ミカサ「エレンが巨人にしか興味がない風潮は間違ってる」
- 1 :お母さん「うん・・・。そりゃあ、わたしにも身におぼえの1つや2つはあるけど・・・。」[saga]:2013/07/05(金) 22:51:38.84 ID:zT2JxYVf0
- エレン「俺が鈍感だという風潮」
クリスタ「私が女神って風潮?」
ジャン「俺が死に急ぎ野郎の引き立て役という風潮だと?」
キース「私が、実は訓練兵に優しいという風潮、か……」
アニ「私がちょろいって風潮」
の続きです
あらすじ
エレンがコニー、サシャと仲良くなった
クリスタとユミルの仲が少し深まった
ジャンじゃん
キースとコニーとポーンの頭
エレンたちと、アニ、ベルトルト、ライナーの関係が元通り
注意点
なぜか毎回説教臭い
ネタバレ注意
あとこれが最後
では投下
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373032298 - 2 :お姉ちゃん「雫。」[sage]:2013/07/05(金) 22:52:25.11 ID:+CpsYoypo
- 最後か………
- 3 :バロン「はやく!」[saga]:2013/07/05(金) 22:53:04.12 ID:zT2JxYVf0
- エレン「俺と一緒に行きたいやつ、この指とーまれ!」
ミカサ「わぁい」
コニー「わぁい!」
サシャ「わぁい!」
ライナー「……アルミンは、あれ、やらないのか?」
アルミン「流石にこの歳になってからだと、ちょっとね」
ライナー「だよな」
ベルトルト「わぁい!」
アルミン・ライナー「!?」
アルミン「ちょっと待って、ベルトルト!」
ライナー「お前は俺ら側の人間だろ、ベルトルトォ!」 - 4 :西「・・・・・!?」[saga]:2013/07/05(金) 22:55:16.30 ID:zT2JxYVf0
- 遡る事少し前
エレン「ボランティア?」
アルミン「そうだよ。聞いてなかったの?」
エレン「全然」
コニー「ある意味、訓練とは関係ない話だからな。脳みそが記憶するの、拒否したんじゃね?」
サシャ「エレンは訓練馬鹿ですしね」
エレン「うっせ。で、そのボランティアってなにするんだ?」
ミカサ「一日街の清掃作業」
エレン「一日!? 訓練はどうすんだよ!」
アルミン「お休みだよね、普通に考えて」
エレン「教官に抗議してやる……」 - 5 :西「聖司を好いてくれてるんだね。」[saga]:2013/07/05(金) 22:59:34.34 ID:zT2JxYVf0
- コニー「いいじゃねぇか、一日くらい」
サシャ「そうですよ。のんびりしましょうよ」
エレン「その気の緩みが致命傷になるんだ」
アルミン「エレンの言いたい事も理解出来なくはないけど、抗議するのは止めようね」
エレン「なんで?」
アルミン「下手をすれば、開拓地行きになるよ。ボランティアは、あくまで訓練の一つって扱いだからね」
エレン「それは困るな」
アルミン「だよね。だから、今回は我慢しようか。それに、僕らの衣食住は税金があってこそでしょ?」
アルミン「その恩返しだと思えば、少しは納得出来るんじゃないかな?」
エレン「わかったよ。全部が全部、納得したわけじゃねぇけど、そこは目を瞑る」
ミカサ「聞き分けがいいエレンは偉い子」
エレン「頭撫でんな」 - 6 :お父さん「雫、入るぞ。」[saga]:2013/07/05(金) 23:03:41.71 ID:zT2JxYVf0
- コニー「おっ、教官が来たぞ」
サシャ「静かにしてないと、頭掴まれて宙に浮いちゃいますよ」
エレン「そうだな」
キース「……集まっているか?」
マルコ「遅れなく、全員揃っております!」
キース「では、本日の予定を説明する。先日話した通り、街の清掃だ」
キース「いないとは思うが、影でこそこそ訓練をした者には、罰則を与える。いいな?」
エレン「クッ……」
アルミン(エレンを狙い撃ってるなぁ、教官) - 7 :お父さん「戦士の休息だな・・・。」[saga]:2013/07/05(金) 23:05:35.15 ID:zT2JxYVf0
- キース「あとで麻袋と軍手を支給する。リアカーなどの貸し出しは、個人で申し出るように」
ジャン「質問があります」
キース「なんだ?」
ジャン「個人のノルマは、麻袋一つ、満たす程度のゴミを集める事でしょうか?」
キース「ノルマは設けていない。どれだけ集めたゴミが少なくとも、罰を与えないと約束する」
アルミン(……なるほど、そういう事か)
エレン(なにがそういう事なんだ?)
