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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

ブースター「ありがとう」

http://blog-imgs-56.fc2.com/s/s/i/ssipaimatome/index.jpg
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:25:07 ID:iTAs+l730

ザー … ザー …

_____一面の大雨…あぁ、またこの夢か

ブースター「姉さん!しっかり!!」

リーフィア「っ………ブースター…」

_____一体何度見たのだろう

ブースター「今………引き上げるから…うわっ!!」ガラガラ

リーフィア「ブースター!!………ごめんね………みんなに怒られちゃうかもね………」

ブースター「何…言って………くっ……!…」ズルズル

_____やめろ

リーフィア「………ブースター………」ググッ

ブースター「えっ………姉さんなにを………やっ、やめろ!!」

_____やめてくれ!!

リーフィア「………大好きだったよ………ばいばい」  バシッ   ガラガラガラ

ブースター「姉さん!!姉さぁぁぁぁぁん!!!」






2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:30:12 ID:iTAs+l730

ブースター「…はっ………はっ……はっ…はっ…」

ブースター「………また……あの夢か………」

姉さんが死んだあの日からもうすぐ5年の月日が流れた、
それでも時間がキズを癒してくれそうには到底思えなかった。

ブースター「………姉さん………もし俺が………」

トントントン

リーフィア「おにいちゃーん!!起きてるー?」

ブースター「………リーフィア…あぁ、起きてるよ…」

ガチャ

リーフィア「えへへ、おはよー!!………あれ?お兄ちゃん泣いてるの?」

ブースター「ん?………あぁ…違うよ、あくびしただけだ…何でもない………」

リーフィア「…そっかー………」


3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:33:11 ID:iTAs+l730

ブースター「何か…用か…?」

リーフィア「うっ、うん!ご飯できたからグレイシアお姉ちゃんが呼んできてって………」

ブースター「そうか………悪いけど今食欲無いんだ、みんなで食べてきな…」

リーフィア「えっ…お兄ちゃん具合悪いの…?」トコトコ

ブースター「いや、そういうわけじゃ___」

ピトッ

リーフィア「んーとねー………熱は無いかな…?」

ブースター「ッ!?………あぁ、大丈夫だから…ほら早く行きな…」

リーフィア「…うん!!わかったぁ!!…ちゃんと後で食べるんだよ!!」トコトコ

バタン

ブースター「………」


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:36:47 ID:iTAs+l730

ブースター「はぁ………」

姉さんはもう死んだ、それは頭でとっくに理解している。でも___

ブースター「俺…最低だな………」

あいつが…リーフィアが姉さんが重なって見えてしまう自分がただただ嫌だった。
それは、どちらに対しても最悪な事だ、だから____距離をとると決めた。

ブースター「俺は…どうすれば良かったんだ?…俺はどうすれば…いいんだ…?」

……………
………


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:41:16 ID:iTAs+l730

………

シャワーズ「あーあ…」

グレイシア「あらおかえり、で?どうだった?」

シャワーズ「んーやっぱり駄目だよ、また一人でうじうじしてる」

サンダース「そうだよな………あの日が近づくと余計ひどくなるんだもんなぁ………」

エーフィ「そんな事言ったって、いつまでもこうしてるわけにはいかないんですよ?」

ブラッキー「しょうがないじゃん、兄貴のダメージは相当なもんだと思うよ?」

グレイシア「そうねぇ………」

リーフィア「なになに?お兄ちゃんの話ししてるの?」トコトコ

サンダース「いっ、いやぁ………なんでもないから部屋戻ってろ!」

グレイシア「待ちなさい………リーフィア、ちょっと来なさい…」

リーフィア「………?」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:45:11 ID:iTAs+l730

グレイシア「リーフィア、あなたも知っておかなきゃならないわ…」

サンダース「おっ、おい!」

シャワーズ「落ち着きなよ兄さん、姉さんの言う通りリーフィアにも知ってもらわなきゃいけなんだからさ」

リーフィア「………お兄ちゃんの事…?…それと、リーフィアお姉ちゃんの事………?」

エーフィ「………やっぱりもう知る時期みたいね…」

グレイシア「………そうね…あんたが小さい時、まだイーブイだったわね………あんまり記憶は無いだろうけど…」

リーフィア「うん、でも少しだけ…リーフィアお姉ちゃんの事大好きだったから…憶えてるよ………」

サンダース「そうだったのか、てっきりお前の感じから憶えてないのかと思ってた…」

ブラッキー「ちょ、兄さん、それはひどいと思うけど………」

リーフィア「えへへ…いいんだよ、私のとりえなんて元気くらいしかないもん!だからみんなの分まで元気でいるんだもん!!」

グレイシア「クスクス………ありがとうね…」ナデナデ


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:51:29 ID:iTAs+l730

グレイシア「じゃあみんな、私が話しておくから外してちょうだい」

サンダース「おう…わかった…」

シャワーズ「うん…まぁまかせたよー」

ブラッキー「………」

エーフィ「リーフィア、少し…ううん、あなたにとっては大分ショックだけど、あなたまで背負い込まないで…」

リーフィア「…うっ、うん………?」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 18:55:12 ID:iTAs+l730

バタン

グレイシア「…さてと、突然だけどリーフィア、あんたブースターの事『好き』よね?」

リーフィア「え!?そっ、そんな!!………あ! うっ、うん!好きだよ!!私はみんな大好きだよ!!」

グレイシア(わかりやすくて助かるわぁ…)

グレイシア「クス…そうじゃなくて………あんたはブースターにだけ特別な感情を抱いてる、そうよね?」

リーフィア「………うっ、うん………私、お兄ちゃんの事………『好き』…かも……うぅ……」カァァ///


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:00:20 ID:iTAs+l730

>>7
長女グレイシア、長男サンダース
次女リーフィア(死去)
三女シャワーズ
四女エーフィ、次男ブースター(←同世代
三男ブラッキー
五女リーフィア

まぁこんな感じだ、伝わらないですよねそうですよね


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:00:36 ID:iTAs+l730

グレイシア「ふふ…まぁそうだと思ってたわ、みんなね…」

リーフィア「えぇ! なんで!? みんなわかってたの!?」

グレイシア「あなたね、ブースターの話しする時だけいつもの5割増しで嬉しそうに話すんだもの、わかるわよ」

リーフィア「うぅー…はずかしぃ………お兄ちゃんも知ってるの…?」ドキドキ

グレイシア「………いいえ、多分気づいてないわ、ブースターは絶対に気づかないわよ………」

リーフィア「…?」

グレイシア「その理由はこれから話すわ、いい?…あなたがこれを聞いても背負い込まないで、あの子みたいに」

リーフィア「………うん…」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:05:19 ID:iTAs+l730

