、一個しかないんだね~」
律子「そ、そうよ。ふたつあっても使わないでしょうしね……」
亜美「そっかな~?」
律子「……ゴホン! それより、おなか減ってるんでしょ? 何かデリバリーでも頼みましょう」
亜美「あれ? ごはん食べる場所はないの?」
律子「ないわよ。そんなとこで他の利用者と顔合わせても気まずいだけじゃない」
亜美「……?」
律子「ましてやそれが隣の部屋の利用者だったりしたらどーするの」
亜美「えっと、挨拶する? 今日はどこに行くんですかって!」
律子「あんたは本当に純粋な子ね……」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:02:37.74 ID:Jgz2mteV0
―――
――
―
亜美「おいしかった! ごちそーさま、姉ちゃんっ!」
律子「お粗末様でした。って、私が作ったわけじゃないけどね」
亜美「……」
律子「亜美? どうしたの?」
亜美「ううん……」
律子「……さ、お風呂入ってきちゃいなさい。もう子どもは寝る時間よ」
亜美「うあうあー! 亜美のこと子ども扱いしないでよ~!」
律子「じゅーぶん子どもじゃない」
亜美「……そ、そうかもだけど……」
律子「……さっきから、どうしたのよ? 様子がおかしいわよ」
亜美「……ねえ、姉ちゃん」
律子「なに?」
亜美「いっしょに入ろ、お風呂……」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:07:33.17 ID:Jgz2mteV0
律子「なななにを言ってるの!?」
亜美「……姉ちゃん、今日は甘えてもいいって言ったもん」
律子「そ、それはそうだけど……む、無理無理!」
亜美「え~! なんで~!? 一緒に温泉だって入ったことあるじゃんっ!」
律子「だ、だって……! こういう場所じゃ、その……そういうアレが……」
亜美「? こういう場所だと、何が起こるの?」
律子「……」
亜美「……」
律子「……なんでもないわ。わかったわよ、一緒にはいりましょ」
亜美「うんっ! んっふっふ~、それでこそ姉ちゃんだよ~!」
律子(私ったら何を想像して……)
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:09:30.27 ID:oubx2gXd0
りっちゃんに呼ばれた気がするので行ってくるわ
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:12:44.12 ID:Jgz2mteV0
―――
――
―
律子「……ふう」
亜美「気持ちよかったねっ、姉ちゃんっ!」
律子「そうね……私としては、なんとなく気が気じゃなかったけど」
亜美「……」
律子「……」
亜美「……ねえ、律っちゃん」
律子「え?」
律子(律っちゃん、って……ああ、私のことね)
律子「……どうしたの?」
亜美「もう、つまんなくなっちゃった?」
律子「つまんないって……なんの話?」
亜美「だって……姉ちゃん、って呼んでも、あんまり嬉しそうにしてくれないんだもん」
律子「……」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:18:34.24 ID:Jgz2mteV0
亜美「最初はさ、あーんなに亜美にベタベタしてくれたのに……」
律子「……そ、それは……」
亜美「だんだん、姉ちゃんじゃなくて……、いつもの律っちゃんに戻っちゃったのかな」
律子「……」
亜美「……でも、いいんだ」
亜美「ちょっとだけでも、律っちゃんに甘えられたから……亜美はそれで、大マンゾクだよ~」
律子「……っ」
亜美「えへへっ、だからもう……亜美、姉ちゃんの妹、やめるね……」
亜美「律っちゃんもきっと、あんなこと言った亜美に付き合ってくれただけだったんだろうし――」
律子「そんなことないわっ!!」
亜美「!」
律子「そんなことない……私は、ただ、あなたに……」
亜美「り、律っちゃん……?」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:21:19.42 ID:Jgz2mteV0
