ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

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菫「……もう、やめにしないか?」

http://blog-imgs-56.fc2.com/s/s/i/ssipaimatome/023d4ce0_20121208235557.jpg

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:11:59 ID:3e7L8zLm0
◆◆◆◆◆


照「応援、よろしくお願いします!」

「では会見を終わります。記者の皆様は――……」


◆◆◆◆◆


部員「「お疲れ様でした!!」」

菫「お疲れ。早かったな」

照「……っ」

菫「照?」

照「菫。早く、早く……っ」

菫「……お前、また」

照「早く来て!」

菫「っおい、照……」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:14:03 ID:3e7L8zLm0
白糸台高校。現在、インターハイ史上最強のチームと名高い「チーム虎姫」を擁する屈指の強豪校。
ここ麻雀部にはいくつかの部屋が用意されている。広い練習室、休憩室、一軍専用の仮眠室。
これらは二年前、当時一年生だった宮永照の全国制覇という成績によって学校側から贈られたものだ。
特に仮眠室にはベッドやシャワールーム、冷蔵庫やPCなども完備されており、一軍はかなりの待遇を受けている。
だが、その仮眠室を使うのは、専ら私たちだけだった。


菫「おい、照……大丈夫か?」

照「菫……、菫っ」

菫「は……んむっ」


私と照が三年に上がって、少し経った頃からだろうか。
照はいつも、私をこの部屋に連れ込んだ。

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:16:07 ID:3e7L8zLm0
菫「照、起きたか?」

照「す、みれ……?」

菫「先にシャワー浴びたぞ。お前も早く行って来い」

照「あ……私、また……」

菫「……っ照!」

照「ごめん、菫……ごめ、ごめんなさい……ごめ……なさい……っ」

菫「……いいから。もう、謝るな」


全国一万人の頂点、宮永照。彼女には大きな問題があった。
それは、時折「不安定」になってしまうこと。
教室、部室、会見の場……場所は様々だが、決して試合中には見せない姿。
そしてその度に、照は私の身体を求めるのだった。

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:18:21 ID:3e7L8zLm0
菫「ああ、亦野か? 照のやつ、会見で疲れたみたいでな。今日は私も付いて休ませるから、後輩をよろしく頼む」

菫「……いや、どうせ寝不足か何かだろう。心配いらないさ」


達した後、照はいつも糸が切れたように意識を失う。
以前、一部を伏せて医者に相談したところ、精神的なトラウマか何かが原因だろうが、詳しいことはわからないそうだ。


照「ここ、は……」

菫「起きたか?」

照「菫……私、また倒れたのか」

菫「……ああ。運んでくるのに一苦労だったよ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:20:23 ID:3e7L8zLm0
仮眠室に入り、すぐに押し倒され、行為に及ぶ。
照が気絶している間に、私はシャワーを浴びる。
私が上がったタイミングで、照が目を覚ます。
照が、私に謝る。
照を宥めてシャワーを浴びさせ、もう一度寝かせる。
そうして二度目に目を覚ましたとき、照は何も覚えていないのだ。


照「昔は病弱なんてことはなかったはずだけど、最近はしょっちゅうだな。迷惑をかけてごめん」

菫「……いいよ、気にするな」


不毛だと思う。

私の初めては照だった。
それから、もう何度目かはわからなくなった。
この行為の流れを理解してからは、ルーチンワークのようにソレをこなすようになった。
作り笑いが上手くなった。
照の営業スマイルと比べてみても劣らないだろう。無駄な自信がある。

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:22:22 ID:3e7L8zLm0
照「今日は、部活は?」

菫「連絡を入れておいた。部活中に倒れられても困るからな。」

照「そうか……菫は?」

菫「私も今日は休むよ。送ってやるから鞄持って来い」

照「何から何まで、ごめん」

菫「……謝らなくていい」


さっき散々謝ってもらったからな、とは言えない。言わない。
こいつは知らないままでいい。
私だけが知っていれば、それでいい。

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:24:22 ID:3e7L8zLm0
◆◆◆◆◆


「まさに圧勝! 白糸台高校、今年も全国への切符を手にしました!」


◆◆◆◆◆


その記事を見つけたのは偶然だった。
長野県代表の清澄高校。大将、宮永咲。
私は確信していた。これはあいつに関係することだ。あいつの過去、そして現在に。


菫「清澄、って知ってるか?」

照「……」

菫「……お前、妹いたんじゃなかったっけ?」

照「……いや?」

照「私に妹は――いない」


照は嘘を吐くのが下手だ。
もう長い付き合いになるし、それくらいはわかっている。
これが、あいつのトラウマ。麻雀、長野、東京、妹、宮永咲。

――私はどうして、こんなにも必死なのだろう。

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:27:07 ID:3e7L8zLm0
◆◆◆◆◆


「宮永さん、あなた、妹さんはいらっしゃる?」

照「……私には、妹はいません」


◆◆◆◆◆


菫「あいつ、どこに行ったんだ……っと!」


衝撃。前方不注意だった。
バランスを崩しそうになるのを堪えて前を向くと、跳ねた横髪が目についた。


菫「なんだ、照か。探したぞ」

照「……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:29:13 ID:3e7L8zLm0
菫「一旦学校に戻らないといけないらしくてな。お前も荷物まとめっ……!?」

