ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

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透華父「あ、天江の子には近づくな…!本当に近づくな!!」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 22:52:40 ID:uInIkCLr0
衣「……」

透華「あら…衣、またお手紙ですの?」

衣「おー、透華ー」

お父様はああ言ったけれど……わたくしには、衣がそんなに恐ろしいものには思えませんでした。

衣「うん、父君と母君にな」

透華「そうですか…」

衣「…? どうかしたのか、透華…?」

透華「いえ……きっと、ご両親も喜ばれますわ」ニコ

衣「! うんっ!」

ほら、衣はこんなにも純粋で、可愛い。

ただ……

衣「えへへ、はやく帰ってくるといいなあー」

ただ…ご両親が亡くなったことを、理解できていないだけで。

衣「できたっ!」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 22:58:23 ID:uInIkCLr0

衣「…ん……透華……」ウトウト

透華「あらあら、もう眠いんですか?」

衣「うん…」

透華「では、子守唄を歌ってさしあげますわ」

衣「うん」

透華「…ねんねーん…ころーりーよー…」

衣「…ありが、とう……」

透華「…おころーりーよー…」

衣「おかあさん」

透華「……」

透華「…こーろもーはー…よいーこーやー…」

衣「おかあさん…」ギュウ

透華「……ねんーねーしーなー…」

衣「…」

透華「……衣」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:03:39 ID:uInIkCLr0

衣「…」

透華「…おかあさん、ですか」

まんざらでもないと、思っていなかったとは言えません。

透華「衣…」

両親を喪った、衣の親代わりになってあげたい…

透華「……ころも」

という、以上に。

透華「ふふ…おかあさんですよ…」

衣「…えへ……へ…」

透華「…ころも」

衣「……おかぁ……さ…」

透華「…おやすみなさい」

わたくしが、いけないのです。

透華「あら……鍵なんてかけましたっけ…?」

こんな、戯けたままごとをやめられなかった、わたくしが。


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:08:35 ID:uInIkCLr0

がちゃん

透華「……ふう、わたくしも、自分の部屋で寝るとしましょうか」

ハギヨシ「お嬢様」

透華「…ハギヨシ」

ハギヨシ「衣様は、もうお眠りに?」

透華「…ええ」

ハギヨシ「左様でございますか」

透華「……父になにか、言いつけられて来ましたの?」

ハギヨシ「…」ニコ

透華「衣は、なにもしていませんわ…手紙を、書いているだけで…」

ハギヨシ「…お手紙を?」

透華「…ええ」

ハギヨシ「…それは、どなたに?」

透華「……」

透華「さあ…訊いたこともありませんわ」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:13:35 ID:uInIkCLr0

