竜児「櫛枝とイチャイチャしたい」
前作:竜児「ん、大河。起きたか……」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 19:45:28.05 ID:OYlsnR640
竜児「と、思っってるわけだが……どうだ櫛枝」
櫛枝「え、えっと……高須くん? ど、どうやらオイラの耳が腐っちまってるようでさ!
出来ればもっかい言ってくんない?」
竜児「え、もう一度か? 流石に俺でももう一回いうのは恥ずかしいと言うか……
まあ、これも櫛枝の頼みだ。言ってやろうじゃねぇか!」
竜児「──えっとそのな。俺は……こう、櫛枝とイチャコラしたいんだよ。本気で」
櫛枝「……………」
竜児「だ、だめか?」
櫛枝「…あ、あははー。高須くんってば面白い冗談言うぜぇー!」
竜児「…………」
櫛枝「ぜっぜっ……ぜー……えっと、本気で?」
竜児「お、おう。本気でだ」
櫛枝 だっ!
竜児「逃げたっ!?」
櫛枝「え、えっと……高須くん? ど、どうやらオイラの耳が腐っちまってるようでさ!
出来ればもっかい言ってくんない?」
竜児「え、もう一度か? 流石に俺でももう一回いうのは恥ずかしいと言うか……
まあ、これも櫛枝の頼みだ。言ってやろうじゃねぇか!」
竜児「──えっとそのな。俺は……こう、櫛枝とイチャコラしたいんだよ。本気で」
櫛枝「……………」
竜児「だ、だめか?」
櫛枝「…あ、あははー。高須くんってば面白い冗談言うぜぇー!」
竜児「…………」
櫛枝「ぜっぜっ……ぜー……えっと、本気で?」
竜児「お、おう。本気でだ」
櫛枝 だっ!
竜児「逃げたっ!?」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 19:57:13.66 ID:OYlsnR640
竜児「ま、待ってくれよ櫛枝ぁ!
じょ、冗談だって!ちょっとしたユーモアだって!」だっだっだ!
櫛枝「うそいっちゃーこまるぜ大将ぉ! あの眼は本気の光を湛えたものだったよ!!」だっだっ!
竜児「やっぱわかるか!? ごめん本気で言ってた!だから許してくれ櫛枝!」だっだっだ!
櫛枝「んじゃー許しちゃるけんのーって、そんなわけあるかーい!!
櫛枝さんはご立腹ですよ! こればっかりは腹の虫が風林火山ですばい!!」だっだっだ!!
竜児「言ってる意味がほとんどわかんねぇけど──もしかして、照れてんのか櫛枝!?」だっだっだ!
櫛枝「…………………」だっだっだ──きっ!
竜児「───お、おうっ! 急に立ち止まってどうしたんだよ…?」
櫛枝「──高須くん。わたし照れてなんかいないよ」
竜児「そ、そうなのか……じゃあ迷惑だったか?」
櫛枝「ううん、そうじゃない。迷惑でもないし、嫌でもなかったさ」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 20:06:17.64 ID:OYlsnR640
竜児「……じゃあどうして逃げたんだよ。嫌じゃないなら、その……」
櫛枝「嫌じゃないのなら、その? なんなの高須くん?」
竜児「み、みなまで言わせるなよ……」
櫛枝「みなまで言わないと、わたしにはわかんないよ」
竜児「そ、そうか? じゃ、じゃあいうけどよ──ごほん、こう……き、ききすみたいなかんじでよ…うん」
櫛枝「───キス? 高須くんはキスがしたいのけ?」
竜児「……お、おう。そうだ、俺は櫛枝とき、キスみたいなことをしてみたいでもないようなきがする…ぞ?」
櫛枝「ふーん……高須くんは、わたしとキスがしたいんだ。へーそうなんだー」
竜児「や、やめてくれ……なんか、そんな口調の櫛枝はちょっと嫌だ……!」
櫛枝「え、どうしてだい高須くん。君はどうどうとわたしとキスがしたいって思って、
わたしにイチャイチャしたいって言ってきたんだよね?」
竜児「そ、そうだけどよ……なんかほらもっと、オブラートに包む的なことをな……思うわけだよ」
櫛枝「うんうん、私もそう思うよ? だからさー私が逃げた理由もそれだってわけ。
いきなりイチャイチャしたいって言われたら、いくらドスコイ神経の私でもまいっちんぐマチコ先生なわけですよ」
櫛枝「嫌じゃないのなら、その? なんなの高須くん?」
竜児「み、みなまで言わせるなよ……」
櫛枝「みなまで言わないと、わたしにはわかんないよ」
竜児「そ、そうか? じゃ、じゃあいうけどよ──ごほん、こう……き、ききすみたいなかんじでよ…うん」
櫛枝「───キス? 高須くんはキスがしたいのけ?」
竜児「……お、おう。そうだ、俺は櫛枝とき、キスみたいなことをしてみたいでもないようなきがする…ぞ?」
櫛枝「ふーん……高須くんは、わたしとキスがしたいんだ。へーそうなんだー」
竜児「や、やめてくれ……なんか、そんな口調の櫛枝はちょっと嫌だ……!」
櫛枝「え、どうしてだい高須くん。君はどうどうとわたしとキスがしたいって思って、
わたしにイチャイチャしたいって言ってきたんだよね?」
竜児「そ、そうだけどよ……なんかほらもっと、オブラートに包む的なことをな……思うわけだよ」
櫛枝「うんうん、私もそう思うよ? だからさー私が逃げた理由もそれだってわけ。
いきなりイチャイチャしたいって言われたら、いくらドスコイ神経の私でもまいっちんぐマチコ先生なわけですよ」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 20:15:13.24 ID:OYlsnR640
竜児「……それってやっぱ、照れてんじゃねぇの?」
櫛枝「ち、ちゃいますやん! これってば、もっと…ツンデレ的なもんですやんかー!」
竜児「テンパってんのかわかんねぇけど、ツンデレってさっきまでの態度を言うんじゃねぇと思うぞ……多分」
櫛枝「う、う~っ………こうなるはずではなかったのに…高須くんってば時に大胆不敵だよねっ?!
普通に一緒に下校してるだけだったのに、急にそんな事言ってくるんだもんよぅ…」
竜児「い、いや……なんかこう、いい雰囲気だったかなって思ってよ…」
櫛枝「それにしたって急すぎるってもんだぜ……高須の坊ちゃんよう…!」
竜児「あ、いや…ダメだったらいいんだ。俺もいきなり過ぎたのは、ちょっと自覚あるから。
櫛枝が無理して……俺の要望に答えなくってもいいからさ」
櫛枝「……それはそれは、あんまりにも卑怯じゃありませんかい…」
竜児「え?」
櫛枝「…………そ、そんなショボンとした表情をされちまってはっ……わたしこと櫛枝実乃梨も!
───だ、黙ってはおれんということですばい…」
竜児「えっとその……じゃ、じゃあ、イチャコラしてくれんのか?」
櫛枝「………ど、どんとこい!」
櫛枝「ち、ちゃいますやん! これってば、もっと…ツンデレ的なもんですやんかー!」
竜児「テンパってんのかわかんねぇけど、ツンデレってさっきまでの態度を言うんじゃねぇと思うぞ……多分」
櫛枝「う、う~っ………こうなるはずではなかったのに…高須くんってば時に大胆不敵だよねっ?!
普通に一緒に下校してるだけだったのに、急にそんな事言ってくるんだもんよぅ…」
竜児「い、いや……なんかこう、いい雰囲気だったかなって思ってよ…」
櫛枝「それにしたって急すぎるってもんだぜ……高須の坊ちゃんよう…!」
竜児「あ、いや…ダメだったらいいんだ。俺もいきなり過ぎたのは、ちょっと自覚あるから。
櫛枝が無理して……俺の要望に答えなくってもいいからさ」
櫛枝「……それはそれは、あんまりにも卑怯じゃありませんかい…」
竜児「え?」
櫛枝「…………そ、そんなショボンとした表情をされちまってはっ……わたしこと櫛枝実乃梨も!
───だ、黙ってはおれんということですばい…」
竜児「えっとその……じゃ、じゃあ、イチャコラしてくれんのか?」
櫛枝「………ど、どんとこい!」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 20:24:32.19 ID:OYlsnR640
竜児「……………」
櫛枝「……………」
竜児「──えっとそれじゃ……手、つなぐか?」
櫛枝「えっ……あ、うん。つなごっ、ごっ、ごっか」
竜児「だ、大丈夫か? 口が回ってないぞ?……んじゃ、櫛枝。手を出してくれ」すっ……
櫛枝「う、うい!」ぱしん!
竜児「痛ぇ!?」
櫛枝「おぎゃー! 勢い余って高須くんの手をビンタしちまったぜー!?」
竜児「お、おう……なかなかの威力だったぜ。櫛枝……!」
櫛枝「ありがとうよ高須くん! そ、それよりも手のひらは大丈夫かい!?」
竜児「大丈夫だ…ちょっと赤くなってるぐらいだから」
櫛枝「そうかい……すまねぇのぉ…すまねぇのぉ……あいらが不器用ってばかりに…
高須くんを傷物にしちまっただ……」
竜児「気にしすぎだ櫛枝! それよりも、ほら──」すっ
櫛枝「ふぇ?」
竜児「──よし、これで繋げられたな。櫛枝、俺の手は冷たくないか?」
櫛枝「……………」
竜児「──えっとそれじゃ……手、つなぐか?」
櫛枝「えっ……あ、うん。つなごっ、ごっ、ごっか」
竜児「だ、大丈夫か? 口が回ってないぞ?……んじゃ、櫛枝。手を出してくれ」すっ……
櫛枝「う、うい!」ぱしん!
竜児「痛ぇ!?」
櫛枝「おぎゃー! 勢い余って高須くんの手をビンタしちまったぜー!?」
竜児「お、おう……なかなかの威力だったぜ。櫛枝……!」
櫛枝「ありがとうよ高須くん! そ、それよりも手のひらは大丈夫かい!?」
竜児「大丈夫だ…ちょっと赤くなってるぐらいだから」
櫛枝「そうかい……すまねぇのぉ…すまねぇのぉ……あいらが不器用ってばかりに…
高須くんを傷物にしちまっただ……」
竜児「気にしすぎだ櫛枝! それよりも、ほら──」すっ
櫛枝「ふぇ?」
竜児「──よし、これで繋げられたな。櫛枝、俺の手は冷たくないか?」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 20:33:47.97 ID:OYlsnR640
櫛枝「…………」じー
竜児「どうした櫛枝……ずっと俺の手を見つめて」
櫛枝「え、あ、うん!? ち、ちがうっさー! これは大してそういうんじゃなくってね!」
竜児「お、おう。どうしたんだ…?」
櫛枝「と、とりあえず…………」ぐっ!
竜児(いい笑顔で親指を立てられた……これは良いってことなんだろうな。うん、そうしとこう)
櫛枝「そ、そっじゃー高須っくん! このままどこにいくかいっ?」
竜児「おう。そうだな……とりあえずは土手まで行ってみるか。
あそこは人通りも少ないし、櫛枝もテンパらずにすむだろ?」
櫛枝「お、おうよ! わたしってば神経、糸電話なにも脆いもんなー!すっごい脆いもんなー!」
竜児「そうでもないだろ。櫛枝は強いやつだって俺は思うよ」
櫛枝「……褒めてくれなさんなって。わたしは一般女子高生の、か弱い女の子ですよ」
竜児「へぇー、そうなのか。でもなぁ……櫛枝の手のひらは俺のよりもすっごい強そうだぞ」さわさわ
竜児「どうした櫛枝……ずっと俺の手を見つめて」
櫛枝「え、あ、うん!? ち、ちがうっさー! これは大してそういうんじゃなくってね!」
竜児「お、おう。どうしたんだ…?」
櫛枝「と、とりあえず…………」ぐっ!
