ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

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ハギヨシ「私は執事ですから」透華「!?」


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:16:48 ID:hoNUL6e20

――清澄高校・麻雀部部室……

久「それでは第三十回ヘタレ脱却委員会の会合を始めます」

和・京太郎「はい!」

久「さて、今日は定例報告の前に重大発表があるわ」

和「……」

京太郎「……」

久「――この度、須賀君が優希と旅行に行く事になりました!」パチパチ

和「おめでとうございます須賀君!」パチパチ

京太郎「あはは、こうやって祝ってもらえると照れますね……」

久「それだけあなたはすごい事を成し遂げたのよ、須賀君」

和「そうですよ、自慢ではありませんが私は咲さんと旅行なんて出来たとしてもまだまだ先の話になると思います」

久「私ももう少しかかるかも……なんせ私達はお互いに受験生だから、基本的にどちらかの家で過ごす事が多くなってきたし」


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:20:02 ID:hoNUL6e20

京太郎「部活の合間に短期バイトたっぷり入れた甲斐がありましたよ……俺頑張ってきますね!」

久「ええ、頑張りなさい男の子! それじゃあついでに今日の報告は須賀君からお願い」

京太郎「はい、この前ネト麻をしてたんですが……その時に優希を膝に座らせたんですよ」

久「へぇ、やるじゃない須賀君……やっぱり旅行なんて一大イベントが控えてると強くなるものなのかしら?」

和「体格差があるゆーきと須賀君ならではの話ですね……」

京太郎「でも優希、落ち着いて座るって事をしないもんだから色々大変だったんだよなあ……」

久「それは男の子ならではの悩みね……それじゃあ次は和」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:24:21 ID:hoNUL6e20

和「はい。 今日のお昼の事なんですが、咲さんに膝枕をさせてもらいました」

京太郎「膝枕かぁ……カップルになったからにはしてみたいよな」

和「咲さんはどうやら眠かったらしく、私の膝枕で眠ってしまったんですけど……頭を預けて無防備に眠るその姿が、なんだか私を信頼してくれてるような気がしてとても幸せな一時でしたね……」

久「なんかいいわよね、そういうの……私も美穂子に頼んでみようかしら」

京太郎「部長はどうなんです?」

久「私? 私は……ごめんなさい、特にないわ」

和「えっ、何もないんですか?」

久「確かに美穂子を家に泊めてから一緒にいる時間は増えた気はするけど……」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:29:57 ID:hoNUL6e20

――回想……

美穂子『久さん、起きてください……もう朝ですよ?』

久『ん、もう朝なの? はあ、また知らない間に眠っちゃってたみたいね……』

美穂子『ふふっ、朝ご飯出来てますからね』

久『いつも悪いわね……たまには私も手伝いたいんだけど』

美穂子『気にしないでください。 こうやって好きな人の為にご飯を作れて、私すごく幸せですから』

久『本当、美穂子はいい子ね……私にはもったいない気がするわ』

美穂子『そ、そんな事ありません。 私よくウザいって言われちゃいますし……』

久『そんなの美穂子が魅力的だから嫉妬してるだけよ。 あなたはいい子だし、とても素敵な女の子なのは間違いないわ……だ、だから私も……す、好きになったんだから』プイッ


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:34:44 ID:hoNUL6e20

美穂子『久さん……あ、ありがとうございます……』

久『べ、別にお礼なんて……』

美穂子『……』ドキドキ

久『……』ドキドキ

美穂子『あ、あの』

久『な、なに?』

美穂子『わ、私、お鍋を火にかけっぱなしなので戻ります。 久さんも冷めちゃう前に来てくださいね!』タタタッ

久『あ……』

久『あれだけムード作っても何一つ出来なかったか……はあ、自分のヘタレさ加減には嫌気がさすわね』

――回想終わり……

久「一緒にご飯食べたり、お喋りしたりはしてるんだけどどうもその先はね……」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:38:11 ID:hoNUL6e20

和「……」

京太郎「……」

久「もしかしたら私、一緒にいるだけで満足しちゃってるのかもしれないわ。 美穂子には申し訳ない気持ちもあるんだけどね」

和「……須賀君、どう思います?」ヒソヒソ

京太郎「……なんつうかさ、もうただのノロケじゃねえかこれ?」ヒソヒソ

和「ですよね……私達みたいに相手が積極的になるのを望んでるわけでもないみたいですし……」ヒソヒソ

久「あら? 2人共どうしたの?」

京太郎「いや……」

和「部長はもうそのままでいい気がしてきました……」

久「なんでそうなるの!?」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:41:52 ID:hoNUL6e20

咲「またやってますね……」

まこ「もう注意する気力も失せたわ。 こっちにも浮かれとるんが1人おるしな」チラッ

優希「や、やっぱりこういう時は布団の上で正座して待ってればいいのか? でも京太郎の事だから大して進展しない気もするしここは私から……でもでも、もし京太郎にはしたない奴だって思われたら……うあああ、私はどうすればいいんだじぇー!」ゴロゴロゴロゴロ

