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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

見崎「仮面ライダーフォーゼ…」


1: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 20:54:37.96 ID:dwQNUiKh0

桜木「ここが榊原君の病室ですね」

赤沢「今回は挨拶だけにして、あのことは言わないようにしましょう」

風見「わかってるさ。入院中に不吉なことを伝えるのも悪いからな」

コンコン

恒一「はーーい」

桜木(もうすっかり元気そう)

風見(元気というより威勢のいい声だな…)

ガチャ

恒一「おーっす…って、誰だ?」

「「「え…」」」

(((リーゼント!?)))


2: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 20:56:08.08 ID:dwQNUiKh0

風見(入院中なのにバッチリ決めている…だと…)

赤沢(成績優秀でおとなしい子のはずじゃ…)

桜木(東京では流行っているの…?)

恒一「えーっと」

風見「ああ、すみません。僕達は…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恒一「そうかそうか、わざわざ挨拶に来てくれたのか!花もありがとな」

  「登校前からイイ奴らに出会えて、新しい学校も思いっきり楽しめそうだ」

  「俺は如ら…、いや、榊原恒一。夜見北中の全員と友達になる男だ!!」

ドンドン ビシィッ!!


3: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 20:57:28.46 ID:dwQNUiKh0

桜木「…えーと、榊原君って前は東京の中学に通っていたんですよね?」

恒一「そうらしい…じゃなかった、そうなんだよ~」

桜木「? どうして夜見山に?」

恒一「ちょっと、あー、家の事情で」

桜木「夜見山に住むのは初めてなんですか?」

恒一「何度かじいちゃん達に会いに来たことはあるが、住むのは初めてだ」

赤沢「長期滞在は?」

恒一「特にない、と思うぜ」

「「「……」」」

風見「これ、一学期が始まってからのノートをコピーしてきたから」

恒一「おお、サンキュー!……ギリギリ分かる…と思う」


4: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 20:59:01.48 ID:dwQNUiKh0

恒一「すまねーが、登校するのはGW明けになりそうだ」

  「この体、そんなに強くないみたいでな」

風見(なんかさっきから不自然さを感じるな…)

赤沢「榊…恒一くんって呼んでいいわよね」

恒一「もちろんだ。俺も泉美って呼ばせてもらうぜ」

赤沢(え…)ドキドキ

スッ

赤沢「こ、恒一くん、これからもよろしくね」

恒一「おう!こちらこそよろしくな」

赤沢(ダメもとだけど、体温で死者が判別できれば…)

ギュッギュッ トントン


5: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:00:30.96 ID:dwQNUiKh0

「「「!?」」」

恒一「握手は信頼のキャッチボール、友情の証だ。ほら、二人も」

風見(…よくわからないが、やっておいた方が怪しまれないか)

桜木(なんか、いいかも)

赤沢(また意表を突かれた…。でも、あたたかかった)ホクホク

風見「じゃ、じゃあ僕たちはこれで」

恒一「待て」

桜木「?」

恒一「もう少し話してくれないか。…お前らの事情ってやつを」

赤沢「!」


6: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:02:02.31 ID:dwQNUiKh0

恒一「対策係なんて、聞きなれない係まで会いに来たってことはなんかある」

  「それに、お前らはかしこまってるというより、何か面倒を抱えてるみてぇだ」

  「ダチの悩みはしっかりと受け止める!さぁ、ドーンと俺に話してくれ!!」

風見(あ、暑苦しいだけの奴かと思いきや、)

桜木(かなり鋭い…)

赤沢「…はぁ、わかったわ」

風見「赤沢さん!?」

赤沢「私から『言うな』といってなんだけど、この人にはいま説明した方がよさそうね」

  「どの道、誰かから聞き出しそうだし」

恒一「そういうこと」ニヤリ

赤沢「信じられないかもしれないけどよく聞いて。実は…」


7: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:03:31.40 ID:dwQNUiKh0

早苗「どうだった、クラスメイトになる子たちは」

恒一「いい奴らだった~。今すぐにでも退院して登校したいくらいだ」

早苗「あわてないの。恒一くん、今朝から何か変よ」

恒一「そうか?」

早苗「目を離すとすぐ筋トレしようとするし、貸してる本も全然進んでない」

恒一「いやー、なんか運動が恋しいというか、気分転換したくなったというか、ははっ」

早苗(話し方や髪形まで、いきなり変わったのはどういうことなの…)

恒一「そういやさっき、水野猛って名前を見つけたんだけど」

早苗「え?ああ、言い忘れてたけど、うちの弟も夜見北の3年3組なの」

恒一「マジか!もしかしたらと思ってたんだ」

早苗「名簿も用意してくれるなんて気の利く子たちね…って、これ手書きの座席表じゃない」


8: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:05:03.13 ID:dwQNUiKh0

恒一「さっきの三人に、一人一人の特徴を聞きながら書いたんだ」

  「ここにいる分の遅れを取り戻して、卒業までに学校のみんなと友達になる」

  「その第一歩、クラスの予習はバッチリだ!」

早苗「そ、そう」

  (勉強の方も大丈夫、かしら…)

恒一「もちろん猛ともダチになるから、心配ご無用!」

ドンドン ビシィッ!!

早苗「ほ、程々にね~」


9: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:06:34.56 ID:dwQNUiKh0

~その夜~

恒一「夜の散歩ぐらいしか体を動かせないなんてな~」

  「真っ暗な下りでコケたくねえし、エレベーターで降りるか」

  ("ある"年だと月に一人は死ぬ呪いのクラス、それを止めるための"いないもの"、か)

  (最初は学校の怪談みたいなもんかと思ったが、三人は真剣そのものだった)

  (なんで起こるのかはわかんねーけど、マジな話なんだろうな)

  (…なにせスイッチで変身する化け物や、仮面ライダーがいるくらいだし)

  (他人の体なのに、ドライバーとスイッチが手元にあるのも不思議だよな)カチッカチッ

  「ん…?」

見崎「……」

恒一「うおおおお!?」


10: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:08:01.25 ID:dwQNUiKh0

恒一「びっくりした…つうか、いきなり大声出してゴメンな」

見崎「……」

恒一(無口なやつ……ん、眼帯に夜見北の制服)

  「なあお前、もしかして見崎鳴か?」

コクン

恒一「やっぱりそうか!風見達から話を聞いててよかったぜ」

  「俺は榊原恒一、夜見北中の全員と友達になる男だ!!」

ドンドン ビシィッ!!

見崎「……」

恒一「ノーリアクションかよ」ガクッ


11: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:09:35.48 ID:dwQNUiKh0

恒一「つうかお前、地下二階に用があるのか」(ありゃ、押し忘れてら)

見崎「…そう」

恒一「でもよ、確か地下二階って…」

見崎「…届け物があるの」

  「待ってるから」

  「かわいそうな私の半身がそこで」

恒一(…!!)

  「…う、ううっ」

見崎「?」

恒一「うっ、うぁぁっ…」ボロボロ

見崎「…あなた、どうして泣いているの?」


12: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:11:01.19 ID:dwQNUiKh0

恒一「だってよぉ…」

  「ダチになろうと思ってたやつらの一人と、さっそく会えたと思ったら」

  「大事な人を亡くしてるんだぜ」

  「それも、こんな遅くに渡したいものがあるほどの"半身"をだ」

  「悲しみと必死に戦っているお前の姿が、俺のココに、ズシンと伝わってきたんだ」

  「俺は会ったばかりのお前のことを、何も知らない」

  「だから、今すぐその悲しみを癒すことはできねえ」

  「でも、ほんの少しでもお前のハートを支えてやりたい」

  「どんなに大きな悲しみも、ダチがいれば乗り越えられるはずだ」ゴソゴソ、チーン

見崎(いきなり大泣きして、長々語って「支えてやりたい」だなんておかしな人。でも…)

  「…部屋の前まで、ついて来て」


13: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:12:31.28 ID:dwQNUiKh0

恒一「もう、いいのか?」

見崎「…」コクン

「「……」」

見崎「…双子の姉妹なの」

恒一「え」

見崎「藤岡美咲。説明すると長くなるけど、死んだのは双子のもう片方」

恒一「そうか……無理に言わせたみたいで申し訳ない」

見崎「気にしないで」

  (なぜだろう。出会ってすぐの人に、ここまで話すなんて)