ハギヨシ「もし、そのお手紙を投函なさるのであれば、お申し付けくだされば」

透華「結構ですわ!」

ハギヨシ「…出過ぎたことを申しました」ニコ

透華「……」

ハギヨシ「申し訳ございません」ペッコリン

透華「…いえ」

衣の手紙は、投函されたことがありません。

透華「こちらこそ…取り乱してしまって…」

衣は書いた手紙をすべて、自分の机の、鍵のついた引き出しに仕舞ってしまうのです。

透華「あなたの立場は解っているつもりですのに…」

学習机のいちばん下、手紙を仕舞うには不相応に大きい引き出しに、すべて。

透華「…ごめんなさい」

…そのなかは、わたくしも見たことがありません。

ハギヨシ「お気になさらないでください」

透華「……」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:18:43 ID:uInIkCLr0

透華「……ハギヨシ」

ハギヨシ「なんでしょう」

透華「あなたも……衣は化け物だと思いますか?」

ハギヨシ「…わたしは、それをお答えできる立場にはありませんので」ニコ

透華「そう、ですわね…」

ハギヨシ「…」

透華「父は、そう思っているのですものね」

ハギヨシ「…」

透華「衣は化け物なんかじゃありませんわ……衣は……」

ハギヨシ「…」

透華「ころもは……」

ハギヨシ「…お嬢様」

透華「…わかっています、もう部屋に戻りますわ」

ハギヨシ「おやすみなさいませ」

透華「…おやすみ、ハギヨシ」
――――………


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:22:25 ID:uInIkCLr0

歩「…はああ」

歩「鍵閉め点検怖いなあ…」

歩「電気消しちゃってるから暗いし…」

歩「でも、しょうがないよね…こんなお屋敷だもんね…」

歩「いっこでも閉め忘れちゃって…泥棒とか入ってきちゃったら…」

歩「…」ブルッ

歩「おしごとおしごと!」

歩「えっと…つぎはあっち」

歩「…あれ?閉まってる」

歩「じゃ、じゃあこっち…」

歩「えー…こっちも閉まってるよお…」

歩「うーん…ハギヨシさんがやってくれたのかなあ…」

歩「完璧な仕事っぷりだもんねえ……これなら…」

歩「泥棒が入ってきてたら、逆に出られなくなっちゃたりして」

歩「…なーんて」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:27:26 ID:uInIkCLr0

………――――

透華「…」アミアミ

一「あれ?透華、早いね」

透華「! ご、ごきげんよう…」カクシ

智紀「…隠した」

純「おい透華ーなにやってたんだよー?」

透華「な、なんでもありませんわ!」

一「なんでもないことないでしょー、どれどれ?」

透華「あっ、こら、はじめっ!」

一「ん…?なにこれ?」

透華「返しなさいっ」

智紀「手編みのセーター…」

純「なんだよ女の子らしいことしやがってーこのこのー」

透華「そ、そんなんじゃありませんから!」

一「……衣用でしょ?」


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:32:28 ID:uInIkCLr0

透華「え、一、なんでそれを…」

一「べつに……見ればわかるよ…すっごく小さいし」

透華「あ…」カァ

純「…? あー、そういやそろそろ衣の誕生日だっけか」

智紀「じゃあ…プレゼントに?」

透華「え…ええ、まあ…」

純「へー」ニヤニヤ

透華「し、市販のものじゃあ面白くないと思っただけですわ!」

智紀「ほー」ニヤニヤ

透華「ふたりとも!!」

純「はは、わりぃわりぃ」

智紀「…ふふふ」

透華「もう…知りませんわ」プイ

純「あ、いいこと思いついた!誕生日パーティーとかどうよ!?」

透華「パーティー…?」


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:36:52 ID:uInIkCLr0

純「そーそー、このまえのインハイおつかれさま会も兼ねてさあ」

透華「インハイの話はおやめなさい!」

純「えー、いいじゃん」

智紀「…トバされたのは透華じゃない」

透華「そういう問題じゃありませんわ!ぜんぜん覚えがないというのが問題なのです!」

透華「このわたくしを、記憶にも残らないくらいさらっと流すなんて……!」

透華「あのアメリカン…次に会ったらぼっこぼこにしてさしあげますわ!!」

純「ははは」

透華「笑いごとじゃありません!」

純「はは、ごめんごめん …で、どうすんの?パーティーは」

透華「パーティーは…いいかもしれませんわね」

純「だろー!」

透華「そうしたら、セーターもそこで渡せばいいわけですし…」

智紀「衣も、きっと喜ぶ…」

透華「そう……そうですわね…!やりましょう!パーティー!」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:44:39 ID:uInIkCLr0

一「……」

純「ん?どうしたの国広くん」

一「……ぼくは、あんまりいいと思わないな」

透華「えっ…」

一「あ…ううん、パーティーは…いいと思うし、協力もするけど…」

透華「…では」

一「……」

一「…そのセーター、本当に衣に渡すの?」

透華「え」

一「……」

透華「そ、そのつもりですけど…」

一「ぼくは……やめたほうがいいと思う」

透華「一……?」

一「やめたほうがいいよ、透華」

透華「……」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:52:16 ID:uInIkCLr0

一「まあ…ぼくがどうこう言うことじゃないのは分かってるけど」スタスタ

透華「あ、ちょっと…!」

純「待てよ!そんな言い逃げみたいな真似…」

一「……」

一「…透華」フリムキ

透華「…?」

一「衣は……そんなに小さくないんだよ……?」

透華「…え」

一「…わからないなら、いいよ」

純「おい!国広くん!」

透華「…」

純「……なんだあ?あいつ」

智紀「…気にすることない」

透華「…ええ」

――――………


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/30 23:57:12 ID:uInIkCLr0

………――――

透華「よし、だいたい準備はできましたわね!」

智紀「うん」

純「あとは主役を呼んでくるだけだな」

一「…そうだね」

智紀「呼んでくる…」

透華「そういえば、誕生日パーティー用に、歌をつくってきましたの」

純「へえ、どんな…?」

透華「ころものおたんじょうびですわ~~………~~うれしいのですわ イェイ~」

一「……」

純「ちょっと長くね…?おぼえらんねーな」

透華「そうですか…?」

純「うん、もっとザックリしたかんじにできねーかな」

透華「うーん…そうですわね……」

透華「…ころたんイェイ~」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:01:17 ID:45q0+t9I0