竜児(いい笑顔で親指を立てられた……これは良いってことなんだろうな。うん、そうしとこう)
櫛枝「そ、そっじゃー高須っくん! このままどこにいくかいっ?」
竜児「おう。そうだな……とりあえずは土手まで行ってみるか。
あそこは人通りも少ないし、櫛枝もテンパらずにすむだろ?」
櫛枝「お、おうよ! わたしってば神経、糸電話なにも脆いもんなー!すっごい脆いもんなー!」
竜児「そうでもないだろ。櫛枝は強いやつだって俺は思うよ」
櫛枝「……褒めてくれなさんなって。わたしは一般女子高生の、か弱い女の子ですよ」
竜児「へぇー、そうなのか。でもなぁ……櫛枝の手のひらは俺のよりもすっごい強そうだぞ」さわさわ
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 20:43:09.58 ID:OYlsnR640
櫛枝「っ……!?」
竜児「これは部活で出来たタコか。それにバイトで重労働もやっているだろうしさ、柔らかくとも弾力性のある手は、
すっげー強そうだけどな」
櫛枝「な、なに詳しく説明してるんだい高須くんっ……や、やめてくれ! やめておくんなまし……!」
竜児「え、どうしてだよ? だって揉んでると結構気持ちいいぞこれ……すごいな。手がもみ心地が良いとは初体験だ」
櫛枝「ひゃ、ひゃー! 高須くんがセクシャルハラスメントに目覚めよったでー!!」
竜児「あ、こら…暴れんなって櫛枝。ちゃんと揉めないだろ」
櫛枝「もなくていいよ! は、恥ずかしいから……!!」
竜児「恥ずかしがんなって。代わりに俺の揉ましてあげるからさ」
櫛枝「……それはなんだかエロっぽく聞こえるのは、耳年増な私のせいでもないよねぇー?!」
竜児「当たり前だ、やましい気持ちで言ったんじゃないぞ。本気で言っただけだ」
櫛枝「oh! 高須くんがなんかもう、色々と吹っ切れてる状態だって今わかったよわたし!」
竜児「これは部活で出来たタコか。それにバイトで重労働もやっているだろうしさ、柔らかくとも弾力性のある手は、
すっげー強そうだけどな」
櫛枝「な、なに詳しく説明してるんだい高須くんっ……や、やめてくれ! やめておくんなまし……!」
竜児「え、どうしてだよ? だって揉んでると結構気持ちいいぞこれ……すごいな。手がもみ心地が良いとは初体験だ」
櫛枝「ひゃ、ひゃー! 高須くんがセクシャルハラスメントに目覚めよったでー!!」
竜児「あ、こら…暴れんなって櫛枝。ちゃんと揉めないだろ」
櫛枝「もなくていいよ! は、恥ずかしいから……!!」
竜児「恥ずかしがんなって。代わりに俺の揉ましてあげるからさ」
櫛枝「……それはなんだかエロっぽく聞こえるのは、耳年増な私のせいでもないよねぇー?!」
竜児「当たり前だ、やましい気持ちで言ったんじゃないぞ。本気で言っただけだ」
櫛枝「oh! 高須くんがなんかもう、色々と吹っ切れてる状態だって今わかったよわたし!」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 20:51:28.66 ID:OYlsnR640
竜児「わかってくれたか櫛枝……意外とそのな、お前と手をつないでるのってやばいんだよ」
櫛枝「やばいの……?」
竜児「おう。なんかもう、こう色々としたくなっちまうんだ……櫛枝とな。
くっつきあったり、イチャイチャしたり、頭を撫でてあげたいとかさ」
櫛枝「あ、頭は部活で汗臭くってダメだぜ……?」
竜児「かまわねぇよ。むしろ喜んで撫でてやる」
櫛枝「なんとっ!」
竜児「──ま、それぐらいテンパってるってわけだ。実際問題、口元のニヤケを隠すのに苦労してる」
櫛枝「そ、そんなに……わたしのような手をつないだだけで、嬉しいのかな……?」
竜児「死んでもいいぐらいだ」
櫛枝「そ、そうかい……こりゃー参ったねっ…!
そんなに喜ばれるってわかっちまったら……その、あれだよね」
竜児「どうした、櫛枝?」
櫛枝「…………っ……そぉいっ……」ぐいっ
竜児「お、おう! く、櫛枝…?」
櫛枝「う、腕組むぐらいは……ねっ? いいんじゃないって思うよ…っ」
櫛枝「やばいの……?」
竜児「おう。なんかもう、こう色々としたくなっちまうんだ……櫛枝とな。
くっつきあったり、イチャイチャしたり、頭を撫でてあげたいとかさ」
櫛枝「あ、頭は部活で汗臭くってダメだぜ……?」
竜児「かまわねぇよ。むしろ喜んで撫でてやる」
櫛枝「なんとっ!」
竜児「──ま、それぐらいテンパってるってわけだ。実際問題、口元のニヤケを隠すのに苦労してる」
櫛枝「そ、そんなに……わたしのような手をつないだだけで、嬉しいのかな……?」
竜児「死んでもいいぐらいだ」
櫛枝「そ、そうかい……こりゃー参ったねっ…!
そんなに喜ばれるってわかっちまったら……その、あれだよね」
竜児「どうした、櫛枝?」
櫛枝「…………っ……そぉいっ……」ぐいっ
竜児「お、おう! く、櫛枝…?」
櫛枝「う、腕組むぐらいは……ねっ? いいんじゃないって思うよ…っ」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 21:01:53.14 ID:OYlsnR640
竜児「で、でも……いいのか? 恥ずかしくないのか?」
櫛枝「な、なにもいうでない…っ! ほら、行くんだよ高須くん……っ!」ぎゅぅ…
竜児「お、おう! じゃあ行くぞ」すたすた…
櫛枝「あ、あいあいさー……っ!」すたすた…
後方の電柱裏
「──……やっと先に進んだのか?」
「──……みたいね。つぅか高須くん、キャラ違くない?」
「──……あったりまえでしょ。どれだけ竜児を育てたと思ってんの」
すたたっ!
北村「いやぁ、なかなかに楽しいもんだな。尾行というものも」
亜美「どっこがよ。何も楽しくなんかないんだけど?」
大河「素直になりなってばかちー。あんたも楽しんでるんでしょ?」
亜美「うっさいチビ、わかったような口をきくんじゃねー」
北村「まあまあ、亜美。お前だって喜んで参加したじゃないか」
櫛枝「な、なにもいうでない…っ! ほら、行くんだよ高須くん……っ!」ぎゅぅ…
竜児「お、おう! じゃあ行くぞ」すたすた…
櫛枝「あ、あいあいさー……っ!」すたすた…
後方の電柱裏
「──……やっと先に進んだのか?」
「──……みたいね。つぅか高須くん、キャラ違くない?」
「──……あったりまえでしょ。どれだけ竜児を育てたと思ってんの」
すたたっ!
北村「いやぁ、なかなかに楽しいもんだな。尾行というものも」
亜美「どっこがよ。何も楽しくなんかないんだけど?」
大河「素直になりなってばかちー。あんたも楽しんでるんでしょ?」
亜美「うっさいチビ、わかったような口をきくんじゃねー」
北村「まあまあ、亜美。お前だって喜んで参加したじゃないか」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 21:11:46.48 ID:OYlsnR640
亜美「ハァ? これはこの手乗りタイガーが勝手に亜美ちゃんを
ここまで連れてきただけなんですけどー?」
北村「…そうなのか逢坂?」
大河「うん、まあね。だってそうしなきゃ、ばかちーこなさそうだったから」
亜美「あったりまえでしょ! なんでこんなこと亜美ちゃんがしなきゃいけないわけ?
こんなのあたしが前に経験したストーカーとなんらかわりないじゃないの!」
北村「あー……懐かしいなそれ、秋の頃だっけか?」
大河「ううん、北村くん。あれは冬だったよ」
亜美「春よ春!! あんたらあたしが転校してきた季節も覚えてないの!?」
大河「うっさいわねー……黙ってなさい発情チワワ!
ともかくここは、竜児とみのりんの行動を尾行するの!」
亜美「───……だからどうしてそうなってんのよ。意味分かんないし、それよか…
……みのりちゃんと高須くんって、付き合ってたんだ」
大河「……それがなに? なにか悪いとでも言うのかしらこの犬は」
北村「そうだぞ亜美! 人の恋路はいつだって自由にあるものだからな!」
亜美「黙れ振られまるお。……ふーん、そうなんだ。あんた、それで納得してんの?」
ここまで連れてきただけなんですけどー?」
北村「…そうなのか逢坂?」
大河「うん、まあね。だってそうしなきゃ、ばかちーこなさそうだったから」
亜美「あったりまえでしょ! なんでこんなこと亜美ちゃんがしなきゃいけないわけ?
こんなのあたしが前に経験したストーカーとなんらかわりないじゃないの!」
北村「あー……懐かしいなそれ、秋の頃だっけか?」
大河「ううん、北村くん。あれは冬だったよ」
亜美「春よ春!! あんたらあたしが転校してきた季節も覚えてないの!?」
大河「うっさいわねー……黙ってなさい発情チワワ!
ともかくここは、竜児とみのりんの行動を尾行するの!」
亜美「───……だからどうしてそうなってんのよ。意味分かんないし、それよか…
……みのりちゃんと高須くんって、付き合ってたんだ」
大河「……それがなに? なにか悪いとでも言うのかしらこの犬は」
北村「そうだぞ亜美! 人の恋路はいつだって自由にあるものだからな!」
亜美「黙れ振られまるお。……ふーん、そうなんだ。あんた、それで納得してんの?」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 21:23:26.11 ID:OYlsnR640
大河「…その質問の意味が理解出来ないんだけど。何? 私がなにかおもうことがあるって思ってんのかしら?」
亜美「しらばっくれてんじゃねーよ、チビ。あんたが一番わかってることでしょうが」
大河「───…ほんっとバカ発情チワワね。ばかちー、あのね。これは私が元から望んでいたことなんだけど?」
亜美「この結果が?いっちゃあれだけど、あたしにはあんたが満足のいった結果だとは思ってはないんだけど」
大河「満足とか、そういうことを言ってるわけじゃないってわかってないのかしら。
──これはあの二人が決めた結果よ。誰にも覆せないし、誰にも邪魔はできないし、誰にも壊せやしないの。わかる?」
亜美「いいこぶってまぁ、腹の底ではなに考えてんだがわかんないけど──……んで、どうすんのよ。
そんな事言っちゃってるあんただけど、今あたしたちがしていることって……あの二人のじゃまになんないのかしら」
大河「そうね、あんたが言うことも一理ある。でも、これはそうじゃないの」
亜美「……はぁ?なにいってんのよ」
大河「──北村くん。お願い」
北村「承知した──…亜美、よーく聞け。これはだな……」
亜美「なによ」
北村「……櫛枝の、望みなんだ」
亜美「しらばっくれてんじゃねーよ、チビ。あんたが一番わかってることでしょうが」
大河「───…ほんっとバカ発情チワワね。ばかちー、あのね。これは私が元から望んでいたことなんだけど?」
亜美「この結果が?いっちゃあれだけど、あたしにはあんたが満足のいった結果だとは思ってはないんだけど」
大河「満足とか、そういうことを言ってるわけじゃないってわかってないのかしら。
──これはあの二人が決めた結果よ。誰にも覆せないし、誰にも邪魔はできないし、誰にも壊せやしないの。わかる?」
亜美「いいこぶってまぁ、腹の底ではなに考えてんだがわかんないけど──……んで、どうすんのよ。
そんな事言っちゃってるあんただけど、今あたしたちがしていることって……あの二人のじゃまになんないのかしら」
大河「そうね、あんたが言うことも一理ある。でも、これはそうじゃないの」
亜美「……はぁ?なにいってんのよ」
大河「──北村くん。お願い」
北村「承知した──…亜美、よーく聞け。これはだな……」
亜美「なによ」
北村「……櫛枝の、望みなんだ」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 21:32:19.34 ID:OYlsnR640
亜美「……みりのりちゃんの? なに、そしたら尾行ってみのりちゃんから頼まれたの?」
大河「そう、そうなのばかちー。これはみのりんのお願い……私達が後ろにいることを、
どーしてもって頼んできたの」
亜美「…………」
北村「ああ、それでな。恋愛のことならお任せみんなの相談役……振られ大明神様が黙ってるわけがないだろう?」
亜美「…………」
大河「それでこうなってるわけ。みのりんが何を考えているのかはわかならない。でも、
なにかしらの理由があってそうしてるってのは……親友の私なら、なんとなくわかる」
亜美「……何がわかるっていうのよ。これ、ただの──見せつけてるだけじゃない」
大河「……ばかちー。それは…」
亜美「親友だからってわかる?…はん、笑わせないでよ。今現在、あんたが見ているものは何?
