FC2ブログ

ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

杏子「サイレントヒル……?」


1[sage saga]:2012/09/09(日) 02:31:53.13 ID:+dEFtL3H0
杏子「畜生……一体何なんだよ……」


薄暗く細長い廊下で、佐倉杏子は両膝を崩し涙を流していた。
血に塗れた肉塊を抱いて

杏子「何がどうなってんだよ……」

腕でゴシゴシと両目を拭く。腕に血が付着してしまっていたのか、顔面がフェイスペイントを塗ったように赤く染まる。
血と錆の匂いが、鼻に付き刺さる。
その度に今のこの状況が異常染みているのを再確認させる

杏子「なんで父さんと母さんが……モモがこんな目に合わなきゃいけないんだ……」

杏子「誰がこんな……」

「イヤアアアアアアァァァァ!!!!!」

杏子「!!?今の声はさやか……!!?」

SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1347125512
2VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/09/09(日) 02:32:35.54 ID:9Tl5ppvko

期待するしかないじゃない!

3[sage saga]:2012/09/09(日) 02:34:12.36 ID:+dEFtL3H0

血に染まった長い通路の、先に扉が見える。

さやかの悲鳴はそこから聞こえる。



杏子「くそ!!さやかだけでも絶対救うぞ!!」





ガチャ





杏子「なっ……!!」



扉を開けると、薄暗いコンクリートの広い部屋が視界に入る。



また、それと同時にまたしても異様な物を目の当たりにする



さやか「っ!!助けてぇぇ!!杏子!!!」



杏子「さやか!!!」



さやかは体を逆さまにされた状態で十字縛られていた。

さらに、二体の赤い三角頭が、さやかを囲んでいた



そして一体の三角頭が、大きな槍で今まさに、さやかを突こうとしている。



杏子「やめろおおお!!」ダッ



杏子は槍をしっかり構えたまま、三角頭に飛び込もうとする。



が、しかし



三角頭2「……」ダッ



杏子「なっ!!?」ドン



もう一体の三角頭が、杏子の前に立ちふさがり、ぶつかる



さやか「イヤアアアアアアア!!!!」



ザシュッ


4 :[sage saga]:2012/09/09(日) 02:35:08.47 ID:+dEFtL3H0

赤い鮮血が、さやかの腹部から流れ出す。

もう一体が、杏子の前に現れたせいで、三角頭を止めることが出来ず、さやかの腹部を槍で裂かれしまう



さやか「……カハァ……」



逆さまの上体にされているせいか、腹部からの出血が、腹部から胸、首から頭部へと血が流れ顔面と青い髪が赤く染まる。目には女に徐々に光が消えるのが確認できる



杏子「ぁ……ぁぁぁあ……!!!」











杏子「さやかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

5[sage saga]:2012/09/09(日) 02:36:58.55 ID:+dEFtL3H0

【注意】



① サイレントヒル×まどマギのクロス

② 暴力シーン、グロテスクな表現あり

③ 簡素な文章

④ 色々本編をアレンジしている。(両方とも)

また独自解釈あり







OP曲変わりに

http://www.youtube.com/watch?v=SZmMD84XpCs&feature=related

6 :[sage saga]:2012/09/09(日) 02:38:45.19 ID:+dEFtL3H0



―――――――



杏子「はぁ……はぁ……」ガバッ





杏子はさやかの名前を叫びながら、上体を起こし目を覚ます。

全身から、滝の様な汗が吹き出ているのが、寝起きながら良くわかる



杏子「……夢?」



辺りを見回すと、そこは教会の本堂らしき場所だった。

杏子は、その最前列のベンチで、横たわっていた。



そして、その教会は杏子の実家に当たる、場所ではない



杏子「……」



杏子「ぅぅ……なんだか随分長い間寝てた気がする」



杏子「疲れてんのか私?……まあ場所が海外なうえに、こんな不気味な場所に来てれば疲れるに決まってるか」



杏子「そいや今は何時だ?」



本堂にある時計を見るが、時計の針は止まったままだ



杏子「……そいや電気もまともに扱えねえ場所だったな。つーか、こんな町に時間とか考える必要性もねえか」



杏子は、自分の鞄の中をガサガサと漁り始める



杏子「おっかしいな……もう缶詰切れたのかよ」



ガックリと肩を落とし、ハァ~っと深いため息を吐く。



杏子「なんだか、寝すぎたせいでどうも意識がぼんやりしてやがる」



杏子「……」



杏子「……あれ?」



杏子「私、そもそもなんでこんな所にいるんだっけ?」



杏子「えーと……」ポリポリ



頭をボサボサと掻きながら、ゆっくりと思考を研ぎ澄ましてゆく

7 :[sage saga]:2012/09/09(日) 02:40:11.03 ID:+dEFtL3H0



――



――――



―――――――





杏子「美樹さやか。助けたいと思わない?」



まどか「え……助けられるの?」





杏子は朝からまどかを呼び出して、ある提案を持ちかける。

内容は、さやかを生き返らせること



とは言え、絶対に戻れる保証などあるわけも無く、むしろ望みは薄く、賭博のようなものだが



それでも、何かを信じられずにはいられなかった。例え根拠の無い仮説でも、希望を持っていたかった

8 :[sage saga]:2012/09/09(日) 02:42:35.02 ID:+dEFtL3H0



まどか「……私も手伝う。手伝わせてほしいの」



まどか「私、鹿目まどか」スッ



杏子「……ったくもう、調子狂うよな、ホント」



杏子「佐倉杏子だ。よろしくね」スッ





「待ちなさい」





まどか「!ほむらちゃん……」



杏子「……なんのようだ」





路地裏から暁美ほむらは、長い髪をなびかせ、コツコツと足音をたてながら現れる



ほむら(……)



ほむら(前の時間軸の、『悲劇』は繰り返させないつもりよ)



ほむら「美樹さやかはもう何もかも手遅れよ」



まどか「そ、そんな言い方やめてよ!」



ほむら「……残念だけどそれが真実」



杏子「相変わらず気に入らない野朗だね。んじゃ、逆に聞くけど絶対に復活出来ないって言い切れる根拠はあんのかよ」



ほむら「……QB」



ほむらは不本意ながらも、自らQBを呼び出す



QB「なんだい暁美ほむら?」



ほむら「白々しい、どうせ影で盗み聞きしてたんでしょ?」



QB「……」



ほむら「答えて、魔女になった魔法少女は、無事に生き返ることは出来るの?」



QB「前例は」



ほむら「ちゃんと答えて、曖昧にしないで頂戴。生き返るか、生き返られないか、ハッキリして」



QB「……」



杏子「……」



まどか「……」













QB「無理だね。ソウルジェムがグリーフシードに変わってしまったんだ」



QB「美樹さやかの復活は望めない」

9 :[sage saga]:2012/09/09(日) 02:44:13.22 ID:+dEFtL3H0

まどか「そ…そん…な……」ガク



ほむら「……」



杏子「……」



ほむら(これで良かったのよ。これで……)



杏子「……」ザッ



まどか「杏子……ちゃん?」



杏子はまどかとほむらに背を向けて、走り出す



まどか「杏子ちゃん!?」



ほむら「っ!……まどか、あなたはここで待ってて」ダッ











杏子「なっ!!」



いきなり杏子の目の前にほむらが、どこからとも無く現れる。



ほむら「……」



杏子「相変わらず奇妙な魔法を使いやがる」



ほむら「……質問いいかしら?」



杏子「なんだよ」



ほむら「まさか、美樹さやか……いや、あの魔女と心中する気かしら?」



杏子「……だったらどうする?」



ほむら「駄目。あなたはワルプルギスの夜との闘いで、必要な戦力なのよ」



杏子「……さやかが、ああなっちまったのは私にも責任がある。それにあのままじゃさやかが……一人ぼっちで寂しいだろ?」



ほむら「それと命を無駄にするのは別問題よ」



杏子「知るか」チャキッ



杏子は変身して、槍を構える



杏子「そんなに文句があんならよ、今ここで私と勝負しな。それで決めようぜ」



杏子「最も、私はあんたを[ピーーー]気でいる。逃げんなら今のうちだぜ?」



ほむら「……殺せるものならね」



カチリ



ほむらは、銀の盾を回す

10 :[sage saga]:2012/09/09(日) 02:46:07.38 ID:+dEFtL3H0

――――





杏子「」



杏子は気絶して、倒れている



ほむら「……私の勝ちよ。大人しくワルプルギスとの闘いに協力して頂戴」



手で長い髪を掻き揚げたあと、ほむらは杏子に背を向けて歩き出す











杏子「……」



数分して後、ゆっくり意識を取り戻す。杏子の視界には、路地裏で若干暗く映る青空が見える



杏子「私は負けたのか……」



杏子「……」ググッ



ドン!



拳を握り締め、勢い良く地を叩きつける



杏子「くそ!!どうすればいいんだ!!」



QB「簡単だよ」ヒョコ



杏子「……QBか」



QB「まどかが契約すれば全てが解決する。まどか自身も心が揺らいでるし、君からも勧めてくれないか?」



杏子「ざけんな!!」



QB「さやかを助けたいんだろ?」



杏子「それとこれとでは話は別だ!!」



QB「それなら、美樹さやかは諦めるんだね」



杏子「……」

11[sage saga]:2012/09/09(日) 02:48:03.91 ID:+dEFtL3H0

杏子は一旦起きて、近くにあったベンチに腰をかける



杏子「クッ……」



両目いっぱいに涙を浮かべ下を向く



杏子「なんだよ……なんで何もできないだよ畜生……どうすりゃいいんだよ」



QB「そんなに、さやかを助けたいのかい?」



杏子「いちいち言わせんな。めんどくせぇ」



QB「……まどかの契約以外にも方法があるよ」



杏子「……どうせ、まどかに順ずる才能を持ったやつに祈らせるとかだろ」



QB「いや、僕の力に及ぶこと以外にだよ」



杏子「……なんだと?」



QB「但し、お勧めは出来ない」



杏子「教えろ!」



QB「情報が少ない上に、聞いた話もほとんどが危険な噂ばかりだ。何より確実性に欠けている」



杏子「いいから教えろって言ってんだよ!!!」









QB「杏子、サイレントヒルって知ってるかい?」

12 :[sage saga]:2012/09/09(日) 02:50:21.44 ID:+dEFtL3H0

杏子「サイレントヒル……?」





QB「様々な都市伝説が噂されている、アメリカの片田舎の町だ」





QB「その噂の1つに、死者を復活させる方法があるとか」





杏子「!?」



QB「ただ、詳しくは知らない」



杏子「お前にもわからない事とかあるのか?」



QB「まあね。でも過去に何人もの米国在住の魔法少女達が、立入った場所でもある」



QB「立ち寄った経緯は様々だ」





QB「その邪悪な魔翌力に危機を感じて使命感に立ち、調査に向かった者。またある者は、自殺目的。偶然立ち寄った者。観光目的の者」



QB「それと単なるオカルトマニアもいた」





QB「でも、誰一人として帰ってくるものはいなかった」





杏子「……」



QB「ただ、過去に生存者もいたらしい。……一般人で」



杏子「おいおい……魔法少女が誰も帰ってこなくて、なんで一般人が無事なんだよ」



QB「さあね、ただ一般人もほとんどが行方不明になるみたいだけど」



QB「いずれにしても、あの町は邪悪な魔翌力と呪いに満ちている」



QB「何が起きるかわからない」



杏子「……」



QB「それにあくまでも根拠のない噂だ。情報も曖昧過ぎる。確実性を求めるならやはり、まどかを」

13 :[saga sage]:2012/09/09(日) 03:00:48.51 ID:+dEFtL3H0

杏子「……いや、行く」



QB「杏子、僕から話して置いて言うのもなんだけど、君はまだ死ぬには早すぎる」



杏子「おいおい……死ぬ事前提かよ」



杏子「つーか、今のこの状況を作った根本的な原因はお前にあるんだぞ?随分な同情っぷりだな」



QB「君はとても実力の高い魔法少女だ。もっと強くなって、質を高めてから魔女になってもらいたいんだよ」



杏子「……そんな事だろうと思ったよ」クルッ



杏子はQBに背を向けて、歩き出す



QB「本気で行く気かい?」



杏子「ああ。……んで悪いが、暁美ほむらとまどかに、伝えてくれないか?」



杏子「『ワルプルギスの夜までには帰る』ってな」



QB「移動手段は?お金は?」



杏子「早さを考えるならやっぱ飛行機だな。金とパスパートは心配すんな。魔法で何とかする……いつも通りな」


14 :[saga sage]:2012/09/09(日) 03:02:43.05 ID:+dEFtL3H0

―――――――



――――



――





杏子「……そうだ、さやかの蘇生の手がかりを探しにきたんだ」



杏子「……」



杏子「そういえば、あれからどれ位、時間がたったんだ?」



杏子「早く戻らないと、ワルプルギスが来ちまう……まどかのやつ、契約してなけりゃいいが」カサッ



杏子はおもむろに、地図を広げる



杏子「ええと……あれ?おかしいな、いった場所はサインしたはずなのに……」



杏子「……実はサインしてなかったとか?気のせいなのか?まあ、サイレントヒルだし、不思議な事が起きて当たり前なのか……」



杏子「……」



杏子「そういや、まだ図書館には行ってなかったな」



杏子「あそこなら色々、手掛かりがあるかも」



グゥゥゥ~



杏子の腹部から、鈍い音が聞こえる



杏子「……その前に、コンビニ行くか」



長い思考の渦から解き放たれ、スクッと立ち上がる。そして、長い廊下を歩き、ドアの前まで来る。





ガチャ





杏子「……」



ドアを開けた瞬間、冷気と静けさ、怪しげな雰囲気を纏った、白く濃い霧が視界に入る



杏子「しっかし、なんでここはいつも霧なんだ?」



杏子「……」



杏子「待ってろよ、さやか。絶対に蘇らせてやるからな」

15 :[saga sage]:2012/09/09(日) 03:04:47.99 ID:+dEFtL3H0

【コンビニ】





杏子「ふぅ……食った食った」



杏子の周りには、空になった缶詰めとペッボトルが置かれている



杏子「……」



ザザザ……ピィィィィ、キュィィィイィンン



杏子「ん?」



何かノイズ音がする



杏子はレジの方を向くと、台にラジオが置いてあった



杏子「なんだラジオか。……ん?」



さらに、レジの台の脇に、大きな錆びれた槍が置いてある



杏子「でけえなぁ……まあ、私なら簡単に扱えそうだが」



杏子「……つーかこれ、血が付着してるじゃねえか」



キュィィィイィンン!!



ノイズ音が大きくなる

16 :[saga sage]:2012/09/09(日) 03:06:08.76 ID:+dEFtL3H0

杏子「ああもう、うっせえなぁ」



杏子はラジオの電源をオフにしようと手をかけようとした



その時だった



バァン!!



杏子「?」



後ろを一瞬、振り向く



杏子「なんだ?」



その時だった



バリィィィン!!



杏子「!!?」



杏子の近くのガラス窓が打ち破られ、破片が飛び散る



窓を突き破った者は



杏子「チッ!使い魔か!!」



怪物「グゥオッ!!」バサバサ





容姿は人型で翼を生やしたていた。しかし顔面に目と鼻が無く、触手が絡まって筒の様な形をしていて、先端に鋭い牙が見える怪物だった。



杏子はソウルジェムを握り、魔法少女に変身するよう念じる



































杏子「あれ?変身できない……」

17 :[saga sage]:2012/09/09(日) 03:08:47.39 ID:+dEFtL3H0

怪物「グォォン!!」



杏子「っ!?」サッ



生身とは言え、魔女退治の感覚が体に染み込み、研ぎ澄まされているせいか、割と簡単に避けれた。だが緊張感が消えるわけでもない。



不可解な現象からか、杏子の動揺が消えるわけではない



杏子「どう言う事だおい……なんで変身ができねえんだよ!!」



怪物「グゥオッ!」バサバサ



杏子「チッ!あれこれ考えてる場合じゃねえ!!」グッ



不幸中に幸いとはこの事か



偶然見つけた、槍を握り締め、襲い掛かる怪物に刃を向ける



杏子「図に乗ってんじゃねえぞウスノロ!!」ザッ



る怪物が不気味な口元から、鋭い歯をむき出しにして、襲い掛かる。

杏子は一旦、サイドステップで避けて、横から一気に



杏子「終わりだよ!!」



ザシュッ!!



怪物の腹部を串刺しにする。それと同時に真っ黒い液体が、肉から溢れ零れ落ちる



怪物「コォォッ」



ドサッ



急所を押さえたのか、それともこの槍が強力なのか、とにかく一撃でしとめる事が出来て、怪物は地に落ちる

18 :[saga sage]:2012/09/09(日) 03:11:51.22 ID:+dEFtL3H0

杏子「はぁ……」ゴシゴシ



闘いを終え、ホッとするのもつかの間、深いため息を吐く。

怪物の黒い血が、体に付着した為、タオルで汚れを拭く



杏子「なんで変身できないんだよ……」



杏子「この町に来たばかり……。……?う、うん、その頃は確かに普通に変身できて魔女とか倒してたのに」



杏子「……」





――――





『誰一人として帰ってくるものはいなかった』



『あの町は邪悪な魔力と呪いに満ちている』



『何が起きるかわからない』





――――





杏子「……」



杏子「呪い……なのか?でも、なんで今になって……」



ガチャ



コンビニの扉を開ける



相変わらず、見通しが悪く、濃い霧に包まれていた



杏子「……」ギュッ



ラジオをポケットに入れて、先ほど手に入れた槍を強く握る




28[saga]:2012/09/12(水) 06:45:14.78 ID:/2wpOKcF0



しばらく怪物と闘いながら、目的地の図書館を目指した。

そして、漸くその図書館のエントランスホールに辿り着く



杏子「……」



外観は、古き良き伝統あるヨーロッパ調の建物だ。それに反して内装は近代的で、快適な空間で出来ている。



しかし、ゴーストタウン化したせいか、長いこと掃除もされてない為、埃まみれで何処か不気味に感じる



それでもこの異常な空間の中、怪物と闘い続けた杏子にとっては安息できる場所だった



杏子「……」ゴクゴク



ソファに座り、鞄からペットボトルを出して、ゴクゴクと勢い良く水分を補給する



杏子「プハァッ!……つかれた。やっぱ生身は辛いぜ」



杏子「……さてと、調査を開始するか」



杏子「まずは、そうだな……『郷土歴史コーナー』あたりでも見てみるか」

29 :[saga]:2012/09/12(水) 06:46:16.25 ID:/2wpOKcF0



杏子「ええと……」



杏子はカウンターの上においてある、図書館のパンフレットを手にする。

内部の地図と本が置かれている場所を、ジャンル事に判りやすく分けて説明されている



杏子「よし行くか……ん?」



ふと、カウンター越しに何かを感じた。

杏子はカウンター側に周り、椅子のすぐ下に何かを見つける



杏子「っ!!」



ミイラ化した死体が放置されていた。



年は杏子と同じくらいの女の子であろう。

髪の銀色で、長さはさやか位のショートヘアだった。



手に筆ペンが握られている



杏子「……嫌なもの見ちまったぜ」

30 :[saga sage]:2012/09/12(水) 06:47:49.41 ID:/2wpOKcF0

杏子「ぅぅ」ブルル



階段を上っている最中、急に体をブルっと捻らせ、足をクネクネさせる。



杏子「ト、トイレ……先にトイレ行くか」



二階に昇り終えると、そのままトイレに直行する



杏子「や、やばいやばい!漏れる…!」ダダッ



杏子は小走り気味で、トイレに入り、個室のドアを開ける



ガチャッ



杏子「!!?」



またしても杏子の反応をあざ笑うかのように、ある物が個室に入っていた



杏子「こ、これは……」



少女の死体だ。首吊りの死体だ。

有刺鉄線が首をがんじがらめにして、肉が食いこんでいる。



髪は黒色で、またしてもさやかと同じ位の髪の長さをした少女だ。

身長は結構大きい。



雰囲気から察するに、死んでからかなり年月が立っている。

恐らくさっきの死体よりもだ。



杏子「……ん?手帳が落ちてる……」



杏子はそれを拾う

31 :[saga sage]:2012/09/12(水) 06:52:12.01 ID:/2wpOKcF0

黒い手帳より



『○月○日



この世は狂ってる。

インキュベーターも狂ってる。

私もきっと狂ってる。





唯一信じて、愛してた彼も狂っていた。

彼は魔法少女の仕事が急がしい私を支えてくれていた。



だが私を裏切った。



私と会えない寂しさを紛らわす為に、浮気をしていたのだ。

もう何もかもお終いだ



ひっそりと私は死を求めた。

そこで私はサイレントヒルを行くことにした』





杏子「魔法少女の日記か……こいつ、まるでさやかに似た境遇な奴だな」



次のページからは数ページ、血で染まっている為、よく読めなかった。

そして最後のページだけ血が所々付着しながらも、辛うじて読むことが出来た





『○月●日



ここに来て私は自殺を思い留まった。

● ●●に良く●●●●がいたからだ。



だが、●●●常に●情だ。私は●●に来てまで●●●●●●に。



完全に絶望した。

ジェムも限界だ。

もう死のう。

● がいない世の中なんて私にとって意味のない世界だ



魔女になる位なら、私はこの自分の武器で』





杏子「……」



血で文章がよく読めなかったが、大体の事情を察した



杏子「錯乱してたんだろうな……それじゃ結局、魔女化しちまうだろうが」



ソウルジェム本体を叩き潰さなければ意味が無い。

この少女は自らの願望が強すぎて、魔女化しないための本質的な止め方を忘れていた



皮肉過ぎる結果だ

32 :[saga sage]:2012/09/12(水) 06:54:31.79 ID:/2wpOKcF0

トイレで用を足した杏子は、ようやく三階の『郷土歴史コーナー』に辿り着く。



杏子「量が多すぎだろ」



自分よりも身長の高い本棚が、長い廊下のように延々と続いている。



杏子「こん中から探すのかよ……」



杏子「これじゃ探してる合間にワルプルギスが来ちまうぜ……」



杏子「はぁ~っ……とりあえず『それっぽい』タイトル見つけて読み探すかぁ」ゴソッ





それから、杏子は時間をかけて、資料を探した。



杏子「ああもう!!見つからねええぇぇ!!」



読書にただでさえ不慣れな杏子は、その場で大の字になって倒れこむ



杏子「疲れた……これならまだ、表にいる使い魔と闘った方がマシだ」



杏子「……ん?」



ふと、杏子が目線を上に向けると、ぎっちり詰まれた本棚の中に、一冊分だけ引き抜かれた用に、空白の部分があった。



杏子「……?」



自分が出した本は全て、元のあった場所にしまってある。



杏子「誰かが、一冊持って行った……?」



杏子「その一冊に蘇生方法の手がかりが……?」



杏子「ん?」ジッ



今度は別のあることに気づく。

それは自分の手だ。



これだけホコリまみれであるため、自分の手もさぞ汚れているのかと思いきや、想像してたよりかは綺麗だ。

良く見るとここのコーナーはホコリが無く、やけに綺麗になっている。



杏子「ここに誰かがいた?私が来る前に……」

33 :[saga sage]:2012/09/12(水) 06:57:12.66 ID:/2wpOKcF0

ザザ、ザザザ……ピィィィィ、キュィィィイィンン



杏子「!?ノイズが……」



杏子「使い魔のお出ましってか……ったく、図書館なんだから静かにしろってんだ」



ここで逃げずに倒しておかないと、安心して調査が出来ない。



キュィィィイィンン!!



杏子は槍を握り、ノイズの音が大きくなる場所に照らし合わせながら進む。





「キャアアアアアアアァァァァァァ!!!!」



杏子「っ!?今の声は!!」



見覚えがある声だ。だがなんでアイツが今ここに



杏子「ハァハァ……!!」ダダッ







――――ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン





杏子「っ!!サイレンの音……!?」



これから起きることを不吉に思わせるが如く、謎のサイレンの音が鳴り響く





杏子「あの扉の向こう側からだ!」ダダッ



ノイズ音の音量に合わせて近づくと、そこは非常階段の扉だった



ガガッ



杏子「クソ!!扉が開かねえぇ!!」ガガッ



ドンドン!



杏子「おい何があった!!扉を今すぐ開けろ!!」ドンドン



声を荒げ、ノックをしてみるが、扉の向こう側の人物は錯乱してしまっるのか、気がついていない



「こ、来ないでぇぇぇぇぇぇ!!!!」



杏子「おい開けろ!!開けろっつってんだろうが!!!」ドンドン



「いやああああああああ!!!!」



ガンッ!!!



扉の向こう側から、鉄の塊が力強く叩きつけるような音が響く



杏子「クソ!こうなったら別ルートでいくしかねえ!」ダダッ



杏子は階段を使って3階から走り、1階へ向かう

34 :[saga sage]:2012/09/12(水) 07:00:46.47 ID:/2wpOKcF0

杏子「ハァハァ……!」



杏子は1階エントランスホールに付き、1階の非常階段の扉まであと少しの所まできていた



ガチャッ!!



杏子「うお!?」



ドォォン!!



杏子がドアノブに手をかける前に、非常階段の扉が開いた。

そして何者かが扉から出てきて、杏子と勢いよくぶつかる



「あいたたた……。ご、ごめんなさい!……って、あれ!?」



杏子「いってぇぇな……ん?」



杏子「お、お前!やっぱり!!」



「きょ、杏子ちゃん……」ウルウル



目の前の少女は、涙を両目いっぱいに溜めて、杏子に抱きつく。



「良かった……まだ生きてたんだね……」ギュ



「私、てっきりもう死んじゃったのかとばかり……」ギュゥゥ



少女は更に力強く杏子を抱きしめる。懐で杏子の衣類を涙で濡らしながら



杏子「まど……か……」ギュ



杏子もそっと、まどかの背中に手を回す



まどか「ぅぅ、良かった……杏子ちゃんとまた会えるなんて……」グスグス



杏子「……勝手に殺すな。あたしはそんな簡単には逝かないぜ」ギュッ

35 :[saga sage]:2012/09/12(水) 07:03:28.96 ID:/2wpOKcF0

ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン……



ザザ、ザー…キュィィィイィンン!!





杏子「……って!!感傷に浸ってる場合じゃねぇよ!!」バッ



まどか「……っ!!!あ、そ、そうだね!!」オドオド



杏子「まどか!さっき3階の非常階段にいただろう!?何があった!!」



まどか「え……そ、それは…その……」ウルウル



今度は再会の喜びから来る涙でなく、明らかに悲しみに満ちた涙を流す。

まるで悪夢の様な現実を思い出すように。



まどか「えと……その……ヒック……じゃった」



杏子「は?」



まどか「だから!……が……んじゃったの」ボソボソ



感情が高ぶりすぎて、声が上手く呂律が回っていない



杏子「わ、わかったわかった!と、とりあえず落ち着け……今は逃げr」



まどか「……?」



杏子「逃げ……よう……」



まどか「え、まさか……」



杏子が茫然と見つめる先を、まどかは体を震えさせながら恐る恐る、後ろを振り向く。









すると後ろには―――

36[saga sage]:2012/09/12(水) 07:05:28.33 ID:/2wpOKcF0

キィィィィィィ……キィィィィィィ……



鉄とコンクリートが摩擦しあう、あるいは黒板を爪で引っかいた様な音が聞こえる。

人が聞いたら、嫌悪を抱きたくなる残響だ



キィィィィィ……キィィィィィィ……



まどか「ぁ……ぁぁ……」



恐怖のあまり、まどかはそのまま腰が抜けてしまう





ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン……





杏子「あれは夢で見た……」



怪物「……」



体は大きく、まるでボディビルダーのような体つき。

血と錆を思わせる灰色の衣類を着ている。



赤く大きな三角のカブトを被った怪物が、巨大な大鉈をもって現れる

372012/09/12(水) 07:06:43.89 ID:/2wpOKcF0

今日はここまで

38VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/09/12(水) 07:13:25.04 ID:hMlpwpwAO

▲様降★臨




41[saga sage]:2012/09/13(木) 06:20:00.33 ID:+pLQw2080

キィィィィィ……キィィィィィィ……





三角頭「フオッ!」ブン



まどか「あ……」



三角頭は大鉈を高々と振り上げ、まどかに目がけて豪快に振り降ろす



ガキィィィィン!!



三角頭「!」



しかし大鉈はまどかを切り裂く事はなかった



杏子「ぼさっとしてんじゃねえよ……世話焼ける……」ギリギリ



まどか「きょ、杏子ちゃん……!」



杏子は瞬時に、まどかの前に現れ槍で、鉈を受け止める



三角頭「……ォォ!!」ググッ



杏子「!?なんだこいつ……片手で振り下ろして来たくせに!!」ググ



まどか(っ!?魔法少女の杏子ちゃんが力負けしてる!!?)



杏子は両手で槍を掴み、鉈からガードをするが、片手で鉈を振り下ろした三角頭に力負けしている。

徐々に鉈が槍を押して、杏子の顔面に近づいてくる。



杏子「この野朗……!!」ググ



三角頭「……」ググ



杏子「まどか!先に逃げろ!!出来るだけ遠くに!!」ググ



まどか「……」ゴソゴソ



杏子「おい!聞いてんのかよ!」ググ



まどかは、体を震わせながらも鞄の中を漁る



まどか「……もう守られてばかりは嫌だ」スチャッ



まどか「私も戦う!」チャキッ



杏子「なっ!?」



ビュン……ズバァッ!





まどかの鞄から出てきたのは、ボウガンだった。

そして、そのボウガンの矢が





三角頭「!?ウォッ!!」ガク



三角頭が鉈を握っている方の腕に、貫通し突き刺さる。

その攻撃が効いたのか、三角頭は一瞬、力を緩める

42 :[saga]:2012/09/13(木) 06:22:03.37 ID:+pLQw2080

杏子「……!隙あり!」ブン



ガキィィィィン!



三角頭「!!」



ガラララァン!



