FC2ブログ

ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏目「4泊5日のペアチケットですか?」塔子「そうなのよ~」



1
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 00:35:54.98 ID:j2wmcvwG0
夏目とタキが旅行に行く話。
需要があるのかは知らない。


注意点
・非常に長いので数日に分けて投下予定です。
・一応、クロス要素があります。(夏目友人帳×烈火の炎×とある魔術シリーズ)クロスSSが苦手、嫌いな方はご遠慮ください。
・クロスと表記したものの、夏目、タキ以外は基本的に出てきません。口調再現もかなり怪しいです。
・3作品とも時系列を考えれば有り得ませんが、主人公が高1の夏の設定です。

・夏タキです。田夏とか名夏しかありえないって人はご遠慮ください。

・文章力がないので地の文は無しで会話文と擬音だけで進めます。
(ちなみに旅行先のモデルは三井グリー○ランドと営業形態が変わる前の九○わんわん王国)


前置きが長くなりましたが、読者層がまったく被らないであろうこのクロス、ゆっくり投下していきます。

元スレ:ttp://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1345/13453/1345304154.html
3VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 00:38:24.15 ID:j2wmcvwG0

塔子「福引で当たっちゃってねぇ~」

夏目「福引で? へぇ~すごいですね。滋さんと行って来たらどうですか?」ニコ

塔子「それが、滋さん、お仕事のお休みが貰えないみたいなのよ……」

夏目「そうなんですか……」

塔子「それでね、貴志くん。来週からちょうど夏休みでしょ? ぜひ、これ使ってくれないかしら?」ニコッ

夏目「おれが……? いいんですか?」

塔子「ええ、もちろん」ニコッ

塔子「ハイ、これ」

夏目「ありがとうございます!……って、え?」

夏目「……あの、塔子さん?」

塔子「どうしたの?」

夏目「これ……男女カップルチケットって書いてありますけど……?」

塔子「ええ、そうよ。テーマパークに隣接した、オープンしたばかりのホテルで、今は色んな客層をモニターとして呼び寄せてるんですって」

塔子「男女ペアであることと、帰り際に感想を記入することが、このチケットの使用条件ですって」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 00:40:05.98 ID:j2wmcvwG0

夏目「……」

塔子「貴志くん? どうしたの?」

夏目「あの……おれ、誘えるような人なんていませんけど……」

塔子「あらあら~、貴志くんったら、照れちゃって~あの子がいるじゃない?」フフッ

夏目「?」

塔子「多軌さんよ。あの子だったら、きっと喜んできてくれるわよ~?」

夏目「なっ!?」

塔子「でも流石に旅行となると親御さんが心配されるかしらねぇ……一応連絡しておいたほうがいいかしら……」

夏目「あ、あの……塔子さん……?」

塔子「そうね。ここは保護者として挨拶しておくべきよね……貴志君、少し待っててね」

夏目「えっ?」

塔子「」ピポパポ

塔子「……もしもし、多軌さんのお宅でしょうか?――あ、透ちゃん。藤原塔子です。貴志君がね――」

夏目「えっ?」

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 00:44:31.06 ID:j2wmcvwG0

塔子「――あら、ほんと? 貴志君喜ぶわよぉ~。それなら、少しご両親と代わってもらえるかしら――」

夏目「」

先生「何か騒がしいと思って来てみれば、何やら愉快なことになっておるな」

夏目「ニャンコ先生!?」

先生「それで、行き先はどこなんだ?」

夏目「あ、ああ……この地図のこのあたりのホテルだけど……」

先生「ふむ……このあたりは旨い焼酎がいっぱいあるな……」

先生「仕方ない。用心棒としてついて行ってやるか」

夏目「おい、用心棒……酒の事しか考えてないだろ……」

先生「にゃん!」

6 :一方厨[sage]:2012/08/19(日) 00:45:51.39 ID:BegtyR3AO
期待
夏目ssは少ないからな…


塔子さんぐいぐい行くね
一方さん出してくれ!!

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 00:49:00.44 ID:j2wmcvwG0

塔子「――ええ、はい。今後ともよろしくお願いしますね。それでは。失礼します」ガチャ

塔子「貴志君。多軌さん、喜んで来てくれるって。よかったわねぇ」ニコニコ

夏目「えぇっと……多軌はなんて……?」

塔子「“ずっと行ってみたかった場所なのでぜひ行きたいです”って」

夏目「は、はぁ……」

塔子「よかったわね。貴志君」

夏目「?」

塔子「だって、貴志君、多軌さんが来てくれるって言ってから、すごくうれしそうな顔をしてるもの」ニコニコ

夏目「え……」

塔子「青春ねぇ~」ニコニコ

夏目「いえ……そんなことは……」カアァ

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 00:53:56.72 ID:j2wmcvwG0

――次の日 通学路――

夏目「タキ!」

タキ「おはよう、夏目君」

夏目「なぁ、タキ……旅行のことだけど……」

タキ「あ、夏目君、誘ってくれてどうもありがとう!」ニッコリ

タキ「ずっと、行きたいと思ってたのよ~」

夏目「……行きたかったって、あの遊園地に?」

タキ「私が行きたかったのは、その隣にある子犬や子猫と触れ合えるところなの」

夏目「ああ……あの、動物と触れ合える施設では日本最大級って謳い文句の……」

タキ「うん! 昨日塔子さんから話を聞いてからもう、楽しみでしょうがなくって!」

夏目「……」

夏目(さすがに、やっぱりやめようとか言い出せる空気じゃないな……)

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 00:57:11.83 ID:j2wmcvwG0

夏目(それにしても……タキは、おれと旅行するのは嫌じゃないのか?)

夏目「なぁ、タキ」

タキ「なぁに?」

夏目「タキは……嫌じゃないのか?」

タキ「何が?」

夏目「何がって……おれと旅行に行くことが」

タキ「どうして? 嫌どころか、とっても楽しみよ?」

夏目「でも……泊りがけの旅行、だぞ?」

タキ「あ……」

夏目「ってことは、同じ部屋で寝泊まりするかもしれないのに……」

タキ「あ、えっと……」

タキ「……意識しちゃうと、恥ずかしくなるから……そのことは、なるべく考えないようにしてたの……」

夏目「あぁ……」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:03:15.18 ID:j2wmcvwG0

タキ「で、でもね! ……考えれば考えるほど、恥ずかしくなる上に、ドキドキするけど……でも……でも、まったく嫌じゃないのよ」

タキ「夏目君は……私と一緒じゃ……嫌、かな?」

夏目「い、いやっ、嫌じゃない」

タキ「!」

夏目「あ、えっと……嫌じゃないんだ……男女ペアチケットだって聞いた時……すぐに、タキの事が思い浮かんだくらいだから……」

タキ「夏目君……」

夏目「……」

タキ「……」

夏目「……旅行」

タキ「……うん?」

夏目「旅行、楽しみにしてる……」

タキ「うん、私も」ニコ

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:07:23.21 ID:j2wmcvwG0

――旅行初日――


タキ「わぁ……キレイなホテルねぇ……」

夏目「オープンしたばかりだって、塔子さんが言ってたっけ」

タキ「ますます楽しみね。ねこちゃーん」スリスリ

先生「こ、こら、いい加減離せ! 離さんかぁ!」

夏目「さて、チェックインを……ん?」

タキ「あら? あの子、変わった服装……近くに教会でもあるのかな?」

上条「おい、インデックス! あんまり走ると危ないぞ」

禁書「早くご飯食べ放題のところに行くんだよ!」タタタッ

上条「だから、それは夕飯の時間にならないと始まらないんだって……」

先生(あの者達……何かおかしな力を感じるな……)

禁書「ん?」ジッ

禁書「とーま、変な生き物がいるんだよ!」

先生(変な!?)

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:10:48.35 ID:j2wmcvwG0

禁書「ねぇねぇ、お姉さん、これお姉さんのペット?」

タキ「あ、いや、これは、夏目君の……」

上条「おいおい、他のお客さんに迷惑かけるなよ……どうも、すいませんねぇ」

夏目「あ、いえ」

上条「お?……ひょっとして高校生?」

夏目「あ、はい……夏目貴志、高1です。こっちは同じ学校の」

タキ「多軌透です」

上条「同い年か! 俺は上条当麻ってんだ。こっちはウチに居候してる」

禁書「インデックスだよ」

夏目(外国人か?)

上条「よかった~知り合いに誘われてきたものの、男がオレ一人だけでげんなりしてたんだ。よろしくな、夏目!あと、タキさんも」

タキ「はい!」

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 01:11:03.10 ID:SE09lrmGo
科学とオカルトが交差する時(ry

先生触られたら封印解けるんでないですか
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:12:36.40 ID:j2wmcvwG0

夏目「こちらこそ、どうも。さっきの言い回しだと、上条さんたちは二人だけじゃないんですか?」

上条「同い年だから、タメ口でいいって!オレ達は」

禁書「5人なんだよ! 短髪が誘ってくれたんだよ!」

タキ「短髪?」

上条「おーい、御坂!」

佐天「ほら、御坂さん、呼んでますよ!せっかく、引率の先生を頼むついでっていう口実で誘ったんですからいっぱい話しかけないと」

美琴「う、うん……じゃあ、行ってくる……」タッ

小萌「青春なのですねぇ」

美琴「どうしたのよ?」

上条「コイツが、オレとインデックスをこの旅行に誘ってくれた、御坂美琴だ。あっちが御坂の友達の佐天涙子さん」

美琴「どうも。御坂美琴です。中学2年です」

佐天「どうも~佐天涙子で~す」

上条「で、あっちがこの旅行の引率の月読小萌先生」

上条「保護者がいないと旅行に行けないって困ってた御坂達を見かねて来てくれたんだ。ま、オレとインデックスはそのついでに誘われた感じだな」

美琴(ついでじゃないわよ、バカ……)チラッ

佐天(鈍い、鈍すぎますよ……上条さん……)

小萌「よろしくなのですよ~。旅行中、何か困ったことがあったら、この先生に相談するといいですよ」

夏目・タキ(どう見ても……先生に見えない……)

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 01:20:26.27 ID:j2wmcvwG0

佐天「それで……お二人は?」

タキ「私は多軌透、高校一年生よ。よろしくね~」

夏目「おれは、夏目貴志です。多軌とは同級生です」

タキ「そして、この可愛い生き物が、夏目君のとこのねこちゃんで~す!」

先生「ううぅ……」グッタリ

上条(インデックスの言う通り、変な生き物だな……タヌキか?)

佐天(か、可愛い?)

美琴「か、か……」

佐天「御坂さん?」

美琴「可愛い……!!」

夏目「え?」

タキ「そうでしょう!?」

美琴「あ、あの……抱っこさせてもらえませんか?」

タキ「もちろん!」

先生(おい!)

美琴「う、うわぁ~モフモフしてる……可愛い~」

タキ「そうでしょう!そうでしょう!?」

夏目(初めてタキ以外に先生を可愛いっていう子に会ったな)

タキ「可愛いわよね~」

美琴「は、はい!」

夏目(タキ、嬉しそうだなぁ)フフッ

佐天「……」ジー

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:22:12.80 ID:j2wmcvwG0

佐天「あの、夏目さん、タキさん」

夏目・タキ「?」

佐天「お二人はっ、お付き合いされているのでしょうかっ?」キラキラ

夏目・タキ「え、ええぇぇ!?」

美琴「ちょ、ちょっと佐天さん……いきなりそんなこと聞いちゃ……」

佐天「で、でも、御坂さんも気になりますよねっ? どっから見てもお似合いの美男美女のカップルですもん!」キラキラ

美琴「まあ、気にならないわけじゃないけど……」

夏目「いや、おれ達はその……」チラッ

タキ「えっと……まだ、そんな関係では……ねぇ?」

夏目「あ、ああ……」

佐天(まだ?ってことは……この旅行で?……キャー!!)キラキラ

美琴(二人とも一応意識し合ってはいるんだ……うらやましいなぁ……はぁ……)

上条「くっ……青春しやがって……うらやましいぜ……」

小萌「よしよし、上条ちゃん。泣かないで下さい~」

小萌(上条ちゃんはもっと周りをよく見やがれなのですよ~)

禁書「いい加減お腹がすいたんだよ!」

禁書「とうま!限界なんだよ!」

上条「分かった分かった。じゃあ、どっか軽食がとれるとこでも行くか」

上条「じゃあな、夏目。旅行中、時間が空いたら一緒に行動しような!」

夏目「あ、ああ……」

佐天「タキさんっ!」

タキ「ん?」

佐天「私、お二人の事応援してますっ!」ギュッ

タキ「は、はぁ……?」

佐天「ぜひ、旅行中にゆっくりお話ししましょう!」キラキラ

タキ「え、ええ……」

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:24:42.27 ID:j2wmcvwG0

夏目「……何というか……元気な集団だったな」

タキ「ええ、やっぱり私達って、にぎやかなのは慣れないわね」クス

夏目「そうだな……ははっ」

先生「むむむ……えーい、もう我慢ならん!」

タキ「ねこちゃん?」

先生「好き放題触りおって、あの小娘!」

先生「酒でものまんとやっとられんわ! 私は好きに行動させてもらうぞ!」タタタッ

タキ「行っちゃった」

夏目「やれやれ……」

夏目「じゃあ、さっさと部屋に荷物置きに行こうか」

タキ「ええ、そうね」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:29:37.34 ID:j2wmcvwG0

――夏目・タキの部屋――


夏目「さて、とりあえず、荷物は置いたけど……」

タキ「ええ……」

夏目・タキ(いざ、部屋に二人となると、すごく気恥ずかしい……)

タキ「で、でも……よかったわよね! ダブルの部屋じゃなくて、ツインの部屋で!」

夏目「ダブル? ツイン? ……それってなんだ?」

タキ「あ、えっと……ホテルの二人部屋には二種類あって、この部屋みたいに、一人用のベッドが二つある部屋が、ツインなの」

夏目「へぇ……じゃあ、ダブルってのは?」

タキ「あ、えっと……二人用のベッドが一つ、あるのが、ダブル……かな……」

夏目「なるほどねぇ……って、えぇっ!? そんな部屋の可能性もあったのか!?」

タキ「う、うん……大体ダブルはカップルしか利用しないから、あのチケットがカップル限定なら、ダブルの部屋の可能性も十分あったかなって……」

夏目(と、塔子さん……何て危険なチケットを……)

夏目(というか、タキは、そんな可能性も知ってた上で、一緒に来てくれたのか?……よっぽど、ここの遊園地に来たかったってことか……?)