その親友と、いつまでもべったりくっつきあっていた『おともだち』が……イチャイチャしている光景よ?」
大河「……………」
亜美「あんたが何をわかってんのかは、あたしにはわからない。
だってみのりちゃんは親友じゃなければ、友達でもないつもり」
北村「おい、亜美……」
亜美「祐作はだまってて」
大河「そう、そうなのばかちー。これはみのりんのお願い……私達が後ろにいることを、
どーしてもって頼んできたの」
亜美「…………」
北村「ああ、それでな。恋愛のことならお任せみんなの相談役……振られ大明神様が黙ってるわけがないだろう?」
亜美「…………」
大河「それでこうなってるわけ。みのりんが何を考えているのかはわかならない。でも、
なにかしらの理由があってそうしてるってのは……親友の私なら、なんとなくわかる」
亜美「……何がわかるっていうのよ。これ、ただの──見せつけてるだけじゃない」
大河「……ばかちー。それは…」
亜美「親友だからってわかる?…はん、笑わせないでよ。今現在、あんたが見ているものは何?
その親友と、いつまでもべったりくっつきあっていた『おともだち』が……イチャイチャしている光景よ?」
大河「……………」
亜美「あんたが何をわかってんのかは、あたしにはわからない。
だってみのりちゃんは親友じゃなければ、友達でもないつもり」
北村「おい、亜美……」
亜美「祐作はだまってて」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 21:39:49.25 ID:OYlsnR640
亜美「──みのりちゃんは、確かに仲のいい子だって思ってる。でも、そんな言葉を介してないもので信用できるほど、
あたしはみのりちゃんとは仲良くはないって思ってるつもり」
亜美「だって、こんなことは──ちゃんと言葉にして言うべきでしょ。
何かをするべきことを決定したんだったら、単にお願いだけじゃなくて……ちゃんときっぱり言わないとダメじゃないの?」
大河「うん、ばかちーの言うとおりだって思う。それは私にもわかってることだから」
亜美「……だったら、なんであんたはここにいるの。どうして止めないのよ。どうして断らなかったのよ」
大河「……………」
亜美「…………? 何?」
大河「──大丈夫。じきにわかるよ、ばかちー。あんただって人の気持ちがわかるやつだって思ってるし…それに」
大河「───竜児も、みのりんも。こんな不可思議なことがダメなことぐらい、ちゃんとわかってるから」
亜美「……なによ、それ。いったどういう意味───」
大河「ううん、今は何も言わない。だってすぐにわかることだから。だから、ね?
ばかちー、あんたが個々に必要なことだけは……私にもわかってるの」
あたしはみのりちゃんとは仲良くはないって思ってるつもり」
亜美「だって、こんなことは──ちゃんと言葉にして言うべきでしょ。
何かをするべきことを決定したんだったら、単にお願いだけじゃなくて……ちゃんときっぱり言わないとダメじゃないの?」
大河「うん、ばかちーの言うとおりだって思う。それは私にもわかってることだから」
亜美「……だったら、なんであんたはここにいるの。どうして止めないのよ。どうして断らなかったのよ」
大河「……………」
亜美「…………? 何?」
大河「──大丈夫。じきにわかるよ、ばかちー。あんただって人の気持ちがわかるやつだって思ってるし…それに」
大河「───竜児も、みのりんも。こんな不可思議なことがダメなことぐらい、ちゃんとわかってるから」
亜美「……なによ、それ。いったどういう意味───」
大河「ううん、今は何も言わない。だってすぐにわかることだから。だから、ね?
ばかちー、あんたが個々に必要なことだけは……私にもわかってるの」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 21:50:08.16 ID:OYlsnR640
亜美「……意味がわかんないわよ。ちゃんと説明しなさいってば!」
大河「だーから直に分かるってば!
すこしばかり黙って見てればすむってはなし! さぁほら行くよばかちー!」ぐいぐい
亜美「きゃ……ちょ、押すなチビ……ッ!」
大河「北村くんもいくよー! だって北村くんは、今日は特別ゲストだからねー!」
北村「うむ。それは承知のうえだ! ぜひとも見させていただくぞ!」
前方・土手付近
竜児「──つ、ついたぞ櫛枝……ッ!」
櫛枝「──お、おうよ……っ!辛い道のりだったなぁ…お互いにヨォ…!」
竜児「そ、そうだなっ……もう俺の心臓はちきれそうだぜ……っ!」
櫛枝「さっきから絡めてた腕から、どんどこ感じ取れてたよ!
高須くん、寿命なんだか縮んでないよねっ?」
竜児「お、おう。大丈夫のはずだ……櫛枝にいわれたらちょっと怖いけどな!」
櫛枝「なにをおっしゃるわけぇーの! これぐらいでへたったら、将来生まれてくる子供を養えねぇぜ!」
竜児「先が長すぎるスケールの話だなそれ!
ともかく……土手についたわけだが……」
大河「だーから直に分かるってば!
すこしばかり黙って見てればすむってはなし! さぁほら行くよばかちー!」ぐいぐい
亜美「きゃ……ちょ、押すなチビ……ッ!」
大河「北村くんもいくよー! だって北村くんは、今日は特別ゲストだからねー!」
北村「うむ。それは承知のうえだ! ぜひとも見させていただくぞ!」
前方・土手付近
竜児「──つ、ついたぞ櫛枝……ッ!」
櫛枝「──お、おうよ……っ!辛い道のりだったなぁ…お互いにヨォ…!」
竜児「そ、そうだなっ……もう俺の心臓はちきれそうだぜ……っ!」
櫛枝「さっきから絡めてた腕から、どんどこ感じ取れてたよ!
高須くん、寿命なんだか縮んでないよねっ?」
竜児「お、おう。大丈夫のはずだ……櫛枝にいわれたらちょっと怖いけどな!」
櫛枝「なにをおっしゃるわけぇーの! これぐらいでへたったら、将来生まれてくる子供を養えねぇぜ!」
竜児「先が長すぎるスケールの話だなそれ!
ともかく……土手についたわけだが……」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 21:54:26.52 ID:OYlsnR640
竜児「……………」
櫛枝「……………」
竜児「…とりあえず、そこらへんに座るか」
櫛枝「う、うっす!」すとん…
竜児「……………」
櫛枝「……………」
竜児&櫛枝「あのっ……」
竜児「えっ、あ、お、おう……櫛枝からさきにいいぞ」
櫛枝「へっ!? あ、いやー……その高須くんからさきにー…」
竜児「…………っ」
櫛枝「っ…………」
竜児「その、な。熱くないか……?」
櫛枝「えっ……?な、なにがかなぁっ……?」
竜児「ずっと腕絡めてたままだと……けっこう体温が溜まって熱くねーかなって思ってさ」
櫛枝「……………」
竜児「…とりあえず、そこらへんに座るか」
櫛枝「う、うっす!」すとん…
竜児「……………」
櫛枝「……………」
竜児&櫛枝「あのっ……」
竜児「えっ、あ、お、おう……櫛枝からさきにいいぞ」
櫛枝「へっ!? あ、いやー……その高須くんからさきにー…」
竜児「…………っ」
櫛枝「っ…………」
竜児「その、な。熱くないか……?」
櫛枝「えっ……?な、なにがかなぁっ……?」
竜児「ずっと腕絡めてたままだと……けっこう体温が溜まって熱くねーかなって思ってさ」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 22:03:35.40 ID:OYlsnR640
櫛枝「そ、そうだねー! たしかに、脇んところとかちょっちムレムレかも……」
竜児「…………」
櫛枝「──高須くん! それはだめだぜ!」
竜児「えっ!? どうした櫛枝!?」
櫛枝「い、いま……鼻を動かしたであろうっ! だめだめだめー!それは乙女として恥じらいを持たせておくれ!
どうかご堪忍ぉー!!」
竜児「い、いや……すまん。なんというか条件反射でかごうとしてた……
というか別にもっと乙女らしく恥じらいはもってもいいんだぞ…?」
櫛枝「そ、そうかい…? いやぁー…なんだろうね、ちょっと高須くんの前だと──どうも男らしさをアピールしそうになるんだよ。
どうしてだろうねー…」
竜児「…そうなのか? いや、こればっかりは櫛枝のことだから何もいえないけどよ。
ともかく俺はそんな櫛枝も……その、可愛くて好きだぞ…うん」
櫛枝「えっ、あ、うんっ!……ありやとぅ……っす……」テレテレ
竜児「………」ポリポリ…
櫛枝「───た、高須きゅん…っ!」
竜児「おう!? どうした急に?」
竜児「…………」
櫛枝「──高須くん! それはだめだぜ!」
竜児「えっ!? どうした櫛枝!?」
櫛枝「い、いま……鼻を動かしたであろうっ! だめだめだめー!それは乙女として恥じらいを持たせておくれ!