力を緩めた為、杏子は一気に大鉈を槍でグイッ押し返し、その後、槍を振り回して鉈を弾き飛ばす。

三角頭は、大鉈を後ろに吹き飛ばされた為、後ろに振り返り、武器を拾いに向かう



杏子「よ、よし!一旦逃げるぞ!!」ダダッ



まどか「うん!」



杏子はまどかの手を引きながら、図書館から脱出する。





――――二人はそれから長いこと町を走った。





既に外は暗くなっていた為、胸ポケットにライトを入れて明かりを照らす。

途中多くの怪物に襲われながらも、無視して二人は走りぬいた。





【小さな公園】





杏子「ゼェゼェ……ここまで来れば安心だな」



まどか「ハァハァ……うん」





まどかと杏子はベンチに座り、呼吸を整えながら、目の前に広がる湖を眺めながら話す。





まどか「杏子ちゃん……あの……」



杏子「あん?」



まどか「契約してない私が言うのも図々しいけど……どうして変身しなかったの?」



まどか「杏子ちゃん程の魔法少女なら、あんな恐い怪物さんでも簡単にやっつけれると思うんだけど……」



杏子「……わからねえんだ。なぜか今日いきなり魔法が使えなくなっちまって」



まどか「え!?」



杏子「ここに来たばかりの頃は、普通に魔法使ってたんだけどな……一体どうしちまったんだかな」



まどか「そ、そうだったんだ……」



杏子「それより……互いにもっと聞きたい事、沢山あるよな?」

43 :[saga sage]:2012/09/13(木) 06:23:02.74 ID:+pLQw2080

まどか「……うん」



杏子「んじゃ、今度は私が質問していいか?」



杏子「お前……なんでここに来た」



まどか「……」



杏子「……まあ大方、事の詳細はQBから聞いたんだろうけど」



杏子「……勝手に行っちまったのは悪かった」



杏子「ほむら……怒ってただろ?」



まどか「怒ってたって言うより……何か不思議そうにしてたかな」



杏子「……そうか」



杏子「……あのさ、聞くの恐いけど」



まどか「うん……」



杏子「ワルプルギスの夜……もう来ちゃったか?」

44[saga sage]:2012/09/13(木) 06:25:50.43 ID:+pLQw2080

まどか「……」





まどかは終始無言だった。

しばらく沈黙の間が続く





杏子「……質問変えていいか?」



まどか「……」



杏子「美滝原はどうなった?あと……ほむらは……」



まどか「……ヒグッ」



杏子「……?」



まどかの方から嗚咽が小さく響く。

良く見るとまどかは下を向きながら、顔面をクシャクシャにして、目から大粒の涙を流していた



まどか「ほむらちゃんは……ほむらちゃんは……その……ヒグッ……」



声を詰まらせて、後はもう何を言ってるのかよく聞き取れなかった。

だが、大体の事情を察した



杏子「……」



まどか「……ヒ、ヒッグ…ヒッグ……」ボロボロ



杏子「……まどか……その、ごめん」



どう謝ったらいいか



酷い罪悪感に襲われる杏子だが、まどかは首を横に振る



まどか「杏子ちゃんは悪くないよ……だって、さやかちゃんを生き返らせる為にここまで来たんでしょ?」



杏子「……ああ。望みは薄いが、少しでも可能性があるなら、なんだってやるさ」



まどか「杏子ちゃん……」



杏子「だが正直、先行きは全く見えないぜ。情報も曖昧過ぎるし。その蘇生方法の具体的な事とか全くわからないで来ちまったからなぁ」



まどか「……大丈夫だよ杏子ちゃん、私ここに来る前に色々調べてきたから」



杏子「え?」



まどか「だからその蘇生方法を私、知ってるんだ」

45 :[saga sage]:2012/09/13(木) 06:27:27.12 ID:+pLQw2080

杏子「!!?本当か!!!」



杏子はガシっと、力強くまどかの肩を掴む



まどか「う、うん……ネットとか、サイレントヒルにまつわる書籍を読み漁ってね、調べてきたんだ」





まどか「蘇生方法には『4つのアイテム』と『儀式』が必要なんだって」





杏子「4つのアイテム……儀式……?」



まどか「うん、そのうちの一つを私はさっき見つけたんだ」スッ



そういってまどかは、鞄から赤い本を取り出す





まどか「書籍『赤の祭祀』……これがその一つだよ」





杏子「赤の祭祀……もしかしてその本」



まどか「うん、図書館から拝借してきました」



杏子「そうか……だから『あのコーナー』は異様に綺麗だったんだな」





杏子「しかし……儀式か……」



まどか「……?」



杏子「……もうそういのとは縁を断ち切りたかったんだがな」ボソ



まどか「え?」



杏子「あ……いや、なんでもない。気にすんな」

46 :[saga sage]:2012/09/13(木) 06:29:19.50 ID:+pLQw2080

杏子「そうか……でも、これで希望が膨らんだぞ」



杏子「これで、さやかを……」



杏子「……いや、『みんな』か?」



杏子はフッと微笑みながら、、まどかの方に向く



まどか「ウェヒヒ。そうだね」



まどか「ほむらちゃん……それと」



杏子「ああ……マミもな」



杏子「……」



杏子(ずっと私が一緒にいてやれれば……マミは助かったかも知れなかった)



杏子(マミを死なせたのは間違いない……私の責任だ)



杏子(……いや違う『マミも』だ)



杏子(ほむらに至ってもそうだ。私がもっと早く、儀式について知識を得てれば、早く見滝原に帰れた……)



杏子(ほむらも……さやかも……マミも……)



杏子(……そして家族も)ポロポロ





まどか「杏子ちゃん……?」スッ





杏子「あ……」



ふと気がついたら、杏子は涙を流していた。

それに気がついたのか、まどかはハンカチを渡す。



まどか「だ、大丈夫……?」



杏子「うん……大丈夫」グシグシ



杏子は腕で、涙を拭く



杏子「私にハンカチなんて似合わねえよ」



まどか「ウェヒヒ、そんなこと無いよ」

47 :[saga sage]:2012/09/13(木) 06:30:53.24 ID:+pLQw2080

杏子「そういえば話それるけど、お前の家とか周辺は大丈夫だったのか?」



まどか「うん、わたしのお家は無事。町は半壊しちゃったけど、死者はゼロだって」



まどか「復興もかなり順調だよ」



杏子「そうか……それは良かった」



まどか「……ほむらちゃんのおかげだよ」



杏子「……ああ」



杏子「あ、あともう一つ聞きたいんだけどさ、さっき図書館でさ」



まどか「うん」



杏子「私と合うまでよく生き延びれたな。あの様子だと、ボウガンを使用したのはあれが初めてに見えるが」



まどか「っ!!!!!」



杏子「まどか……?」



まどかは何か悪夢を思い出したかの様に、ガタガタと肩を震わせて、再び目に涙を浮かべる



まどか「……ウゥ……ヒッグ……」

48[saga sage]:2012/09/13(木) 06:32:53.75 ID:+pLQw2080

杏子「……?」



まどか「えとね……信じてもらえるかわからないけどさ……」



杏子「お、おう……」





まどか「ま……やって……に……が……てて…」グスグス



杏子「ごめん……よくきこえねぇ」



まどか「えと、だから……まだ……式……ないのに……いて、一緒に……それで…あの怪物さんに……」エッグエッグ



杏子「……」





まどかの嗚咽が酷くて、呂律が上手く回ってない。

何を言っているのかわからない。





だが、『一緒に……それで…あの怪物さんに……』という言葉だけは辛うじて聞き取れた



杏子「……わかった。後で落ち着いたらちゃんと話そうな?」



まどか「うん……」グスグス



杏子「悔しい気持ちはよくわかるけど、その一緒に『同行』してくれた人の事も、『儀式』の時に生き返らせようぜ?」

49 :[saga sage]:2012/09/13(木) 06:33:51.75 ID:+pLQw2080

まどか「うんうん……」グスグス



杏子「いつまでも、くよくよすんな。あたし達がしっかりしなきゃ、みんな生き返させる事できねえぞ?」



まどか「うん」



杏子「よし、休憩終わりだ!暗くなって来たが、そろそろ次の場所行こうぜ」



杏子「……っつっても何処行こうか?」



まどか「それなら、この近くの中学校に行かない?」パサッ



まどかは地図を開いて、杏子に場所をわかりやすく見てもらうため、指定した学校の場所の部分に指を指す



杏子「深夜の学校訪問ね……まあいっか」



まどか「ちょっと恐いけどね……手がかりがあるかもしれないし」



杏子「おし、んじゃ学校行くか」



杏子は槍を、まどかはボウガンを手に、怪物が徘徊する町へと戻る

50[saga]:2012/09/13(木) 06:37:23.39 ID:+pLQw2080

今日はここまで。

コメントありがとね



物語に出てくる、死体とか資料、キャラの言動は色々と伏線があるから、考えながら読んでくれると良いかも

51VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]:2012/09/13(木) 07:18:19.20 ID:btQIwapoo

乙。

それなら死体とか資料はTIP’Sみたいな感じで纏めてみるか…

52名無し2012/09/13(木) 10:07:31.25 ID:3J4RdXHf0

ヒュー!

53VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/09/13(木) 12:47:06.20 ID:8WkL5kwAO





予想し過ぎも駄目だろうが予想したくてたまらない……

54[saga sage]:2012/09/14(金) 19:31:39.75 ID:r2x0gAqK0

【中学校】



二人は学校についてからも、しばらく探索を続けた



外にはいない怪物がいたが難なく倒していく。

首無しの鋭い爪を生やした者や、巨大なゴキブリといった、外の怪物に負けない位の気持ち悪さだけはあった。





杏子「見つからねぇな……」



まどか「うん……」



ブゥゥゥン



まどか「っ!?イヤ!!」



杏子「なんだ、ただの蛾(が)じゃねえか」パンッ



そういって、杏子はまどかの周りをうろちょろしている蛾を潰す



まどか「わ、わたし虫苦手なの……」オドオド



杏子「……さっきもでっけえゴキブリみたいな使い魔にビビッて、何も出来なかったもんな」



まどか「ぅぅ……杏子ちゃんは平気なの?」



杏子「ああ別に。それに魔女とかと比べれば、かわいいもんだろ」



まどか「それはそうだけど……」



杏子「もう大体探索し終えた感じか」パサッ



学校の地図を広げ、マーカーペンでサインをつける



まどか「あとは理科室と地下室、屋上だけだね」



杏子「……地下室と屋上はともかく、理科室は嫌な予感しかしねえな」



まどか「うん、でもがんばってさっきも、音楽室にいったんだし行こう」



杏子「……そうだな、音楽室も特に異常なかったしな」」



まどか「どっちから行く?」



杏子「そうだな……」



グゥゥゥ~



杏子「腹減った。地下室行けば非常食にありつけるかもな」



まどか「ウェヒヒ、杏子ちゃんってば食いしん坊さんなんだから」

55[saga]:2012/09/14(金) 19:33:57.22 ID:r2x0gAqK0

【地下室】



杏子「プハァ……食った食った」ケプ



まどか「たくさん合ったね」



杏子「今まで使い道がなかったんだろ?私達が処理してやったがな」



杏子「……ん?」



ふと床を見て、ある違和感を覚える。

杏子は非常食入りのダンボールをどかして見る



杏子「まどか、見ろよ」



まどかは杏子が指をさす方向を見ると、床に扉が付いていた



まどか「これって……」



杏子「隠し扉みたいなやつだな」



ガチャガチャ



杏子「くそ!開かないな」



まどか「ちょっとまってて」ゴソソ



まどかはポケットの中から、キーピックを取り出す



杏子「……用意周到だなお前」



ガチャ



まどか「開いた!」



扉を開けると鉄の梯子が設置されていた。







カンカン…カンカン…



足で梯子の鉄を踏む、乾いた音が静かに響く。



まどか「ねえ……杏子ちゃん。なんか変な臭いしない?」



杏子「ん?……そういえばそうだな。まるで何かが腐った臭いだな」



そして、地下室に着いた二人は、ライトをかざし、部屋の様子を伺う



杏子「……っ!!!」



まどか「え……」







二人は絶句した。

なぜならばその部屋の中は、血と肉があちこちに散乱していたからだ。

56 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:35:04.81 ID:r2x0gAqK0

部屋の奥には、電気も繋がれていないのになぜか、赤く染まった巨大なファンがグルグルと回っている。

そのファンの向こう側に、死体が幾つか吊るし挙げられていた。





まどか「ぅぅ……オロロロ……」ビチャチャチャ



まどかは思わず、その惨殺すぎる光景に、不快感を示し嘔吐する



杏子「な、なんだ……これ」



杏子はその肉塊が散らばっている部屋の真ん中に、十字型の黒い塊を見つける



杏子「……?磔(はりつけ)にされている?」



まどか「ぅぅぅ……ロロロロ……ひどいよ、あんまりだよ」ビチャチャチャ





――あんまり長くいると気がおかしくなりそうだった為、二人は黙って1階に戻る

57 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:36:54.07 ID:r2x0gAqK0

まどか「……」



ザザ、ザー…キュィィィイィンン!!



怪物達「ボォォォ」



ノイズ音と共に、怪物の群れが来る



杏子「来たぞ!」チャキ



まどか「……」



杏子「まどか!!」



まどか「……ゥゥ、オロロロロ」ビチャチャチャ



杏子「ちょ!?」



まどかは先ほどの惨殺な光景を思い出して、思わず膝を崩し再び嘔吐する。

怪物たちがすぐ目の前に来ていながら



杏子「チッ!しゃあねえ!!」グッ



まどか「ゲホゲホ!……えっ」



杏子は苦しむまどかを、おんぶして、その場を一旦去る。





【保健室】





杏子「……」



まどか「ごめん杏子ちゃん……」ガクガク



杏子「足……震えてるよ」



まどか「あ……」ガクガク



杏子は、はぁ~っと深いため息を吐いて、まどかが横になっているベットの上に腰をかける



杏子「まあ、今日一日だけでも色々あったからなぁ……戦いなれてないお前なら当然の反応だけどさ」



まどか「……」



杏子「あたしだって今は生身だ。長く魔女と闘ってきたから、感覚的に闘えなくもないけどさ」



杏子「闘うか否かハッキリしない、あんたを完全に守りきれる保証はない」



まどか「……」



杏子「ちっとばかし、ここで休んでな」



まどか「うん……ごめん、杏子ちゃん」



杏子「ここは安全だけど、敵が絶対来ないとも言い切れねぇ。念のためボウガンは片身はなすことなくもってろよ」



まどか「……うん」



杏子「大丈夫だ。すぐにもどる」

58 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:37:49.32 ID:r2x0gAqK0

――結局、理科室には何もなかった。



せいぜい不気味な人体模型が今にも動き出しそうな錯覚を覚えただけだ。



杏子「さて、出て行くか……ん?」



教室から出ようと、扉をあけようとした直後、ふと教卓の上に置いてある物が気になった



杏子「……?」





杏子は『真・教職者達の集い』と書かれた手帳を手に入れた。





杏子「……」ペラペラ



杏子はその手帳を読む。かなり前から書かれているようだ。

気になる部分だけ、流し読みで呼んでいくことにした。

59 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:39:35.68 ID:r2x0gAqK0

『真・教職者達の集い』より





『○月○日

儀式に必要な物は、『あそこ』に置いた。

あそこなら絶対に見つかるまい。なぜならまず誰も来ないだろうし、見つけても医薬品と間違えるからだ』



『○月○日

儀式の方法を変えると、教団○○派本部から連絡があった。

なんでもこれは古いやり方でなく、新たなる方法で、新たなる主君を降臨させるようだ。



教団残党組の中でも、更に一番勢力の小さい我々だが、この方法が成功すれば一躍、一大勢力にもなれる可能性が。



だが困った。



『あそこ』に隠した物品が不要になってしまうではないか。

……念のためとって置こう。また方針が変わるかもしれない』





『○月○日

あの女生徒が逃げた。

早く見つけなければ厄介なことになる』



『○月○日

隣町の住民から、サイレントヒルへ向かったと聞いた。

これは都合が良い。



丁度、儀式を行なおうとしてた場所だ。

早速各地の『真・教職者達』に連絡し招集しよう』







杏子「……」



杏子「親父がやってきた事は認められないで、なんでこんな奴らには仲間がいるんだ……」



静かなる怒りを心に秘めながら、杏子は最後の調査地、屋上へと向かう

60 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:41:46.57 ID:r2x0gAqK0

【屋上】





屋上に着くや早速、異様なものを見つける。



杏子「……」



杏子「まどかを保健室に置いて来て、正解だな」



杏子のすぐ目の前には、死体が転がっていた。



年齢はまたもや同世代。

髪は金髪のポニーテールで、身長はまどかよりも小さい。



全身を刃物か何かでメッタ刺しにされたような傷跡がいくつも見られる。

顔面においてはもはや、原型がわからなくなっている。



杏子「……」スッ



死体のすぐ横にある、『黄色の手帳』を拾う。

61 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:46:59.81 ID:r2x0gAqK0

『黄色の手帳』より



※●は血で滲んで見えない部分





【日記の前半部分】



『○月○日

魔女の気配を感じ、偶然立ち寄った。

このサイレントヒルの調査も2日目



今日は、『○○派』とやらのアジトにきた。

……いやアジト跡か?



ここの書物によれば教団は派閥があるようだ。

ざっと内容を見る限りじゃ、どこの派閥もやってる事は大して差は無いが。



それとは別に、驚くべき事実を知った。

それは、昔生き別れになった、兄弟が、この教団に所属していた事だ。



孤児だった私が、お世話になった施設の関係者曰く、私の兄弟はある日を境に『行方不明』だったらしい。

つまり……兄弟は拉致されていた?』





『○月○日



私は今朝、コンビニで食事を済ませていると、奥にビクビクと震えた女がいた。やけに顔が私と似ていた。

声をかけ、次第に色々情報交換をするにいたった。



彼女はやはり、私の姉だった。

何年振りだろう……私は心から涙を流した。



姉も心から救われたように喜んでいた。

互いに再会に喜び、手を取り合って、故郷に帰ることを約束した



今日はもう遅い。あのモーテルで寝よう』

62[saga sage]:2012/09/14(金) 19:50:07.05 ID:r2x0gAqK0

【日記後半部分】





『●月○日



現実は常に非常だ



起きたら私は学校の保健室にいた。

そして姉がいない。

なぜか縛られているが、魔法少女の私は難なく解く。



だが、この異常な状況は変わるわけではない。

地下の空き部屋らしき部屋から異様な魔力を感じたため、こっそり立ち寄った。



絶句した



奥に巨大なファンが動いている。

そして部屋の真ん中で、十字に縛られた人間が燃やされていたのだ。



あの死体……まさか……

それとあの集団は教団の残党……?



―――気がついたらわたしは奴らを皆殺しにしてやった。



部屋中が、鉄の臭いに支配されている。



奴らはぶ厚い本を持っていた。



タイトルは『新訳・生贄と祭祀』

魔法で燃やしてやった



奴らは結局何がしたかったんだ。

私には理解できない



ふらふらと力ない足どりで、特に目的も無く、私は学校の屋上についた。

ソウルジェムを見ると、もう真っ黒だ。

グリーフシードのストックは1個使ったが、ほとんど濁りが取れてない。



改めて絶望の淵に立たされている事に気づいた私にトラウマが映る。



●嫌いの私をあざ笑うかのように、巨大な●の化け物がこちらに向かってくるじゃないか。

あれは魔女か?でもいまの私にはどうでも良い。



巨●●●は尻に、蜂の様な巨大な針を持って私を襲いかかろうとしている。

毒液を垂らしながら……



魔女になる位なら、あの針でメッタ刺しされてもいいかもしれない。

もうわたしもこの町の●●に●●されてしまっ』







――日記は途中で終わっている。







杏子「……」



怒りを通り越して言葉がでない。

この世の理不尽さにあきれるばかりだ。

63 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:51:34.05 ID:r2x0gAqK0

杏子(結局何も見つからなかったな……)



杏子(まどかが待ってる、早く保健室にもどらねえと)





ザザ、ザー…キュィィィイィンン!!



ノイズ音が聞こえる。

それも音から察するに、すぐ近くまで来ている



杏子「……チッ!」チャキッ



杏子「何処だい!ぶっ潰してやるぜ!」



ズモモモモモモ……



杏子「っ!!?」



魔女との戦いには慣れているハズだ。

似たような物なら、たくさん杏子自身も見てきている。

だがなんだ、あの化け物は。



今は自身が生身である事も忘れていない。



杏子「マジかよ……おい」



怪物「ブオォッ!」パタパタ



まるで怪獣映画に出てきそうな、巨大な蛾(が)の怪物が降臨する。

64 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:53:03.58 ID:r2x0gAqK0

杏子「……使い魔は何とか倒してきたけど、魔女はキツイぜおい!」ダダッ



杏子は一旦避難する為、屋上から退避しようとするが



怪物「ブオォッ!」パタパタ



杏子「!?」



すばやく先回りされ、出口をふさがれる



怪物「ブオォッ!!」パァァッ



杏子「な、なんだ!?」



蛾の怪物は、口から紫色のガスを噴出す。

そして杏子はその、ガスを直に浴びる



杏子「っ!!!!!!!」



一瞬、体をピィーンと背筋を伸ばし、その後すぐにガクリと膝を崩す。



杏子「な…なんだ……これ、体中が痙攣しやがる……」ガクガク



痙攣だけでない。

激しい頭痛と吐き気、内側から来る体の痛みが生じる



杏子「ク、クソ……槍が上手くもてない……」ガクガク

65[saga sage]:2012/09/14(金) 19:57:18.95 ID:r2x0gAqK0

怪物「……」パタパタ



蛾の怪物は、その下半身に付いてる大きな針を、毒液を垂らしながら杏子に近づいてくる。



杏子「まだ……死ぬわけには……」



怪物の針はいよいよ杏子の目の前に到達される。

あんなでかい針を、生身の人間がくらったら即死レベルだ。



怪物「ブォォ」



杏子「やめ……ろ……」ガクガク



体が痙攣して上手く動けない



杏子(ここまでか……)





ガチャッ





扉が開く音がする。

……まどかか?



だがまどかでなく、杏子の予想とは裏腹に、意外な人物が現れる。





「!!?なな、なんじゃこりゃあ!!!」



「……って、杏子!!?」





この甲高い声

杏子がどれほど待ち望んだ事か



杏子「お前……なんで……」



その蛾の後ろの入り口から現れた、やや身長の高い青い髪をした少女。

そしてなぜか日本刀を腰に指し、所持している。



だが間違いない。



杏子「さや……か……!?」

66 :[saga sage]:2012/09/14(金) 19:59:47.64 ID:r2x0gAqK0

怪物「ブォォっ!」ブン



怪物が巨大な針で、杏子を襲う



さやか「っ!!させるかぁぁぁ!!」ダダッ



さやかは一気に杏子の目の前まできて、その巨大な針を



さやか「でやぁ!!」ブン





ズバァァ!!



ボトンッ!





怪物「ゴォォォォォッ!!?」



所持していた日本刀を振り降ろし、針周りの肉ごと、ごっそり切り落とす





その切れ目から、毒液がボタボタと流れる。



さやか「うわぁぁ!!」サッ



さやかはすばやく避けたため、毒液をかからずに済んだ。



さやか「あ、あっぶねええな!こいつ!」ズバズバッ



さやかは怒り任せに、刀を立てに横に振り回して、怪物の体を切り裂く



怪物「ボオオオッ!!」



その切れ味の良い日本刀で、多大なダメージを与えていく



杏子「……へへ、まさかこの私が、さやかに守られる日が来るとはな」ムクッ



杏子は全身を痙攣させながらも辛うじて立ち上がり、片手で槍を頭部の高さまで持ち上げて



杏子「オラアアァァァ!!」ビュンッ



杏子は槍を投げ飛ばす。

力強く、まっすぐに飛ぶその槍は



ズシャッ!!



怪物「っ!!!!」



怪物の頭部に見事に突き刺さる

そして怪物は



怪物「ゴォォォォォォォ……」





ドォォォンッ!と凄い音を立てて倒れる

67[saga sage]:2012/09/14(金) 20:00:57.32 ID:r2x0gAqK0

杏子「はぁはぁ……」



さやか「いや~危機一髪でしたなぁ」チャキン



さやかは日本刀を鞘にしまいこみ、怪物の頭部側に近づき



ズバッ!



怪物の頭部に突き刺さった槍を引き抜く



さやか「ほら、杏子」



杏子「え」



さやか「これあんたのでしょ?」



杏子「……」



さやか「?杏子……」



ギュッ


68 :[saga sage]:2012/09/14(金) 20:01:52.52 ID:r2x0gAqK0

杏子は槍を受け取らずに、変わりにさやかを強く抱きしめる



杏子「さやか……会いたかった……」ギュゥゥ



さやか「杏子……」ギュゥゥ



さやかも一旦槍を床において、抱きしめる



さやか「私もあんたに会いたかった」



さやか「あんた……私の事、何だかんだで凄く気に掛けてくれてたしね」



杏子「ぅぅ……グスグス……」ボロボロ



さやかの衣服の肩辺りに、涙が垂れたのか、濡れてゆくのがわかる



さやか「なんか知らないけど、わたし生き返っちゃったみたい」



杏子「ぅぅぅ……グスグス……」ギュゥゥ



杏子はまだ力強く抱きしめ続ける


69 :[saga sage]:2012/09/14(金) 20:05:33.94 ID:r2x0gAqK0

さやか「ぅぅ……ちょっと杏子さんや……く、苦しい……」



杏子「さやか……さやか……」ボロボロ



さやか「たはは……。まさかあんたが、そんなに心配してくれてたとはねぇ……」



杏子「……」ギュゥゥ



さやか「……ねえ、所でさ」





杏子「……」



さやか「ここ……どこ?なんで私達海外にいるの?」



杏子「……」



さやか「町は霧だらけだし、人も全然いない。使い魔はうじゃうじゃいるし」



さやか「さっきここに来る時も、赤い三角頭の怪物に襲われたしさぁ。さやかちゃん参っちゃったよ」



さやか「もしかして……ここって……」





さやかは途中、何かを言いかけたが自分の首を横に振って、身近らの考えを否定する。





さやか「……ってそんな訳ないか」



杏子「……」



さやか「……?そういえば杏子さんや。なんかあんたの体熱くない?」



ズズッ



さやか「え」









ドサッ



杏子は、さやかの体から静かに離れ、その場で力なく倒れ付す



さやか「ちょ、杏子!!?」












杏子「サイレントヒル、何なんだよここは……」



73[saga sage]:2012/09/18(火) 16:40:27.93 ID:MrP+apus0

【保健室】



杏子「……ん、ここは」パチッ



さやか「お、やっと起きたか!」



まどか「杏子ちゃん!」



杏子が目を覚ますと、さやかとまどかの顔が視界に入る。



杏子「……さやか」ムクッ



杏子「おおっ……?」グラ



さやか「ちょっと、無茶すんな!」



体を起こすが、酷い倦怠感に襲われる



杏子「……さやか、お前がここまで?」



さやか「もう急に倒れるからびっくりしちゃったよ」



まどか「杏子ちゃん大丈夫……?凄いお熱だけど」



杏子「……そういうお前はどうなんだよ?」



まどか「私はおかげさまでもう平気」



杏子「そうか、そりゃよかった」



杏子(……)





―――――――



怪物「ブオォッ!!」パァァッ



杏子「っ!!!!!!!」ピィーンッ



杏子「な…なんだ……これ、体中が痙攣しやがる……」ガクガク



―――――――





杏子「……そうだ、確かあの化け物に、毒ガスみたいなの喰らったんだ」



さやか「化け物って……さっきの大きな蛾の魔女?」



まどか「巨大な蛾……」ガクガク



杏子「ああ……あれ喰らって、あたしは死に掛けたんだ」

74 :[saga]:2012/09/18(火) 16:42:57.74 ID:MrP+apus0

杏子「でもまさか、お前に助けられるとは思ってなかったがな」



さやか「たははは……。あんたも運が良いのやら悪いのやら」



まどか「ごめんね杏子ちゃん……私がもっとしっかりしていれば、杏子ちゃんをあんな危険な目に合わせずに済んだのに」



杏子「いや、お前は来なくてよかったよ」



杏子「……あの屋上でショッキングな物見つけちまってな」



杏子「確かそん時、手帳を見つけたんだよ。あの地下室での惨劇の事実が書かれてだな。ええと確か……」ゴソゴソ



さやか「あ、これ?」ヒョイ



いつの間にか引き抜いて持っていたのか、さやかは手帳を杏子に見せ付ける。



さやか「あんたの鞄の中から見つけて拝借させて貰ったよ」



杏子「……勝手に人の鞄を漁るとは良い趣味してんのな」



さやか「まあそう言うなって。それより、この名探偵さやかちゃんのおかげで、例の『アイテム』とやらを見つけたよ」



杏子「な、本当か!?」



まどか「本当だよ。はい、これ」スッ



そういってまどかは鞄の中から、白い液体が入った瓶を杏子に見せる。



まどか「2つ目のアイテム。『白の香油』だよ」



杏子「……よく見つけられたな。一体どこにあったんだ?」



まどか「保健室の、医薬品の棚に入ってたよ」



杏子「……?さやか、どうしてそこにあるって分かったんだ?」



さやか「フフフ……杏子、この手帳を良く見なされ」スッ

75 :[saga sage]:2012/09/18(火) 16:46:16.84 ID:MrP+apus0

杏子「え」



さやか「最初の『この部分』に注目してごらん」





――――



『真・教職者達の集い』より



『○月○日

儀式に必要な物は、『あそこ』に(以下略)……見つけても『医薬品』と間違えるからだ』



『○月○日

儀式の方法を変えると(以下略)……『あそこ』に隠した『物品が不要』になってしまうではないか。

……念のためとって置こう。また方針が変わるかもしれない』



――――





さやか「杏子、この部分見て何か思わない?」



杏子「……さっぱり分かんね」



さやか「杏子って、ホント馬鹿」



杏子「あぁ!?」



さやか「だからこの手帳のタイトルからして、もうヒント出てるでしょ?」



杏子「え」



さやか「『真・教職者達の集い』それと……私は敢えて行ってないけど『学校地下室の惨殺事件』」

76 :[saga sage]:2012/09/18(火) 16:47:53.51 ID:MrP+apus0

杏子「ええと……」



さやか「もう一度分かりやすく言うよ?『教職者』と証した連中……」



さやか「それに加えてここは『学校』、文章に書かれてた『医薬品』と『不要になった物品』……」



杏子「っ!!ああ!!そういう事か!!」



さやか「やっとおバカな杏子にもわかったみたいだね」



杏子「ぶっ飛ばすぞ」



さやか「おお、恐い恐い」



杏子「……チッ」



まどか「まあまあ杏子ちゃん……せっかく再会出来たんだから、穏やかに行こうよ」



杏子「……フン」



さやか「……」ニヤニヤ



杏子「なんだよ……」



さやか「知ってるまどか?さっきコイツね私と再会した時、すっげええ泣いてたんだよ」ニヤニヤ



杏子「!!?」



まどか「え~本当に?」ニコニコ



さやか「あんだけ殺しにかかってた杏子が、私の為にあんなに涙を流すとはねぇ~」ニヤニヤ



まどか「へぇぇ~私も屋上行きたかったな」ニコニコ



さやか「それでね杏子ったらあの化け物倒した後に」



杏子「ああああああ!!!わかったわかった!!!もうその話はおわりぃぃぃぃ!!!」

77 :[saga sage]:2012/09/18(火) 16:49:17.87 ID:MrP+apus0

杏子「はぁはぁ……」



顔を真っ赤にして叫んだせいか、杏子は余計に熱が悪化したのを感じる・



さやか「まったく安静にしてなさいよ」



杏子「誰のせいだよ」





さやか「……杏子って、意外とかわいい所あるんだね」



杏子「お前こそ……意外と明るい性格してんだな」





まどか「え、杏子ちゃん知らなかったの?」



杏子「いつも意地張って、怒ってるイメージしかなかったよ」



さやか「わたしも杏子は、悪ぶってて実は良い奴って事しか知らなかったから」



さやか「……杏子の事、部分的にしか知らないまま死んじゃってたんだね」



杏子「私もさやかの本来の性格を知らないまま、別れちまってたんだな……」



まどか「ウェヒヒ、じゃあこれからまたお互い知り合えるといいね」



杏子&さやか「……うん」

78 :[saga sage]:2012/09/18(火) 16:50:52.08 ID:MrP+apus0

杏子「そういやよ……さやか、お前なんで生き返ったかわかるか?」



さやか「それが全く」



そういってさやかは首を横に振る



さやか「気がついたら民家の2階のベットの上にいて、顔面が大きな口だけの犬に襲われて1階まで逃げて」



さやか「適当な部屋に逃げ込んだら、和室の部屋で日本刀見つけて、そのキモい犬を倒して」



さやか「いざ民家を抜け出してみれば、そこは霧で覆われた海外の町並みで……」



さやか「あの三角頭に追いかけまわされて……」



杏子「それで今に至ると」



さやか「うん」



杏子(……)



