ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

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怜「就活かぁ」


3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:21:42 ID:e+zdnhCzO

鬱になるな


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:21:48 ID:d4GP+U/CP

怜「もうそんな季節がやってきたんやなぁ」

竜華「なに他人事みたいに言うてるの。あんたもやるんやで」

怜「うちもか……めんどうやな」

セーラ「働きたくねーなー」

竜華「あんたら、そんなこと言うてたらニートになってまうで」

怜「うちニートでもええわ」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:24:07 ID:d4GP+U/CP

竜華「またそんなこと言って! セーラ、あんたもなんか言いや」

セーラ「俺はプロ雀士になる!(ドンッ」

竜華「……」

怜「おお、プロ雀士かー。セーラならきっとなれるで」

セーラ「おう、センキュー!」

竜華「あんたらなぁ……」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:29:58 ID:d4GP+U/CP

竜華「もう麻雀ブームが下火になってきとるんは知っとるやろ」

セーラ「ん、まぁな」

竜華「今ではあの小鍛冶プロですら仕事がなくなって生活保護うけてるって噂や」

怜「婚期逃したんが痛いな」

竜華「せやから今はもう麻雀一本で生きてくなんて不可能なんやで。それをプロなんて……」

セーラ「わぁったわぁった、冗談やて」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:34:38 ID:d4GP+U/CP

竜華「とても冗談には聞こえへんかったけどな」

セーラ「悪かったって! ……っと、オレはこれからバイトいくんで。ほな」

竜華「待て待て待て」ガシッ

セーラ「なんや竜華」

竜華「このあと就職ガイダンスあるの忘れたんか」

セーラ「あ、そういえばそんなんもあったな……」

竜華「出んとアカンで」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:37:14 ID:d4GP+U/CP

セーラ「……竜華、代わりに出といて」ポンッ

竜華「イヤや」

セーラ「えー、なんでやー!」

竜華「ああいうのは自分の目で見て聞くことに意味があるんやで」

怜「へー、そういうもんなん?」

竜華「そういうもんや。特にあんたらみたいに危機感のない生徒にとってはな」

セーラ「危機感ならもっとるって。あー、就活こえー(棒」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:40:28 ID:d4GP+U/CP

竜華「さっきプロ雀士になるとか言ってたのはどこのどなたさんやったろなぁ……」

セーラ「あ、あれは冗談て言うたやん」

竜華「なら文句言わないでガイダンス行きぃ」グイッ

セーラ「痛い痛い、袖が伸びるーっ!」

怜「うーん……でもバイトは行かなアカンやろ」

セーラ「そ、そうやそうや」

竜華「……まぁ、たしかに」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:43:00 ID:d4GP+U/CP

怜「……よし、ならうちが代わりに聞いといたるわ」

セーラ「お、マジで!?」

竜華「怜! そうやって甘やかしたらアカンて!」

怜「まぁまぁ竜華。今回だけってことで大目に見ようや」

セーラ「と、怜~! お代官サマ~!」ギュウ

怜「せ、セーラ、苦し……っ!」

竜華「しょうがあらへんなぁ……」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:46:40 ID:d4GP+U/CP

セーラ「すまんすまん、今度なんか奢るから!」

怜「ほんまか。じゃあ、うちはセブンの濃厚いちごオレ頼むわ」

セーラ「おう、任せとき!」

竜華「……」

セーラ「じゃそういうことでよろしく! ほなな~」タタッ

竜華「まったく……」

怜「ほら、うちらも早くいかんと席なくなるで」

竜華「そやな」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:51:15 ID:d4GP+U/CP

怜「しかしほんま就活なんて言われても実感わかんわ」

竜華「そうは言うてもちゃんとやらなアカンで」

怜「……ぼちぼちな」

竜華「いや、ぼちぼちやなく」

怜「うち病弱やし」

竜華「そのアピールやめ。企業にそっぽ向かれるで」

怜(竜華のツッコミが現実的に……)


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:53:16 ID:d4GP+U/CP

「えー、それでは第一回の就職ガイダンスを始めたいと思います……」

怜「あんま人おらへんな」ヒソヒソ

竜華「もう12月やっていうのにな。うちんとこの学生は意識低すぎやで」ヒソヒソ

怜「しかしなんで3年のこの時期から就活なんやろなー。もっと遅くてもええやん」

竜華「これでも去年よりは遅くなった方なんやで。私たちの2個上の先輩は10月から始めとったんよ」

怜「ひえぇ……世知辛い世の中やね」

竜華「お国の方針でどんどん企業の採用開始時期が繰り下げられとるらしいわ」

怜「その方がええなー。どんどんやったってくれや、安倍ちゃん」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:56:50 ID:d4GP+U/CP

竜華「うちはじっくり時間かけて就活したいけどな。適当なとこ入って後悔したくないし」

怜「竜華は真面目やなー」

竜華「あんたやセーラが不真面目すぎるんや」コツン

怜「あ、痛」

竜華「それに早い方が4年になってから遊べる時間も長くなるかもしれへんで」

怜「あー、それはええな。4年っていったら最後の大学生活やしな」

竜華「そゆこと。ほな、もうおしゃべりはやめて話ちゃんと聞くで」

怜「は~い」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 21:59:59 ID:d4GP+U/CP

ガイダンス終わり

怜「はぁ~、疲れた~」

竜華「せやけど、タメになったな」

怜「ええぇ、うちはチンプンカンプンやったけどなぁ。なんや自己分析って……」

竜華「ようは自分をあらためて知るってことやろ。いいとこも悪いとこも全部ひっくるめてな」

怜「……うちなんて悪いとこしかないような気ぃするわ」

竜華「そんなことないで。怜にだってええとこいっぱいあるやん」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:12:02 ID:d4GP+U/CP

怜「たとえば?」

竜華「たとえば、たとえば……う~ん……」

怜「……やっぱないんか」

竜華「き、きっと探せばあるはずや! ちょっと待っとって、今考えてるから!」

怜「……」

竜華「せやなぁ、怜はええとこいっぱいあるんやけどなぁ……ありすぎて逆に挙げきれへんわ~……」ウーム

怜「……なんか、さらに自信喪失するからもうええで」


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:15:41 ID:d4GP+U/CP

竜華「ほな、またな。明日の授業で」

怜「うん」

竜華「……ちょっと待って怜。あんた今日夕飯は?」

怜「? カップ麺で軽く済ませようと思うてるで」

竜華「あぁ、またそんなんして! それじゃ栄養に偏りが……!」

怜「わ、わかったわかった。今日は自炊するって」

竜華「ほんまか?」

怜「ホンマや(たぶんな)」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:27:07 ID:d4GP+U/CP

竜華「ちゃんとした食生活送らんと体壊すからな。気ぃつけえよ?」

怜「はいはい」

竜華「返事は一回。ほなな」

スタスタ...

