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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

バージル「この手の痣は・・・・」言峰「それは令呪というものだ」


1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:10:47.14 ID:WcZjyrPd0

バージル「(結局ここにはスパーダの手掛かりはなかったか。しかしこの手の痣は―)」

聖杯戦争が開幕する数日前、バージルは自らが持つ魔刀、閻魔刀の日本刀に酷似した形状から父、スパーダの秘密を探れると考え日本を訪れていた。

しかし日本刀に似た形状というだけで他に何も手掛かりはない。仕方なく地から出る魔力が濃い地域をあたるほかなかった。それが第五次聖杯戦争が開幕される土地冬木だった

異変が起こったのは絡んできた男達を切伏せようとしたときに魔術師を名乗る女に挑まれ、女もろとも始末したときからだ

いつも通りその土地で一番書物が多い図書館へ足を運び書物を読み漁るがスパーダについて記されたモノはない、そしてそれより今気になるもの


???「先ほどから手を気にされているようだが、君がお探しの本はコレではないだろうか?」


2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:15:16.40 ID:WcZjyrPd0

目の前には男が立っていた。自分と比べると幾分小さいが日本人にしては十分な長身だ。神職についていると思われる服装をしているが、服越しからも歴戦の猛者だということが窺える。その男が自分に一冊の本を手渡す。本のタイトルは

バージル「聖杯戦争?」

男は言峰綺礼と名乗り、バージルが読む所を追って聖杯戦争について語り始める
言峰「聖杯戦争―それは七騎の英霊をサーヴァントとして使役し七人のマスターが万能の器、聖杯へと至るための戦争。」

バージル「それが俺とどういう関係が?」

言峰「恐らくだが君の手には令呪というモノが宿っている。聖杯に認められしマスターの証だ。見た所魔術師といった風ではないが、聖杯が認めうるほどの待望が君には宿っているのだろうな」

バージル「確かに心当たりはあるが―貴様が何故その手引きを?」
返答次第では―といった含みを持たせながらバージルが問うと、目の前の神父は歪に釣り上った口角で答える

言峰「何、私は聖杯戦争の監督役を任されている者でね。公平な戦いを行うために知識のない者には施しをせねばなるまい。ただそれだけのことなのだが。」



3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:17:54.15 ID:WcZjyrPd0

この男は信用ならない―その気になれば始末も容易だろう。だが今はその時ではない、異国の地に単身乗り込み、向かってくる敵を切伏せるのはいつものことだが今回の聖杯戦争とやらは少し仕組みを知る必要がありそうだ。

言峰「バージルと言ったかな?魔術の心得は?簡易なものでも構わない」

バージル「錬金術程度なら問題ない」

言峰「それは結構、十分だ。教えるこちら側としては項目が少ないほど楽で助かるのでな。問題がないのであれば早速召喚に取り掛かりたいのだが」

無言で肯定の意を示す、それに伴い神父が歩を進める。図書館を抜け、教会と思わしき建物で薄暗い夕闇の中、英霊を呼ぶための召喚の儀が行われようとしていた

言峰「見返りを求めるという訳ではないが、君の願いを聞いてみたい。それほどの力を持っていながら聖杯に何を望む?」

日本に来て初めて笑みが零れた、いや笑うこと自体かなり久しい。言峰はあまりにも当然の事を聞いてきたのだから
バージル「決まっている」

言峰「その望みとは?」

そう、母が死んだあの日から、弟と生き別れたあの日から今まで抱き続けた変わらない願い

バージル「I need more power・・・・・!!!」



4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:21:30.88 ID:WcZjyrPd0

召喚の儀式は成功した。聖杯の力が働いているとは聞かされていたが恐ろしく簡単なものだった。確かに令呪からサーヴァントとのパスが通っているのを感じることができる。
何の触媒も用いず冬木の地に召喚したそのサーヴァントは、誰かを思い出すような鬱陶しい赤の外套を纏った弓兵だった

アーチャー「サーヴァントアーチャー、召喚に従いここに参上した。君が私のマスターか?」

アーチャー「・・・・ふむ。そちらの殺気を放つ方がマスターで間違いないかな?」

バージル「・・・・構えろ」

アーチャー「敵の気配は感じられないが?」

バージル「三度は言わん。構えろ」

アーチャー「そう言うことなら仕方ない。投影・開始―」

バージル「死ね」



8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:23:55.56 ID:WcZjyrPd0

疾走居合―一度の抜刀で生み出された複数の斬撃が弓兵に襲いかかる

アーチャー「疾い―!!」

バージル「その程度か?」

アーチャー「くっ・・・瞬間移動か?これでは距離すらとれん」
接近戦ではあまりにも向こうに分がある。しかし瞬間移動にも見える高速移動が距離をとることを許さない
バージル「どうした剣が鈍っているが?」

アーチャー「召喚されて早々にマスターと一戦交えるとは思ってもみなかったのでな」

バージル「これで終わりだ」

アーチャーの周りを魔力で編まれた剣が取り囲む

アーチャー「これは・・・・投影魔術?だが!」

上空に跳躍し幻影剣をかわす、投影魔術の対策は当然熟知している。そう自負していたアーチャーだが次の瞬間目の前には青の魔剣士が待ち構えていた




9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:27:19.09 ID:WcZjyrPd0

バージル「言ったはずだ。これで終わりだと」

アーチャー「グっ・・・私の敗北だ。しかし自分のマスターに殺されかけるとは思ってもみなかったぞ」
バージル「英霊相手と言うのも退屈らしいな」

アーチャー「いきなり斬りかかって来ておいてよく言う。戦いとは万全に準備をしたうえで行うものだと私は思うがね」

バージル「いかなる事態にも対応しなければならないのも戦闘だと思うが?」

アーチャー「これは一本取られたな。いや二本目と言ったところか。だがマスターよ、この傷では私はしばらく戦えん、そこは了承しておいてくれ。せいぜい警戒と偵察程度が限度だ」

バージル「・・・・構わん。ところで先ほどの戦い、アレが貴様の全力か?」

アーチャー「ふむ、全力は全力だが出す必要のなかった能力と出せなかった能力がある」

ふらふらする足取りでアーチャーが木に腰をかけ語り出す



11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:31:05.18 ID:WcZjyrPd0

アーチャー「まずはアーチャーの名が示す通り遠隔射撃を行うことができる。敵の居所さえ掴めば一方的に殲滅することも可能だろうよ。尤も先ほどの戦いは近接戦闘なので使う必要がないと判断したが」

バージル「貴様が距離をとれなかっただけだろう?」

アーチャー「―そしてもう一つが私の奥義とでも言うべきモノ。固有結界だ」

バージル「固有結界?」

アーチャー「術者の心象風景を具現化する魔法に近いとされる魔術だな。マスターほどの魔力があればかなりの時間の展開が可能なはずだ」

バージル「では貴様の心象風景とは?」

アーチャー「無限の剣、剣の丘さ。一度見た宝具をこの心象世界にストックしておくことが出来る。私の他の能力はすべてここより漏れ出す産物だ」




13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:34:03.07 ID:WcZjyrPd0

バージル「この閻魔刀も可能と?」

アーチャー「・・・・・不可能ではないが、見た所それは神造兵器に近い造りのようだ。あふれだす力は禍々しいがね、それを投影するとなると多大な魔力を消費する上に幾らかランクが落ちてしまうだろう」