14: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:14:01.12 ID:dwQNUiKh0

恒一「なあ、話しついでと言っちゃあなんだけど」

見崎「何?」

恒一「なんで俺がお前の名前知ってたか、つうと」

見崎「うちのクラスに転入してくるから」

恒一「なんだ、知ってたのかよ」

見崎(三神先生の話とは、だいぶ違うようだけど)

  「…でもそれなら、私に話しかけない方がいい」

恒一「ああ、あれか、お前が"いないもの"なんだってな」

見崎「知っているなら、どうして…」


15: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:15:31.76 ID:dwQNUiKh0

恒一「ここは学校じゃないし、今この場をクラスの奴らに見られちゃいない」

  「一年間ずっとクラス皆に無視されるなんて、俺ならきっと耐えられない」

  「そんな役を引き受けてこの出来事だ、つらいなんて言葉じゃすまされねえ」

  「だから俺が、鳴の支えになってやる」

見崎「…勝手にならないでほしいし、さっきも聞いた」

恒一「決意を新たにしたんだ、宜しくな」

見崎(……やることに変わりはないんだ)

  「もう、帰るから」

恒一「遅いもんな、送ってく」

見崎「あなたは入院中でしょ」

恒一「あー、そうだった。…じゃあせめて、玄関まで、な」ポリポリ

見崎「好きにすれば」タメイキ


16: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:17:00.98 ID:dwQNUiKh0

恒一「本当に、一人で大丈夫なのか」

見崎「夜道は慣れてるから。それと、学校で私に近づかないこと」

恒一「わかった、心得とく」

見崎「じゃあ、さよなら」

恒一「ああ、また学校でな~」

見崎(本当にわかっているのかしら…)

恒一「…見崎鳴、か」

恒一(いろんな意味で、早く学校に行きたくてしょうがないぜ)

水野「恒一くーん、何 や っ て る の」

恒一「げっ、水野さん」

水野「こんな遅くに出歩かないで、早く寝なさーい」

恒一「はーい」スタスタ


17: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:18:34.24 ID:dwQNUiKh0

~転校初日~

綾野「泉美ー、今日から噂の転校生が来るんだよねっ」

赤沢「そうね」ゴホゴホ

杉浦「いくら気になるからって、そんなせきするくらいなら休みなさいよ」

赤沢(初日から何かしそうで、休むに休めなかったのよ…)

恒一「夜見北中~~~、キターー!!」

ざわ…ガタッ

王子「何だ?」

有田「あ、あれ、校門に人が!」

勅使河原「今のはそいつの叫びだっていうのか!?」

綾野「とても病み上がりとは思えない声だね~」

赤沢(来た……)


18: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:20:01.04 ID:dwQNUiKh0

久保寺「では、自己紹介をお願いします」

恒一「はいっ!」

カッカッカッカッ

恒一「榊原恒一、この学校の生徒全員と友達になる男だ!!」

ドンドン ビシィッ!!

風見(もう聞いた…)

米村(これがリーゼント…本物は初めて見る…)

佐藤(短い学ラン…アルバムで見た父さんの高校時代みたい)

前島(膨らんだズボン…ボンタンって言うんだったか)

杉浦(「友情」と炎のカバン…)

(((すごい人が来ちゃった……)))


19: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:21:31.30 ID:dwQNUiKh0

久保寺「…えー、榊原君はお家の事情でこの学校に転校してきました」

恒一「いまはじいちゃんにばあちゃん、それに礼子さ…じゃなかった、三神先生と暮らしてんだ」

  「つうわけでみんな、よろしくな!」

久保寺「新しい仲間と、みんな仲良く…」

テクテク

恒一「宜しく、宜しくー!」

藤巻「あ、ああ」

猿田「こちらこそ」

多々良「よ、宜しくね」

久保寺「榊原君、早く席に着きなさい」ヤレヤレ

恒一「はーい」(…クラスを一周したかったんだけどな)


20: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:23:01.09 ID:dwQNUiKh0

恒一(俺の席はここ、と。左が望月、右が金木で…)

望月(どこを見ているんだろ…)

見崎「……」

赤沢(キッ)ジロリ

恒一(ばれたか)プイッ

  (古くて傷だらけの机…"いないもの"にはそんなルールもあるのか、鳴)

  (それにしても、泉美っておっかねーな)

  (まぁそれでこそ対策係が務まるんだろうし、まず郷に入っては郷に従うか)


21: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:24:31.16 ID:dwQNUiKh0

~数日後~

望月「榊原君、今日はこれから…」

恒一「わりぃ、今から行くとこあるんだ」

勅使河原「はぁ?何だよそれ」

恒一「わりぃって。また今度な~」

ガタガタッ

望月「…行っちゃった」

勅使河原「何だアイツ、まさかもう彼女ができたとか!?」

望月「いやー、それはないでしょ」

赤沢「……」


22: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:26:01.28 ID:dwQNUiKh0

恒一「おっ、あったあった」

  「『夜見のたそがれの、うつろなる…』よくわかんねえけど、ここで間違いない」

ギィィィッ

天根「いらっしゃい。おや、若い男の子がお客さんとは珍しいね」

恒一「よっ、ばあさん。俺は榊原恒一っていうんだ」

  「ここが鳴ん家だって聞いたんだけど」

天根「まぁ、鳴のお友達かい。だったらお代はいらないよ」

  「いま鳴を呼ぶから、ここの人形達を見てお待ちなさいな」

恒一「ありがとう、ゆっくりさせてもらうぜ」

  (あいつの育った所、原点を知れば…うっわ、この人形、こんなにするのかよ!)


23: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:27:31.19 ID:dwQNUiKh0

恒一(色々見てるうちに、一番奥まで来たみたいだな)

  「!この人形は…」

見崎「ふーん、こういうの嫌いじゃないんだ」

恒一「!」ビクッ

見崎「なぜ、ここにあなたがいるの?」

恒一「おどかすなよ…」

見崎「なぜ?」

恒一「他のクラスを回って、ここがおまえん家だって聞いた」

  「三組の奴らには聞いちゃいけないんだもんな」

見崎(答えになってない…)


24: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:29:01.79 ID:dwQNUiKh0

見崎「(ええと…)この人形、似てるって思った?」

恒一「ああ」

見崎「似てる、よね」

見崎「でも、半分だけ。もしかしたら、それ以下」

恒一「他にもモデルがいるってことか?」

見崎「…」

  「それで、どうして、榊原君がここにいるの?」

恒一「そんなの、決まってるだろ」

  「学校で話せない分、お前との友情を深めに来た」ドヤッ

見崎「…そう」(ドキッ)

  (落ち着かなきゃ…)


25: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:30:30.96 ID:dwQNUiKh0

見崎「ここにある人形って、気味悪いという人もいるけど、榊原君はそうじゃなかったんだ」

恒一「確かに少し気味悪ぃ。でも、そこがいいんじゃないかって思えてきた」

見崎「そう…」

見崎(も、もっとほかに、何か言うことは…あ)

  「聞かないの?」

恒一「ん?」

見崎「この目のこと」

恒一「ああ、気にはなってたけどな。嫌ならいいんだ」

見崎「…見せてあげる」

恒一「え」

見崎「見 せ て あ げ る」


26: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:32:01.24 ID:dwQNUiKh0

スッ

恒一「緑色…あの人形と同じ」

見崎「私の目はね、人形の目なの」

  「見えなくていいものが見えたりするから、普段は隠してる」

恒一「幽霊とか、オーラみたいなモノか?」ワクテカ

見崎「え」

恒一「すっげぇぇ、二校連続で、霊感少女キタ―ーー!」

  「世界は広い。そしてどんな人間にも、波長の近い奴がいるってことか!」

  「前の学校にも第六感が鋭くて、みんなに見える位のオーラを出すダチがいるんだ」

  「きっとあいつなら、鳴ともいいダチになれること間違いない!」ウンウン

見崎(動じないどころか、また大きく受け入れられた…)


27: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:33:31.25 ID:dwQNUiKh0

見崎「…それよりも、私と会って大丈夫なの?」

恒一「大丈夫だって」

  「泉美が目ぇ光らせてるのは少し怖いが、話せばわかってくれる」

見崎(その自信はどこから…あと、いま"泉美"って…)

