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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

黒子テツヤ「本番は一万円です」

 
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 22:53:17.32 ID:ebwkAh+G0

「お前、まだ童貞なのかよ」
「そうっス…」
「ファンだってたくさんいるんだろ?早く捨てちまえよ」
「俺、中学時代から好きな人がいて、まだとっておきたいっていうか…」

GMARCH大学を卒業後、黄瀬涼太はモデル・俳優として活躍していた。
本格的に芸能活動を始めてからは学生時代よりもさらに女性からの人気が高くなり、ファンだけでなくアイドルや若手女優からも告白されることが多かったが、黄瀬はそれらを全て断っていた。
先輩たちからはからかわれることも多かったが、中学時代からの想い人に操を捧げると決めていたのだ。


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 22:59:49.07 ID:ebwkAh+G0

「その歳で童貞っていくらなんでも恥ずかしいって。もしあれなら風俗とか行けばいいじゃん」
「うーん、好きでもない人で童貞卒業ってのはちょっと…」
「風俗嬢相手なら素人童貞だし完全に童貞卒業ってわけでもねーよ。そうだ、デリヘルとかどうだ?呼んでやろっか?」
「いや…遠慮するっス!」

勝手に電話をかけようとする先輩モデルを阻止する。

「ちっ、わかったよ。自分で電話したほうが好みとかも伝えやすいだろうしな」
「しないっスよ!!」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:07:51.51 ID:ebwkAh+G0

先輩モデルが部屋から出て行ってから、黄瀬は迷っていた。黄瀬だって健全な若い男子なのだ。性欲がないはずはない。
毎回違うアイドルと熱愛報道をされていたり、若い女性ファンをヤり捨てていたりする同業者も多いが、真面目な性格の彼はそんなことをする気にはなれなかった。
しかし、専門の者、性を売り物にしている者ならば構わないのではないかと彼の心は揺らぐ。

(へぇ、今は男専門のところなんてのもあるんスね)

ノートパソコンを開き、デリヘルやソープ、ピンサロについて調べ始めた。


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:15:49.50 ID:ebwkAh+G0

黄瀬が中学時代から想いを寄せている相手は男だった。決して同性愛者というわけではなく、好きになった相手がたまたま自分と同じ性別だったというだけだ。
相手は男に想いを寄せられてもきっと嫌な気分になるだけだろう。自分の思いは一生胸にしまい続けるしかないのだろうか。
もし男を抱けば、自分の行き場のない苦しみはまぎれるかもしれない。そう思い、迷った末に電話をかけた。

「もしもし…」
「当店のご利用は初めてですか?」
「はい、えっと…フリーで」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:22:33.59 ID:ebwkAh+G0

「好みなどは?」
「あまり背が高くなくて、色素が薄くて、クールで…」
「かしこまりました」

とにかくものすごく緊張していた黄瀬は風呂に入り歯を磨いた。デリヘルを呼ぶのは初めてなので何をすればいいのかわからなかったが、出来る限りのことをした。
電話をかけてから30分ほど経ち、フロントから連絡があった。

「お連れの方をお通ししました」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:27:58.87 ID:ebwkAh+G0

胸が高鳴る。自分はついに今夜童貞を捨てるのだ。

(でもデリヘルって本番ナシなんだっけ…)

間もなくドアをノックする音がした。ドアを開けると、そこには意外な人物がいた。

「こんばんは、テツと申します」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:32:49.06 ID:ebwkAh+G0

しばらく呆然とし、声も出なかった。

「あの、チェンジですか…?」
「黒子っち…?黒子っちっスよね?俺っスよ!黄瀬涼太!」
「ああ、あの有名なモデルの方ですよね」
「それはそうっスけど…、それ以上に俺たちは中学のときからの知り合いじゃないっスか!」
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」

黒子は顔色ひとつ変えずに淡々と答えた。


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:37:21.22 ID:ebwkAh+G0

「本当に黒子っちじゃないんスか…?」
「はい」
「間違えて申し訳ないっス。俺の友達っていうか、好きな人に似てて…」
「そうですか」
「不思議なこともあるもんっスよね…ははは」

乾いた笑いがこみ上げてくる。

(黒子っちがこんな仕事してるはずないのに…)


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:42:35.72 ID:ebwkAh+G0

「90分、2万円になります」
「先払いっスか?」
「はい」

黄瀬は黒子に2万円を渡した。2万円を受け取る手が冷たくて、黄瀬は妙に悲しくなった。

「シャワー浴びますか?それともそのままでしますか?」

黒子が来る前に入浴は済ませていたが、せっかくなので浴びることにした。


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:49:48.82 ID:qPDE2ERj0

灰崎は阿含のようなチートキャラだと思ってたのにただのかませだった


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:49:56.96 ID:ebwkAh+G0

「まず、これでうがいをしてください」

イソジンが入ったコップを渡された。黒子自身もそれをコップに注ぎ、うがいをする。
うがいが終わった後、二人は裸になり浴室に入った。

「自分で洗いますか?」
「いや、洗ってほしいっス」

黒子は黄瀬の体を慣れた手つきで洗う。その手つきが彼がデリヘル嬢だということを物語っていた。


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/13(木) 23:57:34.08 ID:ebwkAh+G0

黒子はグリンスを取り出し、黄瀬の局部を洗い始める。
絶妙な力加減に黄瀬の一物は早くも大きさを増してしまった。

「あ、気持ちよくて…つい。早すぎるっスよね」
「我慢しないで大丈夫ですよ」

黒子は黄瀬のそれを手でしごいた。

「うっ…」

黄瀬は射精した。早漏気味なことは彼の昔からの悩みだった。

「俺、昔から早すぎるのが悩みで…。しかもちょっとした刺激でも感じちゃうし」
「全然感じてくれない人よりずっといいですよ。可愛いです」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:05:27.44 ID:fhWSPp7K0

シャワーを浴びた後、ベッドに移動した。

「黄瀬さん」
「もしよかったら黄瀬君って呼んでほしいっス。俺もテツさんのこと黒子っちって呼んでもいいっすスか?」
「わかりました」

見ず知らずのデリヘル嬢に、黄瀬は想い人の面影を求めていた。

「黄瀬君は初めてですか?」
「恥ずかしながら…」
「僕は黄瀬君の好きな人に似ているんですよね?」
「一瞬本人かと思ったくらいっス」
「じゃあ、僕を恋人だと思ってください。僕も黄瀬君の恋人になったつもりでやりますね」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:13:22.09 ID:fhWSPp7K0

「その人はどんな人だったんですか?事前に知っておいたほうがより再現できると思うので」
「黒子っちとは中学のとき同じ部活で、高校は別だったけど試合で顔を合わせることは多かったっス」
「何部ですか?」
「バスケっス。熱心に練習してて、とにかくすごい可愛くて」
「今は連絡とってないんですか?」
「高3になってからは俺も受験勉強に必死だったし、大学入ってから久しぶりにメールしたらアド変してたみたいで。電話も繋がらなかったっス」
「家には行かなかったんですか?」
「行ったけどもぬけの空だったっス。あー、大学なんか入れなくてもいいから黒子っちと頻繁に会ってればよかったなあ」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:21:01.02 ID:fhWSPp7K0

一通り話が終わった後、黒子は黄瀬の一物を弄り始めた。
さっき放出したばかりなのに、再びそれは大きさと硬さを取り戻す。

「俺も黒子っちの…したいっス」

黒子は自身の局部が黄瀬の顔のあたりにくる、ちょうどシックスナインの体制になった。
黄瀬が舌で刺激すると、黒子のそれも大きさを増してくる。

「はぁ…黄瀬君…!いいですか?」

黒子の精液が黄瀬の顔にかかった。黄瀬はそれを全て舐め取った。

「黒子っちの精子…おいしいっス…」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:26:41.95 ID:fhWSPp7K0

「ごめんなさい。顔にかけてしまって」
「いや、むしろ嬉しいっスよ!」

黄瀬は本番を頼もうか悩んでいた。
黒子本人とはセックスできないだろうし、自分の想い人にこんなそっくりな人間とセックスできる機会も二度とないだろう。

(デリヘルは本番ナシだけど…頼めばやってくれるって聞いたし)

黄瀬は意を決した。

「本番ってナシっスかね…?お金なら払うんで」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:33:30.79 ID:fhWSPp7K0

「本番は一万円です」
「えっ、それだけでいいんスか!?もっと払うっスよ?」
「ですが、黄瀬君には特別サービスで5千円にします」
「いやいや、それはさすがに安すぎっスよ!」

(こんな仕事してるってことは、お金に困ってるってことっスよね…?)

芸能人である黄瀬はそこそこ稼いでいたし、何より黒子にそっくりな彼を助けたかった。

「5万でどうっスか?」
「そんな、申し訳ないです」

黄瀬は黒子に強引に5万円を手渡した。


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:44:47.30 ID:fhWSPp7K0

「ありがとうございます」
「黒子っちのためなら当然っスよ」

黒子は黄瀬の上に跨った。騎乗位の形だ。

「あれ、ゴムはつけないんスか?」
「僕たちは恋人同士なんだからそんなものいらないでしょう?」

この男が黒子ではないとわかっていても、演技だとわかっていても黄瀬は喜ばざるを得なかった。


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:49:54.86 ID:Te1kn1jc0

え?
腐女子何やってんの?


