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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

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沙耶「まずいや」QB「ひどいや」


1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:01:48.55 ID:9Oivq3tM0

―――教会

杏子「…奥涯雅彦、か」

杏子「親父の遺した資料が本物なら、この男は銀の鍵を使うはずだ」ギュッ

杏子「いや、もうとっくに使ってるか…」

ゾゾゾゾ

杏子「…!?」

杏子(町の方か…なんだ…まさか!)


3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:03:18.31 ID:9Oivq3tM0

―――シャルロッテの結界内


ほむら(っ…はやく拘束を解かなければ…)

ほむら(あの魔女は巴マミ一人では…)

「みーつけた。あれ?違う。もっと奥かな?」

ほむら「………!?」

ほむら(気付かなかった…誰?佐倉杏子…ではない?だとしたら…)

「あ、そうだ…こんにちは、あなたには、わたしがどう見える?」

ほむら(見た事のない少女…私より年下?彼女も魔法少女なの?)

ほむら(違う!…なんて禍々しい…これは…魔女とも違う…)

「ふーん、やっぱり、この中では誰でも郁紀と同じように“見せれる”のかぁ。郁紀以外の人と話すの久々だなぁ」スタスタ

ほむら「ま、待ちなさい!」

「鮮度は悪くないけど、インキュベーター加工済みの人間なんて美味しくなさそう…」ブツブツ

「うん、いいや。あなたには用はないの。奥にいる、強い魔力を持った人間に用があるんだから」スタスタ

ほむら「(まどかっ!?)…待てぇっ!!」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:04:15.50 ID:9Oivq3tM0

杏子「なにやってんだ、あんた」

ほむら「…今度こそ佐倉杏子ね。とりあえずこの拘束を解いてもらえるかしら」

杏子「なんで名前を…それ、マミの魔法だろ?外す義理もねぇ」

ほむら「このままでは巴マミは魔女に負けるわ」

杏子「どうしてそう言い切れる。ってか、それどころじゃねーんだ。魔女よりヤバい奴が…」

ほむら「利害は一致しているはずよ。魔女も、あの少女も奥にいる。一緒に行かせて」

杏子「ちっ、わかったよ」スパッ


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:06:03.84 ID:9Oivq3tM0

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

シャルロッテ「…!」ドカーン

マミ(よし、倒し………………えっ?)

まどさや「……!?」

シャルロッテ(恵方巻き)「……」ニュッ

マミ(しまっ…リロードが間に合わない!!)

マミ(食われる!?)

「…」ジー

シャルロッテ(恵方巻き)「!?!?」…ダッ

マミ(えっ?魔女が逃げて…助かった?……違う、もっと大きな何かが)

QB「あれは…そんな、どうしてここに」

まどか「キュゥべぇ?」

「いたいた。すっごい魔力の塊!」

さやか「あの子も魔法少女なのか…?」

QB「違う、あれは…東京の病院に引きこもってたはずじゃ」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:08:37.31 ID:9Oivq3tM0

シャルロッテ(恵方巻き)「…!!」ダッ

マミ「っ…逃がさないわよ!」ドーン!

QB「マミ!魔女よりこっちを優先してくれ」

さやか「おい、キュゥべぇっ!アイツなんなんだ?魔法少女じゃないのか?」

「違うよ。それみたいなゾンビと一緒にしないで」

さやか「ゾンビ…?」

まどか(えっ?マミさんが、ゾンビ…どういうこと?)

QB「随分と可愛らしくなったじゃないか。それは、結界の影響かい?」

杏子「見つけた…っ!あれが邪神の僕!」ダッ

ほむら「鹿目まどか…無事なのね…!」ダッ

さやか「転校生に…えーと(あいつも魔法少女?)」

「…うーん。今日は諦めるか」チラッ

まどか「えっ?」ビクッ


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:10:12.85 ID:9Oivq3tM0

マミ「…一体、何者なの?私がゾンビとか、聞き捨てならないことを言ってたけど」キッ

「あー、やっぱり何も知らないんだ。そこのインキュベーターに聞いてみたら?私のことも、その宝石の正体も」

マミ「インキュ…ベータ…?」

「やっぱりさ、魂と分離して時間が経ってると、味はともかく気分が良くないんだよね」

まどか「魂…?分離…?」

QB「…きみにまどかは渡さないよ」

「うん、今日はいいや。もともといいにおいがしたから来てみただけ。棚ぼただもの」

「わたしそんな強くないし、三体一とか無理無理。またね、えーと、“まどか”?」スタスタ

まどか「…」ビクビク

マミ「食らえっ!」ダーンッ!

「っ、く、痛いなぁ…もう」スタスタ

マミ「き、きいてない?(胸を撃ち貫いたのに…)」

杏子「待てっ!」

ほむら「追うのは危険よ!」

杏子「……………くっ!」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:16:17.90 ID:9Oivq3tM0

―――見滝原総合病院

恭介「そんな…もう…無理だなんて…」フラフラ

恭介「二度と弾けないなんて…」フラフラ

ドシンッ

「」ゾワゾワビクッ

恭介「あっ、ご、ごめんなさい」

「い、いや、こちらこそ、すまない、立てるかい?」

恭介「大丈夫です」スクッ

恭介(…ぶつかっただけなのに、まるでなにか怪物にでも見つかったかのようなおびえ方だ…)フラフラ

(沙耶が戻るまでまだかかりそうだな)

「大丈夫か、病室まで付き添おう」

恭介「あ、ありがとうございます」

(むやみに聞きこむより、こいつから聞き出してみるのが早いか)


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:19:34.78 ID:9Oivq3tM0

郁紀(奥涯教授の知人…沙耶はちゃんと調べられただろうか…)トボトボ

沙耶「郁紀、もういいよ」

郁紀「沙耶?」

沙耶「この町にパパの家があるの。今日はそこに泊まろう?」

郁紀「そういえばこの町にあったな、しかしどうして?まだ遅くないのに」

沙耶「すごい魔力の塊をみつけたの。あの子を使えば、誰もわたしと郁紀の邪魔はできなくなるかも」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:23:46.33 ID:9Oivq3tM0