恒一「それに」

見崎「それに?」

恒一「おまじないの意味なんて、ないのかもな」

  「現象はもう、始まってるんじゃないかって」

見崎「!」

恒一「…四月の死者は、美咲ってことになるんじゃないのか」

見崎「…そうかもしれない…」


28: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:35:02.46 ID:dwQNUiKh0

見崎「そうだとしたら、これから毎月一人は死ぬ」

  「クラスの誰かか、その家族が」

  「美咲のことが知られたら、きっと皆は怯えるでしょうね」

恒一「その通りだが、もっと先に考えることがある」

見崎「何?」

恒一「現象の止め方だ」

見崎「そんなもの…」

恒一「ないとは限らねえ」

見崎「どうして、そんなことが言えるの」

恒一「『どうして』じゃねえ、『どうしても』だ」

見崎「!」


29: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:36:31.11 ID:dwQNUiKh0

恒一「確かにこれからも、死人が出るかもしれねえ」

  「だからって、ダチやその家族が"死ななきゃいけない"なんて許せねえ」

  「呪いだろうが得体の知れない化け物だろうが、好き勝手やらせてたまるか」

  「俺はダチのみんなと、一緒に夜見北を卒業するんだ」

  「そのために、現象の止め方を突き止める」

  「玲子さんや先生達から過去の現象のことを聞けば、何か掴めるはずだ」

見崎(…やっぱり、根拠のない自信で語ってる)

  (それなのに、嫌な感じがまるでしないのはなぜ…?)


30: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:38:01.76 ID:dwQNUiKh0

見崎「…榊原君が現象を止めたいのは、"ダチ"の悲しむ顔を見たくないから?」

恒一「ああ。それと、鳴がはやく"いないもの"をやめられるようにな」

見崎「えっ?」

恒一「いまのお前は、本当のお前じゃない気がする」

  「だから現象を止めて、いないものでいる必要を失くす」

  「みんなとの楽しい学校生活を取り戻せば、本当のお前に会えると思うんだ」

見崎「!」

  「……何を言うのよ…」カァァッ


31: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:39:30.99 ID:dwQNUiKh0

見崎「一人で校内を自由に歩き回ったり、好きな時に絵も描けるし」

恒一「本当のお前に会えたそのとき、改めてダチになってくれ」

見崎「図書室の奥に眠ってる、意外と面白い本もじっくり読めるし」

恒一「おっと、すっかり長居しちまったな」

見崎「部屋にある物の配置を変えて、周囲の不思議がる顔も見れるし」

恒一「また明日、学校でな」バイバイ

見崎「"いないもの"も、そんなに悪くは……あれ」

  (いつの間に、帰ったの…)

  「…また、学校で」


32: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:41:01.62 ID:dwQNUiKh0

~その夜~

恒一「あぁ~、いい風呂だった」

礼子「もぅ、恒一くんったらオジサンみたい」

恒一「だって風呂は心の洗濯だろ…礼子さん、その本は?」

礼子「これはね、この町の歴史書よ」

  「新しい絵の題材に使えないかと思って、出来事や民話を調べているの」

恒一「昔のことを調べる…そうだ、礼子さんに聞きたいことがあったんだ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恒一(恒一のお袋さんも礼子さんも、夜見北の3年3組だった)

  (しかもお袋さんは、始まりの年に死んだ夜見山岬のクラスメイトで、)

  (礼子さんが3組にいて、恒一が生まれた年の現象で死んだひとり…)

礼子「理津子姉さんが現象の犠牲者だ、なんてハッキリした証拠はないけどね…」


33: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:42:31.04 ID:dwQNUiKh0

恒一「礼子さんの年の現象について、他に覚えていることは?」

礼子「…ごめんなさい、何も思い出せないの」

  「私も他の先生に聞いたことがあったけど、収穫はなかった」

  「とてもつらい体験をして、記憶にフタをしているのかもね」

恒一「そっか…」

礼子「暗い話をしたら、なんか疲れちゃった。もう寝るわ」

恒一「あ、ああ、お休み~」

  (皆が皆忘れてるなんて、フツーあり得ねえ。思ったより、根は深そうだ…)


34: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:44:00.85 ID:dwQNUiKh0

~一週間後~

(見崎さん、先週から真面目に授業受けてるよね)

(もう校内をうろつくのも飽きたのかしら)

(ていうか、クラスに気になる人がいたりして)

恒一「おーす奈緒美、今日もバッチリ決まってんな」

藤巻「トーゼン。アンタのリーゼントも絶好調じゃん」

恒一「おう!」

  「智彦ぉ、ちょっと数学でわかんねぇとこがあるんだけど」

風見「またそうやって、自分の当てられる問題を教えてもらう気だろ」

恒一「いいじゃねーか。人に教えられるくらいわかれば、西高も充分受かるって」

見崎「……」チラッ


35: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:45:51.62 ID:dwQNUiKh0

恒一「ゆかり、お袋さんの調子はどうだ?」

桜木「はい、おかげさまで快方に向かってます」

恒一「事故に遭ったって聞いたときは驚いたけど、五体満足で何よりだ」

桜木「ええ、本当に」ニッコリ

(それはそうと、榊原君のおかげでこの頃クラスの空気が明るいよね)

(うん、事情を知っててあんなに明るいし、すぐ皆と親しくなったし)

(他のクラスにもトントン拍子で友達ができてるらしいって)

(私達みたいな気まずさをまるで感じてないのがすごいわ~)

恒一「泉美。昼休み、ちょっといいか?」

赤沢「え、ええ。いいわよ」ドキッ

中尾(あいつ…)ワナワナ

前島(ていうか俺、飛ばされてね?)


36: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:47:00.84 ID:dwQNUiKh0

赤沢「現象を止める手がかり?」

恒一「ああ。対策係のお前なら、何か知ってると思ってな」

  「"いないもの"だって絶対安心じゃないんだろ?」

  「それに俺達が無事に済んでも、この先3組になる奴らはずっと怯え続けることになる」

  「そんなふざけた話をぶち壊すのに、手を貸してくれ」

  「頼む、この通りだ!」

赤沢「…本来なら、私がやるべきことなんだけど」

  (勝手に動かれるくらいなら、監視下に置く方がマシか)ボソッ

  「調べるアテはあるから、放課後ついて来て」

恒一「よっし!泉美はここぞというとき、頼りがいがあるな」

赤沢「と、当然よ」ドギマギ


37: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:48:31.49 ID:dwQNUiKh0

赤沢「話は変わるけど。恒一君、病院で会う前にどこかで私と会わなかった?」

恒一「そんなこと…あったか?」

  「お前みたいに気が強い奴、一度会ったら忘れたくても忘れらんねぇと思うんだが」

赤沢「悪かったわね…」

恒一「まぁ、会ってるならそのうち思い出すんじゃないか」

  「呼び出して悪かったな。じゃあ、放課後宜しく!」

タッタッタッ

赤沢「あっちょっ…」

  (いつも誰かと居るから、もう少し話したかったのに…)

  (放課後があるから、いいか)


38: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:50:01.14 ID:dwQNUiKh0

赤沢「で、どうしてアンタ達もいるわけ?」

勅使河原「なんだよ、人を邪魔者みたいに言いやがって」

望月「僕たち、恒一君に誘われたんだ」

恒一「人数が多い方が、思わぬ発見や知恵が出せるかもしれないだろ」

杉浦「その考えには私も賛成…」

綾野「テスト勉強の息抜きに、ちょうどいいかな~って」

赤沢「どこで嗅ぎつけて来たのよ…」

中尾(…泉美と榊原を、二人きりにさせてたまるか)ヌスミギキシテマシタ

恒一「それで泉美、調べるアテっていうのは」

赤沢「第二図書室よ」


39: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:51:31.16 ID:dwQNUiKh0

ガラガラッ

見崎「……」スッ

「「「!」」」

スタスタ…ガラガラッ

綾野(はぁ、びっくりした~)

勅使河原「アイツ、よくここにきてるって話はホントだったんだな」

杉浦「勅使河原」

赤沢「…」

勅使河原「あ…」ヤバッ

赤沢「今回だけは見逃してあげる」

勅使河原「お、おお」タスカッタァ


40: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:53:01.04 ID:dwQNUiKh0

千曳「赤沢君、今日はまた大人数だね」

赤沢「はい、一から調べ直すのに人手がいると思って」

千曳「きみが榊原君か。噂はここまで聞こえているよ」

恒一「知ってくれてて嬉しいぜ、えーと…」

千曳「千曳だ。ここの司書をしている」

赤沢「千曳さんは過去の現象を独自に調べているの」

恒一「そっか、宜しくな」

千曳「現象について調べたいというのなら、私のまとめた資料も使うといい」

望月「お世話になります」

杉浦「学校の年鑑でもいいから、私達も使えそうなものを探しましょう」

「「「おー」」」


41: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:54:31.45 ID:dwQNUiKh0

恒一「他に何かわかりそうな物は…ん」

チョコン

恒一(鳴がいた場所に、置手紙…?)

