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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

玄「いらっしゃいませ!」菫「ようこそ松実館へ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:41:20 ID:PvbwQSWT0

「…抱きしめると、君のつむじが見える」

『──抱きしめられると、あなたの胸の鼓動が聴こえる』

「頬に触れる君の髪は、細く柔らかい」

『背に回した手に触れるあなたの髪は、しなやかで美しい』

「こうして君を抱きしめているのが好き」

『こうしてあなたに包み込まれているのが好き』



【──いつまでも、こうしていられたらいいのに。】


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:43:00 ID:PvbwQSWT0

【──二人で歩くのが好き。】



『ゆっくり並んで歩くのが好き』

「私の2歩は、君の3歩」


『あなたの隣を歩くのは、ちょっと誇らしい』

「君の隣を歩くのは、とても心が安らぐ」


『腕を組んで、見上げるあなたの横顔が好き』

「肩にもたれる、君のはにかんだ顔が好き」


『これからも、あなたと』

「いつまでも、君と」



【──ずっと一緒に、歩いて行きたい。】


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:44:35 ID:PvbwQSWT0

【──キスが好き。】



『無防備な横顔に不意にキスした時の、驚いたあなたの顔が好き』

「深く長いキスをしている時の、目を閉じた君の、微かに震える長い睫が好き」


『触れるだけの、くすぐったいのが』

「互いが溶け合っていくような」


『──たまには、深く情熱的な、恥ずかしいのも』

「たまには、じゃれ合うようなくすぐったいのも」


『あなたとの』

「君との」



【──そんな、キスが好き。】


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:46:50 ID:PvbwQSWT0

『人は、あなたを氷のようだと言う』


「人は、君を日溜まりのようだと言う」



『──それは嘘だと、私は知っている』


「…それは真実だと、私は感じている」


『秘めた熱い心と、真っ直ぐな気持ちを』

「花咲くような笑みと、全てを包み込むような暖かな心を」



【──私は知っているから。】


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:48:54 ID:PvbwQSWT0

【──二人で迎える朝が好き。】



『──目覚めたとき、いつも私はあなたの腕に抱かれている』

「…目覚めたとき、いつも君は私の胸に顔を埋めている」


『まどろみの中、あなたが優しく頬に触れ、髪を撫でてくれるのが好き』

「もうちょっと、と言って布団に潜る君を、もう一度抱き寄せる瞬間が好き」


『おはようのキスが欲しくて、あなたをちょっと困らせるのが好き』

「じゃあ起きない、といってそっぽを向く、君の小さなワガママが好き」


『──あなたの腕の中は』

「…君を抱いたこの胸は」



【──こんなにも、あたたかい。】


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:51:27 ID:PvbwQSWT0

【──二人で過ごす夜が好き。】



『お料理をしながら、あなたの喜ぶ顔を思い浮かべるのが好き』

「鼻歌混じりに料理をする君の、楽しそうな横顔が好き」


『ときどき後ろから私を抱きしめて、お料理の邪魔をしてくるあなたが好き』

「笑いながら小さく怒る、君の膨らんだ頬っぺたが好き」


『あなたと向かい合ってご飯を食べる、穏やかな時間が好き』

「君と寄り添って座って、今日一日の出来事を話す、他愛のない時間が好き」



【──明日も、こうして二人で過ごせますように。】


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:53:08 ID:PvbwQSWT0

『──強い人だと、思っていた』

「守ってあげなければ、と思っていた」


『高い背に、強い瞳。迷いのない言葉と、凛とした声』

「細い肩に、頼りない眼差し。気弱でか細い、小さな声』

【──けれど。】


『誰もが頼りにするほど大きな存在故に、誰にも見えない悲しみを負った人』

「言葉ではない優しさと、力ではない強さを持った人」


『それは、孤独の痛みに吼えながら、それでも独りで「生きていけてしまう」悲しい強さ』

「それは、全てを受け入れ、包み込み、そして許してしまう強さ」


『──私では、耐えられないもの』

「…私には、得られないもの」


【足りない、私の片割れ。】


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:54:40 ID:PvbwQSWT0