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:49:58.49 ID:fhWSPp7K0

黒子は腰を沈め、ゆっくりと自身に黄瀬のそれを挿入していった。

「痛くないっスか?」
「大丈夫です。少し動きますね」

黒子は腰をくねらせ小刻みに喘ぐ。その姿は最高に官能的だった。

「黒子っち…、中に出していいっスか…?」
「僕も…また出そうです…!」

黄瀬と黒子は同時に果てた。


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 00:58:14.28 ID:fhWSPp7K0

「まだ時間ありますけど、二発目いきますか?」
「いいっス。それより恋人同士っぽくイチャイチャしたいなあ、なんて」

黄瀬は黒子を抱きしめ、キスした。二人の舌が絡み合う。

「黒子っち!なんで何も言わずに消えちゃったんスか!?俺、まだ告白もできてないのに…」

黄瀬は涙目になりながら叫んだ。

「本当は黒子っちなんでしょ?黒子っちが風俗嬢だったって俺は軽蔑しないっスから!お金に困ってるなら俺がいくらでも出すし!」

黒子は瞳を伏せて黄瀬の体を離す。

「ごめんなさい。僕は君が好きな黒子テツヤじゃありません。ただのデリヘル嬢です」


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 01:05:22.81 ID:fhWSPp7K0

そのあとは他愛もない話をし、終了時間10分前に黒子の携帯電話が鳴る。

「そろそろ時間ですね。今日はありがとうございました」
「あの、連絡先教えてくれないっスか?」
「人気モデルとプライベートで連絡なんて取り合ったらファンの子に嫉妬されちゃいますよ」
「モデルとかそういうの抜きに、黒子っちとは仲良くなりたいっス」
「黒子っちではありません。デリヘル嬢のテツです」
「テツさん…、駄目っスか?」
「お客さんに連絡先を教えるのはお店のほうから禁止されてるんです。すみません」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 01:15:05.08 ID:fhWSPp7K0

黄瀬はメモ帳とボールペンを取り出した。

「これ、俺のメアドと番号なんで、もし気が向いたら連絡してほしいっス!」
「はい。機会があれば」
「また黒子っちに会いたくなったらどうすればいいっスか?」
「平日はだいたい出勤してるので指名してくれれば」

黒子は営業スマイルで返答した。

「では、またのご利用をお待ちしております」
「絶対連絡するっスよ!」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 01:20:49.48 ID:fhWSPp7K0

ドアが閉まる。黒子がいなくなった部屋はひどく静かだった。黄瀬は先ほどまで黒子と愛し合っていたベッドに寝そべっていた。

(あの人はあまりにも黒子っちに似すぎている。もし黒子っちじゃなくても俺はあの人のことが…)

あれこれ思案しているうちに、違和感に思い当たる。

(俺、あの人に黒子っちのフルネーム教えてないよな…。なのにどうしてあの人は黒子テツヤって…)

黄瀬はベッドから飛び起き、静かな部屋で叫ぶ。

「やっぱりあの人は黒子っちだ!!」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 01:27:11.08 ID:fhWSPp7K0

店に帰った黒子を、新たな指名が待っていた。

「お疲れ、テツヤ。今日はもう一人だ」
「了解です」
「無理しなくていい。もし無理なら他の奴回すけど、大丈夫かい?」
「馬鹿にしないでください。僕だってプロです」

黒子は次の客の待つホテルへと向かう。


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 01:40:58.02 ID:fhWSPp7K0

「まったく、物好きな奴なのだよ」
「いーじゃん。たまにはこういう変わったのも」
「俺じゃ不満か?」
「違うって。真ちゃんは十分魅力的だよ。だからこそ魅力を引き立てるために…」
「ふん、これが最初で最後なのだよ」

緑間真太郎は早慶上理大学を卒業後、研究員として食品会社に勤務していた。
ピアノや将棋が趣味だが、それで生計を立てていくほどの技量は持ち合わせていない。堅実な道を選んだのだった。


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 01:49:23.05 ID:fhWSPp7K0

高尾和成は緑間の彼氏であり、同じ会社の違う部署に所属している。駅弁大学に在籍中から、緑間と同じ会社に勤めると決めていた。
この就職難の中、二人とも同じ会社から内定をもらえたのはやはり運命だろうか。

「で、どんな奴を指名したのだよ」
「んー、内緒。真ちゃん、すげー喜ぶと思うよ」
「今さらなんで女なんて…」
「女じゃねーよ。男」
「!?」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 01:55:25.69 ID:fhWSPp7K0

雑談をしているうちに、ドアを叩く音がした。

「はいはーい。今開けまーす」
「こんばんは。テツと申します。ご指名ありがとうございます」
「うわー黒子君全然変わってないね。ちょっと背伸びた?」

黒子の声と高尾の言葉に緑間は驚いた。

「今、黒子の声が聞こえたような気がするのだが。気のせいだと思いたいのだよ」
「気のせいじゃないよ。ほら、黒子君」
「すみません、黒子って誰ですか?」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:11:46.40 ID:fhWSPp7K0

「黒子…、どうしてお前がこんな仕事を…」
「僕は黒子じゃありません」
「えっ、黒子君だよな?」
「違います。僕はデリヘル嬢のテツです」
「高尾、どういうことなのか説明するのだよ」

緑間は苛立ちながら高尾に詰め寄る。

「お前って3P得意だろ?だからデリ嬢でも呼んだら面白そうだなーと…」
「俺が得意なのはスリーポイントだ!」
「それはともかく、ネットで調べてたら男性用デリヘルってのを見つけてさ、女より男のほうがいいかなと思って。ほら、俺たちホモだろ?」
「俺はホモじゃない!俺は…、性別関係なくお前だから好きになったのだよ…」

黒子は玄関に立ちつくしていた。


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:19:02.04 ID:fhWSPp7K0

「不意打ちとか…、そーゆーの反則…。真ちゃん普段なかなかデレてくれないんだもん」
「お、俺は普段からそう思っているのだよ…。それくらい察しろ…!」
「今日の真ちゃん可愛すぎ。キスしていい?」
「お前がしたいって言うなら仕方ないのだよ…」

見かねた黒子は声をかけた。

「水を差すようで悪いんですが、時間なくなっちゃいますよ?」
「ああ…、すまん。とりあえず上がってくれ」
「おい、こいつを選んだ理由をまだ聞いていないのだよ」
「それは写真見て黒子君だと思ったから指名した。まあ他人の空似ってだけみたいだけど」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:22:11.36 ID:fhWSPp7K0

「お前は本当に黒子ではないのだな?」
「はい」
「でもホント似てるよね。真ちゃんと黒子君は同じ中学だったんだよ」
「そうですか」

黒子は大して興味もなさそうに返事をする。

「90分、2万円になります」
「はい、これね」

高尾は黒子に2万円を手渡した


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:28:45.32 ID:fhWSPp7K0

「シャワーはどうしますか?」
「俺はさっき浴びたからいいや。真ちゃんと二人で入ってきて」
「俺もさっき浴びたのだよ!」
「まあまあ、せっかくなんだし楽しんだら?」

黒子と緑間は浴室へ向かった。

「やっぱりお前は黒子じゃないのか?反りが合わない奴だったが、もし困っているのなら少しは…」
「違います。うがい、お願いします」

緑間の言葉を遮り、イソジンの入ったコップを渡した。


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:43:47.25 ID:fhWSPp7K0

黄瀬のときと同様に慣れた手つきで洗っていく。

「ここも洗っていいですか?」
「勝手にしろ」

黒子はグリンスを取り出し、緑間の局部を洗う。

「や、やめるのだよ!」
「本当にやめていいんですか?」

緑間は感じていた。言葉とは裏腹に体は反応し始める。


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:47:58.22 ID:fhWSPp7K0

(黒子そっくりな奴にこんなことされて…ありえないのだよ!)