杏子は腕を組んで考える



杏子「……もしかして他の誰かが儀式をやって、さやかを生き返らせたとか?」



さやか「そうなのかな、でもそれだと他の誰かもここに来てる事になるね」



まどか「杏子ちゃん、さやかちゃん」



杏子&さやか「ん?」



まどか「実は……まだ二人にちゃんと話してなかった事があるの」



杏子「もしかして、学校来る前に言いかけてたアレか?」



まどか「うん……それでね?じつは私」



杏子&さやか「……」





















まどか「マミさんに会ったの」

79 :[saga sage]:2012/09/18(火) 16:53:42.11 ID:MrP+apus0

杏子「なっ!!?」



さやか「マミさんに!!?」



まどか「うん、杏子ちゃんが図書館に来る前に、マミさんに会ってたの」



まどか「嬉しかったよ……思わず抱きついちゃって」



さやか(いいなぁ。マミさんの抱き心地、すげえ良いんだろうなぁ)ポケ~



まどか「でも……非常階段で図書館から出ようとしたら……」



杏子「あの三角野朗に襲われたと」



まどか「うん……それで、ここまで言えばもう大体想像付くと思うんだけど」



さやか「アイツに……やられた?」



まどか「……切られそうになった私の事を庇って、マミさん……」ウルウル





杏子「……どうしてあの時、非常階段の内鍵を解除しなかった?」



まどか「やったよ……でも、全然扉が開かないの」



まどか「まるで誰かが意図的に閉じ込めてるみたいに」



杏子「!?なんだと……だって私はあの時……」



杏子「どういうことだ、おい……」



さやか「……う~ん、この町はツッコミ所満載だけど」



さやか「例の儀式とやらをやってないのに私とマミさんが生き返った」



さやか「でもまどかは契約してない」



さやか「仮説を立てると、やっぱあたしらの共通の知り合いが儀式を?」



まどか「でも誰が……」



さやか「恭介か仁美って事はまず無いね。マミさんの事知らないだろうし」



さやか「転校生は……」



まどか「……」ウルウル



今にも泣きそうな目でこっちを見ているまどかを見て、途中で口を噤む



さやか「……ごめん」



さやか「とにかく検討がつかないよ」



杏子「……」

80 :[saga sage]:2012/09/18(火) 16:59:35.54 ID:MrP+apus0

さやか「でもさ、まどか。これは私の予想だけど」



まどか「うん」



さやか「私とマミさんが蘇生……これまでの理論でいくと、多分……」



まどか「っ!!!!ほむらちゃんも!!!?」



さやか「多分ね」



まどか「ほむらちゃん……この町に……」



さやか「……わたしも転校生に会いたいよ」



杏子「ん?お前ほむらの事、嫌ってたんじゃ」



さやか「うん、大っ嫌いだった。でもあんたが寝ている間、色々まどかから聞いて、気持ちが変わった」



さやか「転校生の真実をね」



杏子「……真実?」



まどか「私が話すよ杏子ちゃん」



杏子「……」



まどか「ほむらちゃんは―――」





――――





まどか「―――これが、ほむらちゃんの真実」



まどかは真実を全て話す。

これまで、ほむらが何をしてきたのか、なぜあんな態度でいたのか、目的は何だったのかを



杏子「あいつ……だからあんな……」



さやか「とりあえず私はまずアイツにあったら、頭を下げたいよ」



まどか「うん、今度こそ仲良くなって貰えると私も嬉しいなって」



杏子「……まあ、仮にほむらがこの町に居たとしてもだ、マミがまた死んじまったからな」



まどか「うん……私達のやるべき事は変わらないね」



杏子「よし、んじゃそろそろ」



グラッ



杏子「うっ……」ヨロヨロ



さやか「あんたはここで休んでなさい」



杏子「お前らだけじゃ……心配だ」

81 :[saga sage]:2012/09/18(火) 17:01:03.07 ID:MrP+apus0

さやか「あのね……聞いたわよ?あんた、今は呪いにかかって魔法が使えないって」



杏子「……」



さやか「あたしもその呪いに掛かって、魔法使えないの」



さやか「同じ生身同士なんだから、少しは信頼してよ」



杏子「……」



さやか「大丈夫だよ。次の目的地は、あんたの毒を治癒するために行く場所だから」パサッ



そういってさやかは地図を広げ、マーカーペンで「ネクスト」とサインが書かれた場所を杏子に見せる





杏子「病院……」





さやか「そこで解毒剤と例のアイテムを探しに行くから」



さやか「あんたはここで待ってて」



まどか「杏子ちゃん、もう私平気だから」



まどか「今日だけで、たくさん泣いちゃったけど。その分、次にイヤな目あっても、耐えられると思うの」





杏子(……)

82 :[saga]:2012/09/18(火) 17:18:15.46 ID:MrP+apus0

とりあえずここまで。読んでくれてありがとう

待っててくれた人、遅くなってごめん(特に全裸のry)



単純に仕事が大変だった。

あとそれとは別に、ある事にかなり悩んでた。



当初から考えてたエンディングが二つあって、どっちを先にやるべきか



そこでアンケートをとる事にした。

どうかご協力お願いします。





①断罪END(Bad end)



②霧END(True End)





因みに①断罪ENDは、1時間半位あれば書き終わる。

ただ、色々と意味不明な感じで終わる。



②霧END(True End)はかなり時間掛かる。

色々重要な真実が明かされるから。



という訳でお願いします。

締め切りは今日の夜午後10~12の間位

83VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]:2012/09/18(火) 17:26:33.96 ID:c5R2wwRao

意味不明なバッドエンドは嫌だなぁ



トゥルーかな

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/09/18(火) 17:26:47.27 ID:a57YhnAAO





どっちか片方だけなら2だけど、余裕あるなら両方みたいかな……後UFOとかいぬも あれ、どっちもQBになっちまうか?

85 :[saga]:2012/09/18(火) 17:32:28.17 ID:MrP+apus0

>>84



両方書くよ。

あくまでも優先順位的な物だから。

どっちを先に書くかって言う



UFOは今考えてる。

犬は書いたけどあまりにも酷かった(ネタ的に)消した

86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/09/18(火) 19:44:10.45 ID:q1uroHN/o

トゥルーを先に希望

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/09/18(火) 20:05:31.08 ID:dFjKsswSo

bad書いてからtrue

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/09/18(火) 20:18:55.37 ID:dm5CiWJ+0

Bad→True がいいな

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/09/18(火) 21:34:58.09 ID:a57YhnAAO

>>85



それならバッド→トゥルーで頼む



イヌモヨカッタラミテミタイナー

90[saga sage]:2012/09/18(火) 23:32:42.45 ID:MrP+apus0

アンケートどうもありがとう



間も無く締め切るね。

今から書いたり編集したりする



結果:

bad…3

true…2  

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/09/19(水) 01:05:20.31 ID:Z9/BJszho

途中選択による行動の分岐とでルートを決められたら良いがそれは贅沢な願いだな

92[saga sage]:2012/09/19(水) 05:40:55.50 ID:vi1AXlp60

ごめん……編集中、寝落ちしてたorz

今から投下



色々と意味不明だけど、trueで明らかになるから

93[saga sage]:2012/09/19(水) 05:47:08.02 ID:vi1AXlp60

――――――――――



―――――――



――――



杏子「……ん」



杏子が窓を眺めると既に夜が明けていた。

だが、外は相変わらず霧に満ちている



杏子「……」ムクッ



杏子は布団から起き上がり、上半身を起こす。



杏子「体が軽いな……」



杏子「寝ている間に、もう私の治療が終わったのかな」



ガチャッ



まどかとさやかが扉を開けて、部屋に入ってくる。





杏子「おうサンキュ!おかげで元気になったぜ!」



まどか「……」



さやか「……」



二人は何か言いづらそうに、暗い顔して下を向いている。



杏子「……?どうした二人とも」



まどか「えっとね……その……」



さやか「……杏子……その何から言えばいいか……」



杏子「……?」



杏子は不思議そうに、首を傾げる。



杏子「おい、どうした」



ガチャッ



また扉が開く音がしたので、杏子は扉の方を見る。



二人はなぜか、後ろの扉の方は見ないでいる。

もうだれが、来たのか知っている様子だ。



杏子「……ほむら」



ほむら「久しぶりね、杏子」



ほむらは長い髪の毛をサラッと掻きあげて、軽く頭を下げる。



杏子「その……すまなかった。色々と」



ほむら「気にしてないから大丈夫よ」



杏子「……いっそ叱ってくれた方がスカッとしたんだがな」



ほむら「……」





杏子の言葉を聞くや、ほむらは少し切ない表情を浮かべる。



ほむら「マミも来るわ」

94 :[saga]:2012/09/19(水) 05:49:05.59 ID:vi1AXlp60

杏子「!!!?」



ほむら「今は、『挨拶』しに行ってる。間もなくここに来るわ」



杏子「挨拶って……誰にだよ」





ガチャッ





ほむら「来たわ」



杏子「マミ……」





マミ「……お久しぶりね佐倉さん」



杏子「……」ガタッ



ベットから起き上がり、その場でマミの目の前で、両膝を地につける



杏子「すまねえ……!!!」ドッ



額を地につけて、土下座をする



杏子「私、自分の事で精一杯で……お前の事見放して……」



杏子「私が『あの時』近くにいてやれれば……魔女に殺されずに済んだかもしれないのに」ポロポロ



マミ「よして佐倉さん……もう終わったことよ」



杏子「でも……でも……」グスグス



マミ「それにわざわざこんな海外に来てまで、私や美樹さん達を生き返らせる為にがんばってきたんでしょ?」



マミ「私ね、それを聞いたとき驚いたわ」



マミ「ご家族との一件で、すっかり人格が変わってしまったと思ってたから」



マミ「みんなを生き返らせる為に奮闘してるって知った時、凄く嬉しかった」



杏子「ぅぅ……グスグス……」



杏子は土下座したまま顔を上げない。

床は涙で濡れて湿っている。



マミ「根っこの部分はまだ正義の魔法少女で安心したわ」

95 :[saga sage]:2012/09/19(水) 05:50:38.55 ID:vi1AXlp60

―――――――



杏子は土下座をやめて、マミから頂いたテッシュで鼻を綺麗にしている



杏子「それにしても、よくみんな生き返ったよな」チーン!



杏子以外全員「……」



杏子「まだ儀式を行なってないし、それどころかアイテムすら揃ってない」



杏子以外全員「……」



杏子「……?」



みんな再会を果たしたはずなのに、様子がおかしい。

まるでお通夜でも始めるかのように。



杏子「おいどうしたんだよみんな」



杏子「散々泣いてたあたしが言うのも難だけどさ」



杏子が疑問を投げかけても誰も答えない。



やがてそんな、静寂を断ち切ったのは



まどか「杏子ちゃん……ごめんなさい!!」



まどかだった



杏子「?何が」



まどか「私達、実は杏子ちゃんに解毒剤を投与した訳じゃないんだ」









杏子「え」



まどか「それどころか……わたしとさやかちゃん、病院であの三角の怪物さんに殺されちゃったの」

96 :[saga sage]:2012/09/19(水) 05:52:03.59 ID:vi1AXlp60

杏子「え え 」



まどか「つまり……私達ヘマやらかしちゃって、その……」



杏子「……」



杏子「ちょ、ちょっとまて。解毒されいてないんじゃ、なんで私はこんなに元気に……?」



杏子「……いや、それ以前になんで皆、蘇生してるんだよ」



まどか「杏子ちゃん私達、わかっちゃったの」



杏子「え」



まどか「真実を……」



杏子「……?」



マミ「これが真実よ、佐倉さん」スッ





マミは『魔方陣が描かれた手帳』を杏子に渡す





杏子「な、なんだよ、これ」



マミ「私が、鹿目さんと出会う前に手に入れた手帳よ」



マミ「ここに、おおむねの真実が明かされているわ」



杏子「……」ペラッ

97[saga sage]:2012/09/19(水) 05:54:27.99 ID:vi1AXlp60

――――



杏子「……」パタン



手帳を読み終えた杏子は、静かに手帳を畳み、マミに返す



マミ「これが……全てよ」



杏子「……」



真実を知った杏子は、酷く落胆したように肩をがっくりと落とす



杏子「あ、あのよ」



マミ「うん」



杏子「真実はわかった。でもあの内容から言わせて貰うと……」



杏子「……今、わたしたちが生き返って互いに意思疎通が出来る事の説明になってないぜ」



マミ「佐倉さん……これは多分、いやもう確定的だと思うけど」



杏子「?」





マミ「私達はこのサイレントヒルという街に『強烈な思念』として街に『固定』されてしまったのよ……」





杏子「……?」



杏子は少し呆れた表情をする。



杏子(はぁ……またマミワールドの発現か?)



さやか「あんた、マミさんの言うこと信じてないでしょ?」



杏子「いやだって、強烈な思念だの固定だのって……」



さやか「でも私達は現に、アンタを解毒仕切れていない」



さやか「その……言いたくないけど今のアンタは……」



杏子「……」



マミ「佐倉さん……ちょっと二人で生きたい場所があるの。付き合ってくれるかしら?」



杏子「……?あ、ああ」



そういって、マミと杏子は一旦、保健室を後にする

98 :[saga sage]:2012/09/19(水) 05:56:21.64 ID:vi1AXlp60

ガチャッ



杏子「ただいま」



酷く沈んだ表情で、杏子は扉を開ける



まどか「杏子ちゃん……」



杏子「……病院にも寄ったよ。お前の死体にブルーシート被せといてやった」



まどか「ありがとう」



杏子「後でちゃんと火葬しような……虫に集られる前に」



椅子に深く腰を下ろし両手を顔に当てて、ため息を吐く



杏子「何てこった……私がもっとしっかりしていれば……」



ポン



杏子の肩に、誰かが手をのせる

99[saga sage]:2012/09/19(水) 05:58:55.06 ID:vi1AXlp60

さやか「……もう自分を責めるのは止めよう杏子」



杏子「……」



さやか「もう過ぎた事だよ」



さやか「それにどういう形であれ私達5人は、これからはずっと一緒なんだからさ」



杏子「ずっと一緒……」



ほむら「そうね。もう離れることは無い、絶対に」



マミ「そうね。町は曇っているけど、私達は晴れてサイレントヒルの住人の仲間入りよ」



まどか「ウェヒヒ、みんな家族だね」



杏子「そうかみんな、これからはずっと一緒、家族なんだよな」



杏子「ははは……そうだよ。何を恐れる必要があるんだ」



マミ「ええ、もう何も恐くないわ」



まどか「それじゃ、そろそろいきましょうマミさん、みんな」



マミ「ええ」



さやか「うん」



ほむら「そうね」



杏子「……?どこいくんだ」



まどか「近くの喫茶店で、住人の人達とお茶会開くんだ」



杏子「……住人だと?こんな町にそんなのいたか?」



まどか「知りたい?どんな人達か……それはね」





























まどか「私達と同じ、かつて過酷な運命を背負って来た人達だよ」



『断罪END』(Bad end)

ED曲⇒ 
http://www.youtube.com/watch?v=7WUxlXpZ5eM (サントラ曲)

100[saga]:2012/09/19(水) 06:06:57.77 ID:vi1AXlp60



105[saga  sage]:2012/09/21(金) 00:28:12.88 ID:78o51jXe0

二人は杏子を保健室で寝かせ学校を後にしたあと、地図を見ながら、紆余曲折の果てに何とか病院に辿り着く。



さやか「ここが病院だね」ハァハァ



まどか「うん……」ハァハァ



道中で度々怪物に襲われ、時に戦い、時に逃げ回って来ていた為、二人は息を荒げている。



さやか「……ってかさ、たくましくなったな。まどか」



さやか「さっき人間とチンパンジー混ぜた様な、緑色の怪物いただろう?あんな変質者みたいなのに襲われたら、前のまどかなら失神モノだよ」



まどか「うん、確かに恐いけど色々あったからね……」



まどか「それに私達、この街に来る前も色々あったでしょ?」



さやか「ま、まあね……」



そう言いながら、さやかは病院の門の扉を開ける。



ガラララ……



怪物「バゥゥゥッ!」クワッ



さやか「!?」



門を開けた瞬間いきなり、顔面が口だけの犬がさやかの懐に飛び込んでくる。



さやかは、ほぼ同時に条件反射的に鞘から刀を引き抜き



ズバッ!……ボトッ



怪物「」



刀で居合い切りを決め込み、怪物の首を綺麗に落とす。



その首筋から、どす黒い鮮血が溢れ出す。



まどか「すっごーいさやかちゃん!!」



さやか「……またつまらぬ物を斬ってしまった」チャキン



さやか「なんてね」ゴクゴク



さやかはポケットから、栄養ドリンクを取り出して勢い良く飲みほす



まどか「あ、わたしも水分補給しよっ」ゴソソ



まどかはポケットからドリンクを出そうとする。



さやか「っ!?ブーーーーーッ!!!」ドバッ



まどか「きゃあ!!?」ビチャチャ



さやか「ゲホゲホ……」



まどか「ひ、ひどいよ~さやかちゃん!いきなりどうしたの!?」フキフキ

106 :[saga]:2012/09/21(金) 00:30:17.18 ID:78o51jXe0

さやか「まどか危ない!!」ダダッ



まどか「え」



いきなり吹き出したさやかは、ハンカチで顔を拭いているまどかの背後にすばやく回り、鞘から刀を引き抜く



怪物「ブオォォッ!!」バサバサ



つばさを生やした怪物がまどかに向かって飛んでくる。



先程さやかが倒した、顔面が口だけの怪物に、翼を生やしたような奴だ。



さやか「私の嫁に何さらしとんじゃわれ!!」ブンッ



スパッ!……ポトッ



怪物「ヒョォォォッ!!」バサバサ



日本刀で怪物の足を一本だけ切り下ろし、黒い血と共に地面に足が落ちる。



さやか「チィッ!急所外したか!!」



まどか「あ、ありがとさやかちゃん!」チャキッ



まどかも慌てて、矢をセットしてボウガンを構え、一旦距離を取った怪物に照準を合わせる



まどか「……」



ビュン!ビュン!



ズババッ!



怪物「ヒョォォンッ」ドサッ



すばやいリロードと射撃で、二つの矢が中に舞う。



空飛ぶ怪物の腹部に一本の矢が刺さり、更に首筋にもう一本の矢が突き刺さり、肉を貫通させる。



その後、緩やかに力なく倒れる



まどか「や、やった!倒せた!」



さやか「しっかしあの使い魔たちは、何でこういつも唐突に来るかな~」チャキン



まどか「杏子ちゃんが持ってたラジオ借りてくれば良かったね……」



さやか「……確かに。盲点だった」



















杏子「ああ~~~もう!ハラハラさせやがって!」コソコソ

107 :[saga sage]:2012/09/21(金) 00:32:27.46 ID:78o51jXe0

【病院内】



まどか「……それじゃ、まずは薬局コーナーだね」パサッ



小奇麗に整った院内だが、やはり誰もいない。



地図を手に入れたまどか達は、院内の1階を中心に探索を開始する。





さやか「薬局が離れじゃなくて助かったよ」



まどか「本当だよ」



そういって、薬局コーナーのカウンター奥の部屋に通ずるドアに、手をかける。



ググッ



まどか「だめ……開かない。鍵が必要みたい」



さやか「ちっきしょ~……何でこの建物は入れない部屋が多いんだよ!!」



イラついてるさやかをよそに、まどかは地図にマーカーペンで、メモを取り確認をとる。



まどか「上の階と、地下のお部屋が残っているみたい」



さやか「ん~~じゃあ一先ず、地下室に向かうか」



まどか「うん」



さやか「……ん?」チラッ



まどか「どうしたのさやかちゃん?」



さやか「いや……誰かそこにいた気がして」



さやか「気のせいだよな、多分」



さやかは頭をポリポリと搔きながら、首を傾げる









杏子(危ねぇ危ねぇ……)

108 :[saga sage]:2012/09/21(金) 00:33:52.34 ID:78o51jXe0

【病院地下】



さやか「ねぇまどか」



まどか「なに?」



さやか「あそこに誰かいない?」



地下室の長い廊下にライトで奥の方を照らす。

すると確かに、2人位の人影が視界に映る



まどか「本当だ」



さやか「先客かな……よし!」



さやか「あの~すいません」



「……」



さやか「ありゃ?聞こえなかったかな」





さやか「あの~~!!」



「……」ピクッ



人影は一瞬、ピクッと何かに気づいたように動きだす。



さやか「いや~私達初めてこの町にきた者なんですが……」



「……」カツカツ



その人影2人は、何か奇妙な動き方で歩き始めた。



まるで、操り人形のようにカクカクとした、不自然な堅い動きで。



まどか「っ!?」ビクッ



さやか「どうしたまどか?」



まどか「ねえ……さやかちゃん、あの人達何か様子が変だよ」ボソ



さやか「え」



まどかの怪しげな視線を追うように、さやかは目を凝らしつつ、前を見る



「……」カツカツ



さやか「え え 」



さやかもようやく、まどかの言っている意味を理解したのか凝視する。



「……」コツコツ



影の正体は、2人のナースだった。



だが、顔面がどう見ても人間じゃない。



顔面は白く、目や鼻、口が存在しない。

ナース服は血まみれで、妙にスタイルだけは抜群だ。



そして、手には鉄パイプが持たれている。

109 :[saga sage]:2012/09/21(金) 00:36:40.45 ID:78o51jXe0

ナース1「……」カクカク



さやか「あ、あは……あはは。初めまして」



ナース1「……」ピタッ



不自然な動きがさやかの前で止まる。



さやか「え、えと……その……す、素晴らしいバディですね!!」



杏子(何言ってんだあいつ)コソコソ



まどか「そ、そうですね!なんかマミさんみたいだな~って……」



ナース1「……」



さやか「ええと……」



ナース1「ギュァァァ!」ブン



さやか「!?」ガキィィッ



錆びた鉄パイプを水平になぎ払う様に、さやかに目がけて振り回してくる。



その鉄パイプを、刀で受け止める



さやか「ちょ、ちょっとなにすんのよ!!」ギリリ



ナース1「フゥゥゥッ!」



ガキィィン!キィィィン!



ナースは縦に横にと、鉄パイプを振り回しさやかを襲う。



ビュン!



ズバッ!



ナース1「グゥゥ!」



クリーチャー化したナースの鉄パイプの持たれた腕に、矢が突き刺さる



まどか「さやかちゃん大丈夫!?」



さやか「サ、サンキュ!」チャキッ



さやかは一旦刀を構え直し、一気にナースの懐に飛び込み



さやか「おおおりゃあああ!!」



ドスッ!



ナース1「グォォ……」



胸部に目がけて一突きする。



急所を押さえたのか、黒い血を流しつつ、ガクリと硬い動きで体を崩す。



さやか「はぁはぁ……」



まどか「さやかちゃん大丈夫!?」



さやか「まどか!うしろ!!」



まどか「っ!!?」

110 :[saga sage]:2012/09/21(金) 00:38:09.33 ID:78o51jXe0

さやかの言われた通りまどかが後ろを振り向くと



ナース2「ギュァァァ!」



もう一体のクリーチャーナースが、鉄パイプを上段に構えて、今まさに振り下ろそうとしている。



まどか「……っ」カチャッ



まどかは多少動揺しつつも、矢を素早くリロードして、銃口をナースに向け



ビュン!



ズバッ!



ナース2「グゥォォッ!!」



ナースの首筋に、矢が突き刺さる



さやか「よっしゃ!まどかしゃがんで!!」



まどか「うん!」



さやかの言うとおりしゃがむと、さやかはまどかの方に向き直し、その場で刀を横に振る。



ズバァァッ!!……ボトッ



まどかの頭上に刀が過ぎ通る。



そしてナースの鉄パイプを持った両腕と、ナースの頭部ごと一気に切り落とす。



まどか「さやかちゃん……ナイスアシスト」



さやか「まどかこそ」



ビチャァァァッ!



まどかとさやかの顔面に、黒い返り血が降りかかる



さやか「……と、とりあえずタオルで拭こうか顔」



まどか「う、うん……」









杏子(……)ハラハラ

111 :[saga sage]:2012/09/21(金) 00:39:18.76 ID:78o51jXe0

―――その後、地下室の倉庫部屋から『薬局コーナーの鍵』を手に入れた。



階段を昇って、1階の薬局コーナーへ戻る。



ガチャッ



まどか「うわぁぁ~薬がたくさんある」



さやか「こん中から探すのかよ……気が重くなるわ」





―――1時間後





さやか「あああ!!もう見つからん!!」



まどか「ここにないんじゃ違う病院に行くべきかな……」



さやか「え~~だって、ここ以外の病院って結構な距離じゃん……」



まどか「でもこのままだと杏子ちゃんが……」



さやか「そりゃそうだけどさ……」



さやか「はぁ~あたしが魔法使えてたらなぁ」



さやか「……ん?」



さやかはふと、床に何かメモを見つける



まどか「それ、何だろう」



さやか「なになに……」

112 :[saga sage]:2012/09/21(金) 00:41:35.71 ID:78o51jXe0

『【新薬の解毒剤について】



この度、新薬がこの病院に届けられた。



サンプルなので、まだ安全の保証はないが、医大の連中曰く、特効薬そうだ。



あらゆる病気に対応できるらしい。



ただ値段が飛びぬけて高い故、処方として扱われるようになるには長い年月が必要だ。



場所は三階の倉庫室にある。



だが気をつけろ、厳重に保管されている。

決して安易に触れるな。



暗号は上のボタンから―――』



メモは途中で破れてしまい、暗号が解読できない。





さやか「むむむ……これは嬉しいような、悲しいような」



まどか「重要な部分が伏せられてるね」



さやかあ「とりあえず、三階の倉庫室だな」



まどか「暗号のメモは探さないの?」



さやか「確かにそっちのほうが堅実だけど、めんどいしさ、ここは強引にぶっ壊して開ければいいじゃん!」



まどか「大丈夫かな……取り扱いに気をつけろって、言ってたし……」





杏子(三階……ね。よし、先回りしとこ)テクテク





杏子は三階まで階段で先回りし、二人は薬局コーナーを後にする。

113 :[saga sage]:2012/09/21(金) 00:43:47.92 ID:78o51jXe0

【エレベーター】



さやか「それにしてもこの街、電気が点いてないのになんで病院のエレベーターのドアは開くんだろうな」



まどか「私もそれ、気になってた」ポチッ



まどかは首を傾げながら、3Fと書かれたボタンを押す



ガチャン……ギュイィィィィン



無機質な機械音が静かに響く





ザザ、ザー…キュィィィイィンン!!





まどか&さやか「っ!?」



突如、ノイズ音が流れる



まどか「あれ……ラジオは杏子ちゃんが持ってるよね?」



さやか「うん、これは……?」



『ヒューヒュー!』



まどか「え、声?」



スポーツ観戦にきた観客の歓声のような物が聞こえてくる





『レディース&ジェントルメン!!』



『「トリック・オア・トリート」の時間です!!』



『ヒューヒュー!!』



『クイズに見事、正解して商品を手に入れるか!?』



『それとも間違えて罰を受けるか?』



『それは解答者の知力次第』



『さて、今日の挑戦者は……』



『未契約者の救世主・マドカァ!カッナーメェェ!!』



『ヒューヒュー!!イェェェェェェェ!!』



『そして……悲劇の魔法少女・サッヤーカァ!ミッキィィィィ!!』



『ヒューヒュー!!イェェェェェェェ!!』





まどか&さやか「」

114 :[saga]:2012/09/21(金) 00:48:54.34 ID:78o51jXe0

『それでは心の準備はいいですか!?』





『それでは第1問』



『サイレントヒル……かつてこの街には教団が存在した。

教団……派閥あれど、人々を不幸に陥れるのが彼らの目的



泣き叫ぶ人の声、飛び交う血肉、この世の終焉。

人々の罪を洗い流すと証し、地獄の世界を構築させる……はずだった。



だが、ある勇者がその悪の教団を倒した

その勇敢なる賢者……一体誰だ!?』





①ダリア・ギレスピー

②ジェイムス・サンダーランド

③ハリー・メイソン





『続いて第2問目』



『サイレントヒル……この街には様々な者達が訪れる。

目的は様々だ。



観光、オカルト巡り、自殺、殺害目的……目的を忘却し思い出す旅に出る者。

さて、今回は2人の名前を例に出そうと思う



・殺人鬼ウォルター・サリバン

・幸薄き娘アンジェラ・オラスコ



さて、2人の共通点はなんだ!?』





① 親を探している

② 孤児院で育った

③ 放火魔で逃亡中





『最後の第3問目』



『内容は実にシンプル……今、君達をすぐ近くまで追いかけているのは誰だ!?』





① 処刑人・レッドピラミッドシング

② 謎の魔法少女・暁美ほむら

③ 紅き魔法少女・佐倉杏子





『問題は以上で終わりです!

さあ答えは分かりましたか!?』



『わかったら、豪華商品の待つ三階倉庫へどうぞ!』



『でも気をつけてください?間違えたら……ハハハハハハハハハハ!!』



『それでは皆さん、またいつか……』



『バイバーイ!』



『ヒューヒュー!!イェェェェェェェ!!』







まどか&さやか「」





ガチャン!