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:32:02.53 ID:j2wmcvwG0
夏目「知らなかった……タキは結構旅行とか来るのか?」

タキ「そんなに、かな? 小さなの頃はたまに家族旅行に連れてってもらったけど、最近はあんまりね。夏目君は?」

夏目「おれは……実は、学校の行事と西村達との勉強合宿以外では初めてなんだ」

タキ「え……」

夏目「今までは色んなところを転々としてたから」

夏目「旅行に連れて行ってもらえるほど馴染んだ家もなかったし……それに、迷惑をかけるわけにもいかなかったから……」

タキ「夏目君……」

夏目(友人帳絡みで宿泊したことは何度かあったけど……あれを、旅行とは言わないだろうし……)

夏目「だから、今回の旅行、実はかなり楽しみにしてたんだ。タキ……一緒に来てくれてありがとう」ニコ

タキ「あ……」

タキ「わ、私も……夏目君との旅行……楽しみだったよ……?」

夏目「タキ……」

タキ「……楽しもうね、夏目君」ニコ

夏目「あ、ああ……そうだな」

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:35:05.88 ID:j2wmcvwG0

――――


タキ「うわぁ~あっちにはネコがいっぱいで、こっちにはワンちゃん! うさぎのゾーンもあるのね! きゃ~!!」

夏目「ああっ、タキっ!?」

タキ「もふもふもふ~!」

小犬「!?」

夏目(確かに触れていいゾーンだけど、ここまで触れるのは大丈夫なのか……?)

夏目(でも、あんなにうれしそうなタキを止めるのはなぁ……)

小ネコ「みゃぁ~」

夏目(お?こっちは近寄ってきた? おれ、ネコって好きなんだよなぁ~)

夏目「よしよーし」ナデナデ

小ネコ「みゃ~ご」スリスリ

夏目「ははっ、こら、舐めるなってば。くすぐったいぞ!」

夏目「かわいいなぁ~」ニコニコ

タキ「夏目君……」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:37:05.79 ID:j2wmcvwG0

夏目「よしよ~し」

タキ「……」ジーッ

夏目「……どうした、タキ?」

タキ「えっ!? いや、何でもないの……ただ、夏目君が、その……とっても優しい顔をするなぁって……」

タキ「夏目君って、ネコ、好きだったの?」

夏目「あ、ああ……そうだけど?」

タキ「そうなんだ。ねこちゃんと一緒にいる時とは表情が違いすぎたからビックリしちゃった」

夏目「ねこちゃん……って、先生のことか。あれは……ネコじゃないからなぁ……」

タキ「どっちも同じくらい可愛いのになぁ」

夏目「そうか? それに……こういう黒い小ネコを見てると、思い出すんだ」

タキ「?」

夏目「子ネコの姿に化けて、何度もおれを慰めようとしてくれた妖のことを……」

タキ「へぇ……どんな妖怪さんだったの?」

夏目「そうだなぁ……最初に会ったのはおれが小学生の時で――」

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:40:26.76 ID:j2wmcvwG0

夏目「――それで、この前、近くに行く機会があって、そしたら向こうもおれの事を覚えていて――」

夏目「――」

タキ(何だろう……この話だけでも、夏目君が色んな面で苦労してきたのがわかって……でも、それだけじゃなくて……)

タキ(中には心優しい妖怪さんもいて……でも、妖怪さんにしても夏目君にしても……何だか、切なくて……)

タキ(夏目君がこういう事を穏やかな顔で話せるようになったことが嬉しい……夏目君がこういう事を私に話してくれるようになったことが嬉しい……)

――――

烈火「姫ぇ、危ないから、おれがやるってばー!」

柳「だいじょび! いつも烈火くんに頼ってばかりではいられませんよーだ」

烈火「まったく……変なとこで姫は頑固だよなぁ」

夏目・タキ「姫?」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:41:40.72 ID:j2wmcvwG0

タキ「私達と同じくらいの年よね?」

夏目「ああ……でも、姫って……いったい?」

タキ「あの男の子の近くの木、誰かが登ってるみたい」

夏目「ほんとだ。あれが、姫?」

先生「あの二人からも、妙な力を感じるな」

夏目「わぁっ、先生っ!? いつのまに!?」

タキ「」ガシッ

先生(タキめ……一瞬で抱きかかえおって……)

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 01:44:11.68 ID:j2wmcvwG0

先生「酒の場所は目星をつけたからな。一旦戻ってきた。夏目、あの二人組に近づくぞ」

夏目「なにかあるのか?」

先生「それは、行って見んとわからん」

夏目「はぁ……? じゃあ、行くか、タキ」

タキ「ええ」

柳「きゃあっ!?」

烈火「姫っ!?」ガシッ

烈火「ふぃーっ。危ねぇなぁ~だから、おれがやるって言ったのに……」

柳「でも、烈火くんなら、助けてくれるって信じてたもん」

烈火「それを言われると弱いよなぁ……」

夏目(なるほど……木の上のネコを降ろそうとしてたのか……)

柳「この子……足怪我してる……よーし!」パアァァア

烈火「あ、おい! 姫!?」

夏目「傷が治った!?」

柳「え?」

夏目「あ……」

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 01:47:38.16 ID:j2wmcvwG0

烈火「まいったなぁ……姫、力を使うときはもっと周りに気を配りなさい」

柳「えへへ……でも、きっと、この人達は大丈夫だよ!」

烈火「まあ……確かに凶悪な気配は感じねぇな。変なタヌキ抱えてるし」

先生(タヌキだと!?)

烈火「おれは花菱烈火、高1だ。ここには旅行で来てんだ」

柳「佐古下柳でっす。烈火くんとは同級生です」

夏目「あ、えっと、夏目貴志、おれも高1」

タキ「多軌透、私も高1です」

烈火「おお、そうか!お前も同い年なのか!よろしくな!」バシバシ

夏目「ど、どうも……」

夏目(元気な人だなぁ……)

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 01:50:04.59 ID:j2wmcvwG0

タキ「あの、柳さん、さっきのって……」

柳「あ、え~っと……この際だからもう話しちゃっていっかなぁ」

柳「私、傷を癒やす力があるの。あ、他の人にはナイショだよ」

柳「これ、他の人に話すと変な子だって思われちゃうから……」

夏目「え……」

夏目(この人も他人と違うことで苦労してきた人なのか……でも……)

夏目「そんな秘密を簡単に打ち明けていいんですか?」

タキ「夏目君……」

柳「うーん……何となく、話しても大丈夫な気がしたの!」ニコ

28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 01:55:38.26 ID:j2wmcvwG0

烈火「ま、姫はその力のせいで、とっくにヤバイやつから目を付けられてるから、今さら隠す必要もないか」

夏目・タキ「え……」

烈火「そんな奴らから姫を守るのがおれの役目じゃ!」

夏目「あの……姫って言うのは……?」

烈火「おれ、忍に憧れてんだ。忍ってのは尊敬する主君に仕える者。おれが守るべき主君として選んだから、“姫”なんだ」

タキ「へぇ……何かちょっと素敵かも……」

夏目(そうなのか?)

柳「私は、私のせいで烈火くん達が傷つくのは見たくないんだけどなぁ……」

烈火「心配すんなってば、姫! 水鏡達もいるし、おれにはあの力もあんだ」

夏目「あの、力?」

烈火「お?……この際だから見せちまうか!」ニカッ

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 01:58:59.38 ID:j2wmcvwG0

烈火「竜之炎弐式 崩」ボッ

夏目(なっ!? 炎の竜が出て火の球になった!?)

タキ(綺麗……)

烈火「これが、おれの力。七匹の炎の竜が司る七種類の炎が扱えんだ。おれはこの力で姫を守る」

烈火「ま、ほんとは八匹なんだけどな。まだ、使えてねぇんだ」

夏目(この力も、初対面の相手に簡単に話せるようなことじゃないはずなのに……)

夏目(いや、信じているのか……柳さんは烈火さんが必ず守ってくれると。烈火さんは自分の力で柳さんや周りの人を守りきれると……)

夏目(おれも、自分自身に力があれば……素直に秘密を話せるようになるのだろうか?)

夏目(妖怪から塔子さんや滋さん、田沼やタキを守りきれるだけの力が……)

タキ(夏目くん……?)

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 02:09:01.79 ID:j2wmcvwG0

烈火「んじゃ、姫、そろそろホテルに戻るか」

柳「うん!」

烈火「夏目達の宿泊先はどこなんだ?」

タキ「あ、あそこの新しいホテルですよ」

烈火「お、同じホテルじゃん! んじゃ、後で遊びに行くからな! じゃあな~」

夏目「あ、はい……」

先生「……」

夏目「何か……すごい人達だったな……」

タキ「ええ……」

先生「……」

先生「あの小僧が出した竜……おそらく、元は人間だな」

夏目・タキ「!?」

31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 02:09:55.07 ID:j2wmcvwG0

先生「成仏できずに現世を漂う霊と同種の気配を感じた」

先生「恐らく、あの小僧は、竜達の生前の無念を晴らす必要があるのだろう」

タキ「そんな……烈火さん、確か竜は八匹だって……」

先生「ということは、あの小僧は八人分の悲願を背負っておることになるな」

タキ「そんな……私と同い年なのに、そんな者を背負ってる人がいるなんて……」

先生(まぁ、そんな言い方をすれば、人と妖の違いこそあれ、夏目も、友人帳に名前が載った妖全てを背負っていると言えなくもないがな……)

夏目(ダメだ……やっぱり、今のおれじゃ、タキに全てを話すことなんてできない……余計な心配をかけるだけだ……)

夏目「タキ……おれたちもそろそろ戻ろうか?」

タキ「う、うん……」

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 02:11:46.05 ID:j2wmcvwG0

――――

打ち止め「たくさんの動物に囲まれて幸せって、ミサカはミサカは子犬に頬ずりしてみたり」

一方「チッ、何でおれがガキのお守りではるばるこんなとこまで来なきゃいけねェんですかァ」

打ち止め「そんな顔してたらワンちゃん達が怖がっちゃうよってミサカはミサカはあなたをなだめてみたり」

一方「……」

打ち止め「もしかして子犬に嫉妬してるの?ってミサカはミサカは核心をついてみたり」

一方「はっはいィィィ? な、ななな何言っちゃってるンですかァ!?」アセアセ

打ち止め「えへへ~」

一方「……」

陽炎(……)

陽炎(影界玉で烈火達を見守ってたら、何だか危ない子を見つけてしまったようね……)

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 13:23:06.89 ID:j2wmcvwG0

――夕食時――

タキ「ねこちゃん、また出て行っちゃったけど、大丈夫かしら」

夏目「大丈夫だろ。むしろ、この辺の力の弱い妖が心配だよ」

タキ「ふふっ。普段のねこちゃんの姿からは想像も出来ないけどなぁ」クスクス

佐天「あ、タキさんと夏目さん!」

タキ「えっと、佐天さん……?」

佐天「はい! もしよかったら、夕飯一緒にどうですか?」

タキ「せっかくだから、ご一緒する?」

夏目「そうだな……」

夏目(こういうのは苦手だけど……まあ、旅行中くらいいいか……)

佐天「私達の席はあそこなので、料理を取ったら来て下さいね」

タキ「分かったわ」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:24:25.11 ID:j2wmcvwG0

タキ「じゃあ、夏目くん、料理を取りましょ」

夏目「ああ。でも、種類が多くて迷ってしまうな。これが、バイキング形式ってやつか」

タキ「うん。夏目君は初めて? 私、バイキングって好きなのよね~。この料理を選んで盛り付ける時が楽しくって」

夏目「うん、初めてなんだ。確かに、料理を選べるのっていいな」

夏目「それにしても……先生を連れてこなくてよかった」

タキ「どうして?」

夏目「準備された料理を食べつくしてしまう」

タキ「ふふっ。無くなってもちゃんと補充されるから大丈夫よ」

夏目「そうなのか? 意外と考えられてるんだな……バイキング」

タキ「ふふっ。夏目くん、ほんとに初めてなのね。何だか子供みたいで可愛い」クス

夏目「なっ!? タキ、もしかして……バカにしてるのか?」

タキ「ううん、そんなことないわよ。ただ、ちょっといつもとは違う夏目くんが見られて嬉しくって。夏目くん、ご飯は食べるわよね」

夏目「あ、ああ……」

タキ「はい、どうぞ」ニコッ

夏目「ありがとう」

タキ「じゃあ、みんなのとこへ行きましょっか?」

夏目「ああ」

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:26:45.89 ID:j2wmcvwG0

タキ「おじゃましまーす」

上条「おおっ!よく来てくれた!」

夏目「どうも」

佐天「お二人はこちらへどうぞ~!」

タキ「はーい」

佐天「お二人とも、先ほどは見させてもらいましたよ~?」ニヤニヤ

夏目・タキ「?」

佐天「夏目さんにご飯をよそって渡すタキさん。何だか新婚さんみたいでした」キラキラ

夏目・タキ「な、ななな……」

小萌「こら、佐天ちゃん。あんまり二人を困らせちゃいけないのですよー!」

佐天「いえ、そんなつもりは……ただ、お二人が素敵だったので!」キラキラ

小萌(やれやれ……恋に好奇心旺盛なお年頃だから仕方ないのですかねー?)

