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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

セーラ「千里山」竜華「二年生編」

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セーラ「千里山」竜華「一年生編」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:30:38 ID:svLVxKqJ0
もういつのか忘れたけど
セーラ「千里山」竜華「一年生編」の続き

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:31:45 ID:svLVxKqJ0

4月



セーラ「いよいよ今日から二年やで……!」



竜華「えらい嬉しそうやなあ」



セーラ「今日から俺たちは先輩やで!せんぱい!」ウオー!



怜「結局私は進級間に合わなかったみたいや」



竜華「無理して来るよりはちゃんと治したほうがええって」



セーラ「そうそう!」



怜「クラス替えもあるし、その時にちゃんとおれへんかったのは辛いやん?」



竜華「誰かしら麻雀部の子と同じクラスになったし平気平気!」



怜「そう信じたいわ」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:34:21 ID:svLVxKqJ0

セーラ「クラス替えな……さすがに今年は3人同じクラスは無理やったな」



怜「今思えば去年が奇跡やったんやな」



竜華「あのときは嬉しかったなぁ。まあうちと怜は同じクラスだけど」



セーラ「二組と七組って離れすぎやろ……階も違うで!!」



怜「誰かしら麻雀部の子はおるんやろ?」



セーラ「まあな。こういうとき大所帯の部活でよかったと思うわ」



怜「部活といえば今年の新入生に凄い子とかおらんの?特待生とか」



セーラ「あー、おるにはおるけど直に見てないから分からんわ」



竜華「むしろ三箇牧に荒川憩ちゃんが行ってしまったんが痛いなー」



セーラ「なー」



怜「その人そんな凄いん?」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:37:26 ID:svLVxKqJ0

セーラ「そりゃあもう去年のインターミドル大暴れ」



竜華「一昨年はセーラよりも良い成績取ってたしな。監督が絶対取るって意気込んでたけどこんなんでもう大荒れやった」



セーラ「不思議なのは三箇牧がそこまで強豪やないことやけど」



怜「へえ」



竜華「別に弱くはないと思うけど……2,3年に一回は北大阪の決勝戦に出てくるし」



怜「でも千里山をわざわざ蹴っていくって相当三箇牧がええんやな。家が近いとか?」



セーラ「さあなあ。あそこ看護科とかあるくらいやし」



竜華「ま、こんなことは三箇牧と荒川さんしか分からんことやんな。うちらは今年の心配せな」



セーラ「そやな。今年は間違いなく決勝に三箇牧が出てくるやろし」



怜「そうそう負けることは無いと思うで。麻雀は団体戦なんやし」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:40:45 ID:svLVxKqJ0

竜華「それはそうやけど……1人強い子が入って一気に力関係が逆転してる例があるからな」



怜「宮永さん?」



セーラ「夏と秋はやられたけど、今年は絶対勝つ!」



怜「きっと出来るで。2人とも強いんやし」



セーラ「そうそう!しかも今年は俺と宮永が当たるからな!」



竜華「セーラがダメでも後続のうちらが頑張ってフォローするから安心しときいやー」アハハ



セーラ「負け前提で言うなや」ビシッ



セーラ「宮永以外にも俺と同じ学年でエースやってる奴は沢山居る。まずはそいつら全員ぶっ倒したるわ!」



怜「一年生からエースなんて早々居ないと思うけどなぁ」



竜華「強豪校で一年の夏にエースになってる人なら1人知っとるで」



セーラ「九州のなんとかってやつやろ?」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:43:22 ID:svLVxKqJ0

竜華「そうそう。あそこも今年は強くなってるやろなあ」



怜「なんで?凄い子はいったん?」



セーラ「その九州の奴はな、タッグ組んでダブルエースとしてやってたんや」



竜華「一学年下だったから去年は片割れが居なかったけど、今年からは多分そこに入ってきてる」



怜「へえ……じゃあ中学の時も有名だったんか?」



竜華「この子たちは個人戦よりも団体戦かな……佐賀の白水と鶴姫っていって超高火力コンビとして有名やったで」



怜「全国は凄い人が沢山おるんやなぁ」



セーラ「白水は先鋒だし、鶴姫はその後続に必ず居る。つまりもしそこと当たったら俺と竜華はあのコンビと当たるってことやな」



竜華「やな。怖いわあ」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:45:49 ID:svLVxKqJ0

怜「2人ならきっと戦えるで……っと、そろそろ面会終わりやな」



竜華「あ……もうそんな時間か」



セーラ「そんじゃそろそろ行くか」ガタッ



怜「うん、ありがと」



竜華「明日は午前中だけやし、また来るからなー」



セーラ「お大事にな」



怜「うん。また明日な」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:49:03 ID:svLVxKqJ0

*  *





2週間後



竜華「あれ、セーラ何見てんのー?」



セーラ「んー?ああ、昨日のランキング戦のやつ」



竜華「もう出とったんか。うちは……お、やっとレートが2300突破や」



竜華「でも順位は変わらずかー……」ガックリ



セーラ「でも差は縮まってるで?」



竜華「もうちょっと放銃率減らせればなぁ……あ、1軍に1年生発見!」



セーラ「今年は2人おるみたいやで」



竜華「うちこの、船久保さんって子と昨日やったで」



セーラ「おお、どやった?」



竜華「どうもこうも……普通にデジタルな子やなあって」



セーラ「ま、これはおいおい分かってくるやろしな。今は春の大会に備えんと」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:52:08 ID:svLVxKqJ0