エレベーターのドアが開く

115 :[sage saga]:2012/09/21(金) 00:51:53.58 ID:78o51jXe0

【三階廊下】



さやか「……ねえまどか、さっきの何?」



まどか「こっちが聞きたいよ……」



さやか「……でもあのクイズで言ってたよね?三階の倉庫室に豪華商品があるって」



さやか「それに、解け切れていない暗号……」



まどか「あのクイズがヒントって事?」



さやか「そうなるね」



まどか「それならわたし、最初の問題ならわかるよ」



さやか「え!マジ!?」



まどか「うん、えーと……」ゴソゴソ



まどかは鞄の中から、本を取り出す。



まどか「……」ペラペラ



さやか「なに読んでるの?」



まどか「あ、やっぱり!最初の答えは分かったよ!」



そういって、本をさやかに見せる



さやか「ええと、『サイレントヒル:著者ハリー・メイソン』……?」



まどか「うん、この人の実体験を元に作ったお話みたい」



さやか「んじゃ、この人はサイレントヒルから生還した人なんだね」



まどか「うん、この人が確か教団を倒して、娘さんを助けたって話だよ」



さやか「そっか……じゃあ二問目はわかる?」



まどか「それが、ウォルターって人は知ってるけど、アンジェラって人のこと分からないんだ」



さやか「むむむ……んじゃ、三問目は」



まどか「……ほむらちゃんだと良いな」



さやか「願望と真実は一緒とは限らないよ」



まどか「……」



さやか「私は……アイツに掛ける」コツコツ



さやかは少し歩き、階段の前に立つ



まどか「さやかちゃん……?」



さやか「出て来い馬鹿杏子!!!あれだけ安静にしてろって言っただろうがぁぁ!!!!」



病院中にさやかの怒涛声が、やまびこの如く響く













コツコツ……





杏子「……お前に馬鹿呼ばわりされる筋合いはねえよ」ヒョコッ

116 :[sage saga]:2012/09/21(金) 00:53:59.35 ID:78o51jXe0

まどか「きょ、杏子ちゃん!!?」



さやか「なんで付いて来た!!」



杏子「……心配だからに決まってんだろ」フラフラ



杏子はそういって、顔を下に向きながら頭をかく。



さやか「はぁぁ~……」



杏子「なんだよ」



さやか「このツンデレが」



杏子「あぁん!?」





さやか「でもまあ……ここまで来たんじゃ徹底的に付き合ってもらうからね」ビシッ



杏子「っ痛!?」



そういってさやかは、杏子にデコピンをする。



杏子「ぅぅぅ……」フラフラ



少しデコピンしただけにも関わらず、杏子は体をフラフラとよろめかせる。



杏子「おい……なに……しやがる……」フラフラ



まどか「杏子ちゃん大丈夫!?」



さやか「あんたそんな状態で良くここまで来れたね」





【三階倉庫室】





中に入ると、机の上に箱があった。

宝石などの装飾品がたくさん付けられている。



そして上から縦にQ1~Q3。

横にも3づつあるボタンが付いている。





さやか「さてと、Q1とQ3の答えは解ったけど……」



まどか「Q2が解らずじまいだね」



杏子「……?何の話だ」



まどか「実はね―――」





~~謎のエレベータークイズについて説明中~~





まどか「―――と言う事があって」



杏子「ふーん……」



杏子「……」



さやか「よし!ここはリスクを減らすためにぶっ壊しますか!」



さやか「ってな訳で、ハンマーか何か探しに行こう!」



杏子「……その必要はねえぇ」

117[sage saga]:2012/09/21(金) 00:57:46.90 ID:78o51jXe0

さやか「へ?」



杏子「多分、Q2の答えは1だ」ポチッ



そう言って、杏子はボタンをQ2の1番のボタンを押す。



まどか「杏子ちゃん、この人達の事について何か知っているの?」



杏子「全然」



さやか「いや……そんなドヤ顔で言うなって」





杏子「根拠はねえ。ただなんとなく選択儀を聞いて、ピンッと来た」



杏子「このウォルターとアンジェラって奴から、私と似た臭いがするってな」





さやか「……要するに、あんたの勘を信じろと」



杏子「ああ」



さやか「はぁ~わかったよ、ここまで付いて来てもらっちゃったんだ。あんたを信じるよ」



まどか「さやかちゃん、ボタン押すよ?」



さやか「うん」



ポチッ、ポチッ



ガチャンッ



箱は静かに開く



さやか「ほ、本当に開いた……」



杏子「そら見ろ」



まどか「杏子ちゃんすっごーい!」



3人は箱の中を確認する。

すると、中には3つの物品が入っていた



さやか「おお!これは例の解毒剤!」



まどか「残り二つ……これは?」



まどかの手に持たれた物品は、リボルバー式拳銃とその弾薬数十発分だった。



杏子「へぇ~良い武器ゲットしたじゃん」



まどか「うん、でも私はボウガンを使い続けるよ」



まどか「一番しっくりくる武器だし」



矢の弾薬は道中でたくさん拾って来た為、余裕ではある。





しかし、矢の弾薬だって無限にあるわけでない。

念のためまどかは鞄に、拳銃と弾薬を仕舞う




123[sage saga]:2012/09/21(金) 19:54:45.91 ID:78o51jXe0

さやか「それじゃ、注射しま~す」



杏子「お、おう……」



プスッ



杏子「っ!!」



杏子は目を瞑って、小刻みに震える



さやか「はい終わり」



杏子「はぁはぁ……注射なんて何年ぶりだよ」



さやか「全くもう杏子ったら可愛いんだから」



杏子「う、うるせー!苦手なもんは苦手なんだよ!」



まどか「ウェヒヒ、わかるよ杏子ちゃん。でも痛いのは一瞬なんだよね」



杏子「ま、まあな」



ガチャッ



倉庫室から出る3人。

まどかが、地図を広げる。



まどか「次は何処に行こうか?」パサッ



さやか「杏子の解毒は終わったから、次はアイテム探索だね」



杏子「こんな病院にあるのかって話だけどな」



さやか「まあせっかく来たんだし、もうちょっと見ようよ」



まどか「じゃあ、この2階を見に行かない?まだ行ってないし」



2人は頷いて、再びエレベーターに乗る。

勿論こんどは、変なクイズ番組が流れる事はなかった。

124[sage saga]:2012/09/21(金) 19:55:56.02 ID:78o51jXe0

【2階廊下】





ナース「ギュァァァ!」ブン



杏子「チャラチャラ踊ってんじゃねえよ!」ドスッ



ナース「ギョッホォォォ」ドサッ



ナースの顔面を、槍で貫通させ息の根を止める



まどか「杏子ちゃん絶好調だね!」



杏子「おかげさまでな」ゲシッ



杏子はトドメと言わんばかりに、ナースに蹴りを喰らわせる。



杏子「だがまあ何だ、どうしてここの病院は入れない部屋ばっかなんだ?」



さやか「……」



杏子「?どうしたさやか」



さやか「あれ……見て」



さやかが指差す方を見ると、204号室と206号室が光っているのがわかる。



まどか「……だれかいる?」



杏子「よし、まずは204号室から行こうぜ」

125 :[saga]:2012/09/21(金) 19:56:55.19 ID:78o51jXe0

【204号室】





部屋に入ると、奇妙な散かり方をしていた。



患者がそこに元々いたと思われる、点滴の管。



真っ二つに切れたベットが置いてあった



まどか「この部屋は……?」



さやか「なんかつい最近まで使われていた雰囲気だね」



杏子「……?なんか落ちてるぞ」ヒョイッ



杏子は『赤十字マークの手帳』を拾う。



今回は血など付着せず、綺麗に保存されている。



しかし所々、殴り書きでよく読めないところがある。

126 :[saga  sage]:2012/09/21(金) 19:59:56.87 ID:78o51jXe0

『赤十字の手帳』より



※殴り書きの部分→『―――』



(日記前半)





『○月△日



旅行で、このサイレントヒルに立ち寄る事にした。

先日、わたしは大きなミスをしてしまった。



それは私の担当していた、患者さんの真夜中に打つハズの点滴を、打たずに朝まで放置してしまったことだ。

結果、患者さんを死なせてしまい、懲戒免職となった。



言わば傷心旅行って奴だ。



だれも言い訳なんて聞いてくれないだろう。

私がなぜ夜勤中、姿をくらましたか。



病院に徘徊していた厄介な魔女と、数時間にも渡って闘ってたなんて誰も信じてくれまい。



私はこれでも10年間、魔法少女をやってきた。

実力には自信がある。



その私が苦戦したのだ。

殺されかけたし、凄まじい強さだった。



でも誰にもわかってもらえるはずもない』



『○月△日



私は夢を見ているのだろうか



患者さんが……いや、『彼』が生きていたのだ。

だがなぜだ。彼は確かに――――――ったはず



しかも彼は、私とデートがしたいと言ってくるのだ

とても嬉しいけど、この街は何か異常だ。



町全体が魔女結界のような……そして使い魔がウジャウジャいる



一緒にここを出ようと言うが、彼は聞き入れてくれない。



なんでも連れて行きたい場所があるとか』



『○月△日



今日、私は彼に連れられ遊園地に来た。

ロビーくん人形が温かく迎えてくれた。



人っ子一人もいなくて、私と彼だけ。

霧だらけで、電気もつかない筈なのに、なぜかマシーンが動く。



―――あんなに楽しい一時を過ごしたのは何年振りだろうか



気がついたら、外は真っ暗

今日は、近くの病院で寝泊りする事にした』

127 :[saga  sage]:2012/09/21(金) 20:02:38.81 ID:78o51jXe0

(日記後半)



『○月△日



不幸は突然襲い掛かる



――は病気が再発したのだ。

幸いここは病院。私は治療を施す』





『○月△日



悪夢が蘇る

――は死んだのだ。



いや、殺されたと言うべきか



真夜中に、魔女が発生したため退治に向かう。

帰ってきたら、ベットごと彼の体は真っ二つに切り裂かれていた



途中、院内の廊下で―――――に遭遇する。

―――血を垂らして歩いている。間違いない、―――だ。



わたしは、―――にしてやった



絶望に打ちひしがれていると、インキュベーターが来た

『早く帰ろう』と促してくる。



そのつもりだが、ショックのあまり動く気になれない。

今日も病院で寝泊り』





『○月△日



サイレントヒルから出ようとしたら、なんと―――――――――のだ。



――は、この町で一緒に暮らそうと言う。

気持ちは嬉しい。だが――――――い。



―――はず――い。

一緒にはいたいが、それを――。



すると――は――――して――――たのだ。

結果、私は三度、――を――――になった。



このとき、私の中で何かが壊れてゆくのを感じた。



私のソウルジェム……物凄い勢いで濁っている。

そういえば、ジェムは濁りきるとどうなるんだろうか。



今度、インキュベーターに聞いてみよう。

今はとにかく、グリーフシードを獲る為、魔―――を退治に――』





全員「……」



さやか「……どの国の魔法少女も辛い目にあってるんだね」

128[saga  sage]:2012/09/21(金) 20:04:24.97 ID:78o51jXe0

杏子「……?」



さやか「どうした」



杏子「鍵が手帳に挟まってる」



さやか「え……?あ、本当だ」



最後のページの所に、鍵が挟まっていた。



さやか「なんの鍵だろう……」





――――





204号室を後にした3人は、206号室の部屋の前まで来る。



ググッ



さやか「?」



ドアには鍵が掛かっている。



杏子「鍵が掛かってるか……だが、この部屋に電気が点いてるってことは」



さやか「あの~~~!開けてくれませんか~~~!!」ドンドン



さやかは大きな声で、ドアを叩きながら訴えるが、何も反応が来ない。



さやか「ちっきしょーなんだよ」



杏子「警戒してんのかな。……そうださやか、さっきの鍵つかってみようぜ」



さやか「その手があったか」ガチャン



先ほど手に入れた鍵で、部屋の鍵が難なく解除される。



さやか「すみませーん、勝手に入りまーす」





「スー……スー……」





杏子「……?だれか寝てる?」

129 :[saga  sage]:2012/09/21(金) 20:06:58.26 ID:78o51jXe0

3人が部屋に入ると、ベットの上に黒髪の少女が寝ていた。



ベットの脇には護身用なのか、ゴルフバットが置かれていた。



まどか(あの子、どこかで……)キョトン



さやか「あの~すいません」ユサユサ



さやかは、やや強めに寝ている少女の体を揺らす。

セットされた三つ編みが揺れる。



「ん……」パチッ



さやか「あ、起きた。すいません、勝手に入らせていただいてま~す」



「……っ?」



三つ編みの少女は目を擦りながら、赤縁のメガネを机から取ってかける。



「……あれ、み、美樹さん!?」



さやか「へ?」



杏子「知り合いか?」



さやか「え、いや……そんなんじゃ」



「ああ!佐倉さんも!」



杏子「え……あたしも知ってんのかよ」



「お久しぶりです!よかった……皆さん無事だったんですね」



「私、気がついたらこの病院にいて……お外は危ないし、発作が酷かったから休んでたんです」



杏子&さやか「お、おう……」



「それにしても……ここは何処なんでしょうね?」



まどか「あの……初めまして、鹿目まどかです。あなたのお名前は何ですか?」

130 :[saga  sage]:2012/09/21(金) 20:08:18.61 ID:78o51jXe0

「!!!?」ガバッ





眼鏡の三つ編み少女は、物凄く驚いた表情で上半身を起こす。



そして、少女はまどかを抱きしめる



「か、鹿目さん!!!」ギュゥ



まどか「ふぇ!!?」



「鹿目さん会いたかった……グスグス」



「私、一人ぼっちでさびしかったです……グスグス」



まどか「え、えと……すいません、誰でしたっけ?」オドオド



「……?え、私ですよ私」



まどか「え、あのその……」



「私は……」











「暁美ほむらです」





全員「」

136[sage saga]:2012/09/24(月) 21:05:37.34 ID:J64FRznl0

束の間の再会に、3人は驚きが隠しきれない。

死者が復活した事とは別な意味で



ほむら「……?鹿目さん、それに皆さんどうしました」



まどか「ほむらちゃん……ちょっといいかな?」スッ



ほむら「あっ……」シュルル



まどかは、ほむらの三つ編みでまとめた紫のリボンを解き、さらに眼鏡を取る。



まどか「や、やっぱり……」



さやか「ほ、本当に転校生だ……」



杏子「まじかよ……」



ほむら「あの……皆さん?」



さやか「転校生……あのさ、いつもの口調はどうしたの?」



杏子「そうだよ、あのクールで淡々とした憎まれ口調は」





ほむら「わ、わたし……そんな態度に見えましたか?もし気に障ってたらすいません。気をつけます」ペコリ



杏子&さやか「……」



さやかと杏子は、互いに顔を合わせるや、深いため息を吐く



やがて杏子は髪を無造作にボリボリと搔き始める



杏子「あああああああもう調子狂う!!いつもの雰囲気はドコ行ったんだよ!!」バリバリ



さやか「そうだよ!『あなたはドコまで愚かなの…』とか!言わないの!?ねぇ!!?」ユサユサ



ほむら「そ、そんな事言われても……」オドオド



まどか「ちょ、ちょっと……みんあ落ち着こうよ」


137[sage saga]:2012/09/24(月) 21:08:17.13 ID:J64FRznl0

杏子&さやか「はぁはぁ……」





まどか「もう……二人とも大げさ何だから……」



ほむら「あの……ところで、皆さんも気がついたらここにいたんですか?」



杏子「あぁ……いやそれがさ、私とまどかは別なんだ」



ほむら「え?」



杏子「ほむら……お前、一応聞くが自分が何やってきたとか覚えてるか?」



ほむら「何をって……さっき話したように」



杏子「あ、いやそうじゃなくて、美滝原にいた頃、自分が何をしてきたとかさ」



杏子「……なんか今のお前見てると、ワルプルギスを自力で打ち破った事自体、忘れてる雰囲気だしよ」





ほむら「!!?あのワルプルギスを私がたった一人でですか!!?」



杏子「……やっぱりか」



まどか「どういうこと杏子ちゃん?」



杏子「……お前、ちょっと記憶喪失だろ?」



まどか&さやか「え……」





ほむら「……はい。なぜ自分がここにいるのか、この街にくるまで何をして来たのか、ほとんど覚えていないんです」





さやか「それじゃ、魔法少女とかQBの事は?」



ほむら「それは覚えてます」



ほむら「魔法少女とQB、魔女の真実、私が契約した事、それと……」



杏子「まどかを守るために、時間遡行……」



ほむら「……!!?なぜそれを」



杏子「まどかから聞いた。記憶を失う前のお前が、まどかに真実を話したみたいだぜ?」



ほむら「……」



杏子「……んで、どこまで覚えているんだ?」





ほむら「凄く断片的にです。さっき話したように魔法少女と魔女、QBの事は知ってます。皆さんの事も」



ほむら「ただどれだけ時間遡行してきたとか、その詳しい出来事が全く思い出せなくて……」





杏子「……なるほど、そりゃ随分断片的だな」



ほむら「あと……なぜかわたし、魔法が使えなくなってるんです」



杏子「ああ、やっぱり。私達と一緒だ」



ほむら「佐倉さんたちも……?」



杏子「ああ。……んじゃ、そろそろこんどは私達の状況を教えないとな」



ほむら「……」



杏子「わたしらは―――」

138 :[saga]:2012/09/24(月) 21:10:47.74 ID:J64FRznl0

杏子「……と言う訳だ」



ほむら「……」



杏子は、これまで何があったのかを簡単に説明した。





ほむら「……それじゃ、美樹さんと私は本来は死んでる……という事ですか?」





さやか「まあそうなるね。だれの仕業なのか、なんで生き返ったかは知らないけど」



杏子「私は一番早くこの町にきた。その後、まどかがほむらを救うためにここに来た」



杏子「みんな生き返ったはいいが」



まどか「……マミさんが」



ほむら「巴さん……」



杏子「お前らがなぜ生き返ったかわ知らねえが、やることは変わらねえ」



杏子「あたし達は、あと二つのアイテムを探しに行く」



ほむら「……そ、それなら私も行きます!」



まどか「体調は大丈夫?」



メガほむ「決して良いとはいえません。ただ、ここにいても埒があきませんし」



ほむら「何より、巴さんを助けたいです」



杏子&さやか「……」



ほむら「……?どうしました?」



さやか「いや……っていうか転校生本当に変わったね」



杏子「気持ち悪いくらいな」



ほむら「え……き、きもちわるいですか?」



まどか「そんなこと無いよ!もう、ほむらちゃんに酷いこと言わないで杏子ちゃん!!」



杏子「わ、わかったよ。んなムキになるなって……」

139 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:12:02.21 ID:J64FRznl0

4人は一旦、部屋からでる。

2階の廊下は、既に怪物達を一掃したため危険ではない



さやか「次はどこ行く?」



まどか「もう、大体回ったんだよね……後の部屋は鍵が閉まってて入れないし」



杏子「んじゃ、病院の探索は終わりか?」



まどか「そうだね……でも次はどこに行こうか」



ほむら「ちょっと地図見せて貰ってもいいですか?」



まどか「あ、うん」パサッ



ほむら「『儀式』に必要なアイテム……」





ほむら「資料館はどうでしょうか?そこなら何か手がかりが見つかるかも知れません」





杏子「資料館か……そうだな、そこなら何かありそうだな」



さやか「それじゃあ、とっととこの病院出ちゃいますか」

140 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:14:00.77 ID:J64FRznl0

【1階玄関前】



ググッ



まどか「あれ?」



杏子「どうしたまどか?」



まどか「扉が開かない……」



杏子「何だと……ちょっとどいてろ」



そういって、杏子が扉のドアノブに手を掛ける



杏子「くそ!本当だ全然開かねえ!!」ググッ



ほむら「もしかして、閉じ込められちゃいました……?」



まどか「そ、そんな……」



さやか「あああああもうめんどくさいな!!みんなでこの扉ぶっ壊しちゃおう!!」チャキッ



そういって、さやかは鞘から刀を引き抜き、峰打ちで扉を叩く



さやか「うらああああ!!!」ドカドカ



杏子「おいおいそれ刀だろ……あんま叩きすぎてへし折らすなよ?」チャキッ



呆れながらも杏子は槍を構え、扉へと突く



杏子「オラアアァァァァ!!!」ドスドス



まどか「う~んみんなに協力してあげたいけど、ボウガンじゃ破壊力にかけるし……」



まどか「……あ、そうだ」ゴソソ





ふと武器の事を思い出して、まどかは鞄を漁る



まどか「あ、あったあった」スッ



まどかの鞄から出されたのは、リボルバー式拳銃とその弾薬だった



ほむら「鹿目さんそれは……?」



まどか「うん、実はさっき三階倉庫室で見つけたんだ」



ほむら「凄く強力そうじゃないですか」



まどか「うん。でもわたしボウガンの方が、しっくりくるから予備に取って置いたんだ」



まどか「そうだ!ほむらちゃんにあげるよ」



ほむら「え、私にですか?」



まどか「うん、ほむらちゃん射撃上手そうだし」



まどか「それにこれから先、ゴルフバットだけじゃキツイと思うんだ」スッ



そういって、まどかはほむらにリボルバーと弾薬を渡す



ほむら「あ、ありがとうございます……」

141 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:15:47.64 ID:J64FRznl0

―――結局、扉は破壊できなかった。



あの後、ほむらもゴルフバットを使い3人で、扉の破壊を試みるが全く歯が立たない。



10分近く叩き続けたにも関わらず、扉に傷が殆ど付いていない。



おまけに、ほむらのゴルフバットが叩きすぎて、駄目になってしまった



ほむら「ぜぇぜぇ……ゴホゲホ!」



まどか「ほむらちゃん大丈夫!?」



まどかは酷く咳き込むほむらの、背中をさする。

先ほどの作業で体を酷使しすぎたのだ。



ほむら「すみません……今の私、魔法が使えないから、生身の頃と体質が一緒なんです……」



ほむら「ゲホゲホッ!!」



まどか「ほむらちゃん、私の肩に掴まって」ヨイショ



ほむら「ごめんなさい鹿目さん……ゲホゲホ!」





さやか「ちくしょーーー!!何なんだよこの扉!!」



杏子「おかしいだろ……頑丈ってレベルじゃねえぞこれ」



ほむら「ゲホ!……まるでこの扉自体が、鉄製の厚い壁みたいですね……」



まどか「みんな、このままじゃ埒が明かないよ。違う方法探そう?」



さやか「そ、そうだね。さやかちゃん疲れちゃったよ……手がビリビリするし」



杏子「……んで、どうする?窓から脱出するか?」



まどか「それが2人には話してなかったけど、窓もなぜかガッチリ固定されちゃって開かないの……」



杏子「……この病院は呪われてるのか?」



ほむら「……あ、そうだ」



さやか「どうした?」



ほむら「一つだけ……脱出ルートが残ってました」



杏子「どこだ!?」



ほむら「病院の屋上です!たしか、外の非常階段がありました……」



杏子「そうか!もう、それしかねえな」



さやか「トホホホ……結局、刀が傷付いただけで、あたしの努力は無駄だった」ガクッ



さやかはガックリと肩を落として、ビリビリと痺れる両手を見つめる

そんなさやかを見て、杏子は笑い、まどかとほむらはその苦労を労う

142 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:18:04.14 ID:J64FRznl0

【病院屋上】



途中、復活したクリーチャーに襲われながらも、屋上に辿り着く



まどか「ほむらちゃん、大丈夫……?」



ほむら「あ、ありがとう鹿目さん……」



さやか「あれが例の非常階段か」



4人が、非常階段に向かい始めた



その時だった





――――ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン





杏子「!!?これは……」



まどか「サイレンの音……」



ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン



気持ちを切り替えた4人に、何かを警告するが如くサイレンの音が鳴り響く。

だが、それだけではない。





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……





ほむら「びょ、病院が揺れてる……」



まどか「……揺れてるだけじゃない。なんか、床とか壁がおかしくなってる」



病院中に揺れる振動と共に、壁や床の色も徐々に変形を遂げる。



壁は病院らしい白を貴重にした色から、錆と血を思わせる色へと変色をする。



さらにクリーム色のコンクリートの床は、べっとりとした血と錆が付いた金網へと変貌を遂げる



さやか「何がどうなってるの……」





金網の下は、暗くて何も見えない。



その金網の穴を除くだけで、無限の暗闇に吸い込まれてしまいそうだ



ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン



サイレンの音は鳴り止まない。



むしろ緊張で鼓動が高鳴る度に、戦慄を煽らせる音が大きくなって行く



ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン



杏子「……嫌な予感がする。早くいこうぜ」





ドォォォォンッ!!





全員「!!?」



後ろから、何か重い物が上から降り落ちてきた音がする。



滴る汗を流しつつ、恐る恐る後ろを振り返る。

143[sage saga]:2012/09/24(月) 21:19:34.50 ID:J64FRznl0

キィィィィィィ……キィィィィィィ……



杏子「チィッ!やっぱり出てきやがったか!」



三角頭「……」ググッ



例の紅い三角頭が、大鉈を力いっぱい高々と振り上げ、4人を襲いかかる



杏子「っ!!一旦バラけるぞ!!」サッ



ガンッ!!!



重い鉛が床を叩きつける音が響く。



4人は乾いた音立てながら走り、バラバラに別れて、大鉈から回避する。



三角頭「……」



キィィィィィィ……キィィィィィィ……



金網の床を大鉈でひきずる。

まずは、目の前にいるさやかに向かって歩み始める



さやか「出たな三角頭!ぶった切ってやる!!」



さやかは、いつも通り猪突猛進に刀を振りかぶって、突進する。



それに答えるように、三角頭もまた鉈を振り下ろす



ガキィィィィン!!



だが、大鉈を受け止めたのはさやかの刀ではなかった









さやか「杏子!!」



杏子「さやか!!お前はひとまず引っ込んでろ!」

144[sage saga]:2012/09/24(月) 21:22:10.93 ID:J64FRznl0

三角頭「……」ググッ



さやか「でもあんた……!!」



凄まじい怪力に、生身の杏子はまたしても追い込まれていく



杏子「わかってるよ!!いいから冷静に良く考えろ!!」ググッ



杏子「今コイツを倒すには絶好のチャンスだぞ!」プルプル



さやか「え……」



杏子「私が『合図』を出す!それまでお前は攻撃するな!いいな!?」



さやか「で、でも……!!」



杏子「いいからまってろ!!」



三角頭の片腕の腕力で、槍で抑えている杏子の体を、押し倒すと言わんばかりに追い込んでいく。



杏子の両手はプルプル震え、背中が湾曲し、今にも倒れそうだ。



杏子「まどか!ほむら!この三角野朗を蜂の巣にしちまえ!!!」



まどか「!!わ、わかったよ!」スッ



まどか「ほむらちゃん大丈夫!?」チャキッ



まどかは心配で、ほむらの隣まで来る。



ほむら「は、はい……体調は思わしくないですが、銃の扱いは問題ないです」チャキッ



ほむらは咳き込みながらも、リボルバーに手馴れた手つきで、シリンダーに弾をリロードする。

そして、まどかとほむらの一斉射撃が開始される



パァン!パァン!



ビュン!ビュン!



三角頭「ォォ!?」ズババッ



飛び交う弾丸と矢。

そして、三角頭の鍛え上げられた肉体に、血が噴出される



もがき苦しむが、杏子に図書館の時のように隙を見せまいと、力を緩まないようにする。



三角頭「オオッ!!」ググッ

145[sage saga]:2012/09/24(月) 21:26:10.07 ID:J64FRznl0

杏子「クソ!おい、お前達!上半身ばかり狙うな!手とか足を狙え!!」ググッ



まどか「わ、わかった!!」チャキッ



ほむら「はい!」チャキッ



パァン!パァン!



ビュン!ビュン!



三角頭「ッ!!?」グラッ



ほむらの弾丸が手の甲に、まどかの矢が太ももに突き刺さる。



さすがに耐えきれず、力を緩め体がよろめく。



杏子「よし今だ!!刀でコイツの頭ぶった切ってやれ!!」



そういって、杏子は一旦距離を取って離れる。



さやか「ハァァァァァァァッ!!!」ダダッ



待ってましたと言わんばかりに、猪突猛進するさやか。



刀を腰の位置に構えつつ、三角頭の懐に入り込む。



さやか「これで」グッ



さやかは一瞬、膝を低くしてしゃがみ、そこから一気に膝のバネを上に動かす



さやか「とどめだぁぁぁ!!!」



三角頭「!!!!」



斜め45度の角度で、刀を振り回す。



ズバァァッ!



大鉈が持たれた片腕、そして三角頭の巨大な頭部が、綺麗に切り落とされる。



切断面からどす黒い血を噴出させながら











ドォォン!





三角頭の鉄兜と大鉈が、床の金網に落ちる音が響く

146 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:27:53.90 ID:J64FRznl0

三角頭「」ピクピクッ



頭部と片腕を切り落とされながらも、今だ倒れずにいる。



ガシッ



そしてもう片方の腕で、さやかの首を掴み持ち上げる



さやか「ちょ、カハッ……マジかよ!」



三角頭「」ググッ



ドスッ



鈍い音がする。

ふとさやかは下を見ると、杏子が三角頭の脇腹を、槍で突いていた。



杏子「終わりだよ」



三角頭「」





ドサッ





手からさやかを離して、力なくその場で倒れ付す。



まどか「や、やったー!!」



ほむら「た、倒せました!!」



さやか「たははは……結局、最後のおいしいところは杏子に持ってかれたわ」



杏子「ヘン……あんたがおいしいところ持って来るなんて、100年はええよ」



さやか「言ってくれるじゃない」



杏子「でもまあ」スッ



杏子は方手を上げる



杏子「上出来だ、さやか」



さやか「へへへ……」スッ



さやかも手を上げる。



























バァァァァン





だが杏子とさやかの手が、触れ合う事はなかった。

謎の銃声と共に

147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/09/24(月) 21:28:11.43 ID:BnwGRqago

ほむほむが劇場版のび太みたいだ

148 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:29:12.84 ID:J64FRznl0

杏子「ガハッ」



まどか「!!?」



ほむら「え……?」



さやか「杏子……!!?」



杏子の腹部に出血が起こり、その場で倒れ付す。



杏子「だれ……だ……」ガクッ



床の金網から血が、無限に広がる闇に落ちてゆく



さやかは杏子の体を抱えつつ、辺りを見回す



さやか「誰だ!杏子を撃った奴!!出て来い!!」



まどか「さやかちゃん……あれ」



まどかの指差す方向を全員が向く。







すると屋上の給水塔の上に、満月を背景にもう一体の三角頭が立っている。



銃身の長い銃を手にして。

149[sage saga]:2012/09/24(月) 21:30:29.32 ID:J64FRznl0

「……」カチャカチャ



古いタイプの単発式の銃なのだろうか。

リロードにやたら時間をかけている



「……」チャキッ



バァァァァン



さやか「うわぁぁ!!」



杏子を抱きながら、しゃがみつつも偶然、弾が外れたおかげで助かる



古いタイプ故か、命中率も低いようだ



「……」ガチャガチャ



さやか「チィッ!今は逃げるぞみんな!!」



まどか「う、うん。いこ!ほむらちゃん!」



ほむら「は、はい」ダダッ



3人は非常階段へと乾いた音を立てながら走る



ほむら「ハァハァ……ゲホゲホ、ゴホゴホ!」ガクッ



ほむらはその場で咳き込み倒れ付す。



まどか「ほむらちゃん!!?」



ほむら「美樹さん、鹿目さん……先に行ってください……」



まどか「何言ってるのほむらちゃん!」



ほむら「私みたいな足手まといは、放って置いて下さい……」



ほむら「ゲホゲホ……ここは私が時間を稼ぎますから」チャキッ

150 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:33:44.83 ID:J64FRznl0

ほむらは、もう一体の三角頭に銃口を向け、照準を合わせる。



「……」ガチャッ



もう一体の三角頭もリロードを終え銃口をこちらに向ける



まどかとさやかは既に非常階段の前にいる。



ほむらは途中倒れてしまい結構な距離がある



非常階段までのその差、約数メートル



非常階段まで逃げ込むには一刻を争う





ほむら「美樹さん……鹿目さん。少しの間だけど、あえて嬉しかったです」



銃と銃がにらみ合う。

覚悟を決めトリガーを引こうとする





まどか「ほむらちゃん!!!」



まどかがほむらを庇おうと走る



ドン!



まどか「キャア!!」



まどかに何かがぶつかる



まどか「イタタ……え、杏子ちゃん?」



まどかがぶつけられたのは、気絶した杏子の体だった。



ドン!



ほむら「きゃあぁ!?」



更にほむらも誰かに横へと押し倒し倒される。

トリガーを引く寸前に

151[sage saga]:2012/09/24(月) 21:35:34.00 ID:J64FRznl0

三角頭2「……」チャキッ



バァァァァン



三角頭から放たれた銃弾は、ほむらにでも、まどかにでも当たることはなかった。



なぜならば



さやか「ぅぅ……ぐっ」ガクッ



ほむら「美樹さん!!?」



さやかの腹部に命中したからだ



さやか「まどか!!」



まどか「!!?」



さやか「私が時間を稼ぐ……」



まどか「え……」



さやか「杏子……まだ生きてるから。それと転校生頼んだ!!」



まどか「待ってよさやかちゃん!!」



さやか「まどか……お願い。マミさんを何としても生き返らせて」



ほむら「美樹さん!!」



さやか「そういや転校生……いや、ほむら。まだあんたに言ってなかった事あったよな」



ほむら「え……?」















さやか「ごめんね。色々迷惑かけて」ダダッ

152 :[sage saga]:2012/09/24(月) 21:38:00.60 ID:J64FRznl0

まどか「さやかちゃぁぁぁぁぁぁん!!!!」



まどかの声も虚しくさやかは、給水塔へと走り出す。



さやか「観念しろや!!!このモブ野朗!!!」



梯子を一気に昇りぬけ、給水塔の上でもう一体の三角頭に飛びかかる



さやか「おおおりゃぁぁぁぁ!!!」ブン



刀を上段に持ち上げ、一気に力強く





バァァァァン





無常とも思える銃声音が響く



ほむら「ぁぁ……ぁ……!」



まどか「そ、そんな……」



カラァァン



刀を振りぬく事はなかった





なぜならば刀は銃弾で真っ二つにされ、その銃弾がさやかの頭部を貫いたからだ





さやか「カ……ハァ……」ピクピク



さやかの目の色から徐々に光が消えてゆく。



そして、三角頭はさやかの頭部を両手で掴んで



三角頭2「……」フッ



ベシャァ



さやかの遺体を屋上から、下の道路へと落とす

153 :[saga]:2012/09/24(月) 21:41:45.59 ID:J64FRznl0

まどか「ああ……」ガクガク



ほむら「そんな……美樹さん……」



まどかはその場で、四つんばいになり絶望する



まどか「そんな……こんなのってないよ。あんまりだよ……」



三角頭2「……」ガチャガチャ



丁寧に時間をかけて、単発式の銃にリロードをこなす怪物。



まどか「もういやだ……こんなのいやだよ……」グスグス



まどか「マミさん……さやかちゃん……」



ほむら「わたしのせいで……美樹さんが……」



涙を垂らしながら、うずくまるまどか。



そこにふと、涙の冷たい水滴と、温かい水滴の感触がする



まどか「……」



温かい水滴は、気絶した杏子の血だ





―――杏子……まだ生きてるから。それと、ほむら頼んだ!!