照「ん……ちゅ」

菫「……っ! こんな所で、何を……」

照「……来て」

菫「痛っ……」


握られた右手が痛い。この馬鹿、麻雀が出来なくなったらどうしてくれるんだ。
ここは……医務室? ああ、そういえばうちの仮眠室以外でするのは初めてかもしれないな。
しかしここにはシャワーがないんじゃないか? 困ったな、汗だくのまま帰るのは勘弁したいところなんだが。
などとくだらない思考をしていると、えらく乱暴に投げ捨てられた。

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:32:47 ID:3e7L8zLm0
菫「……っ!」

照「……」


ベッドがあったからよかったものの、お前これがその辺の床なら数日は肩が動かないぞ。
今日はやけに力が入っているじゃないか。
制服にシワを付けるのだけは勘弁してくれよ。
なあ、照?


照「……」

菫「て、る……?」

照「う……うあ……くっ……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:37:04 ID:3e7L8zLm0
菫「おい、照? どうした?」

照「はぁっ……、っ……」


明らかに様子がおかしい。いつもならこのまま事に及ぶはずだ。
だが、今の照はそれを拒否しようとしているようだった。
まるで何かを押さえ込むように、揺れる瞳が私を見つめている。
そんな顔をしないでくれ。
今までだってそうだったじゃないか。
このまま、お前の気が済むまで、好きなようにすればいい。

――何でお前が、泣きそうな顔をしてるんだよ。


菫「……なぁ、照」

照「っは……、はぁ……」

菫「……もう、やめにしないか?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:39:49 ID:3e7L8zLm0
照「……っ」

菫「わかってるんだろ? お前。こんなことしたって何にもならない」

照「……」

菫「私はお前の心が読めるわけじゃない。お前は照魔鏡のようだーなんて言われてるけどな」

照「……」

菫「お前のこと、わかってやりたいと思ってた。お前の気持ちが慰められるなら、こんな関係も別にいいかと思ってた」

菫「だけどな、私は……少し、疲れたよ」

菫「――……、ごめんな」

照「……」


照の最後のキスは、これまでのどんなキスよりも優しかった。

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:42:19 ID:3e7L8zLm0
◆◆◆◆◆


「さあ、全国大会も残すところ大将戦のみ!」

「栄光を手にするのはどの高校か!」


◆◆◆◆◆


「……お姉ちゃん。私、ずっとお姉ちゃんに会いたかった」

「家族がバラバラになって、麻雀も好きじゃなくなって……それでも、もう一度こうやってお姉ちゃんと会いたかった」

「麻雀なら、お姉ちゃんと話すことができるって、そう思ったから」

「……私、負けないよ!」


◆◆◆◆◆

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:45:46 ID:3e7L8zLm0
春。
インターハイでの活躍を認められ、私は推薦で都内の大学に進学することが決まった。
あの夏のインターハイ、それにまつわる色々なこと。
そして、あいつのこと。
様々な思いがめぐる中、私はもうすぐ高校を卒業する。

あいつ――宮永照は、母親と共に長野に帰り、そちらの大学へ進むそうだ。
妹と一緒に暮らすことになったようで、しばしば連絡を取り合っている。
仲睦ましいのはいいことだが、毎晩電話する意味はあるのか?


照「私のお母さんは少し……強引な人でね。私か咲、どちらかに麻雀で名を残して欲しかったらしい」

菫「それで、お前が選ばれたって訳か」

照「ううん、違う。お母さんが本当に目をかけていたのは咲だった。あいつ、昔はずっとプラマイ0で和了り続けてたんだ」

菫「それはまた、おっそろしい話だな」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:48:43 ID:3e7L8zLm0
照「私もそう思ってた。正直、私は咲が怖かったんだと思う」

照「だからとにかく麻雀を打って、気付いたらお母さんと東京に行くことになっていた」

菫「長野で妹と一緒にやっていくんじゃ駄目だったのか?」

照「みたいだよ。まあ実際、都会に出たほうが色々とチャンスは増える」

菫「それはそうかもしれないが……姉妹を引き離すってのも、なぁ」

照「私も咲も、もちろん離れたくはなかったし、お父さんも反対してた」

照「でもお母さんはどちらかを連れて行くって聞かなくて、両親はいつも喧嘩ばかり」

照「それで私も、咲を守らないといけないと思ったんだ。だから、わざと咲を突き放した」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:51:26 ID:3e7L8zLm0
菫「……大変、だったんだな」

照「それでもあのときの私には、そうするしかなかったから」

菫「……妹がいないって言ったのは?」

照「精神衛生上。私から咲を遠ざけたのに、まさか咲の方から私を追いかけてくるとは思わなかったから」

菫「つまり、照れか」

照「……そう一言で言い切れるものでもない」


思えば、照は初めから、それこそ私があの記事を見つけるよりもずっと前から、妹がまた麻雀を始めたことを知っていたのだろう。
そしてそれは、きっと私の初めての日だった。