小萌「それに、ご飯をよそうのなら、先生も上条ちゃんに先ほどよそってあげたのですよ」

佐天「いえ……あれは……」

佐天(妹がお兄ちゃんによそってあげてるようにしか見えなかった……)

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:29:34.69 ID:j2wmcvwG0

烈火「お、夏目達? 大勢で賑やかだな~」

夏目「あ、烈火さん」

烈火「おれ達も一緒にいいか? 姫もその方がいいよな?」

柳「うん!」

佐天(これまた恋バナの予感!!)

佐天「どうぞどうぞ!」

夏目(これで、少しは話の矛先が変わるといいけど……)

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:33:05.52 ID:j2wmcvwG0

上条「夏目達は二人で一部屋なんだよな?」

夏目「あ、ああ……もらったチケットがカップル向けで、それにここは、家族とかカップル向けのホテルで部屋は二人からだって……」

上条「そうなんだよなぁ……それでこっちも面倒なことに……」

夏目「面倒?」

上条「それが、二人と三人で別れるはずが、揉めてしまって……」

夏目「どうして?」

上条「インデックスはおれの部屋に居候してるから、おれとインデックスの二人と残りの三人とで別れればいいって言ったら……」

上条「“先生は引率で来ている以上男女の同室宿泊を放置出来ません”とか」

上条「“せっかくの旅行ですから、普段と違うメンバーがいいですよ。ここは御坂さんと上条さんが親交を深めるべきです”とか」

上条「“アンタをほっておくと何をしでかすかわからないから私が見張る!”とか」

上条「結局……家族向けの大きな部屋で、五人一部屋に……」

夏目「うわぁ……」

上条「不幸だ……」

烈火「似たような状況なら、おれの時は全員で朝までトランプとかゲームで騒いだっけな~」

烈火「まあ、あの時は男女あわせて常に7、8人以上はいたけどな」

烈火(しかも非合法の武闘会に参加するようなメンバーだったけどな)

上条「なるほど……」

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:35:19.94 ID:j2wmcvwG0

――――

佐天「お二人で一緒の部屋ってドキドキしないんですかっ?」キラキラ

柳「えっと……あんまり、考えたことない、かなぁ? それに、少し前にしばらくみんなでホテルで生活したこともあったから……」

佐天「そうなんですか!? タキさんは?」

タキ「私は……その……考えるとドキドキするから……なるべく考えないようにしてるの……」

佐天「キャー!! タキさん、乙女!!」

タキ「もう……あんまりからかわないでよ」

柳「で、でも……今、タキちゃんがスッゴク可愛く見えたよ……」

タキ「柳さんまで……やだなぁ、もぅ……」カァァア

44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:36:13.38 ID:j2wmcvwG0

――――

小萌「御坂ちゃん、上条ちゃんは鈍感ですから、どんどんアタックしないと進展しませんよ」

美琴「そうなんですけど……いざアイツの前に行くと……思わずキツクあたっちゃって……」

小萌「そうですね~まずは、この旅行中に上条ちゃんの前に立っても普段通りに振舞えるようになりましょう」

美琴「小萌先生……」

小萌「大丈夫。先生がついているのですよ~」

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:37:46.98 ID:j2wmcvwG0

――――

烈火「上条、おれにいい考えがある」フフン

上条「え?」

烈火「ちょっと待ってな」ダッ

上条「何だ?」

夏目「さぁ?」

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:43:21.24 ID:j2wmcvwG0

――

烈火「バッチリだ」

上条・夏目「?」

烈火「みんな、ちっと聞いてくれ」

全員「?」

烈火「旅行って、早めに寝て次の日に備えてぇヤツもいれば、遅くまで騒ぎてぇヤツもいると思うんだ」

烈火「おれ個人としてはせっかく旅先で一緒になったんだ。一緒に騒がねぇ手はねぇと思ってる」

烈火「運のいいことに、おれら三組とも同じ日程で旅行に来てるみたいだ」

烈火「そこで、ホテルの人に、小さな宴会用のスペースの使用許可をもらった!しかも4日間続けてだ!!」

佐天・小萌・柳「おぉ~!!」

烈火「夜騒ぎたいヤツはどんどん来てくれ! ゆっくり休みたい奴も、途中で抜ければいいからどんどん利用してくれな!」


――――

烈火「これで、部屋に居辛かったらおれらんとこに来ればいいし、休みたかったら隙を見て部屋に戻って即寝したらいいんじゃねぇか?」ニカッ

上条「おぉ……!!神様!!!」

烈火「とまぁ……ちょっと強引な手段使ったけど、実際の所、おれ自身の為でもあんだ……」

夏目「え?」

烈火「いや……姫と二人きりで旅行なんてのは初めてで……部屋に二人でいると落ち着かなくてよ……」

夏目「あぁ……なるほど……」

夏目(そういうとこはおれと変わらない高校生なんだなぁ……)

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:51:09.16 ID:j2wmcvwG0

――夏目・タキの部屋――

夏目(ふぅ……大きなホテルだけあって、広い浴場だったなぁ)ポカポカ

夏目(タキはまだ戻ってきてないのか。あと先生も)

夏目(それにしても……不思議な気分だな。タキと旅行に来て、不思議な力を持った同い年の男女に会って)

夏目(今日の朝まで全く接点のなかった他人同士だったのに、一緒にご飯を食べたり……)

夏目(おれは今まで余計な事を考えすぎていたのか……?)

夏目(烈火さん程は無理でも、塔子さんや田沼達、そしてタキには、もう少し打ち明けてもいいのだろうか……?)

ガチャ

タキ「あら、夏目くん、戻ってきてたのね」

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:54:27.76 ID:j2wmcvwG0

夏目「あ、ああ。お風呂、どうだった?」

タキ「とっても広くって、色んな種類のお風呂があって最高だったわ! 男の子の方もそうだった?」

夏目「ああ。少なくとも今まで入ったお風呂の中では一番広かったな」

夏目(当然といえば当然だけど……タキも備え付けの浴衣なんだよな)

タキ「はぁ~。いいお湯から上がると眠くなってきちゃうわねぇ」ポフッ

夏目(浴衣のままベッドに飛び込んだ!? 浴衣だからあんまり隠せてない!? いや、見るな見るな!!)プイッ

タキ「ふわぁ~ベッドがつるふかだぁ~ねこちゃんみたい~」

夏目(せ、先生はまだ戻らないのか!? あ、そうだ、烈火さん達のとこに!)

夏目「な、なぁ、タキ」

タキ「んん~? なぁに?」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 13:57:00.64 ID:j2wmcvwG0

夏目「少しだけ烈火さん達のところに行って見ようかと思うんだけど、タキはどうする?」

タキ「あら、じゃあ、私も行くわ」

タキ「でも、どれくらい起きてられるかなぁ?」

夏目「今日は移動で疲れたから、そんなに長居するつもりはないよ。タキが途中で戻りたくなったらいつでも言ってくれ」

タキ「分かったわ。ふふっ」

夏目「どうしたんだ?」

タキ「あ、その、何だか今日から5日間、この部屋が私と夏目くんの家みたいで……一緒に暮らすって……こんな感じなのかなって……」

夏目「なっ……!?」

タキ「あ、ああぁ~……どうしてこんな事言っちゃったんだろ……恥ずかしくなってきちゃった……」

夏目「う、うん……」

夏目・タキ「……」

夏目「と、とりあえず、出発しようか?」

タキ「うん……」

50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 14:01:29.77 ID:j2wmcvwG0

――――

烈火「おぉ、よく来たな~」

夏目「どうもって……なんか……もうすでに混沌としてる……」

――――

小萌「だからですねぇ~、上条ちゃんはもっと周りに目を向けてですね~」

上条「分かったから、先生、もう飲みすぎだって……」

――――

佐天「柳さんは、烈火さんとはどこまでいったんですか?」キラキラ

柳(どこまで行った?……今日の話かな?)

柳「今日はわんちゃんを抱っこできるところまで行ったかなぁ。次は芸をしこむのだ」

佐天「あー、そうじゃないですっ!」

――――

美琴「うう……アイツに話しかけるチャンスなのに……」

禁書「短髪! お菓子食べ放題なんて食べないともったいないんだよ!」バクバク

――――

烈火「あー……上条の先生が酒を飲み始めてから、こんな感じだ」

タキ「えぇっ!? お酒を飲んだんですか!?」

烈火「いや、酒飲んでんのは上条の先生だけだぞ」

夏目「あぁ、なんだ……」

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 14:18:17.65 ID:j2wmcvwG0

烈火「せっかく来たんだ。ここ座るか? 食べ物はその辺のお菓子適当に食ってくれ。飲み物は、コーラでいいか?」

夏目「ええ」

タキ「ありがとうございます」

佐天「タキさーん!」ガバッ

タキ「きゃぁっ!? 佐天さん!?」

佐天「一緒にガールズトークしましょうよぉ!」グイグイ

タキ「え? えぇ~?」

夏目「あ、タキが一瞬で連れて行かれた……」

烈火「ははっ元気な子だよなぁ」

烈火「……それにしても」

夏目「?」

烈火「お前らってほんと落ち着いてんなぁ」

夏目「? おれとタキのこと?」

烈火「ああ。ま、今までおれの周りにいたのが賑やかなヤツらばっかだから余計そう思うんかもな」ニッ

夏目「確かに、烈火さんの周りは賑やかそうだな」クス

烈火「おお! 自慢じゃないが騒がしいぞ!水鏡ってやつ以外は馬鹿ばっかだけどな!」

夏目「ははっ」

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 14:22:00.78 ID:j2wmcvwG0

烈火「――」
夏目「――」

タキ(夏目くんがあんなに楽しそうに笑ってる……珍しいなぁ……)

佐天「たーきさんっ」

タキ「え?」

佐天「見ましたよ~。今、夏目さんのことじーっと見てましたよねぇ~」ニヤニヤ

タキ「あ……いや、多分、佐天さんが思ってるようなことじゃないわよ……」

佐天・柳「?」

タキ「夏目くんってね、いつも周りの事ばかり考えてるの」

タキ「周りに迷惑をかけないように、周りの人が傷つかないようにって……」

佐天「?」

タキ「だから、何かやっかいなことに巻き込まれそうになったら、その問題を一人で抱え込んでなるべく一人になろうとするの……」

タキ「そして、その問題が解決したら、ようやく私達の日常に戻ってくるの。何があったかは決して誰にも言わずに……」

柳「……」

タキ「そんな人だから、あんまり人と積極的に関わろうとしないというか……あんまり、感情を出さないの」

タキ「だから、そんな夏目くんが、今日会ったばかりの烈火さんと笑い合ってるのが珍しくて、嬉しくて、でも、ちょっぴり悔しくて」

柳「タキちゃん……でも、私は夏目くんの気持ち、ちょっとわかるなぁ……」

タキ「え?」

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 14:25:50.72 ID:j2wmcvwG0

柳「私もね……私も、“自分のせいで”いつも烈火くん達を危険な目に巻き込んじゃってね」

柳(ほんとは今もだけど……)

柳「最初は、とにかく、自分のせいで烈火君達が傷つくのが嫌で、原因になってる自分が嫌で、消えちゃいたいって思ってたの」

柳「大好きで、大切な人達だったから、なおさらそう思ったの……」

タキ「柳さん……」

柳「でもね、途中から、ただメソメソ泣いても何にもならないって思って、それからは、自分にできることをやろうと思ったの」

柳「とにかく烈火くんの傍を離れないようにしたり、傷ついたら癒やしたり、悪い人のいいなりには絶対にならなくて、力になれることは何でもして……あぁ、何だか話がそれちゃったね」

タキ「いえ……」

佐天(癒やしたり!?)