―――マミホーム

ほむら「…それが、魔法少女の運命よ」

マミ「そんなっ…」

杏子「魔女になる…だと!?」

まどか「本当なの?キュゥべぇ」

QB「訂正するほど間違っちゃいないよ」

杏子「コイツッ!!」ガシ

QB「君たちはいつもそうだ…(以下略)」

マミ「魔女…わたし、魔女になるの?」ガクガク

ほむら(巴マミが妙な動きをしたら、先手を取る…)

マミ「……ごめんなさい、すこし、風にあたってくる」フラフラ

まどか「マミさん…」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:29:19.55 ID:9Oivq3tM0

ほむら(あの少女によって、本来なら耳を貸してもらえなかったはずの話が、できている)

ほむら(できるかもしれない…まどかを契約させることなく、ワルプルギスの夜を倒す事が)グッ

さやか(キュゥべぇと契約すれば恭介は…でも、それでアタシは魂をソウルジェムに…魔女に?)

まどか「あの…女の子は何者なんだろう。人間なのかな?」

QB「少女、か。確かに間違っちゃいないけど、ヒトというより花に近いと思う」

まどか「お花?」

杏子「親父に聞いた事がある。奥涯という邪教の信者が、この見滝原にいたんだと。その教えは許されざる物だと」

QB「そう、奥涯雅彦。かつて禍々しい儀式を行い、彼女を召喚した…」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:35:06.89 ID:9Oivq3tM0