まどか「……」グィッ



まどかはグシグシと腕で涙を拭く。



気絶した杏子を背負い、ほむらに手を差し伸べる



まどか「いこ、ほむらちゃん」スッ



ほむら「鹿目さん……わたし……」



まどか「生き延びよう」



ほむら「え……」



まどか「私達が生き延びて……みんなを生き返らせよ!」



ほむら「!!は、はい!!」ギュッ



ほむらは、差し伸べられたまどかの手を握る。



杏子「……」



まどかは杏子を背負い、ほむらと手を繋ぎながら、非常階段で病院を脱出する。

154 :[saga]:2012/09/24(月) 21:47:05.24 ID:J64FRznl0

今日はここまで

次回から『資料館編』



そして話も後半へ



前半が終わったって事でおまけ↓(お気に入りBGM)

http://www.youtube.com/watch?v=axZpvGPQ-dM



162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/09/28(金) 09:32:03.51 ID:nFX87/42o

UFOENDがあってこその静岡県だろ

163VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/09/28(金) 11:58:04.44 ID:x/NXSBWfo

4でUFO無かったから皆から大ブーイングだった訳だしな。

おかげさまで海外版もアーケード版も皆UFOエンドありだぜ

164[sage saga]:2012/09/30(日) 18:16:24.43 ID:PQrBOpno0

【民家】



まどか「……」



ほむら「……」



まどかとほむらは外にいる怪物たちに追われながら、辛うじて安全な所に避難する。



民家といっても、血と錆で出来たこの闇の世界では、決して心休まると表現し難い場所だ。



家の中も床は金網で出来ていて、不気味としか言いようの無い世界になっている





杏子「……」



杏子はベットから起き上がり、ベットの上を椅子のように座る。



両腕を膝につけながら、頭を抱えうな垂れる



杏子「さやか……」



治療を受け意識を取り戻した後、二人から病院屋上での事の顛末を聞かされる。



杏子「まさか二人もあの三角野朗がいたとは……」



ほむら「しかも今度は銃使いです……」



杏子「やっかいな敵がまた一人増えたな……」



まどか「さやかちゃん……」



杏子「……ありがとなお前ら、治療してくれて」



まどか「うん……お腹痛くない?」



杏子「大丈夫っていったら……嘘になるな」



ほむら「佐倉さん、私……」



杏子「気にすんな。お前は悪くねえよ」ガシッ



杏子は脇腹を抑えつつ槍を掴んで立ち上がる



杏子「いつまでも、しょぼくれてたって何も始まらねぇ。いくぞ」



まどか「杏子ちゃん……」



杏子「……あいつが死んだのはそりゃショックさ」



杏子「でも元はアイツを生き返らせる為にここに来たんだ。そうだろ?」



まどか「うん……」



杏子「よし、いくぞ」



まるで気にも留めずに、淡々と語る杏子の後姿を追うまどかとほむら。



しかし、声のトーンから明らかに沈んでいるのが、まどかとほむらにも辛く解る。

165 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:17:14.38 ID:PQrBOpno0

【裏世界・資料館前】



全員「……」



資料館の前に、不吉の予兆させるが如く、死体が転がっていた。



またしても年齢は杏子たちと同じくらいだ。



身長はやや高めで、髪は銀髪ロングだ



しかし、今まで見てきた死体と比べれば割と綺麗な方でも合った。



血が流された後がある物の、身体からそこまで酷い損傷は見受けられない



杏子「おいおい……こりゃ見せしめってか?」



まどか「ひ、ひどい……」



杏子「……まだマシな方だぜ」



杏子はそう言って、側にあった銀色の手帳を拾う

166 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:20:53.40 ID:PQrBOpno0

『銀色の手帳』より(前半)



※ ●の部分は血が付着している



『○月○日



サイレントヒル……



これまで数々の人がこの街を訪れ、行方がわからなくなってると聞いてる



私は明日この街に、訪れてみようと思う。



私の魔法少女の仲間、知り合いがここ数年何人か、行方がわからなくなっている者がいる。



何か関係があるのか……



一つ言える事だが、『あの子』は絶対に誘わない。

危険と噂される町だ。



あの子はわたしが『この街』に来ると言ったら、間違いなく付いてくるに違いない。

それにいくら同じ魔法少女でも、得体の知れない場所へ誘う訳にはいかない』





『○月○日



何だこの街は



歩いても歩いても霧だらけじゃないか。

それに街を徘徊する使い魔たち……



ここは『魔女結界』……?



でもちょっとおかしい



この街にきて魔女は何体か倒し、グリーフシードも手に入れたが、魔女結界から抜け出しても、街のこの景色は全く変わらない。



しかしこの霧の空間には使い魔がいる』





『○月○日



今日だけで一体何回涙を流し、嘔吐した事か



調査中、私は知り合いの死体を発見してしまったのだ。

それも一人だけではない



あらゆる場所に、その知り合いの変わり果てた姿を目の当たりにしてしまった。



一体……この街で、彼女達に何があった……』

167 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:22:06.58 ID:PQrBOpno0

『銀色の手帳』(後半)



『○月△日



昨日のショックな出来事から、ようやく落ち着きを取り戻した。

だが気がかりな事が残っている。



今思えば死体の側に手記などが落ちていたが、ショックでそんな冷静に見ていられる状態ではなかった。



気が引けるが後で、確認しに向かおうか……



そんな事を思いつつ、先に資料館を調査し始めたが、それが●●りだった。



私はこの●●●に●●●●●●た』





それから、数ページ分血で染まってて何が書いてあるのか全く解らない。



最後のページだけ辛うじて読めた





『○月▲日



私は自力でこの●●●を●●した。

あの中で多くの絶望が私を襲って来たが、辛うじて自我を保っている。



だがなんだろう……胸の奥がなんだがざわめく。

それになぜかソウルジェムにひびが割れている……



ついさっき偶然、インキュベーターにあった為、ひび割れの事について聞いてみたら、とんでもない事を教えr』





日記は途中で終わってる。





ほむら「重要そうな部分が血濡れになってる……」



杏子「……資料館の中身は自分で確認しろって事か」

168 :[saga]:2012/09/30(日) 18:23:43.92 ID:PQrBOpno0

【資料館】



中は外のおぞましい空気から一変して、普通の建物の中になっている。



普通に見れば寂れていて、不気味なはずなのだが、異常な状況下に置ける杏子たちの感覚が既に、麻痺してしまっているのだろう。



もはやこの程度、不気味とすら思わなくなってしまっている。



そして全員、ある絵に注目している



全員「……」





杏子「あいつだ……」





『霧の日、裁きの跡』と書かれたタイトルの絵だった。



その絵には、吊るされた死体と三角頭が描かれていた。



まどか「……!!杏子ちゃん!」



杏子「どうしたそんな慌てて?」





まどか「見て、これ3つ目のアイテム『黒の杯』だよ!」





杏子「おお!!それじゃあと一個か!!」



ほむら「あと少しでまたみんなに会えるんですね……」



杏子「……油断すんなよ。あいつもいるからな」



そういって、杏子は絵のほうをむく。





ガチャンッ





まどか「?いま何か音しなかった?」



ほむら「わ、わたしも聞こえました……」



杏子「……?」

169 :[saga]:2012/09/30(日) 18:25:13.52 ID:PQrBOpno0

資料館から出ようとした3人は、その音の正体がわかった。



それはまた例の如く彼女らを苦しめる仕掛けであった



杏子「クソ!!!」ドンッ



扉が全く開かない。

3人は資料館に閉じ込められる



まどか「そ、そんな……また……」



杏子「どこまで人をおちょくれば気が済むんだ!!」



ほむら「もうこうなったら、なんとか別な方法で出口を見つけるしかありません」



まどか「そうだね……丁度さっき気になってた所あったし」



杏子「気になってた所?」



まどか「うん、なんか壁が壊れてて、その先が階段になってた場所があったの」





――3人はまどかの言っていた、秘密のルートの階段を下る。

そこは、資料館とは思えない、妙な雰囲気を出していた。





その後、寂れた部屋を幾つか発見して歩いていくと、大きな穴を発見する。



杏子「……もうここ以外進める道もないよな」



まどか「うん……」



杏子「今のあたしは生身だし、おまえらもここから飛び降りるには危険すぎるしな……」



まどか「大丈夫だよ杏子ちゃん、こんな事もあろうかと」ゴソソ



まどかは鞄の中から、縄を取り出す。



そしてその縄を、金網で出来てる床に縛りつける。



杏子「なるほど、命綱って訳か」



ほむら「鹿目さんさすがです!」



まどか「ティヒヒ、持ってきておいて良かった」



その後も道中にたくさんの穴があったが、縄を使って安全に降りてゆく



まるで地獄へと誘われるが如く

170 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:29:25.97 ID:PQrBOpno0

幾つかの穴を降り終えた所で、寂れた食堂のような場所に辿り着く。



全員「……」



何か気配を感じライトで辺りを見回すと、椅子に座ったまま机に頭部を傾けた死体があった。



机は血まみれで、頭部に銃か何かで撃たれた跡がある。



凄まじい異臭を放っているため、死後から相当時間が経過してるのがわかる。



まどか「酷い……だれがこんな……」



ほむら「……何か置いてあります」



ほむらは、死体の脇に置いてある手帳を見つける。





『D・Eと書かれた手帳』より





『人を殺すのって簡単なんだな



頭狙ってパァン

一発だもんな



俺は悪くない、仕方がなかったんだ。



そうだ、アイツは殺されても仕方なかった。



何もしてないのに、俺を殴ろうとした。

俺を馬鹿にするからいけないんだ、あの犬もそうだ



充分な理由だろ?』





杏子「……イカレてんな」



ほむら「……ひどい」



まどか「……」





ザザ……ザー……



―――みんな死ぬしかないじゃない!



まどか「!?」



―――やめて!



―――パリィィィン





まどか「な、なにこれ……」ガクガク



杏子&ほむら「!?」



まどかの脳裏に突然、ノイズと共に見覚えの無い声と、荒い映像が浮かび上がる

171 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:30:44.79 ID:PQrBOpno0

まどか「ぅぅ……ぅ……」



ほむら「鹿目さん!大丈夫!?」



まどか「う、うん……大丈夫……」ハァハァ



杏子「全然大丈夫に見えないんだけど……」



まどか(……?マミさん……?)





杏子「……?まあ、とにかくいくぞ」スッ



杏子は扉のドアノブに手をかける



ググッ



杏子「……」



ほむら「佐倉さん……あのまさか……」



杏子「はぁ……まーた閉じ込められた」



まどか「内鍵は?」



杏子「無い。探す以外手はねえな」



―――20分後



杏子「あああクソ!!見つからねええ!!!」



死体のポケット、鍋の中、食器棚……隈なく探したが、施設の地図以外全く見つからない。



まどか「どうしよう……キーピックでも歯が立たないよ……」



ほむら「……あれ?」



ほむらは、うつ伏せで倒れている死体の脇の紙を、改めてまじまじと見つめる。



ほむら「これは……」パサッ



杏子「……?何か見つけたか」

172 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:32:50.88 ID:PQrBOpno0

ほむら「これ……見てください」



ほむらが二人に見せた紙は、『受刑者名簿』と書かれた紙だった。



赤文字で、二つの名が書かれている。





『【受刑者名簿欄】20xx年●月▲日

①巴マミ

②美樹さやか





⑤』





全員「……」



杏子「……たちが悪すぎるだろ。誰だこんな事書いた奴」



まどか「しかもこれ……あと3つ分空欄あるよ」



ほむら「……もしかしてこれって、名簿欄に名前を記入してくださいって意味じゃ」



杏子「ふざけんな!!ドコまで人を侮辱すれば……」



まどか「……でも、他に解決方法がないよね」



杏子「おい……まさか、これ書けば扉が開くとか言わねえよな?」



ほむら&まどか「……」



杏子「……はぁ、わかったよ。だまされたと思ってやってやるよ」スッ



不服ながらも杏子は赤ペンを握って、名簿に名前を記入する。



あとから、続いてほむら、まどかの順に書いていく。





『【受刑者名簿欄】20xx年●月▲日

①巴マミ

②美樹さやか

③佐倉杏子

④暁美ほむら

⑤鹿目まどか』





全員「……」



ガチャンッ!!



杏子「っ!!?本当に開きやがった……」

173[sage saga]:2012/09/30(日) 18:36:56.95 ID:PQrBOpno0

【刑務所】



3人がここが刑務所だとわかったのは、そんなに時間が掛かる事ではなかった。



錆れた狭い空間の中に、独房がズラリと並んでいたからだ。



かなり年期のはいった刑務所だ。





怪物「コォォォ」



両手の無い、人型の怪物が足をクネクネさせながら、3人に迫る



怪物「フシュゥゥゥ」パァァ



まどか「キャアッ!?」



緑色の霧を吐いて、3人に襲い掛かる



ほむら「鹿目さんをいじめないでください!」チャキッ



パァン!パァン!



怪物「ボウゥゥゥ!!」



怪物は甲高い声で、気持ち悪く雄叫びを上げる。



その後、数発撃つと倒れクネクネとゴキブリの様な動きで、すばやく逃げてゆく



杏子「待ちな」ブンッ



ザンッ!



怪物「ゴゥッ!!」ガクッ



杏子が投げた槍が、怪物の背中に突き刺さる。

紫の血を、背中から噴出して絶命する。



杏子「ふん……」ガスッ



その死体から、槍を引き抜いたあと杏子は、トドメと言わんばかりに蹴りを与える。



杏子「ただでさえ臭ぇ場所なんだ。これ以上臭いガスを吐くんじゃねえよ」

174 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:37:59.39 ID:PQrBOpno0

―――しばらく独房を一箇所づつ調べていくと、何か小さな物を杏子は見つける



杏子「これは……」



ヘアピンに、部屋に散らばった数本の青い髪を握る



まどか「この髪留め……さやかちゃんのだ……」



杏子「な、なんでこんなところに……」



気になるのはそれだけでない



良く見ると部屋のベットと机が、真っ二つに切り裂かれていたり、壁が裂かれていたり、争いがあったと見られる痕跡がいくつもあった。



ほむら「これは一体……」


175 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:40:23.29 ID:PQrBOpno0

【地下1階・霊安室】



しばらく探索を続けると、凄まじい異臭を放った霊安室に辿り着く。



霊安室と言っても、その死体の扱いはぞんざいな物で、ただ死体にシートを被せ台車に乗せているだけのものだ。



しかしそれでもいい方で、死体のほとんどが山積みにされていたり、マンホール位の小さな穴にぎゅうぎゅうに押し込められた状態だ。





そして、3人の目の前にあるのは



全員「……」



またしても、大きな穴だった



その穴から苦しみにのた打ち回る、罪人の叫び声でも届いてきそうな、禍禍しい物を感じ取る。



まどか「どうしよう……もう紐がないよ……」



杏子「……しょうがねえな。もう一度独房に戻って、使えそうなの探してこようぜ」



三人が気を取り直して、もう一度1階へと戻ろうとしたその時だった。





全員「……」ゾワッ





後ろから、背中が凍りつく恐怖感に襲われる。



蛇に睨まれた蛙と言う言葉があるが、今まさに杏子たちはそのような感覚にいる。

176[sage saga]:2012/09/30(日) 18:42:06.73 ID:PQrBOpno0

杏子「なあ……まどか」



まどか「……う、うん、何か後ろにいる……よね」



ほむら「……こ、こわいよ鹿目さん」ガクガク



まどか「大丈夫だよほむらちゃん」ギュウウ



まどかは、震えるほむらを安心させようと強く抱きしめる。





杏子「……」ギリッ



覚悟を決めたのか。



槍を持つ手に力を込め、杏子は歯を強く食い縛って後ろに振り返ろうとする。



ドンッ



しかし、杏子が後ろを振り返る事はなかった



なぜならば、後ろにいる何者かに押されて穴に飛び込まされたからだ。



まどか「っ!!!杏子ちゃ……っ!!?」ギュゥゥ



ドンッ



突き落とされた杏子に呆気に取られている内にまどかも、ほむらを強く抱きしめたまま穴に落ちてゆく





まどかは落下中、下から上を除くと視界に、二体の三角頭がこちらを黙視しているのが確認できた。

177 :[sage saga]:2012/09/30(日) 18:44:22.43 ID:PQrBOpno0

まどか「ぅぅ……だ、大丈夫ほむらちゃん?」



ほむら「私は鹿目さんのおかげで……それより鹿目さんは!?」



まどか「うん……なんだか良くわかんないけど無事だったよ」





杏子「イッテーな……ちくしょう……」



杏子は脇腹を抑えながら、立ち上がる



まどか「杏子ちゃん大丈夫!?」



杏子「腹の傷は痛いが、それ以外はなぜか無事だ」



杏子「それよりここは……?」



辺りを見回すと、そこには大きな部屋があった。



とくに、机やらベットなどない



杏子「……?入ってみようぜ」



3人がその部屋に入ったその瞬間





ガシャン!





全員「!?」





ゴゥゥゥゥゥン……





鉄格子の扉が勝手に閉まる

そして、また数分に渡って地下へと送られる。

178 :[saga]:2012/09/30(日) 18:49:33.68 ID:PQrBOpno0

ゴゥゥゥゥゥン……ガシャン!



鉄格子の扉が開く



目の前には通路あり、奥に小さな扉があるのが確認できる。



全員「……」





暗い部屋の中、ライトをかざし進む



やがてと扉の前に来て、ある異変に気づく





まどか「あれ……これって……」



杏子「……!!?」





驚きを隠しきれない杏子とまどか





ほむら「えっと……どうかしましたか?」



まどか「ほむらちゃん……この扉にある表札……」



ほむら「表札?ええと……」



ほむら「……!!!」



ほむらはその表札を見た瞬間、驚きのあまり両手で口を押さえる



この地下にあるにはあまりに、不相応すぎる綺麗な扉を見て









ほむら「な、なんでこんな所に巴さんの家の扉が……」



184[saga sage]:2012/10/03(水) 01:05:28.06 ID:HnfCopO30

扉を開けると、そこはやはり巴マミの部屋だった



全員、呆気に取られているせいか土足のまま上がりこんでしまう。



リビングにあるガラス張りの窓を除くが、真っ暗のままだ



杏子「これは……」



杏子はリビングのソファの上にあるクマのぬいぐるみに触れる



杏子「マミの奴、まだ取っておいてたのか……」



まどか「それは?」



杏子「ああこれか。あたしがまだマミとタッグ組んでた時に、一緒にゲーセンでとった景品だ」



まどか「決別してからも、ずっと持ってたんだね」



杏子「……」
















































185[saga sage]:2012/10/03(水) 01:06:43.24 ID:HnfCopO30

杏子「……ところでよ」



ふと杏子が目線を、三角の透明テーブルに目を向ける。

そのテーブルには、ケーキと紅茶が4つ用意されている



そのうちの一つのカップと皿には、紅茶とケーキがほんの僅か残っていた。



杏子「これは一体どういうことだ……?」



まどか「……何か置き手紙もあるよ」



まどかはテーブルの上にある、手紙を取って読む





『死に行く者へ届ける思い出のケーキを』





まどか「……」



杏子「……これ喰って死ねってか?」



ほむら「……」



杏子「……ふん、上等じゃねえか」



そういって杏子はその場で座り込み、手にケーキを持つ



まどか「ほ、本当に食べちゃうの!?」



杏子「どうせ食べなくたってあの三角の連中は、あたしらを狙ってるんだろ?だったら頂くさ」



ムシャムシャと雑な食べ方でケーキを食す。



杏子「お前らも食っとけ……本当に死ぬかも知れないんだ」



まどか「う、うん」



ほむら「はい……」



二人も座り込み、紅茶をすする。

186 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:08:42.70 ID:HnfCopO30

お茶をケーキを頂いたあと、3人はそのまま休憩に入る



ほむら「所でこの食べ残しのケーキと紅茶……」



まどか「うん。わたしもずっと引っかかってた」



杏子「それと、あの独房で見つけた……」ゴソソ



杏子はポケットから、ある物を取り出す



杏子「ヘアピン……」



まどか「さやかちゃんは……生きてるの?」



ほむら「あ、あんな惨い仕打ちを受けて……?」



杏子「……」



ほむら「……」



さやかが生きてるかも知れない



普通なら喜んで良い話だ。

だが、3人は言い知れぬ不安で素直に喜べない気持ちにいる





ほむら「あの……ずっと気になってたんですが」



まどか「なに?」



ほむらは黙ってフローリングに指を指す



杏子「こ、これは……」



フローリングに、刃物で切った様な跡が、玄関から一直線に残っている。



その跡は、ベランダへと続いてる



杏子「これ……もしかしてあの三角野朗が引きずってた鉈の跡か?」



杏子「でもアイツはさやかが……」



まどか「そのはずなんだけど、私、じつは見ちゃったの」



杏子「え、見たって……?」



まどか「さっきの死体置き場で、突き落とされた時、二人の三角さんがこっちを見てたの」



杏子「!!?じゃあアイツも蘇ったのか!!?」



まどか「多分……」

187[saga]:2012/10/03(水) 01:09:48.21 ID:HnfCopO30

ほむら「……あれ?」



ほむらはまた何かに気づいたのか、ベランダを覗く



まどか「どうしたのほむらちゃん?」



ほむら「このベランダ……階段になってます……」カラッ



そういって、ほむらはベランダの窓を開ける

そして、杏子とまどかも外の様子を伺う。



下へと続く階段は暗闇で先が見えない



ビュォォォォォォ……



風の音が恐怖感と緊張感を煽り立てる



杏子「……下ってみるしかねえか」



まどか「うん……恐いけどね」



杏子「今更なに言ってんだ……いくぞ」





コツコツ…



3人はベランダから階段で下りる



手すりがない為、両脇の二人は真ん中を歩く、杏子に引っ付くようにして歩く。

188 :[saga]:2012/10/03(水) 01:11:44.39 ID:HnfCopO30

まどか「ここは……」



階段を下り終えるとそこは



杏子「あたしが、さやかと最後に別れた駅のホームじゃねえか……」



床が綺麗な白黒のチェック柄のホーム

間違いなくここはあのさやかと杏子が別れた駅のホームだ。



まどか「……」





―――



みんな死ぬしかないじゃない!



やめて!!



もうイヤだ……もうイヤだよこんなの……





―――





まどか「!!!ぅ、ぅぅ……」ガクガク



ほむら「鹿目さん!?」



杏子「……っ!またか、しっかりしろ!」



まどか「なんなのこれ……」



まどか(私……魔法少女になってる……?」





ガタンガタン……ガタンガタン……





ほむら「え……」



まどかの様子がおかしい事に心配していたが、ここで遠くから音が聞こえてくる。



ガタンガタン……ガタンガタン……



まどか「……?」



まどかもその異変に気づいて、辺りを見回す

189 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:14:14.94 ID:HnfCopO30

杏子「おい……あれは……」



3人の目に飛び込んできた物は、寂れた電車だった。



キィィィィィィ!!!



その車両は僅か2つしかない。

客室と運転室のみの小さな電車だ



全員「……?」



全員が目の前に止まった電車の様子を伺っていると、扉の向こう側から何者かの影が映る。



体は縦にも横にもかなり大きい



ググッ……



扉は電動式ではないのか

扉の向こう側にいる人物がこじ開けてくれている。



ガララ



全員「……!?」



「キャーッハハハ!ハロー!」



まどか「ロ、ロビー君!?」



杏子「な、なんだこいつ!!?知ってるのか!!?」



ほむら「ロビー君は外国の遊園地のマスコット人形です」



ロビー君といわれる、うさぎのマスコット人形は、顔を血染めに染め、なんとも言えない笑顔でこちらを見ている。



ロビー君「ウェルカム!」



そういって、ロビー君は奥の運転室へと移動する

190 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:16:43.56 ID:HnfCopO30

【電車内】





『ハハハハハ!センキューー!』



プシュウゥゥゥ…



甲高い声の放送が流れて、扉が閉まり、電車はゆっくりと動き出す



ゴウン…ゴウン…



全員「……」



結局、他に行くべき場所が見つからなかった為、電車に入らざる終えなかった。

電車内は所々、錆や血が付いていて不気味だった。



ガタンガタン……ガタンガタン……



全員「……」



3人とも何も言わずに窓を眺める



外はやはり、暗闇に包まれてるだけで何も見えないが、サイレントヒルにあるはずのない巴マミの家、美滝原付近の駅のホームに、各々が日本にいた頃の事を思い出し振り返っている。



ガタンガタン……ガタンガタン……





―――――――



――――



――





ガタンガタン……ガタンガタン……



杏子「……ん、いつの間にか寝ちまってたか」



眠りから目覚めた杏子は、チラッと隣を見るとほむらとまどかが、ぐっすりと寝ていた



杏子「あれからどれ位、時間が立ったんだ……」

191[saga sage]:2012/10/03(水) 01:17:19.93 ID:HnfCopO30

杏子「……ん?」



外を見ると、やはり暗い。

だが、何かがおかしい



杏子「……!?ビスケットに板チョコ……?」



それも特大、自分よりも大きいと思われる巨大な物だ。



それだけじゃない。

ケーキやキャンディーといった多種多様のお菓子が、そこら中に散らばっていた。



杏子「なんだここ……」



まどか「……ん、杏子ちゃん?」



杏子「起きたかまどか……おい、外見てみろ」



まどか「え……」



まどか「!!?ここは……」



杏子「知ってるのかここ!?」



まどか「うん……確かマミさんを殺した魔女の結界だよ……」



杏子「な……じゃあここは魔女結界!?」

192 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:19:00.15 ID:HnfCopO30

【魔女結界(?)駅】



ロビー君「バイバーーイ!」



全員「……」



ロビー君「グッドラック!!」



杏子たちはまるで導かれるように電車を出る。



結界内の駅のホームを降りると、ロビー君は列車に戻り、そのまま電車を動かしてどこかへと消えてしまった。



杏子「……」



ほむら「この結界……どこかの時間軸で見たような……」



まどか「ほむらちゃん、ここは覚えてるの?」



ほむら「断片的になら……あまりいい記憶でない事は確かです」



杏子「なあまどか」



杏子は少し暗い声でまどかに問いかける。



杏子「ちょっと気になってたんだけどさ……マミのやつ、そんなに惨たらしい最後だったのか?」



まどか「……」



杏子「魔女に……食い殺されたって、本当なのか……?」



まどか「……うん」



杏子「……」





―――



『佐倉さん……今日の戦い方……あれは何なの?』



『だまれ』



『事故で偶然死なれるのと、祈りが原因で死なれるの、どっちが辛いかあんたにわかるか!』



『もうコンビ解消だ。やってられない』



『……』



『じゃあな』



―――





杏子(何であんなことしちまったんだ……)

193 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:21:07.90 ID:HnfCopO30

【結界道中】



おかしい



使い魔たちのほとんどが死滅している。



状況から察するに、さっきまでここで誰かが交戦していたがわかる。



全員「……」



3人は今、お菓子に囲まれた橋の上を渡っている。





『―――私、魔法少女になれたらそれで願いごとは叶っちゃうんです』



杏子「……?なんか言ったかまどか?」



まどか「え……わたし何も言ってないけど……」



杏子「え、んじゃ聞き間違えか?」



ほむら「でも、わたしも……さっき鹿目さんの声が……」



『こんな自分でも誰かの役に立てるんだって、胸を張って生きていけたら、それが一番の夢だから』



まどか「っ!!?」



杏子「!!ほらやっぱり……」



初めは幻聴かと思っていたが、3人とも明らかにまどかの声が聞こえる。

まどか本人の口から発せられた言葉ではないが



『大変だよ。怪我もするし、恋したり遊んだりしてる暇もなくなっちゃうよ?』



ほむら「今度は巴さんの声が……」



『でも、それでもがんばってるマミさんに、私、憧れてるんです』



『憧れるほどのものじゃないわよ、私……』



『無理してカッコつけてるだけで、怖くても辛くても、誰にも相談できないし、一人ぼっちで泣いてばかり』



『いいものじゃないわよ。魔法少女なんて』





杏子「マミ……」

194 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:22:03.75 ID:HnfCopO30

『マミさんはもう一人ぼっちなんかじゃないです』



『…そうね。そうなんだよね」』



『本当に、これから私と一緒に戦ってくれるの?傍にいてくれるの?』



『はい、私なんかでよかったら』



『参ったなぁ。まだまだちゃんと先輩ぶってなきゃいけないのになぁ。やっぱり私ダメな子だ』



『でもさ。せっかくなんだし、願いごとは何か考えておきなさい』



ほむら「……」



『契約は契約なんだから、ものはついでと思っておこうよ。億万長者とか、素敵な彼氏とか、何だっていいじゃない』



『いやぁ…その…』





『じゃあ、こうしましょう。この魔女をやっつけるまでに願いごとが決まらなかったら、その時は、キュゥべえにご馳走とケーキを頼みましょう』



『ケ、ケーキ?』



『そう。最高におっきくて贅沢なお祝いのケーキ』



『それで、みんなでパーティするの。私と鹿目さんの、魔法少女コンビ結成記念よ』





まどか「……」





謎の声が途切れる





杏子「……今の声、お前から発した声じゃないのはわかる」



杏子「でも……お前は前にそんな会話をマミとしたのか?」



まどか「……うん」

195 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:23:09.24 ID:HnfCopO30

【魔女結界・魔女の部屋の前】



全員「……」



お菓子で出来たその部屋の前で全員、立ち尽くしている



杏子「あのマミを殺した魔女か……」



杏子「今までは奇跡っていってもおかしくない位、生き延びてこられたが……」



まどか「さ、さすがに……ね?」



ほむら「……」ガクガク



杏子「……いいか、まず私が先頭きって中に入る」



杏子「絶対闘うなよ?攻撃はしてもいいが自分の身を守る程度に留めておけ」



2人は強張った顔つきで頷く



ガチャッ





コツコツ……





全員「……」



中はケーキをベースにした、お菓子にまみれた結界だ。

杏子なら凄く喜びそうな結界だが、今のこの異常染みた空間に、そんな気持ちにはなれない



杏子「……」キョロキョロ



杏子「確か第一形態は可愛らしい人形なんだよな?」



まどか「うん……」



杏子「ドコにもいないが……ん?」



ふと、足元を見ると何かが落ちている。



杏子「これは……中華包丁……?」



ほむら「あの佐倉さん……」



杏子「あ、なんだ?」

196[saga sage]:2012/10/03(水) 01:24:23.64 ID:HnfCopO30

杏子が振り向くと、ほむらの手には手帳が握られていた。

その手帳を受け取り、開いてみる。



杏子「こ、これって……さやかの学生手帳じゃねえか……」



まどか「なんでこの結界に……」ゾワッ





――その時だった。杏子達の背筋にまたしても凍りつくような寒気を覚える





全員「……」



恐る恐る後ろを振りかえると、顔面がピエロの様な恵方巻きの巨大な魔女がこちらを見ていた



まどか「ぁ……ぁぁ……」ガクガク



ほむら「こ、これが……」ガクガク



杏子「……っ!!!逃げるぞ!!!」

197 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:25:44.99 ID:HnfCopO30

シャルロッテ「キシャアアアアアアアアアアアアア!!」



魔女は逃げ惑う杏子たちをあざ笑うかのように、追跡する



動きがやや緩やかな所を見るに、杏子たちを泳がせ、からかってる様にも思える。



杏子「ハァハァ……!クソォ!!隠れてやがったか!!」



ほむら「ハァハァ……」



まどか「大丈夫ほむらちゃん!?」



ほむら「は、はい……なんとか……」



ほむら「ゼェーゼェー……ハァハァ……」



本当は辛かった。



走るたびに心臓が裂けてしまいそうな痛みを抱えていたが、そんな事を言ってる場合じゃなかった。



何より本来、守りたかったまどかにこの街に来てより、守られっぱなしでいる事に申し訳ない想いでいっぱいだった



杏子「頑張れ!!もうすぐ出口だ!!」







バァァァァン







トラウマを蘇らせるが如く、乾いた銃声が鳴り響く



そしてその銃弾は、ほむらの胸部を貫く

198[saga sage]:2012/10/03(水) 01:27:25.24 ID:HnfCopO30

ほむら「カ、カ……ハァ……」



まどか「ほむらちゃん!!!!」



ただでさえ、心臓が弱いほむらは残酷な仕打ちを受ける



ポタポタと垂れる赤い液体がほむらの胸部から流れる



手でその傷跡を押さえるが、溢れる血の量が半端ではない。



ほむら「ヒュー……ヒュー……」



上手く息が出来ず、呼吸困難に陥る



そんなほむらに魔女は、クネクネとした動きで大きく口を空けて近づく。



まどか「やめてええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」チャキッ



杏子「……!まどか!!」



ボウガンを魔女に向けて、走りながら射撃を行なう



ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!