バージル「―ではアミュレットは?」

アーチャー「?また何故アミュレットなど・・・こちらも目視さえすれば不可能ではない。が私の特性上剣以外のモノは精度が落ちる上に消費する魔力も割高だ」

バージル「中途半端な能力だ。―それはそうと言峰、貴様いつまでそこで見物を続けるつもりだ?」

言峰「監督役として召喚を最後まで見届けようとしたら急に戦闘が始まったのでな、勝手に動き回っても邪魔になると思ったのだが。」

バージル「行くぞアーチャー。それと言峰」

言峰「?」

反応する間もなく言峰のとなりにあった大木は二つに斬り裂かれていた

バージル「こうなりたくなければあまり俺の周りをうろつかんことだ」

言峰「承知した。君と私の緊張ある関係を尊重しよう。そしてバージル―君に聖杯の加護があらんことを」



19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:40:00.14 ID:WcZjyrPd0

教会

ギルガメッシュ「どういう風の吹きまわしだ言峰?」

言峰「何を言い出すかと思えば、私は聖杯戦争の監督役として当然の施しをしたまでなのだがな」

ギルガメッシュ「ハ、そのような動機で動く貴様でもなかろうに。白々しい、相変わらず建前だけは一丁前に見繕うか」

言峰「では、ここからは独り言を・・・・この前魔術教会より派遣されし一人の女魔術師が殺害された。マスターの証、令呪が宿った魔術師だ」

わざとらしく英雄王に背を向けあくまで体裁を保ちつつ神父が独白という形の会話を始める

ギルガメッシュ「・・・・・・」

言峰「本来ならそれを手にかけるのは私の筈だったのだが、どうやら別の者に先を越された挙句その者は手に令呪を宿したらしい。私では到底手に負えん相手だと判断したのでな、その大望の行方を導いてみるのもよし。と思っただけの事だ」

ギルガメッシュ「確かにあの男只の雑種とは違うらしい。今回の聖杯戦争は我を興じさせるや否や―楽しみだな」

不敵に微笑み薄暗い部屋を照らす蝋燭を見つめる。その炎の先にあるものを見つめるように―



20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:43:00.44 ID:WcZjyrPd0

ホテル
新都のホテルの一室をバージルは拠点とした。弟と違い無駄な浪費はしない為か向かって来た者の金品と不必要な魔具やオーブの売買で生活は十分に成り立っている

バージル「遅かったな」

アーチャー「マスター、大方のサーヴァントの位置は把握した。まだ出揃っていない組もあるようだが」

バージル「あの神父によればセイバーのクラスが現界していないそうだ」

アーチャー「中立を謳う監督役のすることとは思えんな。奴らしいと言えばそうだが、で報告の方だが・・・・」

バージル「判明している分で構わん。話せ」

アーチャー「では、まずこの地の聖杯戦争に深く関わる御三家。アインツベルン、遠坂、間桐の家はそれぞれの敷地にサーヴァントを構えているだろう。さすがにクラスの特定は出来ていないが」

アーチャー「続いて柳堂寺山門にてサーヴァントを確認した。とても暗殺者とは思えんが自らアサシンと名乗った。奴の話によると柳堂寺にはキャスターが構えているそうだ」

バージル「門番でも任されていると?」

アーチャー「まぁそういうことだろう。何があってそうなったまでは知らんがね」

アーチャー「ここまで話せばわかるだろうが・・・・・」

バージル「御三家とやらはランサー、ライダー、バーサーカーを引いたか」

アーチャー「そういうことになる。私が戦列に加わるにはもう少し時間がかかるがどうする?」

バージル「―まずは御三家とやらに悪魔の力を思い知らせてやろう」



24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:48:01.93 ID:WcZjyrPd0

学校
「おい嬢ちゃんよ」
放課後屋上には二つの影があった。一つは学生の姿、もう一つは声の主。平和な学び舎に似つかわしくない呪いの魔槍を携えた槍兵が

凛「その呼び方はやめなさい、ランサー」

ランサー「あぁそうだったな。はいよ、ところで」

凛「分かってるわ。見られてる・・・・ここまでの殺気を隠す気もないなんてどういう奴なのかしら」

ランサー「バーサーカーじゃねぇのか?どっちにしろ夜になりゃ分かる。覚悟決めときな、マスターさんよ」

遠坂凛は夜を待つ。視線の主が最強の魔剣士とは知らず―聖杯戦争は幕を開ける


気付けば青のコートを纏った剣士は目の前に居た。ランサーの反応が遅かったわけではない、だが気配を感じた次の瞬間。そこにはまるで何時間も待たされたような顔で今にも斬りかからんとする者が現れた

ランサー「ようやくお出ましか、下がってな嬢ちゃん」

凛「分かった。後はお願い」

ランサー「やっと来たか、待ちくたびれたぜ」

こいつは期待を裏切らない。数々の戦いを経験したランサーの勘ははっきりそう告げている。



26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:51:41.06 ID:WcZjyrPd0

バージル「それは済まない。怯えて出てこれないものと思っていた」

ランサー「抜かせ!得物から見るにセイバーだがそのツラと随分あわねぇ得物だな、どこの英霊だ?」

バージル「心外だな、英霊如きと同じ括りにされるとは。敢えて言うなら魔界と言ったところか」

ランサー「訳の分からねぇことを・・・まぁいい、戦えば分かることだぁ!!」

バージル「―屑が!」

ランサー「ちぃっ!!」

魔剣と魔槍がぶつかり合う。速さに関しては自信があったランサーだが完全に上回られている、だがそれ以上にランサーを焦らせるのは剣士が持つただならぬ気配。半神である自分と似ていて、それでいて決して違う何か。

バージル「やる気があるのか・・・・?」

ランサー「やる気も何も・・・・最初からテメェみたいな奴とやりあえるなんざ今回は楽しめそうだってもんだ!」




27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:55:01.51 ID:WcZjyrPd0

衛宮士郎には理解しがたい光景だった。あり得ない速さで人らしきモノが戦っている。人らしきモノと表したのは心のどこかでアレを人と認めなかったのかもしれない

士郎「な・・・何なんだよコレ」

バージル「―招かれざる客が来たか」

凛「そんな・・・・まだ人がいたなんて」

ランサー「待ちやがれ!」

かなりの距離を走った。奴等ほどではないが体力には自信があるここまで逃げれば追ってはこないはずだ。誰もいない廊下に腰をおろし呼吸を整えつつ思考を整理する

士郎「ハァハァ・・・何だったんだアレは」

バージル「ほう、人間にしてはなかなかの身のこなしだ。人間にしては、の話だがな」

思考を整理する間もなく、後悔する間もなく、何にもなれないまま無慈悲に衛宮士郎の胸は貫かれた



28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/29(日) 23:57:49.16 ID:WcZjyrPd0