―――過去、奥涯別荘

沙耶「ァナダ、ダレ?」

QB「きゅっぷい。君のような存在を観測したのは初めてだ」

QB「でも、感情はあるみたいだ。魔力もすさまじい」

沙耶「ォィジィガナ…?」

QB「なるほど、この資料…君はこの宇宙のそt」バリバリッ

沙耶「…」ムシャムシャ

沙耶「マズィ」ペッ

新QB「ひどいなぁ、まだ話してる途中なのに。君は何をしに現れたんだい?(侵略なら、見逃してはおけないな)」

新QB「…君がたべないなら」ムシャムシャ

沙耶「………ァナダゴゾ、ゴノブンメィニガンジョゥジデナニヲジディルノ?」

新QB「(契約できる相手…じゃないかな)エントロピーって知ってるかい?」

~~~

沙耶(宇宙の延命…ね。どうでもいいや。この星を侵す気も…ない)

新QB(なにもせず、恋愛小説-ラブロマンス-を読みふけるばかり。こいつは侵略者じゃないのか?)


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:44:48.39 ID:9Oivq3tM0

―――マミホーム

さやか「つまり要約すると…」

さやか「転校生は他の時間軸から来てまどかを契約させたくない、キュゥべぇは逆にまどかを契約させてエネルギーを回収したい、んであの女の子が」

杏子「宇宙の外からやってきて、今になってこいつの魔力を狙ってなにか企んでる、ってことだ」

まどか「…」

QB(なるほど、ようやくわかった。暁美ほむら、まどかの因果は君によって強められたんだね)

まどか「キュゥべぇ、あなたにとっても、彼女は危険な存在なの?」

QB「どうだろうね。今まで何もしなかったし、すぐに行方をくらましたから、よくわからない」

QB「もしかすると、彼女は自分のいるべき場所へ帰ろうとしているのかもしれない」

ほむら(そのために、まどかを狙う?まどかの魔力が欲しいというの?)


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:50:45.03 ID:9Oivq3tM0

杏子「いま、やつがどのあたりにいるかわかるか?」

QB「…だめだ、あの時、彼女は結界の中に侵入することで自分の気配をコントロールできなくなっていたらしい」

QB「いや、まだ結界自体に慣れていないせいなのか。とにかく彼女が結界に入らない限り、追跡できない」

QB「息を潜めるのが昔から得意だったからね…彼女、沙耶は」

QB(そして結界内で見せた人間に近い姿…魔女の結界は、彼女にとってもイレギュラーなフィールドなんだね)

QB(結界を抜けた今、彼女は“あの”姿に戻ってるはずだ)

さやか「そいつを探す手掛かりはないのか?」

QB「奥涯雅彦は医者で東京の大学病院の教授だった。彼の別荘なら知ってるよ。ここから東の方で異質な魔力を微量に感じた事があってね」

QB「どうやらその時に沙耶が召喚されたらしい。(いや、彼女の方がやってきたのか。銀の鍵に導かれて)」

杏子「てがかりはそれだけか。ワルプルギスの事もある。ここは、アンタらと手を組んだほうがよさげだな」

ほむら(これでまどかが契約することはないだろうし、巴マミと佐倉杏子の協力があればワルプルギスにも勝てる)

ほむら(でも…奥涯雅彦、いままでとは全く別の障害が現れた)

QB(沙耶…彼女は何の害もない存在だった。なのになぜ、今更まどかを狙うんだい?)


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 14:57:06.04 ID:9Oivq3tM0

―――奥涯宅

郁紀「また、ペンキを買ってこなくちゃいけないな」

郁紀「電気も通ってないのか。何か対策を考えないと」

沙耶「うん、そうだね。ちょっとの間はこの町にいることになるし」

郁紀「詳しく聞きたいな。その子を使って、僕たちのためだけの世界を作る方法」

沙耶「うーん、確かこの家にちょっとだけ資料があったはず。えーと…」

つ【Ars Magna et Ultima】

沙耶「ああ、駄目だ。ちゃんとした資料は別荘の方にしかないかも」ポイ

郁紀「まぁ、いいよ。どんな手段にせよ、邪魔者をまとめて片付けられるのなら」

沙耶「えへへ」ギュー


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:08:30.41 ID:9Oivq3tM0

―――後日、マミ宅

マミ(暁美さんと佐倉さんはキュゥべぇを監視・拘束しつつ東の別荘へ…

美樹さんと鹿目さんで奥涯という人の調査。危ない真似はせず、なにかあったら私に連絡。

…私、駄目ね。みんなに気を遣わせてしまって。

魔女になる…怖い。怖いけど、逃げちゃ駄目。立ち向かわなきゃ…

私には、仲間がいるんだから…!)


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:14:10.62 ID:9Oivq3tM0

―――見滝原町内

さやか「…あっ、あの家!」

まどか「難しい字…オウガイでいいのかな?」

さやか「……よし、入ってみよう!」

まどか「ええっ!?危ないよ…マミさんに連絡して、ほむらちゃんと杏子ちゃんとキュゥべぇの帰りを待った方がいいよ」

さやか「んなことしてたら逃げられるかもしれないだろ?」

さやか「つーかさ、マミさんはしばらくそっとしておくべきなんだよ。いつか魔女になるなんて言われて、冷静でいられるだけ凄いんだって」

まどか「うう…」

さやか「…しかし、まるで人の気配がない」

さやか「奥涯って人、しばらくこの家に帰って来てないんじゃないか?」

まどか「確かに、しばらく誰もいなさそうだね」

さやか「だとしたら、別荘か…うん、大丈夫だよ、マミさんにはメールしとくし」ピッ

さやか「それにほら、沙耶…あいつひょろかっただろ?」

さやか「もしいてもこんな街中であいつが魔法使えばマミさんが飛んでくるし、力じゃあたしら二人でなんとかなるし」

まどか(乗り込む気満々だね…さやかちゃん)


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:20:03.33 ID:9Oivq3tM0

―――マミ宅

マミ(あれ以来、魔女も使い魔もこの町に近寄らなくなった。きっと彼女…沙耶を恐れてるのね)

マミ(ワルプルギスの夜…までは逃げたりしないか、流石に)

マミ「…あら?」

ソヨソヨ…

マミ(すきま風?リビングの窓を開けっ放しにしたままだったかしら。私らしくない)

マミ(…!?、いつ、“私”が開けたのよ?)

ゾゾゾッ

マミ「ひっ!」

マミ(なにこの臭い…リビングから漏れてくるの…?)

マミ(腐った沼の瘴気のような…鼻を突く臭い)

マミ「誰か…いるの…?」ギィ…

マミ(誰もいない…そうよ、誰もいないじゃない…どうして、こんなに足が竦むの!?)

マミ(窓…泥棒?穴が空いて…)ガラガラ