どうかご堪忍ぉー!!」
竜児「い、いや……すまん。なんというか条件反射でかごうとしてた……
というか別にもっと乙女らしく恥じらいはもってもいいんだぞ…?」
櫛枝「そ、そうかい…? いやぁー…なんだろうね、ちょっと高須くんの前だと──どうも男らしさをアピールしそうになるんだよ。
どうしてだろうねー…」
竜児「…そうなのか? いや、こればっかりは櫛枝のことだから何もいえないけどよ。
ともかく俺はそんな櫛枝も……その、可愛くて好きだぞ…うん」
櫛枝「えっ、あ、うんっ!……ありやとぅ……っす……」テレテレ
竜児「………」ポリポリ…
櫛枝「───た、高須きゅん…っ!」
竜児「おう!? どうした急に?」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 22:13:22.43 ID:OYlsnR640
櫛枝「ごめんよ! 噛んじまったよ!」
竜児「しってる! それよかどうしたんだ?」
櫛枝「お、おうよ……そのな、あたしゃ…高須くんにのぉ…」
竜児「おう」
櫛枝「───す、すすきだって言われて……今、すっごい嬉しいんだぜぇ…?」
竜児「お、おう。今のを男らしく言ってくれて、俺も不覚にもドキってしたぞ」
櫛枝「ありゃりゃします……んでなぁ。
───わたしも、その気持を伝えたいって……えっと、そのちょっとばかりの思いを…」
竜児「……思いを?」
櫛枝「た、高須っくんに…っ……とどけてやんよ! っておもうんだよね…っ!」
竜児「そ、そうなのか……その、櫛枝…気づいてないかもしれないけど…顔が…っ」
櫛枝「……ううん、知ってる。これは、わざとだよ…?」
竜児「わざ、と……?」
櫛枝「うん……ちゃんとした気持ちがこもった、行為。
高須くんに伝えたい気持ちを込めて、心臓に血を送って身体を動かしてんるんだよ……」
竜児「しってる! それよかどうしたんだ?」
櫛枝「お、おうよ……そのな、あたしゃ…高須くんにのぉ…」
竜児「おう」
櫛枝「───す、すすきだって言われて……今、すっごい嬉しいんだぜぇ…?」
竜児「お、おう。今のを男らしく言ってくれて、俺も不覚にもドキってしたぞ」
櫛枝「ありゃりゃします……んでなぁ。
───わたしも、その気持を伝えたいって……えっと、そのちょっとばかりの思いを…」
竜児「……思いを?」
櫛枝「た、高須っくんに…っ……とどけてやんよ! っておもうんだよね…っ!」
竜児「そ、そうなのか……その、櫛枝…気づいてないかもしれないけど…顔が…っ」
櫛枝「……ううん、知ってる。これは、わざとだよ…?」
竜児「わざ、と……?」
櫛枝「うん……ちゃんとした気持ちがこもった、行為。
高須くんに伝えたい気持ちを込めて、心臓に血を送って身体を動かしてんるんだよ……」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 22:22:45.16 ID:OYlsnR640
竜児「く、櫛枝……っ! なんだか顔真っ赤だな……!」
櫛枝「た、高須くんこそ…顔真っ赤だよ…っ? どうしたの? 恥ずかしいんかな…っ?」
竜児「だ、大丈夫だ……! これぐらい、俺なら耐えきれるはずだからなっ…!」
櫛枝「かっけーっすな高須くんっ!──でも、私はもう耐え切れそうにない、かな…?」すっ
竜児「? 急に手を掴んで何を──お、おう……バクバクだな、櫛枝」
櫛枝「…でしょ? もう、壊れそうになるぐらい高鳴ってる。…部活でどれだけ走っても、バイトでどれだけ頑張っても…
今までここまで心臓が動いてるのはじめてだよ……高須くん…」
竜児「櫛枝………」ぐいっ…
櫛枝「──高須くん……顔、近いよ…?」
竜児「櫛枝だって、顔がちかいじゃねぇか。お互い様だ」
櫛枝「…ほとんどだ、お互い様だね。おもしろい」
竜児「──眼、閉じる方か櫛枝は……?」すっ
櫛枝「……どっちかというとね………たか、す───」ちゅっ
櫛枝「た、高須くんこそ…顔真っ赤だよ…っ? どうしたの? 恥ずかしいんかな…っ?」
竜児「だ、大丈夫だ……! これぐらい、俺なら耐えきれるはずだからなっ…!」
櫛枝「かっけーっすな高須くんっ!──でも、私はもう耐え切れそうにない、かな…?」すっ
竜児「? 急に手を掴んで何を──お、おう……バクバクだな、櫛枝」
櫛枝「…でしょ? もう、壊れそうになるぐらい高鳴ってる。…部活でどれだけ走っても、バイトでどれだけ頑張っても…
今までここまで心臓が動いてるのはじめてだよ……高須くん…」
竜児「櫛枝………」ぐいっ…
櫛枝「──高須くん……顔、近いよ…?」
竜児「櫛枝だって、顔がちかいじゃねぇか。お互い様だ」
櫛枝「…ほとんどだ、お互い様だね。おもしろい」
竜児「──眼、閉じる方か櫛枝は……?」すっ
櫛枝「……どっちかというとね………たか、す───」ちゅっ
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 22:35:07.75 ID:OYlsnR640
竜児「──……うん、ありがと櫛枝…」
櫛枝「んっ──……どういたしまして、高須くん。気持ちは…受け取ってくれたかい?」
竜児「おう、そりゃーもういっぱいな」
櫛枝「……うぇへへ~。よかったですばい」
竜児「親父みたいに笑うなよ……」
櫛枝「え、やだった?」
竜児「いや、櫛枝らしくていいと思う」
櫛枝「ふへへ。あんがと高須くん………」
後方
北村「うぉおおおおお…!!た、高須っ! なんてロマンチストなんだアイツはぁ!?」
大河「…………」
亜美「……さっきも言ったけど、なんだか高須くんのキャラが凄くおかしくない?」
大河「あれが竜児の本気なのよ。どんな女の子だってイチコロの押し問答戦略なの」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 22:44:11.65 ID:OYlsnR640
大河「竜児はもとより強面な顔面をしてる。でも、精神は痩せ細ろえた老犬のようにひ弱で軟弱。
だからそこをどうにかすれば、あとは強引に雰囲気に任せて独壇場に持っていけるの」
北村「お、おお……さすが逢坂だ。この場面もきちんと解説もできるんだな」
大河「へへ~! すごいでしょ?」
亜美「……。いや、なんとも思わないけどねあたしは──ちょっと! あんたなにニヤニヤしながらこっち見てんのっ!?」
大河「おんや~…ばかちー。あんたもしかして、ちょっとああゆうのいいなって───」
亜美「思ってないって言ったでしょ!」
大河「別にいいってば。わたしだって、あんなふうに竜児にちゃんと迫られたら……うん、ああなってたと思うわ。
見てよあのみのりんの表情……まるでモチみたいになってる」
亜美「……えらく正直に言うのね、あんた」
大河「だってこれが素直な気持ちなんだもん。正直な思いをいっただけ」
亜美「……それが意味分かんないっていってるんでしょあたしは!」
北村「まあまあ、亜美。かわりと言っちゃなんだが、この俺が高須のかわりとしてお前に迫って見せようか?」
亜美「祐作。死んで」
北村「流石に死んではひどくないか!?」
だからそこをどうにかすれば、あとは強引に雰囲気に任せて独壇場に持っていけるの」
北村「お、おお……さすが逢坂だ。この場面もきちんと解説もできるんだな」
大河「へへ~! すごいでしょ?」
亜美「……。いや、なんとも思わないけどねあたしは──ちょっと! あんたなにニヤニヤしながらこっち見てんのっ!?」
大河「おんや~…ばかちー。あんたもしかして、ちょっとああゆうのいいなって───」
亜美「思ってないって言ったでしょ!」
大河「別にいいってば。わたしだって、あんなふうに竜児にちゃんと迫られたら……うん、ああなってたと思うわ。
見てよあのみのりんの表情……まるでモチみたいになってる」
亜美「……えらく正直に言うのね、あんた」
大河「だってこれが素直な気持ちなんだもん。正直な思いをいっただけ」
亜美「……それが意味分かんないっていってるんでしょあたしは!」
北村「まあまあ、亜美。かわりと言っちゃなんだが、この俺が高須のかわりとしてお前に迫って見せようか?」
亜美「祐作。死んで」
北村「流石に死んではひどくないか!?」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 22:53:20.16 ID:OYlsnR640
前方
櫛枝「──そうだ、高須くん」
竜児「ん、どうした?」
櫛枝「あんさんに渡したいものがあったんだったよ。ちょっと離れるね」すっ
竜児「おう……なんだ、いったい?」
櫛枝「うんしょ……っと、どっこいしょ。ほい、これだよー!」ずいっ
竜児「これは……マフラー?」
櫛枝「イェー! バイクに取り付けるやつではないよー!」
竜児「知ってる。これは、あれか…?まさか…」
櫛枝「お? わかっちまったかい?──そう、これはなんとわたしの手作りなのさ!」
竜児「おおお…! まさかだと思ってたが本当に…!」
櫛枝「ふふーん! 専業主婦魂を持つ高須くんでもうならせるほどの出来栄えだといっちまうぜーこれは!」
竜児「た、確かに…網目が独特な折り方で作られてる……まさかオリジナルなのか?」
櫛枝「あたりきしゃんよ。ほらほら、まいてみまいてみ」
櫛枝「──そうだ、高須くん」
竜児「ん、どうした?」
櫛枝「あんさんに渡したいものがあったんだったよ。ちょっと離れるね」すっ
竜児「おう……なんだ、いったい?」
櫛枝「うんしょ……っと、どっこいしょ。ほい、これだよー!」ずいっ
竜児「これは……マフラー?」
櫛枝「イェー! バイクに取り付けるやつではないよー!」
竜児「知ってる。これは、あれか…?まさか…」
櫛枝「お? わかっちまったかい?──そう、これはなんとわたしの手作りなのさ!」
竜児「おおお…! まさかだと思ってたが本当に…!」
櫛枝「ふふーん! 専業主婦魂を持つ高須くんでもうならせるほどの出来栄えだといっちまうぜーこれは!」
竜児「た、確かに…網目が独特な折り方で作られてる……まさかオリジナルなのか?」
櫛枝「あたりきしゃんよ。ほらほら、まいてみまいてみ」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/13(火) 23:00:54.91 ID:OYlsnR640
竜児「お、おう……こうか?」
櫛枝「うーんと、こうかな……よしよし、こうやって巻いて……」
竜児「えっと、その先は……櫛枝の方なのか?」
櫛枝「う、うん……だってほら、ね? このマフラー長いしさ…こうやって巻きあって、完成だってばよぅ!」
竜児「おう……暖かいな。これはすごい」
櫛枝「っでしょ~! これは作んのにくろうしたんさ~」
竜児「そうだよな、この長さだし……」
櫛枝「あ、そうじゃないんだ。長さとかじゃなくてね……」
櫛枝「──た、高須くんが好きな色が何かって選んでたら、ちょっと迷っちまってでね」
竜児「え、俺が好きな色で……?」
櫛枝「そ、そうなんっすよ。んだから失敗作が家にたくさん転がってる状況でありんす…!」
竜児「そうなの、か……それは大変だったな。いや、本当になんていったらいいのかわからないが……」
竜児「ありがとう、櫛枝。本当に嬉しくてたまらない」
櫛枝「お、おうっ!──ありゃ、高須くんの口癖がうつっちまったぜ!」
櫛枝「うーんと、こうかな……よしよし、こうやって巻いて……」
竜児「えっと、その先は……櫛枝の方なのか?」
櫛枝「う、うん……だってほら、ね? このマフラー長いしさ…こうやって巻きあって、完成だってばよぅ!」
竜児「おう……暖かいな。これはすごい」
櫛枝「っでしょ~! これは作んのにくろうしたんさ~」
竜児「そうだよな、この長さだし……」
櫛枝「あ、そうじゃないんだ。長さとかじゃなくてね……」
櫛枝「──た、高須くんが好きな色が何かって選んでたら、ちょっと迷っちまってでね」
竜児「え、俺が好きな色で……?」
櫛枝「そ、そうなんっすよ。んだから失敗作が家にたくさん転がってる状況でありんす…!」
竜児「そうなの、か……それは大変だったな。いや、本当になんていったらいいのかわからないが……」
竜児「ありがとう、櫛枝。本当に嬉しくてたまらない」
櫛枝「お、おうっ!──ありゃ、高須くんの口癖がうつっちまったぜ!」
死にたくなるな
やっぱりみのりんが一番だな
櫛枝「──前の私は、超が付くぐらいに繊細なバカでさ。
何も見えてないくせに、何もかも見えてるふりをしてたんだ」
櫛枝「自分はなんだってしってる! これが以下に特別なことで、大切な事なんだって。
心から信じてやまなかった……そんな過去の私」
竜児「そう、だな。確かに櫛枝はいつだって自信満々で、強い女の子だった」
櫛枝「自信、があったわけじゃないんだよ? あれはただの自己満足。自信とか強さとか、
そんなかっこいーことじゃないの。見栄を張ってただけの、ちゃっちな女の子だっただけ」
竜児「…そうか? 俺が知ってる櫛枝は、そんな安い人間だとは思わないけどな」
櫛枝「ううん、そうなんだよ。今の私だからこそ言えることだけどね、ちゃんとした今があるから言えることだけど」
櫛枝「前の私は……ただの友達思いの、ただの人思いの、おせっかい野郎で。
前を進むためには、どんな困難だって跳ね除けて行く暴走女」
櫛枝「小さな思いも、残っていく感情も、全て見ないふりをして駆けいく。
進んでいく道の先の心配だってしていない」
櫛枝「ただただ───良かれと思って、これがすべての解決法なんだって。
自分も他人も頭に入れてるつもりで、でもそれは結局自分のことだけを考えてた───」
櫛枝「───暖かくて、緩やかな世界が壊れるのを……どうにかしたかっただけだから」
竜児「櫛枝……」
櫛枝「……でも、やっぱりそれが悪いって思ってはいないんだよ!
だって正しいって思ってたことだし、馬鹿な考えだって今は思うけど、それでもダメだって思ってない」
何も見えてないくせに、何もかも見えてるふりをしてたんだ」
櫛枝「自分はなんだってしってる! これが以下に特別なことで、大切な事なんだって。
心から信じてやまなかった……そんな過去の私」
竜児「そう、だな。確かに櫛枝はいつだって自信満々で、強い女の子だった」
櫛枝「自信、があったわけじゃないんだよ? あれはただの自己満足。自信とか強さとか、
そんなかっこいーことじゃないの。見栄を張ってただけの、ちゃっちな女の子だっただけ」
竜児「…そうか? 俺が知ってる櫛枝は、そんな安い人間だとは思わないけどな」
櫛枝「ううん、そうなんだよ。今の私だからこそ言えることだけどね、ちゃんとした今があるから言えることだけど」
櫛枝「前の私は……ただの友達思いの、ただの人思いの、おせっかい野郎で。
前を進むためには、どんな困難だって跳ね除けて行く暴走女」
櫛枝「小さな思いも、残っていく感情も、全て見ないふりをして駆けいく。
進んでいく道の先の心配だってしていない」
櫛枝「ただただ───良かれと思って、これがすべての解決法なんだって。
自分も他人も頭に入れてるつもりで、でもそれは結局自分のことだけを考えてた───」
櫛枝「───暖かくて、緩やかな世界が壊れるのを……どうにかしたかっただけだから」
竜児「櫛枝……」
櫛枝「……でも、やっぱりそれが悪いって思ってはいないんだよ!