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:55:31 ID:3e7L8zLm0
照「……ところで、菫」

菫「何だ?」

照「その……何て言えばいいのかわからないけど……あの日は、ごめん」

菫「あの日……ああ、あの日か」

照「あのときの私はどうかしていた。……手、痛かったよね」

菫「気にしてないから気にするな。むしろ私は、お前がまだ覚えていたことに驚いたよ」

照「忘れる訳ないだろう……あんなことをしておいて」

菫「だから気にするなって。未遂で終わったしな。キスはされたけど」

照「あ、あまり言わないでほしい……死にたくなる」

菫「思い出して悶絶とか、お前そんなキャラじゃないだろ」

照「これはまた別。……本当に、悪かったと思ってる。気にしていなくても謝らせてほしい」

菫「……律儀だなぁ、お前」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 00:59:29 ID:3e7L8zLm0
照が覚えているのは最後の日だけだ。
永水の神代じゃないが、二度寝してないからだろうな。
今思い返してみても、あれがどういうメカニズムだったのか、私にはわかるはずもなかった。

最後のキス。照から私への、最後のキス。
あのとき、照は何を思っていたんだろう。
記憶にはないはずなのに、まるでそれまでの私を労わるような、そんなキスだった。
最初から最後まで、一つ残らず覚えている、私のことを思うような。


照「もうすぐ卒業か」

菫「長かったようで、終わってみると短かったな」

照「……もう少し、ここで打ちたかったよ」

菫「……ああ、そうだな」


――菫と、とは、言ってくれないんだな。

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 01:05:55 ID:3e7L8zLm0
照「卒業してもまた集まろう。少し距離が出来るけど、それはなんとかする」

菫「そうだな。そのときは妹も連れて来いよ。淡のやつが、もう一度咲ちゃんと打ちたいってうるさいからな」

照「咲もそう言ってたよ。……二人とも、まだまだ強くなるだろうな」

菫「お前もすぐ抜かれるんじゃないか?」

照「それはない。姉より優れた妹など存在しないから」

菫「妹に骨抜きの姉がよく言うよ」


お互いに、糸口を探っている状態だった。
まだ伝えたいことがある。伝えて良いかわからない言葉がある。
私たちの関係はいつも、こんな風にそれぞれが一方通行だった。

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 01:07:13 ID:3e7L8zLm0
照「……菫」

菫「……ん?」

照「これまで、私と一緒にいてくれてありがとう。菫がいてくれたことに感謝している」

菫「こっちの台詞だよ。お前がいたからインターハイ優勝なんて経験も出来たんだ。……ありがとう」

照「……私には」

照「今まで、麻雀しかなかった」

照「不器用で、必死で、それをひたむきと呼ぶことは私には出来ない」

照「それでも、いつでも菫はひたむきだったな」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 01:09:14 ID:3e7L8zLm0
……馬鹿。そんな顔するのは、反則じゃないか?


菫「……っ」


言葉が出ない。いつものように余裕ぶれない。
このままの関係でいいと思っていた。身体を重ねるだけでもよかった。私だけが知っている照がいるだけでよかった。
ああ、私はずっと、本当は――――……


照「……菫。ずっと、好きだった」

菫「……っ、遅いんだよ、馬鹿……っ!」


こうやって、心を通わせたかったんだ。

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 01:11:46 ID:3e7L8zLm0
淡「あっ! 来ましたよ、弘世先輩!」

菫「やっとか……ったく、だから予定より一時間は早く来るつもりで動けと言っているのに」

誠子「まぁまぁ、久しぶりに会えるんですし、細かいことはいいじゃないですか」

尭深「……あ、茶柱」


照「遅くなった」

咲「お姉ちゃん、ちゃんと謝らないとダメだよ? ごめんなさい、ちょっと迷子になっちゃって……」

照「……ごめんなさい」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 01:12:46 ID:3e7L8zLm0
菫「咲ちゃん、久しぶり。照、お前こっちに住んでたくせにまだ道覚えてないのか? しっかりしろよ」

照「私にだけ辛辣」

咲「あ、あはは……」

淡「咲ちゃーん! 早く打とう今すぐ打とう!」

尭深「……せっかち」

誠子「ははっ、淡はホントに楽しみにしてたからなあ」


照「菫」

菫「ん?」

照「……ただいま」

菫「……おかえり、照」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 01:14:22 ID:3e7L8zLm0
おわり

俺がこのスレで言いたかったことは照菫が身体だけの関係にハマる淀んだセフレSSが欲しいということだけです。お願いします。

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 01:15:00 ID:cv4yOwkX0
やべえよぉ……

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 02:15:40 ID:sqtHl5Bq0
面白かった乙!
またかいてください

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/01 02:21:56 ID:D7O535yv0
おつでした

スレッドURL: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1341069027/
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