*  *



春季大会 会場





洋榎「おう千里山やないか!」



竜華「へ?」



セーラ「あ?」



洋榎「え、なんやその反応?その制服千里山やろ?」



竜華「あ、ああ……ていうかどちら様ですか?」



洋榎「……なんやて!?」



セーラ(うるせえなこいつ)



洋榎「姫松のスーパーエース愛宕洋榎いうたらうちのことやないか!」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:54:48 ID:svLVxKqJ0

竜華「姫松?」



セーラ(姫松の愛宕って確か……)



セーラ「思い出した!監督の娘や!!」



洋榎「なんや、おかんからちゃんと聞いとるやないか」



洋榎「うちの勇姿いろいろ言うとったやろ?」フフン



竜華「赤点ばっか取るチンチクリンやって」



洋榎「ずこー!!」



洋榎「え、なに、あんたらうちの活躍しらんの!?」



竜華「冗談やって」ハハハ



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 20:57:01 ID:svLVxKqJ0

セーラ「姫松の中堅やろ」



竜華「姫松の中堅は代々エースが務めるって事は有名やし、愛宕さんの活躍もちゃんと知っとるよ」



竜華「セーラなんて愛宕さんに会ったことないのに凄いライバル視しとったし」



セーラ「おい竜華!」



洋榎「うちもあんたらの事はよう知っとるで?というか知らんかったら話しかけんわ」



竜華「そういえば何かうちらに用だったん?」



洋榎「千里山にいっちょ挨拶しとこう思ってなー」フッフッフ



セーラ「お前いちいち他の学校に挨拶してまわってんのか」



竜華「愛宕さんって律儀なんやなあ」



洋榎「ちゃうわ!」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:00:46 ID:svLVxKqJ0

洋榎「南大阪の姫松、北大阪の千里山って言われとるからな!ライバルとして挨拶に来たってだけや!」



洋榎「あとはお互い大阪代表として頑張ろうや、っちゅうのを伝えに来たんや」



セーラ「いや挨拶すんなら遅くね?もう準決勝始まるで」



竜華「そういえばしかも姫松は違うブロックやんな」



洋榎「……いや、あんたらが2人だけの時狙って行こう思ってたらずっと3年生と一緒におったから」



洋榎「タイミング逃しただけや」



セーラ「ええやん構わずに来れば」



洋榎「3年生怖いわ!」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:05:33 ID:svLVxKqJ0

竜華「良い人達やで?」



洋榎「そういう問題やなくて……!」





ザワザワザワ ザワザワ



竜華「なんか騒がしくない?」



洋榎「言われてみたらそうやな……まだ試合始まってないはずやけど……」



恭子「やっと見つけた!!どこほっつき歩いとるんですか!」



洋榎「お、恭子やん。こいつも紹介しとくわ」



洋榎「うちと同じ二年の末原恭子や。よろしく頼むで」



セーラ「千里山の江口や。よろしくな」



竜華「同じく千里山の清水谷ですー」



恭子「ああ、よろしく……ってそういう事しとるわけやないんや!」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:09:00 ID:svLVxKqJ0

恭子「すんません、挨拶はまた次の機会に……ほらはよ行きますよ!」グイッ



洋榎「えー!?まだ話おわっとらんでー?」



恭子「いいからはやく!」グイグイッ



洋榎「まだ試合2時間後やん!自由時間やなかったんかー!?」ズルズルズル







セーラ「……」



竜華「……」



セーラ「なんやったんや」



竜華「愛宕さんって面白い人やなあ」



セーラ「いや、そっちやなくてこの騒ぎや」



竜華「うーん。それなら外に救急車見えとるけど」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:12:33 ID:svLVxKqJ0

セーラ「誰か倒れでもしたんか?」



竜華「そうじゃない限り救急車なんて来ないやん……あ、ほら女の人が」



セーラ「あ、ほんまや。……っていうかあの周りにいる生徒の制服愛宕と同じじゃね?」



竜華「姫松の?言われてみればそうやな」





雅枝「お前らこんなところで何しとるんや」



竜華「あ、監督……」



セーラ「いや、救急車来たんでいったい何のかなーって」



雅枝「ああ。あれか」



雅枝「姫松の監督が監督控室で急に倒れてな」



セーラ「やっぱり姫松の人やったんですね」



雅枝「善野監督言うんやけど……元々体が弱い言うてたからそれ絡みやろな」



竜華「体が弱い……」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:18:09 ID:svLVxKqJ0

セーラ「そんなら愛宕のほうも大変なことになっとるな……」



雅枝「愛宕?ああ、洋榎にでも会ったんか?」



セーラ「ええ。挨拶に来たとか言ってましたよ」



雅枝「……ったく、だいぶ前に千里山に宣戦布告するとか息巻いとったけどほんまにするとは」



竜華「宣戦布告っていうよりはエール?みたいな感じでしたよ」



竜華「陽気で面白い子でしたわ」



雅枝「ま、教え子が私の娘に良い印象を持ってもらうにこしたことはないか」



雅枝「そろそろ最終ミーティング始めるからあんた達もそろそろ集合場所に行っとき」



セーラ「はい!」









一年生が部活に慣れ始めた頃に春の大会は行われる。

千里山は破竹の勢いで大会を突破していったが、決勝戦では夏と同様白糸台、他強豪2校に阻まれ思うように成績は出ず。

姫松も突然の監督の離脱による動揺の為か、いつもの力は発揮できず。唯一愛宕洋榎だけはエースの名に恥じず持ち堪えたが、他の選手の失点をカバーしきれずに終わった。

そしてこの大会においても団体戦の優勝チームは西東京代表、白糸台。個人戦の覇者はやはり宮永照だった。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:23:15 ID:svLVxKqJ0