咲「優希ちゃん、楽しそうでいいなあ……」

まこ「……なあ咲、ちょっとええか?」

咲「はい?」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:47:21 ID:hoNUL6e20

まこ「優希が京太郎にリードしてもらいたいっちゅう気持ちは理解できるんじゃ、古臭い考えではあるが京太郎は男なんじゃしな」

咲「はあ」

まこ「じゃがあんたと和は同性同士、そういう垣根もないんじゃから咲から攻めればええんじゃないか?」

咲「えっ、私が、和ちゃんをですか?」

まこ「前に襲いたいのを我慢しとると愚痴っとったじゃろ? だったら、もう我慢なぞせず襲ってしまえ」

咲「……む、無理です」

まこ「は?」

咲「た、確かに襲っちゃいたいと思った事は何度もありますけど……実行はたぶん、出来ません……」

まこ「なんでじゃ」



咲「は、恥ずかしいじゃないですか……///」モジモジ


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:53:16 ID:hoNUL6e20

まこ「……あ?」

咲「わ、私から和ちゃんに色々するなんて考えただけで心臓止まっちゃいそうで……」

まこ「……」

咲「の、和ちゃんは結構押すタイプだと思ってましたから、そのまま任せれば大丈夫かなって……」

まこ「……はあ」

咲「そ、染谷先輩?」

まこ「とりあえずあんたらがお似合いなんはよーくわかった」

咲「そ、そんなお似合いだなんて……///」テレテレ

まこ(全く2人揃ってヘタレにも程があるわ……)

優希「染谷先輩! やっぱりこういう時イエスノー枕は必要なのか!?」

まこ「あんたは少し落ち着きんさい」ペシッ

優希「あう!」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 20:59:41 ID:hoNUL6e20

――後日・龍門渕高校……

衣「よく来たなののか!」

和「お久しぶりです、天江さん」

久「今日はご招待ありがとう。 こうして会うのは全国以来かしら……元気にやってた?」

純「まあ一部を除いたらいつも通りだな。 ちっと色々あって透華はいないんだが、まあゆっくりしてってくれ」

京太郎「あれ、国広さんもいないみたいですけど……?」

智紀「……あそこ」

京太郎「へっ?」

一「こんなのあんまりだよ、おかしいよ……」ドヨーン

久「……何かあったみたいね? 龍門渕さんがここにいない事と関係してるのかしら」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:05:16 ID:hoNUL6e20

衣「……今日ののか達を呼んだのもその事についてだ」

和「何があったんですか?」

純「実は透華の奴にお見合いの話が来たんだよ」

一「……」ピクッ

久「お見合い……」

智紀「もちろん透華はまだ二年生だからお見合い即結婚にはならない」

和「いわゆる婚約者という形になるわけですね」

一「ああああああ!!」

京太郎「!?」

一「透華が、透華がどこの馬の骨かもわからない男か女かは知らないけど婚約、結婚!? ありえないって!」

純「いや、少なくとも国広くんよりは産まれはしっかりしてるだろ」

一「はうっ!?」グサッ!


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:09:16 ID:hoNUL6e20

智紀「一撃必殺……」

久「大丈夫国広さん?」

一「透華ぁ……」

京太郎「と、とりあえず国広さんはそっとしておくとして……龍門渕さんはなんて言ってるんです?」

衣「腑に落ちぬのはそこだ」

京太郎「はい?」

純「いつもの透華ならギャーギャー騒いで抵抗するに決まってんのに、今回に限って妙におとなしいんだよ、あいつ」

和「つまりお見合いを嫌がっているわけではないという事ですか?」

智紀「それも違う……お見合いが決まった時透華はそれはもう嫌そうな顔をしていた。 相手についても会ったこともないと不機嫌そうだった」

京太郎「じゃあどうして……」

一「……あの人のせいだ」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:13:16 ID:hoNUL6e20

久「あの人?」

一「今ここにいない人だよ! 透華がどんな気持ちだったか知ってた癖にお見合いを後押ししたあの人のせいだ!」

京太郎「今ここにいないって……まさか」

衣「此度の見合い……透華に相談された折、承諾するよう進言したのはハギヨシだ」

京太郎「ハギヨシさんが!?」

純「オレ達も偶然透華とハギヨシさんの会話を聞いてた歩の奴から教えられるまで知らなかったんだけどな」

和「ハギヨシさんとは確か龍門渕さんの執事でしたよね?」

久「須賀君がタコス作りを習った恩人でもあったんだっけ?」

京太郎「はい……その縁でたまに色々教えてもらってたんですけど、まさかハギヨシさんが……」

京太郎(だったらなんでハギヨシさん、俺にあんな電話してきたんだ……)


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:17:56 ID:hoNUL6e20

――回想……

ハギヨシ『須賀君ですか?』

京太郎『ハギヨシさん? どうしたんです、珍しいですね』

ハギヨシ『少し話がありまして……その前に須賀君、申し訳ありませんが私がこうして電話をした事は他言無用でお願い出来ますか?』

京太郎『えっ? まあ、かまいませんけど……』

ハギヨシ『ありがとうございます……実は、透華お嬢様が――』

――回想終わり……

京太郎(あの時のハギヨシさんの声色は後押ししてるって言うより、まるで――)

久「事情はわかったけど、私達を呼んだのはどうしてかしら?」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:21:45 ID:hoNUL6e20

衣「風の便りで聞いたのだ! 最近3人で問題を解決したとな!」

純「だったらちょっとこっちも手伝ってくんねえかなって思ってさ」

和「手伝うと言われましても何をすれば……」

一「そんなの決まってるよ!」

智紀「透華のお見合いを破談させる……」

和「ええっ!?」

久「……本気なの?」

一「本気も本気だよ、今の透華はどう見ても流されてるだけだもん!」

衣「トーカが心からその者との婚姻を望んでいるのなら衣もおねえさんだ、祝福する。 だけど今のトーカは全然幸せそうじゃない! 衣はトーカに幸せになってほしいのだ!」

京太郎「天江さん……」

純「それに透華には他に好きな奴がいるみたいだしな」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:26:07 ID:hoNUL6e20

久「そうなの?」

智紀「間違いない……」

和「それならその人を探して協力してもらうという手段もありますね」

純「あー……」

智紀「……」

久(あら、何かしらこの反応……?)

