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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

レヴィ「……」 ゴルゴ「……」


1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24 23:25:47 ID:L74KbaDv0
バ オ「……」

レヴィ「あに見てんだ、コラ」

バ オ「ロックから乗り換えたのか。しかも……よりによって……」

ゴルゴ「……」

レヴィ「アゴ割られてェか?」

バ オ「あぁ畜生、やっぱりお前らが一枚噛んでやがったのか」

ゴルゴ「…… !」 ゴッ!

チンピラ 「ぶっ!」

レヴィ「てめェも後ろ通ったくらいで殴るんじゃねェよ! 何なんだてめェら!」



ゴ ル ゴ 1 3 シ リ ー ズ

悪 徳 の 街



元スレ:ttp://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1261664747/
6: 1 2009/12/24 23:33:44 ID:L74KbaDv0

 ロアナプラ ― タイ王国 ―
 1日前……

ロック『バオ?』

バ オ『……』

レヴィ『……? おいっ!』

バ オ『んっ? ああ、何か用か?』

レヴィ『ヘイ、たった今注文したろうが。さっさと一杯持ってきな』

ロック『何かあったのかい? ボーっとして』

バ オ『お前らにゃ関係……あるんだろうなぁ、きっと』

レヴィ『はぁ?』

バ オ『言っても無駄だと思うが、くれぐれも厄介事持ち込むんじゃねぇぞ!』

レヴィ『話が見えねぇよ! 何なんだ一体!?』


レヴィ「せっかく行ってやったのに、こんなザマさ。クスリでもキメてんだか話が通じやしねえ」

ロック「事情を聞こうとしたんだけど、とりつく島も無しでね」

ダッチ「その様子じゃ、またトラブルの匂いを嗅ぎつけたんだろう。野郎の鼻は
    麻薬犬並に効くからな」


7: 1 2009/12/24 23:38:18 ID:L74KbaDv0

レヴィ「店の風通しが良くなる夢でも見たんだろ? いつものこったぜ」

ロック「洗ってみるかい?」

ダッチ「ああ。もう一度バオに、話を聞いてみてくれ」

レヴィ「いいじゃねぇかダッチ、放っけよ」

ダッチ「何も知らんままグラウンド・ゼロに居合わせるのは御免だからな。行って来る」

レヴィ「何だよ、仕事か」

ベニー「ついさっき、ビジネスの電話があってね」

ダッチ「そういう訳だ。ロック、頼んだぜ」

ロック「オーライ、了解だ」


8: 1 2009/12/24 23:50:43 ID:L74KbaDv0

 某港……

ダッチ「…… !」

ゴルゴ「ラグーン商会か」

ダッチ「…… ラグーン商会のダッチだ。あんたが?」

ゴルゴ「ああ」

ダッチ「話を聞こうか」

ゴルゴ「荷物を、指定の場所まで運んで欲しい」

ダッチ「モノは?」

ゴルゴ「明日の昼、船でここに運ばれてくる。それを引き継いでくれ」

ダッチ「どこまで運べばいい?」

ゴルゴ「ロアナプラだ」

ダッチ「……」


9: 1 2009/12/24 23:57:00 ID:L74KbaDv0

ゴルゴ「これで頼む……残り半分は、依頼後に渡す」

ダッチ「わかった、やってみよう」

ゴルゴ「その船だが……」

ダッチ「あんた」

ゴルゴ「……」

ダッチ「…… いや、すまん。何でもない」

ゴルゴ「……」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24 23:59:01 ID:abO9mgYm0

おい、ダッチ
らしくねェな


11: 1 2009/12/25 00:05:56 ID:3l6THGxC0

ロック「はぁ……」

レヴィ「おいおいロック、お前までどうしたんだ? バオの陰気が感染ったのか?」

ロック「どうもキナ臭いというか、ドンパチに巻き込まれるような予感がする」

レヴィ「それこそ"日常の風景"ってもんだろ? ……お」

男 達「…… ……」

ロック「あれは……」

レヴィ「姉御んとこの奴らだな。おい、バオ」

バ オ「何だ、また来たのか? こうなりゃ何でもしゃべってやる、だから一刻も早く他所へ
    行きやがれ!」

レヴィ「喚くんじゃねぇよ」

ロック「たぶん、さっきの連中と同じ話だよ。で、何があったんだい?」

バ オ「……ロック、お前と同じ日本人……いや、中国人か? んなこたどうでもいい、
    とにかく、この俺のイチモツが縮み上がるような"嫌な目つきの東洋人"が現れた」