カサカサ

『15年前と、2年前』

恒一「!」

望月「恒一君、どうかしたの?」

恒一「いや、何でもない」

勅使河原「サカキ~、赤沢が、資料を回し読みしてわかることを挙げていこうって」

恒一「ああ、わかった」

  (ありがとな、鳴)


42: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:56:00.98 ID:dwQNUiKh0

千曳「既に知っているかもしれないが、"ある"年はクラスに"死者"が紛れ込む」

  「死者の正体は、例外なく過去に現象で死んだ誰かだ」

  「死者は生者と全く区別がつかず、周囲も違和感を感じないが、卒業と同時に死に還る」

  「その間、死者が誰なのかを示す全ての記録、死者本人も含めた全員の記憶は書き換えられてしまう」

  「だが、死者がいる場合、誰の分かはわからずとも机が一つ足りなくなる」

綾野「ていうことは、机の足りてる今年はない年じゃないのかな」

赤沢「対策係としては、楽観視することはできないわ」

望月「机がちょうどなのに疑ったら、今の話と合わないんじゃ」

恒一「いや、つじつまを合わせる方法がある」

中尾「何だって?」

恒一「俺の転校だ」


43: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:57:30.93 ID:dwQNUiKh0

恒一「転校生が来るから、教室に机を補充する」

  「そのとき、誰も気づかないまま死者の分も用意していたとしたら」

「「「な…」」」

赤沢「…転校生と偽って、死者が自分の分を用意させた、とも考えられるわね」

勅使河原「赤沢、お前まさかサカキが死者だって思ってんのか!」

杉浦「そうじゃなくて、泉美はあらゆる可能性を出したいってこと」

千曳「過去にそのようなケースはないが、ありえないとは言い切れないな」

望月「千曳さんまで…」

恒一「いや、これでいいんだ」

勅使河原「サカキ?」

恒一「本来3組にいなかったはずの俺が、真っ先に疑われるべきなんだ」


44: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 21:59:02.27 ID:dwQNUiKh0

恒一「泉美が言うように、俺が死者というのもひとつの可能性として考えなきゃいけない」

  「今日調べて分かったこともあってよかったと思うぜ、なぁみんな」

中尾「…まぁな」

勅使河原「お前ってやつは…」

綾野「う~ん、こういっちゃんが、そう言うなら」

赤沢「…恒一君の言うとおりね」

  「まずは、唯一現象が途中で止まった15年前の人達に話を聞いてみましょう」

望月「恒一君、三神先生は本当に何も覚えてないの?」

恒一「ああ。こうなりゃ、片っ端から連絡を取るしかなさそうだな」

千曳「やるにしても、中間テストを終えてからにするべきだと思うが」

「「「ですよねぇ」」」


45: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:00:34.33 ID:dwQNUiKh0

~夕暮れの川辺~

恒一「よお、ここにいたのか」

見崎「…」コクン

恒一「さっきのヒント、ありがとな」

見崎「別に…」

恒一「お前も現象を止めようと、調べてくれてたんだな」

  「このまま手がかりをたどって、現象のシッポを掴んで見せるぜ」

見崎「…榊原くん」

恒一「なんだ?あらたまって」

見崎「…」

スッ

見崎「あなた、本来の榊原恒一君じゃないでしょ」


46: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:02:01.08 ID:dwQNUiKh0

見崎「私のこの目は、死の色が見えるの」

  「何色って表現すればわからないけど、死の近い人、死んだ人にはその色が見える」

  「あなたに死の色は見えないけれど、普通の人とも違う」

  「格好や性格ではなく、魂の様子が、と言えばいいのかな」

恒一「…さすがだな、やっぱバレてたか」

  「鳴のことばっか教えてもらって、自分のことを話さないのもな、うん」

弦太朗「俺は如月弦太朗、2012年の天ノ川学園高校に通う3年生だ」

見崎「2012年から来た、高校3年…?」

弦太朗「そーだ」

見崎「中3の授業もわからないのに」

弦太朗「そ、それだけは言わないでもらえるか 」orz


47: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:03:32.13 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「それはそうと、これも見せねえとな」カシャッ

見崎(ベルト?今どこから…)

カチカチカチカチ スリー、ツー、ワン

弦太朗「変身!」ガシャン

ジャカジャカジャッジャカジャッジャカ×2、シュピーーン

弦太朗「宇宙~~~、キタ―ーーッ!!」

見崎「…」ポカーン

弦太朗「これが俺のもう一つの姿、仮面ライダーフォーゼ」

   「仮面ライダー部の仲間と一緒に、怪人から学園のみんなを守ってるんだ」

   「まぁ、いきなり信じるのは無理だろうが」

見崎(何て言えばいいのかわからない…)


48: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:05:00.81 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「せっかく変身したんだ、つかまれ」グィッ

見崎「え、ちょっと」

ローケット、オン

シュゴオオオオオオオオ

弦太朗「いくぞ」

見崎「えええ!?」

ゴオオオオオ

見崎「は、放して…」

弦太朗「そんなこと言わずにほら、見てみろ」

見崎「(オソルオソル)…!」

見崎「綺麗…」


49: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:06:30.74 ID:dwQNUiKh0

~回想~

コーズーミーック、オン

弦太朗「みんなの絆で、宇宙を掴む! うおおおお!!」

リブラ「く、くそぅ、忌々しいフォーゼめ…ッ」

ユウキ「弦ちゃん、いっけぇぇ!!」

弦太朗「一気にリミットブレイクだ!」

ヴァルゴ「今ここで、ラプラスの瞳を失うわけにはいかん」

弦太朗「おおりゃあっっ!!」

ヴァルゴ「はっ!!」

ドゴオオオオオオオオン

弦太朗「うわああああああああ!!」


50: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:08:01.05 ID:dwQNUiKh0

「コズミックとヴァルゴは、どちらも宇宙空間への瞬間移動が可能だ」

「空間を飛び越えるほどの強いコズミックエナジーがぶつかり合った結果、」

「時間軸方向のベクトルが発生し、1998年に飛ばされたんだろう」

「そしてアストロスイッチは、使用者の精神と密接な関係がある」

「如月、君がエレキやマグネットに初めて変身した時のことがいい例だ」

「リミットブレイクによって極限まで高まったコズミックエナジーを媒介とし、」

「肉体から切り離された精神が、スイッチやドライバーと共に跳躍した」

「乗り移った先が榊原恒一なのは、3年3組にとって最もイレギュラーな存在だからだろう」

「証拠もなく、かなり強引な推測だがな」

弦太朗「…なーんて、賢吾なら説明してくれるんだろうな」


51: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:09:31.06 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「ああ、賢吾っていうのは、このベルトやスイッチを調整してくれてるダチだ」

   「アイツになったつもりで考えたら、難しい言葉ばかりで頭が痛くなっちまった…」

見崎「…それで、恒一君の意識は」

弦太朗「乗り移ったショックで、恒一の意識は深い所に沈んで表に出られなくなってる」

   「でも、アイツの記憶が流れてきたり、互いの考えが通じるときがある」

   「俺が帰ることさえできれば、無事に目を覚ますんじゃないか」

見崎「人の体に居候してる割に、本気で毎日楽しんでいるのは?」

弦太朗「いつどこだろうと、学校は俺にとって友達を作る場だからな」

   「それに恒一が目覚めたとき、信頼できるダチは多い方がいい」

見崎(周囲がギャップに戸惑わなければいいけど)


52: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:11:00.90 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「つうわけだ。他に知りたいこと、あるか?」

見崎「…特にないわ」

弦太朗「そっか。じゃあ、今度は答え合わせだ」

   「鳴の言ってた15年前と2年前」

   「途中で現象が止まった15年前は、現象が起こってからの止め方につながってる」

   「そして、2年前を調べて気がついたんだが…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

見崎「その考えで合ってる。でも……」

弦太朗「まぁ、どうすればいいかは15年前の方法がわかってからだな」

見崎「そうね……」


53: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:12:31.72 ID:dwQNUiKh0

~また何日かして~

勅使河原(それ、本当なのか!)