一「……無駄だと思うけどね」ボソッ

和「えっ?」

一「ううん、なんでもない。 それより破談させるにしてもどうやって壊すのか話し合った方がいいんじゃない?」

純「だな。 とりあえずこれだけ人数がいりゃ少しはいい案が浮かぶだろ」

京太郎「あっ、じゃあ俺、その前にトイレ行ってきます」

一「早めに戻ってきてよ!」

京太郎「は、はい」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:31:23 ID:hoNUL6e20

――……

京太郎「国広さん、随分はりきってたな……ん?」

ハギヨシ「……」

京太郎「ハギヨシ、さん?」

京太郎(外を見てるみたいだけどいったい何が……)チラッ


透華「……」


京太郎(あっ、龍門渕さん……)

ハギヨシ「透華、お嬢様……私は」ギュッ

京太郎「えっ?」

京太郎(ハギヨシさんがあんな顔するの初めて見たぞ……)

ハギヨシ「誰ですか!?」

京太郎「うわっ!?」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:35:53 ID:hoNUL6e20

ハギヨシ「須賀君……? 来ていらしたのですか?」

京太郎「あっ、はい、部長や和と一緒にちょっと……」

ハギヨシ「そうでしたか……あっ、先ほどは失礼いたししました」

京太郎「いえ、ちょっと驚いただけですから……あの、ハギヨシさん?」

ハギヨシ「なんでしょうか?」

京太郎「さっき、龍門渕さんを見てたみたいですけど……どうしてあんな苦しそうな顔をしてたんですか?」

ハギヨシ「……!」

京太郎「あの、もし違ってたら謝りますけど、もしかしてハギヨシさんは……」

ハギヨシ「須賀君」

京太郎「!?」ゾクッ

京太郎(な、なんだよ今の……ただ名前呼ばれただけなのにまるで喉元にナイフ突きつけられたような……)


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:41:24 ID:hoNUL6e20

ハギヨシ「……! すいません、少々冷静さを欠いてしまったようです」

京太郎「い、いえ……」

ハギヨシ「ところで須賀君はどうしてこちらに?」

京太郎「えっ……あっ、ヤバい! トイレに行っただけなのに随分時間かかっちまった! す、すいませんハギヨシさん、俺失礼します!」タタタッ

ハギヨシ「ええ、また……」

ハギヨシ「……」

ハギヨシ「もう、おられませんか……」

ハギヨシ「……透華お嬢様」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:47:21 ID:hoNUL6e20

――……

京太郎「すいません、今戻りました!」

一「遅いよ! どこで油売ってたのさ!」

純「まあまあ落ち着けよ国広くん。 でも本当に遅かったな?」

京太郎「ちょっと迷っちゃって……」

久「あらあら、家で迷子になるのは咲だけじゃなかったのね?」

京太郎「勘弁してくださいよ……咲の筋金入りの方向音痴と一緒にされたらかないませんって」

和「そこも咲さんの魅力です!」

京太郎「とりあえずお前は落ち着け、和。 それでどうするか決まりましたか?」

智紀「お見合い当日、会場にいる透華を電撃戦で奪還する……」

京太郎「実力行使ってわけですか……でもこんな事して龍門渕さんの立場が悪くなったりとかは……」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:52:41 ID:hoNUL6e20

衣「仔細ない。 きょーたろーがいない間に歩が報告したところによれば、どうやら此度の見合いは入り婿……トーカの父君が独断で推し進めているものらしいからな」

純「たぶん衣と透華を引き離す意味合いもあるんだろうよ。 まさかこんな強硬手段に出るとは思わなかったけどな……この調子だと麻雀もやめるよう言われてんじゃねえか?」

久「……大人ってものは子供をなんだと思ってるのかしらね」

和「部長……」

久「まだ悩んでた部分があったけど、話を聞いたら俄然協力したくなったわ! 国広さん、ホワイトボードと書くもの借りるわよ!」

京太郎「部長が燃えてる……」

一「な、なんだかよくわからないけどやる気になってくれたなら嬉しいよ」

久「じゃあ作戦会議を再開するわよ。 みんなアイデアがあったらバンバン出してちょうだい!」

衣「これでトーカを救えるな!」

純「ああ、そうだな」


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 21:59:18 ID:hoNUL6e20

――同日・夜……

透華「もうすぐ、あと数日で私は名前すら知ったばかりの方と婚約する……」

透華「麻雀もやめるよう言われてしまった以上、今までのように衣達と過ごす事も出来なくなるのでしょうね……」

透華「ハギヨ……」

透華「ふふっ……未練がましい、ですわね」

透華「この指を鳴らせば、その名を呼べば、あなたはいつでも来てくれた」

透華「でも、きっと……私が一番来てほしいその時にあなたは来てくださらない」

透華「私は断ち切らなければいけませんのよね……この気持ちを」

透華「ですが、今だけは言わせてくださいまし……」

透華「ハギヨシ……私はあなたを――」



ハギヨシ「……」

ハギヨシ「もったいなきお言葉です、透華お嬢様……」

ハギヨシ「――ですが私に、その言葉に応える資格はありません」

ハギヨシ「申し訳ありません……透華お嬢様」


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:03:22 ID:hoNUL6e20

――お見合い当日・会場……


京太郎「うわあ……高そうなホテルだな」

和「龍門渕グループのホテルとはいえこんなところの一角を貸し切りにしてるなんて……」

久「お金持ちの考えはよくわからないわね」

一「みんな!」

純「国広くん、入れそうな場所は見つかったのか?」

一「うん、裏の従業員出入り口から入れそうだよ」

久「それじゃあ作戦をおさらいしましょうか」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:07:54 ID:hoNUL6e20