*  *



六月





怜「なあなあ、船久保さんっていつもパソコン見て何しとるん?」



浩子「先輩方や同級生の牌譜を整理したり、プログラムを組んだりしてますね」カタカタ



セーラ「プログラムぅ?」



浩子「誰にでも癖はあったりしますから。そこを見つけて徹底的に対策すれば、格下でも勝てるチャンスはあります」



浩子「逆に言えばその弱点を先に本人で見つけとけば、そこを囮にすることもできますし」



竜華「ピンチがチャンスになるってやつ?」



浩子「ざっくり言えばそんなんですね」



セーラ「へえ。牌譜とかビデオ見るだけじゃあかんのか」



浩子「それでも先輩方は十分なんちゃいます?お二人は理屈よりも実際に打って感じるタイプでしょう」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:26:46 ID:svLVxKqJ0

怜「船久保さんは理屈でやるってことか」



浩子「そうですね……こういったものは単純にうちの趣味ですわ。こうやってデータ分析したりすんの好きなんですよ」



竜華「ねえ、そのデータってうちらのデータもあるん?」



浩子「ありますよ」カタカタ



竜華「え……うわ!こまかっ!?」



セーラ「まだ二か月くらいしか部におらんのに、もうこんなにデータ集めたんか……!」



浩子「清水谷先輩の傾向なんかもピックアップしてありますわ」



怜「おお」



竜華「うそー!?」



セーラ「すげえ……」



浩子「凡人はこうやって実際の卓以外の所でも情報集めて何とか渡り合おうとするんですよ」フフン



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:30:53 ID:svLVxKqJ0

怜「凡人にこんなん出来るわけないやん!うわあ、ほんま凄いなこれ!」カタカタ



浩子「もうちょっとデータ集められればほぼ分析が終わるんでそしたら先輩たちのデータ差し上げますわ」



竜華「え?ええの?」キョトン



浩子「どうして不思議そうなんです?」クイッ



セーラ「だってランキング戦とかに使うんやろ?敵に塩送ってどうすんねん」



浩子「敵って……うちらは同じ部活なんで味方やないですか」



浩子「これで部が更に強くなら喜んで提供しますよ」



竜華「浩子……!」ジーン



セーラ「フナQ……!」ジーン



浩子「……そんな感激するような事でも無いでしょう」アキレ



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:34:37 ID:svLVxKqJ0

竜華「あんたええ子やなぁ……!」



セーラ「俺今までフナQのこと頭堅い人間やと思ってたわ……!」



浩子「そんなこと思ってたんですか……ってフナQって何ですか」



セーラ「サンキューフナキュー!」



浩子「語呂は無駄に良いですね」



竜華「今度フナQにたこ焼きおごったる!」



セーラ「そんなら俺はフナQに焼きそばおごるわ!」



浩子「……フナQって定着させる気なんですか?」



怜「というかもともと定着しとったで」



浩子「……え」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:38:02 ID:svLVxKqJ0

*  *



インターハイ北大阪予選、決勝選当日



雅枝「ここで勝てばまたインターハイの舞台に戻ってこれる」



雅枝「この予選では徹底的に千里山はほかの学校から研究されてきとる。もちろん決勝戦の3校も例外やない」



雅枝「けどそんなの関係あらへん。うちらは北大阪の王者や!」



雅枝「こんなところで苦戦しとるようじゃ全国優勝なんて夢のまた夢。叩き潰してこい!」



「「「「「はい!」」」」」



蔵垣「セーラ、頼んだでー」



セーラ「任せといてください!」



穂積「三箇牧に荒川がおるから結構きつい思うけど……」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:41:44 ID:svLVxKqJ0

紫「この予選も荒川は大活躍やったしな」



蔵垣「裏を返せば荒川さえ凌げば後はどうとでもなる!っちゅーわけや!」



竜華「ファイトやでセーラ!」



蔵垣「ダメやったらインターハイはあんた制服やでー」



セーラ「ぐっ……、ますます負けられなくなったわ!」



セーラ「ほな、行ってきますわ!」





バタンッ



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:45:21 ID:svLVxKqJ0

*  *





憩「ツモ、4000オールです」





「最初の和了りは三箇牧、荒川憩です!」





セーラ(ちっ……やっぱ一筋縄じゃいかんか……)



憩「1本場行きますよーぅ」チャッ カラカラカラ



セーラ(悔しいけど俺より格上なんは認める……でも)



セーラ(連荘なんてそうそうさせるか!)タンッ



セーラ「ツモ!」タンッ!





「やはり動いた千里山!江口選手が荒川選手の連荘を阻止!」





竜華「よし!ええでセーラ!」グッ!



紫「とりあえず1つ和了れたな」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:48:37 ID:svLVxKqJ0

* *



「先鋒戦も大詰め、後半南4局です!相変わらずトップは三箇牧!」

「千里山も追い上げてはいますがジリジリと差は広がっていきましたね」

「王者千里山と三箇牧の点差は24000点!このままバトンを渡せるかー!?」



セーラ(くそっ……やっぱつえーな)タンッ



セーラ(けどこっちがマイナスなわけやない……3位との得点差もあるし……それに相手は強い方が燃えるやろ!)タンッ



セーラ(……デカい手張った!)