グレイシア「あの子が………五年前に死んだ理由…」

リーフィア「え?事故だったんじゃないの…?崖で崩れがあって…」

グレシイア「えぇそうよ………でもずっとあんたに隠してたの、あの子と一緒にブースターが居たのを…」

リーフィア「えっ………お兄ちゃんが…?」

グレイシア「えぇ、あの日ブースターと二人で出かけていった、その後がけ崩れにあったわ」

リーフィア「…」

グレイシア「そしてブースターだけが帰ってきた………勿論事故だったわ本当に…でもブースターはそう思ってない…」

リーフィア「そんな………でっ、でも! なんで私だけに黙ってたの!?」

グレイシア「それはね、あんただけまだ小さかったから、今まで黙ってたのはもう一つ、大事な理由があるのよ」

リーフィア「大事な理由…?」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:11:23 ID:iTAs+l730

グレイシア「ブースターはあの子………リーフィアの事が『好き』だったのよ…」

リーフィア「…え…?」

グレイシア「勿論あんたの感情と同じ『好き』よ…そして多分、あの子もブースターが好きだった」

リーフィア「そんな………あっ!」

……………
イーブイ「お姉ちゃん! どうしたの?…えへへ、なんだか嬉しそう!!」

リーフィア「ふふ…そうかな?………イーブイ、実はね…私ブースターに告白されたの…『好き』だって…」

イーブイ「お兄ちゃんが…?でも私もお姉ちゃんの事大好きだよ!!」

リーフィア「ふふふ…まだ早かったわね…ごめんね変な事言って………ありがとね…」ナデナデ

イーブイ「わっ………えへへー…」
………………


23: よしちょっと書き溜めしてきた 2011/08/18 19:32:41 ID:iTAs+l730

グレイシア「どうかした…?」

リーフィア「…ううん、ちょっと思い出しただけ………お姉ちゃん告白されて嬉しそうだった…」

グレイシア「そう………」

リーフィア「じゃあお兄ちゃん…リーフィアお姉ちゃんが死んだのは自分のせいだって…?」

グレイシア「そうね、あの日からあの子は変わったわ………本人はバレないようにしてるみたいだけど…」

リーフィア「………そんな…」

グレイシア「それにあなたに対する態度もね………」

リーフィア「私…?」

グレイシア「ブースターはあの子が『好き』だったのよ」

リーフィア「…あっ………もしかして私がお姉ちゃんと…?」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:34:42 ID:iTAs+l730

リーフィア「でっ、でもでも!!私お姉ちゃんと似てるかもしれないけど!お姉ちゃんとは大違いだよ!!」

グレイシア「…いいえ、あんたはあの子に似てるわ………」

リーフィア「えっ………?」

グレイシア「あの子も…常に誰かのためを思って動いてた………自分は二の次…今のあんたみたいに…」

リーフィア「………そんな、それじゃもしかしてお兄ちゃん…」

グレイシア「えぇ、あんたの事避けてるわね………ふふ、やつぱりあなたは気づいてかったみたいね?」

リーフィア「うっ、うん………」

グレイシア「全く、あんたがそんな顔する必要ないのよ…? 元気だけが取り柄なんじゃないの?」

リーフィア「でっ、でも…そんなの悲しすぎだよ………」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:36:49 ID:iTAs+l730

グレイシア「なら、あなたが今まで通りじゃないとね」

リーフィア「今まで…通り…?」

グレイシア「ブースターはあれから周りとの関係を持つのに臆病になってるわ、でもあなたは違う」

リーフィア「私は…違う…」

グレイシア「あの子に似た………ううん、あなただからこそブースターと接する事ができる」

リーフィア「私だからこそ…」

グレイシア「勿論ブースターは避けようとするわ、それでも、あなたならきっと大丈夫よ」

リーフィア「…」

グレイシア「ごめんね…本当は姉である私の役目なのに…あの子のキズはとても深いわ、私達でも近づけない程に」

リーフィア「………うん!!わかったよ!!」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:40:05 ID:iTAs+l730

リーフィア「私がお兄ちゃんを…元気にする!!………自身ないけど…」

グレイシア「…ありがとう………でも無理だけはしないでね…あんたはすぐに無茶するから………」

リーフィア「平気だよ!! 私にまかせて!!」

グレイシア「はりきりすぎよ…今まで通りブースターに接してあげて?…そうすればきっと…」

リーフィア「うん!えへへー、やっぱりショックだったけど、お兄ちゃんはもっと辛いもんね! 私が頑張らなきゃ!」

グレイシア「………」

リーフィア「じゃあ私行くね!!」トテテテ

グレイシア「待ちなさい………これを………」

リーフィア「…? これ…? 髪飾り?」

グレイシア「…それはあの子の付けてたものよ………あなたに渡しておくわ………」

リーフィア「…リーフィアお姉ちゃんの………うん! ありがと! じゃあね!!」

トテテテ  バタン

グレイシア「………本当に似てきたわね………そうは思わない?………リーフィア………」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:43:32 ID:iTAs+l730

