ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

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千早「近付いたら飛び降ります」P「……そうか」




1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:14:31.49 ID:jnnS4MH7o

あいさつ回りから帰ってくると、事務所は慌ただしい雰囲気になっていた。
若い女の事務員は俺を見ると、その薄化粧の顔を気まずく歪めた。
「如月さんが屋上で、その……とにかく早く屋上に」

いらだたしい気分で非常階段を上る。運動不足の身体が悲鳴を上げた。
漸く屋上の扉の前まで来ると、もう、息切れしてしまってまともに身体を動かせなかった。
暫く背中を丸めて荒くなった呼吸を整えてから、扉を開けた。

P「よう、何してんだ」

千早「……近付いたら、飛び降ります」

SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1371266071
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:16:18.82 ID:jnnS4MH7o
曇り空のジメジメした空気の屋上。
俺の担当するアイドル、如月千早はフェンスのてっぺんにしがみついていた。
手を離して、バランスを崩したら、ビルの下までまっさかさまに落ちてしまうだろう。

それなのに、彼女の声は少しも震えていなかった。

P「……馬鹿じゃねぇのか」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:17:00.49 ID:jnnS4MH7o
千早「プロデューサー、あなたは言いました。
  二枚、アルバムを出した後は好きにさせる、と」

P「好きにさせるとは言ってない」

千早「……三枚目以降は私もプロデュースに参加させると」

P「そうだ、そうそう。そう言った」

千早「嘘をつきましたね」

P「睨むなよ。考えていた状況が、予想とは違ったんだ」

千早「もっともっと稼げると?」

P「端的に言えばそうかな」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:18:56.10 ID:jnnS4MH7o
千早「……これ以上あなたの操り人形でいるのは我慢できません」

P「我慢できなくて、それで、死ぬのか?」

千早「…………」

P「……給料、増やすか?」

千早「約束通り、次のアルバムから選曲、
  プロデュース等に参加させてください」

P「考えてやるから、とりあえず降りてこいよ」

千早「嫌です。要求を呑んでくれるまでは降りません。
  要求を呑んでくれなかったら飛び降ります」

P「面白いギャグだな」

千早「どっちだって、降りるのは同じですね」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:20:39.70 ID:jnnS4MH7o
P「……どう頑張っても次のアルバムからは無理だな。悪いけど。
  大分日程も詰めちゃったし」

千早「…………」

P「となると、その次からってなるけど」

千早「……そのくらいは譲歩しましょう」

P「俺は、お前を参加させる気はない」

千早「飛び降ります」

P「よせよ」

千早「嫌です。死にます」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:21:36.39 ID:jnnS4MH7o
P「……良いけど、飛び降りたら俺も後追って飛び降りるぞ」

千早「……脅しのつもりですか?別に構いませんよ。
  私、あなたみたいな拝金主義のリアリスト、嫌いですから」

P「俺だって、お前みたいな甘ったれのロマンチストは嫌いだよ」

千早「……前のプロデューサーは、もっと私のこと考えてくれた」

P「…………」

千早「売り上げだけじゃなくってもっと、他の大事なこと、見てくれた」

P「あいつはあいつで悩んでたよ」

千早「あなたに彼の何が……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:23:31.50 ID:jnnS4MH7o
P「結局全然売れなくて、あいつは県外の事務所に異動……。
  はっきり言えば、ここを追い出された訳だ」

千早「……私のせいだと?」

P「そうは言ってない。ただ、実力不足だったんじゃないかと」

千早「…………」

P「お前は素質も才能もあったよ。あいつもよく褒めてた」

千早「……仲良かったんですね。意外です」

P「まぁ、他のやつよりは余計に交際してた」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:25:17.19 ID:jnnS4MH7o
千早「…………」

P「……飛び降りる気持ちは残ってるか?」

千早「十分に。今すぐにでも逝けます」

P「じゃあ、俺も準備しないとな」

千早「……本当に後を追うつもりですか?」

P「お前が行く先、行く先、付いてって、今度はあの世で金儲けだ」

千早「最低ですね……」

P「お前みたいな金の卵を、簡単には手放せない」

千早「私のこと嫌いじゃないんですか」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:26:30.60 ID:jnnS4MH7o
P「嫌いだよ。それとこれとは別だ」

千早「…………どれくらいかかりますか」

P「……何がだよ」

千早「私がセルフプロデュースを任せてもらえるのは」

P「……今は土台作りだ。ファンの確保だけじゃない。
  あちこちにコネを作って、その時が来て、好き勝手出来るように」

千早「…………」

P「それから、お前の技術も念頭に置かないとな。
  全盛は多分、四、五年後だろう」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:27:29.04 ID:jnnS4MH7o
千早「それじゃあ」

P「そうだな、三年くらいは待ってもらう」

千早「三年……」

P「三年。お前のピークが始まる。その頃にはもう、
  売上のことは考えなくていいくらい稼げてるだろう。多分」

千早「…………」

P「待てるか?それとも、今ここで死んだって、俺は構わない」

千早「あの世までついてくるんでしょう?」

P「そのつもりだ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:28:25.51 ID:jnnS4MH7o
千早「そんなの嫌ですよ。死んだ後もあなたと一緒だなんて」

本当に嫌そうに言って、彼女はフェンスを降りた。
埃を払い、服の皺を伸ばし、身繕いをして俺の前に立つ。


千早「良いですよ。三年くらい我慢してあげます。
  でも、今度約束破ったら、本当に飛び降りますから」

P「今度は大丈夫だ。多分」

千早「三年、金儲けに付き合ってあげますよ。
  その後は私の自由にします」

P「お前は最初から自由だよ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/15(土) 12:29:29.27 ID:jnnS4MH7o
千早「……戻りましょう。みんなに謝らなきゃ」

P「頑張ってくれ。俺はまだ仕事が残ってる」

千早「一緒に謝ってくれません……?」

P「何で俺まで」

千早「あなたは私の担当でしょう」

P「…………」

千早「お願い」

P「分かった。分かった。一緒だ、うん」

千早「ありがとうございます」

P「じゃあ、行こう」

千早「はい」


13VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/06/15(土) 14:32:36.41 ID:VzRdV35yo

たまにはこういうブラックな部分を垣間見ることのできるSSもいいね

17VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/06/15(土) 20:02:58.26 ID:T8rXmBVJo
コミュばっかやっててランク上がらなかった次の周回で、
逆にコミュやらずにランクばっかり上げた末路っぽくていいんじゃないか?

http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1371/13712/1371266071.html
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