憩「……」タンッ



セーラ(少しでも差を縮める!)タンッ



憩「ロン」



セーラ「っ!」



憩「1000です」ニコッ



セーラ「……はい」



セーラ(……くっそ!)



「先鋒戦区間一位は、三箇牧の荒川憩!総合獲得点は36000点と脅威ですね!」

「続いては千里山の江口セーラ。総合獲得点は11000点ですが……荒川選手に稼ぎ負ける形となりましたね」

「終始この二校の叩き合いでした!たいして三位、四位はこの点差からの痛いスタートとなりましたが――」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:51:07 ID:svLVxKqJ0

*  *



竜華「セーラ!」タッタッタッ



セーラ「竜華……わりぃ、稼ぎ負けたわ」



竜華「それでも凄いって!あの荒川さんにここまでやれたんやから!」



竜華「蔵垣部長も合格やって言うてたし!」



セーラ「……ん、まあそれならええけどな。やっぱ荒川つえー」



竜華「次はうちの番やな……。セーラの稼いでくれた分無駄にせんで」



セーラ「なんなら次鋒で逆転したれ」



竜華「それはさすがに無理かも……でもまあ出来るように気張って行くわ」



セーラ「おう」スッ



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 21:55:19 ID:svLVxKqJ0

竜華「?手あげてどうしたん?」



セーラ「タッチやタッチ!バトンタッチや!」



竜華「今までせんかったのに……」



セーラ「ええやろ?」



竜華「ん、まあええけどな」スッ



パチン!



セーラ「後頼んだで」



竜華「……うん!」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:00:26 ID:svLVxKqJ0

*   *







「北大阪の王者が決まったーー!!」

「今年も王者はやはり千里山!34回目、今年で北大阪地区10連覇を決めました!!」

「次鋒からの怒涛の追い上げで三箇牧の荒川選手が作ったリードを見事にひっくり返しましたね――」





セーラ「なんやこれ?昨日の映像やん」



怜「再放送やって。私その時精密検査で見れなかったし」



怜「昨日2人から結果の報告だけ聞いてたけど、やっぱり経過も見たいやろ?」



竜華「うー……まさか怜が再入院とは思わんかった……」



怜「ちょっとぶり返しただけなのに、ほんまお医者さんは大げさやんな」



セーラ「死にかけといて言うセリフやないで」



竜華「そうそう。それにちゃんと完治するんやろ?」



怜「そうは聞いてるけど実際どうなるかは……それよりも2人のインハイ見に行けんのが残念やな」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:04:12 ID:svLVxKqJ0

セーラ「長距離移動やし、外めっちゃ暑いし今のお前が行ったら自殺みたいなもんやで」



竜華「怜の分もちゃんと頑張ってくるからな!」



怜「私の分って……最初から私がおっても大して変わらなくない?」



竜華「何言ってんの。応援してくれるからこそうちらは頑張ろうって思えるんやで?」



怜「そんなもんなのかなぁ」



セーラ「ま、怜は冷房聞いた部屋で俺たちが優勝するところを見ればええねん」



怜「決勝前に敗退とかやめてな?」



竜華「不吉なこと言うのやめてえや」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:10:44 ID:svLVxKqJ0

*  *



インターハイ決勝 先鋒戦



照「ツモ」



「またしても宮永照ーーー!」

「東2局3本場ですね」



セーラ(くっ……去年から分かってたけどほんまにこいつはどうなってるんや!?)



セーラ(まだ東2局なのに……!こんなに和了りが遠いなんて!)



「決勝に上がった学校の先鋒は何れも全国トップクラスのエース!しかしチャンピオンはそれをモノともしません!」

「各校がそれぞれ宮永選手を止めようと動いてはいますが――」



セーラ(何とかこれを止めんと……!)タンッ



小蒔「ロン」



セーラ「!!」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:15:38 ID:svLVxKqJ0

小蒔「……12000」ゴゴゴゴ



セーラ「……、はい」



「永水の神代選手連荘にストップをかけた!そしてそして千里山、大きく振り込んだー!」

「順位は入れ替わって千里山は最下位に転落ですね」



セーラ(……最下位……いやいや!まだ前半の前半や!)



セーラ(こっから何とかして取り返す!まだ勝負は始まったばかりや!)



*  *





雅枝「……」



「圧倒的な点差で白糸台がリード、それを追う永水と臨海!1人落ち込む千里山は挽回ができるかー?!」



竜華「セーラ……」



蔵垣「……」



穂積「宮永照はもう置いといて、永水の子はあれで1年ってのが信じられへんな」



紫「私からしたらその神代も臨海の留学生もセーラもまとめて一蹴する白糸台が信じられへん」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:24:29 ID:svLVxKqJ0

雅枝「あんなとんでもない逸材をどこから見つけてくるんだか不思議で堪らんわ」



竜華(……これが終わったら次はうちの番や)



竜華(セーラの分を取り返すことがうちに出来るやろか?)







病室



怜「……」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:29:32 ID:svLVxKqJ0

*  *



「いよいよ先鋒戦も大詰め、後半南4局です!」





セーラ(……俺全国来てから全然活躍できてへんな)タンッ



セーラ(調子悪いのは俺が全国で怯んでいるからなんか……?)



セーラ(くそっ……実力でこの3人に負けてるってのは……始まる前からわかっとったやろ俺!)



セーラ(心まで負けてどないすんや!)タンッ



セーラ(せめて最後まで戦い抜く!)







