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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

スネーク「俺はアイドルになる。」オタコン「」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 20:57:13.47 ID:gDXdFf700

時代:タンカー編の後
面白さ:期待しないで欲しい
速さ:書きダメしてるので安心

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 20:57:13.47 ID:gDXdFf700

時代:タンカー編の後
面白さ:期待しないで欲しい
速さ:書きダメしてるので安心


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 20:57:50.14 ID:gDXdFf700

2009年 2月3日 ―某所―

スネーク「俺はアイドルになる。」

オタコン「」

オタコン「…え?スネーク、今なんて言ったんだい?」

スネーク「俺はアイドルになると言ったんだ。」

スネークの言葉をうまく飲み込めないオタコンは目頭を押さえ、頭を振った。

オタコン「…僕の聞き間違いかな…アイドルって聞こえたんだけど?」

スネークの妄言とも聞こえる言葉にオタコンは頭を抱えている。


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 20:58:16.71 ID:gDXdFf700

スネーク「残念だが聞き間違いではない。俺はアイドルになる、そう言ったんだ。」

オタコン「OK、落ち着いて…えーと…色々と聞きたいことがあるけど、まずその考えに至った経緯を聞こうか。」

スネーク「きっかけか…一ヶ月くらい前、今日本で流行している『竜宮小町』というアイドルグループをお前が紹介してくれただろう?」

オタコン「あ、ああ…そんなこともあったね…」

オタコンは一か月ほど前、ネットサーフィンをしている所をスネークがたまたま見つけて話しかけてきたことを思い出していた。


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:00:26.27 ID:gDXdFf700

その時のスネークは異常なほどディスプレイに映る少女たちのことについて訊いてきた。

オタコンはスネークがアイドルに興味を持ったのだと思い、嬉々として彼女たちに関する情報、活躍を知る限りで伝えた。

スネーク「…あの時、PCのディスプレイに映る煌びやかな世界を見て、俺は虜になってしまったようだ…」

オタコン「…それで?」

スネーク「最初は、お前の言う「萌え」のような感情だと思っていたんだ…だが、日が経つにつれて、俺も彼女たちのようにキラキラと輝くステージで、ワクワクするような体験をしてみたい。そう思うようになってしまったんだ…」

オタコン「スネーク…(こいつ何言ってんだ?)」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:01:00.56 ID:gDXdFf700

オタコン「君の気持ちはわかった。でも、僕らにはやらなきゃいけないことが残っているだろう?」

スネーク「…メタルギアか?」

オタコン「そうだ。僕らはオセロットがタンカーから盗んだREYを破壊しなきゃいけない。それに、世界中に散らばっているメタルギアの因子もね。」

スネーク「確かにな…」

オタコン「納得してくれたかい?じゃあこの話はもういいね。」

スネーク「だが、そんなことは関係ない!」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:01:34.20 ID:gDXdFf700

オタコン「…なにを言っているんだスネーク?君が動かなかったら誰がメタルギアを破壊するんだ?!」

スネーク「さあな、きっと近い将来戦闘機みたいな名前の奴がなんとかしてくれるさ。」

オタコン「何を言っているのかさっぱりわからないよ…」

スネーク「とにかく、俺はアイドルになると決めたんだ。引き止めても無駄だぞ。」

そう言い残して、スネークは出て行ってしまった。

オタコン「ちょっ、スネーク!スネーーーーーーク!!!!」

デーレッデデデン デケデケデッデッデン
―GAME OVER―


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:03:09.88 ID:gDXdFf700

2009年 2月3日 ―765プロ前―

765プロの前に一人の男が立っている。その男は日本人ではなく、青く輝く瞳からわかるようにアメリカ人であった。身長はおよそ180cm、筋骨隆々というわけではないが、しなやかな筋肉を携えている。