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:25:23.54 ID:9Oivq3tM0

マミ(もしかしたら、他の部屋に?)

ガシッ

マミ「えっ?」

ズルッ

ドシッ!

マミ「うっ…」

マミ(う…頭を打った…足を掴まれ)

マミ「きゃああぁあっ?!」

マミ(ソファの下から…何これ!?腕なの!?!?)

「オヂヅィデ。ゴワグナィガラ」

マミ(身動きが…)

マミ「ひぃッ、ひぃッ、ヒィィィッ!」

「ィダグジナィョ。ゴワガラナィデ。ィダグジナィガラ」

マミ(いやっ、耳と鼻から、何か…入)

マミ(い………や……――――――)


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:30:30.80 ID:9Oivq3tM0

―――奥涯宅

ピンポーン

さやか「…誰にも見られてない…よね」グッ

ガチャ

まどか「開いた…?」

さやか(うっ…この臭い、空き家独特のアレだ。奥涯ってやつ、やっぱりもうしばらく帰って来てないんだ)

まどか「このにおい…水槽を放っておいたときのにおいみたい…」

さやか「明かりがつかない。電源が落ちてるのか、それとも電気代、むちゃくちゃ滞納してるんじゃないか?」

まどか「みて、足跡…最近のみたいだけど」

さやか「靴のまま入ってる。あたしらも靴のままでいこう」

まどか「ええっ?」

さやか「いざというとき逃げやすいだろ?」ドタドタ

まどか「た、たしかに。失礼します」トテトテ


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:37:20.21 ID:9Oivq3tM0

さやか「暗い…けど、なんとなくわかる。まるで住人だけ抜き取ったような、生活のにおい」

まどか「ひょっとしたら、ながーい旅行に行ったんじゃないかな」

さやか「一年以上も…って感じよね、それ」

まどか「カレンダー…去年の四月」

まどか(まるで、幽霊船みたい)

さやか(おいおい、ひょっこり奥涯教授とやらの死体が転がってたりしないだろうな)ゾクッ

さやか「足跡は二階に行ってるな」

まどか「もう帰ろうよ…二人だけじゃ危ないよ」

さやか「危なくないよ。人間どころか、ネズミ一匹の気配すらない」

さやか(そう、まるで、ネズミどころか…この家の生き物みんな、なにかに喰われちまったかのような)


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:44:51.57 ID:9Oivq3tM0

まどか(紙の匂い。古本屋とか、図書館みたいな)

さやか「二階は書斎と寝室か…ん?ここだけ妙に生々しいっていうかなんというか。空気が少しだけ動いてる感じ?」

まどか「やっぱり誰かいるんだよ。早く行こうよ…」

さやか「こっちは本ばかりかー。この本は…Voynich manuscript?うーん、専門書ばっかりだな」

まどか「本当にお医者さんだったのかな。関係なさそうな本ばっかり」

さやか「おっ!マグライトはっけーん!」ピカッ

まどか「まぶしっ…」

さやか「これで探索しやすく………………ッ!?」

さやか「なんだよ、この汚れ…!?」

まどか(さっきまで気づかなかったけど、ドアノブやてすりにいっぱい!)

さやか(手垢なんてレベルじゃない。汚れた雑巾をこすりつけたような、妙に黒ずんだ液状の汚れ)

さやか(よく見れば…壁の低い位置にもたくさん)

まどか(水ですすいでないモップで家じゅう叩いて回ればこんな感じになるのかな)

さやか「これが奥涯の生活の名残…?」

さやか(全身から汚い水をまき散らしながらうろつく人間!?考えたくもねえ…)


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:51:04.65 ID:9Oivq3tM0

さやか(寝室のクローゼットに空のスーツケースが二つ…)

さやか「って、完全に旅行じゃないな、これ」

さやか(やっぱり、別荘かこの家のどこかで…?)

まどか(居間…酷い、ソファなんて、まるでヘドロの中に浸かってたみたい)

さやか(ペンキか?最近持って来たかのような。妙に新しい)

まどか(台所には行きたくないなぁ…水回りをちょっと見るだけで、どんな暮らしをしてきたのかわかるよ)

さやか「風呂場…ひょっとしてさ、奥涯教授、この中で手首切って自殺してたり」

まどか「やめてよぉ…」

さやか(もしくは、そう、殺し屋が死体を風呂場で解体するなんて、映画かなにかであったっけ)

さやか「覚悟決めるよ…」

まどか「うう…」

さやか「…」ギィッ


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 15:58:55.94 ID:9Oivq3tM0

まどか「うっ…!」オエ…

さやか(ろっこ…つ?腐った肉、血、なにこれ?)フラフラ

まどか(真っ黒…いや、見たくない…)ガクガク

さやか「…骨。骨にしては―――小さい?それに数が多すぎる」

まどか「人間じゃ、ないの?」

さやか「スー、ハー………よし」

まどか「さやかちゃん!?」

さやか(骨…落ち葉が積もるように、浴槽の半分くらいまで積もってる。明らかに人間のじゃない)

さやか(犬…猫…鼠とか、雀?)

さやか「にしても、数が異常でしょ、これ」

さやか(一体何匹分あつめればこんなに溜まるのか)

まどか(うぇぇ…バラバラ…一本一本入れたんだよね。きっと。じゃなきゃ、こんなにまぜこぜにならないもん)

さやか「肉が削がれてる?あ、そうか…なんかでかいペットの餌だったんだな」

まどか「ライオンとか、ワニとか?」

まどか(でも、そうだったら生ゴミとして捨てればいいのに…家から出られない理由があったのかな)


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:07:49.64 ID:9Oivq3tM0

「なにをしている?」

まどか「ひっ…!!??」

さやか「誰だっ!?」ピカッ

郁紀「不法侵入だぞ」

さやか「あ、あんたこそ…同じでしょうが…」

郁紀「僕は匂坂郁紀。ある人に頼まれて捜し物をしに来ただけさ」

さやか「…奥涯教授?」

まどか(奥涯さん、やっぱり生きてるの?)

郁紀「いいや、教授の知り合いだ。それで、君たちは?」

さやか「あ、あたしは美樹さやか。あ、アンタと同じかな。捜し物、うん」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:10:25.34 ID:9Oivq3tM0

郁紀「美樹…?」

さやか「なにか?(うう…やばい…か?)」

郁紀「ひょっとして、上條恭介くんの知り合いかい?」

さやか「えっ?」

まどか「上條くんのこと、知ってるんですか?」

郁紀「こないだ、病院でね」

郁紀(そうか…では、隣にいるのは“ヒトミ”か“マドカ”なんだな)