照「ツモ」





「先鋒戦終了ーーー!」

「最後の和了りは白糸台宮永照ーーーー!」





セーラ(ああ……)



セーラ(……なんやこの疲労感。ただ空しい……)



セーラ(また、俺何も出来ひんかった)



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:35:02 ID:svLVxKqJ0

*  *





「千里山再び放銃ーーー!」

「これはかなり痛いですね……しかしこれは……清水谷選手らしくないミスといいますか――」



怜「……」



怜(私にとってはもう全くの別世界の2人が、こんなに苦戦するなんて)



怜(竜華なんて麻雀中はポーカーフェイスなのに、今ではここからでも分かるくらいに狼狽しとる)



怜(別世界どころやない……もう別次元や)



怜(……画面越しに見るから余計2人が遠く感じるんかな)







竜華(なんでこんな――!)



竜華(あかん、頭真っ白や……先が全く見えへん……!顔熱い……!)



竜華(全部が危険牌に見えてくる……これ一番あかんパターンやないか!)



竜華(セーラの分うちが取り返さなあかんのに……!更に足引っ張ってどうすんねん!)



竜華(牌を持つ手が震える……)



竜華(落ち着かないと……冷静にならな……)



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:38:43 ID:svLVxKqJ0

「次鋒戦終了ーー!王者白糸台、更にリードを広げました!」

「臨海が3校の中で浮き上がりましたね。千里山はこの状況に非常に痛い失点です」



竜華(……やっと終わった)



竜華(……次鋒戦の記憶、全く残ってへん……)



竜華(先輩達の最後の大会なのに……うちは)





*  *



竜華「ほんまにすいませんでした……!」ポロポロ



蔵垣「ま、2人ともここで転んどいて良かったやん」ポンポン



蔵垣「人間ちゃんと挫折も味わうことが大切やで?」



穂積「今回の失敗、ちゃんと次回に生かせればええねん」



セーラ「……でも、先輩たちの最後の大会なのに俺、」



紫「なーに勝手に負けとか決めつけとんねん!ここから千里山の脅威の追い上げからの大逆転優勝やで」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:43:15 ID:svLVxKqJ0

穂積「そーそー。ちゃんとうちらが追い上げたるから」



雅枝「言葉通り追い上げ頼むで緋菜」



穂積「任せといてください!ほら、あんたたちはソファー座ってお昼ごはん食べとき」



竜華「でもっ」グスッ



蔵垣「でもだっては無し!あんた達はあとは先輩たちの雄姿をちゃんと見とくこと!」



雅枝「そやで竜華。泣いとる暇あるなら今から来年に向けてやる事あるやろ」



竜華「……はいっ」グスッ



セーラ「……」







この大会で引退となる蔵垣ら3人は言葉通りの怒涛の追い上げを図った。

しかし先鋒次鋒での大量失点が後を引き、千里山は4位で夏を終える事となる。

そしてこのインターハイにおいても優勝はやはり白糸台。既に白糸台は不動の王者としてそのポジションを欲しいままにしていた。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:48:02 ID:svLVxKqJ0

*  *



インターハイ

帰りの飛行機





竜華「zzzzz」



セーラ(竜華ぐっすりやな……まあずっと泣いてたし疲れとるか)



セーラ「……」



セーラ「寝れねえ……」



セーラ(結局俺今年は良いところ何も無かったな……)



セーラ(せっかくエース任されたのに何もそれらしいこと出来なかった)



セーラ(……竜華だってそりゃ決勝はダメだったけど、それまではずっと俺の失点をカバーしてた)



セーラ(先輩達だってずっとカバーしてくれた)



セーラ(何やってんや俺……もう先輩たちは居なくなるのに、このままじゃあかんやろ)



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:51:13 ID:svLVxKqJ0

セーラ(今度は俺がカバーする側にならんとあかんのに……)チラッ



セーラ(あ……外の景色、もう山やなくなってる。もうすぐ着くんかな)



セーラ(……)ジーッ



セーラ「うう……」ポロポロ



セーラ(みんな応援してくれたのに……あの街の中に俺たちを応援してくれた人が居たかもしれないのに……)



セーラ「くそっ……」グスッ



セーラ(来年こそは……!!)



竜華(……)