アルミン(今回の件は、建前ではボランティアだけど、中身は僕たちの羽伸ばしって事だよ)
コニー(俺らに羽が生えてるやつなんていねぇぞ)
サシャ(クリスタには羽くらい生えてそうですけどね。白いのが)
エレン(そうだったのか。今度、クリスタに羽を触らせて貰おうかな)
アルミン(生えてないから……) - 8 :お父さん「戦士の休息だな・・・。」[saga]:2013/07/05(金) 23:06:53.54 ID:zT2JxYVf0
- ミカサ(アルミンが言いたいのは、今日一日、街で息抜きが出来る、と言う事だと思う)
アルミン(出来る、と言うより、絶対にしろ、って感じだけどね)
エレン(必要ねぇのに……)
アルミン(まぁまぁ、折角の教官のご厚意なんだから、有難く休もうよ)
エレン(わかったよ)
サシャ「私からもよろしいでしょうか?」
キース「昼飯は街で食っても、ここの食堂を利用しても構わん」
キース「しかし、食堂を利用する者は、事前にこの紙に名前を記入するように」
サシャ「なにも言ってませんのに……」
キース「ほう、他に聞きたい事があったのか?」
サシャ「いえ、知りたい事は聞けましたので……」 - 9 :聖司「しっかりつかまってろ。」[saga]:2013/07/05(金) 23:08:50.90 ID:zT2JxYVf0
- コニー「班分けはどうするんですか?」
キース「貴様がまともな質問をしてくれて嬉しいぞ」
コニー「へへっ」
アルミン(褒めてるには褒めてるんだろうけど、なんとも言い難い褒め方だなぁ)
アルミン(コニーは喜んでるし、わざわざ指摘したりしないけど)
キース「こちらで班分けはしない。個々で行うのもよし、何人かで固まるのもよし。好きにしろ」
キース「他に質問はないな? では、解散!」
訓練兵たち「ハッ!」 - 10 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:10:39.24 ID:zT2JxYVf0
- エレン「さて、じゃあ一緒に行きたいやつを集めるか」
アルミン「どうやって?」
エレン「そりゃ、これ以外ないだろ。俺と一緒に行きたいやつ、この指とーまれ!」
ミカサ「行く」
コニー「早ぇ……エレンを指を握ったミカサの手の動きが見えなかったぞ」
サシャ「しかも、エレンが痛がってない所を見ると、絶妙な力加減をしていたようですね」 - 11 :聖司「これを雫に見せたかったんだ。」[sage]:2013/07/05(金) 23:11:49.62 ID:Y5OysAZd0
- さすがアッカーマン、ぶれないな
- 12 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:11:57.63 ID:zT2JxYVf0
- エレン「ミカサ、やり直し」
ミカサ「どうして?」
エレン「掴む方は、わぁい、って言うのがルールらしいからな」
ミカサ「誰にそう教えて貰ったの?」
エレン「コニーとサシャ」
コニー「常識だぜ」
サシャ「そうですよね」
ミカサ「常識なら仕方ない。一度手を離そう」
アルミン(常識なのかなぁ?) - 13 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:12:53.15 ID:zT2JxYVf0
- ライナー「エレンたちは、また馬鹿をやってるみたいだな」
アルミン「ライナー。それにベルトルトも」
ベルトルト「僕たちも混ぜて貰おうと思ってね」
ミーナ「私たちもいるよ」
アニ「別に、私は一人でも……」
ミーナ「はいはい」 - 14 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:14:25.69 ID:zT2JxYVf0
- エレン「じゃあ、改めてやるな。俺と一緒に行きたいやつ、この指とーまれ!」
ミカサ「わぁい」
コニー「わぁい!」
サシャ「わぁい!」
ライナー「……アルミンは、あれ、やらないのか?」
アルミン「流石にこの歳になってからだと、ちょっとね」
ライナー「だよな」
ベルトルト「わぁい!」
アルミン・ライナー「!?」
アルミン「ちょっと待って、ベルトルト!」
ライナー「お前は俺ら側の人間だろ、ベルトルトォ!」
アニ「……」
ミーナ(アニが参加したそうにウズウズしてる) - 17 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:17:45.81 ID:zT2JxYVf0
- ベルトルト「えっ? ダメだった?」
アルミン「ダメって事はないけど、ベルトルトは見守る側の人間でいないと」
ライナー「そういう事だ。俺らの負担軽減に協力してくれ」
ベルトルト「なら、仕方ないかぁ……」
アルミン(あれ? なんか、すっごく落ち込んじゃった?)
ライナー(エレンとの件で、リミッター外してはっちゃけ出したな、こいつ。今まで抑えてた分、仕方ないと言えなくもないが)
ミーナ「あれ? エレンの方にクリスタが駆け寄ってる」
クリスタ「わぁい!」
アルミン・ライナー「!?」
見守る側の二人?(……)
New fool×2「わぁい!」
ベルトルト「おい」 - 18 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:21:21.46 ID:zT2JxYVf0
- ライナー「止めるな、ベルトルト。兵士には引けない状況がある。今がそうだ」
アルミン「勝負は今! ここで決める!」
ベルトルト「ずるいよ! 僕がやろうとしたら止めたのに!」
ミーナ「男の子は大変だね」
アニ「見ない方がいいよ。百害あって一利もない」
- 19 :聖司「雫!大好きだ!!」[sage]:2013/07/05(金) 23:22:20.33 ID:XpfP0+Hn0
- やべ、超楽しみ
- 20 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:23:55.29 ID:zT2JxYVf0
- ユミル「わ、わぁい!」
アルミン・ライナー「!?」
ミーナ「アルミン達が言い争ってる間に、クリスタの手をユミルが握ったね」
アニ(ユミルの顔、真っ赤)
ユミル(下半身で物を考える男なんかに、クリスタの手を握らせてたまるか。それなら私が恥を掻いた方がマシだ)
ユミル(この程度、この程度……クソッ!)