怜「ふぅ……危なかったで」

怜「このままやと『料理作る!』言うてうちにあがり込んでくるのも時間の問題やな」ガチャ

怜「さすがにこの部屋は見せられへんからな……」

プイ~ン

怜「あ、また羽虫わいとる!」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:33:13 ID:d4GP+U/CP

ズルズル

怜「やっぱこのたらこ焼きそばうまいなぁ~」

ピッピッ

怜「な~んも面白い番組やってへん」ゴロン

怜(そういえば……)

竜華『今日はとりあえず就活サイトに登録すること! ちゃんと寝る前にやるんやで!』

怜(そんなことを竜華が言っとった気が……)

怜「……ま、明日でええか」

スヤスヤ...


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:37:13 ID:d4GP+U/CP

チュンチュン...

怜「朝か……ってもう昼やん!?」

怜「完全に寝過ごしたわ……竜華から10件も着信はいっとる」

怜(こりゃ怒られるわぁ……)

スタスタ...

怜「さ、寒い……」ブルブル

怜(もうちょっと大学と家が近ければええのに……)


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:41:09 ID:d4GP+U/CP

キーンコーンカーンコーン

怜「あ、もう3限はじまっとるやん」

タッタッタッ

怜「たしかあの教授、遅刻してきた人にばっか当てるんやったな」

怜「……やっぱ、部室いこ。授業ジャマすんのも悪いしな」

スタスタ...

??「あ、園城寺先輩」

怜「おお、泉やん」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:48:05 ID:d4GP+U/CP

泉「こんな時間にどうしたんです? 部室ですか?」

怜「うん。泉も?」

泉「はい、私は午前中で授業終わりなんで」

怜「ええなぁ」

泉「てか、園城寺先輩の方は大丈夫なんです? 水曜のこの時間、経済法の授業あるとか言ってませんでしたっけ……?」

怜「いやな、それが遅刻してもうて……教授に怒られんのイヤやから今日は出んことにしたんや」

泉「……清水谷先輩が聞いたらドヤされますよ」

怜「だから竜華には秘密にしてや。体調悪かったことにするから」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 22:58:06 ID:d4GP+U/CP

怜「この時間って誰がいるん?」

泉「うち普段は直帰なんでよく知らないですけど、前は上重先輩とか見ましたよ」

怜「漫ちゃんか。あの子なに学部やったっけ」

泉「たしか社会学部やったと思います」

怜「泉と一緒か」

泉「ええ、だからよく授業でもご一緒させてもろうてますよ」

怜「へえ、初耳やわ」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 23:13:40 ID:d4GP+U/CP

ガチャ

泉「どうもー」

??「ああっ、負けたーー!!」

??「またうちの勝ちですね」

??「あ、こんにちはなのよー」

怜「なんや、こんないるんか」

洋榎「お、カモがきたで! 一緒にスマブラやろうや!」

怜「いやや。ボコされる」

洋榎「じゃあ泉!」

泉「いいですけど、集中狙いせんといてくださいよ」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 23:48:19 ID:d4GP+U/CP

泉「ああっ! またメテオですかー!」

洋榎「シャミアムーン! ……って、ああっ! こんの漫!」

漫「よそ見しとるからですよ」

ワイワイ

由子「怜、授業あったんやないの?」

怜「うん、あったけどサボったわ」

由子「もう、ダメなのよーそんなんじゃ」

怜「竜華には内緒な」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 23:54:44 ID:d4GP+U/CP

由子「ところで怜はもう就活始めとる?」

怜「うーんと、昨日のガイダンスには出たで」

由子「わー偉いのよー!」

怜「そ、そう?(まぁ竜華に無理やり連れてこられたようなもんやけど)」

由子「私、出られなかったのよー。洋榎につかまってカラオケ行かされて」

洋榎「なんやうちのせいか! 由子もノリノリで歌ってたやん」

由子「の、ノリノリなんかじゃないのよー!」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/30 23:58:35 ID:SsykKl4z0

14卒には厳しいスレ


68: ◆Hyidxe2ai. 2013/05/31 00:12:49 ID:pxXAEswmP

ガヤガヤ

洋榎「今日も行くかー! 怜もどうや?」

怜「カラオケ? どうしようかなぁ」

洋榎「ほら、泉も行くっていうてるし」

泉「ええっ!? 言うてませんよ!」

漫「無理に付き合う必要ないですよ、園城寺先輩」

洋榎「ああっ、余計なこと言うなや漫! このこの!」グリグリ

漫「い、痛いです!」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:17:26 ID:pxXAEswmP

怜「由子は?」

由子「う、うちも今日なら空いてるのよー」

泉「……やっぱりノリノリやったんですか?」

由子「ち、違うって言ってるのよー!」

怜(なんや、意外とみんな悠長なんやなぁ)

怜(昨日のガイダンスも閑散としとったし、案外竜華が気ぃ張りすぎなだけなんかもな)

怜「よし、うちも行くで」

洋榎「お、そうこなくっちゃ! そんじゃチャキチャキいくで~!」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:23:38 ID:pxXAEswmP

カラオケ終了

怜「ふぅ……今日は久々に声からしたわ」

泉「うぐっ……先輩、重いんですけど……っ」ググッ

由子「よし、次は居酒屋へGOらのよ~!」ヘロヘロ

泉「あの……もうすでに酔ってますよね?」

漫「ここらへんだと居酒屋少ないですね」

洋榎「んじゃあっこにある和民でええか」

由子「ガンガン行くのよ~!」

ジャリ

??「……怜!」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:26:12 ID:pxXAEswmP

洋榎「げっ」

怜(アカン)

泉「し、清水谷先輩……」

竜華「……」ゴゴゴ

怜「あ、あのな竜華……これにはワケが……」

竜華「……ええからついてき」

怜「うちも最初は……」

竜華「ええからついてき!!」

怜「はいっ!」

一同(こええ……)ブルッ


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:30:41 ID:pxXAEswmP

竜華「……なにしてたん」

怜「遊んでました、すんません」

竜華「……なんで授業来なかったん」

怜「寝坊して……その……」

竜華「……」

怜「……」

竜華「復習するで」

怜「へ?」

竜華「これからうちで今日の授業の復習するで。終わるまで帰さへん」

怜「そ、そんなぁ……」


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:35:20 ID:pxXAEswmP

...グゥ

怜「……あの、竜華……お腹すいたんやけど」

竜華「さっきさんざん飲み食いしたんやろ。我慢しい」

怜「お、鬼や……」

竜華「なんか言うた?」

怜「なんでもありません……」カリカリ

竜華「そういえばあんた、ちゃんと就職サイトに登録したん?」

怜「え、っと……う、うん。もちろんやったで」


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:38:19 ID:pxXAEswmP

竜華「ふぅん……どんなとこ興味あるん? ちょっとは調べたんやろ?」

怜「え、えっと……」

怜(やばい……今さら登録すらしてないなんて言えへん)チラッ

怜「あっ! ぶ、文房具メーカー……とかかな。この消しゴムとか」

竜華「……」

怜「……」タラー

竜華「へえ、ええやん。メーカーか……人気高いと思うけど、がんばってな」

怜「う、うん」

怜(な、なんとかごまかしきったで……)