柳「とにかく、その、巻き込んで傷つけるのを怖がってるってことは、夏目くんが、タキちゃんの事を大好きで大切に思ってるってことなんだと思うよ」ニコ

タキ「そう……なのかな……」

佐天「むむむ……」

タキ・柳「?」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 14:27:02.01 ID:j2wmcvwG0

佐天「分かりましたっ! 大丈夫です。タキさん! 私に任せて下さい!!」

タキ「え?」

佐天「夏目さん!」

夏目「うん?」

佐天「明日は一日、タキさんと一緒に“二人で”遊園地で楽しんで来て下さい」

タキ「えぇぇ!?」

夏目「遊園地って……ここのメインの施設のおっきなやつか。タキ、行きたかったのか?」

タキ「う~ん? ええと……うん?行きたかった?の、かな?」

夏目「そっか……明日の予定まだ決めてなかったもんな……じゃあ、行こうか」

佐天(よしっ!!)

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 14:28:53.42 ID:j2wmcvwG0

夏目「楽しみだな、タキ」ニコッ

タキ・佐天・柳・美琴(ッ!?)

タキ「う、うん……」

佐天(キャー!? 何、今の爽やかな笑顔!? 天然ジゴロだ!!何だか夏目さんの後ろにキラキラしたオーラが一瞬見えた!!!)キャーキャー

柳(タキちゃんに感情移入しすぎて一緒になってドキッとしちゃったよ……)ドキドキ

美琴(ああ……タキさんも苦労してるのかなぁ……)

烈火(一気に四人の女の子を赤面させるとは……)

佐天「じゃ、じゃあ、そうと決まれば、お二人は明日に備えてゆっくり休んで下さい!」

夏目・タキ「え?」

佐天「さあ、さあさあ」

夏目「あ、ああ……じゃあ、戻るか。タキ?」

タキ「う、うん……」

上条「ああっ!? おれまだ夏目と話してないのにっ!」

佐天(上条さんは御坂さんと話してあげて下さい!!)

小萌「こらぁっ、かみじょうちゃん、せんせいのはなしをきいてますかぁ?」グイグイ

上条「不幸だ……」

美琴「仕方ないわねぇ……」

上条「御坂?」

美琴「とりあえず、先生だけ、いったん部屋に連れて行きましょう。ほら、ぼけっとしないで、そっち側支えて」

上条「あ、ああ……ありがとな……」

御坂「あ、あんたのためじゃないでしょうが……」

佐天(おお?)

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 14:55:19.87 ID:j2wmcvwG0

――夏目・タキの部屋――

夏目「ふわぁ……流石に疲れたな。今日はすぐに眠れそうだ」

タキ「ええ、そうね……」

夏目「タキ」

タキ「なぁに?」

夏目「言ったら笑われそうで言わなかったけど……実は、けっこう楽しみにしてたんだ」

タキ「え?」

夏目「遊園地ってあんまり行った事なくて……だから、ありがとう、タキ」

タキ「夏目くん……」

夏目「明日、楽しみだなぁ~」

タキ(何だか可愛い)クス

タキ「うんっ。私も楽しみよ」

タキ(はしゃいでる夏目くんも珍しいな)

夏目「じゃあ、今日はもう寝るか。おやすみ、タキ」

タキ「おやすみなさい」

57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 15:08:33.70 ID:j2wmcvwG0

――旅行2日目――

タキ「広い駐車場ね~」

夏目「この辺じゃ一番広い遊園地らしいからな」

タキ「ねこちゃん、結局帰って来なかったね」

夏目「ああ。でも、どうせこの辺の妖怪と朝まで宴会でもしてたんだろ……ん?」

タキ「どうしたの?」

夏目「あの、駐車場の隅の崖になってるところ……」

タキ「? あの、山を垂直に削り取ったみたいに土がむき出しになってるところ?」

夏目「あぁ……なんで、あんなところに鳥居が?」

タキ「? どこ? 鳥居なんてどこにも……」

夏目(タキには見えてない? ってことは、あれは、そういうものなのか……?)

夏目「悪い、タキ、忘れてくれ……」

タキ「う、うん……」

タキ(……)

58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 15:32:41.58 ID:j2wmcvwG0

タキ「人は多いけど、超満員ってほどでもなさそうね」

夏目「そうなのか!? こんなに人がいるのに」キョロキョロ

タキ「ええっ。これならそんなに順番待ちしなくても良さそうだわ」クスクス

夏目「へぇ~」ウズウズ

タキ(いつも見ていないと分からないくらいだけど、夏目くん、早く遊びたそうにしてる)クス

タキ「じゃあ、最初は何に乗る?」

夏目「えっと……そうだなぁ……どんなのがあるんだ?」

タキ「だったら、最初はアレに乗りましょう」

夏目「え? 観覧車?」

タキ「観覧車から園内を見まわして、実際に夏目くんが乗ってみたいと思うものを探しましょう」ニコ

タキ「この時間帯なら待ち時間無く観覧車にのれるはずだから」

夏目「なるほど……そういう方法もあるのか」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 15:44:37.79 ID:j2wmcvwG0

観覧車内

夏目「広いなぁ」

タキ「ええ。だからこそ、乗りたいものを優先して乗らないとね」

夏目「お、あの船が振り子みたいに動くやつ楽しそうだ」

タキ「一つ決まりね。その隣に一回転するヤツもあるわよ?」

夏目(一回転って……落ちないのか?)

夏目「あの一人で上から吊られたイスに乗って回転するやつもたのしそうだなぁ」

タキ「私もあれ、大好きだったわ。子供が一人で乗れる種類の遊具の中では一番スリルがあるのよねぇ」

夏目「え? あれ、子供用なのか?」

タキ「ううん。大丈夫よ。ブランコに体が入りさえすれば誰でも乗れるわよ。後で乗りましょうね」

タキ(といっても、あんまり大人は乗っていないけれど……)

夏目「楽しみだなぁ」

タキ(夏目くんが楽しそうだから内緒にしておこうかな)クスクス

夏目「あの水に突っ込んでるやつは……」

タキ「ああやって水に飛び込むときのスピードと衝撃と水しぶきを楽しむの」

夏目「濡れないのか?」

タキ「座席によってはかなり濡れるわね。そのためにカッパを販売してたりするのよ」

夏目「へぇ……いろいろあるんだなぁ……」

タキ「とりあえず目についたものに一通り乗って見ましょうか」

夏目「ああぁ!」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 15:57:30.35 ID:j2wmcvwG0

――――

タキ「結構スムーズに乗れたわねぇ。夏目くん、大丈夫?」

夏目「あ、ああ……でも、ちょっと回転するやつに乗りすぎたな……」

タキ「少し早いけど、休憩ついでにお昼ご飯にしましょうか」

夏目「あ、ああ、そうしてくれると助かる……」

――

佐天「中々いい感じですけど、もうひと押し欲しいですねぇ」

美琴「あの、佐天さん……尾行とかはやめたほうが……」

佐天「やだなぁ御坂さん、たまたま、あの二人と私達の行き先が同じだっただけですよ!」

美琴(眼が輝いてる……)

上条「くっ……青春しやがって……」

佐天(この人は……)シラー
美琴(こいつは……)シラー

小萌「先生はもう何も言いませんよー」

禁書「とーま、あの売店のメニューを全部注文するんだよ!」

佐天「えーっと、もっとあの二人が接近できるイベントは……そうだ!」カキカキ

御坂「佐天さん? 何を書いてるの?」

佐天「これを……えいっ」ポイッ

パシッ

タキ「あいたっ」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 16:01:23.87 ID:j2wmcvwG0

夏目「どうした!? タキ!?」

タキ「何かが頭に……これは、丸められた、紙……?」

タキ(何かしら……紙が二枚ある?一枚目は……行き先リスト?)

タキ「夏目くん、これ……」

夏目「えっと? 行き先リスト?……ミラーハウス、お化け屋敷、ジェットコースターそれから色々まわった一番最後に観覧車?」

夏目「ずいぶん計画的な人がいるもんだな」

タキ(もう一枚は……え?……これって……)

“ミラーハウスで手をつないで、お化け屋敷でそれとなく腕にしがみついて、ジェットコースターを降りてから思いっきりもたれかかる。最後は観覧車で二人っきりでラブラブです!”

タキ(な、ななな……まさか、あの子達が見てるの?)キョロキョロ

夏目「どうした? タキ?」

タキ「い、いえ、何でもないわ」

夏目「顔が赤いけど、大丈夫か?」

タキ「え、ええ……」

夏目「まあ、この気温だもんな……そうだ、あそこに行って見ないか?」

タキ「南極体験ゾーン……す、涼しそうね」

タキ(あそこってかなり寒いのよね……でも、夏目君が行きたいなら……)

タキ「次はあそこに行きましょうか」

タキ(ごめんね、佐天さん。でも、今日は夏目くんに楽しんでもらいたいから)

佐天「あぁっ!? あっちには私が書いておいた施設はないのに!?」

美琴「ま、まあまあ、あの二人に好きにさせてあげましょうよ」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 16:02:30.67 ID:j2wmcvwG0

――――

タキ「涼しいわね~」

夏目「ああ。でも、こんなに涼しいのにあんまり人がいないな……なんでだ?」

タキ「あー……たぶん、もう少ししたら分かると思うわ」

夏目「?」

5分後

夏目「さ、寒い……」

タキ「涼むにはちょっと、いや、かなり寒すぎるのよね」

夏目「夏の服装だと耐えきれない寒さだな……」

タキ「でも、出口に着いたら暖かいって思えるのよ」

夏目「なんだか本末転倒な話だな……」

タキ「た、確かにそうね」ブルブル

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 16:03:25.46 ID:j2wmcvwG0

ミラーハウス――

夏目「鏡の迷宮ってこういうことか……確かにこれは迷うな」

夏目「アイタッ」ゴンッ

タキ「大丈夫!?」

夏目「あ、あぁ……」

タキ「慎重に進みましょう」

タキ「多分、こっちだわ」グイッ

夏目(先導されてる……)

お化け屋敷――

夏目「一応来てはみたけど……」

タキ「私達がお化け屋敷に来ても……ねぇ?」

夏目「まぁ、でも……おれがいつも見てるのは幽霊じゃなくて妖怪だから。こんなグロテスクなやつはあんまり見ないから新鮮だ」

タキ「こんな? え、夏目君? どれのこと?」

夏目「え? ほら、ここに、顔が血まみれの……」

タキ「えっと……ごめんなさい……見えないわ……」

夏目「ってことは……?」

夏目・タキ(本物っ!?)

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 16:06:33.45 ID:j2wmcvwG0

ゴーカート――

夏目「これ……自分で運転するのか?」

タキ「ええ。楽しそうでしょ?」ニコッ

夏目「二人乗りもできるんだよな……?」

タキ「もちろん」

夏目「タキ。一緒に乗ってくれないか」

タキ「え?」ドキッ

タキ「え、ええ……もちろん」

夏目「運転……」

タキ「ん?」

夏目「運転、出来る気がしないから……」

タキ(あ、ああ、そういう事なのね……)

タキ「じゃあ、二人でがんばって運転しましょう」ニコッ

夏目「あ、ああ……」

――

タキ「そろそろいい時間ね」

夏目「そうだな。最後に何か乗らないか?」

タキ「だったら……最後は、アレに乗りましょうか」

夏目「観覧車か。確かに、デートの定番って感じだな」

タキ「え?」

夏目「あ……」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 16:08:54.23 ID:j2wmcvwG0
夏目(しまったな……思わず……タキは全然そんな事思ってないはずなのに……)

タキ「夏目君」

夏目「わ、悪い……タキ、さっきのは……」

タキ「手……繋いでもいい?」

夏目「え……あ、ああ……」



観覧車――

タキ(どうしよう……会話が……)

夏目「……」

夏目「た、タキ、もうすぐ頂上だぞ」

タキ「え?」

夏目「ほら」

タキ「うわぁ、夕日が綺麗……」

夏目「あぁ……」

タキ(さっきまで、顔を見る余裕がなかったけど……夏目君の顔も赤くなってる……)

夏目「タキ……ありがとう……」

タキ「え?」

夏目「タキがいなかったら、ここには来られなかった。こんなに楽しい時間も過ごせなかったんだ……」

夏目「だから、ありがとう、タキ」

タキ「そんなの……全部私のセリフよ。私もすっごく楽しいわ」

タキ「ありがとう。夏目君。あと3日間、もっともっと楽しみましょうね」ニコッ

夏目「」ドキッ

夏目「あ、ああ」

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 16:09:53.29 ID:j2wmcvwG0

――

夏目「遊園地って、楽しいんだな」

タキ「ふふっ。また来ましょうね」

夏目「ああ、また二人で来たいな」

タキ「う、うん……」

タキ(二人で……)ポー

夏目(余計な事言ってしまったか……?)