望月(うん、義姉さんの働いているお店の常連さんが、15年前の3年3組で)

弦太朗(酔いつぶれて、「教室に隠した」って言ったんだな)

勅使河原(事情を話してた望月も、聞きだしたお義姉さんもナイス過ぎるぜ!)

望月(ははっ。それで、15年前はまだ旧校舎だったから…)

弦太朗(そっちの教室を調べれば、何か見つかるってことか)

勅使河原(よおし、この前のメンバーで探しに行こうぜ!)

望月(赤沢さん達にも伝えておくね)

見崎「……」

弦太朗(ああ、まかせた)


54: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:14:01.57 ID:dwQNUiKh0

見崎「……」

(((なんで、見崎さんまでいるの…)))

弦太朗「俺が呼んだんだ」

杉浦「榊原くん!?あなた…」

弦太朗「図書室の時だって、鳴は俺達の先を行っていた」

   「真相を突き止めるのに、これ以上心強い味方はいないぜ」

綾野「そ、そうだったの?だとしてもさぁ…」

赤沢「……」ゴゴゴゴゴゴ

中尾(余計なことを…)

望月(あわわ…)

勅使河原(爆発寸前じゃねーか、どうすんだよサカキぃぃっ)


55: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:15:30.94 ID:dwQNUiKh0

赤沢「…恒一君」フルフル

弦太朗「おう」

赤沢「いまいる人達だけの前でなら、見崎さんを"いないのもの"扱いしなくていいことにするわ」

恒一「ホントか!?喜べ鳴、一歩前進だ」

杉浦「泉美!?」

赤沢「ただし!」

  「もし一連の調査で成果が上がらないどころか、現象が起こったりしたら――」

  「見崎さんと恒一君、二人に責任取ってもらうから」

弦太朗「ああ、肝に銘じておくぜ」

   「さあて、とっとと隠された物を見つけ出すとするか。行こうぜみんな」

見崎「よろしく…」スタスタ


56: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:17:02.01 ID:dwQNUiKh0

勅使河原「ちょっ、待てよサカキ。自分だけ見崎といいムードになりやがって~」

望月「それ、単にうらやましいだけじゃないの」

綾野「はぁぁ、一時はどうなることかと思ったよ~」ガヤガヤ

中尾「赤沢、よかったのか」

赤沢「…しばらく話しかけないで」

杉浦(泉美を以ってしても我が道を行くなんて…榊原君恐るべし)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

勅使河原「おーい、これじゃないのかー」

望月「掃除用具入れの天板に貼り付けてあったんだ」

中尾「意識して探さない限り、誰も気にしない場所か…考えたもんだな」

勅使河原「よし、開けるぞ」ビリビリッ


57: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:18:31.06 ID:dwQNUiKh0

綾野「カセットテープ…」

弦太朗(演歌好きなおかげで、どうにかジェネレーションギャップは感じないな)

赤沢「部室にラジカセがあるから、聞いてみましょう」

杉浦(泉美、どうにか立て直したようね)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

松永「…いいか、現象を止めるには、死者を死に還すんだ…」

「「「!!」」」

中尾「死者を殺せば、現象は止まる…」

綾野「でも死者は誰か、そもそもいるかどうかもわかんないよ」

杉浦「下手に誰かを疑えば、取り返しのつかないことになるかもしれない」

勅使河原「現象が起きてるってハッキリするまで、俺らにできることはねえのかよっ」


59: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:20:01.48 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「……」チラッ

赤沢(…!)

望月「恒一くん?」

弦太朗「悪ぃ、ちょっと考え込んじまった」

赤沢「とにかく、このことは決して口外しないこと」

  「死者の見分け方をメインに、明日から調べ直しましょう」

綾野「そだね。今日はもう帰ろっか」

勅使河原「捜査は振り出しに戻る、か。ひとまずお疲れさーん」

ゾロゾロ…パタン

赤沢「…それで、何か用なの、恒一君?」

弦太朗「ああ、詳しく聞きたいことがあってな」


60: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:21:31.36 ID:dwQNUiKh0

~翌日~

礼子「学校で話したいことがあるって、どういうことなの」

  「恒一くんの格好で体育館裏に呼び出すなんて、シャレになってないわよ」

見崎「……」

礼子「見崎さんまで巻き込んで、悪ふざけが過ぎるわ」

弦太朗「俺は至って真面目だぜ三神先生、いや、礼子さん」

   「わかったんだよ。今年の死者が誰なのか」

礼子「うそ…」

弦太朗「うそじゃねえ、今年の死者は……礼子さん、あんただ」

礼子「!?」


61: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:23:01.12 ID:dwQNUiKh0

綾野「こういっちゃん、なに言ってんのさ!」

弦太朗「お前ら…」

勅使河原「また二人でどっか行っちまったと思ったら、」

赤沢「三神先生が死者だなんて」

望月「自分の叔母さんに向かって、何てことを」

中尾「悪い冗談はよせ」

杉浦(泉美が榊原君、望月君が三神先生を観察してたからここがわかったけど…)

弦太朗「悪い冗談なんかじゃねえ。ちゃんと考えた結果なんだ」

   「死者が誰なのかを示す記憶や記録は、全部書き換えられる」

   「それでも、不自然な所は消し切れないんだ」


62: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:24:30.76 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「礼子さんがいるのに、ウチには"れーちゃん"って名前の九官鳥がいる」

   「しかもその口癖は、『どうして』『元気出して』だ」

   「礼子さんは、自分が3組の生徒だった15年前の現象を覚えていないと言った」

   「それだけならまだしも、2年前に自分が担任だった事実は一言も話さなかった」

望月「それは、つらくて話せなかったんじゃ…」

弦太朗「それだけじゃない。泉美は2年前にこの町で俺と会っている」

   「そのとき俺はハッキリと、『大切な人を亡くした』って話したそうだ」

   「俺はいまだに夜見山へ来たことも、誰が亡くなったのかも思い出せないのにな」

赤沢「……」

綾野「泉美の人違いじゃ、ないんだよね…」

杉浦「死者に関係してるから、榊原君の記憶が書き換わってる…?」


63: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:26:22.15 ID:dwQNUiKh0

礼子「それで、私が死者だっていうの?いい加減にしないと怒るわよ」

弦太朗「まだある。決定的だったのは、机の数だ」

勅使河原「待てよサカキ、机の数はちょうどだし、お前や赤沢が言うにはどうとでも…」

弦太朗「教室はな。だが、机が足りてないのは職員室だった」

「「「えっ」」」

望月「じゃあ、今年の死者は教師の側ってこと?」

弦太朗「ああ。そして久保寺先生は去年まで3組を受け持ったことも、生徒だったこともない」

   「本当なら二年前の現象で亡くなってるのに、今年の3年3組にしかいない副担任」

   「…足りない机は、礼子さんの分ってことだ」

礼子「!!」

勅使河原「サカキ、すげえよお前は。すげぇ、けど…」


64: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:27:32.90 ID:dwQNUiKh0

中尾(ここまで自信たっぷりに証拠を挙げられるなら正解かもな。だが)

杉浦(現象を止めるには、死者を、三神先生を…)

赤沢(恒一君…あなたに、できるの?)