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:43:55 ID:pxXAEswmP

怜「お、終わった……」グッタリ

竜華「お疲れさん。ご飯出来てるで」

怜「えっ? ご飯って……」

竜華「? なんや、食べてかへんの?」

怜「い、いや食べるで! 食べさせていただきます!」

怜(竜華ぁ……やっぱ竜華は天使やで!)ガツガツ

竜華「そ、そんなにがっつくとこぼすで」

怜「ングング……んまいっ!」

竜華「……ふふっ」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:48:17 ID:pxXAEswmP

怜「ふぅ……ごちそうさん」ポンポン

竜華「お粗末さま。食器はうちが洗っとくから」

怜「なにからなにまで……ほんますんません」

竜華「今さらなに言うてんの」

ザーッ

竜華「そういえば、怜はスーツ持ってるん?」

怜「へ?」

竜華「就活に必要やろ。スーツ」

怜(あ、そっか……完全に失念してたわ)


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 00:55:43 ID:pxXAEswmP

竜華「よかったら明日の帰り、一緒に買いに行かへん?」

怜「竜華も持ってないんや」

竜華「うん」

怜「じゃあうちも行くわ……1万円くらいあれば足りる?」

竜華「どうやろなぁ……うちも実際に見てないからわからへんけど……」

竜華「一通りそろえるなら、上下スーツ、ワイシャツ、靴下、カバン、コートとぎょうさんあるから……」

怜(そ、そんなに必要なんや……)

竜華「最低でも3、4万は必要なんやない?」

怜「さ、さんまん……?」


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:00:57 ID:pxXAEswmP

怜「うち、そんなお金持ってへんよ……」

竜華「あ、そっか。怜はバイトしてないもんなぁ……おばさまに頼んでいくらかもらえへん?」

怜「うちのオカンはそんなに甘くないで……」

竜華「うーん……」

怜(まさかそんな大金が必要になるなんて……)

竜華「じゃあうちが貸したるわ」

怜「え……ええの?」

竜華「うん、仕方ないやろ? スーツないと就活できへんし」


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:04:40 ID:pxXAEswmP

怜「あ、ありがとぉ……竜華ぁ……」

竜華「その代り」

怜「?」

竜華「怜もバイトしぃ」

怜「ば、バイト?」

竜華「言うたやろ? あくまで貸すだけやって」

怜「そ、それはそうやけど……いくらか生活費を削れば何とか返せるで」

竜華「でもこれから就活が本格化すると、交通費がめっちゃかかるんやで。それも含めて、生活費からまかなえる?」

怜「あっ……」


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:11:39 ID:pxXAEswmP

竜華「それに、バイト経験が一つもないと就活でのエピソードとか困るやん。やっておいて損はないで」

怜「で、でもうち病弱やし……」

竜華「ほらそれ。そういう逃げはもう社会に出たら通用せえへんよ?」

怜「り、竜華……」

竜華「言っとくけどな、うちは別にイジワルしたくてこんなこと言うてへんの」

竜華「怜にちゃんと自立した大人になってほしいと思ってるから言うとるんや」

竜華「今まではうちやセーラがいたから何とかなったけど、これからはそうやない……怜が自分自身で未来を紡いでいかなあかん」

竜華「そのための最低限のフォローはするけど、最終的に頑張らなきゃいけないのは怜……あんたなんやで」

怜「……」


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:18:23 ID:pxXAEswmP

竜華「なぁにそんな暗い顔してんの! たかがバイトやで?」

怜「で、でも……」

竜華「さっき最低限のフォローはするって言うたやん。うちもバイト探し手伝うで」

竜華「なんならうちの働いてるとこ……ファミレスやけど、店長に頼んで紹介してやれるかも」

怜「接客とか……自身ない」

竜華「なら倉庫でのピッキングとかいろいろあるで。なんにしても始めるってことが重要や」

怜「……わかった。探してみる」

竜華「ふふっ、よく言った」ニコッ


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:21:23 ID:pxXAEswmP

怜宅

カチカチ...

怜「バイトかぁ……めんどうやなぁ」

怜「でも、竜華と約束した手前、なにかしらやらへんと……」

怜「あ、これどうやろ……スーパーの品出し」

怜「ちょうど近所やな……ここに明日電話してみよう」

怜「……そういえば、就職サイト……登録してみるか」

カチカチ...


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:33:13 ID:pxXAEswmP

翌日・スーツ専門店『AKAGI』

怜「これ、似合ってるかな……?」

竜華「うんうん、ピッタシやん! なんかかわいい」

怜「そこはせめてカッコイイって言ってほしかったわ……」

竜華「でもええ感じやで」

怜「そっか……おおきにな」

竜華「すみませーん! これください」

アカギ「かしこまりました。ではレジの方へどうぞ」ククク


103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:37:24 ID:pxXAEswmP

アカギ「ありがとうございました~」

竜華「うわぁ……財布が一気に軽くなったわ」

怜「ごめん、竜華。すぐ返すから……」

竜華「あ……そんなつもりやなかったのに。別にいつでもええからね?」

怜「うん……あ、そうだ」

竜華「どうしたん?」

怜「これからうち、バイトの面接あるんや」

竜華「え、もう!?」

怜「うん、今日の昼に連絡したらきてくれって」

竜華「そういやなんか電話で話しとったな」


104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 01:40:58 ID:pxXAEswmP

風呂入ってきます


108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 02:11:16 ID:pxXAEswmP

怜「せやから竜華、また来週な」

竜華「うん、わかった。がんばってきいよ!」

怜「ありがと……ほなな」

スタスタ...

怜(なんか緊張してきたなぁ……うち、なんでこんなこと……)

怜(いやいや、自分で決めたんやろ。ちゃんと働いて竜華に返すって……)

怜(普通にしてれば大丈夫や。落ちることはない……)


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 02:13:57 ID:pxXAEswmP

ウィーン

怜「あ、あの……すみません……っ」

店員「はい?」

怜「き、いや……ほ、ほんじちゅ……」

店員「??」

怜(うぅ……落ち着くんや自分……)

怜「ほ、本日アルバイトの面接に参りました、園城寺怜と申します」

店員「あぁ、ちょっと待っててね」

怜「は、はい」

怜(ホッ……)


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 02:17:57 ID:pxXAEswmP

店員「それじゃあとはお願いします、店長」

怜「……」ゴクリ

藤田「……私が店長の藤田だ。よろしく」

怜「よ、よろしくお願いします……」

怜(なんかどっかで見たことあるような……ていうか怖っ)

藤田「名前は?」

怜「お、園城寺怜と申します」

藤田「ふーん……大学生?」

怜「は、はい」


113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 02:22:24 ID:pxXAEswmP

藤田「一人暮らし?」

怜「はい」

藤田「どうしてうちを選んだの?」

怜「い、家から近かったので……」

藤田「……アルバイト経験は?」

怜「な、ないです、はい……」

藤田「……」

怜「……」ゴクリ


115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 02:27:37 ID:pxXAEswmP

藤田「……よし、合格。明日これる? 印鑑持って」

怜「は、はい……!」

怜(やった……やったで竜華!)