クリスタ「えへへ。ユミルの手、大きくて温かいね」
ユミル(いい人生だった……。この笑顔のために私は生まれ変わったんだな……)
アルミン「ベルトルトォ! なんて事をしてくれたんだ!」
ライナー「クリスタの手を握れるチャンスだったんだぞ!」
ベルトルト「知るか!」 - 21 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:28:02.50 ID:zT2JxYVf0
- マルコ「……ジャン、一番出遅れてるけど?」
ジャン「ベ、別に俺はエレンと友達じゃねぇし! 一人でゴミ拾いしても、寂しくなんてねぇし!」
マルコ「そっか。じゃあ、僕は混ぜて貰いに行くね」
ジャン「待て。本当に待て。頼むから待ってくれ!」
マルコ「なに?」
ジャン「ど、どうしてもって頼むんなら、エレンたちと一緒にゴミ拾いをしてもいいんだけどなぁ」
マルコ「なら、どうしても頼むよ」
ジャン「そこまで言われたら仕方ねぇ。俺は大人だからな。我慢してあいつらと一緒に行動してやる」
マルコ(大人ってなんだろね、ジャン) - 22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/07/05(金) 23:28:31.30 ID:JYpnyvtFo
- わぁい(意味深)
- 23 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:33:15.22 ID:zT2JxYVf0
- ジャン「じゃあ行くか。スーハー……よし! わぁい!」
マルコ(うわっ、凄い嬉しそうな笑顔。エレンたちの輪に入ってない普段は、どれだけ寂しがってたんだろ?)
エレン「なんだ、ジャンも一緒に来るのか?」
ジャン「マルコに頼まれたんだよ。好き好んでお前と一緒にいたいわけじゃねぇからな」
マルコ「そういう事にしておいて」
エレン「そっか。にしても、結構集まったな。俺の指掴んでないけど、アニ達も来るんだろ?」
アニ「私は、その……」
ミーナ「もちろん! 私たちも行くからね」 - 24 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:35:57.50 ID:zT2JxYVf0
- エレン「了解。お前ら、手を離していいぞ」
ミカサ「もうちょっとこのまま……」
エレン「ダメ」
ミカサ「この世界は、残酷だ……」
エレン「なに言ってんだ、お前」
ミカサ「そして、とても美しい……」
エレン「本当になに言ってんだよ、自分の掌を頬擦りしながら。まぁ、いいけど」
コニー「いいのか?」
サシャ「ミカサが不意に脳内旅行に出かけるのは、いつもの事ですからね」
コニー「それもそうだな」 - 25 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:37:28.38 ID:zT2JxYVf0
- エレン「おーい、アルミン。なにベルトルトやライナーと口論してるんだよ」
アルミン「あっ、ごめん。指先まで届いてた希望が消えて、ちょっとおかしくなってたよ」
アルミン「それで、なに?」
エレン「これからどうしようかと思ってな」
アルミン「そうだね。ずっと十三人で回ると流石に効率が悪いから、二人組か三人組になろうか」
コニー「集まった意味がなくなるんじゃね?」
アルミン「ずっと同じってわけじゃないよ。二時間毎に面子を変えるようにするんだ。この地図を見て」
サシャ「街の地図ですね。いつの間に教官から貰ったんですか?」
アルミン「昨日の内にね。必要になると思ってたから」
- 26 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:41:23.14 ID:zT2JxYVf0
- クリスタ「アルミンは気が利くね」
ユミル「それしか取り柄がないけどな」
クリスタ「もう! そんな事言ったら駄目だよ! アルミンには良い所がいっぱいあるんだからね」
エレン「そうだぞ。特にユミルはアルミンの良い所を沢山見ておけよ」
ユミル「なんで私が、特別こいつの良い所を見てないといけねぇんだよ」
アルミン「気にしないでいいよ、ユミル。話を戻すけど、地図にいくつか印があるでしょ?」
ミカサ「もしかして、そこが集合地点?」
アルミン「うん。最初はこの印に向かって進む。次はここ、みたいな感じだよ」
アルミン「ルートによって誤差は出るだろうけど、大体予定時間の十分前後で全員が到着すると思う」 - 27 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:49:28.00 ID:zT2JxYVf0
- エレン「そこまで決まってるなら、早速組み分けをするか。アルミンはユミルとな」
ユミル「なんでだよ! クリスタと一緒にしろよ!」
ミカサ「いいから」
ユミル「よくねぇよ!」
ミカサ「いいから」
ユミル「目が怖ぇよ! あと、お前が掴んでる肩があり得ないくらい痛ぇ!」
ミカサ「いいから」
ユミル「わかったよ! わかったから離せ! 本当に痛い!」
ミカサ「快く頷いてくれてよかった」
ユミル「本気でそう思ってそうなお前の頭は幸せだよ……」
アルミン(僕はもう諦めてる)
アルミン(何度も何度も、僕はユミルに告白なんかしてないよ、って説明しても、聞いてくれないし) - 28 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:51:13.69 ID:zT2JxYVf0
- アルミン「エレンはミカサと一緒に行ってね」
ミカサ「アルミン。私はいつまでもアルミンの味方であり続けよう」
ジャン「はぁ!? はぁ!?」
マルコ「なんで二回も言ったの?」
ライナー「必死過ぎるだろ、ジャン」
ベルトルト(エレンと一緒が良かったなぁ。まぁ、何回か変わるみたいだから、一回でも同じになればいいや)
アニ「……」