トコトコ

リーフィア「どうしよう………私にできる事なんてあるのかなぁ…」

リーフィア「お兄ちゃんとリーフィアお姉ちゃんが………えへへ…勝ち目ないよねぇ………」

トコトコ

リーフィア「…ううん! そんなの関係ないよ! 私が頑張らなきゃいけないんだから!! 」

トコトコ

リーフィア「うぅー…でもやっぱり変に意識しちゃうな………何かきっかけがあれば……あっ! そうだ!!」

トテテテ


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:46:18 ID:iTAs+l730

ブースター「……リーフィア…」

いつの頃からか、あいつの仕草一つ一つが気になるようになっていた。
理由はわからない…でも、あいつが笑うと、いつも姉さんの事が頭にちらついてしまう。

ブースター「はぁ…やっぱり最低だな…」

どれだけ俺が避けていようと、あいつは変わらず俺に懐いている。
いっそ本当に突き放してしまえば………。

ブースター「それもできないんだよなぁ………」

あの笑顔が二度と見れなくなる、そう考えるだけで胸にぽっかり穴が空く気がした。
それが、姉さんの面影に対してなのか、あいつ自身を失う喪失感なのかはわからない…。

トントントン
リーフィア「おにぃちゃーん? 入るよー?」

ブースター「……あぁ、いいよ」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:52:20 ID:iTAs+l730

ガチャ

リーフィア「えへへー、お兄ちゃんお腹空いてるでしょー」

ブースター「ん…? あぁ、そうかも、朝飯食べてないしな…」

リーフィア「でしょー! それでねー………じゃーん!!」

ブースター「それは………なんだ…?」

リーフィア「うぅーひどいよ!! 確かに見た目は悪いかもしれないけど………」

ブースター「あぁ…よくグレイシア姉さんが作ってくれるパイか…?」

リーフィア「そう!! そうだよ!! ちょっと失敗しちゃったけど…味は大丈夫だから!………多分」

ブースター「そっか………ありがとな…」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 19:56:00 ID:iTAs+l730

リーフィア「えへへー…じゃあ食べてみて! はやくはやく!!」

ブースター「わかったわかった………シャク…モグモグ………」

リーフィア「…どっ、どうかな…?…まっ、まずかったら残していいから!」

ブースター「…いや、美味いよ………」

リーフィア「え! ほんと!? 」

ブースター「少しグレイシア姉さんのより甘いけど………お前らしいよ…ありがとな」ナデナデ

リーフィア「わっ……う、うん…えへへ、嬉しい………」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:01:02 ID:iTAs+l730

ブースター「ふぅ………ごちそうさま」

リーフィア「全部食べてくれた! えへへ、ありがとー!!」

ブースター「あはは、なんかお前がありがとうっておかしいな…」

リーフィア「そっ、そうかな…? でも嬉しいからいいんだもん!!………あれ?」ジーッ

ブースター「ん? どっ、どうした?」

リーフィア「ほっぺたにちょっとついてるよ?」

ブースター「えっ…あっ、あぁごめん…」ゴシゴシ

リーフィア「あっ、そこじゃなくてここ………あーもう!えい!!」ペロッ

ブースター「~ッ!!」ガタッ

リーフィア「わっ!…あぅ、ごっ、ごめんね……つい……」

ブースター「いっ、いや別に……その………」


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:05:22 ID:iTAs+l730

ブースター「………」

リーフィア「………」(うぅ……間がもたないよぉ………)

リーフィア「あっ! そうだ! ちょっと待っててねお兄ちゃん!!」

ブースター「あっ、あぁ………」

バタン

ブースター「………あー………何考えてるんだろ俺………」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:14:10 ID:iTAs+l730

ガチャ

リーフィア「ほら! 見て見て! 私くさぶえ吹けるようになったんだよ!!」

ブースター「くさぶえ………?」

リーフィア「うん! リーフィアお姉ちゃんみたいに上手くできないかもしれないけど聴いて!」

ブースター「あぁ…姉さんもそういえば………」

リーフィア「えへへ………いくよ…?」

~♪~♪

ブースター「………」(姉さんと…同じ音色………)


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:20:17 ID:iTAs+l730

~♪~♪

リーフィア「……ふぅ…どっ、どうかな…?」

ブースター「………」

リーフィア「いっ、いやぁ!下手だったら下手って言っても別に………あれ…?」

ブースター「…スー……スー…」

リーフィア「えっ……寝てる……」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:24:16 ID:iTAs+l730

ユサユサ

リーフィア「ぉ…おにぃちゃーん?………本当に寝ちゃったのー?」

ブースター「…ん……スー…」

リーフィア「………」キョロキョロ

リーフィア「…ちょっとだけ………」

ゴソゴソ

リーフィア「ぷはぁ!…えへへ、お兄ちゃんやっぱりあったかい…」スリスリ


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:31:03 ID:iTAs+l730

リーフィア「……お兄ちゃん………」ドキドキ

ソォー

ガチャ!

リーフィア「ッ!!??」

ブラッキー「兄貴ーリーフィアどこに………あれ…?」

リーフィア「…スー…むにゃ……」(お願い! バレませんように…!!)

ブラッキー「…二人とも寝てるのか………めずらしいな…」

リーフィア「…スー……チラッ…」ドキドキ

ブラッキー「まぁいいや…」  バタン

リーフィア「………あっ、あぶなかったぁ……はぁ……」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:35:36 ID:iTAs+l730

ブースター「…スー…んっ……姉さん…スー…」

リーフィア「…お兄ちゃん………ごめんねリーフィアお姉ちゃん………今は…このままで…」

ギュ

リーフィア「お兄ちゃん…大好きだよ………」

リーフィア「ごめんね………スー…スー…」



………
……………


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:41:11 ID:iTAs+l730

ザー…ザー…

_____一面の大雨、またか…

ブースター「リーフィア!絶対…絶対助けるから…!」

リーフィア「お兄ちゃん! 」

_____え…?

ブースター「くそ…!…もう二度と……絶対に…」ズルズル

リーフィア「だめ! お兄ちゃんも落ちちゃうよ!!」

_____リーフィアが…なんで…

ブースター「うわっ……くそ…手が…!」ガララッ

リーフィア「………お兄ちゃん………ごめん……」

ブースター「…え…?リーフィア…?…やめろ…やめろ!!」

_____やめてくれ!!

………
……………


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:44:39 ID:iTAs+l730

ブースター「………それだけは…絶対に……」

 今のままでまた繰り返すと言うなら…いっそ俺が………。

リーフィア「……ムニャ……」

ブースター「………」

 それでもいい、俺のせいでリーフィアまで失うなら。

 だけど___。

ブースター「……今だけ…今だけだから……ごめんな…」ギュ

リーフィア「…んっ……スー…」

ブースター「…おやすみ………」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:49:07 ID:iTAs+l730