セーラはインターハイの間一度も泣かなかった。

飛行機の中で一人でひっそりと泣くセーラに、かける言葉の見つからない竜華は寝た振りを続けるしかなかった。



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:54:07 ID:svLVxKqJ0

*   *





八月某日

3年生引退日





蔵垣「2年とちょっとの間やったけど楽しかったわ」



蔵垣「次はあんたら二年生が部活を引っ張る番やからな?」



セーラ「はい!」



蔵垣「次の部長は監督と相談したんやけど……竜華。もうあんたには話してあるな」



竜華「はい」



蔵垣「頼むで。エースのセーラを支えてやってな」



蔵垣「セーラも、部長の竜華を上手くサポートしたってな」



竜華「心配せんでも大丈夫ですよ」



セーラ「俺と竜華の2人なら上手く行く自信ありますから!」



蔵垣「ん……そうやな。あんたらは一年の時から名コンビやったからな」



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:56:37 ID:svLVxKqJ0

竜華「……寂しくなるなあ」



セーラ「もう先輩は居ない。先輩が居なくても大丈夫なようにならんと」



セーラ「それに次こそは!次こそは絶対に白糸台に勝つ!」



セーラ「もう俺は絶対に負けへん。誓ってな」



竜華「うん。私ももうインターハイみたいな醜態は曝さない」



セーラ「そうと決まったら早速雀荘にでも行って特訓するか!?」



竜華「あ、今日私はパス」



セーラ「えー……なんでや」



竜華「今日ちょっと怜の所行くから」



セーラ「怜のところに?」



竜華「うん。……それでなセーラ」



セーラ「なんや真剣な顔して」



竜華「セーラに協力して欲しい事があるんや」



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 22:59:51 ID:svLVxKqJ0

コピペミス

>>49の前にこれ



蔵垣「もう明日の部活から私たち3年生は参加しない。秋の大会は私は見に行くけどな?」



蔵垣「秋の大会が踏ん張り所やで。どの学校も3年が引退して新しいチームになる」



蔵垣「ちゃんと食いつくんやで」



セーラ「先輩たちの代よりも良い成績取ってみせますよ!」



蔵垣「期待しとるわ。それじゃ今日をもってうちらは引退や!」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:04:19 ID:svLVxKqJ0

セーラ「言ってみ?」



竜華「怜をレギュラーにする為の特訓に付き合って欲しい」



セーラ「……」



セーラ「怜を特訓?」



竜華「そう」



セーラ「……怜は何て言ってるんや?」



竜華「分からない。今日話して確認……ううん、説得する」



竜華「昨日、怜と公園で話してん。それで私、怜と一緒に全国に行くことに決めた」



セーラ「……本気で言ってるんか?」



竜華「冗談じゃない。大マジや」



竜華「来年のインターハイまでまだ一年ある。間に合わせてみせる」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:08:32 ID:svLVxKqJ0

セーラ「一軍の壁やって厚いんや。もちろんレギュラーはそれ以上に」



セーラ「一軍のみんなはレギュラーになろう思って毎日死にもの狂いで練習してる」



竜華「うん、全部分かってるよ」



竜華「それでも私は怜がレギュラーになれると本気で思ってる。もしかしたらみんなこんな事聞いたら笑うかもしれないだろうけど」



竜華「監督だって馬鹿げてるって一蹴するかもしれない。それでも、私は怜を諦めない」



セーラ(本気なんやな……)



セーラ「それで話は終わりやろ?そんならはよ怜を説得してきいや」



竜華「うん!明日から特訓始めるからなー!」タッタッタ



セーラ「明日って……もう決定事項なんか」ハハハ



セーラ「……」



セーラ「怜と一緒に全国、か……」



セーラ(俺と竜華が試合に出て怜は応援ってのがいつもやった。だからかな)



セーラ(……そんなこと一度も考えたことなかった)



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:13:10 ID:svLVxKqJ0

*  *



翌日





竜華「ちゃーんと連れて来たで!」ドヤッ



怜「あそこまで追い回されたらさすがにな」ハァ…



セーラ「部活始まるまでまだあるし、東風戦くらいは出来るか?」



怜「でも私入院してから牌触ってなかったから、全く勝負にならんと思うけど……」



竜華「やってみなきゃ分からんやん。……もう一人必要やな」



竜華「あ、浩子ー!」



浩子「なんです?」



竜華「面子足りんから浩子入ってー」



浩子「構いませんよ」



セーラ「おーおー豪華な面子やなー」



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:16:48 ID:svLVxKqJ0

浩子「先輩、それを自分で言うんですか」



怜「……フナQもおんの?」



竜華「特訓やしちょっとはスパルタでやったほうがええやろ」



浩子「話は清水谷先輩から聞いとりますよ」



浩子「船久保浩子、微力ながら園城寺先輩の特訓に協力させてもらいます」



怜「私のために3人が付き合ってくれるんは嬉しいけど3人の期待に添えない可能性のほうが高いで?」



竜華「何かをする前に諦めるんは最近の怜の悪いクセやで」



浩子「幼いうちから才能を発揮する選手も居ますが遅咲きの選手も決して少なくはありません」



浩子「プロの中には今まで全く才覚を見せずにいたのに、大学の後半になって突如頭角を現した人もおりますから」



セーラ「そんじゃまずは一発やるか!」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:23:01 ID:svLVxKqJ0

*  *



9月某日



部員A「」タンッ



部員B「」タンッ



部員C「」タンッ



怜「……」タンッ



怜(……今日ちょっと体調悪いんかな……)



怜(視界が霞むわ……)



怜(頭がグルグルする……)



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:26:01 ID:svLVxKqJ0

怜「……」タンッ



怜(っっ!)グラッ ギュイイイン





部員A『』タンッ



部員B『』タンッ



部員C『』タンッ







怜(!?)フラッ



怜(何……今の……?)



部員A「園城寺さん?」



怜「……えっ、あ、何?」



部員B「大丈夫?フラフラしとったけど」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:30:20 ID:svLVxKqJ0

怜「ちょっとボーッとしてただけやから大丈夫。心配せんといて?」



部員C「体調悪くなったすぐ言ってな?」



怜「うん。ありがとう」





部員A「」タンッ



部員B「」タンッ



部員C「」タンッ





怜(これ……さっきみたやつ……)



怜(どういうこと……?)タンッ



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:35:18 ID:svLVxKqJ0

怜(……もう一回出来るんかな)



怜(っ……)ギュイィィーン



怜(……また、見えた)



怜(もし今の光景が次に本当に起こるんなら……ここでリーチをかければ、多分一発)



怜(……)チャッ







セーラ『怜は相変わらず引き弱いなあ』



竜華『ちゃうちゃう、そもそも怜はリーチが甘いんや』







怜「……リーチ」ゴウッ!!