ミーナ「アニ、落ち込んでるの、隠し切れてないよ?」
アニ「……落ち込んでない」
ミーナ「二時間後の組み直しの時は、私が推薦してあげるから、安心してね」
アニ「……そんな事しなくていいから」
ミーナ(強がっちゃって、この子は全く……) - 29 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:56:55.48 ID:zT2JxYVf0
- コニー「俺らも、エレンと離れるのか」
サシャ「残念ですね」
アルミン「我儘言ってごめんね」
エレン「どうして俺がミカサと一緒なんだ?」
アルミン「今いる場所と最初の集合地点との間に、二人に寄って貰いたい場所があるんだ」
ミカサ「私たちに?」
アルミン「うん。前に用事があって街に行った時見つけたんだけど、どうしても二人だけで行って欲しくてね」
エレン「それってどこなんだ?」
アルミン「地図で言うと、ここだよ」
エレン「一回目の集合場所に近いな」
アルミン「二人は少し遅れてもいいから、そこでのんびりして来てね」
エレン「わかった」
ミカサ「うん」 - 30 :1[saga]:2013/07/05(金) 23:59:16.09 ID:zT2JxYVf0
- マルコ「事情がありそうだから、最初は僕と組もうね、ジャン」
ジャン「わかったよ」
ライナー「ベルトルトは俺と一緒に行くぞ」
ベルトルト「うん」
ミーナ「アニ、最初は私と行こうね」
アニ「いいよ」
コニー「残りは俺とサシャとクリスタか」
サシャ「私たちは三人で行きましょう」
クリスタ「よろしくね、二人とも」
エレン「んじゃ、軍手とか袋とか貰って、出発するか!」
一同「おー!」 - 31 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:00:40.38 ID:5rmyqQDB0
- 街(道中)
エレン「あっ、また煙草の吸殻が転がってやがる。全く、ちゃんとした場所に捨てろっての」
ミカサ「……気にしてなかったけど、シガンシナ区の街も、ここと同じくらい汚れていたのかもしれない」
エレン「そりゃな。あの頃はハンネスさんも、ただの飲んだくれ親父だったくらいだしな」
ミカサ「性格の悪いやつらも多かった。賢いアルミンに、ちょっかいばかりかけてた」
エレン「その度に俺らで返り討ちにしてやったけどな」
ミカサ「当時からエレンは偉かった。ちゃんと友達のために怒れるいい子」
エレン「はいはい」 - 32 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:03:30.00 ID:5rmyqQDB0
- 露店商人「そこのお二人さん。ちょっと寄って行ってみないかのぅ?」
エレン「ん? 俺たちの事か、ばあちゃん」
露店商人「そうだよ」
エレン「悪いな。今、昼飯分の手持ちしか持ってねぇんだ。なにも買ってやれないぞ」
露店商人「お金はいらないよ。今はね」
エレン「含みのある言い方だな」
露店商人「気に障ったのなら謝るよ」
露店商人「いつの日か、お二人が大きくなった時に、高い物を買ってくれたらと思ってね」
エレン「面白い言い方だな。歩いてる人、みんなにそう言ってるのか?」
露店商人「気に入った人にだけだよ」
エレン「一目で気に入る、気に入らないがわかるのか?」
露店商人「もちろん。これでも長く人を眺めてるからのぅ。良い人、悪い人はすぐ見分けられるつもりだよ」 - 33 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:06:24.57 ID:5rmyqQDB0
- ミカサ「お婆さんの目に、私たちはどう映ったの?」
露店商人「長年寄り添った夫婦のような空気が見えたよ」
ミカサ「あなたは良い人。凄く良い人。売りたい物を言って欲しい。それを買おう。商品全てでも構わない」
エレン「おいおい」
露店商人「私が売りたい物じゃなくて、お二人が欲しい物を選んでおくれ。今日はそれをプレゼントするよ」
ミカサ「お言葉に甘える。エレン、選んで」
エレン「俺が? 銀細工の良し悪しなんて、わからねぇよ」
ミカサ「それでも選んで。私はそれを喜んで身につける」
エレン「結局、お前が欲しいだけじゃねぇか」
ミカサ「違う。エレンから渡される物が欲しい」
エレン「違いがわからねぇよ。えっと、どれどれ。……ん?」 - 34 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:10:23.14 ID:5rmyqQDB0
- 露店商人「気に入った物は見つかったかのぅ?」
エレン「これも商品?」
露店商人「あぁ、そのミサンガもそうだよ。昔、戯れで編んだけど、なかなか売れなくてねぇ」
エレン「銀細工ばかりのところに、これが一本だけあっても売れないだろうな」
露店商人「手入れは欠かしておらんから、解れや汚れはないだろう?」
エレン「そうだな。じゃあ、これ貰ってもいいか?」
露店商人「それでいいのかい?」
エレン「あぁ。これで良い」
- 35 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:12:24.69 ID:5rmyqQDB0
- エレン「ミカサ、手首に巻いてやるから、袖まくれ」
ミカサ「わかった。これで良い?」
エレン「いいぞ。軍手外すからちょっと待ってろ。よいしょ。んじゃ、ジッとしてろよ」
ミカサ「うん」
エレン「……こんな感じだな。きつくはないか?」
ミカサ「丁度良い。ありがとう」
エレン「どういたしまして。訓練中とか、邪魔にならないようにちゃんと袖の中に入れておけよ?」
ミカサ「気をつけよう」 - 36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/07/06(土) 00:14:38.10 ID:IUXmmOgAO
- 風潮シリーズ続き来たか!