だって正しいって思ってたことだし、馬鹿な考えだって今は思うけど、それでもダメだって思ってない」
櫛枝「安い感情で動いてたことだとしても、結局は周りを巻き込んで変えようとした世界だけど。
後悔、なんてしようにもないし。しても、それは今までの自分を否定しているだけだから」
櫛枝「だって、みんなみんな幸せのほうが……いいじゃないっすか。
私だって幸せ、みんなだって幸せ。これが一番じゃないっすか」
竜児「………………」
櫛枝「──そうだって、私は思うんだ。高須くん」
竜児「……おれは、お前の言ってることがよくわかってるつもりだ。
櫛枝の言葉をかりるなら、今の俺だから……今の櫛枝の気持ちもわかってやれるつもりだ」
竜児「お前は確かに……いろんな人を巻き込んで、すっげー台風みたいにごちゃまぜにする奴だった。
もう、なんでこんな女子のことを俺は好きになったんだろう…なんて思うこともたくさんあったさ」
櫛枝「ふへへ~。高須くんも物好きだねぇ~!」
竜児「おうよ。でもな、聞いててくれ櫛枝。
────俺はそんな櫛枝実乃梨が好きなんだ」
竜児「たとえお前が馬鹿な私だったっていっても、そんな馬鹿な櫛枝が好きなんだ。
人の思いを無視して走っていても、守りたい一つのために頑張れる。そんなお前が好きなんだ」
櫛枝「……高須くん」
竜児「そんな弱気になるなよ、櫛枝。確かに前までのお前は素直じゃなくて、馬鹿だったかもしれない。
それを思い返して、叫びたくなるような日だってあるかもな」
後悔、なんてしようにもないし。しても、それは今までの自分を否定しているだけだから」
櫛枝「だって、みんなみんな幸せのほうが……いいじゃないっすか。
私だって幸せ、みんなだって幸せ。これが一番じゃないっすか」
竜児「………………」
櫛枝「──そうだって、私は思うんだ。高須くん」
竜児「……おれは、お前の言ってることがよくわかってるつもりだ。
櫛枝の言葉をかりるなら、今の俺だから……今の櫛枝の気持ちもわかってやれるつもりだ」
竜児「お前は確かに……いろんな人を巻き込んで、すっげー台風みたいにごちゃまぜにする奴だった。
もう、なんでこんな女子のことを俺は好きになったんだろう…なんて思うこともたくさんあったさ」
櫛枝「ふへへ~。高須くんも物好きだねぇ~!」
竜児「おうよ。でもな、聞いててくれ櫛枝。
────俺はそんな櫛枝実乃梨が好きなんだ」
竜児「たとえお前が馬鹿な私だったっていっても、そんな馬鹿な櫛枝が好きなんだ。
人の思いを無視して走っていても、守りたい一つのために頑張れる。そんなお前が好きなんだ」
櫛枝「……高須くん」
竜児「そんな弱気になるなよ、櫛枝。確かに前までのお前は素直じゃなくて、馬鹿だったかもしれない。
それを思い返して、叫びたくなるような日だってあるかもな」
竜児「でも、それは俺は悪いことだって思わない。過去の自分がいつだって正しいとは限らないし、
そんなもん神にならなきゃできないもんだろ?」
竜児「お前が嫌だって思ってる過去の自分から、今のお前がいるんだ。まずはそれを誇りに持てよ!
過去をカテに、今の櫛枝がいる。ダメな自分から成長したお前がいるんだ」
竜児「……なら、もっと胸を張れよ櫛枝。すっげーなお前! かっこいーぜ!」
櫛枝「そう、かな? わたしってすごいやつ、かな?」
竜児「ああ、そうだって。俺が言ってるんだから信用しろ。
俺が好きな過去の櫛枝も、今眼の前にいる好きだった櫛枝も、全てかっこいー櫛枝だからよ!」
櫛枝「……ありがとう、高須くん。すっげーいい言葉だねそれって」
櫛枝「過去から成長した自分を誇り持て。か……うん、いい言葉だよ」
竜児「お、おう……なんか柄にもなく熱く語っちまったぜ…!」
櫛枝「ううん。高須くんは、もとから熱い人間だっておもうよ?」
竜児「そ、そうか?」
櫛枝「そうだよ。すっげー熱いやつだって前から思ってた」
そんなもん神にならなきゃできないもんだろ?」
竜児「お前が嫌だって思ってる過去の自分から、今のお前がいるんだ。まずはそれを誇りに持てよ!
過去をカテに、今の櫛枝がいる。ダメな自分から成長したお前がいるんだ」
竜児「……なら、もっと胸を張れよ櫛枝。すっげーなお前! かっこいーぜ!」
櫛枝「そう、かな? わたしってすごいやつ、かな?」
竜児「ああ、そうだって。俺が言ってるんだから信用しろ。
俺が好きな過去の櫛枝も、今眼の前にいる好きだった櫛枝も、全てかっこいー櫛枝だからよ!」
櫛枝「……ありがとう、高須くん。すっげーいい言葉だねそれって」
櫛枝「過去から成長した自分を誇り持て。か……うん、いい言葉だよ」
竜児「お、おう……なんか柄にもなく熱く語っちまったぜ…!」
櫛枝「ううん。高須くんは、もとから熱い人間だっておもうよ?」
竜児「そ、そうか?」
櫛枝「そうだよ。すっげー熱いやつだって前から思ってた」
櫛枝「大河のことだって、私は前からずっと見てたけれど。
高須くんはいつだって熱心になって考えてた。他人のことなのに突っ走る姿はちょっと」
櫛枝「──わたしに似てたかなって、思ったりするよ」
竜児「おう。嬉しいこと言ってくれるな、櫛枝」
櫛枝「私だって嬉しいんだよ。高須くんと同じような生き方をしているのが、その時の自分はとっても嬉しかった」
櫛枝「だから、そうだね。高須くんのこと──好きになったんだと思うんだ」
櫛枝「なんだって一生懸命になって、他人のために本気になって考える高須くん。
この姿が私の目から離れなくなったのは、いつ頃からだったかな……全然覚えてないけど、それもいつの間にかだった気がする」
竜児「…………」
櫛枝「──ねぇ、高須くん。今の私は貴方の側にいるかな?」
竜児「………ああ、いるよ櫛枝。お前はここにいる」
櫛枝「……そっか。いるんだよね、高須くんのそばに。ちゃんとここに」
後方
大河「…………」
亜美「……手乗りたいがー。少し聞きたいんだけどさ」
高須くんはいつだって熱心になって考えてた。他人のことなのに突っ走る姿はちょっと」
櫛枝「──わたしに似てたかなって、思ったりするよ」
竜児「おう。嬉しいこと言ってくれるな、櫛枝」
櫛枝「私だって嬉しいんだよ。高須くんと同じような生き方をしているのが、その時の自分はとっても嬉しかった」
櫛枝「だから、そうだね。高須くんのこと──好きになったんだと思うんだ」
櫛枝「なんだって一生懸命になって、他人のために本気になって考える高須くん。
この姿が私の目から離れなくなったのは、いつ頃からだったかな……全然覚えてないけど、それもいつの間にかだった気がする」
竜児「…………」
櫛枝「──ねぇ、高須くん。今の私は貴方の側にいるかな?」
竜児「………ああ、いるよ櫛枝。お前はここにいる」
櫛枝「……そっか。いるんだよね、高須くんのそばに。ちゃんとここに」
後方
大河「…………」
亜美「……手乗りたいがー。少し聞きたいんだけどさ」
大河「なに、ばかちー」
亜美「……いや、やっぱなんでもない」
大河「なによ。気になるじゃない、いいなさいってば」
亜美「……ふぅ。わかったわよ、というかなんとなく思ったことだからあれなんだけど…」
亜美「…みのりちゃんって、あんなの子だった?」
大河「…………」
亜美「あたしがしってるみのりちゃんは──あんなふうにしゃべる子じゃなかった気がする。
怒った時とか、真面目なときは、ふざけないで真面目なトーンで語るような……」
大河「……へぇー。ばかちー、あんたも意外と人を見てんのね」
亜美「バカにしてんの? これでもアイドルなんだから、人を見る力はあんのよ」
大河「……。確かにあんたが言うとおり、みのりんは真面目なときはふざけない子だった。
言いたいことははっきりいうし、怒ったら手だって出る」
大河「曖昧なことはいわないし、誤魔化したり有耶無耶にだってしない」
亜美「……わかってるじゃない。じゃああのみのりちゃんの様子は気になんないの?
ただ単に好きな人の前だから色々と作ってるっていうならあれだけど…」
亜美「……いや、やっぱなんでもない」
大河「なによ。気になるじゃない、いいなさいってば」
亜美「……ふぅ。わかったわよ、というかなんとなく思ったことだからあれなんだけど…」
亜美「…みのりちゃんって、あんなの子だった?」
大河「…………」
亜美「あたしがしってるみのりちゃんは──あんなふうにしゃべる子じゃなかった気がする。
怒った時とか、真面目なときは、ふざけないで真面目なトーンで語るような……」
大河「……へぇー。ばかちー、あんたも意外と人を見てんのね」
亜美「バカにしてんの? これでもアイドルなんだから、人を見る力はあんのよ」
大河「……。確かにあんたが言うとおり、みのりんは真面目なときはふざけない子だった。
言いたいことははっきりいうし、怒ったら手だって出る」
大河「曖昧なことはいわないし、誤魔化したり有耶無耶にだってしない」
亜美「……わかってるじゃない。じゃああのみのりちゃんの様子は気になんないの?
ただ単に好きな人の前だから色々と作ってるっていうならあれだけど…」
大河「…でも、みのりんはたとえ好きな人の前でも自分を作ったりはしない。そう思うんでしょ?」
亜美「…まぁね。それがあたしが知ってるみのりちゃんだから、今のみのりちゃんは不思議でしょうがないの」
亜美「──まるで色々なところがごちゃまぜになってるような。
ふざけてる部分と、真面目な部分の区別をなくしてるみたいな感じがする」
大河「…あたりよばかちー。それで正解」
亜美「…正解? なにいってんのあんた?」
大河「だから当たりだって言ってんの。もうそろそろわかってくるんじゃない?
その感じる違和感とか、色々な不都合とか」
亜美「……また曖昧に言うわね。はっきりと言いなさいって本当に」
大河「…言ってもいいんだけど、竜児がだめっていうから。言わないでおくの」
亜美「高須くんが…? なに、なにかみのりちゃんの様子と関係があんの?」
大河「───じゃあ、ひとつだけ教えてあげる。ばかちー」
亜美「ひとつじゃなくて全部教えなさいよ」
大河「だめ。それだと何が起こるかわかんないから。だからひとつだけ教えてあげる」
亜美「…まぁね。それがあたしが知ってるみのりちゃんだから、今のみのりちゃんは不思議でしょうがないの」
亜美「──まるで色々なところがごちゃまぜになってるような。
ふざけてる部分と、真面目な部分の区別をなくしてるみたいな感じがする」
大河「…あたりよばかちー。それで正解」
亜美「…正解? なにいってんのあんた?」
大河「だから当たりだって言ってんの。もうそろそろわかってくるんじゃない?