夏目(そういえば……あの辺にタキには見えない鳥居があったんだよな……)

タキ「あら? あれが、夏目君が言ってた鳥居?」

夏目「え?」

タキ「朝は見えなかったけど、今はハッキリ見えるわ」

夏目「タキにも見えるのか!?」

タキ「ええ……夏目君と、手を繋いでいるから見えるのかな?」

夏目(……)

オーイ オーイ

タキ「? あの鳥居の方から呼ばれてる……?」グィッ

夏目「なっ!? タキ、あんまり迂闊に近づかないほうが……」

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 16:11:30.69 ID:j2wmcvwG0

タキ「この鳥居の裏、小さな洞窟が……」グイッ

夏目「タキ!? 不用意に入っちゃだめだ!」

夏目(タキ、何かに引き寄せられてるのか?)

「燃やしてやる」

夏目「」ゾクッ

夏目「タキっ! 危ないっ!!」

タキ「え?」

ボッ

タキ「あっ、痛っ……」

夏目「タキ! 大丈夫か!?」

タキ「ええ……腕にかすっただけみたい」

夏目「そうか、よかった」ホッ

夏目(あれは……烈火さんが出してた火球に似てたよな?)

夏目「とにかくここから離れよう!」グイッ

タキ「えぇ……」

ズキ

タキ(……痛っ!?)

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/19(日) 20:20:29.13 ID:TiLGDyYZ0
柳がまだ姫と呼ばれてる時と思えば
もう8匹目の火龍は知ってる時なのねww
今後も期待してます

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 22:52:46.12 ID:j2wmcvwG0

夏目・タキの部屋

タキ「何とか逃げ切れたみたいね」

夏目「ああ。でも、あれはなんだったんだろうか……」

夏目(あの炎は、妖の攻撃なのか……?)

夏目(たしかにこの辺りは火山や火にまつわる伝説が多くあるけど……)

タキ「ごめんなさい……何だか鳥居を見てたら、近づかなきゃって気持ちになって……」

夏目「あの鳥居に気付くくらい霊力がある人を引き寄せていたのかもしれない……」

夏目「タキ、腕を出してくれ」

タキ「え……」

夏目「一応、どれくらいの怪我か確認したい」

タキ「えっと、そんなに心配しなくても大丈夫よ」

夏目「タキ、お願いだ」

タキ「分かったわ……ここなんだけど……」

夏目「軽くやけどになってるな」

タキ「ね、大丈夫でしょ?」

夏目「そう、だな……でも、一応治療しないと……」

夏目「……そうだ」

夏目「少し待っていてくれ」

タキ「?」

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 22:56:46.91 ID:j2wmcvwG0

――

夏目(烈火さんは……いないか……)

夏目(あとは、上条達と……居た!)

夏目「あの……」

柳「ふぇ? あ、夏目君、おかえりなさい。えっと……タキちゃんは?」

夏目「その、タキの事でお願いがあるんですけど……」

柳「?」

――

柳「えい」ギュ

タキ「あ」パァァ

柳「これでおっけいだよ」

夏目「あ、ありがとうございます」

柳「いいんだよ? 友達は助け合うものだもんね」ニコ

タキ「ありがとう、柳さん」

柳「どういたしまして。また何かあったら呼んでね」

柳「もしよかったらまた皆のところにおいでよ~ じゃあね~」

タキ「はい!」

夏目(助かった。でも……ほとんど初対面の人を頼ってしまった……)

タキ「夏目君も、ありがとう。とっても楽になったわ」ニコ

夏目「いや、おれは何も……」

夏目(巻き込むだけ巻き込んで、結局、何もできてないよな……)

夏目「……」

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 22:59:22.04 ID:j2wmcvwG0

――

夏目「じゃあ、そろそろお風呂に行ってくるけど、タキはどうする?」

タキ「あ……えっと……私は、今日は……お部屋のお風呂にするわ……」

夏目「そうなのか?」

タキ「ええ……だから夏目君は気にせずに行ってきてちょうだい」

夏目「分かった」

夏目(昨日はあんなに気に入っていたのに……?)

――

タキ「おかえりなさい」

夏目「ん? 今日は浴衣じゃないんだな」

タキ「え、ええ……なんだか少し寒く感じちゃって……」

夏目(でもさすがに長袖は暑いんじゃ……?)

夏目(……長袖?)

74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:01:02.25 ID:j2wmcvwG0
夏目(……)

夏目「タキ……」

タキ「ど、どうしたの? 夏目君? 怖い顔して?」

夏目「正直に言ってくれ」

タキ「な、何のこと? よく、分からないわ……」

夏目「悪い、少しだけ、腕触るぞ」

タキ「ダメッ!!」サッ

夏目「やっぱりさっき怪我してた方の腕か……」

夏目「袖、まくるぞ」グイッ

タキ「……」

夏目「これは……」

夏目(さっき治してもらったはずの火傷が……さっきよりも広がってる……)

75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:05:45.95 ID:j2wmcvwG0

タキ「ごめんなさい……せっかく治してもらったのに、何だかまた……」

夏目「痛むのか?」

タキ「う、ううん……見た目だけだから問題ないわ」ニコ

夏目(額に汗がにじみ出てる……相当痛むみたいだ……)

夏目「もう一回、頼んでくる」ダッ

タキ「あっ待っ……」

タキ「行っちゃった……」

タキ「せっかくの旅行なのに、ごめんね……夏目君……」


――――



夏目「傷がない?」

柳「えーとね……私には火傷があるようには見えないかなって……綺麗な腕に見えるの」

夏目(ってことは……妖関係の呪いか?)

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:07:54.39 ID:j2wmcvwG0

夏目「えっと……お騒がせしてすいませんでした。どうも、ありがとうございます」

柳「えっと~……うん……じゃあ、またね~」バタン

柳(がっかりしてたなぁ……)

柳(一回目の時の火傷、烈火君が特訓のときになってた火傷と似てたかも)

柳(ちょっと気になるなぁ……)


――――


夏目「タキ?」

タキ「私は大丈夫だから、夏目君もみんなの所へ行ってきてもいいのよ?」

夏目「こんな状況で……」
先生「気まぐれに戻ってみれば、またやっかいなことに巻き込まれておるな」

夏目「先生!?」
タキ「猫ちゃん!」ズキ

タキ(う……痛くて抱きしめられない……)

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:09:28.64 ID:j2wmcvwG0

先生「タキが呪いを受けたのか」

夏目「小さな洞窟に入ったら、急に火の球が飛んできたんだ……火傷は治してもらったんだけど……また再発して、しかも広がって……」

先生「火球か。そういえば、火の竜を出す小僧の中にいるヤツと話をしたんだがな」

夏目「烈火さんの!?」

先生「ああ。あいつの中の竜になってるうちの一人が自由に外に出られるとかで、飲み仲間になってやったわ」

夏目「ちょっと待て、その人って人間なんだよな……どうやって先生と打ち解けたんだ?」

先生「なぁに、レイコの姿で歩いておったら、向こうから近寄ってきたぞ」

夏目「……」

タキ(レイコって……?)

先生「で、何でも、あの小僧の中にいるのは“火影”とかいう忍者の面々らしい」

タキ「火影……?」

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:12:34.19 ID:j2wmcvwG0

先生「そいつが言うには、炎を扱える資質を持ったものを代表とする忍者の集団で、不思議な道具を使って戦っておったらしい」

夏目「不思議な道具?」

先生「風を起こす道具や、水を操る剣などがあるらしい。中には重力を操るものもあるとか」

夏目「それ、不思議ってレベル超えてるよな……」

先生「その火影とやらそのものは織田信長に滅ぼされたらしいが、道具とやらは全国各地に散らばっておるらしい」

先生「その不思議な道具の中には禍々しい瘴気を周囲に放ったりするものもあるらしい」

先生「その土地の悪い妖が道具にとり憑いて、あるいはとり憑かれて、人に害を為すことも多々あるらしい」

夏目「じゃあ、タキを襲った火の玉は……」

先生「火を出す道具もあったと言っておった。この辺りの妖がその道具を使って悪さしている可能性もある」

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:21:08.15 ID:j2wmcvwG0

先生「やっかいなのは、道具の力と、妖の呪いとが複合してしまっておることだな」

夏目「だったら、道具と妖、両方を……倒すしかない。先生、力を貸してくれ」

タキ「夏目君……」

先生(ふむ。“倒す”など攻撃的な言葉を始めて口にしたな。珍しく頭に血が上っておる)

先生(まぁた自分のせいとか考えておるのか……これはちょっとよくないな)

先生「力を貸すのは構わん。タキは私の大事なファンだからな」

夏目(数少ないファンだからな)

先生「だが、攻め込むのは日の出を待ってからだ」

夏目「どうして!? タキは今この瞬間も痛みを受けてるんだぞ!」

先生「落ち着け、夏目。今から夜中にかけて、こういった妖の力はどんどん強くなる。明るくなって力が弱まったときを狙ったほうが得策だ」

夏目「でも……」

先生(これで少しは落ち着くといいが……)

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:25:30.42 ID:j2wmcvwG0

タキ「夏目君、私は大丈夫だから……」

夏目「タキ……せっかくの旅行なのに、こんなことに巻き込んでごめん……」

タキ「夏目君……」

先生(また一人で塞ぎこみおって……いや、この場合は二人か)

先生「タキ、夏目に手を握ってもらえ」

タキ「え?」

先生「火傷に見えるのが呪いなら、霊力の強いものが触れることで多少は抑えられる」

夏目「ほんとうか!?」

先生「かもしれん。私は攻め込むための下調べをしておく。タキの力になりたいなら精一杯思いをこめて手を握っててやるんだな」スタスタ

先生(まったく面倒くさいやつらだ。お互いが全部自分のせいだと思い込みおって)

先生(お互いに情が深いというか……まったく。青いやつらめ)

81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:30:26.83 ID:j2wmcvwG0


――――


タキ「あの、夏目君、今日はもうゆっくり休んだほうが……」

夏目「お願いだ、タキ。こうさせていてくれ」ギュウッ

タキ「う、うん……でも、何だか自分だけベッドで寝てるのに、夏目君は椅子に座ったままなんて、ちょっと申し訳ないなぁ」

夏目「怪我人がそんなこと気にしなくていいんだ……全部、おれのせいなんだから……」

タキ「……お願い、夏目君、そんな顔しないで」

タキ「私、夏目君と手を繋いだ時に、鳥居が見えたのがすっごくうれしかったの」

夏目「え?」

タキ「まあ、その結果、はしゃぎすぎて無用心に近づいちゃったんだけど。でも、これで少しは夏目君と同じ景色が見えるかなって……」

夏目「タキ……」

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:48:59.38 ID:j2wmcvwG0

タキ「夏目君は、その力のせいで、私には考えられないくらい大変な目に遭ってきたのかもしれないけど……それでも、その夏目君の力は、人や妖怪さんの色んな想いを伝える架け橋になる、とっても素敵な力だって思うの」

タキ「私も、そんな夏目君の力で救われた一人なのよ」

タキ「だから、そんな辛そうな顔しないで。今だって、夏目君の力のおかげで、腕の痛みも楽になったわ」

夏目「……本当か?」

タキ「ええ。実は猫ちゃんが居た時は会話するのも辛いくらい痛かったんだけど、今はこのまま、今すぐにも眠れそうだわ」ニコ

夏目「そうか……よかった……」

タキ「だから、夏目君……」

タキ「私の傍に居てくれてありがとう。私と出会ってくれてありがとう」

夏目(ッ……)

夏目「タキ……」

タキ「何だか、ずいぶんと恥ずかしいこと言っちゃったわね。でも、本当に思ってることだから」

夏目(どうして……)

夏目(どうしてタキは、こんなに優しい言葉をかけてくれるんだろう……)

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/19(日) 23:51:34.90 ID:j2wmcvwG0

タキ「……」

タキ「」スースー

夏目「ん……タキ?」

タキ「」スースー

夏目「あ……眠ったのか……」

夏目(おれも、妖について話せる人が傍に居てくれることがうれしいんだ……)

夏目(でも、傍に居ると結果として、こんなことに巻き込んでしまう……)

夏目(だから、自分のしたいようにすることが許されるのかわからないんだ……)

タキ「」スースー

夏目(でも、この件に関しては、必ず……)

夏目「タキ、絶対に呪いは解くから」

タキ「」スースー

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:07:22.10 ID:XZcvuoV/0
ここからちょっと烈火の能力が出てきます。
地の文無しなんで、戦闘は何が起こっているのかほとんどわからないと思われます。
特に、烈火を読んだことない方は何が起こってるか全くわからないと思うので軽く紹介しときます。


※烈火は8種類の炎が扱えます。今回出てくる炎についてだけ簡単に紹介すると、

崩:炎の火球を出して飛ばす。いっぱい出せる。あと生前の姿がかわいい

砕羽:炎の刃。アバンストラッシュみたいな位置に刃が出る

焔群:炎の鞭

円:火球を頂点とした立体(十二面体とか)で結界をつくる

虚空:火球からレーザー。一番高火力。生前の姿がじいさんで、コイツだけ烈火の体から出て活動できる


あと、複数の炎を同時に出して合成技的なものもあります。例:崩+虚空→大量の火球からレーザー発射みたいな感じです



描写力が皆無なんでこんな形をとらせていただきました

85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:09:32.72 ID:XZcvuoV/0


――旅行3日目――


夏目(もう空が明るくなってきた)

夏目(じゃあ、行って来る、タキ)バタン

「ふわぁ」

夏目「え?」(ドアの影に人が!?)