「もういい!俺は上がる!」

緑間は石鹸を流し、さっさと浴室から出て行った。

「あれ?早かったね。どうだった?」
「吐き気がするのだよ」
「嘘つけ。体は正直じゃん?」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:52:27.33 ID:fhWSPp7K0

「そんなにおっ立ててるくせにー」
「どこを見ているのだよ!変態!!」

間もなくして黒子も浴室から出てきた。

「ごめんね。こいつホント素直じゃなくてさ」
「いいえ。非童貞でこういう反応する方って珍しいので面白かったです」
「こいつ童貞だよ?非処女だけど」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 02:57:55.47 ID:fhWSPp7K0

「では、どんなプレイをお望みですか?」
「特にプレイとかってのはないかな。別に3Pしたいってわけでもないし」
「高尾…さっきは俺をからかったな!」
「3Pしたかった?なら3Pにするけど」

緑間は3Pではないことに内心ほっとしていた。二輪差しなど自分の後孔では不可能だ。

「でも3Pじゃないのにどうしてわざわざ僕を呼んだんですか?」
「俺が見たいのは普通のプレイ。真ちゃんと君でセックスしてよ」


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:03:56.76 ID:fhWSPp7K0

「俺と黒子が…?」
「そう。真ちゃんだっていい加減童貞卒業したいっしょ?」
「かしこまりました」

黒子は緑間の一物を手で刺激した。シャワーのときより強い快感が緑間を襲う。

「んっ…」
「今度こそ我慢しなくてもいいですよ」

緑間は射精した。


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:13:34.03 ID:fhWSPp7K0

「挿入の前にイっちゃったかー。じゃあ次は真ちゃんが黒子君のをご奉仕してあげて。俺にやってるから慣れてるよね?」
「なんで俺がこいつにそんなこと…」
「お願い!今度缶入りのおしるこおごるからさ!」
「仕方ないのだよ…。100本で手を打とう」

先程とは逆に、緑間は黒子の一物を手で刺激し、口に含んだ。
黒子ほどではないにしろ、高尾のもとで訓練を重ねた緑間の舌技はなかなかのものだった。

「上手ですね…」
「伊達に高尾と付き合っているわけではないからな」

(真ちゃんが俺以外の男のちんこ咥えてる…)

高尾のそれもむくむくと建ち上がってきた。


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:20:36.26 ID:fhWSPp7K0

「黒子君、真ちゃんの鼻つまんで、無理やり口に入れて。そんで頭を押さえながら動かして」
「イラマチオですか?」
「そうそう」

黒子は高尾が命じた通りの行動をした。

「むっ…!苦し…っ」
「少し我慢してください。彼氏さんも喜んでるみたいですよ?」

緑間のそれは再び大きさを取り戻した。

(真ちゃん…、何で俺以外の男にイラマチオされて勃起してんの?やべ、興奮してきた)

高尾は自分自身を慰め始めた。


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:34:24.47 ID:fhWSPp7K0

黒子は緑間の口内で射精した。

「真ちゃん、それ全部ごっくんしてね」
「ごほっ…、お前以外のなんて飲めるわけがないのだよ」
「俺のためだと思ってさ。あと俺の命令には基本的に従ってよ」

緑間は黒子の精液を飲み込んだ。口の端から零れる精液がいっそう欲情を煽り立てた。

「真ちゃんのもまた元気になってきたことだし、そろそろ挿入といきますか」
「誰が誰に挿入するのだよ?」
「真ちゃんが黒子君に、に決まってんじゃん。さっき童貞卒業って言ったっしょ?」


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:40:58.59 ID:fhWSPp7K0

「ってことで本番ヨロシク。やっぱりデリじゃ本番って無理?」
「本番は一万円です」
「オッケー。真ちゃん、俺の財布取って」
「ですが、お二人には特別サービスで5千円にします」
「いや、3Pしないにしても一応こっち二人なんだし一万でいいって」

高尾は黒子に一万円を渡した。

「ゴム貸そうか?あ、デリ嬢なんだから当然持ってるか」
「ゴムは使いません」
「なんで?」
「生のほうが好きだからです」


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:47:23.04 ID:fhWSPp7K0

黒子はベッドの上に四つん這いになった。

「さあ、どうぞ」
「いつもは逆だからやり方がわからないのだよ…」
「やり方とか特にないです。適当に挿入してガンガン突いちゃってください」

緑間は黒子の後孔に恐る恐る挿入した。

「痛くないのか…?」
「いつもの自分を想像してみてください。どうですか?」

高尾とのセックスを思い出す。初めては痛みしか感じなかったが、慣れてくるとすんなり入り、痛みより快感が勝っていった。
ましてやこの男はデリヘル嬢なのだ。挿入されることには慣れているだろう。


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:54:02.71 ID:fhWSPp7K0

緑間は腰を動かした。締め付け感が心地よかった。高尾もいつもこんな快感を味わっているのだろうか。

「真ちゃん、気持ちいい?」
「悪くはないのだよ…」

だんだん腰の動きが速くなり、二人の喘ぎ声が聞こえてくる。

(真ちゃんって挿入されるだけじゃなくて挿入してもヨガっちゃうんだ…。相手が俺じゃなくたっていいんだ…、誰だっていいんだ…ビッチめ)

高尾の一物は先ほどより怒張していた。


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 03:58:42.78 ID:fhWSPp7K0

(でも、他の誰かとヤってる真ちゃんも最高に可愛いなあ)

ついに我慢できなくなった高尾は後ろから緑間に襲いかかった。

「!?」
「そのまま続けてていいよ。俺は後ろから勝手にするから。黒子君、いい?」
「三連結するってことですね。僕は大歓迎です」


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 04:04:22.44 ID:fhWSPp7K0

穴だけの黒子と竿だけの高尾はいい。しかし緑間はどちらからの刺激も受けてしまう。
すさまじいほどの快感が緑間を支配した。

「高尾…抜け!!」
「やだね。せっかくイイとこなのに」

(俺が黒子から抜けばいいのか…)

その考えは黒子にはお見通しだった。

「駄目ですよ。僕もイイところなんですから」
「もうっ…無理なのだよ…!おかしく…」
「おかしくなってよ。もっと淫らに乱れた真ちゃんが見たい」


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 04:08:35.89 ID:fhWSPp7K0

緑間の理性は吹き飛んだ。快楽だけを求める動物となり果てた。

「緑間君…!激しいです」

黒子はつい昔の呼び名で呼んでしまったが緑間も高尾もそれに気づくどころではない。

「真ちゃんマジでおかしくなっちゃったか…滅多に見れないし嬉しいけど」

しばらくピストン運動が続き、三人は絶頂を迎えた。


100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 04:29:57.59 ID:fhWSPp7K0

時間はほとんど残っていなかった。黒子が服を着たところで携帯電話が鳴る。

「もう時間か。楽しかったよ」
「僕もこんなに激しいプレイは久し振りでした」
「また指名するね」
「今日はありがとうございました」

出て行こうとする黒子を緑間が阻止した。

「待て!」
「どうしました?」
「連絡先を教えるのは店から禁止されているのだろう。これは俺の連絡先なのだよ。受け取れ」
「もしかして真ちゃん、黒子君に惚れちゃった?体だけじゃなく心まで奪われちゃったらさすがに…いやそれもアリかも」
「あの、僕は黒子テツヤじゃありません。デリヘル嬢のテツです」
「今のお前に何を言っても無駄なのだよ。もし話せるときが来たら話してくれ」

黒子の表情が少し曇ったが、すぐにいつもの営業スマイルに戻った。

「またのご利用をお待ちしております」


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 04:31:24.26 ID:fhWSPp7K0

風呂


107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 05:45:29.45 ID:fhWSPp7K0

黒子は部屋を出た。

「結局、黒子君だったのかな」
「だろうな」
「あ、そういや指名料払うの忘れてた」

高尾は急いで黒子を追いかけた。

「指名料忘れてる!」
「別にそんなの大丈夫ですよ」
「2千円だっけ?」


108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 05:56:12.10 ID:fhWSPp7K0

「黒子君、深入りする気はないけど、あんまり無理しないほうがいいんじゃね」

黒子は否定も肯定もしなかった。

「高尾君が緑間君と付き合い始めたのはいつですか?」
「高校のときから付き合ってるようなもんだったけど、告白したのは大学入ってからかな。離れて改めて気づいたんだよ。あいつのことが好きだって」
「そうですか。お幸せに」

立ち去ろうとする黒子に尋ねた。

「ひとつだけ教えてほしい。なんでこんな仕事してるんだ?」
「さっき深入りしないって言ったじゃないですか」
「どうしても気になったから…」
「…何もかも変わらずにはいられないです」

黒子は闇の中に消えていった。


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 06:02:37.10 ID:fhWSPp7K0

「お疲れ。今日はこれで終わりだよ」
「お疲れ様です。明日も今日と同じ時間に出勤ですか?」
「大変だろうけど、しばらくはそのシフトで頑張ってもらうよ。テツヤは人気者だからね」
「わかりました。失礼します」
「気をつけて」

黒子が帰路についたのは午前3時頃だった。
こんな夜中に女性が歩くのは危ないが、自分は男なので安心しきっていた。


110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 06:04:28.09 ID:fhWSPp7K0

寝る


187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:02:59.13 ID:fhWSPp7K0

街灯も疎らな道を歩いていると、いきなり後ろから誰かに抱きつかれた。

「今日は収穫は1人だけど、いい獲物が手に入ったしラッキーだな」
「な、何するんですか!?」

本能的な危機感を感じる。必死に抵抗するがその巨体はびくともしなかった。
手で口を塞がれ、強引に近くの公園のトイレへ連れ込まれた。

「アレ?もしかして黒ちん…?」

薄明かりが差すトイレで、黒子は男の顔を見て驚愕した。


190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:04:04.90 ID:fhWSPp7K0

紫原君、と呼びかけてやめた。今の自分は昔の黒子テツヤではないのだ。

「こんなところで黒ちんに会えるなんて。なんでアド変メールくれなかったの?」
「すみません、どちら様ですか?」
「黒ちんだよね?記憶喪失とか?」
「違います」
「冗談きついなあ」
「冗談は嫌いです。僕はただのデリヘル嬢です」