~~~

郁紀「そう、沙耶という子を探して…」

さやか「なんか知りません?」

郁紀「いや、知らないな。僕は丹保という人に頼まれてね。奥涯教授の行方の手掛かりになるものを探していたんだ」

郁紀(特に知識も持ち合わせてはいまい。適当に取り繕おう)

まどか「丹保…その人もお医者さんなんですか?」

郁紀「ああ、昔、奥涯教授の同僚だったらしい。東京のT大付属病院の人だ」

郁紀(先生も始末してある。この子たちが東京まで出向いて先生を探すとも思えないしな…)


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:15:41.08 ID:9Oivq3tM0

さやか「あの、なんかヘンじゃありませんか?」

郁紀「なにがだい?」

さやか「この家もそうですけど、人が失踪してるのになんの騒ぎにもなってないというか…」

郁紀「………、丹保先生いわく、教授は不祥事を起こして病院を辞めてしまったらしい」

郁紀「老人の孤独死のように、世間と交わらない人間がいなくなっても、誰も気づかないのさ」

郁紀「まさか教授の家がこんなことになってるとは思わなかったが」

さやか(………恭介のこともあるし、この人は信用できそう、かな)

まどか(なんだろう…この人、私たちを汚いものを見るような目で…気のせい、かな)


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:22:56.57 ID:9Oivq3tM0

―――マミ宅

マミ(私は………一体、どうなったの………?

寒い、いや―――暑い。

生温かい舌と冷たい蛞蝓とが交互に肌の上を這い回っているかのような、掻痒)

マミ「う……」

マミ(嘘………………壁も、天井も、イヤ、あの化け物に…)

マミ「いや、あ、あぁぁ……ッ」ズルッ

マミ「床…?毛足の長い絨毯……み、蚯蚓!?」

ジュルジュル

マミ「ヒィッ!」ブチブチッ

マミ「どこなの…ここはどこなの!?」ズルズル

マミ(廊下も…別の部屋も同じ…みんな、血と腐肉と胆汁でできている)

マミ「何なの……何なのよォォ……」

マミ(この間取り……まるで私の…)

マミ「出してっ………ここから出してぇぇっ!」グスッ


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:29:00.06 ID:9Oivq3tM0

「オジャマシマース」

マミ「!?」

「まみサーン、携帯ニめーるシタンデスケドー」

「まみサン、イナインデスカ…?」

マミ(廊下を歩いてる…来る!)

ギィ…

「まみサン?」

マミ「いやぁぁぁっ!」ジャキン

「まみサン!?ヤメテクダサイ!」

マミ(化け物!!殺す!撃って殺す!)

ダーン!ダーンッ!

「キャッ」

「アブネッ、マドカ、逃ゲルゾ」

「デモ!」

「イイカラ!」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:38:39.84 ID:9Oivq3tM0

―――見滝原町内

マミ「あは、は、あはははは……」

マミ(空も、町も、狂ってる。

ねじくれた輪郭。沸き立つ色彩。汚臭に澱んだ重い大気。

どこにも逃げ場はない。この悪夢に終わりなんて…ない)

「ヤハリ、コウナッテシマッタノネ」

マミ「化け物…」ジャキッ

「ゴメンナサイ」

パーン!