綾野「こういっちゃん…」

望月「恒一君…ッ」

弦太朗「みんな、礼子さんと二人っきりにしてくれないか」

礼子「…その必要はないわ恒一くん…いいえ、如月弦太朗」

弦太朗「!?」

礼子「現象を止めるには『死者を死に還せばいい』、かしら?」

「「「!!」」」

礼子「図星のようね……でも、死ぬのはあなた達よ」ニィッ


65: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:29:01.95 ID:dwQNUiKh0

杉浦「先…生?」

礼子「なかなかの名推理だったな、如月弦太朗。番外編で名探偵に扮しただけのことはある…」

勅使河原「如月?番外編?何を言って…」

礼子「だが、私もこの時代に飛ばされたことまでは考えが及ばなかっただろう?」

スッ

弦太朗「スイッチ…まさか」

カチッ シュゴォォォォ チリーン

リブラ「貴様が榊原恒一に乗り移ってることは、一目で火を見るより明らかだった」

弦太朗「触覚野郎!」

   (鳴が「三神先生の死の色は少し違う」って言ってたのはこのことか!)

見崎(生者のように動く死者だからじゃなく、別人の意識もあったからってこと…)

望月「み、三神先生が化け物に…」ペタン


66: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:30:31.69 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「みんな、少し下がってろ」カシャン

勅使河原「サカキ!?」

カチカチカチカチ スリー、ツー、ワン

弦太朗「変身!!」ガシャン

ジャカジャカジャッジャカジャッジャカ×2、シュピーーン

弦太朗「宇宙~~~、キタ―ーーッ!!」

   「仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らせてもらうぜ!」

杉浦「榊原君まで、変身した…」

中尾「…か、仮面ライダーって」

赤沢(兄貴が小さいころ好きだったけど、確かバッタ顔じゃ…)

綾野(イカ?ロケット?もう何が何だか…)


67: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:32:01.24 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「みんな、今まで黙っててゴメンな」

   「とにかく、ここは俺に任せろ。おおおおお!」

リブラ「ふん!」ピカーン

ビターン!

弦太朗「痛ってぇぇぇ、こいつは…バリアだと?」コンコン

リブラ「今日の私は、いつもとはわけが違うぞ」ゴゴゴゴゴゴゴ

   「括目するがいい、はぁぁぁぁぁっ」

ギュイイイイイイイイイイン

中尾「あ…あ…」

見崎「怪人が…」

弦太朗「サソリ野郎や鬼島みたいにデカくなりやがった!!」


68: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:33:31.89 ID:dwQNUiKh0

リブラ「冥土の土産に教えてやろう」

   「天ノ川やかつての京都ほどではないが、この地にもごく小規模なザ・ホールが存在するのだ」

   「そして、その恩恵を人知れず利用しようとした野心家がいた」

   「ザ・ホールからのコズミックエナジーを増幅する装置と一体化し、人知を超えた力を我が物とする」

   「我等ゾディアーツの元祖といったところだ」

   「しかしその目論見は成功することなく、その人物は並々ならぬ未練を残したまま死んでいった」

弦太朗「大昔の本を読んでいたのは、そのことを調べるためだったのか!」

リブラ「その通り。しかも、この話はまだ終わりでない」

   「この時代から26年前、私のように当時のことを調べ、装置を得ようとした者達もいたのだ」

見崎「26年前、1972年に暗躍した者達って…」

弦太朗「まさか、ショッカー!?」


69: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:35:02.57 ID:dwQNUiKh0

リブラ「ショッカーはこの地を丹念に調べ上げ、装置の封印された場所を突き止めた」

   「だが、彼らの科学力をもってしても、コズミックエナジーの制御は叶わなかった」

   「しかもショッカーは、再び装置を封じようとして間違いを犯した」

勅使河原「おい、さっきからいったい何が言いたいんだよ」

赤沢「まだ話の途中じゃない、バカ」

勅使河原「こんなときまでバカって…」

見崎「……」

リブラ「見崎鳴、お前はもう気づいているようだな。みんなに教えてあげるといい」

勅使河原「…見崎、頼む」

見崎「……26年前に封印が解けた、コズミックエナジーとその増幅装置」

  「それが、現象の正体」


70: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:36:31.77 ID:dwQNUiKh0

「「「なっ」」」

「「「なんだって…」」」

リブラ「そうだ、不完全な再封印から一人歩きを始めたコズミックエナジーこそが、お前達の言う現象だ」

   「どうして取るに足らないお前たちが生きて、自分が死なねばならないのか」

   「自分はこれで終わりではない、まだ生きていたい、生きてこの世を、他者の死を支配するのだ……」

   「創造主の怨念が死者の魂と共鳴し、生者と寸分違わぬ仮初の肉体を生み出す」

   「記録媒体の変化や、関わる人間たちの記憶改変も引き起こしてな」

   「毎月の犠牲者、年ごとに代わる死者とは、なかなかどうして星の巡りそのものではないか」

弦太朗「現象が起きる年と起きない年は、ザ・ホールの活動次第ってことか」

リブラ「そういうことだ。私とお前がこちらに来たのも、ザ・ホールに導かれたせいだろう」

   「なぜこの学校の3年3組なのかは、さすがに解りかねるがな」


71: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:38:02.50 ID:dwQNUiKh0

リブラ「さて、軽々しいおしゃべりは終わりだ」

   「見つけ出した増幅装置とその力は、私が有効に使わせてもらう」

   「手始めにフォーゼ、今日こそ引導を渡してくれる…!」グオオオオオオ

中尾「ひぃっ、あんなエネルギー弾を撃つ気かよ!」

綾野「もうダメよ、みんな死んじゃうんだわ」

弦太朗「お前らあきらめんな!!」

「「「え…」」」

弦太朗「現象の正体がコズミックエナジーと増幅装置だって言うなら、」

   「いまアイツを倒せば、未来永劫!現象は起きなくなるってことだろうが」

   「こんな千歳一隅のチャンスを、逃してたまるかよ!!」

赤沢「恒一君…」


72: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:39:31.90 ID:dwQNUiKh0

リブラ「いつもいつも減らず口を。死ぬがいい!」

見崎「!」

望月「ぁぁっ」

カッ ドオオオオオオオオオオオオン

モクモクモクモク

リブラ「さらばだ、愚かなる若者とその取り巻き達よ…」

弦太朗「誰が愚かだって?」

リブラ「何…なんだ、この防護壁は…」

パラシュート、シールド

杉浦「榊原君、青くなってる…」

弦太朗「ふぅ、間に合ってよかったぜ」


73: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:41:00.88 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「今度はこっちの番だ!」

ガトリング、スタンプ

弦太朗「おらおらおらおら!」ダダダダダダ

リブラ「この程度の攻撃、痛くもかゆくも…」

ボン ボン ボン ボン ボン ボーン

リブラ「がっ…なにぃーっ」

弦太朗「その弾は、時間差でクルぜ」

杉浦「すごい、あの怪物を手玉に取ってる」

勅使河原「あいつ、あんなに強かったのかよ~」

リブラ「ぐっ、なめるなあああっー」ズシンズシン

望月「こ、こっちに来るっ!」


74: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:42:32.31 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「させるか!」

ジャイロ、シザース

弦太朗「ライダー、暴風スラッシュ!!」

ババババジャキィィン、ババババジャキィィィン

リブラ「がはっっ、猪口才な真似をッッ」

弦太朗「メテオストームパニッシャーのフォーゼ版だ」ドャッ

   「少し目が回るのが弱点だけどな…」グラッ

綾野「こういっちゃん、しっかりして!」

リブラ「なぜだ、私の力は増しているはずなのにッ…」ガクガクッ

弦太朗「だとしてもだ、今の俺にはライダー部だけじゃない、ここにいるみんなとの絆もあるんだ」

   「みんなの絆で、宇宙を掴む!お前なんかに、負けるわけがねえ!!」


75: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:44:01.78 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「そろそろ仕上げだ!」

コ・ズ・ミック ギュゥゥゥン

望月「あの穴は!?」

弦太朗「ちょっと行ってくるぜ」ガシィッ

リブラ「ぬ、ぬわぁぁぁ」キラーン

中尾「消えた…」

杉浦「な、何がどうなってるの…」

見崎「彼なら、大丈夫」

赤沢「見崎さん…」

見崎(皆にも、話した方がいいか)