藤田「色々書類書いてもらうから。あといつ働けるか教えてくれ。時間帯も」

怜「わ、わかりました」

------------------------------------

怜「ふぅ……」

??「お疲れさん」

怜「っ!? せ、セーラ……?」

セーラ「おう」

怜「ど、どうしたんや。こんなとこに」


116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 02:31:14 ID:pxXAEswmP

セーラ「いや、さっき竜華から怜がバイトの面接行くって聞いてな」

怜「あ、そっか……セーラのバイト先……」

セーラ「あぁ、すぐそこの居酒屋。せやからちょっと様子見に来たんや」

怜「そっか、わざわざありがとな」

セーラ「ええって。その様子やと受かったんやろ?」

怜「まぁな」

セーラ「よかったやん、がんばれよ」

怜「うん……」


117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 02:37:15 ID:pxXAEswmP

セーラ「よっし、怜のバイト合格を祝してうちの店でパーッとやるか!」

怜「ええっ……」

セーラ「ええやんええやん、竜華とか洋榎も呼んでさ!」

怜「んなおおげさな」

セーラ「あ、もしもし洋榎か? あのさぁ……」

怜「って聞いてへんし……」

怜(まぁええか……今日くらい竜華も許してくれるやろ)


130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 06:10:37 ID:mqBnDWEb0

モモとか普通に就職不可能だよね


134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 07:51:49 ID:E4hS4sjuP

>>130
ネットで盗撮画像売ってそう


138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 09:16:48 ID:pxXAEswmP

居酒屋にて

セーラ「じゃあ怜のバイト合格を祝って、かんぱーい!」

洋榎「いえーい!」

怜「なんかバイト受かった程度で祝賀会される自分が情けなくなってきたわ……」

竜華「ええやないの。素直に喜んどき」

泉「そうですよ。これから就活も始まるし、大変でしょうけど頑張ってください」

洋榎「おい泉、そのワードを口に出すなや! 酒がまずくなる!」

セーラ「そうやそうや!」

竜華「こいつらは……」

怜「あははっ」


139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 09:29:30 ID:pxXAEswmP

翌日

怜「こ、こんにちはー」

藤田「お、きたな」

藤田「じゃあそこ座って、こっちとそっちに必要事項を書いてくれ」

怜「はい」

カリカリ...

藤田「……あんた、今日から働ける?」

怜「へ? あ、あぁ……大丈夫ですけど」

藤田「悪いね、人手不足だからさ」

藤田「じゃあこのあと2時間くらい働いてもらおうか。タイムカードはまだできてないから、あとでこの用紙を提出してくれればいい」


140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 09:37:05 ID:pxXAEswmP

藤田「新入りの園城寺だ。よろしくしてやってくれ」

怜「園城寺です。よろしくお願いします」

はやり「あら、かわいい子~☆ まぁはやりの方がかわいいけど(ボソッ よろしくね~」

晴絵「私は赤土晴絵だ。よろしく」

藤田「赤土、とりあえずこいつに基本的なことを教えてやってくれ」

晴絵「わかりました」

怜「よろしくお願いします」

晴絵「うん、じゃあ軽く品出ししてもらおうかな」


141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 09:43:09 ID:pxXAEswmP

怜(この赤土さんって人はええ人そうやな……)

晴絵「これとこれを台車に積んでっと……」

怜「あ、うちもやります」

晴絵「お、悪いね」

晴絵「……それじゃ、私についてきて。ちなみにバックから出るときは『いらっしゃいませ~』な? 元気よく」

怜「い、いらっしゃいませ~」

怜(は、恥ずかしいな……)

晴絵「そうそう。最初はこっぱずかしいけど、そのうち慣れるから」


143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 09:49:46 ID:pxXAEswmP

晴絵「これはそっち。これは……あっちか」

晴絵「品出しのとき注意してほしいのは賞味期限。できるだけ奥に新しいのを突っ込むようにしてな」

晴絵「あと、期限切れてるやつは除けといて」

怜「あの……うち、背が低くて上の棚に届かないんですが、どうすれば……」

晴絵「あぁ、それだったらこの空ケースひっくり返して使って」

怜「あぁ、なるほど」

晴絵「わからないことがあったら何でも聞いて。それじゃ頑張って」ポンッ

怜「はい」


144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 09:57:41 ID:pxXAEswmP

2時間後

晴絵「園城寺さん、もうあがっていいよ」

怜「あ、はい」

晴絵「ありがとね、おかげで助かったよ」

怜「いえ、うちの方こそ何から何まで教えてもらって……」

晴絵「初めは誰だってそんなもんさ」

怜「はい」

晴絵「それじゃお疲れ。帰るときは警備の人に荷物チェックしてもらってな」

怜「わかりました、お先に失礼します」ペコリ


145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 09:59:14 ID:pxXAEswmP

怜「ふぅ……」

怜(久々に体動かしたな……明日は筋肉痛かも)

怜(でもまぁ、意外と力仕事って感じでもないんやな……)

怜(これなら何とか続けられるかも……接客もないし)

怜(竜華、うちがんばるで……!)


170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 17:41:40 ID:pxXAEswmP

そして一週間がたち……

怜「はぁ……ただいま~」

怜「って誰もいないか……疲れたわ」ゴロン

怜「でもだいぶ覚えてきたな。商品の場所とか」

怜「週4はけっこうきついけど、これも竜華のことを思えばなんてことあらへん」

ピピピッ

怜「ん、メールか」

『怜、バイトお疲れさん。就活はどう、進んでる? 自己PR書いた?
うちは来週から説明会に参加し始めるよ。怜も早め早めの行動が大事やで。
ただ体調には気をつけえよ。それじゃあまた月曜に学校で 竜華』


172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 17:49:48 ID:pxXAEswmP

怜「就活か……そういえば、登録したっきり特になんもやってないなぁ」

怜「就活するためにスーツ買って、バイト始めたのになぁ」

怜「なんか本末転倒な気がするわ」

怜「やらなあかんのはわかっとるんやけど、なんか気が進まへん……」

怜「今は眠さが限界や。起きてからいろいろ考えよう……」

スヤスヤ...


173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 17:52:37 ID:pxXAEswmP

さらに一週間後……

怜「ふぁあ……」

竜華「なんや寝不足?」

怜「うん、今日の課題やっとったら全然寝る時間なくて」

竜華「だからあれだけ早めにやっとけって言うたやん」

怜「反省してます……」

セーラ「ところでもうすぐクリスマスやなぁ」

竜華「なんよ急に」

セーラ「いやぁ、お二人さんはどっかでかけるんかなぁと思いまして」


175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 17:57:35 ID:pxXAEswmP

竜華「な、なにバカなこと言うてんの! うちと怜はそんなんやあらへんから!」

セーラ「そうなんかぁ?」

竜華「そ、そうや! なぁ、怜?」

怜「へ? ……あ、ごめん。聞いてへんかった」

竜華「……やっぱりあんた少し寝た方がええんやないの? 顔色も悪いで」

怜「そうか? ……じゃあ竜華が膝枕してくれる?」

竜華「な、なにバカなこと言うてんの。大学でそんなことできるわけないやろ」

怜「そっか……残念やなぁ」

セーラ「アッツアツですなぁ」ニシシ

竜華「あんたは黙れ」ゴスッ


176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:08:10 ID:pxXAEswmP

セーラ「そういや竜華はもう就活始めとるんやっけ?」

竜華「まぁな。まだ説明会に参加してる段階やけど」

セーラ「あいっ変わらずマジメやなぁ」

竜華「あんたも今からやらへんと後悔するで」

セーラ「俺はまだええって。先輩も春休み入ってからで十分間に合うって言うてたし」

竜華「そんな一人の先輩の言うことなんて当てにしたらあかんやろ。就活は人それぞれなんやから、そうやってセーラもうまくいくとは限らへんで」

セーラ「大丈夫やろ~。なんとかなるって」

竜華「まったく……怜を見習いや」

怜「?」


177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:13:03 ID:pxXAEswmP

セーラ「なんや、怜ももう始めたん?」

竜華「始めたって言うてたで。なぁ、怜?」

怜「え、えっと……」

怜(もしかして一昨日のメール……適当に生返事したんを勘違いされたんかな)