一「まず純くんと竹井さんが時間差でボクのマジック道具を使って警備室から警備員を誘き出す」

智紀「次に私が警備室に入って透華がお見合いをしている場所までのロックを解除……」

和「私は沢村さんのサポートですね……」

衣「全ての障害が排除された後、衣と一、きょーたろーが透華を奪還すればよいのだな!」

純「実際にやるのは須賀だろうけどな」

京太郎「……」

京太郎(ハギヨシさんは今別件でいないらしいけど……本当にそれでいいのか?)

和「どうしたんですか須賀君?」

京太郎「いや……なんでもない」

一「よし、鍵の解除成功!」

久「行きましょうみんな!」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:13:23 ID:hoNUL6e20

――ホテル最上階・VIPルーム……

透華「全く……まさか土壇場でお父様が来られなくなるとは思いませんでしたわ」

透華「お相手の方が来るまでまだ時間があるというのに……」

透華(挙げ句の果てに私が逃げないよう監視役に選ばれたのは……)

ハギヨシ「透華お嬢様」

透華「何かありましたの?」

ハギヨシ「下の階で何やら騒ぎが起きているようです」

透華「騒ぎ?」

ハギヨシ「はい、私は下の様子を見に行ってまいりますのでここを動かないようお願い申し上げます。 ですがもしも私が10分以上経っても戻らない時は……」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:28:50 ID:hoNUL6e20

>>42
和「さ、咲さん、キスしましょう!」咲「!?」
ゆみ「私は、消えてしまいたいんだ」桃子「!?」

ある意味始まり
京太郎「よっ、優希ちゃん」優希「!?」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:17:03 ID:hoNUL6e20

透華「わかっていますわ。 その時は自分の判断で動きます……そんな時が来るとは思えませんけど」

ハギヨシ「それでは行ってまいります」

透華「ハギヨシ」

ハギヨシ「はい」

透華「……無茶だけはしないでくださいまし」

ハギヨシ「……かしこまりました」シュバッ

透華「……」

透華「何があったかは知りませんけど……少なくとも、あなたに見られながら他の方と婚約しなくてすみましたわね……」

透華「ハギヨシ……」


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:24:35 ID:hoNUL6e20

――……

久「とりあえず上手くいったみたいね」

純「ああ、後は見失わせないように一定の距離を保って逃げるだけだ」

久「そうね……ところで井上さん」

純「なんだ?」

久「こんな時になんだけど、あなた達本当は龍門渕さんの好きな人知ってるんじゃない?」

純「……どうしてだ?」

久「国広さんがある人に向けてた敵意が尋常じゃないからよ。 それに和が龍門渕さんの好きな人に協力してもらったらどうかって提案した時の言葉もあるわ」

純「……よく人を見てるんだな」

久「まあね」

純「……そっちの予想通り、透華が好きな奴はハギヨシさんだ」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:32:09 ID:hoNUL6e20

久「やっぱり……」

純「だから国広くんは許せないんだろうな……透華の気持ちはわかってるはずなのに、ハギヨシさんは……ん?」

智紀『純……』

純「智紀? どうした、こっちにまず連絡はしないって……」

智紀『イレギュラー発生……このままだと、作戦は失敗する……』

久「!?」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:36:53 ID:hoNUL6e20

――……

京太郎「下の人達は大丈夫ですかね……」

衣「大丈夫だ! 純も智紀も優れた才を持っているからな!」

京太郎「それなら部長と和だって負けてませんよ!」

衣「つまりは何も心配はいらないというわけだ!」

京太郎「あっ、なるほど……」

一「……」

一(なんだろう、この胸騒ぎは……何もかも上手くいってるはずなのに、まるで成功する気がしないよ……)

京太郎「国広さん?」

一「な、なに?」

京太郎「いや、なんか難しい顔してたんで……何か心配な事でも?」

一「……大丈夫、なんでもないよ」

一(考えすぎ、だよね)


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:41:23 ID:hoNUL6e20

衣「もうすぐトーカのいる部屋だ!」

京太郎「よし、じゃあもう一踏ん張り……」

ハギヨシ「その必要はありません」シュバッ

衣「むっ!?」

京太郎「なっ!?」

一「……そんな、なんで」

ハギヨシ「衣様、国広さん、須賀君、何をしにこちらに来られたのですか?」

京太郎「ハギヨシさん……」

ハギヨシ「質問にお答えください」

衣「透華を、取り戻しに来た!」

ハギヨシ「取り戻す……何からでしょうか?」

衣「それは……」

ハギヨシ「どうかお引き取りください衣様。 透華お嬢様もこの件は納得済みです」

衣「ハギヨシ、お前は!」

ハギヨシ「――手荒いまねはしたくないのです衣様」ゴッ


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:47:05 ID:hoNUL6e20

衣「鬼哭啾啾……ハギヨシめ、まさかこれほどとは……!」

一「っ……!」ギリッ

ハギヨシ「どうかお引き取りを」

一「……どうやら力づくで突破するしかないみたいだね」

衣「一!?」

一「勝てる気なんか全然しないけど……やらなきゃ透華のところに行けないならボクは……」

京太郎「うおおおおお!!」ダッ!