柳「あ、夏目君、おはよう」

夏目「柳さん!? ここで何を!?」

柳「あ、えっと、タキちゃんのことが気になっちゃって、ドアの前で待っていたら綺麗な女の子が出てきて、その人に話を聞かせてもらっちゃったりっ」アタフタ

夏目「え?」

夏目(先生がレイコさんの姿で話したのか)

柳「そ、それでねっ、私は何もできないけど、夏目君が出発した後、代わりにタキちゃんの傍に居ようかと思って」

柳「だから、思う存分頑張ってきてね」ニコ

夏目「は、はい!」

夏目(純粋に優しい人なんだな……)

夏目「タキの事、お願いします」

柳「だいじょぶだよ!」

夏目(さて、行くか)

86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:18:01.60 ID:XZcvuoV/0

――――

夏目「先生!」

先生「来たか、夏目。このグレートな私が特別に下調べをしておいてやったぞ」

夏目「何か、分かったのか?」

先生「ふむ。ここに住み着いてる妖がとり憑いた道具は“偽火”というものらしい」

先生「火と書かれた球が嵌め込まれた手甲のようなものらしい。まずはそれを壊して、その後で妖をコイツで封印するぞ」

夏目「これは……タキと始めて会って妖を封じ込めた時に使った……」

先生「そうだ。あの時と同じ、魔封じの鏡だ。使い方は覚えておるな」

夏目「ああ」

先生(本当は私が蹴散らしてもいいんだが、コイツ自身の手で封印させる。少しはタキへの罪悪感も薄らぐだろ)

先生「さっさと片付けるぞ」

夏目「ああ」スッ


???(あれは、夏目? なんだ?崖に向かって……消えていった!?)

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:20:44.35 ID:XZcvuoV/0

――――

夏目「先生、あれ」

先生「ああ、あそこにいるヤツだな。あの台座の上のものが、火を出す道具といったところか」

夏目「ここは、あの道具を封印するための場所ってところか」

妖怪「何者だ!?」

夏目(気付かれた!?)

先生「ふん。この程度の妖、正面から向かっても問題ないわい」スタスタ

妖怪「生意気なタヌキめ。これでも喰らえ!」ボッ

夏目「先生!? 火球がっ」

先生「ふんっ」カッ

夏目(火球が小さくなった……けど、完全には消えてない!?)

先生「何だと!?」

先生「」ジュッ

先生「あちゃちゃちゃちゃ」

夏目「先生……今のは、すごくかっこ悪いぞ……」

先生「うるさい! ……火球が纏った呪いは簡単に消せても、道具が放った火そのものは消せないようだな」

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:31:32.94 ID:XZcvuoV/0

先生「恐ろしい道具があったものだ……本気でかかるぞ」ポンッ

斑「乗れ!夏目!」

夏目「ああっ!」スッ

妖怪「こしゃくな……」ボッボッボッ

夏目(一度に多くの火球が!?)

斑「そんなもの、あたらんわ!」ヒョイ

斑「……」ヒョイヒョイッ

斑(避けるのは容易いが、これでは近づけん……多少の傷は覚悟で近づくか……)ダッ

夏目「先生っ!! 無茶は駄目だ!!」

斑「甘い事を言っておる場合か!」

夏目「でも……」

妖怪「隙だらけだぞ」ボボボ

夏目・斑「な!?」

斑(いかん、避ける先の夏目の位置に火球が!?)

斑・夏目(やられる……!?)

キュィィイン

夏目(え……?)

夏目「火球が消えた……」

上条「ふぅっ。何とか間に合ったか」

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:36:18.65 ID:XZcvuoV/0

夏目「な……」

夏目「なんでこんなところに……」

上条「お前が崖の中に消えていったのが見えたからその辺調べてたら、急に洞窟が現れたんだよ」

上条「入ってよかった。何かやっかいな事になってるんだな。手ぇ、貸すぜ」

妖怪「貴様!? 何者だ!?」ボボボ

夏目「危ないっ!?」

上条「くっ」キュイィィン

夏目(また火球を消した!?)

上条「おい、どっかから攻撃してるヤツ、きかねぇぞ!!この右手は異能の力をすべて打ち消しちまうからな」

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:37:12.42 ID:XZcvuoV/0

斑「ほぉ……」

夏目「すごい……」

上条「でも、敵がどこにいるのかがわからねぇ」

夏目「そうか、妖自体は見えてないのか……」

上条「ん?夏目は、敵の位置が分かるのか? っておわっ!?宙に浮いてるっ!?」

夏目(そういえば、この姿だと先生も見えないんだな)

夏目「敵の姿は分かって封印する方法も知ってる。ただ、火球が邪魔で敵に近づけないんだ」

上条「わかった! じゃあ、指示を出してくれ。お前が近づく道は、おれが切り開く!」

夏目(また、関係ない人を巻きこんでしまった、か)

夏目(でも、今回は、タキの命がかかってるんだ……!!)

夏目「ああ!……頼む!!」

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:42:47.68 ID:XZcvuoV/0


――――


タキ「ん……」

柳「タキちゃん、おはよっ」

タキ「うん……?柳さん……夏目君は?」

柳「さっき出発していったよ」

タキ「そっか……痛っ」

柳「タキちゃん!?大丈夫!?」

タキ「ええ……こんなのは、大丈夫です。でも、」

柳「でも?」

タキ「夏目君が、今、私のせいで戦ってて、しかも、その原因が夏目君自身にあるって思い込んでることが……それが、一番辛いわ」

柳「……」

タキ「力になりたいのに……夏目君の重荷じゃなくて、夏目君を支える力に……」

柳「タキちゃん……」

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:45:20.29 ID:XZcvuoV/0

柳「夏目君が本当に大切なんだね……」

柳「でも、大丈夫だよ」ニコ

柳「出発する時、夏目君、男の子の顔してたもん」

タキ「え?」

柳「男の子が何かを守るために戦う時は、必ずやり遂げるって信じて待っておくんだよ」

タキ「柳さん……柳さんは、強いのね……」

柳「ううん……私も、最初は泣いて、目を逸らしてたの」

タキ「え……?」

柳「烈火君達が私のために命がけで戦ってて、目の前で傷つくところを直視できなくて……」

柳「でも、烈火君のお母さんに言われたの。ただ、信じること。それしか見守る側にはできないって」

柳「だから、私は目の前で起きることから目を逸らさないようにしたの。そして、烈火君が無事に帰ってきたら最初に声をかけるの」

柳「タキちゃんも、夏目君が帰ってくることを信じて、そして帰ってきた夏目君に一言言ってあげればいいんだよ」

タキ「何て……言えば……?」

柳「本当に一言、笑顔でね、お帰りなさいって言うの」ニコ

タキ「っ……」ジワ

柳「分かった?」ニコ

タキ「はいっ……はいっ!」ポロポロ

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 00:48:37.52 ID:XZcvuoV/0

――――

キュイィィン

上条「夏目、このまま真っ直ぐか?」

夏目「いや、右側に移動した」

上条「くそ、またか!?」

夏目(だんだんと近づいてはいるけど、相手がグルグル回りながら移動するばかりで追いきれないな……)

夏目(グルグル?……しまった!?)

妖怪「ばかめ」ニヤリ

妖怪「ひっかかりおって」ボボボボボボボ

上条「何!?」

夏目「周りを火球で囲まれた!?」

上条「まいったな……おれだけじゃ防ぎきれねぇぞ……」

94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:02:28.71 ID:XZcvuoV/0

斑(……)

斑「夏目! 小僧と一緒に私の下に隠れろ!」

夏目「でも、先生が……」

斑「なぁに、私は偉大な妖だからな。こんなもんかすり傷にもならん」

妖怪「試してみるか」ニタァ

妖怪「そぉらっ」ビュッ

ゴォォォオオ

斑(ふん……)

「竜乃炎伍式 円」

ボボボボボ

斑(これは……炎の、結界?)

烈火「姫に言われて来てみれば。よっ、夏目、上条。助太刀すっぞ」

夏目「烈火さん!?」

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:06:19.58 ID:XZcvuoV/0

烈火「でも、おっかしいなぁ~さっきまで、こんな入り口なかったはずなんだけどな~」

夏目(そうか……上条が、この洞窟を隠していた結界を壊したから……)

烈火「うちの先祖が残した道具が迷惑かけてるらしいからな。新生火影忍軍党首として、キッチリ片付けねぇと」

妖怪「次から次へと……」

妖怪「まとめて焼き尽くしてやるわ」ボボボボボボボボボボボボ

夏目(これまでとは比べ物にならない数の火球!?)

烈火「あれは、“偽火”か。何で道具だけなのに悪さしてんだ?」

夏目「妖怪があの道具を使ってるんだ!」

烈火「妖怪!? そうか。夏目はそんなのが見えるんだな。すげぇな!」

烈火「とりあえず、この火球、片付けっか。洞窟が壊れねぇようにだいぶ抑えねぇとな」

烈火「虚空 崩」

ボッボッボッボッ 

シュンッ

妖怪「なっ!?」

夏目(炎のレーザー!? すごい、全部の火球を一瞬で蹴散らした)

96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:07:57.60 ID:XZcvuoV/0

――――

ドオオオン!

打ち止め「どこかで花火でもやってるのかなって、ミサカはミサカはアナタに問いかけてみる」

一方「あァン!? 昼間から花火なンかやるかよ」

一方(確かに騒々しいが……何なンですかぁ!?)

一方(確かに……ヤな気配がしやがるぜェ)

一方「おい」

打ち止め「ん?」

一方「はぐれンじゃねェぞ」

打ち止め「!? ハイッって、ミサカはミサカは元気よくアナタに抱き着いてみたり」

一方(ッ!?)

一方(何だ何だなンですかァ!?)

97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:16:13.31 ID:XZcvuoV/0

――――

烈火「とりあえず全部吹き飛ばしてみた」

妖怪「ひっひぃっ」

妖怪「来るなぁっ」シュイン

夏目「相手が結界を張った!」

斑「往生際の悪いやつめ」

上条「夏目、どっちだ?」

夏目「そのまま真っ直ぐ」

上条「オーケー!」キュイィィン

斑「結界が消えたな。一気に詰めるぞ!」

98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:17:45.90 ID:XZcvuoV/0

妖怪「まだ、私にはこの道具が……」

烈火「焔群 砕羽」

夏目(こんどは炎の……鞭?剣?)

パキッ

夏目「道具が壊れた!」

斑「今だ、夏目!」

夏目「ああっ!“陰なる者よ 静かなる眠りに 光を見つけよ!”」バッ

妖怪「ぐ、グワァアァァアアアアア」

妖怪「アアアアァァァァァァァァァァ……」

「……」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:20:34.14 ID:XZcvuoV/0

夏目「ふぅっ……」

上条「やった、のか……?」

夏目「ああ……本当にありがとう……そして、巻き込んですまない」

上条「何言ってんだよ。おれは自分からここに来たんだ。巻き込まれたなんて思うかよ」

夏目「それでも、ありがとう……烈火さんも」

烈火「気にすんなって……というか、どっちかっつーと、こっちが巻きこんだんだよなぁ」

烈火「うちの先祖が残した道具が迷惑かけたな」

夏目「いえ、そんな……巻き込まれただなんて、全然っ」

烈火「そうか? だったら、お前も巻き込んだなんて思わなくていいんだ」

夏目「え……」

烈火「夏目が、“オレに巻き込まれた”って思ってないのと同じくらい、オレも、“夏目に巻き込まれた”なんて思ってねぇんだから」

夏目「そういう、ものなのか……?」

烈火「持ちつ持たれつ。迷惑かけつつかけられつつってな」

上条「そうそう」ウンウン

100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:21:54.24 ID:XZcvuoV/0

烈火「それよりも、夏目、行くところがあるんじゃねぇか?」ニッ

夏目「そうだっ! タキっ!?」ダッ

烈火「……おーおー、大急ぎで行ったなぁ」

上条「ちょっと、いや、かなりうらやましい……」

ポンッ

先生「礼をいうぞ、小僧共」

烈火・上条「え……」

先生「あやつは、不器用なヤツだからな。これで少しは変わるといいが……」

烈火・上条「た、たた……タヌキがしゃべった!?」

先生「おい」

101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:24:51.37 ID:XZcvuoV/0

――――

夏目「タキッ!?」バッ

柳「あら」ニコ

柳「……じゃあ、がんばってね、タキちゃん」ヒソヒソ

柳「じゃぁね~」パタン

タキ・夏目「……」

夏目「タキ、体、大丈夫か……?」

タキ「うん……もう、なんともないわ」

夏目「そうか……よかった……」ホッ

夏目「タキ……こんなことに巻き込んで――」
タキ「夏目君」

夏目「ん……?」

タキ「夏目君……あのね……」


“帰ってきた夏目君に、一言言ってあげればいいんだよ。本当に一言、笑顔でね”


タキ「おかえりなさい」ニコ


夏目「ッ……」

102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:27:18.22 ID:XZcvuoV/0

夏目(安心したからか? うれしいから?)