最後とは寂しいが期待 - 37 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:15:10.50 ID:5rmyqQDB0
- ミカサ「ところで、どうしてこれを選んだの?」
エレン「どうしてって、なんとなくだけど?」
ミカサ「そう……」
エレン「しいて言うなら、俺と会う前に、よくおふくろさんと刺繍をしてたって言ってただろ?」
エレン「ミサンガも刺繍糸で出来てるから、少しは気にいるかなぁ、とは考えた」
ミカサ「覚えてて、くれたの……?」
エレン「当たり前だろうが。俺をどんだけ馬鹿なやつだと思ってるんだよ」
ミカサ「……本当にありがとう」 - 38 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:19:08.24 ID:5rmyqQDB0
- エレン「ばあちゃんにもちゃんと礼を言えよ」
ミカサ「お婆さん、どうもありがとう」
エレン「俺からも礼を言うよ。ありがとな」
露店商人「いいよ。その代わり、次に会う時は、お金をたんまり持って来ておくれ」
エレン「ちゃっかりしてんな、ばあちゃん」
露店商人「これでも商売だからねぇ」
エレン「そりゃそうだな。んじゃ、また来るよ」
ミカサ「絶対にまた来る。その時もエレンと一緒に」
露店商人「楽しみにしておるよ」
- 39 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:20:44.96 ID:5rmyqQDB0
- アルミンに指定された場所
エレン「ここ、だよな?」
ミカサ「間違いない」
エレン「なるほどな。アルミンが、俺たちだけで行けって言った意味がわかったよ」
ミカサ「私もわかった。ここは凄く似ている」
ミカサ「私とエレン、そしてアルミンの三人で、外の世界の話をしていた場所に」
エレン「川沿いにある階段や、傍にある芝生とかもそうだけど、雰囲気もそっくりだ」
ミカサ「うん」
エレン「懐かしいな」
ミカサ「……うん」
エレン「ちょっと座るか。前みたいに、階段に」
ミカサ「わかった」 - 40 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:23:46.06 ID:5rmyqQDB0
- エレン「……」
ミカサ「……」
エレン「あのさ、ミカサに話しておきたい事があるんだ」
エレン「今度、アルミンにも話そうと思ってる事なんだけどな」
ミカサ「なに?」
エレン「……俺、訓練兵団に入ってよかったと思ってる」
ミカサ「うん」
エレン「毎日、巨人を殺すために、色んな技術や知識を学べるからな」
ミカサ「……」
エレン「それだけでよかった。最初は、偽りなくそう思ってた」 - 41 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:25:56.64 ID:5rmyqQDB0
- ミカサ「今は違うの?」
エレン「……友達が出来たんだ」
ミカサ「コニーやライナーたちの事?」
エレン「少し前まで、友達はアルミンだけで良いとさえ思ってたのにな」
ミカサ「エレンは寂しがり屋だから」
エレン「悔しいけど、否定出来ねぇな。実際、友達が友達じゃなくなると思って、怖くなったし」
ミカサ「いつ?」
エレン「ベルトルトの時。話しただろ?」
ミカサ「うん。聞いた」 - 42 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:29:18.30 ID:5rmyqQDB0
- エレン「思い返せば、ライナーやベルトルトと仲良くなったきっかけは、情けなかったな」
ミカサ「そんな事ない。壊れたベルトで一瞬でも体勢を維持したエレンは凄い」
エレン「何で出来たか、俺にもわからねぇけどな。そう言えば、アニと話すようになったきっかけも情けなかった」
ミカサ「いつか私が、然るべき報いを……」
エレン「すんな」
ミカサ「冗談」 - 43 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:31:22.18 ID:5rmyqQDB0
- エレン「コニーとサシャは、不思議と気が合ったな。あいつらは本当に面白い」
ミカサ「エレンは、その二人と一緒に行動するようになってから、よく笑うようになった」
ミカサ「今度、改めてお礼を言おうと思う」
エレン「すんな。俺が恥ずかしい」
ミカサ「わかった。諦める」
エレン「クリスタは馬繋がりで仲良くなったよな」
エレン「最近のクリスタは、今まで以上に頑張ってるから、こっちもやる気が出て来るよ」
ミカサ「クリスタ繋がりだけど、アルミンがユミルを想っているのは意外だった。早く、成就させてあげたい」
エレン「俺もだ」
ミカサ「一緒に頑張ろう」 - 44 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:34:18.51 ID:5rmyqQDB0
- エレン「ジャンは……まぁ、根っから嫌な奴ってわけでもないよな」
ミカサ「意外。喧嘩ばかりしてるから、嫌いなんだと思っていた」
エレン「好きでもねぇけど、嫌いでもねぇよ。あいつの言ってる事は正しいからな」
ミカサ「確かに正しい。内地の安全性、憲兵団所属と言う将来の安定。どちらも普通の人は手に入れたいと考える」
エレン「そうだな。けど、俺は自分の考えが間違っているとは思ってねぇからな」
ミカサ「うん。エレンはそれで良い。どんな危険な事からでも、私が守る。安心してていい」
エレン「やめろ」
ミカサ「無理」
エレン「……」
ミカサ「……」 - 45 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:38:02.28 ID:5rmyqQDB0
- エレン「マルコとは、いつ仲良くなったか覚えてないな」
ミカサ「それは酷いと思う」
エレン「俺らの中じゃ、マルコは一番人と接するのが上手いからな。気付いたらもう普通に話してた」