チュン…チュン……

リーフィア「んっ…もう朝かぁ…ふわぁ………えっ…あれ?」

ブースター「…ムニャ…スー…」

リーフィア「ッ!…え!?」(なななんで…あっ!そうだ!昨日あのまま寝ちゃったんだ………)

リーフィア「うぅー…私なんて事を………あ!でもお兄ちゃんまだ起きてないし今なら!!」ググッ

グイッ

リーフィア「えっ…あれ……なんでお兄ちゃんの顔がこんな近くに……あぁそうか引き寄せられて…」

ブースター「スー…んっ……りーふぃあ……スー…」

リーフィア「はっ…あわわわ…だっ、駄目だよ…! 早く起きなきゃ………あっ…」(お兄ちゃん…いい匂いが……)

リーフィア「~っ!そうじゃなくて!………ちょっと…お兄ちゃん離して……!」ググッ

ブースター「…スー……スー…」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 20:53:52 ID:iTAs+l730

リーフィア「…ハァ…ハァ……駄目、お兄ちゃん…ハァ…力強すぎ…だよ……ハァ…」

ブースター「…スー……」

リーフィア「…もう! いいもんいいもん!! 私だけ頑張ってバカみたい!!寝ちゃうからね!」

リーフィア「…そっ、そうだよ…お兄ちゃんが離さないのが悪いわけだし…うん…えへへ……」ゴソゴソ

ブースター「…スー…んぅ…」ギュー

リーフィア「~っ!!ちょっと……ちっ、近すぎって…いうか…その………」ジーッ///


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:02:19 ID:iTAs+l730

リーフィア「………ッ」(後少しで…キスできそうなんだけど………)

ブースター「………んぅ……」

リーフィア「ッ!!」ガバッ

ブースター「…あれ……いたのか……どうかしたか…?」

リーフィア「あぅ!…えっ、えっとその!!………なっ、なななんでもないよ!!」

ブースター「…?……なんか変だぞ…?」スッ

リーフィア「ひゃうッ!!」ガタタッ

ブースター「おっ、おい大丈夫か!? どうしたんだよ一体…」

リーフィア「なっ、なんにもないから!! ほんとだよ!! まだなんにもないから!!」バタバタ


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:08:16 ID:iTAs+l730

ブースター「…?」

リーフィア「うぅ………あっ、そうだ! 私ご飯作ってくるね! ね!!」

ブースター「あっ…あぁ………」

トテテテテ  バタン

ブースター「…なんであんなに動揺して………あれ、なんか腕が痺れてる気が………」

……………

リーフィア「…ハァ…ハァ……もう……お兄ちゃんのばか………」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:14:45 ID:iTAs+l730

ガチャ

リーフィア「………」 トボトボ

グレイシア「あらおはよう………なんであんた顔がブースターみたいなの…?」

リーフィア「へっ!?」

エーフィ「あらあら…ほんとに真っ赤ですねぇ……クスクス…何かあったみたいですね…」

シャワーズ「んふふ、あんたも見かけによらず大胆だなぁ~」

リーフィア「うぅー!ちっ、ちが!!」カァァ///

サンダース「おう、何の話だ?」トコトコ

リーフィア「サンダースお兄ちゃんはアッチ行ってて!!」

サンダース「えっ……なっ……え?……」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:20:01 ID:iTAs+l730

サンダース「リーフィア…さん…?俺なんかしたったけ…?」

リーフィア「いいからコッチ来ないで! はやくあっち行ってよ!!」

エーフィ「お兄さん顔はまぁまぁですけどデリカシーが無いんですよ、だから前の彼女さんにも…」

サンダース「」

グレイシア「クスクス…ほら、ここは男は立ち入り禁止…」

サンダース「………デリカシー…デリカシーってなんだ………?」トボトボ

リーフィア「………」カァァ///


ブラッキー「………」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:28:04 ID:iTAs+l730

……………

ザー…ザー…

ブースター「…今日は雨かぁ」

 雨はあの日を思い出して嫌いだ。

トントントン

ブラッキー「兄貴ー、ちょっと話があるんだけどいい?」

ブースター「ブラッキーか、めずらしいな…いいぞ入って」

ガチャ

ブラッキー「昨日さ…リーフィアと寝てたみたいだけど………」

ブースター「ッ!…あっ、あぁ、ちょっと成り行きでな…で?それで何かあったか…?」

ブラッキー「………」

ブースター「…?」

ブラッキー「兄さんは…リーフィアの事どう思ってるの?」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:33:42 ID:iTAs+l730

ブースター「ッ!?………なんの事だよ…」

ブラッキー「分かってるでしょ?」

ブースター「………」

ブラッキー「リーフィア姉さんと…重ねて見てる、そうでしょ?」

ブースター「…何が言いたいんだ?」

ブラッキー「……何とも思ってないわけじゃないんでしょ?…リーフィアの事…」

ブースター「別に…ただの妹だよ………それだけだ…」

ブラッキー「そんなわけないだろ? 家族なんだぞ? 嫌でもわかるよそんなの!」

ブースター「ッ………言っただろ、ただの妹だって………さぁ、話が終わったら出て___」

ブラゥキー「……じゃあもし………もしリーフィアが兄さんの事好きだって言っても…?」

ブースター「ッ!?」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:41:39 ID:iTAs+l730

ブースター「ブラッキー、いくらなんでも冗談が過ぎるぞ…!」

ブラッキー「冗談…? 冗談でこんな事言わないよ………それに言ったら怒られるだろうしね!」

ブースター「……いいかげんにしろ、そんな妄想話しをする暇は無い、出ていけ」

ブラッキー「そうやってリーフィアから………姉さんから逃げてるんだろ!!」

ブースター「ッ!!お前ッ___」

ブラッキー「リーフィアの…!あいつの気持ちだけは分かってやってくれよ……頼むから……」

ブースター「リーフィアの気持ち…?」

ブラッキー「あいつはもう全部知ってるよ…リーフィア姉さんの事、そして兄貴の事も…」

ブースター「そんな………話したのか………?」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:47:37 ID:iTAs+l730