一「なっ、須賀くん!?」

衣「きょーたろー!?」

京太郎「おりゃあああ!」ガシッ

ハギヨシ「……」

京太郎「国広さん、天江さん! 2人は龍門渕さんのところに行ってください!」ググッ

一「ば、馬鹿言わないでよ! 君1人で萩原さんの相手なんて出来るわけ……」

京太郎「龍門渕さんを説得できるのはお2人だけでしょう!?」

一「!」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:53:37 ID:hoNUL6e20

京太郎「それに、ここからは……男同士で話し合いたいんです……!」

衣「きょーたろー……」

京太郎「行ってください!」

一「……衣、行こう」

衣「こ、こら、一! 衣は1人で走れる、手を引っ張るな!」

一「須賀くん! 頼んだよ!」タタタッ

京太郎「はい!」

ハギヨシ「……須賀君、本気なのですか?」

京太郎「男なら、ここでカッコつけないでいつつけるんですか?」

ハギヨシ「そうですか……ならば」ブンッ

京太郎「がっ!?」ドシャッ!

京太郎(ハギヨシさんは動いてないのに投げ飛ばされた!? 本当になんなんだよこの人……!)

ハギヨシ「なるべく痛みを感じないようにしてさしあげましょう」

京太郎「それは、ありがたいですね……」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 22:59:01 ID:hoNUL6e20

――……

純「ハギヨシさんがここにいるだと!?」

智紀『歩から連絡があった……旦那様が急遽来られなくなった代わりに来てるらしい』

純「ちっ、これじゃ国広くん達が透華のところまでたどり着けるかわからねぇぞ……」

智紀『監視カメラの映像では今ハギヨシさんは須賀君が抑えてる……だけど一方的にやられているから突破は時間の問題』

久「須賀君……」グッ

和『天江さん達は別ルートから龍門渕さんのいる部屋へ向かってますけど、このままだと須賀君が……!』

久「……現状は須賀君に出来る限り時間を稼いでもらうしかないわ」

純「おい、それでいいのかよ?」

久「いいわけないわ! うちの部員が痛めつけられてるのよ……だけど私達がいったところできっと足手まといにしかならない……!」

純「……」

久「だから私達は今出来る事をやるしかないの……和もいいわね?」

和『は、はい……』


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:03:27 ID:hoNUL6e20

――VIPルーム……

透華「……」

透華「遅い、ですわ」

透華(ハギヨシが行ってからもう七分……いつもなら五分もかからないというのに)

透華「それだけハギヨシが手こずっているという事ですの……?」

ガチャンッ!

透華「!?」

一「やっと着いた……もう、走れない……」

衣「トーカ!」

透華「一、それに衣!? ど、どうしてここに……」

衣「トーカを助けに来たのだ! トーカ、本当はお見合いなどしたくないのだろう!」

透華「……まさかこの騒ぎはあなた達の仕業ですの?」

一「純くんやともきー、竹井さんに須賀くん、原村さんも来てるよ……」

透華「……」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:07:57 ID:hoNUL6e20

衣「さあ、行こうトーカ! ハギヨシをきょーたろーが抑えている今の内に……」

透華「……必要、ないですわ」

衣「トーカ……?」

透華「私は、助けてくれだなんて頼んだ覚えはありません……今ならまだ間に合います、みんなを連れて帰りなさい2人共」

一「……じゃあ何? このお見合いとやらは透華、君が望んでるって言うの?」

透華「望む望まないではありません。 私は龍門渕の娘、その責務が来たというだけの話ですわ」

一「麻雀部はどうするのさ、麻雀もやめるように言われてるんでしょ……」

透華「みんなが言う、冷たい私とやらをお父様は嫌っていますから……まだ完全に出ていない内に契機となる麻雀をやめさせたいのでしょうね」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:12:15 ID:hoNUL6e20

衣「トーカ……なぜだ? なぜ、そこまで自分を、ハギヨシへの恋慕を押さえ込もうとするのだ?」

透華「……」

衣「気付かないと思ったか? 衣はお姉さんなんだぞ?」

一「そもそも気付いてないのは歩くらいだよ……透華、仕草とかでバレバレだったもん」

透華「そう、ですの。 やはり隠し事は苦手ですわね……」

衣「トーカ、なぜなんだ! ハギヨシだってきっとトーカを……」

透華「――ハギヨシは、執事だからですわ」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:17:48 ID:hoNUL6e20

――……

京太郎「つ、あ……」ドサッ

ハギヨシ「終わり、ですね……」クルッ

京太郎「……!」ガシッ

ハギヨシ「……」

京太郎「まだ、終わってませんよハギヨシさん……」

ハギヨシ「……なぜですか?」

京太郎「なにが、ですか……」

ハギヨシ「須賀君と透華お嬢様はそれほど交友はなかったはずですが……なぜここまでするのですか?」

京太郎「……別に俺だって、龍門渕さんのためだけに来たわけじゃないですよ」

ハギヨシ「ならなぜ――」

京太郎「俺が来たのは、ハギヨシさんが龍門渕さんのお見合いを望んでないってわかってるからですよ!」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:19:48 ID:hoNUL6e20