76: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:45:31.22 ID:dwQNUiKh0

リブラ「ま、またしても宇宙に…フォーゼ、貴様だけはぁぁぁっっ」

弦太朗「抜いて、挿す!!」

リミット・ブレイク

弦太朗「ライダー、超"時空"銀河フィニッシュ!!」

リブラ「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁ」

ドカーーーーーン

弦太朗「よっし!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

シュピィィィン

「「「あ!」」」

弦太朗「みんな、戻ったぜ」グッ


77: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:47:01.29 ID:dwQNUiKh0

綾野「こういっちゃん…じゃなくて、げんちゃん!」

弦太朗「鳴、話したのか」

見崎「……」

赤沢「お帰りなさい、仮面ライダーさん」

杉浦「さっきからあり得ないことの連続で、どうにかなりそう」

勅使河原「そうか?今なら一周回って何でも信じられる気がするぜ」

中尾(夢だ…俺は今、猛烈におかしな夢を見ているんだ)ガタガタ

弦太朗「おーい中尾、中尾~」トントン

中尾「ひわっ、やめっ、話しかけるな…」

(((中尾……)))

望月「……」


78: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:48:32.40 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「望月」

望月「…如月君、その…三神先生は?」

弦太朗「……死に還った」

望月「そっか……」

勅使河原「ひと春の恋だと思って、元気出せよ」ポンッ

望月「……うん」グスッ

(((勅使河原、珍しくいいこと言った)))

弦太朗(直哉、サンキュ…)


79: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:50:01.04 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「…鳴」

見崎「何?」

弦太朗「終わらせてきた」

見崎「うん」

弦太朗「これから先、現象は起こらない」

見崎「うん」

弦太朗「これでもう、"いないもの"になる奴もいないんだ」

見崎「うん…」

弦太朗「鳴?」

見崎「……」

弦太朗(泣いてる…)


80: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:51:31.38 ID:dwQNUiKh0

見崎(如月君の正体を知って、驚きもしたけど悔しかった)

  (いつからか、如月君が居れば、誰も死なずに現象を止められそうな気がしていた)

  (でもそれなら、美咲の死は自然な病気として片づけられてしまう)

  (如月君がもう少し早く来ていれば、美咲は死なずに済んだかもしれない)

  (「如月君、どうして?」…って)

  (でも、泣いてる如月君を思い出して、その考えは間違いだって気づいた)

  (たとえ会ったばかりでも、"ダチ"と決めた相手と本気で向き合わずにはいられない)

  (ペースを乱されてばかりでムキになったり、気になってしょうがなかったのは、)

  (あなたがダチのためなら笑うのも泣くのも、考えるのも戦うのもずっと全力だから)

  (如月君がいたから、私は自分の意志で動くことができた)

  (人形みたいな虚ろに、支配されてしまう前に)


81: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:53:02.52 ID:dwQNUiKh0

見崎「如月…くん」

弦太朗「は、はい」

見崎「…」

弦太朗「…」キンチョー

見崎「…ありがとう」

弦太朗(……か、)

   (可愛い…!!)ポーッ

   「お、おぉう」

綾野(二人とも顔真っ赤、見てるこっちが恥ずかしくなりそうっ)

中尾(なんなんだこの夢、早く覚めてくれよっ)←現実逃避中


82: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:54:31.82 ID:dwQNUiKh0

スッ

弦太朗「え、えっと…」

見崎「自分で宣言したこと、忘れた?」

  「本当の私に会えたら、改めて"ダチ"になるって」

弦太朗「あ、ああ、そうだったな」アセフキ

見崎「もう…如月君たら」

弦太朗「なんだその、お姉さんみたいな言い方は?」

見崎「だって、本当なら如月君はまだ幼稚園の年少でしょ?」

見崎「げんたろうくん、鳴お姉さんが手つないであげる、なーんて」クスクス

弦太朗「~~っ、言ったなあ!」

ギュッギュッ トントン アハハハ


83: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:56:03.59 ID:dwQNUiKh0

勅使河原「う~っ、よくわかんねえけど、感動的だ」

    「如月ーっ、俺とも握手してくれーっ」

綾野「げんちゃん、私も私も!」

弦太朗「おう!」

ギュッギュッ トントン

杉浦「泉美も、しておいたら?」

赤沢「いい。どうやっても、勝ち目ないじゃない…」

弦太朗「おーい、二人も早く来いよー」

杉浦「…だってさ」

赤沢(あくまで友達だって言うの…)

  「いろんな意味で負けたわ…」


84: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:57:32.86 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「はぁ~っ、一勝負やって気が抜けたせいか、なんだか、体が重…」

バターン

「「「!?」」」

望月「げ、弦太朗くん!」

弦太朗「てて、なんか転んじまった…って、なんで俺(恒一)の顔が見えるんだ?」

   「っていうか、あの体と別に俺の手足が見える…ってことは」

中尾「あ…あ…嘘だ、俺は何も見ていないっ」

赤沢「恒一君の上に、幽霊が…」

見崎「…それが本当の姿なのね、如月君」

勅使河原「マジで乗り移ってたのか…」

弦太朗「…そろそろ、帰んなきゃいけねーみてえだ」


85: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 22:59:01.85 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「一ヶ月も学校に行けなかったけど、とっても楽しかったぜ」

   「本当の榊原恒一とも、仲良くしてくれよな」

望月「うん…」

勅使河原「任せろって」グスッ

杉浦「最初から最後まで、嵐のような人」

綾野「寂しいけど、ありがとうっ」ウルウル

赤沢「現象を止めてくれたこと、絶対に忘れないわ」キリッ

見崎「……」グッ

中尾 グィィッ「くっそ、痛みまで感じるなんてリアルすぎるぞこの夢ッ!」

弦太朗「じゃあな、みんな」グッ

フッ


86: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:00:33.51 ID:dwQNUiKh0

綾野「行っちゃった…」

勅使河原「こんな体験、人に話しても信じてくれないだろうな」グスッ

望月「いい加減、涙拭きなよ」

恒一「…う、うーん…」

「「「!!」」」

杉浦「如ら…、榊原君!」

赤沢「私達のこと、わかる?」

恒一「一応、ね…」

見崎「…」

恒一「…見崎、さん?」

見崎「よろしくね、榊原君」ニコッ


87: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:02:02.61 ID:dwQNUiKh0

恒一(それから一週間ほどで、あの場にいた人以外は僕じゃない僕を忘れていった)

  (その間、「もうリーゼントにしないの?」とか外見や口調のことはしつこく聞かれた)

  (変わり種は智彦の「おまえ、僕より成績いいのにからかってたのか(苦笑)」と、)

  (柿沼さんの「一人で二度おいしいリアル武藤○戯…いい…」の二つ)

  (僕はというと、少し体力が上がった分、中間テストの酷い結果が残されていた)

  (彼、如月弦太朗は、死者が礼子さんだと感じてから何度も僕に語りかけていた)

  (「体に居候してるだけでもワリぃのに、残酷な結果を見せることになっちまった」)

  (「勝手に色々かき回した俺には、許してほしいと言う権利もないと思う」)

  (「でも、ひとつだけ約束してほしい。最後まで目を逸らさないって」)

  (「お前と一緒に、いくらでも泣いてやるから」って)

  (困惑はしたけど、彼のおかげで現象は止められた。よかったことに変わりはない)


88: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:03:31.18 ID:dwQNUiKh0

恒一(彼が見崎に話したのとは逆に、僕にも彼の記憶が少し見えた)

  (小学校の中学年くらいか、唐突に両親を失った時の記憶)

  (ドラマで見るみたいに、きっと多くの人がそうであるように泣きじゃくっている姿)

  (そんな体験があったのに、今の彼が底抜けに明るいのは)

  (おじいさんの支えと、友達ができるととても喜んでいたご両親の思い出のおかげ)

  (まっすぐ過ぎるほどまっすぐに育った彼が、少しうらやましく感じた)

  (彼が来なかったら、僕は現象とどう向き合っていたんだろう)

  (何もできないまま、死んでいたかもしれないな…)


89: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:05:02.82 ID:dwQNUiKh0

恒一(季節が過ぎる間に、僕は二つの希望を家族に聞き入れてもらった)

  (ひとつは美術系の大学に進むこと)

  (もちろん反対されたけど、最後には納得してもらえた)

  (彼の熱さが、僕にもうつったのかもしれない)

  (そしてもうひとつは、東京じゃなくこっちの高校に通うこと)