12: 1 2009/12/25 00:08:57 ID:3l6THGxC0

レヴィ「東洋人だぁ?」

バ オ「すぐに三合会や、さっきの火傷顔んとこの奴らが飛んで来た。畜生、こんなもん何かが
    起こらねえワケがねえ!」

ロック「バオ、詳しく話してくれないか」


13: 1 2009/12/25 00:24:26 ID:3l6THGxC0

バ オ「……野郎はここで、俺も知ってる情報屋と接触してたんだ。何かを話し込んだ後、
    そのまま帰ろうとしたんだが……いきなり後ろを通りがかった客に、一発よ」

レヴィ「"かました"のか?」

バ オ「そいつだけじゃねぇ! その場にいた客数人、得物も持ってたか? 全員に
    "かました"後、さっさと消えちまった」

ロック「いつかの、彼女みたいだね」

バ オ「そこまではいい、よくある事だ。だが、その後に組織の奴ら押しかけて来たよ。
    "嫌な目つきの東洋人"はいるかときた」

レヴィ「……」


15: 1 2009/12/25 00:33:00 ID:3l6THGxC0

ラグーン商会……

ベニー「……なるほど。確かにあのキリング・マシーンを思い出すね」

レヴィ「ケッ」

ロック「その"嫌な目つきの東洋人"のおかげで、皆浮き足立ってるらしい。ホテル・モスクワに
    三合会、マニサレラ、ヴェロッキオ・ファミリー、皆こぞって彼の情報を集めてる」

ダッチ「"嫌な目つきの東洋人"なら、もう会ってきたぜ」

レヴィ「はぁっ?」

ベニー「さっきの商談相手さ。明らかに"プロフェッショナルな風貌の"東洋人だったらしい」

ロック「っと、電話だ」

ダッチ「グレイ・タイプと会話した気分だったぜ。生きた心地がしねえ」

レヴィ「顔が青いぜダッチ。そいつ知ってんのか」

ダッチ「……通称、ゴルゴ13……超A級と言われる狙撃手だ」

ベニー「コミックのキャラクターみたいな名前だね」

レヴィ「で、何だって?」

ダッチ「明日の昼、某港に届く荷物をこのロアナプラまで運んで欲しいと言った」

ロック「荷物、ねぇ」


16: 1 2009/12/25 00:39:04 ID:3l6THGxC0

ベニー「重火器類って所だろうね。この街では色々"障害"があるから」

ロック「ダッチ、ミス・バラライカからだ。今話題に上ってる男の事で何かわかったら、教えて欲しいって」

ベニー「教えるのかい?」

ダッチ「彼のルールに反することは、即ち確実な死の報復を意味する。俺はまだ現世に未練があるんでな」

レヴィ「姉御の事だ、すぐに嗅ぎつけるぜ。他の奴らもよ」

ダッチ「為すべき事は一つだ。時が来たなら、可及的速やかに依頼を果たす」

レヴィ「ヘイ、何をそんな神経質になってンだよ? ただの仕事だろ」

ベニー「同感だね。街の顔役達を差し置く程の事が?」

ダッチ「…… 諸君。"この世で最も確実なもの"があるとしたら、そいつは一体何だと思う?」

レヴィ「確実って言や、"こいつ"だろ?」 ジャキッ!

ベニー「我が愛しの商売道具達、かな」

ロック「それが、彼だと?」


17: 1 2009/12/25 00:44:28 ID:3l6THGxC0

ナイト・クラブ……


ロニー 「……奴の仕事はまるで、神の審判のように絶対だ。いいか? 依頼が成立した瞬間、合衆国
     大統領でもヘッド・ショットが確定事項になると断言してやる」

バラライカ「関わるのが嫌なら、黙っていろ」

ロニー 「何?」

バラライカ「相変わらず目障りなイタ公ね。鬱陶しいったら」

ロニー 「アフガンで大事な頭の部品まで落として来たらしいな。可哀相に」

アブレ 「人間兵器の女中のお次は、ゴルゴか……。一体どうなってやがる」

  張  「……」

バラライカ「言っておくが、我々の立場は一貫している。降りかかるなら振り払うまでのこと」

ロニー 「だ、そうだ。この姐さんは奴を消せるとでも思ってるらしい」

アブレ 「まず必要なのは情報だぜ。誰だって奴と関わりたくねえからな」

 張   「その通り。三合会としてそれぞれに求めたいのは、静観だ。彼に組織として私怨があったと
      しても、混乱に乗じて仕掛けるようなマネはすべきじゃない」
    