その外見から、彼は他の人間とは一線を画す何かを漂わせているのが周囲の一般人でも見て取れた。

スネーク『オタコン、目的地に着いたぞ。俺はこれからどうすればアイドルになれるんだ?』

勢いで飛び出したスネークは、アイドルになる方法も知らずに日本へと来ていた。


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:03:46.40 ID:gDXdFf700

オタコン『そうだね…まあ、事務所に入ってみたらいいんじゃないかな?』

体内通信を通して尋ねられたオタコンはやる気の無いような答えを返す。それもそのはずで、彼は自分の相棒がアイドルになることに反対しているためやる気は0なのである。

オタコン「(まあ、アイドルに向いていないというのがわかれば、スネークも流石に諦めてくれるだろう…)」

スネーク『よし、じゃあ早速事務所に潜入してみるか。』

スネークが事務所に踏み込もうとしたその時、背後から声をかけられた。


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:04:31.55 ID:gDXdFf700

振り返ると全身が黒っぽい中年の男が立っていた。

社長「き、君、ここの事務所になにか用かい?」

スネーク「ああ、まあそんなところだ。」(日本語)

そう答えると中年男は目を輝かせてさらに近寄ってきた。

社長「ま、まさか君アイドルになりたいのかい?!」

アイドルという単語にスネークは反応する。

スネーク「!!…あ、ああそうだ俺はアイドルになりたいんだ!!」

中年男はスネークの手をがっしり掴み、涙を流して訴え始めた。


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:06:24.17 ID:gDXdFf700

社長「おお、私は君のような人材をずっと待っていたんだ!一目見て、ティン!と来たよ、君ならトップアイドルになれる!」

スネーク「ほ、本当か?!」

オタコン「(mjk)」

社長「ああ本当だとも!さあさあ、こんなところで立ち話もなんだ、中でゆっくり話をしようじゃないか。」

中年男はそう言ってスネークの手を離すと、扉を開けて中へ入るよう促した。


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:06:53.28 ID:gDXdFf700

ビルへ入り階段を上っているときふとあることに気がついたスネークが前を行く中年男に話しかけた。

スネーク「ところで、あんたはこの事務所の関係者なのか?」

中年男は足を止め、こちらに向き直った。

社長「おお、そういえばまだ名乗っていなかったね。私は765プロの社長、高木順二郎だ。これからよろしく頼むよ。」

社長と名乗った男は胸ポケットから名刺入れを取り出すと、その中の一枚をスネークに差し出した。


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:07:33.74 ID:gDXdFf700

受け取って見てみると、確かに「765プロダクション社長 高木順二郎」と書かれていた。

スネーク「こちらこそよろしく頼む。俺は…イロコィ・プリスキンだ。プリスキンと呼んでくれ。」

スネークが握手を求めると、社長は快く受け入れ両手で手を握った。

社長「プリスキンか…良い名だなあ!」

握手を終えると社長は鼻歌を歌いながら階段を上り始めた。


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:08:51.01 ID:gDXdFf700

オタコン『スネーク、なんだいその偽名は?』

スネーク『日本に来る前に考えた名前だ。流石に『ソリッド・スネーク』で活動をするわけにはいかないからな。どうだいい名前だろう?』

スネークは一年前にハドソン川でタンカーを沈めたことにより世界的な犯罪者として世間に広まっていた。

しかし死体を偽造したため世間ではソリッド・スネークは死んだものとされている。

ただ、未だにネット上では、スネークはまだ死んでいない、死体は偽造だ。という意見が出続けている。


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:09:51.62 ID:gDXdFf700

タンカー潜入時に顔つきの写真も世界中にばらまかれたが、暗所で撮られたものだったのと、既に死んだ者という意識が幸いしてか、今のところ街を歩いていて指をさされたことはなかった。

オタコン『まあまあかな…』

嬉しそうに話すスネークに対し、オタコンの心中は暗雲が立ち込めていた。

オタコン「(スネーク、なんで社長に気に入られちゃってるんだよ…っていうかおかしいだろ?大の男をスカウトするなんて…「ティンときた!」ってなんだよ…スネークはノリノリだし…このままじゃ本当にアイドルとして爆誕しちゃうじゃないか…)」