怜(でも、ここでやってないって言うたら竜華に怒られるかもしれへんし……)

怜「う、うん。いくつか説明会も回ったで」

セーラ「ええ~、お前はこっち側の人間やと思うてたのに~!」

竜華「怜はやるときはやるんや。な?」

怜「ま、まぁな」


179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:21:06 ID:pxXAEswmP

セーラ「どんなとこ回ったん?」

怜「ぶ、文房具メーカーとか」

竜華「消しゴム作ってる会社とか言うてたな」

セーラ「消しゴムっちゅうとあれか。『MOMO』とか?」

怜「そ、そうそれ。その会社受けるつもりや」

竜華「うん、がんばり。ほら、あんたも怜を見習ってちゃんと就活しい」

セーラ「ええ~」

竜華「ええ~やない!」

怜(セーラ、ごめんな……)


180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:28:22 ID:pxXAEswmP

さらに一週間後……大学は冬休みに入った。

うちは休みの間はほとんどバイトを入れてて、就活のことなどほとんど頭にはなかった。
クリスマスやお正月には部活のメンバーでパーティをやったりしたけど、竜華はチラッと顔を見せただけですぐに帰ってしまった。
就活のこともそうやけど、たぶん休み明けに控えている定期試験の勉強をやるためやと思う。
うちはそんな竜華に後ろめたい気持ちを感じながらも、なんとかそこから目をそらしてきた。

そして短い休みも終わりを迎え、試験期間に入った。


182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:31:40 ID:pxXAEswmP

セーラ「やべえ……全然できへんかった」

怜「うちもや……」

竜華「ちゃんと勉強せえへんから。自業自得や」

セーラ「うあああっ! 進級できへんかったらどうしよう!」

竜華「そんときは漫や絹恵と一緒にもう一年間お勉強やな」

セーラ「いやや、そんなんイヤやわ!!」

竜華「怜もやで。内定もらっても留年したり卒業できへんかったら意味ないからね」

怜「そ、そうやね」


184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:43:02 ID:pxXAEswmP

怜(あぁ、試験結果が気になってバイトにも集中できへんわ……)

晴絵「どうした? なんかそわそわしてるけど」

怜「あ、すんません」

晴絵「いや、いいけどさ。なんかあったの?」

怜「いえ、大学の試験が気になって……」

晴絵「あぁ、なるほど。もしかして出来悪かった?」

怜「正直あんまり……」

晴絵「う~ん……まぁ、今さらくよくよしたって仕方ないしなぁ」

晴絵「体動かしてればそのうち気分も晴れるって。元気出せ、な?」

怜「そう……ですね」


185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:49:11 ID:pxXAEswmP

怜「ふぅ……くたくたや」

怜「なんか面白い番組やってへんかな……」ピッ

恒子『では次のニュースです。昨年12月から本格化した企業の採用活動ですが……』

怜「うっ……」ピッ

怜(なんか就活の話題きくだけでうんざりやわ……とにかく今はやっと試験が終わったんやし、少しリラックスしたい)

怜「これから春休みか……竜華と遊びたいけど、とても誘える雰囲気やないなぁ……」

怜「部室に行けばセーラたちがいるやろし、まぁええか」


187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:55:01 ID:pxXAEswmP

春休み3日目

ガチャ

泉「あ、園城寺先輩」

絹恵「こんにちは」

怜「お、二人だけか。セーラたちはいないん?」

泉「なんか洋榎先輩とスキー行くとか言うてましたけど」

怜「元気やなぁ、あの二人……絹ちゃんはいかへんでよかったん?」

絹恵「うち、サッカー以外のスポーツがからっきしで……なんで今回はパスしました」

怜「なるほど」


188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 18:57:35 ID:pxXAEswmP

ポチポチ...バコーンバコーン

泉「そういや先輩、就活どんな感じです?」

怜「っ!」

泉「? どないしたんです?」

絹恵「泉ちゃん、無神経すぎるで!」ボソッ

怜「え、ええってええって。ぼちぼちやってるで」

絹恵「あ、そうなんですか(ホッ がんばってくださいね」

怜「うん……」


189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:01:42 ID:pxXAEswmP

春休み10日目

ガチャ

怜「ん、今日も二人だけか……ていうか泉、あんた毎日いるなぁ」

泉「そ、そんなことないですよ!」

漫「いえ、毎日いますね」

泉「上重先輩まで!」

怜「そういえば最近、由子も見なくなったなぁ」

漫「真瀬先輩は就活やって言ってました」

怜(そうか……さすがにみんなそろそろ始める時期やもんな)


191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:13:49 ID:pxXAEswmP

春休み25日目

チュンチュン

怜「寒い……布団から出たくない……」

怜「今日はバイトもあらへんし、このまま二度寝しよ……」

ピピッ

怜「メールか……」

『怜、もし予定が空いてたらお昼食べに行きませんか? 返事待ってます 竜華』

怜「竜華からか……久々に会いたいし、オッケーって返事しとこ……」


193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:16:44 ID:pxXAEswmP

怜「あ、竜華」

竜華「怜、久しぶりやね」

怜「そうやな。一か月ぶりくらい?」

竜華「お互いに就活で忙しかったもんなぁ」

...ズキン

怜「……」

竜華「怜の方は最近どんな感じ?」

怜「え……ま、まぁぼちぼちってとこかな」

竜華「ちゃんと栄養のあるもん食べてる? またカップ麺ばっかやったりしないやろな」

怜(な、なんでバレとるんや……)


194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:20:30 ID:pxXAEswmP

カランコロン

マスター「いらっしゃい」

竜華「二名で」

マスター「空いている席へどうぞ」

怜「偉い小さいとこやな」ヒソヒソ

竜華「けっこう穴場なんよここ。パスタが絶品やで」

竜華「それでどう? 就活進んでる?」

怜「う、う~ん……竜華は?」

竜華「うち? うちはまぁあんまりいいとは言えんけど、選考は進んでるで」

怜(あんなに早く始めた竜華でも苦労してるんや……)