その感じる違和感とか、色々な不都合とか」
亜美「……また曖昧に言うわね。はっきりと言いなさいって本当に」
大河「…言ってもいいんだけど、竜児がだめっていうから。言わないでおくの」
亜美「高須くんが…? なに、なにかみのりちゃんの様子と関係があんの?」
大河「───じゃあ、ひとつだけ教えてあげる。ばかちー」
亜美「ひとつじゃなくて全部教えなさいよ」
大河「だめ。それだと何が起こるかわかんないから。だからひとつだけ教えてあげる」
亜美「……。わかったわよ、それじゃ教えなさいよ。その一つってやつ」
大河「うん。それは───みのりんはもう、子供じゃないってこと」
亜美「…はい? そりゃ高校生だもん、子供じゃないってことはわかるわよ…」
大河「ううん、そうじゃない。子供じゃないから、ふざけたり真面目だったりなんかを、区別したりしない。
自分の個性を際出せるような………子どもっぽいことをすることをやめてるの」
大河「例えばそう、あんたの裏表の顔とかね」
亜美「……意味分かんないんだけど、とにかくあんた遠まわしにあたしのことを馬鹿にしてる?」
大河「してないわよ。とにかく、いまはそれだけしかいえないの」
北村「……ふむ。亜美、逢坂がこういってるんだ。ここは聞いておかないでおこうじゃないか」
亜美「なによ祐作。あんたは色々と知ってんの?」
北村「一応、な。一通りのことは逢坂と高須に聞いた」
亜美「……あんた、さっきみのりちゃんから尾行を頼まれたって言ってなかった?
そこでなんでみのりちゃんの名前が出てこないの?」
北村「………さ、尾行を続けるぞ!亜美!」
亜美「あ、ちょっと待ちなさいよあんた…!」
大河「うん。それは───みのりんはもう、子供じゃないってこと」
亜美「…はい? そりゃ高校生だもん、子供じゃないってことはわかるわよ…」
大河「ううん、そうじゃない。子供じゃないから、ふざけたり真面目だったりなんかを、区別したりしない。
自分の個性を際出せるような………子どもっぽいことをすることをやめてるの」
大河「例えばそう、あんたの裏表の顔とかね」
亜美「……意味分かんないんだけど、とにかくあんた遠まわしにあたしのことを馬鹿にしてる?」
大河「してないわよ。とにかく、いまはそれだけしかいえないの」
北村「……ふむ。亜美、逢坂がこういってるんだ。ここは聞いておかないでおこうじゃないか」
亜美「なによ祐作。あんたは色々と知ってんの?」
北村「一応、な。一通りのことは逢坂と高須に聞いた」
亜美「……あんた、さっきみのりちゃんから尾行を頼まれたって言ってなかった?
そこでなんでみのりちゃんの名前が出てこないの?」
北村「………さ、尾行を続けるぞ!亜美!」
亜美「あ、ちょっと待ちなさいよあんた…!」
前方・高須家前
高須「とりあえず、あがるか?」
櫛枝「ほー……ここが高須くん家かぁー…うんうん!あがるあがるよー!」
高須「おう。そしたら階段急だから気を付けろよ……」とんとん…
櫛枝「さー!いえっさー!ってあららっ……!?」とんとん…っととん!
高須「………っておいっ!あぶねぇ!」がしっ
櫛枝「お、おう……あぶねーとこでしたぜー!ふぃー!」
高須「いやっ……現在進行形でっ……アブネー状況続いてるぞ櫛枝……ッ」ぷるぷる…!
櫛枝「ひっぱってー!高須くん、ふぁいといっぱぁーつ!!」
高須「───おおおおろなみんしぃいいいい!!!」ぐいー!
櫛枝「ちっげー!そこはドデカミンだろー……んむぐっ?」ぽすっ
高須「はぁっ…はぁっ…いや、マジでびっくりした……目の前で転がっていく姿が、鮮明に思い返されたぞ本当に…」
櫛枝「むぶっ…もごもご……」とんとん!
高須「──ん、おおう!? すまねぇ!!めっちゃ抱きしめてたな!息苦しかったな!?」
櫛枝「ぷはぁっ! た、高須くん……洗剤、オイラのところと同じだなっ?」
高須「とりあえず、あがるか?」
櫛枝「ほー……ここが高須くん家かぁー…うんうん!あがるあがるよー!」
高須「おう。そしたら階段急だから気を付けろよ……」とんとん…
櫛枝「さー!いえっさー!ってあららっ……!?」とんとん…っととん!
高須「………っておいっ!あぶねぇ!」がしっ
櫛枝「お、おう……あぶねーとこでしたぜー!ふぃー!」
高須「いやっ……現在進行形でっ……アブネー状況続いてるぞ櫛枝……ッ」ぷるぷる…!
櫛枝「ひっぱってー!高須くん、ふぁいといっぱぁーつ!!」
高須「───おおおおろなみんしぃいいいい!!!」ぐいー!
櫛枝「ちっげー!そこはドデカミンだろー……んむぐっ?」ぽすっ
高須「はぁっ…はぁっ…いや、マジでびっくりした……目の前で転がっていく姿が、鮮明に思い返されたぞ本当に…」
櫛枝「むぶっ…もごもご……」とんとん!
高須「──ん、おおう!? すまねぇ!!めっちゃ抱きしめてたな!息苦しかったな!?」
櫛枝「ぷはぁっ! た、高須くん……洗剤、オイラのところと同じだなっ?」
竜児「え? ああ、匂いか……あれってよく落ちるよな。安いくせにさ」
櫛枝「そうそう! なんだろうねぇ…においもとってもいいしさ、私もいっつもかってるよ」
竜児「おう、そしたら今度……いつか一緒に買いに行こうか」
櫛枝「おっけー! んじゃ、高須くんの家はどちらかなー?」
竜児「もう手前のところ。そう、そこだ」
櫛枝「……ふっふっふ~。
そしたら入らせていただきますよ高須家の中にぃ~!ひぇあうぃご!…あれれ?」がちゃん
竜児「……鍵はこっちだ。櫛枝」ちゃら…
櫛枝「し、しまったー!敵は味方からだったんだよ高須くんー!」
竜児「ああ、そうだな。これは一本取られたな」がちゃがちゃ…
竜児「よし、開いたぞ。あがってくれ櫛枝」
櫛枝「えっと、それじゃあ……おじゃましまーす」
竜児「おう。いらっしゃい」
櫛枝「そうそう! なんだろうねぇ…においもとってもいいしさ、私もいっつもかってるよ」
竜児「おう、そしたら今度……いつか一緒に買いに行こうか」
櫛枝「おっけー! んじゃ、高須くんの家はどちらかなー?」
竜児「もう手前のところ。そう、そこだ」
櫛枝「……ふっふっふ~。
そしたら入らせていただきますよ高須家の中にぃ~!ひぇあうぃご!…あれれ?」がちゃん
竜児「……鍵はこっちだ。櫛枝」ちゃら…
櫛枝「し、しまったー!敵は味方からだったんだよ高須くんー!」
竜児「ああ、そうだな。これは一本取られたな」がちゃがちゃ…
竜児「よし、開いたぞ。あがってくれ櫛枝」
櫛枝「えっと、それじゃあ……おじゃましまーす」
竜児「おう。いらっしゃい」
櫛枝「ふぇー……ここが、高須くんの家かぁ」
竜児「狭いけどな。ゆっくりしていってくれ」
櫛枝「あ、え、うん! わかったよ……」きょろきょろ…
竜児「そんなに物珍しいか? まあオンボロアパートだけどよ……」
櫛枝「えっ!? あ、そうじゃなくてさー……そのね、ここが毎日高須くんが
寝て、ご飯食べて、日常を過ごしているところなんだなぁーって思うと」
櫛枝「──ここにいられるのが、ちょっと嬉しくってね。うん…」
竜児「お、おう…そうか。じゃあ存分に堪能してくれ、でいいのか?」
櫛枝「お、おっけーだよ!」
竜児「よし、じゃあ俺はちょっとお茶入れてくるから適当に座っておいてくれ」
櫛枝「あいよー」
櫛枝「…………ここが、高須くんの家。かぁ…」
櫛枝「………」くんくん…
櫛枝(…あ、高須くんのにおいがする…)
竜児「狭いけどな。ゆっくりしていってくれ」
櫛枝「あ、え、うん! わかったよ……」きょろきょろ…
竜児「そんなに物珍しいか? まあオンボロアパートだけどよ……」
櫛枝「えっ!? あ、そうじゃなくてさー……そのね、ここが毎日高須くんが
寝て、ご飯食べて、日常を過ごしているところなんだなぁーって思うと」
櫛枝「──ここにいられるのが、ちょっと嬉しくってね。うん…」
竜児「お、おう…そうか。じゃあ存分に堪能してくれ、でいいのか?」
櫛枝「お、おっけーだよ!」
竜児「よし、じゃあ俺はちょっとお茶入れてくるから適当に座っておいてくれ」
櫛枝「あいよー」
櫛枝「…………ここが、高須くんの家。かぁ…」
櫛枝「………」くんくん…
櫛枝(…あ、高須くんのにおいがする…)
櫛枝「このちゃぶ台……すっごい年季が入ってる。
でも、汚れ一つない……さすがだねぇ」さすさす…
櫛枝(…見渡してみると、どこも綺麗に整頓されてる…本当に高須くんってば綺麗好きだね)
櫛枝「……あ、これって…」かたっ
櫛枝「───修学旅行の写真、だ……あはは。みんな楽しそうに笑ってる」
櫛枝「……でも、この修学旅行は…いろんなことあったんだよね。
いっぱいっぱい、いろんなことが」
竜児「───そうだな、櫛枝」ぎゅ
櫛枝「うひぁ!?」
竜児「びっくりしたか?」
櫛枝「びっくりしたにきまってるじゃん!! きゅ、急に後ろから抱きついてこないでくれまいか…!」
竜児「ははは。その表情を見れただけで、俺は満足だ」
櫛枝「も、もう高須くんってば……っ!」
竜児「ごめんごめん」
でも、汚れ一つない……さすがだねぇ」さすさす…
櫛枝(…見渡してみると、どこも綺麗に整頓されてる…本当に高須くんってば綺麗好きだね)
櫛枝「……あ、これって…」かたっ
櫛枝「───修学旅行の写真、だ……あはは。みんな楽しそうに笑ってる」
櫛枝「……でも、この修学旅行は…いろんなことあったんだよね。
いっぱいっぱい、いろんなことが」
竜児「───そうだな、櫛枝」ぎゅ
櫛枝「うひぁ!?」
竜児「びっくりしたか?」
櫛枝「びっくりしたにきまってるじゃん!! きゅ、急に後ろから抱きついてこないでくれまいか…!」
竜児「ははは。その表情を見れただけで、俺は満足だ」
櫛枝「も、もう高須くんってば……っ!」
竜児「ごめんごめん」
櫛枝「このちゃぶ台……すっごい年季が入ってる。
でも、汚れ一つない……さすがだねぇ」さすさす…
櫛枝(…見渡してみると、どこも綺麗に整頓されてる…本当に高須くんってば綺麗好きだね)
櫛枝「……あ、これって…」かたっ
櫛枝「───修学旅行の写真、だ……あはは。みんな楽しそうに笑ってる」
櫛枝「……でも、この修学旅行は…いろんなことあったんだよね。
いっぱいっぱい、いろんなことが」
竜児「───そうだな、櫛枝」ぎゅ
櫛枝「うひぁ!?」
竜児「びっくりしたか?」
櫛枝「びっくりしたにきまってるじゃん!! きゅ、急に後ろから抱きついてこないでくれまいか…!」
竜児「ははは。その表情を見れただけで、俺は満足だ」
櫛枝「も、もう高須くんってば……っ!」
竜児「すまん、でも許してもらおうなんて思ってないからよ」
櫛枝「……高須くんも、大概な性格になってしまったよね。本当に!」
でも、汚れ一つない……さすがだねぇ」さすさす…
櫛枝(…見渡してみると、どこも綺麗に整頓されてる…本当に高須くんってば綺麗好きだね)
櫛枝「……あ、これって…」かたっ
櫛枝「───修学旅行の写真、だ……あはは。みんな楽しそうに笑ってる」
櫛枝「……でも、この修学旅行は…いろんなことあったんだよね。
いっぱいっぱい、いろんなことが」
竜児「───そうだな、櫛枝」ぎゅ
櫛枝「うひぁ!?」
竜児「びっくりしたか?」
櫛枝「びっくりしたにきまってるじゃん!! きゅ、急に後ろから抱きついてこないでくれまいか…!」
竜児「ははは。その表情を見れただけで、俺は満足だ」