などとオタコンが考え事をしている間にも時間は無情にも過ぎていき、気がついた頃にはスネークは既に契約を交わしたあとで社長と今後の予定について話を進めていた。


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:10:18.51 ID:gDXdFf700

悲しいかな、ここに765プロの新人アイドル「イロコィ・プリスキン」が爆誕したのである。

オタコン「(わけがわからないよ…)」


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:11:32.16 ID:gDXdFf700

数時間後 ―社宅―

日本での宿が無くて困っているという旨を社長に伝えると、社長はすぐに社宅を用意してくれた。

社宅は事務所から徒歩10分のところに存在しており、社長に案内をされたスネークは一通りの説明を受け、今は疲れた体を休めていた。

スネーク『まさか部屋まで貸して貰えるなんて思わなかったな。日本の冬とはいえ、ダンボール一つで過ごすのはしんどいからな。』

オタコン『ああ、そうだね。東京の今日の最低気温は?6℃らしいから、いくら君でも野宿だと大変だったかもね。』


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:12:21.02 ID:gDXdFf700

オタコン『ああ、そうだね。東京の今日の最低気温はマイナス6℃らしいから、いくら君でも野宿だと大変だったかもね。』

スネーク『こんなに親切にしてもらえるなんてありがたい限りだ。これは明日からのアイドル活動を本気でやるしかないな。』

スネークの言葉にオタコンは顔を曇らせて答える。

オタコン『そ、そうだね、頑張ってよスネーク。ところで、明日は一体何をするんだい?』

オタコンの動揺にはまったく気づかず、スネークは明日の予定を確認する。


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:13:40.27 ID:gDXdFf700

スネーク『明日は〇七〇〇時に765プロへ出勤、そこで所属アイドルとプロデューサー達に挨拶をするようだ。その後はプロデューサーの指示でレッスンやらオーディションへと向かうらしい。』

オタコン『なるほどね。じゃあもう寝たほうがいいんじゃないかい?馴れない土地で疲れただろうし、明日のこともあるから。』

オタコンの提案にスネークはあくびをして答える。

スネーク『ふあ……あふぅ…確かにそうだな。思った以上に疲れたようだから今日はもう休むか…じゃあなオタコン、明日も頼むぞ。』

そう言うとスネークは通信を切りベッドに入った。数分後には部屋に静かないびきが聞こえていた。


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:14:08.85 ID:gDXdFf700

オタコン「(社長はスネークを受け入れてくれたが、会社員やアイドルたちがスネークをすんなりと受け入れてくれるはずがないだろう…頼むぞ…世界の未来は君たちにかかってるんだから…)」

そこまで考えると、オタコンは大きな欠伸を一度してまぶたをゴシゴシと拭った。

オタコン「……あふぅ…僕も疲れたし、寝るかな…」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:14:59.03 ID:gDXdFf700

2009年 2月4日 ―765プロ―

事務所にはスネーク、その隣にはプロデューサーが立っており、向かって正面に所属アイドルたちが興味深そうにスネークのことを見上げている。

P「みんな聞いてくれ、今日からうちの事務所に所属することになったアイドルを紹介するぞ!」

プロデューサーはスネークの背中を軽く押した。その合図でスネークは一歩踏み出し、自己紹介を始めた。

スネーク「今日から765プロに世話になることになったイロコィ・プリスキンだ。日本には昨日来たばかりで右も左もわからない。だが、アイドルになりたいという気持ちには嘘はない。これからよろしく頼む。」

そう言いスネークは頭を下げた。


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:15:34.22 ID:gDXdFf700

スネークが顔を上げてアイドルたちの顔を見てみると、全員がポカンとした顔をしている。

スネーク『オタコン、俺は何か変なことを言ったか?』

オタコン『残念なことに数日前から言ってるよ…わかったかいスネーク?彼女たちの反応こそ正しい反応なんだ。君はアイドルには向いていないんだよ…そもそもアイドルっていうのは…』

オタコンがここぞとばかりにスネークを説得しようとした時、先ほどまで呆然としていたアイドルたちから歓声が上がった。


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:17:20.36 ID:gDXdFf700

春香「ぷ、プロデューサーさん、ホントにこんな娘が765プロなんかに入ってくれるんですか?!」

千早「…すごい風格ね、思わず見とれてしまったわ…」

美希「なんだか、プリスキンはミキとおんなじ匂いがするの☆」

やよい「うっうー!プリスキンさんみたいな人が入ってくれるなんて頼もしいですー!」

真「すごい身体…教科書みたいな理想的な筋肉を持ってるね…」

雪歩「うぅっ、こんなオーラのある人と私が同じ事務所なんてありえないですよねぇ…私穴掘って埋まってますぅ…!」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:17:20.85 ID:O6SLbnlU0