士郎「―なっ?」

バージル「力なき者は自らの命すら守れない。哀れだな」

士郎「痛―ぁっ」

バージル「次に生を受けた時は力を求めろ、何よりも」

薄れゆく意識の中衛宮士郎の頭は父の言葉ではなく不思議なことに青の剣士の言葉で満たされていた

『力を求めろ』

そのまま衛宮士郎は眠りに落ちた。力が欲しい。そう思いながら



凛「遅かった・・・・」

ランサー「ここまで綺麗な切り口はアイツだろうな」

駆けつけた時には既にその生徒は倒れ制服は血で塗れていた。せめて運ぶくらいはしてあげないと―責任感にも似た感情がこみあげ手を差し伸べる

凛「―!まだ息がある・・・・これなら!」

ランサー「オイオイ、それとっておきじゃなかったのか?誰かがやられるたびに使ってちゃもたねぇぞ?」

凛「いいのよ!ケチケチしないの!もう犠牲者を出さなきゃいいんだから!!」

ランサー「そうかい。んじゃ好きにすると良い」



37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 00:18:29.37 ID:6787ovxI0

呆れた顔のランサーそっちのけでとっておきの一つを手にする。父から貰った貴重な宝石、決して易々と使っていいものではない。それでも使わずにはいられなかった、犠牲者をこんな最初に出してはいけない。何故彼が―そして自分が誇り高き遠坂の魔術師なら尚更のことだった

凛「・・・・・これで大丈夫なはず。切り口が綺麗だから助かったわ」

凛「さ、行きましょランサー。まだやれるでしょ?」

ランサー「たりめェよ。ちょっくら先行って探してくるぜ。何かありゃ令呪で呼びな」

凛「分かった・・・・それにしてもさっきのはどこの英霊かしら・・・・」



目が覚めると廊下に居た。混濁する記憶の中、血でぬれた制服を見て刺された事をようやく思い出す

ここに居ても仕方がない。まさかアイツもあれで死んでないとは思っていないはずだ。
なら家に帰ろう。桜達は大丈夫だろうか。そんなことを思いながら士郎は帰路についた

衛宮邸

士郎「傷が治ってるってことはやっぱり・・・・俺は刺されたんだよな」

電気もつけないまま居間に座り込む。信じたくはないが赤黒く変色した血が刺されたことを雄弁に語っている。
 
バージル「人間にしてはしぶといな。魔術師の類か?」

士郎「―!!何処から・・・くそっ」

一瞬の事だった。目の前に男が現れると同時に警報が鳴り響く。今度はタダではやられない―足元にあった鉄製のポスターに魔力を通し強化する。これならそう簡単にはやられないはず・・・・だった



41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 00:25:48.48 ID:6787ovxI0

バージル「強化の魔術か、筋も悪くないが―それで終わりだ」

何が起こったかも分からないまま、強化したポスターは形を失っていた

士郎「畜生何なんだ・・・・・!こんなところで死ぬわけには・・・・・」

せめて武器を―全力で蔵へ向かう。あそこになら何か切嗣の残したモノがあるはず。
バージル「人間にしては良く走る。便利屋でも営めば稼げただろうな」

全力で走ったのをあざ笑うように男は士郎を追い越す。次の瞬間鞘による一撃が脇腹に叩き込まれ蔵の屋根まで吹き飛ばされる

バージル「力なき自分を呪うといい。力こそ全てを制する」

士郎「くそっ――!俺に力があれば力が・・・・!!!」

もう助からない。自らの無力さを呪った―そう覚悟した時、目を開けると美しくありながら凛とした少女が剣士の一撃を阻んでいた

バージル「―!?貴様もマスターだったとはな小僧」

セイバー「サーヴァントセイバーここに参上した問おう。貴方が私のマスターか?」

士郎「・・・・・・」

言葉が出ない。再び命の危機に瀕しているにも拘らず目に前に少女のあまりの美しさに見とれてしまった



49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 00:31:22.44 ID:6787ovxI0

セイバー「話は後にしましょう。―私の相手はお前だな?」

バージル「俺の相手はどこだ?よもやセイバーのサーヴァントが小娘ということはないだろうな?」

セイバー「ならば敵ですらない小娘に斬り伏せられた無銘の剣士になろうとも異論はないな?」

バージル「ほう、スパーダの血を無銘と?―いいだろう、思い知るがいいスパーダの力をな」

ランサー「こっちだ!もうやりあってるみてぇだぜ!」

凛「何でアイツがまた殺しに行くって分からなかったんだろう私のバカ・・・」

屋敷に入ると小柄な少女が一人と男が一人、両者ともセイバーのクラスにふさわしい圧倒的な身体能力を持っている

ランサー「―セイバーが二人?」

押されているのはセイバーであった。純粋な剣技ではややあちらに分がありマスターからの魔力供給が乏しくこのまま続けてもジリ貧になる。宝具をもってすればこの男でも―しかしこんなところで宝具を使えば周囲に被害が及ぶ―そんなことはできない

セイバー「くっ・・・ここで宝具を開放するわけには・・・」

バージル「どうした?」

ランサー「どうながってやがんだ・・・・」

凛「いいから行って!あの青い方を狙って!」

ランサー「俺含めて全員青じゃねぇか、まぁいいどいつをやるかは分かり切ってるからなぁ!!!」



54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 00:37:45.27 ID:6787ovxI0

バージル「・・・・力なき者は徒党を組むか」

セイバー「貴方はランサーか?何故貴方が?」

ランサー「元々ソイツは俺の獲物でな、まぁ今回そんなこと言ってられる場合でもねぇ。マスターのご所望でもあるんでな、加勢するぜ」

セイバー「了解した。、事情は後で窺おう背中は預けたぞランサー」

ランサー「そういうお嬢さんこそ頼んだぜセイバーさんよ」

バージル「―話は済んだか?」

ランサー「あぁ、これから二人でお前をとっちめようって話だ」

バージル「―来い」

ランサー「はぁぁぁぁ!!」

バージル「調子に乗るな」

ランサー「何っ!?」

ランサーが斬りかかると同時にバージルの周りを幻影剣が主を守るかのように取り囲む。とっさに身を引き回避する。

次に構えたのはバージル、居合の構えと同時に繰り出されたのは次元斬―次元を切り裂く連続斬撃がセイバーとランサーを襲う


61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 00:42:53.09 ID:6787ovxI0

セイバー「投影した剣を周囲に展開・・・・これでは迂闊には近づけない」

ランサー「かと言って中距離じゃ奴に分がある、か」

バージル「貴様等にも奥の手はあるのだろうが―二人がかりでこれとはな」

納刀した次の瞬間には青の魔剣士は屋根の上に月を背負う形で立っていた

セイバー「待ちなさい!逃げるのですか!」

バージル「次会うときは決殺の覚悟を持って来い。その時は我がサーヴァントと共にもてなそう」

凛「ランサー追って!」

ランサー「いくら俺でもありゃ無理だ、速すぎる。追えたとしてもアイツのサーヴァントまで相手するのは危険だ」

セイバー「マスター我らはどう動きますか?マスターが追えというのなら今すぐにでも」

士郎「ちょ、ちょっと待ってくれ。展開が急すぎて混乱してるんだ。もう何が何だか・・・・」



68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 00:48:36.59 ID:6787ovxI0

ランサー「はぁ!?じゃあ坊主、お前何にも分からないでセイバー呼び出したってのか?」

士郎「多分・・・そういうことになる。良く分からないけどアイツも遠坂も俺と同じマスターってのになっちまったのか?」

凛「あいつはともかく、ほとんど素人の衛宮君と一緒にしないでくれる?ほら、説明してあげるから家に入れてくれるかしら」

士郎「それは構わないけど・・・・今は無茶苦茶だぞ?」

凛「呆れた。その程度の修復もできないレベルだなんて・・・・本当に素人なのね」

士郎「だから言ってるじゃないか!本当に何が何だか分からないんだ」

凛「はぁ・・・・いいわよ。そういうことで貴女も異論はないかしら?」

セイバー「えぇ。その方が私としても助かります」

凛「じゃあランサーさっきの奴がサーヴァント連れてくるかもしれないから見張りお願い」

ランサー「はいよ」

凛「じゃあ説明するわね。あまり何度も繰り返したくないから、しっかり聞きなさい。聖杯戦争とは―」
こうして衛宮士郎は聖杯戦争に巻き込まれる―自らの未来を相手に、伝説の英雄の血族を相手に