櫛枝「も、もう高須くんってば……っ!」
竜児「すまん、でも許してもらおうなんて思ってないからよ」
櫛枝「……高須くんも、大概な性格になってしまったよね。本当に!」
竜児「そうか? でもまぁ、これも櫛枝のおかげだ」
櫛枝「…そうけ?だったら許してあげようじゃまいかー」
竜児「おう、ありがと。──修学旅行の写真か?」
櫛枝「うん、みんなでスキーしてる時の写真だね。みんな楽しそう」
竜児「──そうだな、みんな楽しそうだ」
櫛枝「……楽しそうだけど、でも。あれだよね」
竜児「うん?」
櫛枝「これは──私が見る資格がないものなんだよ」ぱたん…
竜児「…どうしてだ? だってこんなにも楽しそうな写真じゃねぇか」
櫛枝「………………」
竜児「……そうか。やっぱり思い出しちまうのか」
櫛枝「いろいろ、とね。やっぱりダメなんだよ」
竜児「…櫛枝は、それでも戻ってくるつもりはないのか?」
櫛枝「…………」
竜児「──櫛枝、俺はもういいと思ってんだよ。そろそろいいんじゃないかってさ」
櫛枝「……なにがかな、高須くん」
竜児「俺はもう、お前に───お前に、あやまることは全部しきったつもりでいる。
それを──こうやって過ごせてることが、櫛枝にとって許してもらった結果だと俺は思ってる」
櫛枝「──うん、だって元から高須くんは悪くないから。私が許すも何もないんだよ」
竜児「……そっか。やっぱりそう思っててくれたんだな、それにすがってたのは正直に認めるけどよ。
だからって、これが贖罪だとしてやってるつもりもないのも……」
櫛枝「……わかってるよ。ちゃんと、わたしにはわかってる」
櫛枝「昔の私じゃない。今のわたしだから、ちゃんと高須くんのいってることもわかってる」
櫛枝「ねぇ、高須くん。私は今、アタナの前にいるかな?」
竜児「……いや、いねぇよ。ここにはいるけど、俺の前にはいねぇんだ」
櫛枝「……うん、そうだよね。わたしは高須くんの前にはいない、ずっと長い間…高須くんの前からいない」
竜児「…………」
櫛枝「高須くんは、本当に優しいね。君は本当に優しくて、誰のためにでも頑張れる人だよね」
竜児「誰のためじゃねぇよ。お前のためだけにだ」
櫛枝「こら!…それは大切な人のためにとっておくべき言葉だぜ?」
櫛枝「……なにがかな、高須くん」
竜児「俺はもう、お前に───お前に、あやまることは全部しきったつもりでいる。
それを──こうやって過ごせてることが、櫛枝にとって許してもらった結果だと俺は思ってる」
櫛枝「──うん、だって元から高須くんは悪くないから。私が許すも何もないんだよ」
竜児「……そっか。やっぱりそう思っててくれたんだな、それにすがってたのは正直に認めるけどよ。
だからって、これが贖罪だとしてやってるつもりもないのも……」
櫛枝「……わかってるよ。ちゃんと、わたしにはわかってる」
櫛枝「昔の私じゃない。今のわたしだから、ちゃんと高須くんのいってることもわかってる」
櫛枝「ねぇ、高須くん。私は今、アタナの前にいるかな?」
竜児「……いや、いねぇよ。ここにはいるけど、俺の前にはいねぇんだ」
櫛枝「……うん、そうだよね。わたしは高須くんの前にはいない、ずっと長い間…高須くんの前からいない」
竜児「…………」
櫛枝「高須くんは、本当に優しいね。君は本当に優しくて、誰のためにでも頑張れる人だよね」
竜児「誰のためじゃねぇよ。お前のためだけにだ」
櫛枝「こら!…それは大切な人のためにとっておくべき言葉だぜ?」
竜児「……今は大切な人は、お前だけだ。だってそう望んだ世界だろ?」
櫛枝「うん? そうだね、確かにそうだよ。これは私が望んだ世界で……」
櫛枝「……高須くんと、わたしがイチャイチャするだけを望んだ世界」
竜児「…だったら、その世界に則って。俺はお前のために頑張り続けるぞ」
櫛枝「…わたしが、戻れるまで?最後まで?」
竜児「当たり前だ。それが俺の願いだし……それに───」
がらい
大河「──私の願いでもある、みのりん」
櫛枝「……大河…」
北村「うむ。確かにそれが全ての答えだと思うぞ」
櫛枝「北村、くん……」
亜美「……………」
櫛枝「………亜美ちゃん…」
亜美「──あーあ、全部思い出しちゃったじゃない。もうっ!」
櫛枝「うん? そうだね、確かにそうだよ。これは私が望んだ世界で……」
櫛枝「……高須くんと、わたしがイチャイチャするだけを望んだ世界」
竜児「…だったら、その世界に則って。俺はお前のために頑張り続けるぞ」
櫛枝「…わたしが、戻れるまで?最後まで?」
竜児「当たり前だ。それが俺の願いだし……それに───」
がらい
大河「──私の願いでもある、みのりん」
櫛枝「……大河…」
北村「うむ。確かにそれが全ての答えだと思うぞ」
櫛枝「北村、くん……」
亜美「……………」
櫛枝「………亜美ちゃん…」
亜美「──あーあ、全部思い出しちゃったじゃない。もうっ!」
ハッピーエンドにしてくれ…頼む…
大河「……ばかちーごめんね。はっきりいってあげられなくて」
亜美「謝るんじゃないわよ…ほんっと、思い出したくないぐらいだったわッ」
櫛枝「…………」
亜美「───みのりちゃん、元気そうね。こうやってわかった状態で会ってみると、やっぱり変わるものね…」
亜美「……やっぱり年はとりたくないわ…本当に………」
竜児「……櫛枝。こうやってみんなで集まるのってのは、たぶん……お前にとっては夏以来だと思う」
櫛枝「…そうだね。確かにみんなで別荘に泊まったりしたっけ」
竜児「ああ、そうだな。そしてそれから、俺らはいろんなことをしてきたと思う。
それをみんな、ここにいるみんなは全て覚えてる」
大河「──みのりん、私だって覚えてる。みのりんが怖い話が大好きとか、みんながみんな幸せでいるのが好きだったりとか」
大河「とてもとっても、竜児のことが好きなコトとか。全部」
北村「俺もそうだ。お前がどれだけパワフルなやつかってのは、文化祭や体育祭で嫌でも見せつけられた!」
亜美「……あたしもそう。修学旅行で喧嘩した時だって、みのりちゃんはいつだって真面目だったわ」
亜美「謝るんじゃないわよ…ほんっと、思い出したくないぐらいだったわッ」
櫛枝「…………」
亜美「───みのりちゃん、元気そうね。こうやってわかった状態で会ってみると、やっぱり変わるものね…」
亜美「……やっぱり年はとりたくないわ…本当に………」
竜児「……櫛枝。こうやってみんなで集まるのってのは、たぶん……お前にとっては夏以来だと思う」
櫛枝「…そうだね。確かにみんなで別荘に泊まったりしたっけ」
竜児「ああ、そうだな。そしてそれから、俺らはいろんなことをしてきたと思う。
それをみんな、ここにいるみんなは全て覚えてる」
大河「──みのりん、私だって覚えてる。みのりんが怖い話が大好きとか、みんながみんな幸せでいるのが好きだったりとか」
大河「とてもとっても、竜児のことが好きなコトとか。全部」
北村「俺もそうだ。お前がどれだけパワフルなやつかってのは、文化祭や体育祭で嫌でも見せつけられた!」
亜美「……あたしもそう。修学旅行で喧嘩した時だって、みのりちゃんはいつだって真面目だったわ」
な、なんと……
櫛枝「───うん、そうだった。わたしはそんな奴だったよ」
竜児「ああ、だから俺はお前のことが好きだったし……みんなもお前のことが好きだった。
お前がどれだけ過去のことを悔やんでいたりしても……」
竜児「ちゃんと、みんなは受け止めて。ちゃんと好きで入れられている」
櫛枝「…………」
竜児「俺は、櫛枝。俺はお前のことが──好きだった。一番誰よりも輝いて見えてて、かっこ良く見えた。
まるで太陽のようで、暗い俺みたいな奴でも明るくなるんじゃないかって思えるぐらいに。まぶしかった」
竜児「──そんな自分を、どうか悪いと思わないでくれ。あの時、お前がやったことは、まったくわるくなんかない」
大河「私も、心から感謝してる。馬鹿な私を助けてくれたみのりん、竜児と私を……付きあわせてくれたみのりん。
大好きで大好きでたまらないみのりん。これが、わたしのしっているみのりんの全て」
櫛枝「わたしは──ただ、自分のためだけにやっただけ。
それで迷惑になったのは……みんなでしょ? 勝手に墓穴を掘って、勝手に自滅をしただけ」
櫛枝「こんな──こんな馬鹿な私が、また一度戻ってしまってもいいの?」
竜児「いいんだよ。もどってこい」
櫛枝「…高須くん……」
竜児「俺はお前と今までいろんなイチャイチャをしてきたよな。キスだってしたし、マフラーも一緒に巻いた。
手をつないで帰ったり、腕を組んで土手を歩いたりした」
竜児「これはけっして──お前の恩返しのためなんかじゃねぇんだ。
これはただの見せつけ、お前がうじうじ悩んでなんか居ねぇで起きてたんなら!こうやって櫛枝と付き合えてたかもしれないってな!」
櫛枝「…………」
竜児「でも、お前は悩んでた。こうやってなんでかしらねぇけど、お前と……夢のなかで出会える奇跡があることでしったこだけどよ。
櫛枝は、なにもそこまで悩む必要はなかったんだぞ?」
竜児「俺はもう、幸せだ。ちゃんと前を向いて歩いてる。お前の姿にとらわれずに、きちんと道を進んでいけてる」
大河「私ももう、幸せだよみのりん。真っ直ぐ前を向いてあるいてる。みのりんの笑顔を思い返して、頑張っていきてる」
竜児「…だから心配すんなって。お前が起きても、起き上がっても……俺はもう一度、囚われたりなんかしないって言い切れるから」
大河「もう、大丈夫だからみのりん。ちゃんと起きて、私にもういっかい笑顔を見せてよ」
竜児「櫛枝、そろそろもう起きる時間じゃないのか?」
大河「みんながもう、いっぱいいっぱい待ってるんだから。そろそろ起きてもいいって思うよ」
櫛枝「……………」
北村「……櫛枝、俺もいいと思うぞ。高須は色々と荒行事だったと思うが、今の櫛枝を見るかぎり有効だった思う」
北村「いつまでも寝てないで、ちゃんと怒りにくるんだ。ムカつくからでもいい。ちゃんと目開いてこっちにこい」
亜美「……しょーじき、高須くんのやりかたは乙女を踏みにじるようなことをやって最悪だけど。
みのりちゃん、貴方にはこれぐらいのことがないと起きそうにないわね」
これはただの見せつけ、お前がうじうじ悩んでなんか居ねぇで起きてたんなら!こうやって櫛枝と付き合えてたかもしれないってな!」
櫛枝「…………」
竜児「でも、お前は悩んでた。こうやってなんでかしらねぇけど、お前と……夢のなかで出会える奇跡があることでしったこだけどよ。
櫛枝は、なにもそこまで悩む必要はなかったんだぞ?」
竜児「俺はもう、幸せだ。ちゃんと前を向いて歩いてる。お前の姿にとらわれずに、きちんと道を進んでいけてる」
大河「私ももう、幸せだよみのりん。真っ直ぐ前を向いてあるいてる。みのりんの笑顔を思い返して、頑張っていきてる」
竜児「…だから心配すんなって。お前が起きても、起き上がっても……俺はもう一度、囚われたりなんかしないって言い切れるから」
大河「もう、大丈夫だからみのりん。ちゃんと起きて、私にもういっかい笑顔を見せてよ」
竜児「櫛枝、そろそろもう起きる時間じゃないのか?」
大河「みんながもう、いっぱいいっぱい待ってるんだから。そろそろ起きてもいいって思うよ」
櫛枝「……………」
北村「……櫛枝、俺もいいと思うぞ。高須は色々と荒行事だったと思うが、今の櫛枝を見るかぎり有効だった思う」