ミカサ「言われてみれば、思った事を全部口に出すジャンと、最初に仲良くなったのはマルコだった」
エレン「だろ? そうそう、人付き合いが上手いと言えば、ミーナもそうだな」
ミカサ「ミーナはアニが孤立しないように頑張ってる」
エレン「ノリはいいし、他人との隔たりを感じさせない性格だから、アニとも上手くやってるよな」
ミカサ「マルコとミーナを嫌いな人は見た事がない」
エレン「俺もないな」 - 46 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:40:26.05 ID:5rmyqQDB0
- ミカサ「……それで」
エレン「ん?」
ミカサ「それで、エレンはなにが言いたいの? みんなを褒めるだけの話とは思えない」
エレン「……俺、夢を更新したんだ」
ミカサ「更新?」
エレン「俺とアルミンとミカサ、三人だけじゃなくて、みんなで外の世界を探検したい」
ミカサ「……」
エレン「ジャンやアニ辺りは嫌がるだろうし、なにより巨人をなんとかしないといけねぇけどな」
ミカサ「絶対に叶う。叶えてみせる。さっきエレンがくれたミサンガにも、そうお願いする」
エレン「ありがとな」
ミカサ「お礼はいらない。その分、生きていて欲しい」
エレン「当然だろ」
ミカサ「エレンは心配。凄く危なっかしい」
エレン「うっせ」 - 47 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:42:22.38 ID:5rmyqQDB0
- ミカサ「……エレン」
エレン「なんだよ」
ミカサ「探検に出ても、私はエレンの隣にいる」
エレン「家族なんだから、当たり前だろ?」
ミカサ「……うん。ずっと隣にいる」
アルミン「じゃあ、空いてるエレンの左側には僕が座らせて貰うね」 - 48 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:43:34.23 ID:5rmyqQDB0
- エレン「アルミン? なんでここにいるんだ?」
アルミン「僕だけじゃないよ」
コニー「俺はエレンの前な」
サシャ「私はミカサの前に座ります」
クリスタ「私はアルミンの前にするね」
エレン「コニー? それにサシャとクリスタも」 - 49 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:46:16.23 ID:5rmyqQDB0
- ユミル「私は――」
エレン「お前はアルミンの隣な」
ユミル「私がいる事にも少しは動揺しろよ!」
ユミル「それと、事情は理解した。けどな、もうアルミンとくっつけようとすんな」
ミカサ「ユミル」
ユミル「……わかったよ、こう言えば良いんだろ?」
ユミル「アルミンとは付き合えない。股のもん切除したら、少しは考えてやる。以上」
アルミン(面と向かって言われると、こう、胸にクるものがあるよね……)
アルミン(ユミルを恋愛対象として見てたわけじゃないけどさ、最近ちょっとは仲良くなったから余計に……) - 50 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:47:23.92 ID:5rmyqQDB0
- エレン「アルミンをフるなよ! アルミンが可哀想だろうが!」
ユミル「うっせぇ! 私の気持ちも少しは勘定に入れろ!」
アニ「うるさい。もっと静かに話しなよ」
ミーナ「とか何とか言いながら、ちゃっかりエレンの後ろをキープするんだね」
アニ「……」
ミーナ「あっ、ごめん。余計な事言っちゃったね。本当に怖いから睨まないで」 - 51 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:49:36.40 ID:5rmyqQDB0
- ベルトルト「僕はアルミンの後ろに座らせて貰うね」
ライナー「俺はベルトルトの横で、ユミルの後ろだな」
マルコ「僕はミーナの隣に良いかな?」
ミーナ「うん。けど、ミカサの隣も空いてるよ?」
マルコ「そこに座りたい人がいるからね」
ミーナ「あっ、そうだったね」 - 53 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:52:26.37 ID:5rmyqQDB0
- エレン「ぞろぞろ集まって来たな。マルコ、ジャンはどうしたんだよ? 一緒だったんだろ?」
ジャン「俺ならここだ」
エレン「そこにいたのか」
ジャン「……てめぇに言っておく」
エレン「なんだよ」
ジャン「俺はお前と一緒に巨人に食われるのなんてごめんだ。絶対に上位十人入りして、憲兵団に行ってやる」
エレン「それがどうした? 好きにしろよ」
ジャン「ただ、もしもだ。巨人がいなくなったら、お前の探検に付き合ってやらねぇ事もねぇよ」
アニ「……」
ミーナ(言いたかった事をジャンに言われて、アニが口をパクパクさせてる) - 54 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:55:48.32 ID:5rmyqQDB0
- エレン「……ジャンの口ぶりから嫌な気がして来たんだけど」
エレン「なぁ、お前、いや、お前らはどこからどこまで俺の話を聞いてやがった?」
アルミン「出発してから全部」
コニー「全て」
サシャ「漏れなく」
ユミル「残さず」
ミーナ「余らせず」
ライナー「一から十まで」
クリスタ「その……ごめんね?」
エレン「」
マルコ(あっ、エレンが放心した) - 55 :1[saga]:2013/07/06(土) 00:57:05.71 ID:5rmyqQDB0
- エレン「……う、う――」
マルコ「う?」
ミーナ(エレンの耳、どんどん赤くなってる)
クリスタ(気付かない内に話を聞かれるのは、流石のエレンでも恥ずかしいんだね)
エレン「うわあああああ!」
コニー「あだっ!」
ミーナ「恥ずかしさのあまり、コニーの頭踏んで川に向かったね」
マルコ「あっ、飛び込んだ」
ミカサ「エレン、川の水は冷たい。すぐに引き上げるから、待ってて」
エレン「こっちくんな、ばかぁ!」