ハギヨシ「……!」

京太郎「あの時はビビって言えなかったけど今なら言えます! ハギヨシさんは龍門渕さんが好きなんでしょう!?」

ハギヨシ「……」

京太郎「それなのにどうしてお見合いを奨めたりしたんですか……」

ハギヨシ「……確かに私は透華お嬢様に恋情を抱いています」

京太郎「ならなんで!」

ハギヨシ「――私が、執事だからです」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:22:42 ID:hoNUL6e20

――……

一「……随分、らしくない答えだね」

透華「ですがそうとしか答えようがありませんわ」

一「衣のためにボク達を集めたくらい行動力がある透華なら、そんなの気にせずいくと思ってたんだけどな……」

透華「それだって無条件というわけではありません。 実際あなた達はメイドという立場で龍門渕にいるのですから」

一「……」

透華「私は皆が思っているほど自由に動く事など出来ませんの……それが龍門渕家の将来に関わる事ならなおさら」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:25:28 ID:hoNUL6e20

衣「……つまり、トーカは家のために自分の心を殺し、傀儡に成り果てるというのだな?」

透華「そういう事になるのかもしれませんわね……ですが、私は後悔などしていませんわ」

一「透華……」

透華「麻雀部は歩がおりますし、元々私の想いなど受け入れられるはずが――」

衣「そうか、わかった……」

一「衣!?」

透華「衣、わかってくれたんですわね」

衣「……衣は、トーカが大好きだ」

透華「……」

衣「だから、今のトーカを見ていられない!」

透華「なっ……」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:28:09 ID:hoNUL6e20

――……

京太郎「執事、だから……?」

ハギヨシ「そうです。 透華お嬢様は主であり、私は執事である……それだけで十分理由になるんです」

京太郎「……」

ハギヨシ「私は透華お嬢様を愛しています。 透華お嬢様の気持ちも理解しています……ですが、互いにどんなに想い合っていようと立場という壁の前には意味をなさないんですよ」

京太郎「だから、ですか。 だからあなたはお見合いを龍門渕さんに奨めたんですか……」

ハギヨシ「ええ、その通りです。 それに透華お嬢様は早い内に夢から目を覚ますべきなのです」

京太郎「夢……?」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:33:24 ID:hoNUL6e20

ハギヨシ「そう、透華お嬢様の傍らにいた男といえば私くらいのものでした。 だから透華お嬢様は私に好意を抱いた……それがただの憧れかどうかの区別もつかずに」

京太郎「!」

ハギヨシ「夢はいずれ覚めなければなりません。 そして透華お嬢様の淡い恋の夢が覚める時間は今日だった……そういう事です」

京太郎「……」ググッ……

ハギヨシ「透華お嬢様は幸せになるでしょう。 旦那様が選んだだけあって相手の方も申し分ない方……」

京太郎「もう、いいです」

ハギヨシ「須賀君?」

京太郎「ハギヨシさん……年は離れてますけど俺はあなたを友達だと思ってます」

ハギヨシ「……私もですよ」

京太郎「そうですか……それなら、よかったぜ」ブンッ!

ハギヨシ「っ!?」パシッ

京太郎「遠慮なくあんたを殴れるからな、ハギヨシさん!」


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:40:03 ID:hoNUL6e20

――……

衣「トーカ、衣は今のトーカを見ていられないんだ。 自ら進んで傀儡になろうというその覚悟、純粋なるものであれば納得はせずとも理解は出来た」

透華「何を……」

衣「だが今のトーカにそんな覚悟などありはしない。 トーカは逃避したいだけだ、ハギヨシへの恋情から」

透華「……!」

衣「向き合う事に恐怖し、己が道を見失い、他者の心など意に介さず利用する……まるで昔の衣ではないか」

一「……」カチッ



智紀「一から通信……?」

純「これは、衣の声か……?」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:44:17 ID:hoNUL6e20

衣「昔の衣は他者を蹂躙する事に悦楽すら見いだしていた。 どれだけの者達が壊れようが傷つこうが構いもせず、替えの玩具があるのだからと笑ってさえいた、まさに子供だ」

透華「……」

衣「そんな愚かな衣をトーカは決して見捨てる事はなかった。 それどころか純、一、智紀……こんな衣を友達だと、家族だと言ってくれるかけがえのない者達を集めてくれた」

一「衣……」

衣「だから、だから今度は衣の番だ! 衣が悲しい時、苦しい時、衣を愛してくれたトーカのためにもこの見合い、成就させるわけにはいかない!!」ゴッ!