黒子は紫原に名刺を渡した。


192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:09:30.89 ID:fhWSPp7K0

「うわ、ホントだ…。黒ちんがデリヘルなんかで働いてるわけないし」
「そういうわけで失礼します」

紫原は黒子の肩を掴みにやりと笑った。

「待ってよ。お前が黒ちんじゃなかったとしたらむしろ好都合だ」
「どういう意味ですか…?」
「俺、今日は1人もゲットできてないんだよ。それに中学の頃から黒ちんのこと好きだったし、黒ちんそっくりなお前を犯せるなんて一石二鳥っていうか」

トイレの壁付近に追いやられ、逃げることなど不可能だった。


194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:16:18.57 ID:fhWSPp7K0

旧帝大学を卒業後、紫原敦は日雇い労働で生計を立てていた。家はなく、ネットカフェや漫画喫茶が彼の寝床となっている。
バスケ以外のことも人並み以上にできる彼は、大して勉強もせずに旧帝大学に合格してしまった。その大学を受験したのは一浪した氷室が受験するからという理由だった。
氷室と同じ大学の同じ学部・学科に通い、それなりに楽しいキャンパスライフを過ごしていた。
3年生になり、氷室を含め同期の者たちは就職活動に勤しみ始めたが、彼は4年生になっても一向に進路について考えようとしなかった。大学院という進路が一番簡単だったが、親の負担を考えてやめておいた。
彼には将来の夢もやりたいこともなかったのである。考えるのが面倒と言ったほうが正しいのかもしれない。
中学・高校時代にはバスケがあった。自分に一番向いていると思っていたし、それだけを頑張ればよかった。しかし大学に入ってバスケという選択肢がなくなってしまった。
彼は色々な面で多才だったが、主体性という根本的な能力だけは欠如していたのかもしれない。


197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:22:37.54 ID:fhWSPp7K0

底辺に落ちた彼の楽しみは酒やタバコ、パチンコやスロットだけだった。時間が経つにつれてもっと新しい楽しみがほしくなる。
そこで思い付いたのがカップルを襲うことだ。夜、公園でデートをするカップルの男を連れ去り強姦する。強姦するだけで金品を奪ったり、必要以上に体を痛め付けたりはしなかった。
被害者も男に強姦されたということを知られたくないのか、通報されたことはなかった。
彼は黄瀬や緑間とは違い、根っからの同性愛者である。もちろん中学生の頃から黒子に惚れていた。
欲望に負けて黒子に捧げるはずだった操を守り通さなかったという申し訳なさを感じつつ、やめることはできなかった。


200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:33:15.13 ID:fhWSPp7K0

「黒ちんそっくりのお前を犯したら、俺も黒ちんとセックスしたって言えるのかな」
「あなたはその人のことが好きだったんですか?」
「今でも好きだよ。昔からずっと。大学入ってからは音信不通になっちゃったけど」
「会いたいですか?」
「会いた…くない。こんな底辺に落ちた姿を、身も心も穢れ切った俺を見られたくない」

紫原は泣き出した。


204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:43:53.94 ID:fhWSPp7K0

(それは僕も同じですよ…)

「紫原さん、お金持ってますか?」
「5千円くらいなら…」
「3千円で僕を買いませんか?」

貴重な3千円を失うのは痛かった。無理やり犯すこともできたのだが、目の前の男に黒子の面影を感じて払うことにした。

「普段なら90分で2万円、指名料は2千円なんですよ」
「本番は…?」
「本番は一万円です」
「そっか…全然足りないな」
「特別サービスです。3千円で本番までしていいですよ」


206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 18:52:05.95 ID:fhWSPp7K0

トイレにシャワーはなかったので、即尺から始めた。黒子は紫原のジーンズのファスナーを下ろし、それを口に含む。

「もしよかったら、服脱いでくれないかな」
「わかりました」

黒子が一旦奉仕を中止し服を脱ぐと、紫原は黒子の体を舐めた。

「ずっとこうするのが夢だったんだ。ホントは黒ちんと恋人同士になってからこういうことしたかったけど」

紫原は黒子の下半身に手を伸ばした。ざらざらとした舌触りと無骨な手による愛撫に黒子は感じ始めていた。


208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 19:01:29.65 ID:fhWSPp7K0

「早いかもしれないけどさ、入れていい?」
「大丈夫です。立ったままのほうがいいですよね?」

黒子は立ったまま壁に手をつき、立ちバックの形になった。
紫原はむき出しになった後孔に容赦なくそれを突き立てる。今まで相手にしてきたどの客よりも太く大きかった。

「痛い…けどそれ以上に気持ちいいです」
「デリヘル嬢っていうからガバガバなのかと思ってたけどけっこう締まりがいいね」

黒子は普段から括約筋のトレーニングをしているので当然だ。

しばらくして、紫原は黒子の中に出した。


211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 19:11:00.95 ID:fhWSPp7K0

「今さらだけどゴムつけたほうがよかったかな?」
「生のほうが好きなので大丈夫です」

二人は床や自分の体についた精液をトイレットペーパーで拭き取りながら会話する。

「ねぇ、デリヘル嬢って誰でもなれんの?」
「なりたいんですか?」
「いい加減定職に就きたいしさ」
「おすすめはしません。それにその体格じゃ難しいと思います」

(ガチムチ系が好きな人もいるけど言わないでおこう…)


212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 19:19:16.24 ID:fhWSPp7K0

「黒ちん…じゃなくて…そういや名前なんていうの?」
「お店のほうではテツって名前です」
「名刺にも書いてあったっけ。名前まで黒ちんにそっくり」

失礼かとも思ったが、紫原の身を案じた黒子は聞いた。

「紫原さんは高卒ですか?」
「やっぱそう見える?これでも一応旧帝大学卒業なんだよね」
「すごいじゃないですか。だったらなんでこんな…あ、すいません」


213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 19:24:26.50 ID:fhWSPp7K0

「別にいいよ。事実だし。やりたいことが見つからなかったんだよね。考えるのもめんどくさいし。そうこうしてるうちに大学卒業しちゃってた」
「学部はどこですか?」
「工学部」
「だったらエンジニアとかどうですか?」
「でも、今さら遅いよ…。新卒じゃなきゃなかなか採用してもらえないだろうし」
「今頑張らなかったらもっと遅くなりますよ?」

一筋の希望の光が見えた気がした。


216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 19:31:16.10 ID:fhWSPp7K0

「大学院、行こっかな」
「お金はどうします?奨学金とかですか?」
「それも視野に入れとくけどまずは親に頭下げて頼んでみる。あと日雇いで出来る限り稼いどく」
「頑張ってください。嗜好品もパチンコもしばらくは禁止ですよ?」
「うーん、お菓子で我慢しとく。あ、これ俺の連絡先ね」

紫原は先ほどもらった名刺の裏にメールアドレスと電話番号を書いた。


217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 19:37:29.21 ID:fhWSPp7K0

「ところでなんで名刺に連絡先書いてないの?」
「お店のほうから禁止されてるんです」
「俺たちはプライベートで会ったんだしいいと思うけどね。まあいいや、気が向いたら連絡してね」

(何年かかるかわからないけど、いつか胸を張って生きられるような人間になったら、黒ちんに告白するよ)

紫原の顔は数時間前より晴れ晴れとしていた。


219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 19:38:34.51 ID:fhWSPp7K0



261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 22:32:32.30 ID:fhWSPp7K0

黒子が家に着いたのは午前5時すぎだった。シャワーを浴びてベッドに入る。翌日は久しぶりの休日なので熟睡することができた。
昼頃起きて携帯電話を見るとメールが届いていた。

From:青峰大輝
To:黒子テツヤ
――――――――――
今日休みだろ?
久しぶりに会わね?