シャルロッテ「シャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」



雄叫びを上げつつも、魔女の動きは全く止まらない。

それ所か、かえって動きが勢いを増している。



それでもまどかは、諦めずにほむらの元まで走る。



まどか「ほむらちゃん!!私の手を……」



ほむら「鹿目さん!助けt」



















ガブ





まどかの手がほむらに届く事はなかった。



ほむらの頭部がシャルロッテの口内に押し込まれ、そのまま宙に高々と、ほむらの体を運んででしまったからだ。





やがて首を食いちぎり、無常にも体がドサッと地面に落ちる

199 :[saga sage]:2012/10/03(水) 01:28:38.35 ID:HnfCopO30

まどか「あ……」



壮絶なる光景を目の当たりにし、まどかはその場で膝を崩してしまう



まどか「ぁぁ……ぁ……」ガクガク



決して初めての経験ではない。

だが、突きつけられたトラウマは最悪の形で蘇る



杏子「まどか!!!」



グイッと杏子はまどかの腕を引っ張る



まどか「……ぁぁ……ぁぁ……」ガクガク



杏子「何やってんだ!!早くにげるぞ!!!」



意気消沈したまどかに喝を入れる杏子だが、全く耳に入ってこない。



シャルロッテは落ちた遺体を貪って、夢中になっている。



残酷な判断ではあるが、逃げきるには今が絶好のチャンスである。



杏子「ハァハァ…!!!」ダダッ



まどか「……」



まどかは強引に引っ張られているため、杏子に引きずられながら出口に向かう



杏子「ハァハァ……」チラッ





杏子は後ろを振り返る。



魔女は捕食を終え、こちらを睨み始めている。



だがそれよりも気になる存在が、魔女のすぐ近くに立っている。





杏子「あのモブ野朗……!!」



杏子は銃を持った、三角頭の存在を確認するとそのまま出口の扉を開ける

200[saga sage]:2012/10/03(水) 01:31:03.68 ID:HnfCopO30

出口を出ると、そこは小さな港になっていた。



夜が明けてはいるが、やはり霧に囲まれている。





気がかりなのは、ずっと地下に潜り続けて来たのになぜか地上にいる事だ。



だが今はそんな事を、気に留められる余裕もないほどに、2人はショックを隠しきれずにいた



杏子「……」



まどか「……」



二人はコンクリートの路上に座り、ぼんやりと目の前に広がる湖を眺める



杏子「……」パサッ



杏子は黙って地図を広げる



杏子「湖の目の前……つっても、これだけ広域だと今どこなのか、わかんねえな」



杏子「でも……あの霧と湖の向こうに建物が見える」



杏子「あそこにあるボートを2人で漕げば、建物の影に辿り着きそうだな」



まどか「……」



杏子「……よし、行くか」



杏子は立ち上がるが、まどかはピクリとも動かずにその場で佇んでる



杏子「……おい、いつまでしょぼくれてんだ。いくぞ」



まどか「……」



杏子「おい」



まどか「わたし……もうイヤだ……」ウルウル



まどか「もう耐えられない……死にたい……」グスグス





パァン!





杏子はまどかの頬を叩く

201[saga sage]:2012/10/03(水) 01:31:41.94 ID:HnfCopO30

まどか「……」



杏子「……バカヤロウ」



杏子の声が震えてるのが、まどかにもわかる。



杏子「お前だけが辛いわけじゃねえんだぞ!!」



まどか「……っ」



杏子「私達が死んだら……誰がみんなを助けるんだよ!」



杏子「私はお前みたいに事前学習してきた訳じゃねえんだ」



杏子「儀式についてだって、解らない事だらけだ」



まどか「杏子ちゃん……」



杏子「あたし達は……何が何でも生き延びなくちゃいけないんだ!しっかりしろ!!」



まどか「ごめん……」



杏子「……二人でボート漕ぐぞ」



まどか「うん……」

202[saga sage]:2012/10/03(水) 01:33:08.08 ID:HnfCopO30

―――数十分にわたり、二人でボートを漕ぎ終え、大きな建物の前まで来る。



杏子「……なんだここは、ショッピングモールか何かか?」



コツコツ……



まどか「……?」



まどかは首を傾げて、そのショッピングモールを凝視する。



まどか「どうしてあれがここに……」



杏子「どうしたまどか?」



まどか「杏子ちゃん……この建物、サイレントヒルのショッピングモールじゃないよ」



杏子「え……」



まどか「これは……」





















まどか「美滝原のショッピングモールだよ……」

203[saga]:2012/10/03(水) 01:35:16.22 ID:HnfCopO30

今日はここまで



次回は、ショッピングモール編&ラストダンジョン編



212[saga sage]:2012/10/08(月) 09:52:44.13 ID:JXjlXEN30



【ショッピングモール・エントランス】ホール】



広々とした空間に、杏子とまどかは探索を始める。



ザザ、ザー…キュィィィイィンン!!



流れるノイズ音と共に、首のない手足のみのマネキンのような怪物が杏子達に近づく。



怪物「……」



クネクネとした動きで、足のような形をした腕を力強く振り下ろす。



ブンッ



キィィィィン!!



杏子「三角野朗に比べたら貧弱だな」ググッ



杏子は槍で攻撃を受け止める。

そして、まどかに合図を促すように目線を送る



それを確認したまどかは黙って頷き



ビュン……ズバァッ!



怪物「コォォォァァァ!」



マネキンの腹部に、そして腕にボウガンの矢が刺さり、奇声を上げつつ倒れこむ



杏子「フン!」ゲシッ



脇腹を蹴り飛ばし、トドメをさす



杏子「まどかも随分、戦闘慣れしてきたな」



まどか「ウェヒヒ、杏子ちゃんのおかげだよ」



杏子「しかしこれだけ広いと、探索も容易じゃないな」



まどか「そうだね。遊びで来たときだって、全部周りきれる訳じゃないし」



杏子「なあまどか、ここがもし美滝原のショッピングモールって言うなら、ひとまず場所を絞って探索しないか?」



まどか「そうだね……私がよく言ってた場所を探索してみよっか」

213 :[saga sage]:2012/10/08(月) 09:56:45.97 ID:JXjlXEN30

【ショッピングモール・喫茶店】



まどか「ここはね、さやかちゃんと……仁美ちゃんっていうお友達と良く来てた場所なんだ」



杏子「……そうか」





『わけわかんないよね…』



杏子「ん?何が訳わかんないだって?」



まどか「え、わたしなにも言ってないけど……」





『文武両道で才色兼備かと思いきや実はサイコな電波さん!?』



『くー!どこまでキャラ立てすりゃあ気が済むんだ?あの転校生は!?萌えか?そこが萌えなのかあ!?』





杏子&まどか「!!!?」



『うん…常識的にはそうなんだけど』



まどか「こ、これってさっき起きたのと同じ……」



杏子「まどかの記憶が再生されてる……?」



『何それ?非常識なところで心当たりがあると?』



『まどかさん。本当に暁美さんとは初対面ですの?』



『うん…常識的にはそうなんだけど…昨夜あの子と夢の中で会った…ような…』



『あははは。すげー、まどかまでキャラが立ち始めたよ』



『ひどいよぅ。私真面目に悩んでるのに』



『あー、もう決まりだ。それ前世の因果だわ。あんた達、時空を超えて巡り合った運命の仲間なんだわぁ!』





まどか「さやかちゃんの勘、実は半分本当だったんだよね……」



杏子「あいつ、普段考えないで行動するくせに、たまに勘が鋭いんだよな」



杏子「……」



杏子(……ん?)



――――



なんで父さんと母さんが……モモがこんな目に合わなきゃいけないんだ……



イヤアアアアアアァァァァ!!!!!



くそ!!さやかだけでも絶対救うぞ!!



――――



杏子(夢の中……前世の因果……?)

214 :[saga sage]:2012/10/08(月) 09:58:32.98 ID:JXjlXEN30



『もしかしたら、本当は暁美さんと会ったことがあるのかもしれませんわ』



『え?』



『まどかさん自身は覚えていないつもりでも、深層心理には彼女の印象が残っていて、それが夢に出てきたのかもしれません』





杏子(深層心理……?)





まどか「杏子ちゃんどうしたの……?さっきから難しい顔して」



杏子「んぁ?いや……」



『あら、もうこんな時間…ごめんなさい、お先に失礼しますわ』



『私達もいこっか』



『あ、まどか、帰りにCD屋に寄ってもいい?』



『いいよ。また上条君の?」



『へへ。まあね』



まどか「……懐かしいな。あの日の事かぁ」



杏子「あの日?」



まどか「うん。杏子ちゃん、ちょっと付いてきて」



まどか「なんで私の記憶が再生されてるのか、わからないけど……何か手がかりがあるかも」

215 :[saga]:2012/10/08(月) 10:01:02.63 ID:JXjlXEN30

【ショッピングモール・CDショップ】



杏子「初めてマミにあった日?」



まどか「うん、それだけじゃなくてQBや……魔女や魔法少女の存在を知った、あの日の出来事」



まどか「全てはあの日から始まったの……」



『助けて……助けて、まどか!」



『え…?え?』



『僕を助けて!』



杏子「……白々しいぜ」



まどか「今思えば、あれは罠だったんだね」



そういって、まどかは立ち入り禁止の、開発中のエリアへと赴く。



杏子「……その先で、マミにあったのか?」



まどか「うん、あと……」



ガゴンッ!



『あなたなの?』



『助けて……』



『そいつから離れて』



杏子「魔法少女のほむらか……」



『だ、だってこの子、怪我してる』



『ダ、ダメだよ、ひどいことしないで!』



『貴女には関係無い』



杏子(もうちょっと、言葉選んで言えないのかよこいつは……誤解を招くぞ)



杏子(……人の事いえないか。やさぐれてた頃のあたしはアレより酷かったし)



『だってこの子、私を呼んでた。聞こえたんだもん!助けてって』



プシュゥゥゥゥゥゥ



『何よあいつ。今度はコスプレで通り魔かよ!つーか何それ、ぬいぐるみじゃないよね?生き物?』



杏子「さやかの奴、余計な事を……まあ事情を知らないから、しゃあないけどさ」



『わかんないけど…この子、助けなきゃ』



まどか「そろそろだね」



杏子「魔女と……マミの出会いか」



『やだ……何かいる!!』



『冗談だよね?私、悪い夢でも見てるんだよね?ねえ、まどか!』



――――



助けてぇぇ!!杏子!!!



やめろおおお!!



――――



杏子(悪い……夢……?)

216[saga]:2012/10/08(月) 10:03:06.89 ID:JXjlXEN30

「あ、あれ?」



まどか「たしかこの後、マミさんが私達の事を……」



「まどか……杏子……」



まどか「あれ?まだ『あの時』はさやかちゃんは、杏子ちゃんの事知らないはずじゃ……」



杏子「……?」



「杏子!!!」



まどか「え……」





――酷く驚いた杏子と、まどかが後ろを振り返ると、死んだはずのさやかが立っていた。

何かを背負って





まどか「さやかちゃん!!!」



杏子「良かった……生きてたのか」



さやか「うん。それが……私もなんで生きてるのかサッパリ解らなくて……」



まどか「傷は大丈夫!?」



さやか「うん……ってか、なぜか傷が消えていてさ」



杏子「えっ」



さやか「あと私、魔女に食べられt」



まどか「え、え……!?」



さやか「あ……やっぱいいや、話がこじれる。それは後で話すよ」

217[saga]:2012/10/08(月) 10:04:13.83 ID:JXjlXEN30



杏子「おい。食べられたって、どういうことだ」



さやか「だからそれは後で!!」



さやか「そ、それよりやばいんだよ!!またあの三角が現れてさ!」



杏子「な、なんだって!?」



さやか「それと……私が背中に背負ってるの、見て欲しいんだけどさ」



さやかは後ろを振り向いて、その背負ってる物を見せる



背負っているのはパジャマを着た人間で、三つ編みの長い髪が揺れる



そう、またしても死んだはずの



まどか「ほ、ほむらちゃん!!!?」



杏子「ど、どうなってやがる……」



嬉しさと困惑の想いが湧き上がる



さやかの場合はともかく、ほむらは魔女に食べられた。



確実にその残酷な断末を見届けたのだ。



さやか「話したい事はいっぱいあるけど、今は逃げよう!」



さやか「悪いけど……今、武器は持ってないんだ」



杏子「わ、わかった!護衛は任せろ!!」







『話は聞かせてもらったわ』

218 :[saga]:2012/10/08(月) 10:05:41.90 ID:JXjlXEN30



全員「!!?」



『ちょっと「一仕事」……片付けちゃっていいかしら?』



頼りがいのある甘い声



間違いない





杏子「マミ!!?いるのか!!」



まどか「マミさん!!!ドコ!!!?」



さやか「マミさん……よかった……これでみんな揃っt」





バァァァァン





皆がマミの姿を探してる、その僅かな間





シュパァァ…



杏子「え……」



赤い鮮血がまどかと杏子の顔面に掛かる



まどか「な、なに……」



さやかと、背負ってるほむらの腹部に銃弾が貫く



さやか「ガ……ハァ……」ポタポタ



ほむら「っ」ガクッ



ドサッ



心臓を見事に貫いてしまったのか。

さやかはほむらを背負ったまま、前に倒れこむ



杏子「あ……ぁぁ……」





まどか「そんな……」





再び残酷な光景を目の当たりにする二人。



それに追い討ちをかけるが如く、二つの影が忍び寄る

219 :[saga]:2012/10/08(月) 10:08:26.00 ID:JXjlXEN30

ザザ、ザー…キュィィィイィンン!!



杏子「……でたな」



キィィィィィィ……キィィィィィィ……



気味の悪いノイズ音と鉄を引きずる音が、開発中エリアのこの場所で不気味に響かせる



三角頭1「……」



三角頭2「……」ガチャガチャ



隣のもう一体の三角頭は、相変わらず丁寧にリロードをこなしている。



まどか「杏子ちゃん……」



杏子「ああ、わかってる」



そういって、杏子は後ろのほうを向く。



50メートル程先に、エレベーターが見える



杏子「脱出したいところだが……」キョロキョロ



杏子「おいマミ!!どこにいるんだ!!」



『わたしならここにいるじゃない』



杏子「だからどこだよ!!」



ドスドス……



コツコツ……



二体の三角頭がこちらにゆっくりと近づいてくる



二体の三角に、足音に妙に差があるのが気になるが、今はそれに気を取られている場合ではない



三角頭1「……っ」ググッ



やがて、重い足音を鳴らせる三角頭が、片手で引きずっていた大鉈を、両手でガッシリと構え始める。



杏子「……?なんだ、あの構えは」



まどか「様子がおかしい……?」



三角頭1「ォォォォォォォ!!!」ダダッ



杏子&まどか「!!?」





大鉈を持った三角頭は、両手で大鉈を腰にひきつけ、杏子達に目がけて走り出す。



それまでの鈍い動きを一掃するが如く、凄まじい瞬発力で、一気に杏子達の目の前まで突進する。



そして、大鉈を大きく両手で上段に高々と振りかぶる。

220[saga]:2012/10/08(月) 10:09:33.61 ID:JXjlXEN30



三角頭1「オオオオオォォォォォ!!!」ブンッ



まどか「キャァァ!!」



杏子「うぉっ!!?」





ガンッ!!!!





杏子とまどかは、二手に別れて大鉈を避ける



だが、三角頭の猛攻は終わらない



三角頭1「オオオオオォォォォォ!!!」ブンッ



まどか「イ、イヤアアァァァァ!!!」



叩き付けた鉈をすぐに持ち上げ腰まで引き付け、横に薙ぎ払い、水平に鉈を振り回す。



ズバァァッ!



まどかの目の前にあるコンクリートの柱が、真っ二つに切れる





しゃがんで避けたまどかは、鉈が頭上を通り過ぎるのを確認すると、足をガクガク震えさせながら、エレベーターへと向かう。



まどか「マミさんごめんなさい!!今のうち違う場所に逃げて!!」



『鹿目さん何を言ってるの?私なら大丈夫に決まってるじゃない。何も恐くないわ』



杏子「わ、訳わかんねえ事言ってねえで逃げろマミ!!あたしたちはエレベータ使って逃げる!!」



杏子「後で、どっかの階のエレベーター付近で適当に合流するぞ!!良いな!?」



『心配ないわ。すぐに追いついて見せるから』



マミのおかしな言動に引っかかるが、一旦逃げる二人

221 :[saga]:2012/10/08(月) 10:11:37.36 ID:JXjlXEN30

杏子「ハァハァ……もう少しだ!頑張れまどか!!」ポチッ



まどか「はぁはぁ……」



エレベーターの目の前まで来て、ボタンを押す



三角頭1「オオオオオオオォォォォォォォ!!!!!」ダダッ



怒涛の勢いで、こちらに向かう怪物



チィィィィン……ガララ



杏子「おし!開いた!!」



まどか「は、早くボタンを……!」ピッ



エレベーター内に入るや、すぐに『閉』と書かれたボタンを押す。

ゆっくりと扉が閉まるが、その遅さが二人の緊張感を煽る



『いま、そっちに向かうわ』



杏子「!?まだ逃げてなかったのかよ!!」



まどか「マミさん危ないよ!!」



三角頭2「……」チャキッ



杏子「……って、やっべ!」



銃を持った三角頭がこちらに銃口を向ける



三角頭1「オオオオオオオォォォォォォォ!!!!!」ブンッ



大鉈を持った三角頭が、勢い良く鉈を振り下ろす



それと同時に、扉が完全に閉まる



ガキィィィィン!!



まどか「キャァァ!!」



割と頑丈に作られた扉だが、鉈で叩かれたせいか、大きくへこむ



バァァァァン!



鉈で扉がへこむと同時に、銃声が響く



ゴウゥゥゥン……



エレベーターは、上に向かって動き出す。

222 :[saga]:2012/10/08(月) 10:13:34.53 ID:JXjlXEN30

まどか「はぁはぁ……あぶなかった」



杏子「ああ……全くだ」



杏子「ん?お前、屋上に逃げ込む気か?」



ふとボタンを見ると、最上階と書かれたボタンが光っていた。



杏子「逃げるんなら、下のほうがいいんじゃ?」



まどか「わたし……まだ、『閉』のボタンしか押してないんだけど……」



杏子「え……」



何かに導かれるように杏子たちは、屋上へと送られる



――チィィィィン……ガチャンッ



扉が開いた瞬間、白く濃い霧が視界に入る



杏子「……ん?あの霧の向こうに影が」



まどか「なんだろう……」



コツコツ…



二人は、静かに屋上内を歩く





ゴォォォン……ゴォォォン……





まどか「……?鐘の音?」



杏子「おい……この鐘の音、まさか……」ダダッ



まどか「杏子ちゃん……?」



少し小走りで、その影の目の前まで行く。



杏子「な、なんであれがここに……」



その建物の正体は





まどか「教会……?」



鐘の音の正体



それは教会から来る物だった。



杏子「……これ、ただの教会じゃない」





杏子「これは……あたしが拠点にしてた教会だ」



鐘の音に誘われるように、その扉を開ける

223[saga]:2012/10/08(月) 10:16:12.81 ID:JXjlXEN30

【屋上・教会(?)】



中は杏子が、最後に入ったときと同じ状況のままだ。



ただ一つ気になった事がある。

それは、教壇の上に本が置いてある



杏子「これは……」





『失われた記憶』と書かれた書物だった。





まどか「……!!これ、最後のアイテムだよ!!」



杏子「っ!!本当か!?」



まどか「うん!これで全部そろったね……」



杏子「……あとは、マミと合流して、あの三角の連中から逃げ切るだけか」



まどか「……うん、大変だけどね」



嬉しいはずなのに、何か釈然としない



なぜ仲間が都合よく何回も蘇る。



そして奴らはなぜ何回も執行に殺害し続ける



まるで意図的にトラウマを、嫌な光景を見せ付けるかのように



杏子「失われた記憶……」





失われた……記憶……?





杏子「……?」



杏子は天井を見上げる



まどか「杏子ちゃん……どうしたの?」





――――



イヤだ……何で……



やっと分かり合えたのに……



――――





杏子「父……さん……?」



まどか「え……」



父親の名を呟くを今度は下を向く



杏子「……まどか、床を見ろ」



まどかが言われたとおり、床を見ると小さな扉が、教壇の真下にあった。



まどか「地下に通じる扉……?」

224[saga]:2012/10/08(月) 10:19:49.62 ID:JXjlXEN30

【教会(?)・地下通路】



梯子を降りて、下につくと薄暗い通路になっていた。



奥のほうから、血と何かが腐った臭いがする



コツコツ……グシャッ



まどか「え」



何かを踏んでしまったのか、足元を確認する





まどか「っ!!!?」



杏子「!!!」





まどかが誤って踏みつけた物、それは



さやかとほむらの死体だ



それもただの死体じゃない、バラバラに切り刻まれて、顔やら体の肉がそこら中に散らばっている。





まどか「もう何なの……何が……どうなってるの……?」ガクガク



まどか「もうやめてよ……」グスグス



杏子「………」



膝を崩し、泣き崩れるまどか。

その一方で、唖然とした様子で、その四散した死体を見つめる杏子





―――



畜生……一体何なんだよ



なんで父さんと母さんが……モモがこんな目に合わなきゃいけないんだ



―――





杏子「……まどか、急ぐぞ」



まどか「え……」



杏子「あの扉を開ければ……答えが一つ見つかるかもしれねぇ」



まどか「答え……?」

225 :[saga]:2012/10/08(月) 10:21:14.84 ID:JXjlXEN30

【???】



扉を開けると、薄暗いコンクリートの広い部屋が視界に入る。



両端の壁際になぜか、ロウソクが二つある





そして、部屋の真ん中に死体が転がっていた





まどか「……?誰かが倒れてる……」



杏子「……まて、まどか」



杏子はまどかを制止する。



杏子「ちょっと……ここで待ってて」



まどか「え?うん……」





杏子「……」グイッ



杏子はそのミイラ化した死体を、両手で支え見つめる





杏子「どういうことだ、おい……」



杏子「何だよこれ……」



まどか「……?」



まどかから、その杏子の表情は見えない。



しかし明らかに動揺してるのが、後姿からでもハッキリと分かる





――それから数分が経過した







杏子「……そうか、そういう事だったのか」



まどか「え……」

















杏子「全部……思い出した」

226 :[saga]:2012/10/08(月) 10:22:45.28 ID:JXjlXEN30

まどか「思い出したって……なにを?」



杏子「その前に、お前に確認しておきたい事がある」



まどか「う、うん……」



杏子「……この異常な状況だ。誰も突っ込む余裕なんて無かったがよ」





杏子「お前、髪伸びたな。あたしやほむら位長いんじゃないか?」





まどか「あ、うん。ほむらちゃんや杏子ちゃんみたいな、ロングに憧れて伸ばしたんだけど」



まどか「変かな……?」



杏子「いや、似合ってるぜ。そのロングのツーサイドアップ」



まどか「ウェヒヒ、ありがとう」





杏子「さぞかし、時間かけて伸ばしたんだろうな」





まどか「……」



杏子「なあ……ワルプルギスを倒してから、どれ位時間がたったんだ?」



まどか「え……杏子ちゃん知らないの?」



杏子「ああ、時間間隔が鈍っててな」



杏子「……んで、どれ位なんだ?」





















まどか「3年……」

227 :[saga]:2012/10/08(月) 10:25:42.20 ID:JXjlXEN30

杏子「……なるほど」



まどか「杏子ちゃん……?」



杏子「まどか、こっち来い」



まどか「え、うん」



杏子のいる部屋の真ん中へと向かう



そして、杏子の両手に支えられた死体を覗き込む



まどか「……」



杏子「なあ……まどか、この死体見て、何か違和感を覚えないか?」



まどか「違和感……?」



杏子「ああ」



まどか「う~ん……」



杏子「良く見ろ、こいつの特徴を」



まどか「特徴……?」









まどか「え……」





杏子「ようやくわかったか」



まどか「え、え」



杏子「……ま、そういうことだ」



まどか「なんで、どうして」



まどか「こんなの絶対おかしいよ……」



杏子「おかしくなんかねぇよ」



杏子「これは紛れもなく……」





























杏子「あたしの死体だからな」




235[saga sage]:2012/10/12(金) 21:43:37.79 ID:043wJbb+0

まどか「それじゃ……なんで杏子ちゃんは生きてるの?」



まどか「どっちが本当の杏子ちゃんなの?」



杏子「どっちもだ」



杏子「……だが強いて言うなら、この死体の方が本来の私かもな」



まどか「……?」



杏子「所で突然だけど……お前、どんな気持ちでこの街にきた?」



まどか「え……そ、それは」



まどか「みんなを助けたい、それで…会いたい」



杏子「本当にそれだけ?」



まどか「……」



杏子「思い返してみろ。今も昔も……脳裏に、離れない物があるだろ」





まどか「……」





杏子「私はかつて、自分の心に負けたんだよ」





まどか「え?」



杏子「知ってるか?なんであたしはいつも間食をしてるか」



まどか「え、食べるのが好きだからじゃ……」



杏子「間違ってはいないね。食うのは好きだし」



杏子「でも本当の理由はそれじゃない」



まどか「それじゃ……」



杏子「私は」

236[saga sage]:2012/10/12(金) 21:44:33.17 ID:043wJbb+0

―――

それで願いはなんだい?



父さんの話をみんなに聞いて欲しい!



ふざけるな!これじゃ……全て私の、意のままではないか



え……



恐ろしい……なんて恐ろしい……

―――





杏子「今も昔も、自分の事しか考えていない」





―――

佐倉さん……今日の戦い方……あれは何なの?



事故で偶然死なれるのと、祈りが原因で死なれるの、どっちが辛いかあんたにわかるか!



もうコンビ解消だ。やってられない

―――





まどか「……」





―――

ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ?……その子



弱い人間を魔女が食う。その魔女をアタシたちが食う。これが当たり前のルールでしょ?



今すぐ乗り込んでいって、坊やの手も足も二度と使えないぐらいに潰してやりな

―――





杏子「そんなあたし自身が許せなかったからさ……無意識にだがな」



杏子「……それに気づかないで、知らず知らずに『あんな怪物』を生んじまった」

237 :[saga]:2012/10/12(金) 21:46:01.26 ID:043wJbb+0

まどか「……怪物?」



杏子「なぁ?……マミ」



ガチャッ



杏子が振り向くのと同時に、扉が開かれる。

その扉の先には



まどか「え……?」



三角頭2「……」



銃を持った三角頭だった



まどか「ねえ、マミさんはドコに……?」



杏子「……いるじゃねえか。すぐそこに」



まどか「……?」



未だに状況が読み込めないでいる



杏子「はぁ……しょうがねえ」



杏子「おい!いつまでもそんな似合わないモン被ってんじゃねえよ!」



杏子「『最後』位、顔を曝したらどうなんだよ!」



『……ようやく思い出したようね。佐倉さんは』



『でもあなたの断罪は、もう終わったはずよ?』



まどか「え……?」



三角頭2『……』ググッ



ドォォォォォン!!



三角頭は自らの兜を手で掴み、持ち上げて床に落とす



まどか「!!!!!?」





まどかの目に映ったのは、血まみれの衣を着た巴マミだった。





まどか「な、なんで……」



三角マミ「あなたが邪魔しなければ、襲う事も無いのに」



まどか「マミさん!!?どうして……」



コツコツ……



マミは、ゆっくりとこちらに向かい始める



まどか「な、なんで…だって…マミさん、前に私の事を守ってくれて」



まどか「あ、あなたはだれなの……?」



三角マミ「誰って酷いわ……巴マミに決まってるじゃない」



三角マミ「あなたの罪意識から生まれた、もう一人の……ね」チャキッ



まどか「え……」

238[saga]:2012/10/12(金) 21:50:48.48 ID:043wJbb+0

―――

本当に、これから私と一緒に戦ってくれるの?傍にいてくれるの?



はい、私なんかでよかったら

―――





まどか「私の……」





―――

……あんなやり方で戦ってたら勝てたとしても、さやかちゃんのためにならないよ



だったらあんたが戦ってよ



あんた誰よりも才能あるんでしょ?



私の為に何かしようって言うんなら、まず私と同じ立場になってみなさいよ。



無理でしょ?当然だよね

―――





まどか「罪……」





―――

ほむらちゃん……ソウルジェムが……



まどか……あなたを守れて本当に良かった



待ってよ……一人にしないで!



さよなら

―――





三角マミ「見ているだけで何も出来ない」





まどか「っ!!」



三角マミ「美樹さんはハッキリ言ってくれた……でも幼馴染と仲直りが出来ないまま別れた」



三角マミ「暁美さんは最初から、あなたを責めるつもりなど毛頭無い……ただ懇親的な彼女を守れない悔しさだけが残った」



三角マミ「本当はか弱い彼女に、最後まで頼りきってしまい」



まどか「……」



まるで尋問でもされているかのように、まどかは肩を震わしながら、飛び交う記憶に苦悩する。



三角マミ「……全ての苦悩は私の死から始まった。そして今尚、私との約束を果たせずに……」



三角マミ「つまりはそういう事よ……鹿目さん」



まどか「ぁ……」



まどかは思わずその場で、膝を崩してしまう。

そして、杏子が言わんとしていた事がようやく理解する。





胸に秘めた贖罪の想いを

239 :[saga]:2012/10/12(金) 21:51:52.33 ID:043wJbb+0

―――こんな自分でも、誰かの役に立てるんだって、胸を張って生きていけたら、それが一番の夢だから



ああ……そうだ……





口だけで何もできない、後悔ばかりで

この町に来てからもそうだ



それで今更、生き返らせてみんなに会いたい?

そんな事で私はみんなに……





まどか「わたしは……」



三角マミ「……大丈夫よ鹿目さん。もう苦しむ必要はない」



微笑むマミ。だがその光の無い瞳には慈愛などない



三角マミ「私が断罪してあげる……罪を洗い流し、私達とずっと一緒にいましょう?」



まどか「……」



三角マミ「さよなら鹿目さん、そして」



マミがマスケット銃の引き金を引く



三角マミ「こんにちは」







バァァァァン









薄暗く広い部屋に、その銃声が轟く。

だが、弾丸を貫いたのはまどかの体ではなかった。





ポタポタ……





杏子「何が……こんにちはだ!」

240[saga]:2012/10/12(金) 21:53:43.23 ID:043wJbb+0

まどか「杏子ちゃん!」



杏子「ガハァ……」ググ



腹部を抑えつつ、血で濡れた片手で槍を持つ



三角マミ「……あなたの断罪はもう終わったはずよ?」



杏子「ハハハ……そうだな。でも」



杏子「まどかに罪なんてねえだろう!!」



まどか「っ!!杏子ちゃん……」



杏子「まどか、私は心弱くて『自害』しちまった。本当にすまねえ。お前を一人にしちまって……」



まどか「……」



杏子「……昔からさ、私が関わってきた人間はみんな死んじまうんだよ」



杏子「しかも、どこかしら私が原因でな」



杏子「ほむらだって、私が早く帰ってれば……」



杏子「でもまどか……お前だけは死なせねぇ!」



そういって、杏子はマミに突っ込む



ガキィィィン!!