  (前の学校の友達も恋しいけれど、夜見北のみんなともう少し過ごしていたい)

  (母さんや礼子さんが育ったこの町に、愛着もわいてきたみたいだ)

見崎「榊原くん、そろそろ」

勅使河原「お二人さ~ん、早くしないと置いてくぞ~」

恒一「ああ、いま行くよー」

~ 恒一 サイド -完- ~


90: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:06:31.38 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「んん、ここは…ラビットハッチか…」

美羽「…!弦太朗が気がついたわ」

ユウキ「弦ちゃん!」

賢吾「如月!」

流星・隼「弦太朗!」

JK・友子「弦太朗さん!」

弦太朗「…みんな、心配かけちまったな」ムクッ

隼「弦太朗、もう大丈夫なのか」

賢吾「ホロスコープスの特殊な攻撃を受けていないか、一応チェックはしてあるが」

弦太朗「大丈夫だ、もう何ともない」


91: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:08:00.81 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「…そうだ」カチャッ

流星「弦太朗?」

弦太朗(NSマグフォンにも登録しておいた、みんなの連絡先が…)

   「…ある。夢じゃない」

隼「どうした?」

弦太朗(もうみんな28、9歳なのに、俺だけ浦島太郎みたいだ)

JK「弦太朗さん、何か必死に考えてる…」

弦太朗(このままつながって、記憶も残ってるやつが何人いるか…)

賢吾「如月、何がどうしたのか説明して…」

プシュッ ウィィィン

大杉「おーい、如月いるかー?」


92: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:09:33.07 ID:dwQNUiKh0

弦太朗「大杉先生…」

大杉「お前宛に手紙だ」ピラピラ

弦太朗「俺に?」

大杉「…ったく、なんで学校にお前宛の手紙が届くんだ」

  「まさか、前いた学校の奴らがお礼参りに来るんじゃないだろうな~?」

ユウキ「先生、弦ちゃんがそんな恨みを買うわけないじゃないですかあ」

弦太朗「そうだそうだ…っつうか早く読ませてくれよ」パシッ

   (封筒に差出人の名前はなし、か)ビリビリッ カサカサ

「……!!」

JK「弦太朗さん?」

弦太朗「なあみんな、今度の休み、夜見山に行かないか?」


93: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:11:00.89 ID:dwQNUiKh0

流星「夜見山?」

友子「検索…出た、T県N市に合併した町の名前」

美羽「Oops!そんな田舎へ、私たちを誘って何をしようっていうの?」

ユウキ「う~ん、弦ちゃんが言い出すからには、何かあるんだろうけど~」

賢吾「如月、勿体ぶらずに教えてくれ」

弦太朗「安心しろって。退屈な旅にはさせねえよ」

   「"かなり昔だけどついさっきできた"ダチが、俺達を呼んでいるんだ」ニッ

(如月弦太朗 様 並びに仮面ライダー部の皆様…)

~ 弦太朗 サイド -完- ~

だがもう少し続く


94: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:12:32.51 ID:dwQNUiKh0

我望「起きたまえ、リブラ」

速水「ん……はっ、が、我望様!」ガバッ

我望「君には新たな12使徒を探すよう言ったはずだが、またフォーゼに敗れるとは」

立神「お前は何度、我望様やヴァルゴの手を煩わせるつもりだ」フンッ

ヴァルゴ「……」

速水「も、申し訳ありません!」

我望「まぁ、これからも君のラプラスの瞳は必要不可欠だ。精進したまえ」

速水「ははっ、ありがたきお言葉。必ずや我望様のご期待に応えて…」

我望「ただし!ペナルティなしというわけにはいかんな」

  「次にフォーゼと出くわしたときのために、レオに鍛えてもらうといい」

速水「!そ、それだけは……ッ」ガクブル


95: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:14:02.88 ID:dwQNUiKh0

立神「我望様の決定に異を唱えるつもりか?行くぞ」ガシッ

速水「あ…あ…ッ」

我望「方法は任せる。死なない程度にやりたまえ」ニヤッ

立神「承知致しました」ズルズル

速水「が、我望様、どうかお許しをッ、我望様ッ…」

   (あの力さえあれば、こんなことには…)

  「うわあああああああああああぁぁぁッッ」

~ 速水 サイド -完- ~

もう少しだけ続く


96: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:15:31.11 ID:dwQNUiKh0

見崎「『熱血な榊原君』から、他の作品も絡めちゃえという考えで作者は如月君を呼び寄せたそうよ」

恒一「ボツにしたプランBは、永井豪風のドスケベお調子者路線だって…」

赤沢「作者にエロ描写スキルがなくて助かったわ」

勅使河原「ちぇ、そっちの方が良かったな~」

望月「唐突に服を引き裂かれる三神先生…ハァハァ」

杉浦(作者がフォーゼ友子派・Another鳴派だから、泉美は当て馬にしかなれなかったって…)

恒一「そういえば、如月君が僕の体から帰ったのはいつだっけ」

見崎「5月29日金曜日…中間テストが終わって二日後よ」

中尾「話のスピードから、桜木母の事故も半月ほど前倒しになってたな」

綾野「弦ちゃんがバリバリ動くから、強行スケジュールになって疲れたよ~」

恒一「ははは…みんな、お疲れ様」


97: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:17:01.09 ID:dwQNUiKh0

望月「ええとここで、『作者の独断で選んだ3年3組ゾディアーツ候補』だって」カンペ

杉浦「あ、望月君が正気に戻った」

①高林・和久井「僕はこのスイッチで、強い体を手に入れたんだ!」

②小椋・杉浦「この力で、あたしが死者を死に還してやるッッッ!!」

③赤沢・中尾「お前さえ居なければ、恒一君(泉美)は振り向いてくれる…!!」

小椋「ちょっと!なんであたしの出番が病弱コンビと同じココだけなのよ!?」

小椋「こうなったら現象なんて関係ない、私が活躍するのに邪魔な奴は…」

見崎「うるさい」ゴスッ

小椋「ぶへぁっ」ドサッ

「「「……」」」


98: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:18:35.15 ID:dwQNUiKh0

赤沢「こ、今回は如月君がこちら側に来る形だったけれど、私達がやりやすい版権作品ってあるかしら」

望月「それはもう、『まいっちんぐマチコ先生』に『おねがいティーチャー』でしょ!」

(((望月ェ…)))

望月「あ、あれ…?」

恒一「年齢的に『ひぐらし』『バトルロワイヤル』『涼宮ハルヒ』『エヴァ』あたりかな」

(((後ろ二つは漫画版が角川つながりだし、配役が簡単そう~)))

中尾「あとは『仮面ライダー龍騎』にTYPE MOON系…って作者の趣味じゃねーかっ」パァン

小椋(…あ、あたしはバトル物だと『レールガン(笑)撃ってみろよ』って罵倒されるかませなんでしょ…)

見崎「実写版の私つながりで、『告白』と『桐島、部活やめるってよ』は?」

杉浦「面白味はありそうだけど、需要と笑いはどうかしら…」

恒一「見崎役の橋本愛タン…BOSS CMのストーカーぶりもゾクッとする…公開が待ち遠しい」ハァハァ

(((最後の最後に変態化しなくても……)))


99: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:20:09.68 ID:dwQNUiKh0

勅使河原「サカキ、よだれ垂らしてねえでそろそろ締めようぜ」ポンポン

恒一「ハウッ?僕としたことが…」フキフキ

  「皆さん、最後まで読んでくれてありがとうございました」ペコリ

(((全く締まらない…つーか反応も何も無視して等間隔に投下してただけじゃん…)))

綾野「ええと…あ、作者はポケモンにはまる3組のSSが読みたいらしいよ~」

赤沢「他力本願な発言ね。遅筆だから自分で書くのは面倒かしら」

見崎「それに加えて、他に書いてみたいものがあるとかないとか」

中尾「あまり期待はできないだろうけどな」フンッ

望月「何はともあれ、これにて終了です」

「「「バイバ~イ!!」」」

~おしまい~


100: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:24:22.01 ID:tcLIJoUd0

フォーゼもAnotherも好きだから面白かったわ


101: 名も無き被検体774号+ 2012/06/19(火) 23:26:09.43 ID:LwR2xz9f0



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