ブラッキー「…もちろん兄貴には黙っとくよう言われたけどね」

ブースター「……はぁ…様子がおかしかったのはそのせいか………」

ブラッキー「…やっぱり何かあったんだね………それで…どうするの…?」

ブースター「……それなら…尚更あいつの関わることはできない…これから以上に…」

ブラッキー「っ…なんで………なんでさ………」

ブースター「あいつは俺と一緒にいるべきじゃない………姉さんも…俺と一緒に居るべきじゃなかった…」

ブラッキー「でもっ! でもリーフィアは兄貴の事が…っ!!」

ブースター「………」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 21:55:14 ID:iTAs+l730

ブースター「悪いな………もう二度と俺のせいで誰かを失うわけにはいかないから………」

ブラッキー「………そっか……でも僕は…そんなの許さないから………絶対…」クルッ

ブースター「…ブラッキー」スッ

ブラッキー「えっ____」

ポス

ブースター「ごめんな……お前にまで心配させて…兄貴失格だよなぁ……はは…」ナデナデ

ブラッキー「……………」

ブースター「全部俺が悪いんだ…ごめんな………なんとか…なんとかするから……な?」ナデナデ

ブラッキー「………うん…」

ブースター「あはは、そんな顔するなよ………」ナデナデ


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:00:40 ID:iTAs+l730

ブラッキー「じゃあ…行くね……」

ブースター「おう………あっ、この事はリーフィアには…」

ブラッキー「言わないよ、言ったってリーフィアが傷つくだけだもん」

ブースター「そっか…そうだよな……悪い……」

ブラッキー「…兄貴………兄貴が居なくなるのも…嫌だからね………?」

ブースター「………あぁ…ありがとうな…」

ブラッキー「…じっ、じゃあね!」

バタン

ブースター「…はぁ………弟にまで心配させて………本当に何やってんだ俺………」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:06:35 ID:iTAs+l730

ブラッキー「………」トボトボ

エーフィ「ブラッキー…」

シャワーズ「………」

ブラッキー「……エーフィ姉さん、シャワーズ姉さん………あはは…聞いてた…?」

エーフィ「…あなたも背負いこんでたのね………ごめんなさい、気づかなくて…」

ブラッキー「…そっ、そんなんじゃないよ………ただ……もう誰かが居なくなるのは……ッ…」

シャワーズ「………えいっ」バシッ

ブラッキー「いたっ……ねっ、姉さん…?」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:09:19 ID:iTAs+l730

シャワーズ「もう、家の男は不器用なのばっかだね~…ほら、泣きたい時は泣いていいんだよ…」

ブラッキー「…ッ…べっ…別に…ック…泣いてなんか…」

シャワーズ「だぁーもう!!この私が胸を貸してあげるって言ってんの!!………ほら!!」ギュ

ブラッキー「わっ…ッ……………僕…余計な事…ヒック……してないかな…?」

シャワーズ「してないしてなーい………全く…弟のくせに考えすぎなんだよ……」ナデナデ

エーフィ「ブラッキー、よく頑張ったわね………」

ブラッキー「…ッ……うぇ…僕っ…うわぁぁぁぁぁぁぁ…ック…うぇ…姉さぁぁぁん!……」

シャワーズ「おーよしよし!…全く、もう一人の弟にもこの気概があればねぇ………」ナデナデ

エーフィ「クスクス………ほんとにそうですね……」ナデナデ

ブラッキー「うわぁぁぁん……うわぁぁぁ_______」


………
……………


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:16:29 ID:iTAs+l730

ブースター「…はぁ……リーフィアが俺の事……………はぁ………」

 トントントン   ガチャ

リーフィア「お兄ちゃん? ごめんねー? ご飯もってきたよ?」

ブースター「………あぁ…ありがと………」

リーフィア「……何か、あったの…?」

ブースター「なっ、何にもないよ………ありがとな…」

リーフィア「うっ、うん………?」

ブースター「ちょっと一人になりたいから………出ててくれるか…?」

リーフィア「えっ…うん………わかった……」トコトコ

バタン

ブースター「………ごめんな」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:22:45 ID:iTAs+l730

……………

リーフィア「…お兄ちゃん、元気なかったよね………?」

リーフィア「やっぱり何かあったのかなぁ………」

トコトコ

リーフィア「んー何か元気が出るものがあればいいんだけど………」

トコトコ

リーフィア「…元気付けられる事………あぁ!! そうだ!!」

トテテテ

リーフィア「えへへー、絶対お兄ちゃん喜んでくれるぞー!!」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:30:06 ID:iTAs+l730


………
……………

ブースター「一体どうすれば………姉さんなら………こんな時も笑っていそうだな……はは……」

 どうすれば、どうすれば誰も傷つかないでいられる?
 そんな無理難題を考えてみても、答えは出ない。

ブースター「…姉さんなら………どうするかな?………なんてな…はは………」

 目を瞑れば、すぐ姉さんの笑顔が浮かんでくる………。
 
ブースター「本当にいっつも笑ってたよなぁ………いつも………」

_____ばいばい

ブースター「あの時も……………くそ……!」

トントントン

リーフィア「おにいちゃん?ちょっと入っていいかな?」

ブースター「………あぁ」

 どうせきちんと話さないといけないんだ、話さないと。

ガチャ


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:38:15 ID:iTAs+l730

ブースター「…リーフィア……その…じつは……………えっ?」

リーフィア「……えへへ…どうかな?…似合う…?」

 そんな…姉さんの…?

ブースター「なんで…その髪飾り………」

リーフィア「えへへ、グレイシアお姉ちゃんに貰ったの…どうかな?変?」

 どうして…どうしてこんなに…!
 いくら振り払っても姉さんの面影が頭に写る…。

ブースター「………」

リーフィア「いやぁリーフィアお姉ちゃんと比べられると困るけど……お兄ちゃん…?」

 もう失うのは嫌だ…嫌だ!!