72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 00:55:52.79 ID:6787ovxI0

ホテル

バージルがホテルへ帰るとアーチャーは備え付けの紅茶セットを少し不満そうに淹れソファーにもたれ掛かっている

アーチャー「今帰ったかマスター。こちらは先に終わったのでな一息入れさせてもらっている」

バージル「そうか」

アーチャー「その様子だと何かいいモノでも見つけたか?」

バージル「退屈しのぎくらいにはなりそうなモノをな」

アーチャー「マスターが直々に動いてくれるのであれば私の負担も少なくて済む。それはそうと何故地獄門などを?」

地獄門―――魔界と人界を繋ぐ門であり、ギルバと名乗っていた過去に幾度か開いたこともある。

もっとも大規模なモノは不可能だったため低級悪魔が行き来でき、周囲を魔界に近い空間に近づける程度のモノだったが、

それでも有用と考えバージルはアーチャーに簡易地獄門を開かせていた



74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 01:02:08.84 ID:6787ovxI0

バージル「こそこそと見物を決め込まれても困るのでな。悪魔を放っておけば嫌でも偵察には出なければならないだろう」

アーチャー「もし疲弊した後に悪魔に襲われ敗北するようなサーヴァントがいたら?楽しみが減るのではないか?」

バージル「その程度のサーヴァントなら俺が相手をする価値もないということだ」

アーチャー「そう来ると思っていたよ。マスターの程の力がなければただの笑いの種にしかならんセリフだな。しかしマスターよ答えたくないなら聞き流してくれてかまわないが、それほどの力を持ちながら聖杯に何を望むというのだ?」

バージル「決まっている。―力だ、力こそ全てを制する。力なくしては何も守れなどしない」

強い意志で言い放ったバージルとは相対的にアーチャーの反応は冷ややかな苦笑いを含むものだった

バージル「何が可笑しい?」

アーチャー「いやあまりにもストレートだったのでな。マスターらしいと言えばそうなのだが、気に障ったのなら謝ろう」



76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 01:08:28.72 ID:6787ovxI0

バージル「ほう、では貴様の望みとは?万能の器に何を望む?」

アーチャー「マスターとは真逆だ。力を放棄したいと言ったところかな」

バージル「どういうことだ?」

アーチャー「マスターは力を得ることが目的だが私は違った。私は身に余る目的の為に力を欲した、私がそう思うこと自体間違いだったのかもしれない」

バージル「・・・・・・」

アーチャー「結果的に私は力を手に入れた、私はその力で剣とった。だが私の力ではどうにもならないことが起こってね、それを叶える代償として私は英霊となった。英霊となってようやく気付いたのだ。私が求めた目的は無意味だったのだと」

バージル「―故に手放すと?」

アーチャー「あぁ、嗤ってくれて構わない。凡庸な身で大望を持った愚かな男の末路だ」

バージル「愚かだなアーチャー、愚かだ。何故さらなる力を求めなかった?」

アーチャー「昔の私がそれを聞けば耳を傾けただろうが―すべては過去だ。今となってはこの忌まわしい連鎖から逃れる方が望ましいな」

バージル「・・・・・・」

アーチャー「そんな顔をするなマスター、こと戦闘においては全力を出すことを誓おう。私もかなえたい望みはあるのでな。さぁマスターも一杯どうだ?」

あらかじめ用意していたティーカップに紅茶を慣れた手つきで淹れ、差し出す


79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 01:15:31.03 ID:6787ovxI0

バージル「フン、悪くはない」

アーチャー「それはどうも。淹れた甲斐があったというものだ」

教会
言峰「青い剣士のマスター?聞き及んでいないがそれがどうしたというのだ」

凛「そう、ならいいんだけど。魔術師って見てくれじゃなかったし教会に顔出してないのも仕方ないか」

言峰「分かっていて私に聞くとはタチが悪いな凛」

凛「それアンタにだけは言われたくないわ。もういいからさっさと詳しい説明してあげて」

言峰「衛宮士郎と言ったかな?では監督役の私から説明しよう―」

言峰「―長くなったが言うべきことは伝えたぞ。喜べ少年君の願いはようやく叶う」

教会を後にし、帰路につく。理屈の上では納得できたが半日もたたないうちにさまざまなことが起こりすぎたためか未だに脳が付いていかない


91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 01:25:44.12 ID:6787ovxI0

士郎「アイツが言いたかったのはどういうことなんだ・・・・・・」

凛「別にアイツの言うことなんか気にしなくていいのよ。昔っからあんな分かりにくい話し方だし」

イリヤ「あら、悪魔がうろつくような物騒な夜に考え事かしら?」

セイバー「マスター下がって。―悪魔とはお前の事ではないのか」

イリヤ「人が親切に教えてあげたのに失礼しちゃうわ。もういい、皆にはここで死んでもらうから。バーサーカー!」

バーサーカー「■■■■■■■―――ッッッ!!」

ランサー「こいつはチトきつそうだな」

セイバー「やぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ランサー「せやぁぁぁぁぁぁ!!」

バーサーカー「■■■■■■■―――ッッッ!!」

セイバー「グッ・・・・」

マスターである士郎からの供給不足が原因で先のバージル戦でのダメージが癒えていない思うように体が動かない




97 母が死ぬまでは多分おしゃべりだったと俺は思うんだ 2012/01/30(月) 01:35:31.87 ID:6787ovxI0

ランサー「何だもうへこたれたのか嬢ちゃんよぉ―チィ!」

セイバー「魔力の供給が万全であればこんなッ・・・・・」

イリヤ「そんな粗末なサーヴァントじゃ私のヘラクレスに勝てるわけないじゃない。骨すら残さないんだから。でも、お兄ちゃんだけなら見逃してあげてもいいかな」

士郎「何言ってるんだ!もうこんなことやめさせろ!!」

イリヤ「貴方に選択肢なんてあるわけないじゃない。弱い士郎は私が守ってあげるんだから」

セイバー「コレは・・・・」

周囲に瘴気が立ち込め、悪魔が姿を現す。砂を媒体にした低級な悪魔だが数で囲まれるとサーヴァントであっても厄介であり、人の身であるマスターはそれ以上に危険である

ランサー「悪魔か!?おいこのくらいなら任せても大丈夫だな!俺はこのままバーサーカーと戦うぜ!」

凛「分かってるわよ!!衛宮君!!私のそばを離れないで!!」

士郎「―俺には力がない・・・・・」

凛「ちょっと!?衛宮君聞こえてる!?」

士郎「あんなに小さな女の子が戦ってるのに俺は何もできない?―ふざけるな!!」


101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 01:41:06.01 ID:6787ovxI0