ワロタwwwww支援


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:17:44.89 ID:gDXdFf700

真美「我が765プロもとうとう海外組を投入ですか→?!」

亜美「黒船来航ですな→!!」

貴音「あなたからは凄まじい程のおーらを感じます…」

響「ハム蔵も『あんたはスターになれる器を持っている。』って言っているぞ!!」

あずさ「あらあら、私たちもうかうかしていられないわね~」

伊織「ま、まあ、なかなか才能がありそうね…も、もちろんこの伊織ちゃんには負けるけどね!」

律子「こんな原石を見つけてくるなんて…さすが社長ね…」

事務所の空気は一気に和やかなものに変わっていて、スネークを受け入れる体制が整ったことがスネーク本人にもわかった。


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:19:24.04 ID:gDXdFf700

P「よーし、じゃあお前たち、これからプリスキンと仲良くやってくれよ。プリスキンは午後から俺と一緒にレッスンに行くから、それまでは事務所でみんなと親睦を深めてくれ。」

スネーク「了解した。」

スネークが承諾した瞬間にアイドルたちが群がってきて、スネークはそのまま談話室のほうへ連れて行かれてしまった。

キャーキャー ウフフ セイヨクヲモテアマス…

オタコン「(…僕がおかしいのか?)」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:20:04.54 ID:gDXdFf700

同日午後 ―車内―

レッスンスタジオへ向かう車内にはスネークとプロデューサー、そして真と響が同乗していた。

あの後数時間に渡りアイドルたちからの質問攻めを受けたスネークはこころなしか少しぐったりしているように見える。

P「まあ、あれだけ長時間質問されたら疲れちゃうよな。」

プロデューサーが運転しながら隣のスネークに話しかける。

スネーク「ああ、確かに疲れた。しかし、嬉しいとも同時に思った。」


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:20:34.74 ID:gDXdFf700

P「嬉しかった?」

スネーク「そうだ、俺みたいな流れ者をあんたたちは嫌な顔一つせずに、寧ろ笑顔で受け入れてくれた。こんな俺でも受け入れてくれる場所があるとわかったことが、とても…嬉しい…少しおかしいだろうか…?」

スネークの問いかけに後ろの響が答える。

響「わかるぞプリスキン!自分も沖縄から上京して来た時、自分の居場所なんてこの世にないんじゃないかってすっごい不安だったぞ!自分の居場所ができるとすごい安心するもんな!」

真「プリスキン、僕たちはもう家族なんだ。家族を笑顔で受け入れるのは当たり前だろう?だから、辛くなったらいつでも頼っていいんだよ。」


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:21:11.63 ID:gDXdFf700

スネーク「…家族、か…ありがとう、真。それに響…」

P「ところで、なんでお前たちまで付いて来てるんだ?今日は午後からオフだっただろう?」

真「えへへ…実はプリスキンのダンスに興味がありまして…」

響「えへへ…自分も真と同じ…」

P「まったく…人に興味を持つこともいいけどなあ…」

真「僕たちもちゃんとレッスンに参加しますから~いいでしょ?」

プロデューサーはため息をするとスネークに顔を向けた。


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:22:44.60 ID:gDXdFf700

P「…と、言うわけなんだがいいかな?本来ならワンマンでプリスキンのレッスンに付き合うつもりだったんだが…」

スネーク「俺は別に構わない。先輩のレッスン風景も参考にしたいし、それに…」

そこまで言い、スネークは少し頬を紅く染めてポツリと呟いた。

スネーク「“家族”…だからな…」

スネークの言葉を聞いて、真と響は顔を見合わせ笑みを浮かべると、後ろから手を回してスネークの席に抱きついた。


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:24:01.23 ID:gDXdFf700


スネーク「!おっおい?!こら、離せっ///」

真「プリスキン~僕たち“家族”だろ~?」

響「そうだぞ~!“家族”なんだから遠慮するな~!」

P「おいおい、頼むからおとなしくしてくれよ~!」

オタコン「(なんでこんなに仲良くなってんの?)」


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:24:29.66 ID:gDXdFf700

二時間後 ―ダンスレッスンスタジオ―

コーチ「765プロさん…凄い新人を連れてきましたね…」

P「ええ…期待はしていましたけど、まさかこれほどの才能があるとは…」

二人は驚きを隠せない様子でスネークの練習風景を見ている。

結果から言うと、スネークはプロデューサーが期待していたレベルをはるかに超えた動きを見せていた。


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:26:09.44 ID:gDXdFf700

スネークは最初こそ馴れないダンスの動きに四苦八苦していたが、持って生まれた知能、運動神経と、過酷な訓練や任務で鍛えられた筋肉を駆使し、ダンスのレベルを常人では考えられない異常な速さでマスターしていった。