ブースター「……てけ…」

リーフィア「え?…なにお兄ちゃ___」

ブースター「出てけッ!!」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:43:18 ID:iTAs+l730

リーフィア「きゃっ………おっ、お兄ちゃん…?」ビク

ブースター「…………いいから出てってくれ…」

リーフィア「え…? どうしたの…? やっぱり何か…」スッ

 そうやって自分は二の次で人のためを思っていつも行動する。
 ………姉さんと同じだ………ッ!!

ブースター「ッ…触るな!」バシッ

リーフィア「きゃうッ!………おっ、おにいちゃ……ごめんね? 私のせいだよね…?」フルフル

ブースター「…ッ……そうじゃない……そうじゃないんだよ……ッ…」

リーフィア「わっ、私が…グスッ…髪飾りなんてつけるから……ヒック……そうなんでしょ…?」ポロポロ

ブースター「ッ!!………悪い…もう…俺に関わらないでくれ………」クルッ

リーフィア「…ッ…ごめっ…ごめんなさっ…グスッ……ごめっなさぃ…ヒック……」

トボトボ   バタン

ブースター「………」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:48:42 ID:iTAs+l730

ブースター「………ははっ……本当に最低だな……なんで生きてるんだろう……」

ブースター「泣いてたな………そりゃそうだ、俺が泣かせたんだから………」

ブースター「結局、傷つけちまった……………でも…」

 でも、もう俺と関わる事は無い。
 だったらいいじゃないか、あいつが幸せになってくれれば、それだけで…。

ブースター「これでよかったんだ………よかった…ッ…えっ…?」ポロポロ

ブースター「なんで………なんで俺が泣いてんだよ……ふざけんな…ッ…ふざけんなよ…!」ポロポロ

 それでも俺の意に反して涙はこぼれ落ちてきた。
 いや、本当はこうなるってずっと分かってた。

 もう二度と、あいつの笑顔は見れないって…。

ブースター「…くそっ……くそぉ……グスグス……とまれよっ!…とまれって……ちくしょう……!」

 
 泣き疲れて眠りにつくまで、結局涙は止まらなかった。

………


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:51:40 ID:iTAs+l730

ザー…ザー…

_____一面の大雨、またか…

ブースター「リーフィア!絶対…絶対助けるから…!」

リーフィア「お兄ちゃん! 」

_____リーフィア…でも、もう大丈夫だから…

ブースター「くそ…!…もう二度と……絶対に…」ズルズル

リーフィア「だめ! お兄ちゃんも落ちちゃうよ!!」

_____もうこうなる事は…無いから…絶対に…

ブースター「うわっ……くそ…手が…!」ガララッ

リーフィア「………お兄ちゃん………ごめん……」

ブースター「…え…?リーフィア…?…やめろ…やめろ!!」

_____ただの…夢だ!夢なんだ!!

………
……………


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 22:57:23 ID:iTAs+l730

___きろ___起きろ!!


ブースター「えっ………あぁ、寝てたのか…どうしたんだブラッキー…?」

ブラッキー「寝てたのかじゃないだろ!!兄貴リーフィアに何言ったんだよ!!」

ブースター「……なっ、なにって……ッ…」

ブラッキー「言えないんだね………まぁいいよ……それよりどうする…?」

ブースター「……え? どうするって何が…」

 

 ブラッキー「リーフィアが居なくなった…!」
  

ブースター「なんっ!……本当かッ!?」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:03:56 ID:iTAs+l730

ブースター「どういう事だ…どういう事なんだ!」

ブラッキー「そんなのこっちが知りたいよ!!」

ブースター「ッ!!」

ブラッキー「何をっ…何を言ったのか知らないけど……気づいたらどこにもいなくて……みんなもう探しに出てって…」

ブースター「………あぁ……そうか……」

ブラッキー「外も嵐になってるよ………どうして……どうしてこうなっちゃうんだよぉ……グスッ……」

 あぁ、そっか…。

ブースター「…ごめん……」スッ

ブラッキー「どこに行くんだよ!!」

 結局また俺が…。

ブースター「…リーフィアを……探してくる……絶対に…」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:08:27 ID:iTAs+l730

ブースター「お前はここに居ろ、もしかしたら帰ってくるかもしれない…」

ブラッキー「ちょっ!兄貴!!」

ブースター「…ごめんな………もう大丈夫だから……絶対に戻ってくる…二人で……」

 もう二度と…。

ブラッキー「………うっ、うん……わかった……」

ブースター「…はは……じゃあ頼んだぞ…!」

ダッダッダッダッ

ブラッキー「………絶対だよ………」


ザー…ザー……ザー……


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:12:47 ID:iTAs+l730

…………

リーフィア「…うぅ……どうしよう…」

 ガラガラ

リーフィア「こんな嵐になるなんて………お姉ちゃんに会いに来ただけなのに………」

リーフィア「……だめ…怖くて動けないよぉ……」フルフル

 ビュウゥゥゥ

リーフィア「…お兄ちゃん……お兄ちゃん助けて…!!」

ザー……ザー……


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:17:45 ID:iTAs+l730

ザー……ザー……

ブースター「ハァ……ハァ……」

ダッダッダッダッ

ブースター「…ハァ…ハァ…ハァ……」

 きっと、あそこに居る。
 『あの場所』に居る。

ブースター「…くそっ……ハァ…ハァ…」

 もっと速く!もっと速く!!
 姉さんが死んだ『あの場所』に。

 もう二度と誰かを………。

ブースター「ハァ…まってろよ…ハァ……待ってろよリーフィア!!」

ダッダッダッダッダッ


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:24:26 ID:iTAs+l730

リーフィア「ハァ…ハァ……怖いよぉ…」フルフル

ビュォォ、、、、、

リーフィア「きっと、きっとお兄ちゃんが来てくれる………だからそれまで…」

ゴオォォッ!!