声が聞こえる。胸を貫かれた時、再び死の間際に立った時あの男は言った

『力を求めろ、何よりもな』『力こそ全てを制する』

士郎「バーサーカーは無理でもあいつらを倒せる武器―剣を!!」

手が焼け切れるほどに熱い、出来ればアイツの剣が欲しかった。だが手には黒と白の対になった双剣が握られていた。

凛「投影・・・・・魔術?」

士郎「はぁ・・・はぁ・・・・これなら行ける!!」

士郎「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

セイバー「士郎・・・・私はいいからせめて自分の身を・・・・逃げて」

士郎「やっぱり女の子が戦うなんておかしいんだよ!大丈夫だ剣がある。セイバーほどじゃないけど俺だって戦える!!」



107 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 01:58:48.02 ID:6787ovxI0

イリヤ「あーあ、みんな弱くてつまんない。邪魔も入っちゃったし、いこっバーサーカー」

ランサー「俺が弱いだと?待ちやがれ!!―チィッ!この悪魔どもはどこから湧いてきやがる!!」

凛「キャスター辺りが妥当かしら?まぁ一番の敵は去ってくれたみたいね。さ、ここからはアンタも悪魔狩りよ、ランサー」

ランサー「そうするしかねェわな。それじゃ行くか!」

溜った鬱憤を晴らすかのように呪いの魔槍を振るうランサーの手により大半の悪魔は瞬く間に消え去り、士郎の健闘もあってか1分足らずでその場の悪魔は完全に駆逐された

ランサー「何とか片付いたな」

凛「ふぅ、結構疲れるのね悪魔狩りって」

士郎「はぁ・・・・はぁ。終わったのか・・・・?」

凛「それじゃここで解散としましょうか。セイバーもその様子だし衛宮君達は帰って休むのが賢明ね」

士郎「そうだな、ありがとう遠坂。色々と助かった」

凛「勘違いしてるようだから言っておくけど悪魔で素人だったあなたに最低限の知識を与えただけ。明日からは勿論敵同士だからそのつもりでいなさい」

士郎「それでもだよ、俺がこうしてマスターでいられるのは事実遠坂のおかげなんだし」

凛「と、とにかく!明日からは敵同士だから!!いい!?」


111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:05:56.64 ID:6787ovxI0

士郎「分かった分かった。じゃあな。立てるか?セイバー」

セイバー「はい・・・・申し訳ありません」

士郎「(あの剣士が言っていた言葉が妙に胸に残ってる・・・・・・・力を求めろ・・・・か)」

ホテル

アーチャー「傷は大方癒えた、今日からは私も戦線復帰だがマスターよどう動く?」

バージル「アサシンとキャスターだ、魔術師風情に見物を決め込まれるのは不愉快でならん。俺がアサシンを」

アーチャー「二人でアサシンを仕留めた後キャスターを叩く方が確実だと思うのだが」

バージル「生憎俺は貴様ほど脆弱ではない。嫌なら俺が一人で出向こう」

アーチャー「やれやれ、ではマスターの方針に従うとしよう。しかし果敢なのもいいがいつかそれでは身を滅ぼすぞ、マスターよ」

バージル「その時はさらなる力を求めるだけの事だ」

アーチャー「行っても聞かん、か。まぁ私は自分の目的を果たすとしよう」

バージル「夜まで待たなければならないとは―随分呑気な戦争だ」


113 書き終わった 遅くてごめんなさい 2012/01/30(月) 02:10:53.44 ID:6787ovxI0

遠坂邸

あまりにも無防備な士郎に腹を立て襲いかかる凛だったが何者かによる襲撃があり一時停戦することとなった

凛「これからは一時休戦にしましょう。学校のマスターの方が厄介だわ」

士郎「あぁ、いきなり学校で撃ってきたときはびっくりしたけどな」

凛「アレは貴方が悪いんでしょ!!サーヴァントもつれてこないなんて馬鹿じゃないの?」

士郎「仕方ないじゃないか。霊体化できないんだしセイバーは傷ついてる」

凛「その優先順位もおかしいのよ・・・・」

どう考えてもおかしい。自らの命あってのサーヴァントなのに、そう思うと口に出さずに
はいられなかった

士郎「とにかく学校のマスターを倒してライダーを止めればいいんだろ?俺は無事だしそれでいいじゃないか?」

凛「もういいわよ!そのかわり同盟結んでる間は勝手に死なないでね。組んだ私の格まで下がるから」



115 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:14:37.38 ID:6787ovxI0

ランサー「言わなくても分かってるよ」

凛「ちゃんと送り届けなさいよ」

ランサー「へいへい」

帰路

士郎「悪いなランサー」

ランサー「マスターのご所望だからな、逆らうと何されるかわかったもんじゃねぇ」

士郎「ハハ、それもそうか。まさか遠坂があんな奴とは思ってもなかったからなぁ」

ランサー「ありゃ大した猫かぶりだわな。ところで坊主、お前魔術はてんで出来ないんじゃなかったか?」

士郎「分からない、でも戦わなきゃならないって思ったら剣を投影出来てた」

今でもあの感触が残ってる。思い返せば剣士に胸を貫かれた時僅かながら双剣のイメージが流れ込んできたのを思い出す

ランサー「案外才能あるのかもな、剣の筋も悪くねェしな。いつでももんでやるぜ」

士郎「それは助かるよ。力は早い内につけておきたい。セイバーを守らないと―」

ランサー「気持ちは分かるがあまり生き急ぐなよ坊主。」

士郎「女の子が戦うなんておかしいんだ―俺だって戦える」

戦うことが出来ればセイバーを守れる―きっと



117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:17:09.48 ID:6787ovxI0

柳堂寺前
アサシン「ほう、今日は随分と変わった客人だ。この前の弓兵も一緒か、さて俺の相手はどちらか」

バージル「――貴様の相手は俺だ」

アサシン「その得物とは似合わん面だが――実力は大丈夫か?」

洋風の端正な顔立ちに青のコート。いずれも繊細な拵えの日本刀を持つ者としてはあまりにも奇異な格好だ

バージル「試してみるといい。――楽しむ前に倒れなければの話だが」

抜刀と同時にすさまじい殺気が周囲を覆う。並大抵のものであれば身動きできなくなる程の殺意は魔剣士の実力を示すに十分なものだった

アサシン「それは結構。俗世に呼び出された甲斐もあったというもの!!」

バージル「――では」

アサシン「いざ尋常に勝負!!」




120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:19:59.43 ID:6787ovxI0

柳堂寺庭内

キャスター「あら、私の門番は何をしていたのかしら?」

アーチャー「あの侍なら私のマスターと交戦中だ。街に悪魔がはびこってる今貴様の魔力招集も遅れているだろうからな。早期に叩かせてもらう」

キャスター「マスターがサーヴァントと?あなたのマスターは死にたいのかしら?」

アーチャー「普通ならな」

寧ろ死ぬのは―と言いかけて口を噤む

キャスター「―?どういう意味かしら」

ただの負け惜しみには見えない。しかしこれ以上聞いたところで割るような男でもなさそうだ

アーチャー「そのままの意味さ。真っ当な魔術師ではないということだが。さて、もういいかな?」

キャスター「見逃して―と言っても無駄そうね?」

言葉とは裏腹にキャスターは結界によりアーチャーの行動が制限されているのを確かに感じていた



121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:22:39.28 ID:6787ovxI0

アーチャー「I am the bone of my sword―」

「我が骨子は捻れ狂う、偽・螺旋剣Ⅱ(カラド・ボルグ)!!」

爆風が吹き荒れ砂埃を巻き起こす―威力が十分ではないとは言え確かに手応えはあった

アーチャー「さすがに魔術師―この程度では倒れてくれんか」

刀と刀が火花を散らしぶつかり合う。常人ではとらえきれない速さで魔剣士と侍は既に打ち合うこと100合以上に達しようとしていた

バージル「ほう、元は人の身でありながら互角に俺と打ち合うとは―」

アサシン「その物言いだとまるで自らが人ならざる者と言ってるように聞こえるが?」