北村「いつまでも寝てないで、ちゃんと怒りにくるんだ。ムカつくからでもいい。ちゃんと目開いてこっちにこい」
亜美「……しょーじき、高須くんのやりかたは乙女を踏みにじるようなことをやって最悪だけど。
みのりちゃん、貴方にはこれぐらいのことがないと起きそうにないわね」
亜美「……だったら一緒に高須くんを罵りましょ。ちゃんと起きて、あたしと一緒に怒ってやるの。
そしたらあたしもすっきりで、みのりちゃんもすっきりするじゃない」
櫛枝「……………わたしは…」
竜児「まってる」
櫛枝「………高須くん…」
竜児「これまでも待ったんだ。いつまでも待ってやる。だが俺たちも寿命ってもんがあるから、早めに頼む」
櫛枝「…………」
竜児「俺を怒りに来い。起き上がって殴りつけてくるぐらいに、頑張ってこっちに戻って来い」
竜児「俺はその時がくるまで、ずっとずっとまってるから」
櫛枝「………そう、高須くんって本当に。大概な性格になったよね」
竜児「もういいおとなだからな。嘘だってつくさ」
櫛枝「あはは。そっか、だったらそうだね───」
櫛枝「わたしも。もう、大人にならなくちゃだめかー…高須くん、最後にいいかな?」
竜児「おう。どうした櫛枝」
そしたらあたしもすっきりで、みのりちゃんもすっきりするじゃない」
櫛枝「……………わたしは…」
竜児「まってる」
櫛枝「………高須くん…」
竜児「これまでも待ったんだ。いつまでも待ってやる。だが俺たちも寿命ってもんがあるから、早めに頼む」
櫛枝「…………」
竜児「俺を怒りに来い。起き上がって殴りつけてくるぐらいに、頑張ってこっちに戻って来い」
竜児「俺はその時がくるまで、ずっとずっとまってるから」
櫛枝「………そう、高須くんって本当に。大概な性格になったよね」
竜児「もういいおとなだからな。嘘だってつくさ」
櫛枝「あはは。そっか、だったらそうだね───」
櫛枝「わたしも。もう、大人にならなくちゃだめかー…高須くん、最後にいいかな?」
竜児「おう。どうした櫛枝」
櫛枝「うんっとね、好きでしたっていってもいいかい?」
竜児「おう、だが今は妻子持ちだからだめだな。すまん!」
櫛枝「あちゃー! そっかそっか、んじゃしかたないかー」
櫛枝「それじゃあ、この夢もオシマイ。私も現実を見つめなおさなきゃね」
大河「みのりん……」
櫛枝「──うん、大河。ありがとうね、ずっと私のことを親友だって思ってくれて」
大河「ばかいわないでよ! いまだって親友だって思ってる!」
櫛枝「うん、ありがと。……みんなのもありがとう。こんな茶番劇につきあわせちゃってさ」
北村「いいさ。学生の姿なんて、そうそうなれるもんじゃないしな」
亜美「亜美ちゃん、もっとこのすがたでいたーい!」
櫛枝「あはは! うん、みんないつも通りだねー。そっか、そしたら戻んなきゃね」
櫛枝「いままで、心配かけてごめんなさい。それじゃ、みんな───」
「おっはよーさん!」
竜児「おう、だが今は妻子持ちだからだめだな。すまん!」
櫛枝「あちゃー! そっかそっか、んじゃしかたないかー」
櫛枝「それじゃあ、この夢もオシマイ。私も現実を見つめなおさなきゃね」
大河「みのりん……」
櫛枝「──うん、大河。ありがとうね、ずっと私のことを親友だって思ってくれて」
大河「ばかいわないでよ! いまだって親友だって思ってる!」
櫛枝「うん、ありがと。……みんなのもありがとう。こんな茶番劇につきあわせちゃってさ」
北村「いいさ。学生の姿なんて、そうそうなれるもんじゃないしな」
亜美「亜美ちゃん、もっとこのすがたでいたーい!」
櫛枝「あはは! うん、みんないつも通りだねー。そっか、そしたら戻んなきゃね」
櫛枝「いままで、心配かけてごめんなさい。それじゃ、みんな───」
「おっはよーさん!」
高須家
ちゅんちゅん
「…きいた、か…?今の言葉…?」
「…き、きいたわよ…すっごく懐かしい声…!」
がばぁっ!!
竜児「──お、おおおおおおどうする大河ぁああああ!!?」
大河「し、ししししいししらないわよぉ!!?
とりあえず、びょ、病院とか!?いつもの病院にいけばいいのかしら!?」
竜児「病院か…!? 病院に行けばいいのか…!?
なんかいっつも頑張ってたけど、いざこうなるとなんかすっげやべぇな!」
大河「あ、あああたしもよ!!見てよ、手がめっちゃ震えてるわよわたし!!」
「……おかあさん、おとおさん…?」
竜児「お、おおおおお前も起きろっ!?なっ!?母さんの命の恩人が起きたかもしれねぇからよ!!」
大河「そうよっ!!?ほら、いっつもお見舞いにいってるお姉さんのこと!!」
「っ……っ……」こくっこくっ
竜児「めっちゃビビってるじゃねぇか! お前がちゃんとしっかりしないから!!」
大河「あんたの顔面でびっくりしてんのよ!! 寝起き顔なんだからちょっとは配慮しなさい!!」
ちゅんちゅん
「…きいた、か…?今の言葉…?」
「…き、きいたわよ…すっごく懐かしい声…!」
がばぁっ!!
竜児「──お、おおおおおおどうする大河ぁああああ!!?」
大河「し、ししししいししらないわよぉ!!?
とりあえず、びょ、病院とか!?いつもの病院にいけばいいのかしら!?」
竜児「病院か…!? 病院に行けばいいのか…!?
なんかいっつも頑張ってたけど、いざこうなるとなんかすっげやべぇな!」
大河「あ、あああたしもよ!!見てよ、手がめっちゃ震えてるわよわたし!!」
「……おかあさん、おとおさん…?」
竜児「お、おおおおお前も起きろっ!?なっ!?母さんの命の恩人が起きたかもしれねぇからよ!!」
大河「そうよっ!!?ほら、いっつもお見舞いにいってるお姉さんのこと!!」
「っ……っ……」こくっこくっ
竜児「めっちゃビビってるじゃねぇか! お前がちゃんとしっかりしないから!!」
大河「あんたの顔面でびっくりしてんのよ!! 寝起き顔なんだからちょっとは配慮しなさい!!」
数十分後
亜美「……ったく、アイツらなんでこう時間を守れないわけ…っ!?」
北村「こらこら、亜美。あんまりイラつくとまたシワが増えるぞ」
亜美「あぁんっ!?」
北村「おお、年をとってさらり迫力が出てきたな……」
「す、すまねぇ!待たせたか!?」
「ごめね北村くん! 娘の世話してたら遅れちゃって…!」
亜美「あたしにはなんも無いんかい。こら」
大河「……あ、いたんだばかちー」
亜美「いたんじゃないでしょ! あたしだってあそこの夢の中にいたじゃない!」
大河「え、そうだっけ……?」
亜美「ちょっと!!?」
北村「……おお、ますます逢坂に似てきたな娘さん。おっと逢坂じゃなかったか」
竜児「そうだな。顔だけはアイツに似てよかったって心こそ思う……」
亜美「……ったく、アイツらなんでこう時間を守れないわけ…っ!?」
北村「こらこら、亜美。あんまりイラつくとまたシワが増えるぞ」
亜美「あぁんっ!?」
北村「おお、年をとってさらり迫力が出てきたな……」
「す、すまねぇ!待たせたか!?」
「ごめね北村くん! 娘の世話してたら遅れちゃって…!」
亜美「あたしにはなんも無いんかい。こら」
大河「……あ、いたんだばかちー」
亜美「いたんじゃないでしょ! あたしだってあそこの夢の中にいたじゃない!」
大河「え、そうだっけ……?」
亜美「ちょっと!!?」
北村「……おお、ますます逢坂に似てきたな娘さん。おっと逢坂じゃなかったか」
竜児「そうだな。顔だけはアイツに似てよかったって心こそ思う……」
病室内
しゅこー……しゅこー……
「…………」
『──よしここだな、みんな覚悟はいいか?』
「………っ……」
『いいもなにも、そのためにきたんでしょ。はやくあけなさいよ』
『バカねばかちー。ここは感動的な場面ということで、もっと過激な演出が必要なのよ』
『……なるほど、大河。それは一理あるな』
『…んじゃなにするってのよ』
『──ああ、そしたらあれがあるじゃあないか。夏の泊まりで駅までやった奴』
しゅこー……しゅこー……
「………ふふっ……」
『あ、あれやるの!? 病院で!?やだやだやだやだ!!』
『我慢よばかちー!ここはみのりんのため!!じゃあ背が高い順で後ろからね!!』
しゅこー……しゅこー……
「…………」
『──よしここだな、みんな覚悟はいいか?』
「………っ……」
『いいもなにも、そのためにきたんでしょ。はやくあけなさいよ』
『バカねばかちー。ここは感動的な場面ということで、もっと過激な演出が必要なのよ』
『……なるほど、大河。それは一理あるな』
『…んじゃなにするってのよ』
『──ああ、そしたらあれがあるじゃあないか。夏の泊まりで駅までやった奴』
しゅこー……しゅこー……
「………ふふっ……」
『あ、あれやるの!? 病院で!?やだやだやだやだ!!』
『我慢よばかちー!ここはみのりんのため!!じゃあ背が高い順で後ろからね!!』
『おう、そしたら俺がいちばんうしろか。娘は一番前でいいのか?』
『よし、では夏の合宿チーム…… ZOO号発進!!』しゃかしゃか!
『ちょ、ちょっと!足踏まないでよ…!』
『踏んでないわよ! 自分で踏んだんじゃないの!?』
『ふぇぇ……っ』
『ああ、もうお前ら!!喧嘩すんな娘が泣いちまう!!』
『おおっと!乱れが生じてるぞみんな!頑張るんだ! ドアはもう少し前だからな!』
「………ふふ、あはは……」
「……ぐす、みんな……」
「おはよー……さんっ……」
がちゃ!!
……………
…………
………
……
…
owari
『よし、では夏の合宿チーム…… ZOO号発進!!』しゃかしゃか!
『ちょ、ちょっと!足踏まないでよ…!』
『踏んでないわよ! 自分で踏んだんじゃないの!?』
『ふぇぇ……っ』
『ああ、もうお前ら!!喧嘩すんな娘が泣いちまう!!』
『おおっと!乱れが生じてるぞみんな!頑張るんだ! ドアはもう少し前だからな!』
「………ふふ、あはは……」
「……ぐす、みんな……」
「おはよー……さんっ……」
がちゃ!!
……………
…………
………
……
…
owari
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櫛枝「……ん、ほいよっ」ぎゅ…
竜児「──なんかこうやってマフラーを巻きあって、手を繋いでいると」
櫛枝「うん?」
竜児「こう、なんだかお互いの身体までつながってるような気がして……」
櫛枝「ぎゃー!セクシャルー!」
竜児「最後まできけって! と、とにかく……なんかいいなって思ったんだよ。
熱でつながってるていうかさ、色々と気分が良くなっていく感じがするんだよ」
櫛枝「──そうだねぇ。わたしも、高須くんとこうやって土手で夕日を見つめながら、
ふふっ……一緒に一本のマフラーを首に巻いて、手をつないでいるって……」
櫛枝「……ちょっと考えられないし、今までも無いことだって思ってた」
竜児「……でも、今はこうやってイチャイチャしてる。ちゃんと俺は隣にいるぞ?」
櫛枝「知ってるよい。だから言えるのさ、そうやって思ってた時期の私は……いつしか、
こうやって高須くんとイチャイチャできるよって」
櫛枝「過去の私に、とくと自慢話を送りつけてやりたいのさ」
竜児「それは……過去の櫛枝は、びっくり仰天で空も飛びそうだな」
櫛枝「多分、宇宙までいっちゃうだろうね。どんだけー!ってさ」