………

衣「きょうは本当にありがとう!感謝感激だぞー!」

透華「ふふ、衣、誕生日おめでとうございます」

衣「うんっ!」

純「ほら、透華っ」

透華「…?」

智紀「プレゼント…」

透華「あ…」

衣「プレゼントがあるのか!?」

一「……」

透華「え、ええ…これですわ、どうぞ」

衣「わあー!開けてもいい?」

透華「ええ」

衣「わーい!」ガサゴソ

衣「セーター!もこもこだー!ありがとう透華ー!」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:06:41 ID:45q0+t9I0

衣「へへーあったかそうだろジュンー」

純「ああ、よかったな衣」

衣「うんっ!」

智紀「…歌もあるし」

衣「うんっ、フルだといまいちだけどなっ!」

透華「うっ…」

純「ははは、なにがそんなに気に食わなかったんだー?」

衣「うーん……そう訊かれると此れと言い難いものがあるな……」

智紀「…?」

衣「何と言えばいいのか……そうだな……」

一「……」

衣「何か、嘘が雑じっているような」

透華「……嘘?」

衣「ところで……」

衣「父君と母君はまだなのか?」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:10:08 ID:45q0+t9I0

純「え…」

透華「こ、衣……?」

衣「ん?みんなどうしたんだ?急に青ざめて」

智紀「…え、ええと」

衣「も、もしかして伝え忘れたのか…?」

透華「…ころも」

衣「厭だ!親のいない誕生日なんて厭だぞ!!」

透華「…」

衣「透華!!」

透華「……お、お伝えしたんですけれど」

純「おい、透華!」

透華「お仕事が忙しくて、いらっしゃれないと…」

衣「嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ!!!」

衣「父君も母君も衣の誕生日に蔑ろにするようなひとではない!透華が嘘をついてるんだ!透華がお誘いし忘れたのを誤魔化して、衣を騙そうとしているんだ!!
  衣なら騙せると思って嘘をついてるんだ!透華は嘘つきだ!!透華のせいでふたりは来ないんだ!透華は衣に独りでいてほしいんだ!!透華のせいだ!!透華が悪いんだ!!
  透華のせいで衣は独りぼっちなんだ!!透華が嘘をついておかあさんもおとうさんも衣からとりあげているんだ!!透華のせいだ!!ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ透華が


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:15:57 ID:45q0+t9I0

………

智紀「……」

智紀(パーティー、結局お流れになっちゃった…)

智紀(透華もかわいそうだったけど……)

智紀(……)

智紀(…さっきの衣、あきらかにおかしかった)

智紀「…心配」

カチッ……カタカタ……

智紀「…?」

智紀(…ワードが開いてる)

智紀「クリックしたかな……」

カタカタカタ…カタ……カタ…

智紀「…え」

お kえり、なs あい


おかあさん


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:20:37 ID:45q0+t9I0

………

純「ま、まあさ、気にすんなよ、透華」

透華「…」

純「衣もなんか不安定な時期だってだけだって、落ち込むことねえよ」

一「そうかな」

純「……国広くん」

一「ぼくには、そうは思えないな」

純「…なにが言いたいんだよ」

一「透華……衣が言ってた、誕生日の歌の嘘ってなんだかわかってる」

透華「……」

純「おい、そんな話はあとで…」

一「あれは…『ころもはみごとにそだっていったのがとってもいいので』ってとこを指して言ってるんだよ」

一「ぼくも思ったもの……そんなふうにぜんぜん思ってないくせに、って」

純「おまえいいかげんに――!!」

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:25:54 ID:45q0+t9I0

純「!!? 今の声!!」

一「……トモキーだ」

透華「智紀っ!!」ダッ

純「あ、透華っ!」

一「ぼくらも行こう」

純「……ああ」

「やああああああああ!!ちがうっ!ちがうっっ!!かえってよ!!」

透華「智紀!!智紀なにがあったんですの!!?」ドンドンドン

純「開けろ!!開けろ智紀!!!」ドンドンドンドン

「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう!!わたしは、わたしはっ……!!!

透華「ともきっ!!!」

――わたしはころものおかあさんじゃない!!!!!」

透華「……え」

ハギヨシ「皆様、お退がりください!蹴破ります!」

バン!バン!バンッ!!


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:29:28 ID:45q0+t9I0

バコンッ!