マミ(ソウルジェムが…)

パリーン

~~~

ほむら「巴マミ、やはりあなたは、真実に耐えられなかったのね…」

ほむら「今までの時間軸と同じ…やはりあなたは………」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:47:38.49 ID:9Oivq3tM0

―――ほむほーむ

杏子「別荘はあったが、それらしいものはなかったぜ」

QB「おかしい…どうしてだろう。以前はボイラー室から別室へ繋がっていたはずなのに」

まどか「マミさん…ヒック…どうして…」

杏子(アタシはすぐに割り切れたけど、やっぱりマミにはショックだったんだろうな。コイツとは長い付き合いだろうし)

ほむら「…まぁ、収穫がなかったわけではないけれど」

さやか「………?」

ほむら「古井戸の底に男性をみつけたわ」

さやか「もしかして、奥涯教授か?」

ほむら「いいえ、若い男だった。突き落とされたんでしょう。亡くなってかなり経っているみたいだったわ。もう一度行って、詳しく調べるつもりよ」

QB「しかし、これで魔法少女は二人になってしまったね。ワルプルギスの夜を倒すには不安が残らないかい?」

杏子「黙ってな。さやかもまどかも契約させねーよ」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 16:55:41.07 ID:9Oivq3tM0

さやか「それで、その匂坂郁紀さんも奥涯教授をさがしてるらしいんだ」

杏子「あやしくねえか?そいつ。沙耶と繋がってるんじゃ?」

さやか「うーん、でも、恭介と知り合いみたいだし、まどかの名前を聞いても特に反応しなかったし。ちょっと警戒心が強そうだったけど」

ほむら「その家には、人の住んでる様子はなかったのね」

さやか「ああ、気味悪かったけどな」

QB「以前、沙耶が寝泊まりしていたのかもしれないね。本来、彼女は結界の外ではあんな可愛らしい姿ではないんだ」

杏子(なんでそんな大事なことをコイツは今になって…)イラッ

まどか(あの汚れ、あれは沙耶さんの…?)

杏子「その郁紀ってやつも手掛かりは掴んでねーんだろ?八方ふさがりじゃねーか」

ほむら「いいえ。あの古井戸…時間がなくて調べられなかったけど、なにかで擦った跡があったわ」

さやか「つまり?」

ほむら「ロープを伝って井戸の中に降りた人間がいるかもしれないってこと」

杏子「あの死体と関係あるのか?」

ほむら「わからない。でも、もうそれくらいしか…」

さやか(……あの家の寝室、やっぱり気になる。帰り際にちょっと見ていくか)


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:00:46.37 ID:9Oivq3tM0

―――奥涯宅

沙耶「危なかったんだね。あんまり散らかさなくて正解だったかも。でも郁紀は怪しまれちゃったかな」

郁紀「確かに、迂闊だった。それにしても、そうか、あの子が沙耶の欲しかった子だったのか」

沙耶「うん。まどかの力を利用すれば、銀の鍵なしでも扉を開くことぐらいできるはず」

郁紀「あの別荘も嗅ぎつけられてるとはね。耕司の死体も見つけられてしまうかな」

郁紀「ここは離れたほうがいいな。いつまた乗り込んでくるかもわからない」

沙耶「うーん、そうかぁ…」

沙耶「そうだ、ねぇ郁紀。ちょっと歩かなきゃいけないんだけど、森の方に廃墟があるの」

郁紀「どうしてそんなものを知ってるんだい?」

沙耶「ここに住んでたころ、深夜の散歩で見つけた事があるんだ」

沙耶(まどか…私が郁紀に贈る最後のプレゼント…最初で最後の務め、彼女を使ってそれを肩代わりしてもらえれば…)

沙耶(私たちのためだけの世界、本来の私の役割を放棄して、種を蒔くことを諦めて、私は…)

―――“恋”し続ける事を選びたい―――


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:09:02.22 ID:9Oivq3tM0

さやか「ァレ、ァガリガヅイデル…ブミノリザーン、ィルンデズガァ?」

郁紀「沙耶、隠れて………さやかちゃんかい?どうしたんだ?こんな時間に」

さやか「ブミノリザンゴゾ、ゴンナォゾグマデ…」

さやか「モジガジデ、ゴゴニネドマリジデルンデズガ?」

郁紀「ここに3日ほどね。このあたりに知人の家もないし、宿泊費出せるほど余裕もないんだ」

さやか「ギョゥゴニダノメバ…ァァ、ダンボールバゥズバヤッバリィヤデズヨネ」アハハ

郁紀「心配してくれるのはありがたいが、明日には出ていくよ。ここには何もなさそうだ」

~~~

さやか(なるほど、妙に生々しかったのは郁紀さんが泊まってたからなんだ)

郁紀「そういえば、君は奥涯教授の別荘を知ってるかい?」

さやか「え?ああ、ここから東の方ですよね。わたしの仲間が行ってきたみたいです」

郁紀「僕も行ったことがあるんだが、奥涯教授どころか、ここにある変な書物の一片すら見つからなかったよ」

さやか「うーん、やっぱそうですよね~」アハハ


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:18:26.11 ID:9Oivq3tM0

さやか(あれ?臭う…こないだまでとは違う、明らかにおかしい何かが)