夏目「た、き……」ジワッ

夏目(どうして、涙が出てくるんだろう……)

夏目「タキ……ただいま」

タキ「うん。おかえりなさい……夏目君」ニコ

夏目(一つ……確実に分かるのは……)フラッ

タキ「夏目君っ!?」


夏目(タキが居てくれてよかった……)バタッ


103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:29:35.59 ID:XZcvuoV/0

~~~~

「嘘つき」「また夏目が嘘ついてる」「かわいそうに、構ってもらえないのね」「嘘つき」
「情緒不安定ですって」「ウソツキ」「親が居ない子だから」「嘘つき」「近づくなって」
「嘘つき」「うそつき」「もう私の手に負えない」「あの子が来てロクなことが起こらない」
「ウソツキ」「うそつき」「嘘つき」

少年「うぅ……嘘じゃないのに……」

夏目(幼い頃のおれが泣いている……?)

少年「うぅ……グスッ……」

「友達になろうよ」

少年「ほんとに?」

「ごめん……やっぱり、母さんが近づいちゃだめだって……」

少年「……」

タキ?「夏目君」

104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:30:15.11 ID:XZcvuoV/0

夏目(!?)

タキ?「夏目君といると大変な目に遭っちゃったわ……だから、」

夏目(嫌だ! やめてくれ!!)

タキ?「だからね、もう、私には」

夏目(お願いだ! タキの口から、その先の言葉は聞きたくない!!)

タキ?「もう私の傍には」

夏目(止めてくれ!)

~~~~

夏目「止めてくれっ!!」

タキ「な、夏目君!?」

105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:32:31.46 ID:XZcvuoV/0

夏目「あ……タキ……ってことは、あれは……夢……だったのか?」

タキ「大丈夫? 顔色が悪いわよ?」

夏目「あ、ああ……ちょっと……いや、かなり怖い夢を見てしまったんだ……」

タキ「へぇ~。どんな夢?」

夏目「えっと……た、タキに……嫌われる夢……」

タキ「え!?」

夏目「怖いんだ……巻き込まないようにタキと会わなくなることも、タキを巻き込んでしまうことも。どっちも同じくらい怖い」

夏目「でも、一番怖いのは、巻き込んでしまった結果、タキがおれを嫌いになってしまうんじゃないかって……それが、一番、怖い……」

タキ「夏目君……」

夏目「心を許せるようになった人が、おれを疎ましく思うようになって、そのまま避けられるようになるのは……耐え切れない……」

タキ「……」

106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:35:36.04 ID:XZcvuoV/0

タキ「そっか……」

タキ「でも、大丈夫よ」

タキ「夏目君、ちょっとベッドからでて、こっちに座って頂戴」

夏目「? タキのベッドの縁に座ればいいのか?」

タキ「ええ」スッ

夏目(タキの隣に座るのか)

タキ「えい」ギュッ

夏目(手を繋がれた!?)

タキ「このままベッドに寝転んでみて」ポフッ

夏目「?」ポフッ

タキ「ねぇ、夏目君。今、夏目君の目に映る景色と私が見てる景色ってほとんど同じよね」

夏目「あ、あぁ……?」

タキ「私はね、こうやって夏目君と同じ景色を、一つずつ、近くで、一緒に、見ていけたらなぁって思ってるの」

夏目「タキ……」

107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/20(月) 01:36:14.40 ID:XZcvuoV/0

タキ「だから、今回の件も、そんな一緒に見ていきたい景色の一つになるかなって」

夏目「……でも、タキは今回呪いを受けたんだぞ?」

タキ「あんなの、何ともないわよ。だって、夏目君と猫ちゃんがきっと助けてくれるって信じることにしたもの」

夏目「タキ……」

タキ「それに、夏目君が怖がっていたことと同じように、私は、夏目君が一人で傷つくこと、そして私の前から居なくなることが怖いの」

タキ「だから……一人で抱えこんだりしないで……お願い」ギュゥ

夏目「タキ……あぁ……ありがとう……」


115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:01:52.09 ID:rpe69A690

――――

夏目「タキ」

タキ「なぁに?」

夏目「せっかくの旅行なのに、こうしてベッドに仰向けになってるだけでいいのか?」

タキ「えぇ。まだ旅行は二日あるでしょう? こうして一緒にゆっくりするのもいいかなって」

夏目「そういうものか……?」

タキ「それに、夏目君、今日ほとんど寝てないでしょ? 眠っててもいいのよ?」

夏目「いや、あんまり、眠くないんだ……」

タキ「あら、そうなの?」

夏目「ああ……確かに睡眠は足りてないはずなんだけど……」

タキ「だったら、このまま一緒にゴロゴロと過ごしましょ」

116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:20:35.93 ID:rpe69A690

――――

夏目「本当に寝っ転がってるだけだけど、何だかこういうのも結構悪くないな」

タキ「そうでしょ?」クス

夏目「何て言うか……幸せだなぁ」

タキ「!?」ドキッ

夏目(だいぶ落ち着いたおかげで、眠気が……)

タキ(幸せって……どういう意味?)ドキドキ

タキ(ゆっくりできること? 寝っ転がること?)

タキ(それとも……?)ボッ

タキ(聞いて……見ようかな……?)

タキ「あの、夏目君」

夏目「」スゥスゥ

タキ「あ……」

タキ(もう眠っちゃったのね)

117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:21:26.47 ID:rpe69A690

タキ「……」

夏目「」スゥスゥ

タキ(ちょっとくらいなら、いいわよね……?)

タキ「夏目君……」

タキ(やっぱり綺麗な顔だなぁ……)

タキ「今日はお疲れ様。そして、私を助けてくれてありがと」ナデナデ

夏目「」スゥスゥ

タキ「おやすみなさい」

118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:21:58.87 ID:rpe69A690

――旅行4日目――

夏目「うん……」

夏目(ん……朝、か……?)

夏目(目の前に……誰かいる?)

タキ「」スースー

夏目(なっ!? タキ!?)

夏目(そうか、あのまま眠ってしまったのか……)

タキ「」スースー

夏目(タキの顔が……近い……)

夏目(ん? 布団……タキがかけてくれたのか……)

タキ「」スースー

夏目(自分にもかかってないとダメだろ)クス

夏目(片手だと難しいな……よっと)ゴソゴソ

夏目(こんなもんでいいか)

119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:24:02.80 ID:rpe69A690

タキ「ん……」

夏目「あ」

タキ「ふぁぁ、夏目君……?」トローン

夏目「おはよう、タキ」

タキ「んん……猫ちゃーん!」ギュウ

夏目「え、ええぇー!?」

夏目(タキが、抱きついてきた!?)

夏目「あ、あの……タキ……?」

タキ「んーー」ギュウ

120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:24:36.02 ID:rpe69A690

タキ「はっ!」パチ

タキ「えぇっ!?夏目君っ!?」

タキ「い、いや、ちち違うのっ! その、寝ぼけててっ!」

タキ「そ、それで、夢を見てるのかと思って思わず抱きついちゃったの。ほらっ、私ってネコちゃんに思わず抱きついたりするでしょ!? それで、それと同じように思わず!」

夏目「わ、わかったから、タキ、とりあえず、落ち着いてくれ」

タキ「う、うん……ごめんなさい……」

夏目(先生と間違えられるのは……釈然としないよな……)

夏目「……落ち着いたか? タキ」

タキ「え、えぇ……」

夏目「……」

タキ「……」

121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:25:24.26 ID:rpe69A690

――朝風呂後――

タキ「朝から大きなお風呂に入れるって幸せよねぇ」ポカポカ

夏目「そうだなぁ」ポカポカ

タキ「また今日もこのまま寝っ転がって一日を過ごしてしまいそうねぇ~」ゴロゴロ

夏目「ベッドがふかふかだからなぁ~」ウトウト

夏目・タキ(あぁ……和むなぁ~)


122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:26:26.58 ID:rpe69A690

――――


タキ「思わず眠っちゃったわね」

夏目「でも、まだ午前中だから……タキ、今日はどこに行きたい?」

タキ「夏目君は?」

夏目「そうだなぁ……」


――――

タキ「ネコちゃーん! わんちゃーん!!」ダキッ

夏目(子猫だけじゃなくて小犬もなかなか可愛いな……)

夏目「お手」

小犬「」プイッ

夏目「……」ガッカリ

タキ(が、がんばれ~夏目君……!)

123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:27:19.65 ID:rpe69A690

――――

打ち止め「お姉さん、この子もちょっと歩き方がおかしいみたいって、ミサカはミサカは不思議なお姉さんに助けを求めてみる」

柳「はーい! これくらい簡単に治るよ」パアァ

打ち止め「おぉーって、ミサカはミサカは感嘆の声をあげてみたり」

柳(烈火君は今日の夜の準備があるから、一人ぼっちかと思ったけど、カワイイ子に出会えたなぁ)

一方(何だァこの女!? 能力者かァ……)

一方(……ン!?)

一方(遠くからこっち見てるやつがいるなァ)ニタァ

124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:30:57.04 ID:rpe69A690

――

裏麗A「治癒の少女・佐古下柳の姿を捕捉。現在、近くには幼女と少年のみで花菱烈火の姿は見えません」

裏麗B「これより、治癒の少女の確保に向かいます」

一方「おィ」

裏麗A「なっ!?」

一方「今、何つったァ!? アァ!?」

裏麗B(何だ? このヒョロいのは!?)

一方「治癒の幼女確保とか何言っちゃってんですかァ!? 打ち止めを確保なんかさせると思うんですかァ!?」

裏麗A(何を言っているんだ?)

一方「悪ィが、こっから先は一方通行だ」

一方「くかきけこかかきくけききこかかきここく――」

一方「」

裏麗A・B「」ガクガク

裏麗A・B(あ、死んだなこれ……)

ドォーン

陽炎(柳ちゃんは事なきを得たけど……何て、危険な力……というか、危険な子……)

125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:33:23.40 ID:rpe69A690

――――

虚空「おーい、おじょーさーん」

先生(レイコ)(お? 酒樽が来たな)

虚空「また飲まんか」

先生(レイコ)「かまわんが、酒はあるんだろうな?」

虚空「モチロンじゃ!」

虚空(学生姿のおなごと酒宴じゃ!ウヒヒ……)

虚空「もう秘密を話し合った中じゃからな!」ダキツキ

先生(レイコ)(こっちの秘密は一切話してないがな……それにしても、やけに距離の近い人間だな)

虚空(美人じゃが、恥じらいがないのがちとイカンな……)

――――

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:34:40.37 ID:rpe69A690


――――


烈火「おーい」

夏目「烈火さん?」

烈火「今日、夕飯が終わったら玄関の所に集まってくれ」

夏目「?」

烈火「じゃあなぁ~」

夏目「なんだったんだろう?」

タキ「さぁ?」

127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:38:26.79 ID:rpe69A690

――――

夏目「ここで待っていればいいのかな?」

タキ「ええ、きっと。宴会のお部屋にも誰もいなかったもの」

夏目「あ、あれは」

上条「おっ、夏目達も来てる」

佐天「あ、タキさ~ん」

タキ「5人全員で来たのね」

夏目「烈火さんに呼ばれたのか?」

上条「ああ。何か見せてくれるんだと」

夏目「そうなのか?」

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:41:24.63 ID:rpe69A690

烈火「おっ全員そろってるなぁ」

夏目「烈火さん」

烈火「じゃ、行くか。ついてきてくれ」

タキ「どこに行くんだろ?」

柳「それは着いてのお楽しみだよ~」ニコニコ


――――

烈火「んじゃ、この辺で待っててくれ」

夏目(川辺のグラウンド……あれは……)

タキ「花火?」

柳「うん。烈火君のおうち、花火職人さんなんだよ」

タキ「へぇ~」

夏目(勝手に打ち上げたりするのはダメなんじゃ?)