純「智紀!だいじょうぶか!!」

智紀「…」ガタガタガタガタ

ハギヨシ「どうされたんですか、沢村様!」

智紀「…こ……こ、ろも……ころもが……」ガタガタガタガタ

一「……衣が、どうしたの、トモキー」

智紀「…ち、ちがうの……わ、たしは…ちがう……」ガタガタガタガタ

透華「智紀……」

智紀「…」ガタガタガタガタ

…わたくしたちが智紀の部屋で見たのは、智紀が大切にしていた機械の残骸。

パソコン、テレビ、タブレット、音楽プレーヤーから携帯電話まで…。叩き潰されたプリンタはなにやら文字の踊った紙を、吐きだそうとしていたようで…。

おそらく智紀が壊したのだと思えるのは、智紀の手に、たくさんの破片と傷があったからで…。

智紀「…」ガタガタガタガタ

それにも構わずに耳を強く押さえる手は、その顔にも傷をつけてしまって。

透華「……衣っ」ダッ


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:33:41 ID:45q0+t9I0

純「透華!どこ行くんだよ!」

透華「…衣の様子を見に行ってきます」

純「ふざけんな!智紀がこんなことになってるときにも衣かよ!!」

透華「…」

純「……行くなよ……行ったら俺は、お前を許さないからな」

透華「……」

透華「…ごめんなさい、純」

純「あっ…!」

透華「…」タッタッタッタッタ

純「……クソッ!!」ドンッ!

一「……」

純「…国広くん」

一「ぼくは透華つきのメイドなんだよ」

純「……勝手にしろ」

一「…ごめんね、トモキー」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:38:17 ID:45q0+t9I0

透華「…」タッタッタ

一「待って!待ってよ透華!」

透華「……一?」

一「はあ…はあ…」

透華「あなたもわたくしを引き止めに…」

一「違うよ…」

透華「…?」

一「違うんだよ、透華、ぼくは…」

透華「……」

一「ぼくは、トモキーや純くんのために来たんでも、衣のために来たんでもない」

透華「……」

一「透華のために来たんですら、ないんだ」

透華「…はじめ」

一「ぼくは、ぼくのために来たんだ……怖いんだよ、透華……」

一「だから、行かないで」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:42:25 ID:45q0+t9I0

一「透華…ぼくの鎖を握ってるのは、透華なんだよ……?」

透華「一…あなた、なにを…」

一「しっかり縛りつけててよ…!怖いんだ!透華!!」

透華「はじめ…?」

一「この鎖がないと…ぼくはきっと、ぼくじゃいられなくなる…」

……はじめはなにを…なにを言って…。

一「ひっぱっていかれちゃうよ…!」

なにを……言って……。

一「あの晩からずっとなんだ!透華がぼくを衣に会わせたあの晩からずっと!!」

やめて。やめて、はじめ。それ以上いわないで。はじめ。

一「衣が…!!衣がぼくを……!!」

やめて。


一「ぼくを、ははおやにしようと――!!


――パァン!!


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:46:26 ID:45q0+t9I0

透華「……はあ…はあ…」

一「と…とうか……?」

……ふざけないで。

一「とうか、なんで…そんなこわいかお、して……」

ふざけないで、はじめ。

一「どうして…とうか…」

誰が、誰をははおやに、って?

一「ご、ごめん、あやまるから、あやまるから、とうか」

誰が、誰を、母親にしようとしてる、って?

一「ゆるして……とうか……」

だれがだれをははおやにしようとしてるっていったの?

一「ごめんなさい!ごめんなさいとうか!」

ふざけないで。

一「とうかっ!!」


――衣の母親は私なのに」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:50:34 ID:45q0+t9I0

………

透華「衣、衣?」ドンドン

ガチャガチャ…ガチャガチャ…

透華「衣、おかあさんですわ」ドンドン

ガチャガチャ……ガチャ!

透華「!」

きいぃぃ……

透華「開けてくれましたのね、衣」

………

透華「衣……?」

………

透華「衣、どこですの?」

………

透華「……あ」

透華「お手紙、読まなくちゃね、衣」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:54:24 ID:45q0+t9I0

がたんがたんがたん

透華「あら?鍵がかかっていますわ」

がたんがたんがちゃん

透華「おかしいですわね」

がちゃんがちゃ、がちゃん

透華「私に宛てた手紙でしょう、衣」

がちゃんがちゃん、がちゃん!

透華「読ませて」

ガチャガチャン!ガチャン!

透華「読ませて、衣」

ガチャン!ダン!ドガチャン!ガチャン!

透華「衣」

ガチャン!!