アニ(エレンの犬掻き……) - 56 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:00:20.01 ID:5rmyqQDB0
- ミーナ「ミカサ選手、綺麗なフォームで入水」
マルコ「ほとんど波が立たなかったね」
コニー「エレン! 人の頭踏んで川に逃げてんじゃねぇよ!」
サシャ「コニーも飛び込んじゃいましたかぁ。流れ的に、私もですよね?」
サシャ「まっ、覚悟を決めますか。とうっ!」
ミーナ「うん。これは空気を読んで、私たちも続くべきだよね」
アニ「私、たち? わっ!」
ミーナ「お姫様だっこ~。じゃあ飛び込むよ。せーの!」
アニ「ちょっ――」
クリスタ「私たちも行こ!」
ユミル「……は? お、おい、クリスタ! それ以上、私の手を引っ張ったら、落ち――」 - 57 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:02:55.13 ID:5rmyqQDB0
- ベルトルト「ライナー、僕も行って良い? 良いよね? 行っちゃうよ? 行くからね!」
ライナー「あー……ウキウキしているところ悪いが、ちょっと待て」
ベルトルト「なに? 話なら短く、要点だけ言ってね」
ライナー「わかったわかった。……あのな、ベルトルト。俺なりに少し考えてみた」
ベルトルト「なにを?」
ライナー「もしこっちを選んだら、俺たちが開けた穴は、俺たちで塞ぐ。それでいいな?」
ベルトルト「……もちろんだよ。まだ、決め兼ねているけど」
ライナー「時間は充分残っている。ゆっくり決めろ」
ベルトルト「うん……」 - 58 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:04:15.22 ID:5rmyqQDB0
- アルミン「なんの話?」
マルコ「面白い話なら、僕も一枚噛ませてくれないかな?」
ライナー「なんでもない。それより、よっと」
アルミン「うわっ!」
マルコ「な、なんで僕らを肩に担いだの!?」
ライナー「これからみんなで水遊びをするからな。ベルトルト、ジャンを捕獲しろ」
ベルトルト「もう捕まえてるよ」
ジャン「離せよ、ベルトルト! 俺はお前らと泳ぐ気はねぇ!」
ライナー「よしっ、このまま飛び込むぞ!」
ベルトルト「うん!」
ジャン「止め――ガボガボッ」
- 59 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:05:38.30 ID:5rmyqQDB0
- 暫くした後、教官室
キース「……まさか、川で泳ぎ出す馬鹿がいるとは思ってもいなかった。しかも、これほどの人数とは」
エレン「すみませんでした!」
一同「すみませんでした!」
ジャン(俺は嫌だって、言ったのに……) - 60 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:06:38.75 ID:5rmyqQDB0
- キース「これから罰を言い渡す。不満のある者はいるか?」
マルコ「いません!」
キース「いい覚悟だ。では、貴様らは調理場に向かえ」
アルミン「調理場、ですか?」
キース「そうだ。貴様らは清掃作業を完全に中止して、他の訓練兵の食事を作れ」
キース「今から始めれば、昼食の時間に間に合うだろう」 - 61 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:08:25.54 ID:5rmyqQDB0
- キース「昼に食堂を利用する者のリストはこれだ。人数に合わせた量を作るように」
エレン「あの……罰はそれだけですか?」
キース「独房に入りたかったか?」
エレン「滅相もありません!」
キース「時間が惜しい。今すぐ準備に取り掛かれ。給仕の者たちには、私が連絡をしておく。以上だ」
一同「ハッ!」 - 62 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:09:24.98 ID:5rmyqQDB0
- 調理場
コニー「ふっ、やっぱり俺は天才だ。これほどまで完璧に芋の皮を剥けるやつはいないだろうな」
エレン「裸にした芋見てニヤニヤしてる暇があるんなら、手を動かせ」
サシャ「……」
エレン「サシャは逆に、不気味なくらい静かだな」
サシャ「口を開けると、このまま齧り付いてしまいそうなので」
エレン「悪かった。黙って皮を剥いててくれ」 - 63 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:11:48.84 ID:5rmyqQDB0
- クリスタ「エレン、追加のお芋を持って来たよ。どこに置いたらいいかな?」
アルミン(腰にエプロンを巻いてるクリスタ……最高です)
ライナー(結婚した)
ユミル「野菜が入った箱、重てぇ……」
エレン「ありがとな。その辺に置いててくれ」
クリスタ「うん」 - 64 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:12:56.22 ID:5rmyqQDB0
- アルミン「ミカサ、火加減はこんなもので良いかな?」
ミカサ「いいと思う。あとは調理を始められる時まで、火が弱くならないように注意しながら待機」
アルミン「うん」
ミーナ「アニ、お皿はどうしよう?」
アニ「この辺りの物を使えばいいと思う。リストの人数を数えたけど、この棚で足りるはず」
ライナー「先に皿だけ並べておくか。料理が出来たら鍋ごと運んで、皿に盛ればいいだろ」
ベルトルト「埃が溜まらないように、お皿に被せる布を探しておくね」
ライナー「任せた」
- 65 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:14:53.43 ID:5rmyqQDB0
- ジャン「水、持って来たぞ」
マルコ「あと一回くらい、往復しないといけないけどね」
アルミン「ありがとね、ジャン、マルコ」
エレン「ミカサ、ある程度皮が剥けたから、調理を始めてくれ」