バージル「―だとしたら?」

アサシン「この強さにも納得がいく」

アサシン「(とは言え―力も得物も向こうが上とあっては地の利程度は者の数にはいらんか、あの女狐もそう蓄えはあるまい。弓兵を相手は無理があるか?)」

アサシン「フッ」

バージル「その笑みは諦観か?」

アサシン「いやぁこれほどの剣士と打ち合えるとは夢にも思わなんだ。出来れば刹那でもこの時を楽しみたいのだが――どう転んでも時間は限られているらしい」



124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:26:10.92 ID:6787ovxI0

バージル「こちらは貴様の遊びに付き合ってやるわけにもいかないのでな」

アサシン「哀れみで加減されるよりはよさそうだ」

アサシンが構えるとバージルが大きく跳躍し一直線に魔剣を振り下ろす

バージル「消し飛べ!」

アサシン「グッ・・・・マスターよりこちらが先に参るとは・・・いや残念」

とっさに刀を盾にしたがその全ては受け流しきれず刀を持つ手が震える。そして得物の決定的な違い―刀には所々ヒビが入り震えるのはおそらく次の一度が限度だ

バージル「フン・・・・どうした?」

アサシン「そう言うな・・・・最後に我が秘剣、その目に刻んでいけ」

バージル「少しは楽しめそうだな」

アサシン「ゆくぞ、秘剣―――燕返し!!」

三方向からの同時斬撃―その一撃は確かに魔剣士の脇腹を抉った


128 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:28:46.91 ID:6787ovxI0

バージル「俺と同じ次元に辿り着くか―少し本気を出すとしよう」

アサシン「これで倒れぬか、まるで知っているような動きだったが何故だ?」

バージル「貴様も最後に見るといい―立っていられればだが」

絶刀―――数十の同時斬撃が周囲を切り裂く。木が、草が、空間が全て閻魔刀の前ではいとも簡単に切り裂かれ元の形を失っていく。それがアサシンの目にした最後の光景だった

アサシン「なるほどな・・・・・同じ次元とはよく言う・・・・ここまで先を行かれるとは・・・・剣技にも磨き甲斐がある・・・な・・・・」

バージル「―安らかに眠れ」

独特の納刀と共に振り向くことなく門へと向かう。



130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:31:48.05 ID:6787ovxI0

思いのほかアーチャーは劣勢を強いられていた
美しい邸内には場違いな竜牙兵がアーチャーをとり囲む
一体辺りの戦闘力は恐れるに足らないが結界内で弱体化していること、敵が竜牙兵だけではないことがアーチャーを苦戦させる

アーチャー「ここまで敵が多いと手が回らんな・・・・」

葛木「何処を見ている?」
葛木の拳がアーチャーに襲いかかる
まるでそれが別の生物のように軌道を変える拳撃は心眼を持つアーチャーと言えども対多数の状況では防戦に徹せざるを得なかった

アーチャー「チィッ!お前のマスターも人の事を言えんな」

キャスター「ただ行使されるだけの貴方と同じような立場にしないでほしいわ」

葛木「キャスター、魔力の補充を」

キャスター「はい、ですが総一郎様ご無理はなさらずに」



バージル「―――いつまで遊んでいるつもりだ?アーチャー」



133 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:34:47.30 ID:6787ovxI0

苛立ちを含んだ声と共に庭内を殺気が包み込む
その場にいた者はアサシンを倒した魔剣士を前に身動きできずにいた

アーチャー「遅いぞマスター、これでもざっと100は倒したのだが。それにサーヴァントとマスターも相手となってはな」

周りの者とは対照的に悪態をつくアーチャー
それもそうだ。各個撃破よりも共同戦線の方が良いと提案して案の定苦戦を強いられる羽目になったのだからアーチャーとしては良い気がしない

バージル「固有結界を使え」

気にする様子もなくアーチャーに告げる
サーヴァントの宝具を明かす―――バージルはここで勝負を決めるつもりなのだ

アーチャー「了解したその間は任せたぞ」

「I am the bone of my sword―」

バージル「貴様等の相手は俺がしてやろう」

幻影剣が葛木に襲いかかる。それを手で打ち砕くが既に目の前にはバージルの姿があった


136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:36:57.15 ID:6787ovxI0

バージル「つまらんな」

葛木「―!!」

一閃を拳でガードするが一撃でキャスターから補充された魔力は消し飛び、血が噴き出し骨もいくつか損傷してしまった

バージル「もう手は使い物にならんか?」

キャスター「総一郎様!!」

次の一撃を見舞おうとした時キャスターの魔術により攻撃を阻まれる

葛木「まだ行ける、応急処置で構わん」

バージル「屑共が!!」

バージルの苛立ちは最高潮に達しようとしていた。もとより彼は1対1の純粋な勝負に拘るタイプでありこのような数に任せる戦法は何ら低級悪魔を屠るのと変わりがない。それでいて相手は英霊等と強者のように扱われるのだから

アーチャー「さて、待たせたなマスターよ。」

このままでは暴走しかねない絶妙なタイミングでアーチャーが声をかける

「―So as I play unlimited blade works」


138 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:39:21.25 ID:6787ovxI0

目の前に広がっていたのは無数の剣が広がる広大な丘。無骨でありどこか物哀しげな世界は赤の弓兵の数奇な人生を語っているかのようだった

キャスター「これは・・・・固有結界・・・・?」

アーチャー「御覧の通りこれが私の固有結界、これより貴様らが挑むのは無限の剣だ」

バージル「退屈凌ぎにはなりそうだ」

剣の一振りを手に取り演武を披露する。耐久度使用感共に実物の剣に何ら相違はなく魔具を手にした時と同じ独特の高揚が沸き立つ

アーチャー「それは結構。ここの剣は全て使ってもらって構わない」

バージル「―少しは本気を出すか」

最強の悪魔による蹂躙が始まった。剣は振るわれ、投擲され、破壊され、爆風が吹き荒れる。無数の剣を自在に操り数秒もたたないうちに五十は居たであろう竜牙兵は無残に切り刻まれていた



142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:42:48.88 ID:6787ovxI0

アーチャー「担い手ではないが―いや我流に使いこなしていると言ったところか。結界の持続時間も桁違いだ、良くアレと戦って死なずに済んだな私も」

アーチャー「さて、残ったのはお前達だけだが?」

キャスター「総一郎様!貴方だけでもお逃げに―」

この者には敵わない。ならせめてあの人だけでも―

バージル「―何処へ?」

ここは敵の固有結界内、最初から逃げる場所などどこにもなかったのだ

キャスター「無事ですか?総一郎様・・・・?」

葛木「――あぁ」

キャスター「そう・・・・よかっ・・・た」

最後にあの人を守ることが出来た。キャスターの最後は裏切りの魔女とは思えない程の柔らかな笑顔だった

葛木「―――ぐぅっ」

キャスターが身を呈する前に葛木はバージルの一撃を受けていた。
朽ち果てた自分が何故彼女を心配させまいとしたのか。最後まで分からないまま葛木は息絶えた

バージル「――退屈だな」


144 >>143幻影剣は簡易投影魔術と脳内補完してください 2012/01/30(月) 02:46:36.99 ID:6787ovxI0

垂れ下った髪を乱雑にかき上げる。アサシンに比べればキャスターとの戦いは酷くつまらないとバージルは評する

アーチャー「緒戦はこんなものか、今日は引き上げよう。ここまで派手に暴れたのだ、寄ってこないサーヴァントの方が少ないのではないか」

マスターに撤退を進言する。自分のマスターに限ってやられることはないだろうがどこか彼からは無謀な危うさを感じる。
自らの目的の為にも敗北は許されない。残るサーヴァントが如何に屈強な敵であるかを知る彼だからこそ慎重にならざるを得なかった