透華「衣!!」

衣「…駄目だよ、透華」


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 00:58:23 ID:45q0+t9I0

透華「……衣」

衣「駄目だ…読ませてあげられない」

透華「何を言ってますの…?衣」

衣「……透華は、衣のお母さんじゃないから」

透華「衣……?」

衣「……」

衣「」フラッ

透華「衣っ!?」

衣「ごほっ、ごほっ!」

透華「衣……ひどい熱ですわ!!」

衣「ごほごほっ!」

透華「衣っ!!」

衣「……透華」

透華「衣!しっかりなさいまし!ころも!」

衣「ごほっ!!」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:02:55 ID:45q0+t9I0

衣「ごほっ!ごほっ!」

衣「……透華」

透華「…なんですの?」

衣「ごほごほっ!」

透華「なんですの!衣!」

衣「透華……透華は……」

透華「わたくしが…わたくしがなんですの」

衣「透華は……衣のお母さんじゃないよね……?」

透華「…衣」

衣「透華…こたえて…」

透華「……ええ」

透華「ちがいますわ」

衣「ふふっ…そうか……ごほっ!」

……ころん

透華「あ……」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:06:46 ID:45q0+t9I0

透華「これは…」

衣「ごほ、ごほっ…透華……」

透華「……鍵」

衣「……」

透華「…衣」

衣「…開けるか?」

透華「……」

衣「開けるのか?透華」

透華「…」

衣「透華」

透華「…」

衣「ごほっ…とうか」

透華「…」

衣「と」

……がちゃ


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:10:52 ID:45q0+t9I0

………

めらめらめらめらめらめらめら

衣「父君も母君も……亡くなったんだな」

透華「ええ」

めらめらめらめらめらめらめら

衣「なら、この手紙は焼いてしまおう」

透華「……衣」

衣「棄てるんじゃないぞ、透華」

めらめらめらめらめらめらめら

衣「おかあさんもおとうさんも天国にいるから……ちゃんと届けて、読んでもらうんだ」

めらめらめらめらめらめらめら

衣「私はこんなに大きくなりました、って」

……そう言って笑う衣は、見たこともないくらい可愛くて、綺麗で、わたくしは炎のなかみを見忘れたのです。

めらめらめらめらめらめらめら

わたくしは……ほのおのなかみを、みていない。


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:14:32 ID:45q0+t9I0

透華「……ん…」

透華「…ここは……?」

透華「衣の部屋…ですの……?」

………

衣は…

透華「……衣」

衣はどこでしょう…

………

透華「ころもー?」

透華「衣、いませんのー?」

がたん

透華「な、なんのお…――あ」

……手紙の

透華「…」

引き出しがすこし、あいていました。


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:18:41 ID:45q0+t9I0

透華「衣…?」

嫌な予感がしました。

透華「衣、そこにいますの?」

そんなはずがないのです。

透華「もう…隠れてますのね…?」

いくら衣でも、そんなところに入るわけがないのです。

透華「…見つけましたわ、出ていらっしゃまし」

入らないのです。

透華「……」

わたくしは。

透華「出てこないのなら、こちらから行きますわよ…?」

わたくしは怖かった。

透華「……」

あれは、わたくしのためにかけられた鍵だったのです。

…ガチャ


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:23:25 ID:45q0+t9I0

わたくしがそこでみたものは

透華「…」

たくさんのひっかき傷と、剥がれおちた爪と

透華「あなた」

窮屈そうに

透華「だれですの」


せがのびた、衣。


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:28:37 ID:45q0+t9I0

………――――

透華「ああ、それはこちらに…それは棄ててしまってかまいませんわ」

透華「それは、うーん…お父様に伺ってみてもらえますか?」

ハギヨシ「承知いたしました」

透華「ふう……たったひと部屋ぶんでも、結構な量になりますわね…」

一「透華、おつかれさま」

透華「あら、一」

一「お茶、のむ?」

透華「ええ、いただきますわ」

一「はい」

透華「ありがとう」

一「……」

透華「…おいしい」

一「透華……だいじょうぶ?」

透華「…ええ」


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:32:58 ID:45q0+t9I0

一「あ……透華、これ…」

透華「なんですの」

一「これ…いいの?」

透華「……ああ」

一「…」

透華「いいんです」

一「あの…透華、ぼく、いろいろ言ったけどさ」

透華「え…?ああ、違いますわ……棄てるわけじゃありませんの」

一「えっ…」

透華「……思えば、衣がそれを着てくれたときの記憶が、まるでありませんわね」

あるいは、着れなかったのかもしれませんけれど。

透華「でも、天国ではきっと着てくれますわよね」

めらめらめらめら

透華「…衣」


カン!


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:40:19 ID:9zRjf2ja0

よく分からなかったけどおつ


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:40:58 ID:vOUgqdPLP

うーん何回読み直してもわからぬ乙


102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 01:44:18 ID:1Px7ZpC30

衣は死んでて透華は衣の幻想をみてたってこと?


107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/31 02:04:58 ID:yfH0HDEZ0

大人衣を殺した?



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