196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:26:44 ID:pxXAEswmP

竜華「それで、あんたは?」

怜「う、うん……まぁ竜華とおんなじ感じかな」

竜華「どんなとこ受けてるん? やっぱりメーカー狙い?」

怜「せ、せやね。前言った文房具のとことか……」

竜華「あぁ、まだ選考始まってなかったんやな。ディスカッションとかあった?」

怜「でぃ、でぃすかしょん……?」

竜華「グループディスカッション。ほら、なんかお題で討議するやつ」

怜「あ、あぁ! あれな、やったやった……」

怜(や、やばい……会話について行けへん……)


197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:30:55 ID:pxXAEswmP

竜華「あれは一緒になったメンバーとの相性もあるからなぁ」

怜「そ、そうやね……」

竜華「キャリア支援課で面談の練習はしてる?」

怜「し、してるしてる。あれええよね」

竜華「そうかなぁ……担当者によっていうこと違って、うちはあんまり参考にならへんかったわ」

竜華「それよりうちは実際に場数を踏む方が大事やと思うで」

怜「そ、そうやね……」

竜華「あとな、昨日受けた面接で……」カクカクシカジカ


198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:37:16 ID:pxXAEswmP

怜宅

怜「……あかん、うちもそろそろはじめんとホンマあかん」

怜「よし、まずは就活サイトで検索してみよう」

怜「文房具メーカー……っと」

怜「あ、ここええ感じやな。名前聞いたことあるわ」

怜「……ふんふむ。売上300億って良い方なんやろか……よくわからへんわ」

怜「とにかくエントリーっと……」カチッ

怜「あとは説明会……って、もうおわっとる」

怜「こっちも……こっちも……」

怜(あかん……)


201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:41:45 ID:pxXAEswmP

怜(やっぱり始めるんが遅すぎたんか……)

怜「そうや、スーパーとかどうやろ……小売って分類なんか」

怜「あ、ここは説明会まだやっとる。……あ、ここも」

怜「なんや、まだ探せばいくらでもあるやないか」

怜「よし、とりあえず来週の予定は全部埋めたで!」

怜「……」

怜「や、やっぱり二日くらい開けとくか。バイトもあるし、体力持たへんと困るからな」


202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:44:29 ID:pxXAEswmP

説明会1社目

怜「電車で1時間……けっこうな距離やな」

怜「でも実家からやと割と近いかも……」

スタスタ...

怜(ここか……)

学生「……」ゾロゾロ

怜(あれ、みんな就活せいか……みんな真っ黒スーツで変な感じや)

怜(うちはこれから、あの連中と戦っていかなあかんのやな……)ゴクリ

怜(よ、よし……いくで)


204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 19:53:55 ID:pxXAEswmP

人事「ええ、我社の強みはですね、なんといっても……」ウダウダ

怜(せ、説明長いなぁ……あとこんなんが1時間もあるんか)

カリカリ...

怜(周りの子たちはメモとってたりするけど、うちもやった方が人事の人の心象もよくなるんやろか……)

怜(みんなわざわざノート用意してきとる……うちもあとで買うか)

人事「では、ここまでで何か質問はありますか?」

学生「……っ!」バッ

怜(……っ! び、ビビった……)

人事「はい、じゃあそこのあなた」

安岡「はい、福本大学の安岡と申します! 本日は貴重なお時間ありがとうございました!」

安岡「御社の今後のビジョンについてお聞かせください!」


206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 20:18:37 ID:pxXAEswmP

すまん、メシ行きます


219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 21:10:56 ID:pxXAEswmP

人事「ええ、我社はですね……」ウダウダ

安岡「はい……はい……っ」カリカリ

怜「……」

怜(すごいな……これが就活か)

怜(説明会なんて重要やないと思っとったけど、もうすでに戦いははじまっとるんや……)

人事「……それでは、これにて説明会を終わりたいと思います。どうもありがとうございました」

怜(あ……終わってもうた)


222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 21:39:40 ID:pxXAEswmP

怜宅

怜(うちは舐めとった……就活ってやつを)

怜(待っていてもチャンスは来ない……自分から動いてかなあかんのや)

怜「よし、一念発起や! とりあえず今日の会社の履歴書書くで」

カリカリ...

怜(えっと……次の項目は)

怜「し、資格……?」

怜「そういえばうち、資格なんて一つも持ってへん……TOEICも散々やったし」

怜「……あ、そういえば中学のとき漢検2級とったことあったな」

怜「ちょっと恥ずかしいけど、あれ書いておくか……」カリカリ


224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 21:46:09 ID:pxXAEswmP

怜「遂に来たか……自己PR」ゴクリ

怜「うちにはどんなPRポイントがあるんやろか……ノートに書きだしてみよか」

怜「……」

怜「……」

怜「……」

怜「……ない、うちにはなんにも自慢できることがない……空っぽの人間や」

怜「今までの大学3年間で、うちは何をしてきたんや……?」

怜「ただ竜華たちと遊んで、部室でだべって、麻雀してただけやないか……っ!」

怜「こんな真正のカス人間……いったいどの会社がもらってくれるっちゅうんやろか……?」


235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:19:27 ID:pxXAEswmP

やっぱ>>231の訂正はなかったことに・・・

>>230の自己PR 大幅訂正

私は大学で所属していた部活で、仲間との絆を大切にしてきました。
高校では麻雀部としてインターハイに出場し、ベスト8入りを果たしました。
結果を出せなかったことに対する悔しさはもちろんあります。
けれど、私はこの大会を通じて仲間と助け合うこと、そして努力することの大切さを学びました。
大学では大会にこそ出場しませんでしたが、文化祭や体育祭といった行事の中で、仲間とのチームワークを深めてきました。
私は仕事を通じてこうした経験を活かしていきたいと考えています。


232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:14:27 ID:pxXAEswmP

怜「よし、あとはそれらしい志望動機を書いて……っと」カリカリ

怜「……できた!」

怜「あ、コピーとっとかんとな」

・・・

怜「封筒に入れて、添え状も書いて……ポストに投函や!」シュッ

怜「これでバッチリやな。あとは明日の説明会の準備して寝よう」

怜(あれ……なんか今まで寝るときに感じてた焦燥感みたいなもんがまるでない……)

怜(そうか……あれはたぶん、うちが就活っちゅう現実から目をそらして逃げてきたからなんやろな)

怜(実際やりだせばどうってことないやないか……! このまま内定もさくっといただくで!)