透華「っ!」ピリピリ


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:49:29 ID:hoNUL6e20

衣「答えよトーカ! トーカの望みはどこにある、トーカの想いはどこにある!」

透華「私は……」

純『言っちまえよ、透華!』

透華「純……」

智紀『透華、恐れる事なんてない……』

透華「智紀……」

一「透華、ボク達は透華の味方だから……透華の本心を教えてほしい!」

透華「一……」

衣「ただ唯々諾々と従っているだけではない、己の生き方を貫く! それが龍門渕透華の信念であり、トーカの道だったはずだ!」

透華「……」

衣「トーカ!」

純『透華!』

智紀『透華……』

一「透華……!」

透華「――もう、本当に好き勝手言ってくれますわね」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/08 23:54:37 ID:hoNUL6e20

衣「もちろんだ……衣は透華のおねえさんだからな!」

透華「ふふっ……そうでしたわね。 勝負する前から諦め、ただ流れに身を任せるだけなど私とした事が弱気が過ぎましたわ」

純『はっ……流れが大きく変わりやがった』

透華「随分回り道をしてしまいましたわね……来年みんなで夏を過ごす事も、幼少の頃より抱いてきたこの想いも、何一つ諦める必要などなかったというのに」

智紀『完全復活……』

透華「自らの信念を曲げて生きていくようでは龍門渕の名折れ……目が覚めましたわ!」

一「ああ、やっといつもの透華が戻ってきたよ……」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:00:13 ID:JzFuCYna0

透華「みんなには無駄な心配をかけましたわね……私はもう大丈夫です。 龍門渕透華、華麗に復活ですわ!!」

衣「沈魚落雁! 今のトーカは何よりも輝いているぞ!」

透華「ありがとう衣……」ナデナデ

衣「わわわ、こ、衣はおねえさんなんだから撫でるなー!」

透華「ふふっ、ごめんなさい……それでは参りましょうか」

一「行くんだね?」

透華「えぇ、まずは向き合う事から始めますわ! 待っていなさい、ハギヨシ!」


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:04:56 ID:JzFuCYna0

――……

京太郎「まだ終わりじゃないぜハギヨシさん……」ガッ!

ハギヨシ「!」ガシッ、ブンッ!

京太郎「ぐあっ!? 黙って聞いてりゃ、変な御託並べやがって……あんたはただ逃げてるだけだろうが!」

ハギヨシ「私が逃げてる……?」

京太郎「そうだよ……龍門渕さんのためにお見合いを奨めたみたいに言ってたけど、本当はただ自分が報われない恋してるのに疲れただけなんだろ!」

ハギヨシ「……」

京太郎「そりゃ楽だよな……本気で想ってる人から自分が逃げたって考えるより、相手は憧れでしかないのを恋と勘違いしてるって思う方が!」

ハギヨシ「くっ……!」

京太郎「相手の気持ちを否定して、自分の気持ちからは逃げ出して、ハギヨシさんあんたは俺が今まで見てきた誰よりも……!」バキィッ!

ハギヨシ「ぐっ!?」フラッ

京太郎「ヘタレ、野郎だ……」

京太郎(ああ、まだ言いたいことは山ほどあるのに……もう、限界だ、意識が――)ドサッ


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:10:53 ID:JzFuCYna0

ハギヨシ「……」

透華「ハギヨシ!」

ハギヨシ「透華お嬢様……」

透華「だ、大丈夫ですの? 頬が真っ赤ですわよ……」

ハギヨシ「ご心配には及びませんが……お見苦しいところを見せてしまい、申し訳ありません……」

透華「そんな事は……」

ハギヨシ「透華、お嬢様」

透華「なんですの?」

ハギヨシ「――久しぶりに、友人と喧嘩をしました」

透華「……」

ハギヨシ「なぜでしょう……それなのにとても気分がいいんです。 彼の言っている事はまだ子供だから言える甘い考えだと思いたかったはずなのに……冷静に大人として何も言い返せなかった自分が好ましいのです」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:14:05 ID:JzFuCYna0

透華「ハギヨシ……」

ハギヨシ「――透華お嬢様、いいのでしょうか? 執事にあるまじきこの感情を抱いていて、私はいいのでしょうか……?」

透華「……私には、いえ、この世界の誰にもあなたの想いを否定する資格などありませんわ」

ハギヨシ「……」

透華「それは同時に私の気持ちにも言える事……ハギヨシ」

ハギヨシ「はい」

透華「今度私の気持ちを無視した行動をしたら……絶対に許しませんから」

ハギヨシ「かしこまりました、透華お嬢様……」

透華「よろしい……」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:18:06 ID:JzFuCYna0

一「これは、うまくいったのかな?」

智紀「雰囲気は悪くない」

純「ったく、こんなボロボロになっちまって……カッコつけ過ぎなんだよお前」

和「全くです、咲さんやゆーきになんて言えばいいのか……」

京太郎「……」

久「でも大きな怪我はしてないみたいね……よかった」

衣「その理由、衣はわかる気がするぞ」

一「どういう事?」

衣「トーカもハギヨシも……きっと止めて叱ってほしかったのだ!」

久「なるほどね……」

純「はっ、お互いに素直じゃねえって事か」

智紀「似た者同士……」

一「似た者同士、か……本当に世話が焼けるよ」

一(うん、本当に……透華はしょうがないね……)


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:24:21 ID:JzFuCYna0

純「国広くん」ポンッ

一「純くん……?」

智紀「泣きたいなら泣くべき……誰も一を咎めたりしない」

一「や、やだなあ、何を言ってるのさともきー……ボクは泣くような事なんて、何も……」

衣「一、遠慮会釈もいいが衣達に遠慮する必要はない……ちゃんと衣達が受け止めてやる!」

純「ほら、胸貸してやるからさ……」

智紀「私は透華達にわからないよう壁になる……」

一「だ、だから……そんなの、必要、ないってば……」ポロポロ

衣「一……」ナデナデ

一「透華……透華ぁ……」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:29:50 ID:JzFuCYna0