それをマスケット銃で受け止めるマミ



三角マミ「……」ググッ



杏子「まどか……決着をつけるぞ!!」



まどか「え……」



杏子「ここの処刑人は一人だけじゃねえだろ!!」





ドォォォォンッ!!





杏子はまどかに忠告をすると同時に、まどかの背後より凄まじい轟き音がする。



後ろを振り返るとやはり、三角頭が血濡れの大鉈を持って立っていた



杏子「あれもお前が、負の感情から生み出した産物だ」



杏子「あたしはマミを片付ける。お前はそいつを倒せ!」



三角頭「……」ググッ



大鉈を両手でガッシリと構え、こちらを威圧するように、ジッとこちらを向いたまま動かない



まどか「……わかった。私、自分自身に決着をつけるよ」チャキッ



慣れた手つきでリロードをこなし、まどかはボウガンを三角頭に照準を合わせる



まどか「私……絶対生きて帰る」



杏子「そうだ、お前は自殺しにここに来たんじゃねえ……希望を探しにここに来たんだ!」グググッ

241[saga]:2012/10/12(金) 21:55:05.41 ID:043wJbb+0

凄まじい突進力でまどかの目の前まで来て、大鉈を振りかぶる三角頭



三角頭「ォォォォォォ!!!」ブンッ



まどか「っ!!」サッ



ガン!!!



振り下ろされた鉈を、サイドステップをして避ける。



動きは早くなった物の、数秒ほど力を溜めてから、縦と横に振り回すという意外にもワンパターンな攻撃展開な為、慣れれば避けられなくもなかった。



しかし



ガン!ガン!



まどか「はぁはぁ……」チャキッ



相手の動きが早くなったため、照準を上手く合わせる事ができずにいる。



そして何より厄介なのは





三角頭「オオオォォォ!!!」



まどか「ぅぅ……」ビクビク



そのたくましい体つきと、圧倒的な威圧感だった。

それでもか弱いまどかは、この怪物に立ち向かうしかなかった

242[saga]:2012/10/12(金) 21:56:52.68 ID:043wJbb+0

キィィィン!ガキィィィン!



杏子は槍を縦に横に、更に斜めにとマミに切りかかるが、全てマスケット銃でふさがれる。



三角マミ「……」チャキッ





バァァァァン





杏子「!!?」ピィッ



近接距離で銃口を向け放つマミ。



そのまま杏子の額に照準を合わして放つが、頭部を横に振って避け、銃弾はキ頬を掠りながら通りすぎる。



杏子「あ、あっぶねぇ……」ツー



三角マミ「いい動きね。さすが佐倉さん」スッ



するとマミはドコからともなく、短剣を取り出す。



そしてその短剣を銃口に差し込める



杏子「……銃剣」



三角マミ「……」ガチャチャ



銃剣を差し込んだあと、いつも通り丁寧にリロードをこなす

その隙を勿論逃さない



杏子「おいおい隙だらけだぜマミ!」ダダッ



ブンッ



三角マミ「……」ササッ



杏子「チッ!身軽になったな……」



頭部に被っていた鉄兜が無くなったせいか、フットワークが軽い

華麗な動きを見せつつ、リロードをこなす



三角マミ「……」ガチャチャ…チャキ



リロードを終えると、こちらに銃口を向ける



杏子「……ちゃんと意識を集中しねえと撃たれる」ギリッ



歯を食い縛り、覚悟を決めつつマミが次にどんな行動を取るか、警戒を取る。



三角マミ「……」ススッ



杏子「……?」



杏子に向けられた銃を、突如ゆっくりと下にさげ、腕をだらりとさせる。



杏子(……?腕を下ろして照準を解除した?)



マミ「……」ニヤッ



杏子「……!!?」



マミが一瞬冷たい微笑むを浮かべると、顔は杏子の方を向いたまま、銃を真横に構える。



そしてその銃口の先は当然杏子でなく



杏子「まどか避k」





まどか「はぁはぁ……え」





バァァァァン





まどかの脇腹に銃弾が突き刺さる

243[saga]:2012/10/12(金) 21:58:49.84 ID:043wJbb+0

まどか「ぅぅ……ガハ……」ポタポタ



杏子「まどか!!!」



脇腹から流れる出血を手で抑えながら、壁にもたれ掛かる。



まどか「はぁはぁ……」



三角頭「……」ググッ



ドスドス……



三角頭との戦闘に苦戦していたまどかに、追い討ちをかける。



ケガをしたまどかを見下ろす三角頭は、大鉈を力強く振り上げたまま、ジリジリとまどかに近づく。



杏子「やばい……!!」ググッ



マミのリロードは時間が掛かる。

三角頭を追撃し、まどかを助けるなら今しかない



杏子は片手で槍を、頭部の高さまで持ち上げて



杏子「おおおりゃぁぁぁぁぁ!!!」ブンッ



三角頭に槍を投げ込む



ドスッ!!



三角頭「っ!!?」ガクッ



飛んできた細長い槍で、脇腹を貫通させる。

黒い液体が溢れ出て、膝を崩す



三角マミ「……」ガチャチャ



杏子「……」



マミのリロードはまだ終わっていない。



杏子は一瞬だけ、マミのリロードの進行具合を確認すると、ダッシュで三角頭の元まで走る。

武器を取り返しに行く為に。



ドスッ



杏子「っ!!ガハ……」



杏子の古傷の包帯に、何かが飛んできて突き刺さる



杏子「銃…剣……!?」ガクガク



ガクッと膝を崩れる杏子を見てマミは、杏子に近づき、ドコからともなく黄色いの鞭を取り出す。



そして黄色の鞭で、膝を崩した杏子の首を力強く絡ませ



ギュウゥゥ



杏子「カァ……ハァ……」ピクピク



三角マミ「私の武器が銃しか無いなんて言った覚えは無いわ」



三角マミ「魔法少女やってた頃でもそうだったでしょ?」



杏子「クゥゥ…カァ…」ググググ



言葉も出せず、ただ己の打つ手の甘さに後悔する杏子。



締め付けられる度に、意識が徐々に遠のいていく

244[saga]:2012/10/12(金) 22:00:23.73 ID:043wJbb+0

まどか「きょ、杏子ちゃん……」



杏子のアシストで辛うじてピンチを回避できた物の、今度は杏子が窮地に追いやられる。



三角頭も脇腹に槍を貫通させたまま、ゆっくりと立ち上がる。



動きこそダメージの影響で鈍くなっているものの、三角頭のまどかへの殺意を諦めたわけではなかった。



まどか「ど、どうすれば……」



まどか「……ん?」



ふと、まどかは後ろの壁を見上げると、ロウソクが目に映る。



まどか「……っ!!そうだ!!」



まどかは痛みを堪えながらも立ち上がる。



そして、鞄から矢を取り出して矢の先にロウソクの火を当てる。



燃えあがる炎を纏った矢を、ボウガンにリロードさせ



まどか「……っ」チャキッ





ビュン!……ボォォォ!!





三角頭「……っ!!!!!?」ガクッ



炎の矢は、三角頭の胸元を貫通させる。

同時に、三角頭は全身の炎に包まれ、膝を崩す



まどか「はぁはぁ……」チラッ







杏子「く、くる……し……」



三角マミ「……」ギュギュ



もはや杏子の意識は途絶えかけていた。

彼女を救うには一刻を争う。

245[saga]:2012/10/12(金) 22:01:47.28 ID:043wJbb+0

まどかはすばやくリロードを行い、マミの頭部に照準を合わせる



まどか「……」チャキッ





―――

さやか……くそ!こんな事って……



酷いよ……こんなの、あんまりだよ



パリィィィン



え!?



巴さん!!?



ソウルジェムが魔女を産むなら……みんな死ぬしか無いじゃない!!



あなたも……わたしも!!



やめて!!



ビュンッ……パリィィィン



え……



もうイヤだ……もうイヤだよ!!こんなの……

―――





まどか「……っ!!!」



まどかの脳裏に、あるはずの無い魔法少女の自分の記憶が、鮮明に移し出される。



まどか「マミ……さん……」チャキッ



心では拒否をしている。

マミを再び打ち抜くことを



だが



杏子「まど……が……」ピクピク





まどか「……っ!!!」





ビュンッ……ズバァッ!







引き金は引かれ、マミの頭部に矢が貫通される

246[saga]:2012/10/12(金) 22:04:51.78 ID:043wJbb+0

三角マミ「カハァッ……」ポタポタ



頭部から血をドクドクと流しつつ、体を痙攣させる



縛っていた杏子の首を縄から解いて、縄を地に下ろす。



やがていつの間にか床に転がっていた、銃剣付きのマスケット銃を握り、フラフラと生気のない目で歩き始める



杏子「げほげほ!はぁはぁ……マミ?」



まどか「マミさん……」



マミは燃えあがる三角頭の元まで来て、互いに向かい合う体勢になる。



三角頭もまたゆっくり立ち上がり、腹部に刺さった槍を強引に引き抜く



そして







ザシュッ!!







杏子&まどか「!!?」



三角頭とマミは、互いに胸部を刺しあい自害する



互いに自決し終えた後は、まるで石像のように固まって動かない。





――――ウォォォォォォォォン……ウォォォォォォォォン





まるで戦いの終わりを知らせるように、サイレンの音が鳴り響く



まどか「終わっ……た?」



杏子「ああ……」



まどか「なんだか……疲れちゃった……」ガク



杏子「あたしも……だ……」ガク





ガチャッ





扉が開く音がする



だれだろう……?



途切れかけた意識の中で、まどかはゆっくりと視線をドアの方へ向く。





杏子「誰がきたんだ……まどか?」



まどか「え、あの人は……」





――



――――



―――――――

247[saga]:2012/10/12(金) 22:05:58.39 ID:043wJbb+0

【三年前・ほむらのアパート】



ほむら「お願い……私に、あなたを守らせて」ギュウゥゥ



まどか「ほむら…ちゃん」





ワルプルギス襲来の数日前、まどかがほむらの家に訪れた。

その際、ほむらはまどかにこれまでの真実を打ち明ける





突然の事に方放心状態に陥るまどか、我慢の限界でつい感情をむき出しに涙を流すほむら



ほむら「ごめんね……色々言われて、訳わかんないよね?」



まどか「……大丈夫、信じられるよ。今のほむらちゃん、嘘ついてる風に全く見えないから」





話が一通り終わり、まどかが帰宅しようとした時、QBが彼女達の前に現れる

248 :[saga]:2012/10/12(金) 22:08:15.89 ID:043wJbb+0

ほむら「サイレントヒルですって……!?」



QB「そうだ、佐倉杏子……彼女は信憑性の薄い噂を信じて、海外へ行った」



ほむら「……道理で最近見かけないと思ったら」



ほむら(今までのループの中で、こんな事は一度も無かった)



ほむら(……でももしも、その噂が本当なら、美樹さやかだけでなく、巴さんも……)



ほむら(……)



まどか「ほむら…ちゃん?」



ほむら(いや、そんな信憑性の薄い話を信じて、その町に行っても仕方が無いわ)



ほむら(……何より魔法少女が、一人として帰ってこないと言うのも引っかかるし)



QB「君も行くのかい?」



ほむら「……いいえ、わたしはこの町に残って、佐倉杏子を待つわ」



QB「もし来なかったら?」



ほむら「一人で闘う」



そういって、まどかの方を向く



ほむら「まどかを守るために」



まどか「ほむらちゃん……」



ほむら(……みんなには申し訳ない。でも今回こそ、決着をつける)