小萌「先生は何も聞いていないのです」

佐天「流石です! 話がわかる大人って素敵です!」

柳「こっちには手持ちの花火もあるよ」

上条「おお~、準備万端だなぁ」

佐天「早速やりましょう!」

129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:42:49.77 ID:rpe69A690

禁書「ここに火をつければいいの?」

上条「あの、インデックスさん、花火の先端をこっちに向けちゃ……」

禁書「ふぇ?」

バチバチ

上条「あちゃー!!」

禁書「あわわわ」

小萌「下! 下に向けるのです!」

禁書「分かったんだよ」スッ

上条「ふぅ……助かった……」

美琴「ちょっと、大丈夫?」

上条「何とか……」

美琴「えーっと、やけどはないみたいね」

上条「み、御坂さん? ちょっと距離が近すぎるのでは……?」

美琴「あっ……」

佐天(お、これは……?)ニヤニヤ

130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:44:15.29 ID:rpe69A690


夏目(えーっと、線香花火は……)

夏目(あった)

ピト

夏目「え?」

タキ「あら?」

タキ「夏目君も、線香花火が好きなの?」

夏目「あ、あぁ」

夏目「線香花火は数が多いから、遠慮する必要がなかったからな」ニコ

タキ(ず、ずいぶんと後ろ向きな理由ね……)

タキ「ハイ、夏目君」

夏目「ありがとう」


――――


ジジジジジジ

タキ「綺麗ね……」

夏目「そうだなぁ……」

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:50:00.71 ID:rpe69A690

タキ「でも、線香花火って、何だか寂しいのよね。花火の最後にすることが多いから、楽しい時間の終わりを知らせるみたいで……」

夏目「……」

タキ「この旅行も、明日で終わっちゃうのよね……」

夏目「タキ……」

タキ「終わって欲しくなかったから、今日は最初に線香花火を選んでみたけど……やっぱり、寂しいわね……」

夏目「……」

夏目(……ん?)

夏目(烈火さんが手を振ってる? 準備オーケーってことか?)

夏目「タキ、上を」

タキ「え?」

ヒュルルルルル~ ドォン!

タキ「わぁ……」

夏目「大きな花火だなぁ」

タキ「えぇ……」

132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:51:11.24 ID:rpe69A690


――


先生(レイコ)「ほぉ……花火か。風情があるな」グビグビ

虚空(烈火め、グッジョブぢゃ!!)


――


打ち止め「花火だ、花火だぁ!綺麗だね!って、ミサカはミサカはアナタにとびついてはしゃいでみたり」

一方(ベクトルベクトルっと……打ち止めの視界を遮る埃、光をシャットアウトだァ!)


――


ドォン ドォン

夏目「タキ」

タキ「?」

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:54:24.52 ID:rpe69A690

夏目「今回、タキと一緒に旅行できて楽しかった」

タキ「夏目君……」

夏目「ありがとう、タキ。本当に楽しかったんだ……」

ヒュルルルル~ ドォン ドォン

夏目「だから、もしも、その……タキさえよければ……」

タキ「夏目君?」

夏目「また、こうして一緒に来ないか?」

タキ「え?」

ヒュルルルル~ パッ

134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:56:34.22 ID:rpe69A690

タキ「今度も、二人、で?」

夏目「あぁ……あ、いや、二人が嫌なら皆とでも――」

タキ「二人でもいいわ」

夏目「え……?」

タキ「また……来たい……」

夏目「……おれも」

タキ「うん……」

ヒュルルルルル~

タキ「……夏目君、何だか大きな花火がくるみたい」

夏目「えっ」キョロキョロ

タキ「えいっ」ダキッ

ドォン!!

夏目(抱き着かれた!?)

135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:57:42.08 ID:rpe69A690

夏目「た、タキ!?」

タキ「あ、あはは……」

タキ(どうしよう……思わず……ま、いっか)

夏目「……」

タキ「……」

ヒュルルル~ ドォン

夏目「なぁ、タキ……」

タキ「」ビクッ

夏目「手……」

夏目「手、繋ごうか」スッ

タキ「うん……」ギュッ

夏目・タキ「……」

ヒュルルルル~ ドォン ドォン ドォン

美琴・佐天・小萌・上条「」

136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 00:59:30.92 ID:rpe69A690

禁書「?」

佐天(キャーキャーキャー! ハグ! ハグしてた! しかも、そのあと、二人で手繋いで花火なんて! なんてロマンチック!)

美琴(す、すごいところを見ちゃったわ……うらやましいなぁ……)

小萌(青春なのですね~)

上条「なんて、青春……くぅっ、上条さんには羨ましすぎますよ……」

美琴・禁書・小萌「」イラッ

美琴「」ジジジジジ

禁書「」パチパチパチ

小萌「」シュゴォォォ

上条「あのぉ……御三方? なぜ、花火をオレに向けてらっしゃる……?」

上条「……そして、何でジリジリと近づいてくるので――」

美琴・禁書・小萌「」ニコ

ジジジジ パチパチ シュゴォォォ

上条「あついっ! あついっ! いやっ、燃えるからっ! おいっ!!」

ワーワーキャーキャー

柳(よかったね、タキちゃん)

137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:01:08.57 ID:rpe69A690

烈火「おーい」タタタッ

柳「烈火君!」

烈火「姫、花火、どうだった?」

柳「お疲れ様、烈火君! バッチリだよ!グッジョブ!」

烈火「そっか……おっ?」

夏目・タキ「」ギュッ

烈火「何か……こっちまで照れてくんな」

柳「大成功なのだ」ブイッ

烈火「そうだな!」ニィッ

138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:02:52.10 ID:rpe69A690


――旅行最終日――

ホテル内、お土産売り場

夏目「うーん……」

タキ「どうしたの?」

夏目「塔子さん達へのお土産、何にしようかと思って……」

タキ「……」

夏目「タキは何がいいと思う?」

タキ「そうねぇ……」

タキ「……夏目君、これなんてどうかな?」スッ

夏目「カメラ?」

139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:03:47.20 ID:rpe69A690

タキ「うん。この旅行中、いっぱい夏目君を撮らせてもらったの」

夏目「そうなのか?」

タキ「ええ。あとはこの旅行で出会った人たちと一緒に写真を撮ろうと思うの」

タキ「そしたら、その写真を塔子さん達に見せて、夏目君が、この旅行であった事をいっぱい話してあげて」ニコ

タキ「それが一番、塔子さん達が喜ぶお土産だと思うから」ニコ

夏目「そんなんでいいのか?」

タキ「ええ。とっても喜ぶはずよ」

140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:05:19.72 ID:rpe69A690

夏目「……分かった。ありがとう、タキ」

タキ「いいのよ。そうと決まれば、皆の所へ行って写真を撮りに行きましょう」

夏目「ああ。でも、その前に――」タタッ

タキ「?」

店員「ありがとうございました」

夏目「タキ、これ」

タキ「猫のストラップ? かわいい~」

夏目「あの施設のグッズだってさ。せっかくだから記念に、おれのやつも、ほら」ニコ

タキ「あ……」

タキ(夏目君とおそろいってこと?)

タキ「夏目君……」

タキ「……大事にするね」

夏目「? あ、ああ?」

夏目(そんなに気に入ったのか。よっぽど猫が好きなんだな~)

141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:06:48.82 ID:rpe69A690

――――

烈火「写真? おぉ! いいな、それ!」

パシャッ

柳「タキちゃん、一緒に写ろうね」

タキ「はい!」

パシャ

上条「何だ何だ」

夏目「せっかくだから」

パシャ

142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:07:55.07 ID:rpe69A690

タキ「いいかな?」

美琴「もちろんです」

パシャ

佐天「私も写ります!」

パシャ

小萌「ふぇ? 先生もですか?」

タキ「はい!」

タキ(あ~、かわいい~!)ウズウズ

夏目(た、タキがちょっと危ない人に……)

パシャ

禁書「え?」モグモグ

パシャ

禁書「不意打ちはよくないんだよ!」

タキ「ごめんなさい」クス

タキ「じゃあ、もう一度」

パシャ

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:09:08.99 ID:rpe69A690

タキ「これで全員撮れたわよね」

夏目「ああ」

佐天「まだです!」

夏目・タキ「え?」

佐天「お二人のツーショットがまだですよ!」

夏目・タキ「え?」

144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:10:17.59 ID:rpe69A690

烈火「そうだな。よしっ、カメラ借りるぞ」

タキ「は、はい……」

佐天「私のカメラでもお願いします!」

タキ「え、ええ~?」

美琴「わ、私のヤツでもお願いします……」

夏目「何で!?」

柳「こっち向いて~」

タキ「柳さんも!?」

パシャ

145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:11:01.52 ID:rpe69A690

小萌「もっとくっついて下さい~」

夏目「えぇっ!?」

小萌「二人を見てると何だか若返りそうな気がするのですよ」

パシャ

烈火「まぁまぁ、ほら、撮るぞ~」

パシャ

パシャ パシャ

146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:20:34.04 ID:rpe69A690

タキ「何だか、いっぱい撮ってもらったわね……」

夏目「結局、全員のカメラで2,3回ずつは撮られたな」グッタリ

タキ「……」

夏目「……」

夏目「そろそろ、帰る準備しないとな……」

タキ「うん……」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:27:51.45 ID:rpe69A690

――――

烈火「もう、出発か?」

夏目「ええ、烈火さん、上条さん、色々ありがとう」

上条「呼び捨てでいいんだぞ?」

夏目「いや、烈火さんがさん付けだから最後だけなんとなく……二人には本当に世話になった」

烈火「いいって! こっちも楽しませてもらったからな! しゃべるタヌキとか」ニカッ

夏目(え゛……しゃべるタヌキってまさか……)

上条「お前もいろいろあるんだろ? 詮索はしねぇよ」

烈火「楽しかったから何でもいいぞ」

夏目「二人とも……」クスッ

夏目「ありがとう」

烈火・上条「おうっ!」

148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:29:28.38 ID:rpe69A690

――――

佐天「タキさーん!」ダキツキ

タキ「きゃぁっ!?」

佐天「夏目さんとお幸せに」

タキ「え、えぇ~!?」

美琴「佐天さん……ちょっと話が飛びすぎよ。タキさん、旅行中……その、色々と参考になりました」

タキ(えぇっ!? 何の!?)

柳「たーきちゃん!」

タキ「柳さん!……柳さんから聞いた言葉、忘れません」

柳「た、大したことは言ってないけど、何だか恥ずかしいなぁ。私もタキちゃんの事忘れないよ」

タキ「はいっ」


149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:40:08.83 ID:rpe69A690

――――

烈火「姫、おれ達も出発しないとな」

柳「そうだね。風子ちゃん達元気かなぁ」

烈火「んじゃ、帰るか」

柳「うん!」

新生火影忍軍党首・花菱烈火。治癒の少女・佐古下柳。束の間の休息の後、また二人は、過酷な戦いの中へと戻ることとなる。

――――

上条「おれらも帰るかぁ~」

美琴「そうね……」

上条「あ~出会いねぇかなぁ~」

美琴・禁書「」イラッ

美琴「」ビリビリ

上条「ん? あの、御坂さん? えっと……」

禁書「」ガブ

ギャー

上条当麻。彼もまた運命に翻弄される一人。夏休み最終日に訪れる過酷な運命を、彼はまだ知らない。

――――

150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:41:20.46 ID:rpe69A690


夏目「いよいよ、帰るんだな……」

タキ「ええ……」

夏目「タキ、絶対にまた二人で来ような」

タキ「夏目君……」

タキ「うん……うん……」

151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:42:25.92 ID:rpe69A690

夏目「じゃあ……帰るか」

タキ「ええ……」

先生「こらぁ! 私を忘れるな!」

夏目「あ、先生……」

タキ「猫ちゃん!」

夏目「悪い、完全に忘れてた」

先生「なっ何だとっ!? おい、夏目、どういう――」

タキ「猫ちゃ~~ん!」ギュッ

152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:44:41.88 ID:rpe69A690

先生「にょわ~~~! 離せっ、離さんかっ!」

タキ「んん~~~何だか久しぶり~~」ギュゥ

夏目「ははは」

先生「夏目、おい、助けろっ! おいっ!!」

夏目「さぁ、帰ろうか」


帰ろう。自分の家に。そして、帰ったら、この旅行で起きた事、出会った人、楽しかった事、嬉しかった事を話そう。
おれの土産話を嬉しそうに聞いてくれるであろう人達に。タキが教えてくれたから。
タキにだってまだ、話せないことはたくさんあるけれど、少しずつ、同じ想い出を増やしていければ――

なあ、タキ、同じ景色を共有したいなんて、こんな気持ちになったのは初めてなんだ。こんな気持ち知らなかったんだ――


おわり

153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/08/21(火) 01:46:24.40 ID:SDfrRJhAO
乙!!
良かったよ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 01:51:19.50 ID:rpe69A690
とりあえずこれで終わりです。

夏目特有の締めのモノローグは難しいんで、最後だけカイの話から引用。


読んで下さった方々ありがとうございました。


正直、誰得クロスで需要そっちのけで書いたので投下しないほうがいいかとも思いましたが、
スレタイだけでも見た人が、夏目SS書く気になればいいなと思ってやらせていただきました。

とあるシリーズのキャラの扱いが雑で申し訳なかったです……


ありがとうございました。
155VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/21(火) 02:03:13.16 ID:SQKIV35h0
なんだか もう終わりなのが寂しいな
もっと読み続けたい作品でした
ありがとう
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2012/08/21(火) 02:13:49.46 ID:lO4xZhcAO
乙!
また気が向いたら友人帳SS書いてくださいな

やっぱ妖怪は人に見えないんだなあ
協力戦良かった

159VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/08/21(火) 13:07:03.97 ID:7vEZ94ERo

乙!

烈火また読みたくなったよ、塁も美人だよ



スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。