236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:30:30 ID:pxXAEswmP

翌日・某社説明会

人事「えーそれでは、これからみなさんにはグループワークをしてもらいたいと思います」

人事「お題は、『○○の商品の売り上げが悪いです。どうしたらこの商品の売り上げを伸ばすことができるか』です」

人事「○○に関してはそれぞれ班によって異なるので、お手元にあるボードを参照してください」

人事「それではこれより約20分間。始めてください」

怜(うちのメンバーは全員女の子か……)

怜「よろしくお願いします。大阪女子大の園城寺です」

エイスリン「ヨロシク!」

胡桃「よろしくね」

白望「……ダル」


239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:34:19 ID:pxXAEswmP

怜(なんか不安になるメンツやな……)

胡桃「エイちゃん、お題は?」

エイスリン「……」サササッ...バッ

胡桃「ふーん、自転車かぁ」

怜「あんたたち知り合いなん?」

胡桃「まぁね。こっちのダルそうなのも」

白望「……」

怜(な、なんかマイペースな三人組やな……)

胡桃「それで、自転車ってどんな自転車なの?」


242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:38:14 ID:pxXAEswmP

怜「えっと……フレームがライトグリーンで、LEDライト付き。価格は12800円って書いてるなぁ」

エイスリン「アト、パンクシニクイ!」

胡桃「へえ、じゃあそこを売り出してけばいいね」

怜「LEDライトってなんやろ……」

胡桃「さぁ? そこはどうでもいいんじゃない?」

白望「……たしか、光が強い」

怜「あ、そうなんや」

胡桃「夜だとより安全ってわけね」

エイスリン「ミドリ、ミヤスイ!」


245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:41:58 ID:pxXAEswmP

発表

怜「というわけで、こうした機能性を店内でアナウンスしたりすることで、
お客さんに認知してもらって、購買意欲に繋げていくのがベストやと思います。以上です」

パチパチ

人事「なるほど、よくわかりました。それじゃあ次のグループお願いします」

胡桃「お疲れ」

エイスリン「ヨカッタ!」

怜「うん、さんきゅうな」


247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:46:47 ID:pxXAEswmP

説明会後

怜「ほな、お疲れさん」

エイスリン「アディオス!」

胡桃「また次の選考で会いましょ」

白望「じゃ……」

スタスタ...

怜「まぁまぁの出来やったかな。まさか発表者を任されるとは思わんかったけど、意外と緊張せんかったし」

怜「しっかし午前中に選考込みの説明会受けると、午後がもたへんなぁ……」

怜「……やっぱり午後の奴はええか。キャンセルしとこっと」ポチッ


251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 22:53:57 ID:pxXAEswmP

数日後

怜「……」ペラッ

『慎重に検討させていただきましたが、残念ながらご期待に添えない結果となり……』

怜「……落ちたんか……うち」

怜「……ま、まぁ1社目やったしな! けっこうでかい会社で倍率も高かったし!」

怜「……」

怜「……はぁ」

怜「バイト、休むか……」


254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:01:22 ID:pxXAEswmP

それからしばらくは説明会に参加し、書類審査で祈られるといったことが続いた。

しかし……

怜「……やった、やったで! やっと受かった!」

怜(たかが書類審査やけど嬉しい……次は面接か)

怜(キャリア支援課にでも行って練習してこようかな……)

怜「そうや、竜華に連絡しよ!」ピッピッ

prrrrr...


255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:04:35 ID:pxXAEswmP

竜華「もしもし、怜?」

怜「竜華、遂に受かったで!」

竜華「え、ほんま!? おめでとう!」

怜「まぁ1次審査やけど」

竜華「って1次審査かーい!」

怜「うん、でも嬉しい……」ブルブル

竜華「……」

竜華(そうか、怜……もしかしてこの子今まで……)

竜華「……ふふ、よかったな怜。自信持ちぃ」

怜「竜華、ありがとな……うち絶対に受かるで!」


256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:07:22 ID:pxXAEswmP

面接当日

怜「よし、気張ってくで……」

スタスタ...

人事「あ、こんにちは」

怜「こ、こんにちは。大阪女子大からきました園城寺と申しますっ」

人事「園城寺さんね……」カリカリ

人事「うん、じゃあそこの控室で待っていてくれるかな?」

怜「はい、わかりました」


260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:17:42 ID:pxXAEswmP

ガチャ

怜「失礼しまーす……」

久「あら、こんにちは」

蒲原「ワハハー、いらっしゃーい」

怜「どうも」

久「あなた説明会のとき見たわね」

怜「あ、ほんまです?」

久「ええ、私は後ろの方だったからあなたからは見えなかったかもね」

蒲原「ちなみに私もいたぞー」


261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:20:56 ID:pxXAEswmP

久「内定はもう出た?」

怜(こ、この人グイグイくるなぁ……別にええけど)

怜「ま、まだです。そっちはど……」

コンコン

久「は~い」

人事「どうもお待たせしました。こちらへどうぞ」

蒲原「ワハハー、死地へ赴くとするかー」

久「まだ気が早いわよ、まったく」

怜「……」ゴクリ


262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:23:54 ID:pxXAEswmP

人事「本日は集団面接です。竹井さん、蒲原さん、園城寺さんの順番でお願いします」

人事「戦闘の竹井さんは、3回ノックしてから入るようお願いします」

久「わかりました」

コンコンコン

久「失礼します」

怜(適度に張りのあるええ声やなぁ……)

蒲原「失礼するぞー」

怜(……)

怜「し、失礼します」


269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:43:12 ID:pxXAEswmP

久「東大大学の竹井久です。本日はよろしくお願いします」

怜(うわ、めっちゃエリート大学やん……)

蒲原「蒲鉾大学の蒲原智美です。よろしくー」

怜(……)

怜「大阪女子大の園城寺怜です。よろしくお願いします」

面接官「はい、よろしく。おかけになってください」

三人「はい」ストン

面接官「では、初めに我社を志望した理由を竹井さんからお願いいたします」

久「はい、私は自分で決断したことに対し責任感を持って最後までやり抜くことをモットーにしています。
高校では学生議会長、大学では学生会の執行部長を任され、学内の部活動・サークルの統括、また学内行事においては……(ry」

怜(な、なんやこの人……すごすぎる……)


271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:49:11 ID:pxXAEswmP

>>269
訂正

面接官「では、初めに我社を志望した理由を竹井さんからお願いいたします」

→面接官「では、初めに自己PRを竹井さんからお願いいたします」


273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/31 23:51:26 ID:pxXAEswmP

面接官「はい、竹井さんどうもありがとうございました……では次に、蒲原さんお願いします」

蒲原「私は高校では部長をやってたぞー。まぁ実質ゆみちんが部長みたいなもんだったけどなー
あ、ゆみちんっていうのはなー、私の高校の時からの友達で(ry」

怜(こっちはこっちでなんなんや……)

怜(アカン……調子が狂う……)

・・・

面接官「では園城寺さん、お願いします」

怜「は、はい。うち……やなくて、私は高校の時の部活で……(ry」


280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 00:29:43 ID:4nO38pj4P

怜(はぁ……終わった)

蒲原「ワハハ……疲れたぞー」

久「お疲れ様、二人とも」

怜「あんた、すごいなぁ……学歴といい、受け答えの仕方といい……」

久「そうかしら? 自分ではあまり意識したことないけど」

怜(自覚なしか……)

怜「さっき聞けなかった質問なんやけど、あんたは内定もろてるん?」

久「うーん、一応5社くらいからね。でもどこもパッとしないのよねぇ」

怜「」

久「それじゃ、お互いに頑張りましょ」


281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 00:32:33 ID:4nO38pj4P

蒲原「ワハハ、無自覚な嫌味ほどきついものはないなー」

怜「そ、そやね……ちなみにあんたは?」

蒲原「わたしか? もらってると思うかー?」

怜「ううん……思わへん」

蒲原「アタリだぞー。ワハハ」

怜「……」

怜(なんか……自分に自信失くしてきたわ……)