郁紀「どうしたんだい?何か発見でもした?」

さやか「…郁紀さんはわかりません?何か、臭うっていうか」

郁紀「………………、駄目だ、風呂場のアレや台所のこれやで、すっかり鼻がやられてるらしい」

さやか「この部屋だけ、やっぱり何か臭うんですよ」

郁紀「………そうかな」

さやか「あはは…気のせいかな?なーんて。まぁ、何もないみたいなんで、わたしは帰りますね」

郁紀「ああ、気をつけて」

~~~

郁紀「失礼な子だ」

郁紀「僕の最愛の人に対し、臭いだなんて」ギリッ


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:28:29.87 ID:9Oivq3tM0

―――後日、奥涯別荘

杏子「井戸の下に降りる?」

ほむら「ロープがあったわね。なんとか降りれるはずよ」

杏子「…あんまり気乗りしねーな(あの死体に近づきたくねぇ)」

QB「魔法少女が二人ともこっちに来てしまってよかったのかい?」

ほむら「ワルプルギスの夜が現れるまでまだ時間はある。その手には乗らないわ。二人は契約させない」

ほむら「あの後美樹さやかと奥涯宅を探したけど沙耶と思われる痕跡はなかった…」

杏子「まぁ、例の匂坂って男の生活痕がちょっぴりってとこか」

杏子(人の事は言えないが…よくもまぁあんなところで寝泊まりできるよ、尊敬する)


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:35:22.29 ID:9Oivq3tM0

QB「なるほど、沙耶がいるとしたらこっちってわけかい?」

QB(判断材料としては微妙な気がするけど)

ほむら「あの汚れが沙耶の痕跡だとすれば、沙耶は別荘の中にはいなかったことになる」

ほむら「だとすれば、こっちがかつてボイラー室と繋がっていたのかもしれない」

杏子「なるほど、井戸の底ね。ドラクエかっての」

杏子「ん・・・携帯のバッテリーが落ちてるぞ?風雨に晒されてて使いもんにならねーが」

ほむら「…これで降りれるわね」ギュッキュッ

ほむら「いくわよ、杏子」スルスル

杏子「…いどまじんがでませんようにっ」スルスル


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:36:15.62 ID:9Oivq3tM0

                          __
                    , - ''" ̄    `ヽ、
                   /  i ヽヽ ヽ ミ、ヽヽ\、
                 ノ  ル ミ、、ミト、 トリリ} }  ミ、
                 イ//ハ ヾトゝ   ヽノVVVレ! ミド
                彳ノ/バ::`  __,,-イ'  ンー-、_ トハ`
                 イノノ彡:::.'",ィ;;・ユ  ( ゙ミ・ヽ:|
                 レ^ヾ/::::::. !j  "  _ 〉 ゙  |
                  {{::{:!;:j::;::: ;;;;  "__'__    }
                 , --イト、ヾ;::::;;: . ;  /‐‐‐┤  /
            _/ /  | l T、::;;;:;;.   /:::: ヾ;;;! :/ ̄二ニー-- 、
         , - '  ̄   .|  |  i: . \::;::  ヾ、:::::::;;i ∧ヽ      `ヽ
      /      | |  i: .: . \:.   ゙ニニジ / ゙i ヽ        \
     /          i   |   i: .: . i: .\   __/::  ゙i ヽ        } i
    /          i   |   i : . i: . : .  ̄ イ }、   ゙i、ヽ        |
    |          i.  : .|   ヽ  i: .: .: ./: .ノイ_`Tー-、ゝヽ     //  !
    |ヽ        i  : .|   /ヽ、___/ /ノ |     ゙、   /  !
    | \       i  : .|  /| \〉ー---- ' /  |    r 、 r 、/: .: . |
    |   ヽ     i  : . レ'   |: .く: .: .: . : .: . / : .i    r 、 \ \: . ハ
    ハ : .: .\\/ユへ_        | : .\: .: . : ./ : . i__ -- r{ ヽ ヽ 〉 { -: .、
   | ヽ、: .: .: . / / .ノ_. ----- |: . : . ヽ : ./ : .: .ノ ノ   | ヽ: .} : .}: .ト、 | - 、  : :
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   ソ ̄ ̄ ̄ヽ: .: . \__ ノ : . ヽ: .i: . !: .: .   |: .: .: .| i: .: .: .: . ハ/: .: .: .: ./      ヽ
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81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:42:23.41 ID:9Oivq3tM0

イドマジン「―――」

杏子「……ひでぇ死に顔だ」アーメン

ほむら「(沙耶を追って…?)…あなたの死は無駄にはしないわ」スッ

杏子「ん?おい、ここ…くぼみが」カチッ

ゴゴゴ…

ほむら「どうやらあたりだったみたいね」

杏子「……これ、もっててくれ」

ほむら「ビデオカメラとスプレー?」

杏子「親が親なもんで、そっち系の対処法を多少はわきまえてるつもりだ」

ほむら「…ロープが落ちている」

杏子「やっぱりな。おそらく、ボイラー室は入り口を埋めちまったんだろう」

ほむら「こっちで行き来…まって、ロープがあるということは」

杏子「なにかしら、いるってことになるな」

杏子「ここから出るつもりもなく、死ぬまで中に閉じこもるために入って行った何かが」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:45:39.06 ID:9Oivq3tM0

ほむら「木製の扉ね」

杏子「ふんっ」

バーン

ほむら「20畳以上あるかしら…物置になった手術室、って感じね」

ほむら(飾り鏡、どこかの未開部族のものみたいな小像、仮面。不気味な色合いのタペストリ。赤子の頭ほどの水晶玉…)

ほむら「悪趣味なアンティークね」

ほむら(分厚い書物に羊皮紙だかパピルスだかわからない、けど紙ではないもの。そこかしこの壁には意味不明な図形…)

ほむら(うろこの生えた…タコ?――――――っ、めまいが…)

杏子「見るんじゃない!」

杏子「まずいと思ったら自分の靴を見る、いいな」

ほむら「…ええ」

QB「これは、たしかに直視するのはまずいね」

杏子「さっきのカメラとスプレー」

ほむら「…え?あ、はい」

プシュー


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:51:03.14 ID:9Oivq3tM0

杏子「妙な図形やラテン語の文章とかは、絶対に読むな、見つめるな」

杏子「機械の目で記録しておいて、あとで注意深く調べればいい」

杏子「現物はその場で塗りつぶすか何かして破壊する」

ほむら「一体どういう…」

杏子「あと水晶玉とか鏡も危ない。下手に壊すと藪蛇になるかもしれない」

杏子「とりあえず布でもかぶせるか、ペンキを浴びせて封印だ」

杏子「以上、親父の受け売り………っと、“いた”ぞ、奥涯雅彦」

QB「ミイラ化していてこめかみに銃創。自決してかなり時間が経っているようだ」

杏子「ふーっ、今日のところは、資料を持ち出してとんずらってとこだな」

ほむら(彼は…沙耶を追手から守るために自ら命を絶ったのね)

ほむら「ここにも汚れの痕跡がある。でも、これは奥涯の家より古いものかしら」

杏子「こっちも外れ…いや、資料をあされば沙耶の弱点くらい載ってるかもな」

QB「参ったなぁ。ここじゃ見滝原とテレパシーも届かないよ。早く帰らないと、まどかに何かあったら大変だ」

ほむら「そうね。あなたが契約を迫るかもしれないわね」

QB(どうやら、君たちは少し、アレを見くびっていやしないかい…?)


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 17:57:28.19 ID:9Oivq3tM0

―――奥涯宅

さやか(もう、郁紀さんもいないはずだ…)

さやか(確かめる、あの臭いの正体を)

ズルッ

ガタッ

さやか「なにっ?誰!?」

シーン

さやか「…もしかして、沙耶ちゃん登場~とか?」







さやか「やっぱ…まどか連れてこなくて正解だったわ」


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:04:08.09 ID:9Oivq3tM0

さやか(ドアまで走れば…逃げられるか!?)

郁紀「そうはさせないよ」

さやか「っ!?」

郁紀「この斧の切れ味を確かめるのに、ちょうどいいかな」

さやか「郁紀さん…まさか?」

郁紀「沙耶と僕の邪魔は、誰にもさせない」

さやか(迂闊だった…!)

ピチャ

さやか(えっ?何?上から、何か垂れてき………)

さやか(――――――)

ブシャアアア


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:12:22.97 ID:9Oivq3tM0

―――まどか宅

PLLL…

まどか「さやか…ちゃん?メールだ」

『今すぐ奥涯さん家に来て。一人で』

まどか「どういう…こと?」

『さやかちゃん?今どこにいるの?』

『来て。直接伝えたいの』

まどか「さやかちゃん…」


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:17:02.69 ID:9Oivq3tM0

―――奥涯宅

まどか「ゴクッ」

PLLL…

まどか「っ!(また、メール)」

『そのまま入って来て』

まどか「さやかちゃん?見てる…の?」

ギィ…

まどか「…」ピッポッパッ

PLLL!

まどか「!!」

まどか(鳴った。さやかちゃんの携帯の音、やっぱりこの家に?)

まどか(リビングの方…)

まどか「…さやかちゃんなの?」

まどか「こんなことして…驚かせないでよ…酷いよ…」

まどか「さやかちゃん…出てきてよぉ…こんなの、怖いよ…」


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:20:47.44 ID:9Oivq3tM0

まどか「もう…やめて」

フシュル…

シュッ

まどか「きゃあああああっ!?」

ズルッ

ドシッ

まどか「いた…い…」

まどか(後ろ…なにかが、いる…!)

まどか(だめ、振り向けないよぉ…)

ピッピッ