黒子もちょうど青峰に会いたいと思っていたところなので快諾した。


263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 22:38:00.56 ID:fhWSPp7K0

夕方頃青峰の家に向かった。

「久しぶりだな!テツ!」
「お久しぶりです。って言っても1ヶ月くらいですけどね」
「あいつ、絶対俺たちが会えないようにわざとシフト組んでるよな」
「けっこう被ってる日もありますよ?」
「テツは大人気だから指名いっぱいでほとんど店にいねーじゃん」
「青峰君も最近リピーターが多いって聞いてますが」
「なかなか新規がとれなくてさ。チェンジされることも多いし」


267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 22:42:58.99 ID:fhWSPp7K0

大東亜帝国大学を卒業後、青峰大輝はフリーターになった。
がむしゃらに働き、月収は20万ほどだった。寝床はネットカフェなどではなく安アパートを借りていた。
忙しくも充実した日々を送っていたある日、悲劇が起こる。ヤクザのような者たちが借金の取り立てに来たのだ。
無論、彼は借金などしていない。しかしヤクザの話を聞くうちに思い出した。
どれくらい前のことだったか、バイト先の後輩に連帯保証人になってくれないか頼まれた。金融関連の知識が皆無の彼は易々と契約書に判を押してしまった。
絶対迷惑はかけないから、と後輩は涙を流しながら喜んだ。人助けをしたと思い彼は気分がよくなった。

「俺が判を押したときはこんな金額じゃなかったはず…」

金利、それも暴利は膨れ上がり、フリーターの彼には到底返せない額になっていた。


269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 22:47:46.12 ID:fhWSPp7K0

「こんなの返してたら、何年かかるかわかんねぇ…」

彼は事務所に連行された。

何の因果か、事務所には見知った顔があった。正直もう二度と見たくなかった悪魔、赤司の顔が。

「大輝、久しぶりだな。こんな形で旧友に会うことになるとは」
「赤司…」
「しかし今は債権者と債務者だ。金はきっちり返してもらおう」
「でも俺…、フリーターで…金利を返すだけで精一杯っていうか…」
「確かにお前の給料では完済は難しいだろう。だが今回は旧友のよしみに免じて特別に5年で解放してやる」
「5年…何をするんだ?」
「まあ、見ればわかるさ」

青峰はデリヘルの店舗に連れてこられた。


272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 22:52:50.85 ID:fhWSPp7K0

「売春…か?」
「人聞きの悪いことを言わないでくれ。法律でも認められている」
「嫌だ!他の仕事なら何でもするしどこにでも行く!船でも橋でも地下でも!」
「一番手っ取り早く返せる方法はこれだ。他の肉体労働よりずっと楽だし早い」

様々な返済プランについて説明された。確かにデリヘルが一番簡単だ。
彼はしぶしぶ承諾した。


277: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 22:58:28.19 ID:fhWSPp7K0

不幸中の幸いに、彼の指導者は長年音信不通の想い人である黒子だった。

「テツ…!?なんでお前がこんなところに…」
「少し事情があって」
「俺、借金の連帯保証人になっちまって、返すためにここに連れてこられた…」
「望んでこの職業を選ぶ人なんてなかなかいないですしね。まあ、ゼロじゃないですけど」


278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:03:33.21 ID:fhWSPp7K0

青峰は黒子から舌技やその他のテクニックを仕込まれた。

「いい線行ってますよ」
「全く初めてってわけでもねーしな」
「中学時代の…ですか」
「こうして今役に立ってるわけだから、あのときの苦しみも無駄じゃなかったな」

黒子ほどの人気ではなかったが、1ヶ月も経つと固定客をとれるようになっていた。
こうして青峰は一人前のデリヘル嬢へと成長していった。


281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:08:47.95 ID:fhWSPp7K0

「やっぱテツんとこも本番強要してくる客っている?」
「基本的に本番の申し出は受けるようにしてます」
「マジで!?犯罪じゃねーの?」
「バレなきゃいいんですよ」
「俺も本番までやったほうがいいのかな。でもあの異物感を考えると…」
「慣れれば気持ちいいですよ」
「じゃあ相手が俺でも?」

青峰は黒子に軽くキスした。


282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:13:21.90 ID:fhWSPp7K0

「俺の気持ち、わかってんだろ?」
「僕は君に好意を持ってもらえるような人間ではありません」
「俺だってこんな仕事して十分穢れてんだよ。お似合いじゃねーか、俺たち」
「仕方ないですね。赤司君には内緒ですよ?」
「もちろん。テツはともかく俺はバレたら内臓売られて終わりだからな」

二人は浴室に向かった。今回は商売ではないのでイソジンもグリンスも使わなかった。
体を洗い合った後、ベッドへ向かう。


284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:18:48.40 ID:fhWSPp7K0

青峰は黒子の乳輪を舌でなぞった。黒子の体がピクピクと動く。

「客にもそんな反応してんのか?」
「んっ…青峰君だからです…」

普段の客とのセックスも気持ちいいが、金が絡まないセックスは一層気持ちがよかった。
黒子はすぐに射精した。

「乳首だけでイくなんて…相当弱いんだな」

青峰は黒子の乳頭に精液を塗りたくり、そこにむしゃぶりついた。


285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:24:15.09 ID:fhWSPp7K0

「青峰君こそ…乳首好きなんですね…」
「人間って本能的におっぱい好きじゃん」

その姿はまるで母乳を飲む幼児のように見えた。

「これ、使います?」

黒子は鞄の中から紙おむつとおしゃぶりを取り出した。

「使わねーよ!」
「青峰君なら好きだと思ったのに残念です。こういうプレイが好きなお客さんもいるのに」
「今日は店とか客とかそういうのやめようぜ。普通の男同士のセックスだ」

オーソドックスに二人は後背位で交わった。


286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:29:28.30 ID:fhWSPp7K0

情事の後も二人はベッドに寝そべっていた。

「客に惚れたり惚れられたりしたことってねーの?」
「好きだとはよく言われますが本心かどうかはわかりません。お客さんを好きになったことはないです」
「俺もだな。つーか俺が好きなのはテツだけ。テツって中学生のときからモテてたよなー」
「僕がですか?」
「俺と黄瀬と紫原は確定だろ?赤司も多分そう。これは高校だけど火神とか」

純粋にバスケを楽しんでいた頃が懐かしかった。


290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:34:34.43 ID:fhWSPp7K0

「火神君…懐かしいですね」
「全く連絡とかとってねーの?」
「赤司君や青峰君以外とは誰とも」

言うべきか迷ったが、言うことにした。

「昨日のお客さんの中に黄瀬君と緑間君がいました。帰り道で紫原君にも会いました」
「…!?どんなこと話したんだ?」
「素性は明かさず終始デリヘル嬢として通しました。顔でバレバレでしょうけど」


292: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:39:53.79 ID:fhWSPp7K0

青峰の家で夕飯を食べ帰る。

「せっかくの休日なのに悪かったな」
「いいえ、楽しかったです」
「明日からお互い頑張ろうぜ」

黒子が帰ってすぐにチャイムが鳴った。

(テツか…?忘れ物だろうな)

黒子だと思い何の疑いもなくドアを開けると桃井がいた。


293: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:42:43.47 ID:fhWSPp7K0

「大ちゃん…さっきテツ君、出てきたよね?」
「さつき…もう俺に関わるなって言っただろ」
「なんで何も話してくれないの?」
「俺に関わると不幸になる」
「もし悪い組織に脅されてるとかなら協力するよ?私、記者だもん」


294: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:47:21.16 ID:fhWSPp7K0

関関同立大学を卒業後、桃井さつきは情報分析能力を生かし記者として活躍していた。
大学時代は関西に住み、実家に帰ることは滅多になかった。当然黒子に起こった変化など知る由もない。
メールが届かないことに少し違和感を感じたが、便りのないのは良い便りとばかりに心配していなかった。
記者になってからは忙しく、旧友のことを思う暇はなかった。
しかしある日偶然目撃した。怪しげな場所から出てくる青峰の姿を。いてもたってもいられず声をかけたが逃げられてしまう。
翌日には有給を取り、その場所を貼って、青峰を尾行。ついに青峰の自宅を突き止めたのだった。


299: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:00:32.86 ID:SOxJkt7/0

「ねぇ、聞きづらいんだけどさ、大ちゃんってもしかしてデリヘルで働いてる?」
「なっ…!」

女であり幼なじみである桃井だけには知られたくなかった。

「大ちゃんにもテツ君にも色々事情があるんでしょ?赤司君とか…」

この女には隠し事はできないな、と思った青峰は自分の知りうる情報を洗いざらい話した。

「そんな…!大ちゃんは何も悪くないじゃん!」
「連帯保証人になっちまった俺が馬鹿だったってだけの話だ」
「テツ君はどうしてデリヘルなんかに?」
「わからねぇ。聞いても答えてくれなかった」
「学生時代の友達とは連絡とりたくないんだろうね」
「でも黄瀬と緑間と紫原を相手にしたって言ってたぞ」
「本当?早速その3人に取材してくる!」
「やめろ。テツは隠してるみてーだ」
「大ちゃんが聞いても話してくれないみたいだしね…」

しばらくして桃井のすすり泣く声が聞こえた。


301: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:06:18.70 ID:SOxJkt7/0

「大ちゃんは何も悪くないのにこんなことさせられて…私が絶対助けるから」

その体が普段よりか細く見え、愛しさを感じた青峰は桃井を抱き締めた。

「これは俺の責任だ。それにもしお前にまで被害が及んだらどうするんだよ」
「私は別に構わないよ…」

しばらく無言で抱き合った後、桃井は帰った。

家に帰った桃井は思案を巡らせていた。

(キセキの世代以外でテツ君と仲が良かった人っていえば…)