リーフィア「かっ、風が…わわっ!!」ズルッ

リーフィア「あっ………いっ、いやぁぁぁぁぁぁ!!!」ガラガラ


ガシッ


リーフィア「えっ………おっ、お兄ちゃん?」

ブースター「…ハァ…ハァ……ごめん……遅く…ハァ…なったな……」ググッ


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:34:20 ID:iTAs+l730

リーフィア「お兄ちゃん!!」

ブースター「まってろ………今引き上げ……くっ…うぅ…」ググッ

リーフィア「お兄ちゃん…!」

ブースター「…くそ……腕に力が……うっく…ハァハァ…」ズル  ズル

リーフィア「このままじゃお兄ちゃんまで…っ…」

ブースター「なに…言ってんだ!………変な事考えるなよ!!」ズル  

リーフィア「………」


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:38:09 ID:pqxi/X4x0

三点リーダは二個セットで使うんだよ……


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:39:18 ID:iTAs+l730

リーフィア「……やっぱり、私お姉ちゃんと似てるのかもね………」

ブースター「おい、なに言って…やめろ……離すなよ…!絶対に…!!」

リーフィア「……ありがとう………大好きだったよ…お兄ちゃん……」スルッ 

ブースター「ッ!?ばかやろぉ!!!」タンッ

ガバッ

リーフィア「えっ!?お兄ちゃん!!なんでお兄ちゃんまで落ちて…!!」

ブースター「うるせぇ!!俺が下になればお前は助かるかもしれねだろ!!」ギュ

ヒュォォォォ 

リーフィア「いやっ!やだよそんな!!」

ブースター「黙ってろ………くそっ…!!」ヒュウウウ

 ___ごめんな、姉さん、せっかく助けてもらったのに。

……………
………


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:48:10 ID:iTAs+l730

ブースター「……うっ……あれ…?…落ちてない…?なんで……」


サンダース「よぉ…大丈夫か弟よ」

ブースター「兄さん!? それにエーフィ姉さんも…」

エーフィ「あなたまで気絶しないでくださいね?…リーフィアを離さないで…」グググッ

ブースター「……そっか、サイコキネシスで………」

エーフィ「……いきますよ…」

フワッ  

サンダース「よっ……と……」ドサ

ブースター「あっ、ありがとう………そうだ! リーフィアは大丈夫なの!?」

リーフィア「………」

エーフィ「気絶しただけだから大丈夫ですよ、この高さから落ちたんだら仕方ないです」


103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/18 23:53:51 ID:iTAs+l730