「…君さえ居れば、私はどんな苦難も超えて行ける」

『──あなたが居てくれたから、私は運命とも戦えた』



「君の為なら、何でもできると信じていた」

『──あなたが居てくれるだけで、私は何も怖くなかった』



【──今まで重ねたいくつもの願いも、祈りも、全て叶わなくても。】


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:57:10 ID:PvbwQSWT0

【──もしも、神様が居るのなら。】




「…私は、お前を許さない」

『私は、貴方に感謝しています』



「憎しみを込めて、何度でも射抜いてやりたいくらいに」


『抱き寄せて、頬にキスしたいくらいに』



「こんな残酷な運命があるなんて」


『こんな素敵なひとと、巡り合わせてくれて』


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:00:53 ID:PvbwQSWT0

【──神様、お願いです。】



『──私はもう、これ以上何も望みません』

「どうして彼女なんだ。どうして私じゃないんだ。畜生、ふざけるな。畜生、畜生。」


『勝手なお願いです。どうかこの人が、笑顔を無くしませんように』

「お願いです。お願いします。助けてください。私の命など要りません、どうか」


『──お願いです。どうか』

「このひとを、私の愛しい人を」



【──どうか、幸せにしてください。】


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:02:30 ID:PvbwQSWT0

【──神様──ああ、神様──。】



「私のすべてを奪っていくお前を」


『これ以上このひとを不幸にするのなら。私は、あなたを』



【──絶対に、許しはしない。】


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:03:56 ID:PvbwQSWT0

 
 
 
【──ありがとう。】


『溢れるほどの愛を、何よりも幸福な日々を、私にくれて』



【──ありがとう。】



「その細い身体を、残された時間を、全て私に委ねてくれて」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:05:50 ID:PvbwQSWT0

 
 
 
【──愛してる。】


『髪を靡かせて凛々しく歩く姿も、時々子どもみたいに甘えてくるところも』


「暖かい日向で猫のように眠っているところも、風に肩をすくめる仕草も」




【──愛してる。】



『わざと嫌いな食べ物を出しても我慢して全部食べてくれるところも、マグカップを両手で持つ癖も』


「喧嘩をすると黙り込んでしまって手に負えなくなるところも、時折見せる、儚げな笑顔も」
 
 


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:07:06 ID:PvbwQSWT0

 
【──愛してる。】


『強く抱きしめてくれる腕も、真っ直ぐ見つめてくれる優しい瞳も、私の名を呼ぶその声も』


「すっぽり包み込めてしまう細い肩も、いつも冷たい手の平も、その白い頬も」


『あなたと居た日々を』


「君がくれた時間を」


『あなたのすべてを』


「君の全部を」



【──この世界の、何よりも。】
 
 


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:08:35 ID:PvbwQSWT0

 
 
『──ちょっとでいいから、覚えていて』

「何一つ、忘れはしないよ」


『──時々、思い出してほしいな』

「君を想わない日など無いさ」


『いつか、素敵なひとができたら──』

「私が愛するのは、生涯君だけ」


『あなた達は、私が守るから』

「…いつもは、私の台詞だったのにな」


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:10:00 ID:PvbwQSWT0

 
 
『──幸せだったよ。』


「…本当に?」


『──世界中の、誰よりも』

「…私もだよ」



『──愛してる。』



「…愛してる。」




【──愛してる。】


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:16:20 ID:PvbwQSWT0

***


「…さん、母さん。起きて」


カーテンから漏れる光。

頬に触れる小さな手の感触。



(──宥─。)



君の匂いがした気がして、腕の中を確かめて、

…そこはいつも通りに空っぽだったけれど。

あの頃のように、そのたびに泣くことは無くなった。


「おはよう、母さん」


「…ああ、おはよう」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:17:39 ID:PvbwQSWT0