307: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:14:03.57 ID:SOxJkt7/0

夜だったが構わず桃井は火神に電話をかける。

「もしもし、桃井です。覚えてる?」
「何だ?いきなり」

火神はそこまで親しくもなかった桃井からの電話を不審に思った。

「最近テツ君と連絡取ってる?」
「黒子?高校卒業してからは全然」
「私も他のみんなも連絡とれないみたいで…」

黒子のことは火神も気になっていた。


308: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:21:29.08 ID:SOxJkt7/0

「そっちは何か知ってることは?」

(大ちゃんには止められてるけど…この状況を打開するにはこれしかない)

「落ち着いて聞いてね。テツ君、今、デリヘルで働いてるの」
「デリヘル!?」

あの純真無垢で清らかな黒子が汚ならしい仕事をしているなんて、にわかには信じられなかった。

「お店の名前、知りたい?」
「ああ、頼む」

桃井は店名に加え電話番号と黒子の源氏名も教えた。

「電話するの?」
「当然だ。あいつの目を覚まさせてやる」
「何かわかったら教えてね。それじゃあ」


309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:27:54.31 ID:SOxJkt7/0

関東上流江戸桜大学を卒業後、火神大我は引っ越し業者に勤務していた。働きはなかなかのもので、肉体労働ではあるがそこそこ出世もした。
忙しさで忘れていた恋心を思い出した。黒子に告白こそしなかったが、高校時代は恋人同士だったと勝手に思い込んでいる。
挿入なしでオーラルセックスやペッティングの経験はあった。
火神はパソコンを起ち上げ、桃井の言っていた店名で検索する。

(うわ…、マジで働いてるんだ…)

早速電話をかけ、黒子を指名した。
30分ほどしてチャイムが鳴る。

「こんばんは。テツと申します。今日はご指名ありがとうございます」


312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:34:40.30 ID:SOxJkt7/0

火神は黒子に詰め寄った。
「黒子だよな!?」
「違います。僕はただのデリヘル嬢です」
「嘘つくな!桃井から聞いたんだよ!」

黒子はなぜ桃井なのかと疑問に思ったがすぐにわかった。青峰が桃井に伝えたのだろう。

「無理しなくてもいい。話せることだけ話してくれ」
「僕は黒子テツヤじゃありません!早くお金払ってください!」
「金は払う。だから話してくれ」
「僕も仕事でやってるんです。プレイしないなら帰ります!」


314: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:39:28.52 ID:SOxJkt7/0

火神はキッチンから包丁を持ってきた。

「話さねぇならお前を殺して俺も死ぬ!」

火神の殺気に、黒子は従うしかなかった。

「何から話せばいいですか?」
「まずはお前がなんでデリ嬢なんかやってるのかだ」
「セックスが好きだからです」
「嘘だな。いや、全く嘘じゃないかもしれないがそれだけじゃねーはずだ」
「さっき無理に話さなくていいって言ったはずです」
「わかった。それには赤司が関係してるな?青峰の件も含めて」


316: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:44:47.83 ID:SOxJkt7/0

火神は先ほどの電話で桃井から事情を詳しく聞いていた。

「…」
「やっぱり元凶は赤司か…。俺を店まで連れていけ!」
「駄目です!赤司君が悪いわけじゃありません!」
「ぐだぐだ言ってると心中するぞ!」
「どっちにしろドライバーがいるので無理ですよ」
「今すぐ出てけばドライバーもいねぇだろ」

部屋から出た二人はタクシーで店へ向かった。

「おい!赤司!出てこい!」

一人の男娼が答えた。

「店長なら先ほど出かけましたが…」


318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:50:15.52 ID:SOxJkt7/0

赤司はとあるネットカフェに向かっていた。ある人物に会うためだ。
目当ての人物はすぐに見つかった。その人物の肩を叩く。

「やあ、敦、久しぶりだな」
「赤ちん…!?どうしたの?」

一目で高級品だとわかる上等なスーツと靴を身につけた赤司は不気味なほどに笑顔だった。紫原の背筋が凍る。

「僕の家に案内しよう」
「いや、いいよ!赤ちんの家に行くなんて畏れ多いし!」
「僕の命令は絶対だ」

紫原は赤司の車に乗せられた。


320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 00:55:39.89 ID:SOxJkt7/0

「適当にくつろいでてくれ」

赤司のマンションは最上階にあり、かなり広かった。買ったら一億は下らないだろう。

(おかしいな…何もしてこない)

赤司に呼び出されるときはいつでも制裁を加えられるときなのだ。

「少し話をしようか」
「うん…」
「何を怯えているんだ?」
「えっ?別に怯えてないけど…」


325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 01:13:38.10 ID:SOxJkt7/0

「お前はテツヤのことが好きか?」
「うん。恋愛感情じゃないけど」

赤司が黒子のことが好きだということは中学時代からわかっていたので、自分の気持ちを隠した。

「真実を答えてくれ」
「好きだよ…中学のときからずっと」
「そうか、それで帰宅途中のテツヤを襲ったんだな」
「な、何言ってるの!?」
「僕が知らないとでも思ったか?」

今から何をされるのか考えたくなかった。


329: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 01:29:07.13 ID:SOxJkt7/0

東・京大学を卒業後、赤司征十郎はとある有名暴力団に入団した。赤司ならどこの会社からも引く手数多だったのだが、彼はどこの会社にも興味を示さなかった。
暴力団に決めた理由は、支配しがいがあったからである。
彼は入団して1年ほどで幹部にまで上り詰めた。デリヘル店の店長は彼の仕事のうちの一部だ。


332: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 01:34:03.12 ID:SOxJkt7/0

赤司からは何も言われなかったが、紫原は自ら全裸になった。

「よくわかっているじゃないか」
「どうすればいいの?」
「別に何もしなくていい。運動の後に僕が特別に手製の料理を振る舞ってやろう」

(全裸で運動したり料理食べたりなんて中学時代に比べたら全然ぬるいじゃん。裸バスケなんて慣れてるし。料理はどーせ犬食いしろとか言い出すんだろうけど)

赤司の仕打ちはその程度では終わらないと気づくべきだった。


339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 01:50:54.05 ID:SOxJkt7/0

「運動の前には水分補給が大切だ」

赤司は紫原に2リットルのペットボトルを手渡した。
「飲むの?」
「ああ」

わけもわからないままその水を全て飲んだ。

「さあ、敦、行こうか」
「どこに?」
「運動するぞ」
「ここでするんじゃないの?」

赤司の手にはリードが握られていた。


340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 01:57:24.82 ID:SOxJkt7/0

「僕は犬が大好きでね、他の部屋でたくさんの犬を飼っている」
「それと運動にどんな関係が…」
「今、僕はテツヤを傷つけた敦がとても憎い。だが、もし敦が犬になれば愛せるかもしれない」

紫原は首輪と犬耳をつけられた。
コートを羽織らされエスカレーターに乗る。幸い誰にも会わなかった。


342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 02:01:21.90 ID:SOxJkt7/0

二人は人通りがほとんどない道まで来た。

「この辺りでいいかな」

赤司は紫原にコートを脱ぐよう命じた。

「嫌だよ!もし誰かに見られたら…」
「ここは滅多に人が通らないから大丈夫だ。それに、もし見られてもペットの散歩だと言えばいい」

紫原はコートを脱いだ。季節は冬に差し掛かっていたので全裸になるとかなり寒かった。

「頭が高いぞ。お前は犬だ。犬らしく歩け」

2メートルを超える大男が四つん這いで歩く様はひどく滑稽だった。


344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 02:10:41.69 ID:SOxJkt7/0

しばらくしてある感覚が紫原を襲う。

(どうしよう…おしっこしたい)

尿意を我慢し、脚をガクガクさせながら歩いた。
赤司がその変化に気づく

(そろそろ利尿剤が効いてきた頃か)

「どうした?」
「トイレ行きたいんだけど…」
「我慢せずにすればいい」
「だからトイレ…」
「お前は犬だ」

紫原は片足を上げて近くの電信柱めがけて放尿した。


348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 02:22:12.05 ID:SOxJkt7/0

「小だけでいいのか?」

赤司は紫原にグリセリン浣腸を行い始めた。

「な、何するの!?」
「せっかくだから大も出してすっきりするといい」

猛烈な便意が紫原を襲った。

「我慢すると便秘になるぞ」
「し…したくなんてない…!」
「スコップもビニール袋も新聞紙も持ってきているから心配しなくていい」

ついに紫原は便意に負けて排便した。
悔しさで涙が止まらなかった。ひとつは赤司からこんな屈辱を受けたこと、もうひとつは少し性的快感を感じてしまったことだ。

「よし、すっきりしただろう。散歩を続けるぞ」


354: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 02:37:45.56 ID:SOxJkt7/0

コートを脱いだ場所に差し掛かろうとしていた。もうすぐでコートを着ることができる。
その矢先、近くの民家から人が出てきた。
住民はなるべく近寄らないよう、しかし視線はしっかりこちらに向けながら歩いて行く。