ホテル

バージル「何の用だ言峰」

扉を開けると神父姿の男が一人と影に隠れて見えないが華美な甲冑を纏った男が一人

言峰「済まないな。勝手だが上がらせてもらっている」

?「待ち侘びたぞ?王であるこの我を待たせるとは―まぁ良い。まずは座れ、特別に赦す」

魔剣士と英霊を前にして男は平然と高圧的な態度を取った



147 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:49:31.69 ID:6787ovxI0

アーチャー「勝手に入ってきておいて良く言う。」

このままではまずい。マスターが顔をしかめるのを感じ牽制の意味を込めて皮肉を言う

?「貴様になど用はない贋作者。我の興味は貴様のマスターだ」

バージル「誰だ貴様は?」

尚も幅からぬ態度の男にバージルが痺れを切らし、ますます場の空気は凍りついていく

言峰「英雄王ギルガメッシュ―以前の第四次聖杯戦争の勝者であり、聖杯の力によって呪肉し限界し続けているサーヴァントだ」

場の空気を読む者がもう一人。これ以上ほっておくとどうなるか分からない
アーチャーは胸をなでおろした

ギルガメッシュ「ふむ、掃いて捨てるような凡夫ならこの非礼万死に値するが―貴様のその刀、只の刀ではあるまい?それを保有する貴様も、だ。この我が原点どころか枝別れの品すら持ち合わせんとは一体その刀の正体や如何に?」

しかし肝心の英雄王は空気を読まない



151 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:54:49.65 ID:6787ovxI0

バージル「――失せろ」

さっきからこの男の態度は気に入らない。閻魔刀を握る手に自然と力がこもる

ギルガメッシュ「まぁそう言うな。我とて奪いに来たのではない。まずはその魔剣の価値を見極めたくてな。そうだ、特別に酒にも招待してくれよう。」

バージル「三度は言わん。――失せろ」

スパーダの血族である自分を前にこの高圧的な物言い。これで引かねば――

ギルガメッシュ「今の状態で我とやりあえば――立っていられるのはどちらか分からん貴様でもあるまい?」

先に殺意を表したのは英雄王だった。決して広いとは言えないホテルの一室を大量の宝具が埋めつくす
アーチャーは元より、消耗しているとはいえバージルにさえそれは脅威と認めざるを得ないものだった

バージル「――閻魔刀。スパーダが愛用していた剣の一振り」

僅かに出ていた刀身を鞘に戻す。質問には答えるが当然慣れ合うつもりはない


152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 02:57:05.50 ID:6787ovxI0

ギルガメッシュ「スパーダ?」

アーチャー「伝説の英雄―――魔剣士スパーダ。2000年前に悪魔の身でありながら反旗を翻し魔帝を打倒。その後世界各地を放浪、英雄的活動をしスパーダは人間との間に子を生した。魔術師ならだれでも聞くお伽話だな。―だが何故それをマスターが?」

首をかしげる英雄王に対しアーチャーが補足する
今の空気は比較的常識人であるアーチャーと言峰には耐えがたい空気なのだ

バージル「簡単な話だ。俺はスパーダの血族、この刀は父から譲り受けたものだ」

ギルガメッシュ「なるほどな。魔界――門の向こう側の産物とあっては我が知らぬのも納得がいく。益々気に行ったぞ、閻魔刀」

アーチャー「それが本当なら確かに桁外れの魔力に卓越した身体能力も頷けるな」

ギルガメッシュ「言峰、ここまで我を興じさせる物がこの俗世にあるとは思わなかったぞ。その見事な拵え、今宵は目に刻むだけで由としてやろう。さぁお前達王の酒を飲むことを許そう今宵は気分がいい」

パチン、と指を鳴らすと黄金の器や華美な飾りの数々が現れる
1人を除きそれぞれ器を手に取り極上の美酒に手を伸ばす



155 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:01:30.63 ID:6787ovxI0

言峰「ここまでに上機嫌なお前を見るのは果たしていつ以来だったかな?」

アーチャー「では、お言葉に甘えて」

バージル「・・・・・・・・・・・・・」

ギルガメッシュ「どうした?飲まんのか」

バージル「生憎、酒にはいい思い出がないものでな」

ギルバと名乗っていた時代の苦い記憶がよみがえる。勝負を途中で中断させられ人間に良いように飲まされた記憶が。
それ以来どうにも人に勧められる酒に良い気がしない

ギルガメッシュ「つれん奴だ」

アーチャー「そうでもない。ここまで我がマスターの口を開かせたのだ。十分健闘していると思うが、英雄王よ」

言峰「それには同感だな」

ギルガメッシュ「フン―そう言えば貴様が聖杯に託す願いを聞いていなかったな。何もない者に令呪は宿らん貴様は聖杯に何を望む?その力をもってすればおおよその事は叶うだろうに」

バージル「さらなる力だ」

即答する。母を悪魔に殺されたあの日以来この願いに変わりはない


157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:04:39.95 ID:6787ovxI0

ギルガメッシュ「ほう?」

バージル「―力こそ全てを制する。力なくしては何も守れなどしない」

ギルガメッシュ「守るような者が貴様にあるとは我には見えんが?」

バージル「・・・・・・・・」

ギルガメッシュ「では聖杯を手に入れ、力を得た貴様はそこから何を望む?」

言葉が詰まる。それが当然だと思っていたから
何より自分に興味を持つ者などスパーダに恨みを持つ悪魔にしか出会ったことがなかったから

バージル「・・・・・・・・・・・」

ギルガメッシュ「フフ・・・ハハハ!!!ハハハハハハ!!!何も見えておらんのか!愉快だ、実に愉快だぞ!」

バージル「何が可笑しい?」

ギルガメッシュ「圧倒的な力を持ちながらもさらなる力を求めその先が何も見えていない。これ以上に愉快なことはそうないぞ?―だが、それはそれで愛でようがある。閻魔刀見たさに来たがそれ以上に我はそなたを気に入った」