ミカサ「わかった」 - 66 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:16:26.89 ID:5rmyqQDB0
- クリスタ「食材は運び終わったから、一番忙しそうな皮剥きを手伝うね」
エレン「おう、頼む」
ユミル「私もそうすっかな」
エレン「ユミルは調理の手伝いな」
ミカサ「こっちをお願い」
クリスタ「ユミルはミカサとアルミンのお手伝いをよろしくね」
ユミル「クリスタまで……いいよいいよ、わかったよ!」
ユミル「おい、根暗金髪チビ。私が手伝ってやる。感謝しろ!」
アルミン「うん。助かるよ」 - 67 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:18:23.47 ID:5rmyqQDB0
- コニー「ところで、エレンに聞きたいんだけどよ」
エレン「なにをだ?」
コニー「壁の外ってなにがあるんだ? 俺、全然知らねぇぞ」
クリスタ「私も知りたいな」
サシャ「私にも教えて下さい」
エレン「アルミンが詳しく教えてくれるぞ。なぁ、アルミン」
アルミン「今日はエレンが教えてあげなよ。僕もエレンの口から聞きたいからね」
エレン「なんで?」
ミカサ「私もエレンの言葉で聞きたい」
エレン「わかったよ」
アニ「……」
ミーナ(お皿を取るふりをして、聞き耳を立ててるアニ。かくいう私も興味がある話だけどね)
エレン「いいか、よく聞けよ。外の世界には海ってのがあってな――」 - 68 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:20:00.30 ID:5rmyqQDB0
- 終わり!
シリーズ物なんて初めてだったから投下する度に緊張度がレッドゾーン振り切ってた
ウンコ投げてんじゃねぇよ、このゴリラ野郎! って言われないかドキドキしてたよ豆腐メンタルだし
なにはともあれ、これで風潮は本当におしまい
お付き合い下さり、本当にありがとうございました - 69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2013/07/06(土) 01:21:09.86 ID:qn+L81xSo
- 乙
好きなシリーズだったから終わるのは寂しいが楽しかったよ - ¥5 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:29:26.87 ID:5rmyqQDB0
- 次回予告
エレン「雪山での訓練?」
季節は冬。雪で覆われた山で、訓練が行われる事となった。
過酷すぎる故に、参加者は希望する者のみ。
その訓練に挑む第104期訓練兵たちだが……
歩む事さえ阻む雪
ジャン「クソッ、思ってたよりも進んでねぇ」
マルコ「落ち着いて進もう。焦ったところで、無駄に体力を消耗するだけだよ」
遊ぶ馬鹿
コニー「フフフーン。フフン♪」
エレン(!? コイツ、小便で雪に自分の名前を……負けるか!)
サシャ「男の子は良いですね。どこでもおしっこ出来て」
エレン・コニー「こっち見んな!」 - 76 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:31:08.63 ID:5rmyqQDB0
- 深まる友情
アルミン「エレン、助けに来てくれたんだ……」
エレン「当たり前だろ。ほら、背中に乗れ。戻るぞ」
アルミン「うん……」
忘れられる者
エレン「あれ? ジャンはどうした?」
コニー「サシャが拾ったんじゃないのか?」
サシャ「コニーが助けたんだと思ってたんですけど」
ジャン「俺を雪山に、忘れ、ないで、くれ……」 - 77 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:32:26.03 ID:5rmyqQDB0
- 夜になっても戻らない者たち
マルコ「ユミルの班が見当たらない!」
ジャン「チッ、だからあいつらは参加すんなって言ったのに」
エレン「ごちゃごちゃ言ってねぇで、探しに行くぞ!」
そして、別れ
ミカサ「エレン!」
アルミン「エレェェン!」
エレン(絶対に、お前らの所に戻ってやる……だから、安心、し、ろ……)
雪山行軍訓練~行方不明になったクリスタ、ユミル、そしてダズを救出せよ!(三人は自力で戻るよ)~ - 78 :1[saga]:2013/07/06(土) 01:33:35.06 ID:5rmyqQDB0
- 同時掲載、とある三人+一人のかまくら出張版
アニ「……」
ミーナ「……」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
アニ「……ミーナ、お餅焼けたから食べていいよ」
ミーナ「……うん」
ライナー「十人以上入れるように、大き目に作ったんだがな……」
ベルトルト「来てくれたの、ミーナだけだったね……」
20013年夏、公開予定 - 79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage ]:2013/07/06(土) 01:42:13.63 ID:JSHyyIpVo
- 18000年後か
期待 - 80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/07/06(土) 01:47:06.90 ID:MPG9AE+q0
- 乙
好きなシリーズやったから終わるの寂しいけど次回作に期待! - 81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/07/06(土) 01:48:31.43 ID:7VNBX0YX0
- すんげえ青春してんな~wwwwww …死にたくなるわ
お疲れ様ー
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1373/13730/1373032298.html
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