律子「……亜美」
亜美「……なに?」
律子「こっちに来なさい。髪、乾かしてあげるから」
亜美「うん……」
カチ
ブォォー……
亜美「……気持ちいい……」
律子「……ごめんね」
亜美「なにが~?」
律子「私のわがままに、付き合わせちゃって……」
亜美「……」
律子「……ふだんは、あまり言えないけど……あなたのことを妹みたいに思っているのは、本当よ」
亜美「!」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:27:27.98 ID:Jgz2mteV0
律子「亜美のことをかわいい妹分だ、って思ってる。……ちょっと、手がかかるけどね」
亜美「……えへへ……」
律子「またそこがいいのよ……」
亜美「んっふっふ~。亜美にベタ惚れって感じ?」
律子「当たり前じゃない。あなただけじゃないわ、伊織だって、あずささんだって」
亜美「なーんかいまの、兄ちゃんっぽいね! やっぱ、付き合ってると、似てきちゃうのかな~」
律子「……」
ブォォー……
カチ
律子「……ねえ、亜美。実は私、これから――」
亜美「次は亜美の番だよっ!」
律子「え?」
亜美「亜美が乾かしてあげる。……姉ちゃんの、髪の毛!」
律子「……ふふっ。じゃあ、お願いするわね」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:33:47.63 ID:Jgz2mteV0
―――
律子「……それじゃ、もう寝るわよ」パチン
亜美「うんっ! 枕元に電気のスイッチがあるなんて、ハイテクだね~」
モフモフ
亜美「お布団ふかふかだ~。あずさお姉ちゃんのムネムネみたい……」モフモフ
律子「……あのね、亜美。話があるんだけど、聞いてくれる?」
亜美「ハナシ? なんのこと~?」
律子「……」
亜美「……?」
律子「その……」
亜美「あっ、その前に! えへへ……」
律子「どうしたの?」
亜美「くっついても、いい? 姉ちゃん……」
律子「……ええ、もちろん。こっちに来なさい、亜美」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:37:02.22 ID:Jgz2mteV0
モゾモゾ
亜美「あったかい……」
律子「……」
ぎゅっ
亜美「っ!」
律子「……亜美。あのね、私……」
亜美「……うん」
律子「……もう……」
律子「もう、あなたのプロデューサーじゃ……、いられなくなっちゃうのよ」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:42:18.46 ID:Jgz2mteV0
亜美「……え……?」
律子「もうしばらくしたら……私、765プロを辞めるのよ」
亜美「……う、うそっしょ……?」
律子「……嘘じゃないわ」
亜美「なっ、なんで!? そんなの、聞いてないっぽいよ!!」
律子「……っ」
亜美「亜美わかんないっ! な、なんでりっ……姉ちゃんが、辞めなくちゃいけないの!?」
律子「……」
亜美「……もしかして……亜美のせい?」
律子「な、なんでよ? 亜美は関係ないわ」
亜美「だって、亜美が……いつも、エライ人にメーワクかけてばっかりだから……」
亜美「それで、姉ちゃんは……セキニン? とって、辞めることになっちゃったの……?」
律子「……ちがう。そうじゃないのよ」
律子「亜美のせいなんかじゃないわ。だって亜美は……こんなにも、良い子だもの」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:47:13.84 ID:Jgz2mteV0
亜美「じゃあなんで……っ!」
律子「……」
律子「結婚、するの」
亜美「……へ?」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:51:06.95 ID:Jgz2mteV0
律子「……亜美も知ってるでしょ? 私とプロデューサーのこと」
亜美「う、うん……もうずっと、彼氏と彼女だよね」
律子「……あの人が入社してきて、一年くらいしてからこうなって……」