――まどかがほむらの部屋から出て行ったあと、QBも部屋から出て行く。





QB「……」ピピピ





QB『本当にこれで良かったのかい?』



『勿論だよ』



QB『佐倉杏子……彼女は優秀な魔法少女だ。もっと成長をさせてからの方がより良いエネルギーを回収できたのに』

249[saga]:2012/10/12(金) 22:11:15.56 ID:043wJbb+0

『まあね、でも僕が調べた所によると、まだ彼女は死んではいないよ』



『徐々に妄想に取り付かれてようだけどね』



『しかし、もし事が上手くいけば、魔法少女システムの革命的変化を遂げる事が可能だ』



QB『確かに、その点は僕も大いに期待しているんだ』



QB『人類の蘇生の儀式……もしもそんなものが実在するなら、死と生のループで、何度でも契約させる事が可能だ』



『死者の復活……再契約の可能性……魔女のクローン生成』



『これは僕達インキュベーターの希望でもあり、人類の希望でもあり……宇宙の希望でもある』



『だからこそ、優秀である佐倉杏子に、この実験に参加する意義があるんだ』



QB『でもその可能性は薄い』



『物はためしだよ、駄目ならそれまでさ』



QB『ところでさ、USAの同士たちに聞きたいんだけどさ』



『なんだい?』





QB『鹿目まどかに次ぐ、歴代2位の才能を持った少女とは契約できたのかい?』





『全然だめだ。今日も彼女に「オカルトに巻き込まれるのは、もうウンザリしてるから消えろ!」って言われてさ』



『大好きな父親を蘇生させる事ができるって促したら、泣きながら発砲してくる始末だし』



『彼女なら、鹿目まどかには及ばないが、ワルプルギスを倒すだけの力はあるのにな』



QB『そっちも苦労してるんだね、引き続き佐倉杏子の監視と、例の彼女の勧誘を頼むよ』





『うん。そっちもね。歴代1位の才能の持ち主がいるし』

250 :[saga]:2012/10/12(金) 22:12:45.29 ID:043wJbb+0

【3年前・サイレントヒル地下鉄】



杏子「はぁはぁ……」



杏子はサイレントヒルに来てから戦いの日々が延々と続いていた。



とにかく魔女の量が半端じゃない



魔女を倒しても、魔女結界に似ている、濃い霧の近い空間で、使い魔に近い怪物との戦闘が絶え間なく続く



そして、その日々からようやく解き放たれようとしている



魔女を狩りつくしたのだ



まだ霧は晴れず、街には怪物もいるが、とりあえず探索の方に集中ができる環境になった。



杏子「全く……この町で何があったんだよ……」



フラフラとした足取りで、杏子は拠点にしていた教会へと帰ろうと向かう。





杏子「なんか……疲れた」パサッ



杏子は足を止め、地図を広げる



杏子「……今日はこの『駅のホーム』で寝るか、もう眠い」



そういって杏子は駅の階段を下りて、ホームの座席に座ろうと思った





――その時だった





「え、杏子……?」



杏子「っ!!?」



カラァァン



杏子は驚きのあまり、槍を落とす





死んだ筈の友人がすぐ目の前にいたからだ



「杏子……やっぱりあんたd」



杏子「さやか!!!」ギュッ



「え……」





二人の再会は思い出の場所に似た所で、あっけなく再会を遂げる






254[saga sage]:2012/10/19(金) 23:40:17.68 ID:TtXyCVB30

さやか「……そっか、あんたは私を蘇生させるためにここまで来たんだね」



杏子「ああ。でもあたしはまだ何もしてないんだ……」



さやか「……」



杏子「お前……どうして生き返ったんだ」



さやか「……そりゃ、こっちが聞きたいよ」



さやか「魔女になって……人を呪って……そんで、気がついたら、人間に戻ってて、こんな怪しげな町に一人取り残されて……」



さやか「しまいにはあんたと再会できて……」



杏子「……」



さやか「……でもまさか、あんたがそんなに私の事心配してくれてたとはね」



さやか「驚いちゃったよ」ニヤニヤ



杏子「……う、うるせぇな」





さやか「……んじゃ、美滝原にこれから一緒に帰るの?」



杏子「……そうしたい所だけど」





――― もうコンビ解消だ。やってられない





杏子「仲直り……しないとな」



さやか「……マミさん?」



杏子「……」



さやか「……わかった。このさやかちゃんも協力いたそう!」



さやか「……って、言いたいところだけど。実は杏子、私いま魔法が使いえなくなっちゃってるんだよ」



杏子「え……?」



さやか「理由は全くわからないけど、いくらジェムに念じても何も起きないんだよ」



さやか「……っと、言うわけでさ」ギュッ



さやかは自らの腕を、杏子の腕に絡ませる



さやか「このか弱きさやかちゃんを、エスコートしてくれませんかい?杏子さんや」



杏子「お、お前……何かキャラ変わった?暁美ほむらとは違う意味での、あのツンツンした態度はドコいったんだよ」



杏子は頬を赤くさせつつも、引きつった顔でさやかを見る。



さやか「変わった?ツンツンした態度?……たはは、愚問だね」





さやか「これが本来の私だよ、杏子」

255 :[saga sage]:2012/10/19(金) 23:42:36.49 ID:TtXyCVB30

――翌日



【街中・道中】



怪物「グゥオッ!」バサバサ



杏子「目障りだ。消えな」ブンッ



ドスッ



怪物「コォォォッ」ドサッ



さやか「ここの使い魔って、あんま強くないよね。魔法が封印されたわたしでも倒せるし」



杏子「そうおもうなら、お前も戦ったらどうなんだ?」



さやか「いや~武器だった、角材がおれてしまって」



杏子「……はぁ、まあ良いけどさ」



さやか「でもこれからどうするの?」



杏子「QBの話だと、この町には人を蘇生させる事の出来る術があるって聞いたからな」



杏子「とりあえず、資料か何か集めようかと思ってるよ」



さやか「資料ね……まあ、せかすようじゃないけどさ。あんた美滝原に帰って、あのむかつく転校生とワルプルギスの夜を討伐するんでしょ?」



さやか「その……一旦美滝原に帰ってからでも」



杏子「……」



さやかの言う事はごもっともだ。

しかし、ここまで来てしまったら、マミの蘇生の手がかりを見つけたかった。



それと同時に、なぜさやかが復活したのかも



杏子「……もう少しだけ探したい」



さやか「……」



杏子「それに、いまお前と謎の再会が出来てるってことは……」



さやか「……うん。あたしもそれ少し思った」





杏子「……だからさ、この際別に理屈なんてどうだっていいんだ」



杏子「また、マミと会えればさ」





――その後、さやかと杏子は探索を続けるが、結局、手がかりを得られなかった。





さやか「暗くなってきたね……」



杏子「ああ……今日の探索はこの編にしておいて、アジトにもどるかな……」



さやか「アジト?」



杏子「あぁ。まあただの教会だよ」



そういって、ふたりは怪物を倒しながら教会に向かう

256 :[saga sage]:2012/10/19(金) 23:43:32.93 ID:TtXyCVB30

【教会前】



ガチャッ



杏子「あれ?」



さやか「誰かいる……?」



二人が、扉を開けると祭壇に誰かが立っていた。

杏子たちに背を向けたまま何かぶつぶつと独り言を呟いている。



杏子「……?あれは……」



さやか「あの~どちら様ですか?」



「……?何だ杏子とさやかちゃんじゃないか」



さやか「え……」



杏子「父さん……?」



さやか「え、え……ええぇぇぇ!!?」





さやかは、杏子と杏子の父親の方をキョロキョロと見直す

257 :[saga sage]:2012/10/19(金) 23:44:35.88 ID:TtXyCVB30

杏子は壇上にいる人物、佐倉神父を見てをガタガタと肩を震わしている。





その表情は、驚きであったり、嬉しさもあり、でも恐れているようであったり

目を酷く泳がせて、非常に困惑している様子だ



佐倉神父「……?どうした杏子、何か困った事でもあったのか?」



杏子「どうしたってあんた……」プルプル



杏子「こんなところで何やってるんだよ……」



佐倉神父「なにっていつものおt」



杏子「そ、そういう事きいてるんじゃなくてさ……」



さやか「杏子、あんた……」



普段堂々としている杏子が、まるで人が変わったように、しおらしい姿になっていて、さやかは驚く。



佐倉神父「どうした。ガタガタと体を震わせて……寒いのか?」



杏子「……」





佐倉神父「……そうだ。そろそろ、母さんが料理を終える頃だ」



杏子「!!?母さんもいるのか!!!」

258 :[saga]:2012/10/19(金) 23:45:42.41 ID:TtXyCVB30

【食堂】



佐倉(母)「さあ、お食べ杏子、さやかちゃん」



佐倉神父「いただきます」



モモ「いただきまーす!!」



さやか「……」



杏子「……」



盛り付けられたカレーライスを目の前に、スプーンを取ることなく唖然と、家族を見回す二人。



さやか「……杏子、どうしたのよ。あんたがご飯食べないなんて珍しいじゃない」(ボソ



杏子「……さすがに食う気失せるわ」(ボソ



佐倉(母)「あら杏子、あまり食欲が湧かないのかしら?」



杏子「あ、あのさ……みんな……なんでここにいるのかな?」



佐倉(母)「え?」



杏子「ここ……明らかにおかしな場所だよね?」



杏子「それに父さんも母さんも……モモも死んじゃって……」



杏子「その事は覚えてないの?何も感じないの……?」



佐倉(母)「……」



佐倉神父「……」



杏子の父と母は互いに顔を合わせて、くすっと微笑む



佐倉神父「ははははっ……杏子。何か悪い夢でも見たのか?」



モモ「あははは。今日のお姉ちゃん達、変だよ!」



佐倉(母)「疲れてる時こそ、しっかり食べて元気つけなきゃね」



佐倉(母)「ほら、さやかちゃんもお食べ」



さやか「あ、はい」



杏子「……」

259 :[saga]:2012/10/19(金) 23:47:35.16 ID:TtXyCVB30

【杏子の部屋】



二人は二つ置いてあるベットの上で、向かい合うように話し合っている



さやか「しっかし……何だろ、ツッコミ所が多すぎて理解に苦しむよさやかちゃんは」



杏子「……なぜか私達、義理の姉妹って関係にされてるしな」



さやか「そもそもあたしら同級生だろ?」



さやか「……んで、それはさておき、どうするの。これから」



杏子「やることは変わんない。マミを生き返らせる方法を見つける」



杏子「……って、言いたいけどよ。お前も家族生き還ってる事を考えてると……」



さやか「……うん、この際やっぱ難しい事なんてどうでも良くなっちゃうね」



杏子「ああ、とにかく会えればいいんだ」



さやか「そうだね。んじゃ、明日はどこいこっか」



杏子「そうだな―――」







――翌日





杏子「出かけてくるね、母さん」



佐倉(母)「いってらっしゃい。気をつけてね」



手を振る母親の事を確認すると、杏子たちは背を向ける



杏子「気をつけてねって……まあそりゃ、外は危ないけどさ」ボソ



さやか「そういえばさ、外あんな危険で、良く外出の許可がでたね」ボソ



杏子「それも気になるけど、あたしが気がかりなのはどうやって生活してるんだよって話だ」



杏子「……突然この教会に現れたかと思ったら、サイレントヒルにも昔から住んでるみたいな事いってるしよ」



杏子「……お前ともな」



さやか「……」





状況判断の理解に苦しむ二人は、ドアに手をかける



ガチャ



今日も霧なのだろう

そう思っていたが、二人の想像を裏切った



杏子「え……?」



さやか「こ、これって……」



霧などなく晴天で、街中には人が普通に歩いていたり、車が走っていた。



あまり数はいないが、それでも町として機能を保っている



杏子「……どういうことだおい」



さやか「化け物がいない……?」



モモ「あ、お姉ちゃんたち!」



杏子「……っ!?お、おう。モモかどうした」



モモ「これからどこ行くの?」



杏子「決まって無いよ。ただの散歩」


260 :[saga]:2012/10/19(金) 23:50:03.02 ID:TtXyCVB30

モモ「それならさ!あたしと一緒に遊園地いこ!」



杏子「遊園地……?」



さやか「それって、レイクサイド・アミューズメント・パークってところじゃない?」パサッ



地図を広げるさやかと、杏子は互いに顔を合わす



杏子「……ま、いっか。まだそこはいってなかったしな」





結局、遊ぶだけ遊んで、手がかりなど何一つ見つからなかった。

ただそれでも、さやかにとっても、杏子にとっても殺伐とした日々から一瞬でも解放できた事に安堵を覚えた。



何より、死んだはずの妹と楽しく過ごせた事が、杏子の喜びだった。







――それより数日間、平和なサイレントヒルで探索を続けるが、何も手がかりを得られなかった。

そんな日々が続いたある日だった。







杏子&モモ「ただいま~」



さやか「こ、こんばんは~」



佐倉神父「おお、お帰りなさい。遅かったな」



杏子「ああ……うん、ちょっとはしゃぎすぎてね」



佐倉神父「そうか、まだ夕食ができる時間じゃないし、お風呂でも入ってきなさい」



杏子「ああ、その前にちょっと話したい事が……」



佐倉神父「話したい事?」



杏子「……さやか、モモ。先に入ってきてくれない?」





モモ「はい!」



さやか「うん……」





佐倉神父「それで?話とは」



壇上の上で、二人は向かい合うように話し始める





杏子「……あんた、私の事。今でも憎んでるんだろ?」

261[saga]:2012/10/19(金) 23:51:19.88 ID:TtXyCVB30

佐倉神父「憎む……?」



杏子「とぼけるな」



佐倉神父「……」



杏子「何もかもおかしいだろ」



杏子「昔からここに住んでるだと?あたしらは日系アメリカ人ってか?」



杏子「それにさやかは、つい最近知り合ったばかりの友達だ」



杏子「アイツには両親だっているし、大事な幼馴染だっている……片方は親友、もう片方は想い人のな」



佐倉神父「……杏子、やっぱり悪い夢でも見たのではn」



杏子「悪い夢?違う……残酷な現実だ」



杏子「それにあんたも……母さんもモモも、とっくに死んでるだろうが」



杏子「……あんたの手によってな」



佐倉神父「杏子……お前、心に何か病気でも抱えてるのか?」



佐倉神父「それに、随分口調も荒くなったな」



杏子「誰のせいだと思ってんだよ」



杏子「あんた……憎んでるんだろ?あたしの事」



佐倉神父「憎む……だと?」



杏子「あたしが魔法少女になったキッカケ!その時祈った事!」



杏子「あんたそれを知ってから……」





ギュッ





佐倉神父は黙って杏子を抱きしめる

262 :[saga]:2012/10/19(金) 23:52:36.25 ID:TtXyCVB30

杏子「!!?」



佐倉神父「私がお前を憎むだと……?」ギュッ



優しくて、温かいぬくもりが杏子の全身を包む。



佐倉神父「確かに……お前が、あのような理由で祈り契約した事は、私として正直困った物だった」



杏子「……」



佐倉神父「だが、どういう経緯であれ、お前は私達家族を救うために祈ったんだろ?」



佐倉神父「どうしてお前を恨む必要がある」



杏子「え……」







佐倉神父「お前は私の自慢の娘だ。愛している」







杏子「!!!」







杏子「!!!」



佐倉神父「そういえば言い忘れてたな……ありがとう、杏子」



杏子「ぅぅ……」



この言葉をどれだけ望んだことか

もう一生に聞ける事も無い、絶対に



そう決め付けていた杏子の思いを、予想外の出来事で裏切られる



杏子の瞼から、水滴が溢れんばかりに零れ落ち、佐倉神父の服を濡らしていく



杏子「ぅぅぅ……ぅぅぅぅうううああ……ぁぁ」グスグス



佐倉神父「よしよし、毎日魔女退治大変だな。私が出来ることは応援する事しか出来ないが、許してくれ」



そういって、背中を優しくポンポンと叩く

263 :[saga]:2012/10/19(金) 23:54:07.06 ID:TtXyCVB30

【杏子の部屋】



ガチャッ



さやか「お!お帰り」



結局、杏子は夕食を済ませてから、入浴に至った。

髪はリボンを解いて、ほむらと同じくらいの長さの髪をなびかせながら、ベットに腰をかける。



杏子「ただいま」



さやか「よかったね、杏子」



杏子「何が?」



さやか「お父さんの事」



杏子「……盗み聞きしてたのかよ」



さやか「だって気になるじゃん」



杏子「……ばか」



さやか「所でさ、なんで死んだことは忘れてるのに、杏子が魔法少女って事は覚えてるんだろうね」



杏子「……まあ、それいったら、ツッコミところは他にもあるけど」



杏子「……それより、お前に聞いておきたいことが」



さやか「何?まさか私と結婚したいとか?いや~私にはまどかという嫁が……はっ!まさか愛人関係とか!?」



杏子「馬鹿いってんじゃねえ」ピシッ



さやか「あいた!」



杏子は、さやかの額にデコピンをする。



杏子「あした……美滝原に帰る」



さやか「え……」



杏子「お前も帰りたいだろ?」



さやか「うん……まどかにも会いたいし」



杏子「そろそろワルプルギスも来る頃だしな」



杏子「だからあんたは、あたしの家の教会跡地で避難してろ」



さやか「いや!あたしも闘うよ!」



杏子「いま、魔法使えないんだよな?」



さやか「あ、そっか」



杏子「それに、お前は世間じゃ死んだって扱いだしな」



杏子「いきなり実家に帰っても、幽霊か何かだと間違われるだけだ」



さやか「……」



杏子「……あと間違っても、QBとはもう契約するなよ?」



さやか「わかってるよ……」



さやか「それよりさ、あんた。家族はどうするのさ」

264 :[saga]:2012/10/19(金) 23:56:59.46 ID:TtXyCVB30

杏子「……『この』家族には悪いが、失踪って形で、家族の前から消えるしかない」



さやか「……辛いね」



杏子「……暁美ほむらに負けなきゃもう少しここにいたんだがな」



さやか「くそ、あの野朗」



杏子「……いや、どっちにしても帰ってたかもな。まどかのやつが心配だし」



さやか「杏子……」



杏子「おし、寝るぞ」カチッ



杏子は照明を消す



さやか「ねえ、杏子」



杏子「ん?」



さやか「ワルプルギス倒したら……またここに来るの?」





杏子「当然だ。やり残した事がある」





さやか「そっか……んじゃ、あたしも来ようかな」



杏子「……止めろ、ここは本来危ない場所だ」







さやか「本音は?」モゾッ



杏子「……」



杏子が沈黙をしていると、さやかが反対側のベットから起きて、杏子のベットの潜り込んでくる、



さやか「一人ぼっちは寂しいもんな、一緒にいてやるよ」



さやか「それに、わたしは世間では死人扱いされてるわけだし、他に行く充てなんて無いんだ」



さやか「だから一緒にいよ。杏子」



杏子「……ありがと、さやか」

265 :[saga]:2012/10/19(金) 23:58:35.06 ID:TtXyCVB30

杏子「ん……?」パチッ



目を覚ますと、まだ外は暗かった



杏子「喉乾いた……」ムクリ



杏子「……」チラッ



ベットから起き上がった杏子が、ふと隣を見るとさやかがいなかった。



杏子「便所か?まあいいや……」



杏子「水がのみてえ……」



ガチャッ



コツコツ……



杏子「……ん?」



ふと、本堂へと続く扉が、薄っすらと開いていた。



杏子「……なんだ、こんな時間に」



ギィィィ





杏子「っ!!?」





扉を開けた事を、酷く後悔した

なぜならば、杏子の目に映ったのは、父親が首を吊って死んでいたからだ



杏子「父さん!!!」パァァ



急いで駆け寄る杏子。

そして魔法少女に変身して、縄を解く



だが既に絶命してしまっていた。



杏子「イヤだ……何で……やっと分かり合えたのに……」



杏子「……?」チラッ



ふと下を見ると、地下へ通ずる扉が開いていた。

266 :[saga]:2012/10/19(金) 23:59:50.74 ID:TtXyCVB30

【地下通路】



地下に降りて、またしても絶望する杏子



杏子「畜生……一体何なんだよ……」



薄暗く細長い廊下で、佐倉杏子は両膝を崩し涙を流していた。

血に塗れた肉塊を抱いて



杏子「何がどうなってんだよ……」



杏子「なんで父さんと母さんが……モモがこんな目に合わなきゃいけないんだ……」



杏子「誰がこんな……」



「イヤアアアアアアァァァァ!!!!!」



杏子「!!?今の声はさやか……!!?」



血に染まった長い通路の、先に扉が見える。

さやかの悲鳴はそこから聞こえる。



杏子「くそ!!さやかだけでも絶対救うぞ!!」





ガチャ





扉を開けると、薄暗いコンクリートの広い部屋が視界に入る。



また、それと同時にまたしても異様な物を目の当たりにする



さやか「っ!!助けてぇぇ!!杏子!!!」



杏子「さやか!!!」



さやかは体を逆さまにされた状態で十字に縛られていた。

さらに、二体の赤い三角頭が、さやかを囲んでいた



そして一体の三角頭が、大きな槍で今まさに、さやかを突こうとしている。



杏子「やめろおおお!!」ダッ



杏子は槍をしっかり構えたまま、三角頭に飛び込もうとする。



三角頭2「……」ダッ



杏子「なっ!!?」ドン



もう一体の三角頭が、杏子の前に立ちふさがり、ぶつかる



さやか「イヤアアアアアアア!!!!」



ザシュッ



赤い鮮血が、さやかの腹部から流れ出す。



さやか「……カハァ……」



杏子「さやかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

267 :[saga]:2012/10/20(土) 00:00:17.87 ID:J9mRY5GW0

杏子「そんな……」ガクッ



力なく膝を崩す杏子



杏子「何なんだよ……てめえら」



そして勢い良く二体の怪物を睨みつける



杏子「ぶっ殺してやる!!」ググッ



槍に力を込め、立ち上がろうとする

だが、杏子が立ち上がる事はなかった



「それはきっと出来ないわ、佐倉さん」



杏子「っ!!!?マミ!!いるのか!!?」



「いるじゃない」ググッ



二体目の怪物が、三角兜を脱ぎ、地に落とす



ドォォォォン



杏子「え……」


268 :[saga]:2012/10/20(土) 00:02:12.13 ID:J9mRY5GW0

杏子「そんな……」ガクッ



力なく膝を崩す杏子



杏子「何なんだよ……てめえら」



そして勢い良く二体の怪物を睨みつける



杏子「ぶっ殺してやる!!」ググッ



槍に力を込め、立ち上がろうとする

だが、杏子が立ち上がる事はなかった



「それはきっと出来ないわ、佐倉さん」



杏子「っ!!!?マミ!!いるのか!!?」



「いるじゃない」ググッ



二体目の怪物が、三角兜を脱ぎ、地に落とす



ドォォォォン



杏子「え……」





三角マミ「あなたのすぐ目の前に」



杏子「え え 」



三角マミ「全部あなたが望んだ事よ」



三角マミ「この惨劇すら」



血濡れの衣を着たマミは、マスケット銃を杏子のソウルジェムに向ける



三角マミ「……ソウルジェム、随分濁ってしまってるわね」



杏子「マミ……これは一体どういうつもりだ」ガクガク

269[saga]:2012/10/20(土) 00:02:49.45 ID:J9mRY5GW0

杏子「なんでお前がこんな事……それにあたしはこんなの望んじゃいない」



三角マミ「……あなたはずっと罪悪感でいっぱいだった」



三角マミ「そのあなたが生み出した父親に許しを得てもなお、私の事は忘れられなかった」



三角マミ「……それ以前に、あなたは私に本当に会いたかったのかしら?」



杏子「そ、それは……」



三角マミ「酷い別れ方をしてしまった……」



杏子「っ!!」



三角マミ「そのせいで、後に、巴マミを救う事ができなかった」



三角マミ「いや、死なせてしまった」



杏子「あ……ぁぁぁぁ……」ガタガタ



三角マミ「そして利己的に生きてきてしまった自分が許せない」



三角マミ「そうでしょ?佐倉さん」



杏子「ぁぁ……ぁぁぁ………」ガクガク



三角マミ「だから私があなたのその罪、断罪してあげる」



三角マミ「そして、私とずっと一緒にいましょ?」



ピシシッ



杏子のソウルジェムは既に臨界点に達し、ひび割れが起きている。





杏子「……」



三角マミ「さよなら佐倉さん。そして」













三角マミ「こんにちは」

270 :[saga]:2012/10/20(土) 00:04:39.18 ID:J9mRY5GW0

【ワルプルギス襲来より二年後・美滝原高校】





「起立!礼!」



まどか「……」



「おい鹿目、いつまで外を眺めている」



まどか「あ……すいません」



まどかは高校生になって三ヶ月がたっていた。

QBは相変わらずまどかを追う



2年前、多くの友人を失い、憂鬱な日々が淡々と続いていた。





~~~~





「夏休みに読書感想文を書いてもらう」



「えええええええ~」



「文句を言うな。しっかり書いて来い」





まどか「感想文か……」



まどか(何か本でも読めば……少しは元気になれるかな)





【書店】





まどか「ええと……何がいいかな……」



まどか「ん?これは……」スッ



まどか「著者、ハリーメイソン……サイレントヒル……」



まどか「……確かこれってQBが前に言ってた」



この本との出合いが、まどかをサイレントヒルへ旅立ちを決意させる。



その後、まどかは一年間サイレントヒルを調べつくし、更に旅費稼ぎにアルバイトを始める。

271 :[saga]:2012/10/20(土) 00:05:31.25 ID:J9mRY5GW0

【ワルプルギス襲来より3年後・サイレントヒル・アパート】





マミ「……」



マミはぼんやりと外を眺めていた。

霧に包まれた町をただぼんやりと



マミ「私……生きてる?」



マミ「私はたしかあの魔女に……」



マミ「……鹿目さん、美樹さん」



自分が死んでしまったため、あの二人の安否がどうなったのかわからない。

ただマミの脳裏にあるのは



マミ「わたし……最低だわ。油断してやられて……かっこ悪いうえに、死んじゃって守りきれなかった」





ザザ、ザー…キュィィィイィンン!!





マミ「……」



マミは古ぼけたマスケット銃を握る。

なぜならば、目の前にマネキンのような怪物が現れたからだ。



怪物「……」トトッ



バァァァァン



怪物「コォォォァ!」ドサッ



マミ「……ここはどこなの」



マミ「この期に及んで、私の生きる意味って……」



マミはポケットからソウルジェムを取り出す。

どういうわけか、そのジェムは濁ってる訳でもないが、光もない



マミ「私、もう魔法少女……じゃない?」


272[saga]:2012/10/20(土) 00:06:33.83 ID:J9mRY5GW0

【サイレントヒル図書館・エントランスホール】



マミ「……」



なぜここに来たのか

理由など無い



ただ何かに導かれるようにここにきてしまった



マミ「……っ!?」



少し歩くと、カウンターの椅子のすぐ下に何かを見つける。



マミ「……」



ミイラ化した死体だ。

髪はショートの銀髪で、自分と同じくらいの年齢の少女だ。



手に筆ペンと、魔方陣が描かれた手帳が握られている



マミは黙って、その手帳を読み始める

273 :[saga]:2012/10/20(土) 00:08:15.42 ID:J9mRY5GW0

『魔方陣が描かれた手帳』~前半部~





『○月△日

私がサイレントヒルに来てから、どれ位経つのだろう。



そんな事を考えながら探索していくと、一人の一般人に出会う。

性別は男で、歳は私と同じ世代位か。



どういう訳か既に、魔法少女の存在も知っているらしく、話がしやすかった。



彼の目的は、魔法少女である、死んでしまった彼女を『例の儀式』を使って、蘇生させる事。



私は、単純にオカルト趣味でこの町に訪れたかったという理由、それと魔法少女仲間の『あの子』を蘇生させるためにここに来た



私は、この町の探索を彼と協力して調査する事にした』





『○月△日

物事は非常にあっけない

私の目的が達成されてしまった。



そう……死んだはずの『あの子』に会った。



今日、あの子との再会に涙し、互いに喜びを分かち合う。

がしかし、悲しい事に昨日出合った、一般人の男・○○はいきなり軽蔑し、『キチガイ』と罵って、私の前から消えた。



一体どうしたのだろうか。



気がかりだが、今日はもう遅いから廃墟と化したアパートで寝ることに』





『○月△日

幸福は長く続かない。

彼女は死んだ



――いや、殺されてたと言うべきか。謎の三角頭に



思えば、なぜあの子は変身しなかったのか。

あの子の実力なら簡単に倒せたはずだ』



『○月△日

重要な書籍を見つける。

色々と驚愕すべき事実が載せられていた。



サイレントヒル伝説にまつわる重要な事実が



――妄想が具現化する町



その本には書かれていた。更に



――胸の奥の深層心理が、罪悪感が具現化する……と』

274[saga]:2012/10/20(土) 00:11:28.74 ID:J9mRY5GW0

~手帳後半部~

『○月△日



――結局、あの子は妄想の産物だったんだ。

今ならわかる、なぜあの一般人・○○が私を敬遠し始めたのか。



そうだ、あの人には『あの子』が見えていなかった。



ただでさえ、異常性を極めた町。

私が異常性に感化して、キチガイになったと、錯覚しても無理は無い。



だが既に手遅れかも知れない。私は本当に狂い掛けている。

なぜならばソウルジェムが日に日に濁る速度が早くなるのを感じたからだ』





『○月△日

やっと見つけた。

私が求めていた物、4つのアイテムが



これであの子を『妄想』としてでなく、実体として蘇らせる事が出来る。



だが、もうグリーフシードのあまりがない。

事は急ぎで済ませないと……』





『○月△日



――真実はいつも残酷だ



例の儀式を行なう為に、あの孤島へむかった。あの孤島でやることに意味があるからだ。



先客がいた。

あの一般人・○○だ。



私はボートからこっそりのぞいて、様子を伺う。



すると、眩い光の中から顔が羊の、人型の化け物が出てきたのだ。



だが先客は、化け物を恋人と勘違いし、錯覚しているのだ。

恐らくあの様子だと、甘い誘惑をとも言える、幻覚を見せられているのだろう。



救出に出向かうのも虚しく、丸呑みにされてしまった



その後、翼を生やして私の方に飛んでくるではないか。

あの姿……間違いない、邪神・インキュバスだ。





――インキュバスは噂で聞くほど強くなかった





なぜなら私と戦闘を交えて間も無く、自滅してしまったからだ。



結局、私もあの一般人も何がしたかったのだろう。

根拠もない噂に心奪われ、見事に騙された。



この時、インキュベーターと契約した時の事を思い出した。

私が契約時に願った事、それは





魔女の真実を知りたい





そう、わたしは契約した時既に、魔法少女の結末を全て理解してしまっていた。



もう私のソウルジェムは限界だ。

だが、この事実を皆に伝えたい



蘇生の儀式……あれは本来、教団の邪神降臨の術だったんだ。



そしてうわさが一人歩きする内に、妄想具現化と儀式の話が、いつの間にか合致してしまい、人を蘇生させるなどとありもしないデマが広まってしまった。



これ以上犠牲者を増やすわけには行かない。

せめて、人通りの良い場所にこの手帳をm』










275[saga]:2012/10/20(土) 00:12:08.21 ID:J9mRY5GW0

マミ「……」ガクガク



マミはいつの間にか、両膝を崩して体中を震わしていた。



全てにおいてマミの理解を超える事ばかり述べられていたからだ。



マミ「なに……これ、どういうことなの」



マミ「魔法少女が魔女になるって……」



マミ「それに……死者の蘇生法?儀式?」



マミ「しかもそれらはデマって……」



マミ「……」



マミ「あれ……でも私は生きてる。死んだはずなのに……」



マミはもう一度、手帳を読み返す


276[saga]:2012/10/20(土) 00:13:16.30 ID:J9mRY5GW0

マミ「……はぁ」



ようやく心が落ちついてきたのだろう

ふっと、深い息を吐く



マミ「だいたいの事情は察したわ」



マミ「私はだれかに望んで生まれた存在……」



マミ「だとすると、知り合いがこの近くに……?」





「マミ……さん?」





マミ「え……」



マミが後ろを振り返ると、大粒の涙を流しこちらを見ている少女がいた。

髪が伸びていて、一瞬誰なのかわからなかったが、間違いない



マミ「鹿目……さん?」



ギュゥゥッ





マミがまどかの名前を呼ぶと、まどかは力強く抱きしめてきた。



まどか「マミさん……ぅぅ……会いたかったよ……」



マミ「鹿目さん……やっぱり、あなたなのね」

277[saga]:2012/10/20(土) 00:21:08.38 ID:J9mRY5GW0

再会の喜びを分かち合う二人



その中で、これまで美滝原で何が起きたのか。

なぜここに来たのかを、互いに情報交換を行なう。





マミ「……そう、それじゃあなたは私や亡くなった仲間を蘇生させるためにここまで来たのね」



まどか「……はい」



マミ「それにしても驚いたわ……私がいない間に、そんなに色んな事があったなんて」



マミ「……暁美さんには、悪い事をしてしまったわ」



マミ「無論、鹿目さんや美樹さんにも違う意味で」



まどか「そ、そんな事言わないでください!今でも私はマミさんを尊敬してるんです」



まどか「そ、それなのに……わたしは逃げてばかりで、結局今日まで契約せずに……」



マミ「……そんな事無いわ、暁美さんもそれを望んでたんでしょ?」



まどか「……」



マミ「佐倉さんに置いては、正気に戻って嬉しいわ。それも私達を蘇生させる為に、ここまできてくれてたんでしょ?」



まどか「はい。ただあれからもう3年が経ってます」



マミ「3年……正直、この状況からして」



まどか「……はい。多分、杏子ちゃんはもう……」

278[saga]:2012/10/20(土) 00:22:36.99 ID:J9mRY5GW0

まどか「そういえば、マミさん。その持ってる手帳は……?」



マミ「っ!!?あぁぁ、これね……たいした物じゃないわ」



そういって、マミはポケットに手帳を仕舞いこむ。



マミ「……」



マミ(ここで真実を伝えたら……鹿目さん、どう思うんだろう)



マミ(だれも生き返る事などできない。今いる私ですら、鹿目さんの妄想の産物なのだから)



マミ(他の人には私が見えない。鹿目さんや、幻想で出来た存在にしか……)



マミ(でも……それでも)





マミ「……まあ、わたし生き返ったのは理由がわからないけど、鹿目さんはやることは変わらないでしょ?」



まどか「はい!みんなと会えるまで、この町を出ません」



マミ「それでは、私が鹿目さんをサポートしないとね!」









マミ(妄想上の存在でも良い。もう少しだけ……鹿目さんと、これから再会するであろう仲間達と一緒にいたい)





―――それから数時間後、非常階段にて三角頭と遭遇、巴マミは鹿目まどかを庇い絶命に至る


279 :[saga]:2012/10/20(土) 00:23:31.72 ID:J9mRY5GW0

【???】





マミ「……?」



マミが目を覚ますと、床が金網で出来ていて、血と錆にまみれた、不気味な空間にいた。



そして椅子の上で手足を縛られていた。



マミ「なに……なにこれ……」ガチャガチャ



ドス……ドス……



マミ「!?」



目の前には、先ほどまどかとマミを襲った三角頭がこちらに近づいてきていた。

手には三角兜が握られている。



マミ「ちょっと!!何をする気!?」ガチャガチャ



ドス……ドス……



三角頭「……」グイッ



三角兜を持たれた両手を高々と振り上げ、マミに被せようとする





マミ「……!!!やめて……なんなのあなた……」



―――断罪セヨ



マミ「え」



――ソノ手デ



マミ「ぁ……」





マミの頭部に、三角兜が納まる。

そして、三角頭は何処からとも無く、マスケット銃を取り出し、マミに渡す



三角マミ「……」



それをだまって受けとる



三角マミ「待っててね、もう一度そっちにいくから。鹿目さん」

280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/10/20(土) 00:25:18.10 ID:GIlEDfauo

脳改造されてしまったか

281 :[saga]:2012/10/20(土) 00:26:07.82 ID:J9mRY5GW0

――現在に戻って



【教会・杏子の部屋】



杏子「……」



杏子が目を覚ますと、マミが視界に入る。



今度こそ間違いない、正気に戻ったマミだ



マミ「佐倉さん……ごめんなさい。わたし……」



杏子「……いいよ。あれは、わたしもまどかも望んだことだったんだ」



杏子「無意識にな……」



杏子「最も、まどかは良い子ちゃんだからな。罪でも無いことを、罪だと思っちまう……そのお人好し振りが、結果的に『あのお前』を生んじまったんだがな」



マミ「……」



杏子「私は全部思い出した」



マミ「……いいえ、まだあなたにも話してない事が」



杏子「わかるよ。結局あたしらは、生き返られないんだろ?」



マミ「っ!!どうしてそれを……」



杏子「私は誰の妄想で出来た存在だと思ってる?」



マミ「ぁ……そっか」



杏子「……結局、まどかには全部話したのか?真実を……」



マミ「ええ……」



杏子「……」



マミ「最初は酷く落ち込んでてね、自殺しそうな勢いだったわ」



マミ「今はだいぶ落ち着いたけど」



杏子「……私が寝てる間に、色々手間かけさせたな」



マミ「……大丈夫よ。それより」



杏子「ああ、いま会いに行くよ皆に」

282 :[saga]:2012/10/20(土) 00:27:42.09 ID:J9mRY5GW0

【別の部屋】



まどか「杏子ちゃん!」



杏子「よお、自殺しそうだったって聞いたから心配したぞ」



まどか「うう……」



杏子「……ごめん、私が生きてれば、美滝原に帰ってもお前の側にいてやれたのに」



まどか「……」



杏子「なあ?みんな……」



そういうと杏子は、まどかのすぐ隣にいたさやかと、ほむらを見回す

ほむらは眼鏡をとって、髪を下ろした姿だった。



さやか「なあって……あんたねえ。仮にも私らを助けようとした英雄なんだから、ちょっとは胸を張りなさいよ」



杏子「でも結局……」



ほむら「らしくないわよ杏子。あなたはまどかの事を何度も、守ってくれてたんでしょう?」



杏子「ほむら……あんたにも散々悪態ついてきちまったな」



ほむら「いいわよ。さやかや巴さんよりはマシだったし」



マミ「うっ」グサッ



さやか「言うね転校……じゃなくて、ほむら」グサッ



ほむら「……でも最後の最後に、理解してもらえて嬉しいわ」



さやか「……うん、私も謝ることができてよかった」



マミ「私もよ」



ほむら「巴さんとは仲直りというべきかしら」



マミ「そうね……殆ど記憶にないけど、そういう時間軸もあったって話だしね」



マミ「……ともかく、佐倉さん、鹿目さん……あなた達のおかげで、色々誤解がとけて良かったわ」



まどか「そ、そんな……私達は結局……」



杏子「……もうよそうぜ、まどか」



まどか「杏子ちゃん……」



杏子「それにお前は……これから重要な役目があるだろ?」





杏子はそういって、まどかの手に握られた手帳を見つめる。



まどか「……」



杏子「これから、全ての真実をお前が教えるんだ」



杏子「それで犠牲者を減らす……」



まどか「……」

283[saga]:2012/10/20(土) 00:28:54.14 ID:J9mRY5GW0

マミ「サイレントヒル……この町は魔女結界と同じ、心に闇を抱えた者達が集う場所よ」



マミ「あなたが世にこれを伝える事で、一人でも多くの人が救われるはずよ」



まどか「……」



さやか「ま、結局どんな問題も、最終的には自分が解決するしかないんだよ」



さやか「……私が言えた事じゃないけどさ。心の悩みとかはさ、キュウべえみたいな詐欺師に頼るなって事だよ」



さやか「頼るにしても……信頼できる物じゃないとね」



まどか「信頼……」



ほむら「信頼……ね。思えば私が足りなかった所はそこなのかしら」



ほむら「みんなにわかって貰えなかったからといって……一人で全部抱え込んで、人を煙たがるような態度をとって……」





まどか「そんな!ほむらちゃんはずっと諦めないで闘ってきたんだよ!そんな事言わないで!」



ほむら「あ、ありがとう……まどか」









杏子「……それじゃ、名残り惜しいが、行くか」

284[saga]:2012/10/20(土) 00:30:15.83 ID:J9mRY5GW0

さやか「うん。そうだね」



マミ「ええ」



ほむら「さあ、まどか。行きましょう」



まどか「……いやだ」



ほむら「え……」



杏子「……」



まどかは見かけによらず意外にも頑固な一面がある。

それはわかるが、このような我侭にも近い態度をとるのは珍しい



まどか「わたし……みんなといつまでも一緒にいたい」



さやか「まどか……」



まどか「例えみんなが、妄想上の存在でもかまわない……」



まどか「だから、私と一緒に日本に……美滝原に帰ろう」



まどか「他の人には……見えないかもしれないけど」





ほむら「……」



まどか「私……周りから変な目で見られるかもしれないけど、かまわない」



まどか「みんなといつまでも一緒にいたいよ……」



ほむら「まどか」ギュゥゥ



ほむらはまどかを抱きしめる



ほむら「ありがとう。でも、それはできない」



まどか「どうして?だって一緒にいるだけで……」



ほむら「気持ちは嬉しいわ。それができたらどれだけ幸せか……」



ほむら「でもね……妄想に取り付かれても救いがないのよ」



まどか「え……どういう事なn」



ほむら「それは……ゴホ、ゴホ!!ガハァ!」

285 :[saga]:2012/10/20(土) 00:31:50.44 ID:J9mRY5GW0

まどか「っ!!?」



突然ほむらは、発作をお越し、ひざを崩す。



ほむら「ガハァ!ゴハァ!」



まどか「ほむらちゃん!」



ほむらは激しい咳き込みと同時に口から、吐血を起こす



まどか「……!!!」



ほむら「まどか……あなたの妄想とサイレントヒルの呪いから生まれた私達は、あなたの望みが反映されている」



まどか「え……?」



ほむら「でも同時に、私達は呪いその物でもあるの」



ほむら「あなたを最終的に苦しめてしまう為の」



まどか「ほむらちゃんたちが……私を苦しめる?」



ほむら「直接と言う意味でなく……ゴホ!ガハァ!」



マミ「暁美さん……私が変わりに説明するわ」



マミ「鹿目さん……私が魔法少女になったキッカケ、覚えてるかしら?」



まどか「た、たしか事故で……」



マミ「そう。事故」



まどか「それがいったい……」











まどか「……っ!!」



マミ「気づいたようね」

286 :[saga]:2012/10/20(土) 00:33:27.66 ID:J9mRY5GW0

まどか「そ、そんな……こんな事って……」



マミ「……私は事故にあう運命。いや、早死にする運命を背負っている」



まどか「……」



さやか「マミさんの言うとおりだよ。まどか」



さやか「私や杏子が死ぬ経緯はかなり特殊だってけれど、多分、何らかの歪みと呪いが生じて、私達……」



杏子「ああ、多分死ぬな。近いうちに」



杏子「あたし達の死……それは、まどかや私達を苦しめる為の呪いの一つ……」



まどか「あんまりだよ……こんなの……」



杏子「まどか……」



杏子は両手をまどかの肩に乗せる













杏子「私も辛い……でも。互いに、現実を受け入れような」



まどか「……」



まどかは黙って頷く。

そして、4つのアイテムを暖炉に入れて、ライターに火をつける。



まどか「ねえ、みんな」



全員「?」



まどか「最後にお願いが」

287 :[saga]:2012/10/20(土) 00:35:23.67 ID:J9mRY5GW0

【道路】



杏子「な、なんか照れ臭いなこういうの」



さやか「いいじゃんいいじゃん!……もう最後なんだしさ」



マミ「ええ、そうね。フフフ…」



ほむら「まどかの手……暖かいわ」



まどか「ウェヒヒッ」





みんなで霧の中、人も車も通らない道路を、横に一列で手を繋ぎながら歩いていた





左から順に、さやか、杏子、まどか、ほむら、マミといった順だ。



まどか「ありがとねみんな、ちょっぴり恥ずかしいけど……いいよね?」



さやか「あ~あ!私まどかの手握りたかったな~」



杏子「お前は旅の道中で、散々まどかにセクハラしてただろ」



さやか「あ、そっか。杏子さんこれからあたしの嫁になるから、嫉妬してるんだね?」



杏子「はぁ、お前ってやつは最後の最後まで……。まあいいよ、そういう事で」

288 :[saga]:2012/10/20(土) 00:37:17.82 ID:J9mRY5GW0

マミ「鹿目さん……その、私はもう何も出来ないけど。美滝原に帰っても頑張ってね」



まどか「はい!」



マミ「あなたと最後の最後に、話すことが出来て嬉しかったわ」



まどか「私もです」



ほむら「まどか……ごめんなさい。あなたを一人にしてしまって」



まどか「よしてよほむらちゃん、ほむらちゃんは私の為にずっと頑張ってきてくれた……」



まどか「最高の友達なんだから」



ほむら「……ありがとう」





ほむらの声が、震えてるのが、まどかにもわかる





さやか「むむむ!まどか!私達も最高の友達だよな!」



まどか「ウェヒヒ、勿論だよ!さやかちゃん」



杏子「まどか」



まどか「杏子ちゃん……」





杏子「……上手い事いえないけどさ」



杏子「お前と友達に慣れて良かった」



まどか「うん、私も」



杏子「あと……」

















杏子「お前だけでも……守れて良かった」

289 :[saga]:2012/10/20(土) 00:40:32.86 ID:J9mRY5GW0

コツコツ……



まどか「……」



霧が徐々に晴れて、夕日が少し見えてくる



まどか「……」



同時に、まどかの両手にあった手の温もりと感触が消えていく



まどか「……」



まどかはぴたりとその場で止まる



そして右を向く



まどか「……」



誰もいない



今度は左を向く



まどか「……」





やはり、だれもいない



まどか「ぅぅ……」グスグス



下を向き、瞳からにじみ出る水滴を拭いながら、再び前を歩き始める



まどか「みんな……お願い。見守っててね」





















まどか「私、強く生きるから」



霧END(True End)

ED曲⇒
http://www.youtube.com/watch?v=6qalGezr76o&feature=related












301[saga]:2012/10/20(土) 08:46:21.12 ID:J9mRY5GW0

では、UFO編

>>142辺りからスタート





【病院屋上】





まどか「ねえ、そういえばさ杏子ちゃん」



杏子「ん?」



まどか「ソウルジェムはあるんだよね?でも魔法が使えないって」



杏子「しるか。なんで魔法が使えないかなんて、こっちが聞きたい」スッ



さやか「そういわれてみれば、私もソウルジェムあるんだよね」スッ



ほむら「わ、わたしもです」スッ



パァァァァァッ



杏子「うおお!?なんだいきなり!!光始めたぞ!」



さやか「ね、ねえ、あれ!アレ見てよ!!」



杏子「ん?あれは!」



まどか「UFO!?」

302[saga]:2012/10/20(土) 08:47:37.80 ID:J9mRY5GW0

ぴよぴよぴよぴよぴよ……



ブウゥゥゥゥン!ぷしゅぅぅぅぅ……



杏子「す、すっげえええ!この世に本当にUFOって存在するんだな!!」



ぐいーーーーん



?「やあみんな」



さやか「へ!!?あああ、あんた!!」



ほむら「QB!!?」



まどか「しばらく見ないうちに随分、体系が変わったね」



八頭身QB「うん!!どうだい?僕の魅惑のボディは?」



杏子「キモ過ぎるだろ」



八頭身QB「それじゃ折角だしお友達を紹介するよ!」



杏子「無視された」



宇宙人A「niomjipginpmjpmio;;zoa」



宇宙人B「おrpmspgjmgpsん;のい」



さやか「な、何かいかにもって感じの宇宙人だね……」



まどか「それでQB……一体ここまで何しにきたの?」



八頭身QB「じつはサイレントヒルは危険なんだ!今すぐ浄化しないと君たち大変な事になるよ!」



杏子「もう危険ってことは位、知ってるよ……」



八頭身QB「……という訳で、この町を破壊してくれる人を連れてきたよ」

303[saga]:2012/10/20(土) 08:48:37.83 ID:J9mRY5GW0

まどか「え!?破壊!!!?」



杏子「そりゃ困る!マミがまだ見つかってないんだぜ!」



八頭身QB「大丈夫!マミなら今、飛行船に乗ってるよ!」



杏子「ほ、本当か!!?」



八頭身QB「うん、なんか変なコスプレしてたよ」



さやか「マミさんがコスプレか……見てみたいな~」



八頭身QB「いやいやそれがね、ごつくて、スプラッターな格好してたんだ」



八頭身QB「マミはヤッパリ可愛らしい服装じゃないと!」



八頭身QB「ってなわけで、今はオレンジ色のアイドル風の衣装に無理やり着替えさせたから」



さやか「まじ!!?ちょーみたい!!」



杏子「……。まあ改めて聞くけどさ。そんで、この町を破壊って一体……」



八頭身QB「はいはい、ちょっと待ってて。おーーーーい!!キョーーヤーーーーー」



SDK「呼んだ?」

304[saga]:2012/10/20(土) 08:50:03.37 ID:J9mRY5GW0

八頭身QB「この町壊して」



SDK「いいよ」



杏子「!!?だ、だれだこいつ!!」



まどか「え、行方不明だった須田君!!?」



杏子「知り合いかよ!!!」



SDK「あ、鹿目さんじゃん」



まどか「須田くん何やってるの!?」



SDK「異界潰し」



SDK「それはさておき鹿目さん、脇にいる女の子は知り合い?」



まどか「え、ほむらちゃんは、お友達だけど……」



SDK「ほむらちゃん??……違うね」



ほむら「え」



SDK「ちょっと眼鏡と、リボンを外さしてもらうね」ススッ…パサッ



SDK「わぁぁ!!やっぱり美耶子だ!!」ギュウゥゥ



さやか「」



まどか「」



杏子「」



SDK「美耶子~」ギュゥゥゥ



ほむら「わわわ!?抱きつかないでください!」ジタバタ



SDK「会いたかったよ~」ギュゥゥゥ





ほむら「っていうかあなた違うゲームの人ですよね!?」ジタバタ

305[saga]:2012/10/20(土) 08:51:00.44 ID:J9mRY5GW0

八頭身QB「キョーヤ、そろそろぶっ壊そうよ。USDKも船内で待ちくたびれてる筈だよ」



SDK「ああ、そうだね。ハワードに悪い」パッ



SDK「んじゃ、僕は準備に取り掛かるから、後はお願いね」





八頭身QB「はいはーい」ジャキッ



宇宙人a「ぶおいvgどgn」ジャキッ



宇宙人b「えjせおうぇhにg;ぺ」ジャキッ





まどか「キュウべえ!!?」



さやか「ちょ、おま」



杏子「なんだその銃は!!?」



ほむら「いやあああああ」





びびびびびびびびびびびびびびび





ドサッ



全員「」





八頭身QB「みんなお疲れ」b



宇宙人a「b」



宇宙人b「b」



SDK「b」



USDK「ミンナ、オツカレ~。カイシュウシニキタヨ~」b

306以上、▲がお送りしました[saga]:2012/10/20(土) 08:54:21.90 ID:J9mRY5GW0

SDK「よし!いくぞおおお」



SDK「火を噴け!!宇理炎!!!!」







ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ!!!!





SDK「よし終わったぞ!!」



八頭身QB「よし、それじゃ次の異界に行こうか!」



SDK「それより美耶子とデートしたい」



八頭身QB「ほむらたちは、あと数時間は目を覚まさないよ」



SDK「えええええ。しょうがないな~」



SDK「んじゃ、次の異界にワープしよっか」ピョン



USDK「全員船ニ乗ッタカ~イ?」



宇宙人A「うbをいふぁな」b



宇宙人B「のあl;まp;」b



SDK「おっけーだよ」b



八頭身QB「よし!それじゃ次の異界に」









全員「レッツゴーーー!!!」





終わり















追伸:

本家のUFOエンドよりカオスでごめん

307VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2012/10/20(土) 09:06:36.70 ID:Zuzx8k/Ao








異界ジェノサイダーさん何やってんすかww

308VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/10/20(土) 09:58:18.02 ID:GIlEDfauo



八頭身QBキメェww



果たして宇宙人はグレイ型なのかタコ型なのか乙

関連記事
スポンサーサイト