ロニー 「だがな。奴ほどの大物だ、この4人の中の誰かが関わってる事も考えられるだろう」

アブレ 「……この中に依頼人がいるって言いたいのかい」


19: 1 2009/12/25 00:48:04 ID:3l6THGxC0

ロニー 「さぁな。むしろ、狙われる立場かもしれねぇ」

バラライカ「ふっ……」

ロニー 「おい、誰が一番疑われてると思ってやがる? 血に飢えたウォッカ共が」

バラライカ「自前の兵隊では役不足だったのか? 見下げ果てた男だ」

アブレ 「もしこの中の誰かが関わっているとすれば……またロアナプラが火の海に
     沈むだけだろうよ。あんたが一番恐れている事だな」

 張  「……」

バラライカ「……」

  張  「いずれにしろ、だ。無関係ならばよし、降りかかってくるようなら――」

ロニー 「……」

バラライカ「……」

アブレ 「……」

  張  「それぞれの"矜持"って奴を見せようじゃないか、諸君?」


21: 1 2009/12/25 00:55:22 ID:3l6THGxC0

翌日……

洋上……

ダッチ「ベニー・ボーイ、具合はどうだ?」

ベニー「至って穏やかだね。我らが進路を塞ぐ者は、未だ見えずだ」

ロック「……」

ダッチ「俺の気のせいかな? 顔が呆けてるぜ」

ロック「え? ああ、いや、レヴィの事が気になって」

ダッチ「……あいつの心配をするのも良いが、さっそくお迎えが来たようだ」

ロック「!」

ベニー「来た! 四時の方向!」

ダッチ「ウチの踊り子は陸だ、俺達だけでロデオを楽しまなきゃな」

ロック「どうする? 奴ら、銃を」

ダッチ「ヘイ。カウボーイなら、ここにいるぜ」

ロック「…… まさか」

ダッチ「お前がやるんだ、ロック。今日のブル・ライディングは荒れそうだぜ」


23: 1 2009/12/25 01:11:28 ID:3l6THGxC0

ガガガガッ!!

ロック『うわっ!? とっ!』

ダッチ「言い忘れたが、そいつは反動に気を付けろ。下手したらそのまま大洋へダイヴだ」

ロック『はっ、早く言って……うわ、相手の弾が!』

ベニー「……奴らの狙いは、やっぱり積荷かな?」

ダッチ「準備が良すぎる。俺達が依頼されている事がわかった上の強襲だろう」

ベニー「どこかで、情報が漏れてたわけか」

ダッチ「この界隈で使える運び屋といえば、俺達位のもんだ。予測はついていたのかもな」

ロック『よし、何とか一つ……ってダッチ、も、もうちょっと運転を……わっ!?』

ダッチ「だが、ロック相手にやられる程度のハンターを使ったのは、間違いだったぜ」


24: 1 2009/12/25 01:21:44 ID:3l6THGxC0

イエロー・フラッグ……(>>1)


レヴィ「ファック! 何モタモタしてんだ、ダッチの野郎」

ゴルゴ「……何故ここに連れてきた?」

レヴィ「港にゃ、あんたの追っかけがいるからさ。客に銃握らせるわけにゃいかねェんだとよ」

ゴルゴ「……」

レヴィ「それにしても」

 客 「……」

 客 「……」

レヴィ「あれだけのしたのに、誰も飛び掛って来ねェ」


26: 1 2009/12/25 01:31:03 ID:3l6THGxC0

ゴルゴ「……」

レヴィ「安心しな。こんな掃き溜めでも、中立地帯ってのがある」

バ オ「それにしても、ロックじゃあまともに満足できねェのはわかるが……
    お前みたいなオボコにゃ不釣合いだぜ」

レヴィ「いい加減そのクソみてェな口を閉じろってンだ、タコ」

バ オ「その御仁にな、ウチの娼館の女を何人かオシャカにされちまった。おかげで
    今日は開店休業状態だ」

レヴィ「……マジかよ」

バ オ「あんた、そっちでも十分食っていけるぜ」

ゴルゴ「……」


27: 1 2009/12/25 01:37:03 ID:3l6THGxC0

レヴィ 「はぁ……あいつら、いつになったら来やがるんだ?」

バ オ 「俺としちゃ、これ以上疫病神が来ない事を祈るばかりだがね」


 コンッ コンッ……


レヴィ「あぁ!? ……あ」

バ オ「あ?」

ゴルゴ「! 伏せろっ!」


ドオォォォォォ……ン!


28: 1 2009/12/25 01:41:08 ID:3l6THGxC0

レヴィ「ふぅ……案の定来やがったな。無事か?」

ゴルゴ「問題無い」

ガガガガガッ!!  ガシャガシャガシャァァン!