亜美「そんで兄ちゃんがハリウッド行っちゃって……、また一年経って、帰ってきて……」
律子「それからまた、いっぱいいっぱい、時間が経ったわ」
亜美「……あれからもう、何年くらい?」
律子「……二年、かな」
亜美「……」
亜美「そっか……そう、なんだ」
律子「……急な話で、ごめんなさい。言おう言おうと思ってたんだけど……」
亜美「……でも、なんで……? まだケッコンするなんて感じじゃ、なかったじゃん」
律子「……そのですね、つまり……」
律子「恥ずかしながら……子どもが出来てしまいまして……」
亜美「」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 19:59:21.49 ID:Jgz2mteV0
亜美「こ、子ども……」
律子「……」
亜美「……姉ちゃん」
律子「な、なに? 詳しく聞かないで……自分でも情けないと思うから……」
亜美「出来ちゃったけっk」
律子「言わないで!! わ、私はあの人にちゃんと言ったのよ、でもね、無理矢理そのね」
亜美「だから最近、ステージに立ってなかったんだね……」
律子「ま、まあ……そんな感じ」
亜美「……ねえ、姉ちゃん」
律子「今度はなによ……」
亜美「ってことは、ちゅーしたの……?」
律子「本気で言ってるのか貴様 いま何歳だ」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 20:03:46.34 ID:zKOJODmy0
ええんやで
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 20:11:37.17 ID:Jgz2mteV0
亜美「……えへへ、でも、そっか……」
律子「……ごめんね。今まで言えなくて……」
亜美「ううん、いーんだよっ! それならそうで、亜美はお祝いしてあげなきゃねっ!」
律子「亜美……」
ぎゅっ
亜美「おめでと、姉ちゃん……」
律子「……ありがとう。あなたにそう言ってもらえるのが……一番、嬉しいわ」
亜美「えー? 亜美はお祝いしてくれないって……思ったの~?」
律子「……っ! そ、そうじゃなくてね……」
亜美「んっふっふ~! 亜美だって、もう、オトナなんだから……だから……!」
律子「そうやって……泣かれちゃうって、思ったのよ……」
亜美「な、泣いてなんかないもんっ!」
亜美「……ホント……なんだから~……!」
ポロポロ……
123: 保守ありがとうございます 2012/10/07(日) 20:40:25.84 ID:Jgz2mteV0
亜美「……姉ちゃんがいなくなっちゃうの、さみしいよ……」
律子「……」
亜美「ねえねえ、あとどんくらい、亜美達と一緒にいられるの?」
律子「そうね……今8週目ってところだから、よくてあと三ヶ月くらいかしら」
亜美「三ヶ月……はやいよ、そんなのあっという間じゃん」
律子「……でも、そしたらすぐにお別れってわけじゃないわ」
亜美「え? そ、そーなの!?」
律子「ええ。プロデューサー業はたしかに難しいけど……事務員の仕事なら、それなりに出来るって話だから」
亜美「ピヨちゃんと、ふたりで?」
律子「そうよ。だから、事務所に帰ってきたら、私はいるの」
亜美「……そっか」
律子「……子どもが生まれたら、さすがにあまり、顔を出せなくなるけどね」
亜美「だから、辞めちゃう……?」
律子「……うん。中途半端には、したくないから」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 20:46:02.29 ID:Jgz2mteV0
亜美「……約束して、姉ちゃん」
亜美「赤ちゃんが生まれたら、ゼッタイ、ゼッタイ、亜美たちのところに連れてきてね」
律子「もちろんよ……」
亜美「そんで……、もし辞めちゃっても、そのあとも……」
律子「……」
亜美「亜美の、姉ちゃんでいてね……」
律子「……当たり前じゃない、そんなの」
律子「あなたはいつまで経っても、手のかかる、私の大切な妹よ」
亜美「っ!」