私の目の前には小さな君がいる。



栗色の柔らかな髪。雪のように白い肌。

澄んだ碧色の瞳。

…お転婆で、強気でしっかり者の、

愛しい愛しい、もう一人の、私と君。


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:18:47 ID:PvbwQSWT0

「…母さん、泣いてるの?」



心配そうに私を覗き込む君を抱き寄せて、大丈夫だよ、と呟く。


「…とても、嬉しい事があったんだ。涙が出るくらいに」


「わたしも。夢でママが会いに来てくれたよ」


その言葉に一瞬はっとして、口元が緩んで。

胸の奥に、暖かな感情が広がって行く。

ああ、やっぱり君には、かなわない。


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:23:38 ID:PvbwQSWT0

「…ママ、何だって?」


「…『あいしてる』って。えへ」

「そうか…私もお前を愛してるよ」

「へへへー」


<コンコン


「…はい」

玄「あ、起きてたんだ。お義姉ちゃんおはよ~」

菫「おはよう玄ちゃん。」


「あ、玄おば」

玄「おぉ~ん!?」ドラァ

「…クロチャンオハヨウゴザイマス…」カタカタカタ

玄「はいおはようっ」フンス


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:30:22 ID:PvbwQSWT0

玄「カーテン開けますねー。いい天気ですよ」

「わ、まぶしいっ」

菫「本当だ、快晴だな…ほら、お前も支度して」

「はーい」


周囲の無理も反対も押し切って、私はここに来た。

君の守りたかった、君の家。

君とここで過ごした時間は長くはなかったけれど、

その間にも、大切なものは沢山できた。


「母さん、帯出しっぱなしだよー」

そう、君もその中のひとつ。筆頭だぞ?

菫「ああ…そうだった。ありがとう」


そして。


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:35:24 ID:PvbwQSWT0

 
ひな「女将さん、おはようございますー」

菫「おはようございます…ごめんなさい、ちょっと寝坊してしまいました」

ひな「いいえ。ここのところずっと遅かったんでしょう?お疲れ様です」

「ひなちゃんおはよう!」

ひな「おっ、超若女将。おはようございます。今日は一段とご機嫌な様子ー」

「へへへー」

菫「…山谷さん…あなたですか。変な呼び方してこの子を調子に乗らせたのは」

ひな「あ゛…」

菫「この前知らないうちに勝手にお座敷に出ていってしまって、お客様に気を遣わせるわ私は恥をかくわで…」

「えへ。ごめんなさい…」

ひな「い、いやぁ、えっとー」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:38:10 ID:PvbwQSWT0

 
 
玄「ひなちゃーん、お掃除終わったらこっち手伝ってー」

ひな「!はいはい至急ー」

菫「まったく…今日は団体様が3組お見えになるから、忙しくなりますよ」

玄「おまかせあれ!」

ひな「その意気です。よっ仲居頭!」

「なかいがしら!」

玄「いぇい!…って、ひなちゃんも頑張るんだよ!」

ひな「わかってますってー」
 


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:44:00 ID:PvbwQSWT0

菫「…もう寒くなるのに、そんな薄着で大丈夫?」

「平気だよ、大丈夫」

菫「今日は風が冷たいって。マフラーだけでも巻いて行きなさい、ほら」

「母さんがつけてる可愛いピンクのがいい」

菫「あれはお前にはまだ長いよ。もう少し大きくなったらね…はい良し」

「…あったかい」


にっこり笑う小さな君の顔は、君にそっくり。


「じゃあ母さん、行ってきます」

菫「はい行ってらっしゃい。気を付けてね」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:45:27 ID:PvbwQSWT0

 
「はーい…あ」

駆けだした矢先に、くるりと振り返り。



「ママ行ってきまーす!!」


菫「…ふふっ」


晩秋の高い空に向かって、元気な声が吸い込まれていく。

まだ大きく感じる赤いランドセルを背負って、

時々こちらを振り向き、ぶんぶんと手を振って駆けていく小さな背中を見送って、私は願う。

どうか、君が幸せでありますように。


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:47:18 ID:PvbwQSWT0

ひな「お客様ご案内ー」


玄「はーい、只今ー!」


君の愛した場所で、君の愛した人達と、私は生きていこう。



玄「いらっしゃいませ!」


菫「ようこそ、松実館へ」


──今日も、君を想いながら。





66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:48:18 ID:g9xRy3WS0


切なすぎるやろ・・・


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:52:35 ID:7du0xzLk0

宥が死ぬブームが来てる


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:54:09 ID:qo+wwH5c0

宥姉が生き返る風潮もセットでお願いします!


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