ブースター「よかった………ほんとに……よかった……」

エーフィ「全くあなたも大概無茶しますね」

サンダース「……俺じゃなかったら間に合わなかったぞ」

ブースター「そっ、そういえばよく気づいたね…ここだって…」

サンダース「あぁ、お前の声が聞こえたからもしもの時のためにエーフィ乗っけて走ってきたんだよ…」

エーフィ「ついてきて正解でした…」

ブースター「……そっか…ありがとう………」


105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:00:01 ID:B2L9OY1M0

シャワーズ「おーい、大丈夫だったー?」

グレイシア「ふぅ……無事みたいね……よかった」

ブースター「みんな………ごめん…本当にごめん……全部俺のせいなんだ……」

サンダース「……ったく…心配ばっかかけやがって……無事でよかったよ………」

シャワーズ「んふふ、みんな無事ならよかったね~!ほら、空も晴れたみたいだしさ!」

グレイシア「そうね、話しは後よ……」

エーフィ「この子も…もう起きるみたいですしね…」

リーフィア「…んっ……あれ…私……」

ブースター「……リーフィア」ガバッ

リーフィア「わわっ!お兄ちゃん!?…あれ、私どうなって…お兄ちゃん…?」


106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:02:39 ID:B2L9OY1M0

ブースター「ごめんっ………俺のせいで……もう大丈夫だから…絶対離さないから………」ギュッ

リーフィア「えっ!?…えっと………うっ、うん!」ギュー

エーフィ「クスクス……若いっていいですねぇ………」

サンダース「はぁ……じゃあそろそろ戻るかー」

グレイシア「そうね……先に行ってるわよ…」

シャワーズ「んふふ…はやくきなよお二人さん!!」

タッタッタッタ、、、、、、、

ブースター「あはは………本当にごめんなリーフィア、俺のせいでこんな事に」

リーフィア「えへへ、いいんだよお兄ちゃん…私、お兄ちゃんなら来てくれるってわかってたから!!」

ブースター「リーフィア………」


107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:06:27 ID:B2L9OY1M0

リーフィア「……じゃあ私達もいこっか!!」

ブースター「そうだな………帰ろう…一緒に……」

リーフィア「…あっ、そうだ! ちょっとだけ先に行ってて! ね!!」

ブースター「え…?……あぁ分かった…じゃあゆっくり歩いてるからな…気をつけてな……」

リーフィア「うん! すぐ行くから!!」

トコトコトコ

リーフィア「………リーフィアお姉ちゃん、ごめんね、心配かけちゃって…」

リーフィア「でも、もう大丈夫だから!! だから見ててね!!」クルッ

_____ブースターの事、お願いね

リーフィア「えっ…?」


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:12:22 ID:B2L9OY1M0

リーフィア「……リーフィアお姉ちゃん…?」

ヒュォオオ

リーフィア「……えへへ………うん! まかせて!! 」

トテテテ



……………
………


110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:13:19 ID:B2L9OY1M0


………
……………


 ブースターの部屋。


ブースター「………」

トントントン

リーフィア「お兄ちゃん?もう寝ちゃった?」

ブースター「いや、寝てないよ…」

ガチャ

リーフィア「えへへ………今日、一緒に寝てもいいかな…?」

ブースター「……あぁ、いいよ」

リーフィア「やったー!」

モゾモゾ

リーフィア「えへへ」

ブースター「………」


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:19:06 ID:B2L9OY1M0

リーフィア「………」

ブースター「………」

リーフィア「……? えーと…お兄ちゃ__」

ブースター「リーフィア」

リーフィア「ひゃっ……なっ、なぁに…?」

ブースター「いきなりで悪いけど、お前は…俺の事好きか………?」

リーフィア「……………うん……」ドキドキ

ブースター「……そっか」


113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:25:43 ID:B2L9OY1M0

リーフィア「……おっ、お兄ちゃん………?」

ブースター「……俺は………正直まだよくわからない…」

リーフィア「わからない…?」

ブースター「まだお前と…姉さんの面影を重ねている時がある………」

リーフィア「………」

ブースター「でもお前が大切なのは本当だ………あの時助けたのは姉さんの面影じゃない……お前だった…」

リーフィア「……お兄ちゃん…」


114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:28:31 ID:B2L9OY1M0

ブースター「だから……待っててほしいんだ………答えが出せる日まで…」

リーフィア「……じゃあひとつだけ、ひとつだけお願い、聞いてくれる?」

ブースター「え…? あっ、あぁべつにいいけど……なんだ…?」

リーフィア「………こっち向いて…?」

ブースター「一体なんだ___」クルッ

チュッ

リーフィア「~ッ!」クルッ

ブースター「なっ…!…なんっ……え?……今、キス…したか…?」

リーフィア「~ッ!!」コクコク


115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:33:15 ID:B2L9OY1M0

リーフィア「まっ、待っててあげるからその変わりッ!!」カァァ///

ブースター「……はは、ありがとな…リーフィア………」ナデナデ

リーフィア「うぅ~……おっ、おやすみッ!!」バサッ

ブースター「あぁ……おやすみ…リーフィア………」


………
……………


117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 00:39:22 ID:B2L9OY1M0

……………
………


リーフィア『おきて!ブースターってば!!』

ブースター「んぅ………えっ…?ここは…?」

リーフィア『あっ! やっと起きた!! えへへ、久しぶりだね!!』

ブースター「……もしかして………姉さん…?」

リーフィア『えへへ、よく分かったね! ブースター!!』

ブースター「なんっ…なんで………」


124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:03:27 ID:B2L9OY1M0

リーフィア『もう! なんでじゃないでしょ!! 心配かけて!!』

ブースター「うっ、ごめん………」

リーフィア『クスクス……なーんてね!』

ブースター「でっ、でも何で…?」

リーフィア『んーやっと安心できるって言うのかな…?まぁ最後のお別れみたいなやつ!!』

ブースター「え…?それどういう…?」

リーフィア『……私はね、ずっとみんなの事見てたよ………ずっとずっと…』

ブースター「……そっか…そうだったんだ………あはは、ごめん……」

リーフィア『クスクス…謝ってばっかりね!………で?どうしてあの子の告白断ったの?』

ブースター「うぇっ!?…そっ、それも聞いてたの!?」

リーフィア『ふっふっふ~。お姉さんには何もかもお見通しよ!!』


126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:06:40 ID:B2L9OY1M0

ブースター「いやっ、やっぱり俺は姉さん重ねて………」

リーフィア『クスクス……本当はもう覚悟できえてるんでしょ…?あの子を助けに行くときに……』

ブースター「ッ!!」

リーフィア『私に……私に悪いって、そう思ってるだけ………違う…?』

ブースター「……そっ、それは……!」

リーフィア『……ありがと…ブースター…』ギュッ

ブースター「わっ………姉さん……」

リーフィア『そりゃ本当は嫌だよ?私もブースターの事大好きだもん!!』

ブースター「………」


129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:11:45 ID:B2L9OY1M0

リーフィア『でもね…それは我がままだって、分かってる……それは重荷にしかならないって……』

ブースター「…ッ……」

リーフィア『それに私は幸せだったよ………』

ブースター「………」

リーフィア『あの家に産まれて、みんなと家族になれて………そして、あなたに出逢えて……』

ブースター「……姉さん……俺…俺…ッ…」

リーフィア『全く、なーんでブースターがそんな顔するの?』

ブースター「でも…俺が……俺のせいで………」

リーフィア『……もう……すぐそうやって自分のせいにするねブースターは………』ナデナデ

ブースター「ッ!」


130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:17:13 ID:B2L9OY1M0

リーフィア『ずっと…ずっと悩んでたよね………ありがとう……私の事忘れないでくれて……ありがとう……』ナデナデ

リーフィア』これからは……あなた達の……あなた自身のために悩んで生きていってね……グスッ……』

ブースター「…うん……わかった……わかったよ……」ポロポロ

リーフィア『クスクス……じゃあそろそろ行くわね……あの子の事……泣かさないでよ…?』

ブースター「姉さん!!……ずっと…ずっと大好きだった!!これからも絶対…!絶対忘れないから!!」

リーフィア「ッ!!………ぅん……うん!!………ありがとう………ありが…ック…とぅ……」ポロポロ

スゥ

_____さよなら、私の大好きなブースター


……………
………


131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:20:58 ID:B2L9OY1M0

チュン…チュン……

ブースター「……んっ…朝…か……」

リーフィア「あっ!お兄ちゃんおはよ!!」

ブースター「あぁ……おはよう……リーフィア……」

リーフィア「…あれ?……お兄ちゃん…泣いてる…?どうかしたの?」

ブースター「……あぁ……あはは……大丈夫、懐かしい夢を見ただけだから」ナデナデ

リーフィア「えへへ~、そっかー!!」

トントントン

グレイシア「あなたたち、ご飯よ、はやくきなさいねぇ~」


133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:26:11 ID:B2L9OY1M0

ブースター「………」

 姉さんが死んでから今日で5年。
 俺の心に深く刻まれたキズは今日でやっと癒されたんだと思う。

 これからどうすればいい?

 そんな無駄な問答を繰り返し続けてきた五年。
 
 その答えは………。

リーフィア「ほら!お兄ちゃん!!はやく行こうよ!!」

 きっと、もうすぐそこにある気がする。




 ブースター「ありがとう」







おわり


138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:35:53 ID:88FFvtaqO

乙なんだよ


140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:39:53 ID:5p9vpzUn0


よかった


141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 01:41:35 ID:y1DFw9Zr0

乙!
感動した


154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/19 02:11:27 ID:C7Q/WzV30

次回作は「雷撃の暴君 ライチュウ」で決定だな。




スレッドURL: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1313659507/

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