バ オ「やっぱりこんな展開かレヴィ! 一刻も早く消えうせやがれ!」

レヴィ「うるっせェなクソバカ! …… っと、ダッチか?」

ダッチ『バレット・オペラの真っ最中みたいだな』

レヴィ「そっちも銃声のBGMが聞こえてんぜ。盛況じゃねェか」

ダッチ『もうすぐ到着するが、来られるか』

レヴィ「……あたしを誰だと思ってる?」 ジャキッ!

ゴルゴ「……」

レヴィ「表の車までだ。行くぜ」

ゴルゴ「…… わかった」

レヴィ「さぁて、ダンスの時間だ。Let's roll!」


29: 1 2009/12/25 01:50:36 ID:3l6THGxC0

港……

レヴィ 「寄せ集めのハンターごときで、あたしは止められねェよ」

ゴルゴ「追手の追撃はまだ、振り切れていない」

レヴィ 「わかってる、わかってる……と、いたぜ。ダッチ!」

ダッチ「ご到着、だな。さっそくだが……約束のブツだ」

ゴルゴ「ああ。世話になった……」

ベニー「! ヒュゥ、気前がいいね」 

ダッチ「確かに受け取ったぜ。これでさっさとずらかれたらいいんだが……」

ガガガガッ! ガゥン! ガゥンッ!

ロック「!」

レヴィ「オーライ、お客を連れてきちまったからな。"もてなしてやらねぇと"だ」 ジャキッ!

ダッチ「そういうことだ。ロック、ベニー、ここで……」

ゴルゴ「下がっていろ」

レヴィ「あぁ?」

ゴルゴ「……」チャキッ……!


30: 1 2009/12/25 01:54:07 ID:3l6THGxC0

二日後……
暴力協会……

エ ダ「で?」

レヴィ「……全弾命中、あっという間に全員の"どたま"に風穴空けやがった。ありゃ
    張の旦那どころじゃねェや」

エ ダ「そんなモンスターが、どこの誰に頼まれたのかねぇ」

レヴィ「知るかよ……ダッチいわく、"客の情報は厳守"ときてる」

エ ダ「ヘイ二丁拳銃、何を腐ってやがる? てめぇより遥か格上のガンマンに嫉妬か?」

レヴィ「口に鉛玉詰め込まれてぇか? 黙ってろアバズレ」

エ ダ「ヒッヒッ……」

レヴィ「ファック!」

エ ダ「……なぁレヴィ、知ってるか?」

レヴィ「あ?」

エ ダ「昨日、男が一人頭をブチ抜かれて死んだとよ」

レヴィ「んな日常茶飯事にゃ興味ないね」

エ ダ「聞けよ。それが、車で猛スピードでブッ飛ばしてた所をやられたらしい。目撃者も
    なし、近くに狙撃できるような場所もなし、しかも車にゃ防弾処理ときた」


31: 1 2009/12/25 02:02:14 ID:3l6THGxC0

レヴィ「……」

エ ダ「仮にも二丁拳銃と呼ばれてる身だ、それがどんなに難しいか、わかってんだろ」

レヴィ「……野郎の仕事だってのか?」

エ ダ「……」


 男  『何?』

エ ダ『もう一度言いましょう。既に、神の審判は下ったのです』

 男  『もうシスターの振りはいいだろう。それよりも……』

エ ダ『……私が何も知らないとでも思ったのか?』

 男  『!』 

ヨランダ 『神は、全てを見通されてらっしゃるのさ』 チャキッ

 男  『ぐっ!? 貴様、我々を売ったのか!』

エ ダ 『売ったのはお前の方だろう?   裏切り者が』

 男  『……』

エ ダ 『安心しろ、お前を裁くのは私ではない。"この世で最も確実なもの"が、お前を狙っている』

 男  『……!』


32: 1 2009/12/25 02:03:37 ID:3l6THGxC0

エ ダ「……ところでレヴィ、今日ロックはどこにいる?」

レヴィ「あいつの居場所を知って、どうするつもりだよ」

エ ダ「お前に教える義理はねえな」

レヴィ「よしわかった、表へ出なアバズレ。色々と白黒つけてやる」

エ ダ「さぁて、バカは放ってあたしのロミオを迎えに行こうか」

レヴィ「ヘイ! てめぇこのクソアマ、待ちやがれっ!」





これで終わりです。人いねぇwwww


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/25 02:06:04 ID:tmxX4PMM0

見てたぜ!


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/25 03:03:25 ID:NuJsNM7nO

短くよくまとまってる。
特に丁々発止のやりとりが素敵だ。
>>1


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