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:22:03.55 ID:9Oivq3tM0

『こんにちは、まどか』

『前に見たときも思ったけど、あなた可愛いね』

まどか「誰か…」

まどか「ああ、誰か…助けて…さやかちゃん…」

ブクブクブクブク

まどか(笑ってる…?)

『私たちのために、犠牲になってね』

まどか「お願い…許して…」

ブクブクブクブク







101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:29:53.05 ID:9Oivq3tM0

―――奥涯別荘からの帰路

QB「む!?」

杏子「どうした?」

QB「さやかの気配を感じられない…」

ほむら「………まどかは!?」

QB「魔力が…………まどかの魔力が…沙耶と同じような感じに変質している」

ほむら(……そん、な…)


103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:31:45.69 ID:9Oivq3tM0

QB「高速で移動しながら、沙耶に妙な加工をされているようだ」

杏子「加工…だって?」

QB「その資料を詳しく調べればわかるはずだ。沙耶は、他の生命体に干渉し、それを作りかえる事に特化している存在だと思われる」

杏子(相変わらずこっちが聞くまで何も教えてくれねぇんだな…!!)

ほむら「居場所は!?」

QB「見滝原を北に移動している。この早さ、自動車だ」

ほむら「くっ!」ダッ

杏子「お、おい!」

ほむら「まどか…!!」


104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:32:55.77 ID:9Oivq3tM0

QB(だから言ったんだ…まぁ、変質してもまどかの魔力はほとんど損なわれてはいないみたいだね)

QB(非常に高い変換効率―――流石だよ、沙耶)

杏子「このまま突っ込んでも、弱点はまだ解読できてねーし…」

QB(だとしても、急がなきゃ手遅れになる。まだ、まどかと契約するチャンスは残ってるはずだ)ダッ

杏子「あっ、待ちやがれ!」

杏子「畜生、行くしかねーか…」


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:38:51.53 ID:9Oivq3tM0

―――郊外、廃墟

ほむら(不法投棄された粗大ごみ、それどころか明らかに業者が捨てたものまで)

ほむら(体のいいバリケードってところかしら)

ほむら「たしかに、こんなところ浮浪者でも近寄らないわね」

ほむら(明かりは…居場所を教えてしまうわね)

ほむら(リロードはしてある)カチャ

ほむら(中も…まるで人の気配がしない)

ほむら(奥涯の二つの家とは違う、明らかな廃墟)

ほむら(ここで…けりをつける)


110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:41:50.19 ID:9Oivq3tM0

ぐじっ

ほむら「……!!」

ほむら(何かがいる)

ぐじっ…ぐじっ…

ほむら(匂坂郁紀?いや、自ら位置を教えるような不用心を侵すだろうか?)

「……ゥ……ゥ……ゥ」

ほむら(この部屋ね)

ほむら(なに?まるで息をするだけでも苦しげな、どこか啜り泣きにも似た……)

ほむら(………啜り泣き?)

ほむら(そう、まるで、輪廻の中で幾度も聞いたかのように、耳に沁みわたる啜り泣き)


112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:43:58.86 ID:9Oivq3tM0

「―――ホムラ、チャン?」

ほむら「……まどか?」

ほむら(そんなわけがない。まどかがこんな声を出すわけがない。こんな臭いを放つわけがない)

「ホムラ、チャン―――ォネ、ガィ―――コ、ロ、シテ――」

「イタ、イノ――クルシ、ィノ―――ゴノ、ガラダ、ズッド―――」

「ダズゲデ―――ホムラ、チャン」

ほむら「まどかなの?ねぇ、まさか、まどかなの!?」

「――ジナゼデ――モゥ――ィャ――ォネガイ―――ゴロジデェェ―――」

ほむら「ら、ライト…」

ピカーッ…


113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 18:48:35.96 ID:9Oivq3tM0

ほむら「い、いやぁぁぁぁぁ!!」

ッターン!

「……ィ……タ……ィ……」

ほむら「う、うあぁぁああああぁぁ!!!」

ターンターンターン!!

カチッカチッカチッ…

「イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイィィィィィッ!!」

ほむら「ひ……ひ……ひぃっ……!」

郁紀「参ったなぁ、もう少し迷うもんだと思ってたけど」

ほむら「さきさ、か…」

「………ィ……ィ……ィ………」


119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:00:00.06 ID:9Oivq3tM0

ほむら「まどかぁ………ごめん…ごめんね……」

ほむら「わたし、あなたをたすけられない…」

ほむら「まど、か――――――」

パリーン

ほむら「――――――」


120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:02:00.20 ID:9Oivq3tM0

杏子「ほむらっ!どこだっ!!」

QB「気をつけて!近くにいるよ!」

杏子「…おっと」

ブゥン!

杏子「おいおい、今の一振り……まるっきり手加減抜きかよ」

郁紀「残るは君だけだ。そこの宇宙人を除けばね」

杏子「なん…」

郁紀「ほら、返すよ」ポイッ

杏子「ッッッ!??」

QB「その青い髪、白い手……」

郁紀「まぁ、それなりに美味しかったかな」

杏子「許さねえ……!!」

杏子「さやかの10倍は痛めつけてから殺してやる」ピカーン

郁紀「例の魔法少女ってやつか…」フン


124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:09:44.22 ID:9Oivq3tM0

郁紀「はぁっ!」ブン!

ガキィン

杏子「……」

ガキィン!ガキィン!ガキィン!

郁紀「このォッ!」

ガキィィ…

杏子(体勢を崩した…)

ドン!

郁紀(ロー…キックか)

郁紀「ぐっ!」

ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!

杏子(………勝負にすらならねぇ)

杏子「お前、喧嘩に慣れてねぇな?」


126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:14:19.05 ID:9Oivq3tM0

郁紀「うおぉっ!」

杏子(動きが鈍ってきたな…)

ガキィ!ガキィン!

郁紀「死ねッ!死ねぇッ!」

杏子「ふん」ガシッ

郁紀「ッ!?」

ブゥゥゥン!

メキリ…

杏子(肋骨、イッたな)

郁紀「がふっ…」ドサッ


128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:20:08.25 ID:9Oivq3tM0

杏子「まだまだ…じっくりいたぶってやるッ!」

QB「杏子!上だ!」

ガシッ

杏子「なっ!」

グッ

郁紀「……いいぞ……沙耶」ニヤリ

杏子(沙耶―――)

杏子(こいつが―――)

杏子「う―――わ―――うわぁぁぁっ!」

ブッシャァ

ビシャァァァァ


129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:22:31.75 ID:9Oivq3tM0

沙耶「…」

パリーン

杏子「―――」

QB「ああ…遅かった。まどかはもう…」

QB「魔力が儀式に使われてしまっている…」

QB「扉を開いたんだね、沙耶」

沙耶「…」ニコッ


133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:27:22.67 ID:9Oivq3tM0

♪沙耶の唄

歌:いとうかなこ

作詞・作曲:江幡育子

編曲:磯江俊道


花舞う
あなたの空に
命よ息吹いて安らぎの色に

スベテ ヲ アゲルヨ……
泣かないで ふたりの時が始まる

La_i... おびえないで
優しくわたしを呼んで
La_i... 出逢えた奇蹟
愛は…… この世界にみちてゆく

さや、と命のせて 風が舞う


137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:28:50.10 ID:9Oivq3tM0

QB「もはや、地球に住む知的生命体は感情を持たない。

鹿目まどかにこだわり過ぎた。契約できるチャンスだとふんでいたのに、甘かったよ。

無理やりにでも杏子たちと行動を別にしていれば…


沙耶、君自身もイレギュラーだったんだね。

本能を捨て、恋を選んだ。

それは、本来の奉仕生物というより人間に近い―――


沙耶は契約してくれそうもないな。

扉から現れた沙耶の仲間たちによって人間の社会は乗っ取られ、魔女も駆逐されるだろう。

そう、ワルプルギスの夜ですら。

もう―――地球に代わる星を探すしかないか。

僕らにはせめて、地球に閉じ込めておくことくらいしか、できそうにない…」


138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:30:34.21 ID:9Oivq3tM0

以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。
無理矢理なクロスオーバーに加え、説明不足かつ駆け足、矛盾や推敲不足ゆえに未試聴・未プレイ者には理解しがたい文になっていると思います。
もし興味がありましたら、どうか原作に手を伸ばしてみてください。(沙耶の唄はまどマギ放映後に再評価されて新作一本分くらい売れたらしいです)
奥涯のレポート、病院END、丹保凉子先生のクールビューティーな活躍などはこのSSには含まれておりません。
井戸魔人AAはこちらからお借りしました。http://www.mangaaa.net/index.php?FrontPage

少しだけ補足レスをしますが、その後は落としてしまってかまいません。
続きはありません。ここまで書き溜めです。
まだレス番も若いので、どうせなら沙耶の唄雑談スレとしてご活用頂けると嬉しいです。

最後に、まどかファンの皆様には彼女たちにこんな扱いを強いた事を深くお詫び申し上げます。


141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:31:41.40 ID:kbBpHcF70

本当に良いお話でした
これで沙耶の孤独も癒されたんですね^^
感動しました

いあ!いあ!よぐ=そとおす!!


156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/13(土) 19:54:36.41 ID:1/0wjiNa0



クトゥルー熱がぶり返したわ


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