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:38:38 ID:svLVxKqJ0

セーラ「!?」ゾクッ



竜華「!?」ゾクッ



セーラ(何や今の……?)



竜華(まるでインターハイの時のような……)





怜「――ツモ、2000,4000」







部員A「……あー、まくられたー」



部員B「園城寺さん逆転一位かー。でも一発って凄いなー!」



怜「たまたまやってたまたま」アハハハ



怜(……)



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:41:27 ID:svLVxKqJ0

*  *



2週間後



ガチャッ



セーラ「あれ、2人ともまだ残っとったんか」



竜華「あ、セーラ……補習終わったん?」



セーラ「おう。怜は?」



浩子「今日は診察の日だそうです」



セーラ「あー、そやったっけ。それで、2人は何しとんの?」



竜華「ここ2週間の牌譜と成績表を見とってん」



セーラ「来週からレギュラー決めのランキング戦だから?俺のも見せてー」



浩子「勿論それもありますけどね」



竜華「うちらが見とったのは怜の記録や」



セーラ「怜の?」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:44:13 ID:svLVxKqJ0

竜華「なあセーラ。最近の怜の打ち筋どう思う?」



セーラ「どうって……強くなったなとは」



浩子「そうですね」



竜華「他には?」



セーラ「他ぁ?……一発ツモが多かったり、よく分からん鳴きしたり」



竜華「単に勘が冴えてたって訳やなさそうやん?」



浩子「勘が冴えているというよりは……まるでそうなることが分かっていたかのような感じですね」



セーラ「んー、確かに普通はありえんと思うけど」



セーラ「どうであれ結果的に怜は強くなってるんやし俺は良いと思うで」



竜華「まあそうなんやけどな」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:47:26 ID:svLVxKqJ0

*   *



レギュラー発表日





竜華「やばい、緊張してきた」



セーラ「お前が緊張してどないすんねん」



竜華「怜がレギュラーになれるかもしれんし……」



セーラ「ランキング的には絶対入るやろ?もしかしたらエースかも」



竜華「うん。……でもそうなったらセーラはええんか?」



セーラ「何が?」



竜華「エースじゃなくなるやん」



セーラ「そりゃ思うところはあるけど、別にポジションなんかに拘りは持ってないわ」



セーラ「俺一人のプライドなんかよりチームが強くなる方がずっとええやろ」



竜華「そっか……、ってこんな日に怜は診察で遅れるって言うし……」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:51:11 ID:svLVxKqJ0

雅枝「全員ちゃんとおるか?」



竜華「あ、怜は診察で」



雅枝「そか。そんじゃ今日の練習始める前に今回の秋季大会のレギュラーの発表するで」



竜華「……」ドキドキドキドキ



セーラ「……」



雅枝「世代が変わって新しいチームになっての初めての公式試合や」



雅枝「レギュラーに選ばれた子も選ばれなかった子も先輩たちに笑われんようにするんやで」



雅枝「まず先鋒――園城寺」



竜華「!」パアァァァァ



セーラ「!」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/20 23:54:58 ID:svLVxKqJ0

竜華(やった!やったでセーラ!!)



セーラ(くっそー、エース交代かー)



セーラ(でもま、今のあいつやったら別にええかな)





雅枝「――で、大将は清水谷。今回はこれでいく」



雅枝「秋季大会はオーダー変更もできるから、様子見て随時変えていくからな」



「はい!」



雅枝「園城寺はいつ来る言うてた?」



竜華「ちょっとトラブって間に合うか分からんそうです」



雅枝「……まあええか。今回のオーダーのことちゃんとあんたの方から教えとってな」



竜華「はい!」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:02:42 ID:kZluO1rl0

練習終了後





セーラ「怜に報告しにいくんか?」



竜華「うん。メールとかでもええけど、やっぱり直接伝えてあげたいから」



セーラ「そか。んじゃ俺も行くわ」



竜華「2人で行った方がきっと怜も喜ぶで!」



セーラ「怜のやつこれ聞いたら驚くやろなー」



竜華「……なあセーラ、うちな今すっごい幸せや」



セーラ「なんやいきなり」



竜華「中学の時から何となく思ってたんよ。怜も一緒に行けたらなーって」



竜華「三人一緒にチームで試合出て、色々共有できたらええなあって」



竜華「それがこれから実現するんやからな!」



セーラ「おう。そんで今年は絶対雪辱を晴らす!」



セーラ「ま、この決意表明は怜に報告してからやな。はよ怜に報告したろーや!」



竜華「うん!」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:06:52 ID:kZluO1rl0

*   *



秋季大会 抽選会









洋榎「おう千里山!」



竜華「あ、愛宕さん……愛宕さんが姫松の部長なんやね」



洋榎「そや。うちのリーダーシップを見込まれてっちゅうことやな!」



洋榎「ところでなー、千里山のオーダー見たでー?」



竜華「もう発表されたん?」



洋榎「そこに学校のオーダー一覧があるで」アッチ



洋榎「お前んところの先鋒、いつもの奴やなくなっとるやないか」



竜華「うん。先輩たちが抜けてオーダー変更せなあかんから」



洋榎「それは姫松かて同じや。うちが言いたいのは、その代わりに先鋒におる園城寺ってやつ」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:09:57 ID:kZluO1rl0