雑種とみなす者なら即座に殺してでも我が手に,と思っていたがそうでもないらしい
英雄王の顔は無邪気な子供のように満ち足りた笑顔だ

ギルガメッシュ「また会おう魔剣士よ。」



158 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:07:41.33 ID:6787ovxI0

教会

言峰「珍しいこともあったものだな。お前が他者を気に入るなどと」

ギルガメッシュ「ふん。魔剣士もだが魔界というものに興味がわいたのでな。あれほどの宝があるなら我が宝物庫に加える価値のある逸品も多そうなものだ」

総ての宝は我の物。納めていないところがあるならば王の中の王である我が治める必要がある

ギルガメッシュ「あの魔剣士は最後まで生き残る――その時この我が再び奴の価値を見極めてやろう」

幸か不幸か彼は最強の魔剣士に、魔剣に興味を持ってしまった



160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:09:42.30 ID:6787ovxI0

衛宮邸
士郎「ったく何処に行ったんだセイバーの奴・・・まさか外に出たんじゃ・・・」

ここを探せば屋敷にはいない。頼むからいてくれよと願いを込めて道場の扉を開ける

セイバー「おはようございます。士郎」

そこに彼女はいた。ホッと胸を撫で下ろす

士郎「セイバー、寝てないとだめじゃないか」

セイバー「大方の傷は癒えました。通常の戦闘なら問題ありません。それに学校にはライダーのサーヴァントが居ます。学校までいかずとも令呪でいつでも呼び出していただけるようにするのは当然かと」

胸が痛む。自分が傷つくのは良い
でも目の前の少女が傷つくのは耐えられない

士郎「それでも・・・・無理はしないでくれ。俺のせいでセイバーに魔力が回ってないことは分かったんだ。だから代わりに極力俺が戦うようにしたい」

セイバー「―言っても聞かないようですね。では構えてください、登校まではまだ時間があります」

士郎「あぁ、みっちり鍛えてくれ」

セイバー「行きます!」



161 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:11:34.17 ID:6787ovxI0

士郎「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

セイバー「(やはりあの時と同じ二刀流―)」

結果は一本も取れずにひたすら打ち込まれるだけだった
改めて前の前の少女がサーヴァントだということを思い知らされる


凛「おはよう衛宮君。勝手に上がらせてもらったけど朝から稽古かしら?」

士郎「遠坂来てたのか。そうだ、いつでも戦えるようにしておかないとな。ライダーの事もあるし」

凛「そのことなんだけれど」

士郎「?」

凛「どうも結界が張られてるみたいなのよ。」

士郎「結界?」

凛「えぇ。今はまだ完成していないけど完成したら大勢の人を巻き込むことになるわ。今ならあまり人もいないだろうし衛宮君にも手伝ってもらおうと思って」

士郎「分かった。俺に出来ることなら何でもする」

凛「それじゃあ行きましょうか」

セイバー「士郎」

士郎「分かってる。何かあればセイバーを呼ぶさ、ランサーだってついてるし心配いらない」


162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:14:16.44 ID:6787ovxI0

セイバー「了解しました、それでは」

士郎「あぁ、行ってくるよ」

再び彼は運命の夜へ飛び込む。そして己の無力を知ることになる

ホテル

アーチャー「目覚めたかマスター。今日は少し遅かったな、朝食は用意しておいたぞ」

目が覚めて真っ先に目にしたのはアーチャーが丁寧にカップを磨いている光景だった

バージル「・・・・貴様は英霊を辞めて執事にでもなりたいのか?」

アーチャー「そうだな、そちらの方が幾分ましだ。」

バージル「・・・・・・・・・・・」

アーチャー「・・・・・冗談だよ。それで今日はどうするつもりだ?」

淹れられた紅茶を手に取り口に運ぶ。絶妙な淹れ加減に目が覚めていく
ひょっとするとアーチャーは本当に執事になった方がいいのかもしれない



163 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:15:17.59 ID:6787ovxI0

バージル「悪魔を狩る」

アーチャー「まさか今になって街の住民が心配か?」

バージル「悪魔の魂―レッドオーブを収集する」

アレさえあれば回復に必要なものを錬成することが出来る。
昨日の様なことはもう二度と起こしてはいけない

アーチャー「そういうことか。まだ奴らが出るには時間だ掛かるだろう、それまでゆっくりと休むといい。目覚めるころには再び食事を用意しておこう」

バージル「フン、やはり執事の方が向いているのかもしれんな」

再び眠りに就く。
そう言えば夢を見た気がする―普段は見ない夢を



165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:16:48.94 ID:6787ovxI0

学校

凛「これでしばらくは結界の完成はないわ。でも意外だった、衛宮君にこんな才能があったなんて」

士郎「多分それ褒めてないぞ、でもよかった。これで学校のみんなが巻き込まれることはないんだな」

凛「そうとも限らないわ。少なくとも近い内に何らかの動きがあるはずよ。マスターは学校にいるんだから気をつけておきなさい」

士郎「そうだな・・・こんなところに結界を張るような奴だ。絶対に止めなきゃいけない」

言葉と同時に吐き気が襲う。空の色は変わり甘ったるい臭いが充満する

士郎「・・・結界か!!」

凛「そうみたいね」

慎二「なんだ、お前らグルだったのか」



166 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:18:08.35 ID:6787ovxI0

士郎「慎二!!この結界はおまえが!」

慎二「だったら何?僕を止めようってわけ?ハッハッハ!!行けよライダーこいつら二人とも殺せっ!」

凛「ランサー!!」

投擲された鎖に繋がれた短剣を間一髪のところでランサーが弾き飛ばす

ランサー「ここは任せて生徒でも運んどけ。またとっておき使いたくなかったらな」

凛「そんな冗談言ってる場合じゃないでしょ!・・・・頼んだわよ」

ランサー「何にも乗ってねぇ騎乗兵に遅れはとらねぇよ」

マスターの安全を確認し再度槍を構える

ライダー「・・・・・!!」

ランサー「さぁ来な!」




168 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:20:44.41 ID:6787ovxI0

教室

士郎「みんなの魔力が失われていく・・・」

凛「ライダーが自分で解くか倒す以外に方法はないでしょうね。」

士郎「結局俺は何もできないのか・・・」

凛「それが普通なのよ、今は私のランサーを信じなさい。あんな奴に負けたりしないから今は衛宮君が出来ることをして」

士郎「あぁ」

廊下

ランサー「こんなものか!?ライダー!!」

勝負はランサーが優位にことを運んでいた。致命傷こそ防いでいるものの三騎士のクラスであるランサー相手に敵の土俵で戦うのはどうにも分が悪いらしい

ライダー「・・・・クッ!」

慎二「お、おいライダー!お前何してるんだよ!?」

ライダー「・・・すみません。どうやら白兵戦では分が悪いようです」

慎二「ふざけるなよオマエ!!何のために結界で魔力蓄えたと思ってるんだ!!この役立たず!!」

このマスターのヒステリックも慣れたものだがまさかここまで酷いものだったとは




169 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/30(月) 03:23:50.21 ID:6787ovxI0

ランサー「自分の無能さ棚に上げてサーヴァントのせいにするとは酷いマスターにひかれたもんだな」

慎二「ひぃっ!」

ライダー「―グッ!!」

それでも、桜に任された以上放っておくわけにもいかない
こんな人物でも彼女の兄なのだから

慎二「た、助かった?」

ライダー「・・・マスター、宝具を使用してもよろしいでしょうか?」

慎二「何でもいいからさっさとそいつを殺せ!!」

ライダー「了解しました」

轟音が鳴り響く

士郎「何だ今の音は!?」

轟音と同時に結界が解ける。どうやらライダー側に何か動きがあったようだ

凛「校庭?」

士郎「ランサー!!」

凛「あれは・・・ペガサス?」

上空には美しい天馬が羽ばたいていた

次作:

バージル「父を超える・・・!」ギルガメッシュ「修羅の道を行くか」


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