「赤ちん…!お願い!コート貸して!」
「騒々しいぞ。それと言い忘れていたが犬は喋らないだろう。犬らしく鳴け」
「わん…わん…」
「声が小さい」
「わんわん!」

結局マンションのエントランスに入るまでコートは着せてもらえなかった。


356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 02:47:48.92 ID:SOxJkt7/0

部屋に入ってからも首輪と犬耳をつけたままだった。

「寒かっただろう。温めてやる」

赤司は電気ポットからボウルに熱湯を注ぎ、それを紫原の体にかけた。

「熱っ…!」
「すまない、さっきあれだけ寒そうにしていたから出来るだけ温めてやりたいと思って」
「首輪…取っていい?」
「駄目だ。それより腹が減っただろう。準備するから少し待っていろ」

赤司はキッチンへ向かった。


361: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:01:35.86 ID:SOxJkt7/0

数十分後、赤司は料理を持ってやって来た。
見た目から判断すると、肉料理らしかった。その肉とは別に生クリームが添えられたビーフシチューらしきものもある。おそらく飲み物はレモネードだろう。

(赤ちんがちゃんとした料理を出してくれるなんて…!ちょうどお腹すいてたしラッキー)

しかしよく目を凝らしてみるとそれがただの料理ではないことがわかる。そして鼻をつく異臭。

「これ…材料何?」
「喜べ。世界にひとつしかない特製ディナーだ」


372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:16:09.42 ID:SOxJkt7/0

「これって…アレだよね?」
「僕と敦が作り出した最高傑作だよ。さっき敦が出したものを取っておいてよかった」

赤司は皿を床に置いた。レモネードに見えたものもコップから皿に移した。

「さあ、召し上がれ」
「こんなもの食べられるわけないじゃん!」
「好き嫌いはよくないぞ」
「じゃあ赤ちんが食べてみてよ!」

意外にも赤司はそれに応じた。

「うん、うまいな」
「!?!?!?」


378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:26:51.18 ID:SOxJkt7/0

「早く食べないと冷めてしまう」
「ちょっと、赤ちん!ホントに大丈夫なの!?体も頭もおかしくない!?」
「僕が作った料理にケチをつける気か?」

紫原は裸で首輪と犬耳をつけたまま土下座した。これを食べさせられることに比べたら、プライドなどどうでもよかった。

「ごめん!この通り謝るから!」
「僕の命令は絶対だ。それとも海外へ売り飛ばされたいか?」

覚悟を決めて皿へと顔を近づける。まずはハードルの低そうな黄金色の液体を飲むことにした。


380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:35:28.84 ID:SOxJkt7/0

その液体の中におずおずと舌を入れる。塩気があった。

「遠慮しなくていい。もっと豪快に飲め」

上から頭を足で踏まれ、顔が液体に浸された。特有のアンモニア臭がする。

「ごぼっ…苦しいっ…」
「次はステーキだ」


381: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:41:07.41 ID:SOxJkt7/0

皿の上には大きくほどよい硬さと柔らかさを持ったそれが乗っていた。紫原のぶんは犬食いしやすいように細かく切ってある。
これをひり出せたら気持ちがいいだろうな、などと場違いなことを思った。
なるべく味わわないように喉に流し込んだ。

「よく噛んで食べないと胃に悪いぞ」

結局、噛まされることになってしまった。
噛むたびに苦味が口の中に広がった。

「どうだ?」
「おいしい…」

(んなわけないだろ!変態!)


382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:47:50.41 ID:SOxJkt7/0

残すはビーフシチューらしきもののみとなった。
液体+固体という、先ほどまでの試練が組合わさったものだった。
よく見ると生クリームのように上から精液がかけられていた。

「これは僕の自信作だ。川越シェフなんて目じゃない」

まずは液体を流し込む。ところどころ細かい固形物が混じっていた。

「スープと一緒に食べたほうがおいしいぞ」

固体と液体を同時に口の中に入れ、何も考えずに噛んだ。


388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:55:51.44 ID:SOxJkt7/0

「僕の特製ディナーはどうだった?」
「ほどよい苦味とマイルドな塩気に…コクがあって…食感も新食感って感じで…」

心にもない言葉がすらすら出てきた。

「食欲が満たされたら次は性欲だ」

赤司は紫原の手を上で縛り、足も開脚させた状態で固定した。
犯されると紫原は思った。別にそんなことくらいでは嫌だとも思わなかった。


390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 03:59:31.77 ID:SOxJkt7/0

「僕の可愛いペットたちだ」

一旦部屋から出た赤司は数匹の大型犬を連れてきた。
「わかっていると思うが、全てオス犬だ」
「わかんないよ…なんでオス犬を…」
「お前の性欲を満たしてやる」

赤司はキッチンからバターを持ってきた。それを紫原の局部に塗る。


394: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 04:06:11.46 ID:SOxJkt7/0

(もしかして…バター犬ってやつ?)

犬が紫原の股間を目がけて一斉に集まってきた。
念入りにバターを舐め取っていく。
その絶妙な舌使いに、紫原は感じ始めていた。

「ずいぶんと悦さそうだな。もっと楽しませてやる」

赤司は浣腸器と焼酎を用意した。


396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 04:12:16.42 ID:SOxJkt7/0

一旦犬たちをどけ、浣腸器で紫原の肛門から直接焼酎を注入する。
紫原にはその行為の意味がわからなかった。

「ここから直接アルコールを入れたほうが吸収しやすいんだ」

紫原は酒に強いほうだったが、すぐに酔ってしまった。徐々に理性がなくなっていくのが自分でもわかった。
また性器にバターを塗り犬に舐めさせる。そこはすでに勃起していた。

「あはは…くすぐったい」
「ほしいか?」
「うん…もう我慢できない!」
「どうしてほしいのか言ってみろ」
「赤ちんのおちんぽを俺のいやらしいケツマンコに挿入してください!!」


401: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 04:18:11.71 ID:SOxJkt7/0

「よし、わかった。でも入れるのは僕じゃない」

赤司は紫原に犬の性器を刺激するよう命令した。待ちきれない紫原は素直に従った。
やがて犬が勃起し始めた。

「今からこの犬のが入っていくからね」
「どうでもいいから早く!!」


404: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 04:23:43.85 ID:SOxJkt7/0

赤司は犬の体を軽く支え、挿入しやすいようにした。犬の性器は紫原の中にすんなりと入っていく。
紫原は手足を固定された状態でぎこちなく腰を動かした。

「犬は根元についてるコブが小さくなるまで抜けないんだ」
「えーっ、ずっとコブが小さくならなければいいのにー」

(可哀想な敦)

紫原は終始白目を向いて喘ぎ続けていた。それを見て赤司は自慰を始める。
犬と紫原の交尾は1時間半ほどに及んだ。


407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 04:29:08.56 ID:SOxJkt7/0

「犬に犯されて感じるなんて、敦は本当にいけない子だな」
「だって気持ちよかったんだもん」
「糞ビッチめ!」

赤司は紫原の股間を蹴り上げた。紫原は嬉しそうにもじもじとする。

「もう糞ビッチでいいよー」
「両手でピースしながら、自分は犬に犯されて感じる淫乱で真性マゾで全身性感帯の糞ビッチだと、一生俺の奴隷、専属肉便器として働き続けると言え」

紫原は命じられたポーズをとった。

「俺は犬に犯されて感じる淫乱で真性マゾで全身性感帯の糞ビッチです!!一生赤ちんの奴隷、専属肉便器として働き続けます!!」

赤司はその様子をビデオカメラで撮影した。


408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 04:30:08.27 ID:SOxJkt7/0

風呂


420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 05:20:35.26 ID:SOxJkt7/0

>>407の赤司の一人称間違えた


424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 05:25:44.79 ID:SOxJkt7/0

翌朝、紫原は赤司宅で目覚めた。

「おはよう、気分はどうだ?」
「昨日は確か変な料理食べさせられて、犬に舐められて…」
「記憶がないのか?」
「うん…」

赤司は隠しカメラに映った犬と紫原の交尾、自らがカメラを回した奴隷宣言の映像を見せた。

「何コレ…」
「お前以外の何者でもないよ」


426: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 05:34:38.72 ID:SOxJkt7/0

「昨夜は迷惑かけたみたいだね。ごめんね」

赤司は立ち去ろうとする紫原の腕を掴んだ。

「お前は一生僕の奴隷として働くんだろう?」
「下から直接アルコール入れられて、記憶もないわけだし…」
「世の中はそんなに甘くないぞ」

赤司には逆らえなかった。

「どうせ家もない日雇い労働者なんだろう?それよりも僕の奴隷のほうがよっぽどいいじゃないか」
「うーん、でも、大学院に行こうと思ってたんだ。だからお金貯めたいし…」
「そんなはした金くらいいくらでも払ってやる。お前がきちんと奴隷として働いてくれれば」

辱めは受けるだろうが、ここにいれば少なくとも金銭面での心配をする必要はない。奴隷として働くのも悪くないかもしれない。
こうして紫原は赤司の奴隷となった。


428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 05:39:56.44 ID:SOxJkt7/0