亜美「……うん……!」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 20:48:41.01 ID:Jgz2mteV0
亜美「ねえ、おなか、見てもいい?」
律子「え、いいけど……」
亜美「んっふっふー! どれどれ~♪」
ペラ
律子「うう……」
亜美「……なんか、あんま変わってないね」
律子「そう……? 最近、より寸胴になってる気がするんだけど……」
亜美「……」
ピト
亜美「……あ。蹴った……」
律子「てきとーなこと言ってんじゃないの。まだそこまで大きくなってないわよ」
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 20:55:21.93 ID:Jgz2mteV0
亜美「このなかにいるんだね~、兄ちゃんと姉ちゃんの、赤ちゃん……」
律子「不思議?」
亜美「うんっ。亜美にもいつか、出来るのかな」
律子「……きっと……いいえ、絶対、出来るわよ」
亜美「そっか~……」
律子「その前にちゃーんと、良い人を見つけなさいよね。そして、彼が出来たらまず私に紹介すること」
亜美「えー!? なんで~?」
律子「あったりまえじゃない、適当な男だったらぶん殴ってやるのよ」
亜美「うあうあー! 姉ちゃん、バイオハザードっすぎっしょ~!」
律子「それを言うならバイオレンス、ね」
亜美「……でも、だいじょぶ!」
律子「そう?」
亜美「うんっ! だって亜美、姉ちゃんと兄ちゃんみたいなのがいいもんっ!」
亜美「だから亜美が彼氏さんにするなら、兄ちゃんみたいな人だよ~」
律子「……そう言ってもらえると、なんか、私まで誇らしくなるわね」
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:01:33.49 ID:Jgz2mteV0
亜美「だから……ね……律っちゃん……ん」
律子「……」
亜美「……ねえちゃんも……きっと……」
律子「……」
ナデナデ
亜美「んんむ……髪……」
律子「……こうやって頭を撫でてやるなんて、初めてかもね」
亜美「そだっけ~? えへへ……」
律子「もう限界なんでしょ? こんな時間だもんね」
亜美「……そんなこと……ないっぽいよー……」
律子「……おやすみなさい」
亜美「……」
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:03:53.03 ID:Jgz2mteV0
亜美「でも……」
律子「大丈夫よ、約束したでしょ? 私はすぐに、あなたの前からいなくなったりしないわ」
亜美「……」
律子「だって……今日だけは……、ううん、違う。ずっとずっと……」
律子「プロデューサーとアイドルって関係が変わっても、それだけは変わらない」
律子「私は、あなたの姉ちゃんなんだから」
134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:04:56.38 ID:aUrRIrlE0
※良い話みたいになってるけどラブホです
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:12:35.82 ID:Jgz2mteV0
―――
――
―
P「……さて」
亜美「兄ちゃん兄ちゃんっ! 今日はどんなお仕事なの? 今の亜美ならなんでもバッチこいだよ~」
P「おお、やる気満々だな亜美」
亜美「あったりまえっしょ~! じゃないとカッコ悪いもんねっ」
P「よーし、その意気だ! それじゃあ今日は、資金営業のあとにレッスンも」
伊織「それはダメよ!」
P「えっ……」
亜美「ちっちっち。兄ちゃん、わかってないなぁ~」
あずさ「プロデューサーさん、私達のことまで見てくださるのは、とても嬉しいことですけれど~……」
伊織「今日は、仕事が終わったらすぐに帰るのよ。もうそれは決まってるの。決定決定決定!」
P「伊織に、あずささんまで……」
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:17:54.83 ID:Jgz2mteV0
P「……まあ、わからないでもないけどさ」