――……

透華「お世話になりましたわ」

久「いいのよ、私達がやりたくてやったんだから」

ハギヨシ「今回の件については相手方に辞意を示した上、旦那様、奥様を交えて話していきたいと思います」

京太郎「そうしてください……あとあの時は殴っちゃってすいませんでした!」

ハギヨシ「そんな、私の方こそ謝罪させていただきたいのですが……」

京太郎「いえいえ、俺は大丈夫でしたから!」

純「いつまで恐縮してんだよお前は」

和「あはは……」

透華「原村和!」

和「はい、なんでしょうか?」

透華「私達龍門渕高校麻雀部を潰す最大のチャンスを棒に振った事……来年の大会で後悔させてさしあげますから覚悟しておりなさい!」

和「……こんな事をしなくても私達は正面からお相手してまた龍門渕に勝ってみせます!」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:33:57 ID:JzFuCYna0

透華「おーほっほっほ! それでこそ私の永遠のライバル! 雌雄を決するその日を楽しみにしていますわ! みんな行きますわよ!」

純「じゃあな、あのタコス女によろしく」

智紀「次は勝つ……」ペコッ

一「またね!」

衣「咲に伝えておいてくれ……今度は衣が勝つと!」

バタンッ、ブロロロロ……

京太郎「行っちゃいましたね」

久「そうね……和、啖呵を切ったからには来年もきっちりやっつけちゃいなさいね?」

和「もちろんです!」

久「よろしい!じゃあ私達も帰りましょうか!」

和・京太郎「はい!」


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:38:55 ID:JzFuCYna0

――……

純「ぐー……」

智紀「すー……すー……」

一「んう……」

衣「むにゃむにゃ……エビフライ……」

透華「みんな寝てしまいましたわね」

ハギヨシ「疲れていたのでしょう、今日は色々ありましたから」

透華「そうですわね……ハギヨシ」

ハギヨシ「はい、透華お嬢様」

透華「これから行くのは茨の道、大変だとは思いますが……ついてきてくださいますわよね?」

ハギヨシ「もちろんです。 この身は透華お嬢様と共に歩むために存在するのですから」


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:42:49 ID:JzFuCYna0

透華「それならいいですわ……ハギヨシ」

ハギヨシ「はい」

透華「今は私とあなたしかいませんわ」

ハギヨシ「……」

透華「ですから、その……一度だけでいいですから……と、透華と呼んでいただけませんか?」

ハギヨシ「……」

透華「……」


ハギヨシ「――透、華」


透華「……!」

ハギヨシ「これで、よろしいでしょうか透華お嬢様……」

透華「は、はい……パ、パーフェクトですわハギヨシ……」


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:46:29 ID:JzFuCYna0

ハギヨシ「……」

透華「……」

透華(うう……顔が熱いですわね。 でも、これで私はこの先も頑張れる気がしますわ……)

透華「ハ、ハギヨシ!」

ハギヨシ「はい、透華お嬢様」

透華「――私は、あなたを愛していますから」

ハギヨシ「……!」

透華「い、今は、それだけですわ……」

ハギヨシ「……光栄です」


純(……誰かさん達の甘酸っぱい雰囲気のせいで眠れねえ)

智紀(録音は完璧……ふふっ)

一(透華顔真っ赤なんだろうなあ……くううっ、写真撮って待ち受けにしたい!)

衣「むにゃむにゃ……タルタルソースもいっぱいだぁ……」


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:50:51 ID:JzFuCYna0

――後日・清澄高校……

久「それで龍門渕さんと萩原さんはあれからどう?」

京太郎「龍門渕さんのお袋さんが勝手なまねをした親父さんを徹底的に教育しなおしたそうです」

和「教育って……」

京太郎「電話口のハギヨシさんが固い声だったって事から察してくれ……」

和「はあ……」

久「お見合いも問題なく流れたらしいし、大きな問題はクリアってところかしら」

京太郎「これから色々大変らしいですけどね……でもハギヨシさん、声が明るかったからきっと大丈夫だと思います」

和「よかった……」


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:54:43 ID:JzFuCYna0

優希「京太郎ー!」

京太郎「あっ、じゃあ俺優希と旅行の計画立てる約束してるんで失礼しますね」

久「頑張ってねー」

和「また明日です、須賀君」

京太郎「おう」スタスタ

久「さてと、私も美穂子と待ち合わせがあるから行くとしますか……じゃあね和」

和「はい、さようなら……」

久「あっ、美穂子? 今大丈夫……」スタスタ

和「……」

和「部長も須賀君もかなり進展してますね……」

和「私ぐらいですか、未だに立ち止まったままなのは」

和「咲、さん……」

カン!


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:57:21 ID:JzFuCYna0

――宮永家……

咲「……」ペラッ、ペラッ

咲「……私、甘えてたのかな」

咲「和ちゃんに来てもらうのを待ってばっかりで、自分からは何もしてなくて……」

咲「……でも」パタンッ

【恋人がヘタレな場合の対処法】

【好きな人を積極的にさせる催眠術】

【好きな人と攻守逆転する秘策】

【相手を思い通りに動かすお呪い】

咲「――和ちゃん、もう私待てないや」

カン……?


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:58:24 ID:A4LWYlwDP

次も期待するのよー


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 00:59:53 ID:JzFuCYna0

終わりでー
最後までハギヨシと一ちゃんどっちを透華の相手にするか悩んだ……
あと衣は口調難しすぎワロタ

それでは


100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 01:19:42 ID:2BF6NvIQ0

乙でー


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/09 01:54:59 ID:LlCE2YXrO



次回は咲さんが動くのか


スレッドURL: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1370690093/
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