黒子と火神は一晩待ったが、結局赤司は店に戻って来なかった。

「お前、あいつがどこ行ったのか知らねーの?」
「もしかしたら家に帰ったのかもしれません」
「店ほったらかしにして?」
「緊急の用事ならそれもありえます」
「家、行ってみるか」
「はい」

今までの赤司は勝手に家に帰ることなどなかったので、黒子も不安に思っていた。事件に巻き込まれた可能性もある。


432: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 05:49:50.24 ID:SOxJkt7/0

「火神君は取り合えず隠れていてください」

黒子はマンションのエントランスでインターホンを鳴らした。

「テツヤか?」
「はい。昨日お店に戻って来なかったので心配になって」
「テツヤは本当に優しいな」

エントランスのドアが開錠され、二人は赤司の住む最上階へと向かった。
部屋のドアを開けた赤司は少し驚いていた。

「何故ここにお前が?」
「黒子をデリヘルで働かせてるのはお前なんだろ!」
「やめてください!火神君!」


434: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 05:56:38.78 ID:SOxJkt7/0

「何でお前は赤司をかばうんだよ!」
「決まっているだろう。僕たちは恋人同士なんだから」
「黒子…それは本当なのか?脅されてるんじゃないのか?」
「違います。僕は赤司君を愛しています」

火神は部屋の奥で亀甲縛りをされている紫原を発見した。その瞳からは生気を感じなかった。

「紫原!大丈夫か!?」
「気にしないで。俺は望んでやってるから」

これには黒子も動揺していた。

「赤司君、これはどういうことですか!?」
「敦が僕に奴隷にしてくれって頼んできたんだ」


438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 06:10:17.53 ID:SOxJkt7/0

「赤司君…、もうこういうのはやめましょうよ…」
「テメー適当なこと言ってんじゃねーぞ!嘘つき!」
「真実だ。証拠もある」

赤司は昨夜撮った映像を二人に見せた。

(ああ、きっと酔わせてから言わせたんですよね…)

黒子には赤司がどんなことをしたのかだいたい予想ができた。

「昔の赤司君に…僕が好きだった赤司君に戻ってください…!」


442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 06:25:31.04 ID:SOxJkt7/0

黒子テツヤは日東駒専大学を卒業後、デリヘル嬢として働いていた。在学中にはバイトとして働いていたのだが、卒業後はそれを本業にした。
彼は高校生の頃から性産業に従事しようと決めていた。理由はシンプルに気持ちのいいことが好きだったからだ。
大学は行っても行かなくてもよかったのだが、教師に進学を勧められたためとりあえず入れるところに入った。
少し心苦しかったが大学に入ってからは高校までの知り合いとは連絡を絶つことにした。欲に溺れる自分の姿を見られたくなかった。
高校までの彼の性経験はあまり多くはなかった。他人とするよりはオナニーのほうが多かったかもしれない。
他人との経験も友人たちとペッティングし合う程度だ。当時セックスをした相手は赤司だけだった。


444: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 06:36:31.33 ID:SOxJkt7/0

赤司とは体以上に心で結ばれていた。バスケ部のキャプテンとしても信頼しきっていた。
赤司は中学時代から加虐的な面はあったが、今ほどの残虐さはなかった気がする。普通にセックスを強要してくるくらいだった。
別々の高校や大学に進んでからも赤司との交際は続いていた。軽蔑されるかもしれないと思い迷ったが、彼氏である赤司だけにはデリヘルでバイトをしていることを伝えた。

「ごめんなさい。軽蔑しますか?」
「いや、テツヤがしたいならすればいい。僕はどんなテツヤでも好きだから」


448: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 06:46:41.73 ID:SOxJkt7/0

一般企業に就職しようかとも思ったが、就職活動が面倒なのでやめた。デリヘルという楽な選択肢に逃げた。
今から思えば一般企業に就職していればよかった。そうすれば赤司は変わらずに住んだかもしれない。
大学を卒業してから間もなく、赤司は黒子が勤めているデリヘル店の店長に就任した。

「赤司君…どうして君が店長に…」
「ただの偶然だ」

偶然でないことはわかっていた。暴力団の中でも赤司はうまく立ち回っているのだろう。


451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 06:52:45.04 ID:SOxJkt7/0

その頃から赤司は黒子に暴力を振るうようになっていった。
しかし黒子のことが嫌いになったわけではない。殴った後にはいつも反省し、謝る。
体にアザや傷が出来たが、客にバレないようにウォータープルーフのファンデーションで隠した。
日に日に暴力はひどくなっていった。


453: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 07:00:13.62 ID:SOxJkt7/0

「赤司君、別れましょう」
「どうしてだ?僕のことが嫌いになったのか?」
「好きです。とても愛しています」
「ならどうして…」
「だからこそです。僕が全部悪いんです…。赤司君が変わってしまったのも、それによって紫原君が虐げられているのも」

紫原に限ったことではないが、赤司の玩具となった者たちはストレス解消のために使われていた。

「違う。テツヤは悪くない。毎回反省しているのにテツヤを殴る僕が悪いんだ」
「赤司君にもうそんな顔をさせたくありません。僕と別れて、新しい人を見つけて笑顔を取り戻してください」


459: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 07:14:07.20 ID:SOxJkt7/0

詳しい事情はわからなかったが、火神は桃井に連絡した。

「もしもし。今、赤司の家なんだけど、黒子も紫原もいる」
「本当に?行ってもいい?場所教えて!」
「ああ、できれば他の奴らにも連絡してくれ」

青峰は基本的に昼間は暇だし、その日は日曜日だったので緑間も大丈夫だった。
黄瀬は撮影中だったが無理を言って抜け出してきた。

「さっき桃井に電話したんだけど、他の奴らも来るみたいだから」

赤司は黙って頷いた。


461: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 07:20:53.62 ID:SOxJkt7/0

キセキの世代が赤司のマンションに集結した。

「うわっ、紫原っち、なんてカッコしてるんスか!?」
「あー、これは俺が赤ちんの奴隷…」
「ちょっと事情があって」

黒子は縄をほどきながら紫原の言葉を遮った。

「黒子、何があったのか教えるのだよ」
「俺の知ってる部分は俺から言うか?」
「いいえ、僕が言います。こうなったのは全て僕の責任なので」


465: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 07:30:29.67 ID:SOxJkt7/0

「黒子っち…、赤司っちと付き合ってたんスか…?じゃあ俺が敵うはずもないっスね…」

黒子と赤司が付き合っていると知り、黄瀬は落胆した。青峰は予想できていたのでそこまで落ち込まなかった。

「せっかく集まってもらって悪いんですが、僕はここから去ります。僕がいなくなれば解決する話です」
「お願いだ、テツヤ!どこにも行かないでくれ。一生面倒見るから。幸せにするから」
「ごめんなさい。今までありがとうございました。ずっと好きでした」

この苛立ちはどこから来るのだろう。

「それって無責任じゃないかな!」
「それって無責任じゃないっスか!」

桃井と黄瀬は同時に叫んでいた。


467: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 07:38:24.51 ID:SOxJkt7/0

「結局はテツ君の自業自得でしょ?」
「自分さえいなければ赤司っちが幸せになれるとか、責任放棄したいだけじゃないっスか!」

他三人も口をはさむ。

「こいつらの言ってることは多分正論だ」
「今お前がいなくなっても状況は変わらないのだよ」
「赤ちんがこうなっちゃった責任、とるべきなんじゃない?」
「でも、責任をとるって、どうすればいいんですか?」

火神は黒子の肩を叩いた。

「赤司が更生するまで付き合えってことだろ」


473: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 07:56:51.66 ID:SOxJkt7/0

「もう二度と別れるなんて言うな」

赤司は涙ぐみながら懇願した。

「はい」

黒子と青峰はデリヘルをやめた。そもそも暴利だったのでその分の返済義務はなかったのだが、赤司は青峰の借金を肩代わりした。
たっぷりと金を貯めた後、赤司は暴力団をやめて起業した。黒子は赤司のマンションに住むことになった。
あれから数年後、8人は会うことになった。

「黒子っち、赤司っちの調子はどうっスか?」
「数ヶ月後には暴力も振るってこなくなりました。他の人への陰湿な嫌がらせもしてないみたいですし」

赤ん坊を抱いた桃井が話しかけてくる。

「でもテツ君が赤司君とこんな長続きするなんてびっくりだよね」
「桃っちが子供産んだことのほうがびっくりっスよ!いつの間に?」
「きーちゃんてば、私もういくつだと思ってんの?それくらい普通だよ」

談笑する仲間たちを見て、赤司は微笑んだ。


end


474: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 07:57:35.65 ID:kO35FuqN0


黒ビッチの勝利って感じだな


479: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 08:01:48.32 ID:zkVZ+XAC0

まとめ
黒…ビッチ
紫…レイパー、獣姦←New!
赤…スカトロ


488: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/15(土) 08:12:28.86 ID:SOxJkt7/0

>>482
yes


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