伊織「あーら、なにが『わからないでもない』、よ。あんたが一番ソワソワしてるんじゃない」
P「う、うるさい! しかたないだろ……こういう日なんだから」
あずさ「ふふっ、それじゃあ……行きましょうか、パパさん♪」
P「……あずささんにそう言われると、なんだか……こう、胸が熱くなります」
あずさ「?」
亜美「兄ちゃん兄ちゃんっ! もう行こっ!」
P「……ああ、そうだな!」
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:24:28.27 ID:Jgz2mteV0
―――
――
―
伊織「……で」
春香「わぁ~! すっごい、ちっちゃい! かわいいなぁ~……」
真「小鳥さんっ! 次、ぼ、ボクも抱いていいですか!?」
小鳥「ああん、ダメよ真ちゃん。もう少し、もう少しだけでいいから……かりそめの母性を堪能させてちょうだい」
雪歩「あの、わ、私も……!」
伊織「なんでこうなってるのよ……」
律子「あはは……」
伊織「具合、大丈夫なわけ?」
律子「ええ、もうバッチリよ。心配かけてごめんね」
伊織「べ、べつにあんたの心配なんてしてないわ。私はただあの子の」
亜美「うあうあー! いおりん、そんなツンデレは今はいいっしょっ!」
149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:30:24.40 ID:Jgz2mteV0
P「お、おいみんな! 少しは俺にもだな」
真美「んっふっふー! おかえり、兄ちゃん」
P「あ、ああ。ただいま、真美。今日は大丈夫だったか?」
真美「む~……真美だってもう、子どもじゃないんだかんねっ! 心配なんていらないっしょ~」
P「そうだな、うん。それより」
真美「うあうあー! 兄ちゃんっ!!」
P「なんだよ……」
真美「……なーんか、真美のこと、テキトーすぎない~?」
P「そ、そんなことないぞ。今日だって心配で心配で……」
真美「ウソっぽーい……」
P「うぐ……そんな目をしないでくれよ……」
真美「……でも、ま、今日もそれはしかたないっぽいねっ!」
真美「今日は、初めてのオヒロメ、だもんねっ!」
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/07(日) 21:37:27.17 ID:Jgz2mteV0
亜美「……プロ太郎ちゃん、かわいいね」
律子「んな名前じゃないわよっ!」
亜美「律っちゃんにそっくり!」
律子「……そーお? 猿みたいな顔してるじゃない」
亜美「んっふっふー! そんなこと言っちゃって~」
律子「……な、なによ」
亜美「兄ちゃんから聞いちゃったよ~? 毎日毎日、ベロベロペロペロしてるって」
律子「ちょっとあなた!!!」
P「」ビクッ
律子「なな、なんでそういう根も葉もないことを……!」
P「だって本当のことじゃないか……ビデオも撮ったし」
律子「……み、見せたの……?」
伊織「見たわよ」
あずさ「ふふっ、律子さんも赤ちゃんも、とってもかわいかったわ~」
律子「……んな、な、な……!」ブルブル
はよ
高木「実は……本人にも、今日ここに来てもらっている」
雪歩「ええ!? ど、どどうしよう……あ、新しいプロデューサーが来るなんて聞いてないですぅ……」
春香「く、苦節五年……雪歩っ、真っ! 私達も、ついに本格的なデビューのチャンスが……!」
真「ちょ、ちょっと、おちち落ち着きなよふたりともっ! こういうときは、ストレッチをして」
高木「ああいや、実は……彼女の担当は、もう決まっているんだよ」
春香・雪歩・真「えっ」
高木「彼女は、竜宮小町を担当することになっている……」
春香・雪歩・真「……」
高木「……では、紹介しよう。765プロの新プロデューサー……」
高木「――律子君だ」
みんな「……」
律子「あはは……どうも、――律子です」
みんな「えぇえええ!?」
亜美「り、律っちゃん!?」
伊織「どーいうことなの、それ!? 聞いてないわよっ!」
律子「うん、まあ……私も、今日までそうするつもりはなかったんだけどね。社長が……」
―――
高木「いやあ、アイドル諸君より先に抱かせてもらえるとは嬉しいね。ひ孫が出来たような気分だ」