怜(あんな化けもんみたいな学生がわんさかいる中で、うちは戦っていけるんやろか……)


283: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 00:40:31 ID:4nO38pj4P

その日から、うちはやる気と自信を見失い、遂には説明会にすら参加しなくなった。
※ちなみに、初面接の企業は当然のように落ちた。
バイト先と家を往復する毎日……何のためにお金を稼いでいるのかも忘れていった。
学校がもうすぐ始まる……同級生たちと顔を合わせるのが怖い……。
そんな思いからうちは外に出るのもイヤになり、引きこもりになった。


288: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 00:46:07 ID:4nO38pj4P

4/12

チュンチュン

怜「……」

怜(今、何日やったっけ……もう学校始まったんかな)

怜(期末試験の結果すら確認してへん……どうなったんやろ)

怜「まぁ、進級なんてできても内定もらえないんじゃ意味ないけどな……はは」

ブブブッ

怜「メールか……そういえばずっと確認してないな」

『清水谷竜華 元気にしてますか?』
『清水谷竜華 ちゃんとご飯食べてますか?』
『清水谷竜華 ちょっと気分転換に出かけへん?』

怜「竜華……」


291: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 00:54:13 ID:4nO38pj4P

怜「……っ、竜華ぁ……」ポロポロ

怜(竜華に会いたい……あったかい太ももで膝枕してほしい……)

怜(こんなに自分を想うてくれてる友達がいるのに……うちはメールせんと……)

怜(竜華はきっと、こんな最低なうちのことも暖かく迎え入れてくれるやろな……)

怜(けど、もし竜華が内定もらってたとして、うちは素直にそれを喜べるんやろか……嫉妬したり奴当たったりしないやろか……)

怜(うちは、それが怖い……っ)

ピーンポーン

??「怜? おる?」

怜(り、竜華……!?)


293: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 00:56:43 ID:4nO38pj4P

竜華「怜、いるんやろ? うちやで、竜華やで」

怜「……」

竜華「どうせロクなもん食べてないやろと思うて、ご飯持ってきたで。一緒に食べよ」

怜「……」

竜華「怜、返事して」

怜「……」

怜(ごめん……竜華……)

竜華「……」


295: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:01:18 ID:4nO38pj4P

シーン...

怜「もう……行ったかな」

ブブブッ

怜「っ! な、なんや電話か……」

怜(もしかして竜華か……?)

怜「……店長?」

怜(そういえば、最近はバイトもずっと行ってなかった……休みの連絡は一応入れてたけど)

怜(出ようか……どないしよ……)


296: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:04:23 ID:4nO38pj4P

怜「あっ……」

怜(通話ボタン押してもうた……!)

『ばっかやろーーーーーーーーっ!!!』

怜「っ!?」ビクッ

『いつまで心配かけるつもりだ! 早く戻ってこい!』ガンッ

怜(し、心臓止まるかと思うたわ……)ドキドキ

『……園城寺さん、聞いてる? 私、赤土だけど……』

怜「あ、赤土……さん……」


298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:11:31 ID:4nO38pj4P

晴絵『最近ずっと休んでるよね……』

怜「……」

晴絵『ただの体調不良じゃないってのは、もうわかってるつもり』

晴絵『何があったか私は知らないけどさ……』

晴絵『辛いとき、苦しいときってのは誰にだってあると思う』

晴絵『でもそこから目を逸らすってことだけが、果たして本当に正しい選択なのかな……?』

晴絵『向き合うのは誰だって怖い。でも一人でじゃなく、誰か友達や家族が一緒だったら……ほら、なんかできそうな気がしてこない?』

晴絵『さっきは店長も怒ってる様子だったけど、本当は心配してるんだよ。瑞原さんもね』

晴絵『だから何かあるんなら私たちを頼ってもいい。3か月程度の付き合いだけど、私も周りのパートの人たちも、園城寺さんのこと大事な仲間だと思ってる』

晴絵「それに、あなたにも大切な友達がいるでしょ?」

怜「……っ、うぅ……」ポロポロ


302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:16:47 ID:4nO38pj4P

晴絵『がんばれなんて無責任なことは言わない。だけどもっと楽になれ』

晴絵『私たちはあなたの帰りをいつでも待ってるからさ』

怜「……はい」

晴絵『じゃあね。切るよ』

ピッ

怜「……ありがとう、赤土さん……店長……」

怜「よし、竜華に謝らんと……今ならまだ間に合う!」

ダダダッ...ガチャ

セーラ「お、きたな」

怜「せ、セーラ!? それに……」

竜華「怜……」


304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:20:42 ID:4nO38pj4P

怜「あの……えっと」

怜(あかん……久々でうまく声が出せへん)

竜華「怜……怜ぃっ!」ダキッ

怜「りゅ……か……」

竜華「ほんとに心配したんよ……! 怜のバカ!」

セーラ「こいつ、何度も怜んちの前にきては帰っていくっちゅうんを繰り返しててな」

怜「そ、そうか……うちのせいで……」

竜華「あんたのせいやない……うちが臆病やったから」


308: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:27:52 ID:4nO38pj4P

セーラ「俺も……心配しとったで、まったく」

怜「ごめん……でもうち、頑張るから。もう心配せんでええよ」

竜華「そっか……よかった……っ」

セーラ「怜、俺から一つアドバイスしとくとな」

怜「?」

セーラ「就活なんてただの運! 結局は人事と肌が合うか合わないかの相性占いみたいなもんや」

セーラ「だから一個落ちてもパパッと次へ切り替えてったらええねん」

怜「……うん」

セーラ「自信失くすこともあるかもしれへんけどな、うちらは怜がええ奴やってこと知ってる」

セーラ「だから怜は俺たちを信じればええ。怜のこと信じてる俺たちをな」


313: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:35:12 ID:4nO38pj4P

竜華「偉そうに言うけどあんたもまだやってる最中やろ」

セーラ「う、うるせえな! ほっとけ」

怜「セーラ……ありがと。それに竜華も」

竜華「怜、辛くなったら私たちをいつでも頼ってや。友達なんやから」

セーラ「そうやそうや」

竜華「いくらでも面接の練習したる。ご飯も作ったるで」

怜「嬉しい……ありがと、竜華」ギュ

竜華「怜……」

怜(そうや……うちには竜華たちがおる……)

怜(就活って一人でやるもんやと思ってた……けど、うちは間違ってた)

怜(それを赤土さんやみんなが教えてくれた……)

怜(ほんま、うちは幸せもんや……ありがとう)


314: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:40:31 ID:4nO38pj4P

うち、がんばるで。

もし途中で挫けそうになっても、仲間が支えてくれる……。

『私は大学で所属していた部活で、仲間との絆を大切にしてきました。』

今なら本心からそう思える……。

だから……


怜「14卒のみんなも、まだまだ諦めず一緒に頑張ろうな」

カン


315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:42:30 ID:Y0WzPYWs0



316: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/01 01:42:42 ID:8Y1jZoIP0

竜華みたいな彼女がいたら頑張れるのに


スレッドURL: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1369916331/
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