洋榎「千里山の先鋒は代々エース枠やろ?今回からおかんが方針変えたんか?」



竜華「変わらず千里山の先鋒はエースやで」



洋榎「じゃあこの園城寺が今の千里山のエースっちゅうことか?」



竜華「そうやけど?」



洋榎「……」



洋榎「言ったら悪いかもしれんけどな、うちは園城寺なんて名前聞いた事もあらへんわ」



洋榎「他の学校の奴らもみんな千里山の先鋒の変更にザワついとる」



竜華「そらみんな驚くやろなあ。でもうちらも監督もあの子がエースになるべくしてなったと思ってる」



竜華「今は外野が色々憶測で言ってるみたいやけど、大会が終わった時にはみんな納得してる。何なら賭けてもええよ?」



洋榎「ま、とりあえず千里山が更にパワーアップしたっちゅうのは分かったわ」



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:15:25 ID:kZluO1rl0

洋榎「3年が卒業して腑抜けになってたらどないしよーかと思ってたからな」



竜華「おたくのほうは平気なん?」



洋榎「ふっふっふ」



竜華「なに?」



洋榎「今回の大会からうちの妹が参戦するんや」



竜華「え、愛宕さん妹おったん?」



洋榎「おるでー。お前に負けず劣らずの悩殺ボディや」



竜華「悩殺ボディって……。体は置いておいて、じゃあきっと強いんやろな」



洋榎「まだうちほどでは無いけどな」フフン



洋榎「ああ、絹で思い出した。オーダー見てビビッたんやけどな、そっちの船久保ってやつによろしく言っておいてくれー」



竜華「浩子に?別にええけど……」



洋榎「そんじゃ、うちそろそろくじ引きやから失礼するわー」



竜華(なんで浩子なんやろ?セーラにならまだ分かるけど……)



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:20:57 ID:kZluO1rl0

秋季大会当日





竜華「っていうやり取りがな、抽選会の日にあってん」



浩子「ああ、従妹ですから」サラッ



竜華「へ?」



セーラ「マジ?」



浩子「ええ」



怜「じゃあ、監督とフナQは親戚なん?」



浩子「そうですよ」



セーラ「マジかよ……」



浩子「あまり言わんといて下さいね」



竜華「何で?」



怜「あれやろ、その愛宕さんが千里山に来なかったのと似たような理由やろ?」



セーラ「あー……でもフナQはちゃんとランキングの結果から選ばれとったやん」



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:26:15 ID:kZluO1rl0

竜華「そやで。部員もみんな納得しとるんやし」



怜「まあフナQよりは私のほうが怪しいんとちゃう?」



浩子「先輩たちが色々とフォローしてくれるのは嬉しいんですけど……」



浩子「周りの評価は結局結果でしか覆せないものですから」



竜華「その結果を今から出すんやろ?」



セーラ「フナQが対戦校飛ばしてしまえばええねん。ま、その前に俺が飛ばしてしまうかもやけど」



浩子「その前に園城寺先輩が飛ばすかもしれませんね」



怜「やめてえや。私ちょっと今緊張してるんやから変な事言わんといて」



竜華「ていうかそんならうちに出番まわってこなくなるやんか」



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:31:57 ID:kZluO1rl0

セーラ「ソファ座っとけば勝てるんやからええやろ」



竜華「えー。せっかく早起きしてるんやで?」



竜華「うちが何のために早起きしたか分からなくなるやん」



セーラ「眠いんなら寝とってもええで?竜華が寝てるうちに終わらせたるわ」



浩子「頼もしい限りですね」



怜「ていうかなんでみんなそんなリラックスしてんの?私もう心臓やばいんやけど」



竜華「いつも通り打ってれば大丈夫大丈夫」



怜「そうは言うても私は竜華達みたいに試合慣れしてへんし……」



浩子「対局室に入ってしまえばもう他の人間は居ませんから。そのうち慣れますよ」



竜華「まだ一回戦や。多少調子悪くとも負ける相手やない。自信持って行って来い」



セーラ「万が一失敗しても俺たちがひっくり返したるからな」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:36:26 ID:kZluO1rl0

怜「そやな、後続に皆がおるもんな」



竜華「そうそう!」



ガチャッ



雅枝「ちゃんとそろっとるか―?」



竜華「あ、はいっ」



雅枝「試合開始まであと15分や。すぐ先鋒の呼び出し放送がかかるやろ」



怜「は、はい」



雅枝「肩の力抜いてれば大丈夫や。それに緊張すんのは最初だけやで」



雅枝「そのうちあまりの試合数の多さにうんざりしてくるからな」



セーラ「誰でも通る道ですからね。俺もそやったなー」



「試合開始10分前です。各校の先鋒の方は対局室にお集まりください」



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:46:10 ID:kZluO1rl0

竜華「出番やで、怜」



怜「……うん」



竜華「リラックスリラックス!」



セーラ「会場にいる奴ら全員の度肝を抜いたれ!」



浩子「チョンボでもしない限りは大丈夫ですから」



雅枝「新生千里山のデビュー戦や」



怜「……行ってきます」





関西の名門千里山のエースとして突然現れた謎の無名選手。

そんな怜に向けられた会場の好奇と疑いの目線は1時間後には驚嘆に変わっていた。

怜の驚異的な成績は全国の高校に鮮烈な印象を残すこととなった。

今年の千里山は違う、と。







二年生編 完



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 00:48:23 ID:kZluO1rl0

セーラは千里山のお父さんで竜華は千里山のお母さんだと思う

怜は娘

3年生編はまたいつか



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21 01:20:42 ID:r8SGqKIa0



楽しみにしてる


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