小鳥「ふふっ、社長ったら……」
高木「なんなら、毎日ここに連れてきてくれても構わないよ」
律子「さすがにそういうわけには……」
小鳥「律子さんっ! 私、一生懸命育てますから!」
律子「えー……」
社長「おおそうだ! なんなら、君はもう仕事に復帰してくれてもいい」
高木「君達が仕事に行ってる間は、私と小鳥君が責任を持ってこの子の面倒を見るからね」
―――
律子「ということで……」
律子「あれよあれよという間に、この子がもう少し大きくなるまでちょっとだけ……ということに」
伊織「なによそれ……いつから765プロは託児所になったわけ……?」
あずさ「ふふっ、伊織ちゃんったら、そんなこと言っちゃって……」
伊織「な、なによ」
あずさ「本当は嬉しいんでしょう? 顔に書いてあるわよ~」
伊織「フンッ! そ、そんなわけないじゃない!」プイ
伊織「それに、急に復帰なんてできっこないでしょ! まだこんなにちっちゃいのに……」ブツブツ
律子「……まあ、いきなり毎日ってわけにはいかないからね。私も、あんまりあなた達の力になれないと思うわ」
伊織「……あ……」
律子「でも、少しずつ、少しずつ……頑張っていくから」
伊織「……」
律子「また私に、竜宮小町のプロデュース、させてもらえないかしら」
伊織「……」
伊織「……たまに、あんたの旦那が手伝ってくれるときもあるけど……」
伊織「私達だって、もうそれなりに、セルフプロデュースくらいできるわ」
律子「……」
伊織「……もし足ひっぱったりしたら、しょーちしないんだから」
律子「っ! い、伊織……!」
伊織「なによっ、もう! そんな顔しないでちょうだい!」
伊織「だいたいね、あんたはいつもいつも」
亜美「うあうあー! いおりん、今はそんなこと、どうでもいいっしょー!」
伊織「……そうね、あんたのほうが……言いたいことあるかもね」
亜美「……律っちゃん!」
律子「亜美……」
亜美「んとね、いっぱいいっぱい、言いたいことあるけどね……!」
律子「うん、うん……」
亜美「えへへ……まずは、ありがと!」
律子「ありがとう?」
亜美「うんっ! だって律っちゃんは、約束守ってくれたんだもんねっ!」
亜美「ずっとずっと、律っちゃんは……亜美の姉ちゃんでいてくれるんでしょ?」
律子「……! ……そうよ、もちろんよ!」
亜美「んっふっふ~! それじゃあ律っちゃん、これからも……」
律子「ええ、そうね。これからも――」
亜美「ん? これはちょっと違うっぽいかな~」
律子「えっ」
亜美「そーじゃなくて、律っちゃん、じゃなくて~……」
めでたいけど小鳥さんはもう来世に期待するしかないよね
亜美「姉ちゃん!」
律子「!」
亜美「えへへ……姉ちゃん。これからも亜美のプロデュース、よろしくねっ!」
律子「……うん!」
終り
30越えても小鳥さんはかわいいピヨ
乙
乙面白かった
終わりです お付き合いありがとうございました
最初はただ亜美に姉ちゃんって言われて
んほんほ言ってる律子を書こうとしてたなんて言えない
最初はただ亜美に姉ちゃんって言われて
んほんほ言ってる律子を書こうとしてたなんて言えない
乙。最近律子SS書いてる人だよね?
素晴らしい作品ありがとう。この調子で可愛い律子を書いて下さいお願いします
素晴らしい作品ありがとう。この調子で可愛い律子を書いて下さいお願いします
乙乙
律亜美とは珍しい
律亜美とは珍しい
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高木「……ウォッホン!」
P「あ、社長」
高木「いやあ、今日という日は実にめでたい日だね。君達が結婚を決めたときもそうだったが……」
律子「ありがとうございます。あの、それで……」
高木「ああ、わかっているよ……皆、少し聞いてくれるかな」
みんな「?」
高木「……めでたいついでに、今日は皆に、サプライズプレゼントがある」
P「……」
律子「……」
高木「……我が社に、期待の新入社員がやってきたのだ。プロデューサーとしてね」
伊織「新入社員? こんな時期にですか?」
高木「ああ。経験豊富だし、本人のやる気も十分。私の目にもティンときた逸材だ」