現在のスネークのダンスは世界大会でも通用するほどまでにレベルアップしていた。

また、ダンスのレベルもさることながら、その無尽蔵とも思わせる体力にも舌を巻いていた。スネークはかれこれ一時間半近く激しいダンスを、息も切らさず踊り続けている。

その光景を、同じ時間にレッスンを始めた真と響が休憩しながら瞳を輝かせて見ている。


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:27:06.97 ID:gDXdFf700

しかし、流石に体力の心配をしたコーチが、もう少し見ていたいという欲求を抑え、手を三回ほど大きく叩いてスネークの動きを止めた。

スネークが動きを止め、コーチの方へ向き直る。その額には汗がしっとりと浮かんでいる。

スネーク「…どこかおかしかったか?」

コーチ「いいえ、その逆よ。凄いわプリスキン。あなた、ダンス一本でも十分生活できるわよ。でも、これ以上はさすがに体力が持たないはずよ。そろそろ時間だし終わりにしましょう?」

コーチの提案にスネークは頷くと、真と響がいる方へ歩み寄る。


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:27:54.50 ID:gDXdFf700

スネーク「どこかおかしいところはあったか?」

スネークの問いに真と響は首をブンブンと横に降り、目を輝かせてスネークに賞賛の声をかけた。

真「凄いよプリスキン!今のアイドルであんなダンスできる人なんていないよ!」

響「そうだぞ!一体どうやったらあんなダンスが踊れるようになるんだ?!」

スネークが答えを探しあぐねていると後ろからプロデューサーが近寄って来た。手には水を持っていて、それを三人に差し出す。


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:28:21.00 ID:gDXdFf700

P「三人ともお疲れ、とは言ってもプリスキンは疲れてなさそうだけどな。この後俺は一旦事務所に戻るけど、お前たちはどうするんだ?戻るなら一緒に送ってくけど。」

真「う~ん…僕はここからの方が近いんで大丈夫です。」

響「自分も今日はここから帰るから平気だぞ。」

P「そうか、プリスキンはどうする?」

スネーク「俺は事務所からの方が近いから、乗せて行ってもらえると助かるな。」

スネークの言葉にプロデューサーは頷く。

P「わかった。じゃあ先に車で待ってるから用意ができたら来てくれ。」

そう言ってプロデューサーはスタジオを出て行った。


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:28:53.33 ID:gDXdFf700

20分後  ―車内―

帰りの車内は行きの時とは違い、静かな空気が流れており、スネークの眠気を誘う。

スネークが睡魔に負けそうになった時、運転しているプロデューサーが問いかけてきた。

P「どうだ、あいつらとは仲良くやれそうか?」

スネークは睡魔をなんとか撃退し、数秒間をおいて答えを出す。

スネーク「ああ、みんないい娘ばかりだ…なんというか…心が安らぐ。」


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:29:41.50 ID:gDXdFf700

P「それは良かった。真も言っていたが俺たちはもう“家族”なんだ。悩みごととかあったらすぐに頼ってくれていいんだからな?」

スネーク「そうだな…その時は頼らせてもらうよ…」

そうこうしていると「765」と窓に大きく貼られた建物が見えてきた。

オタコン「(僕の立場っていったい…?)」


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:30:22.35 ID:52i+iS08P

お前が正しいぞオタコン


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:30:53.69 ID:gDXdFf700

翌日からの各レッスンでも、スネークは才能の片鱗を大いに見せつけ、アイドルとしての頭角を現し始めた。

スネークの才能に感化されたアイドルたちはより一層レッスンに励むようになり、彼女たちも頭角を少しずつ現すようになっていった。

レッスンを通していく過程で、スネークとアイドルたちとの信頼関係はより強固なものになっていき、765プロにとってスネークは最早なくてはならない存在になりつつあった。

そしてアイドルデビューしてから2週間後には、スネークのダンス、ヴィジュアル、ボーカルのパラメーターは全て限界値まで到…達していた。

オタコン「(こんなの絶対おかしいよ…!)」


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:31:22.42 ID:gDXdFf700

2009年 2月19日 ―765プロ―

事務所には『竜宮小町』以外のアイドルたちが揃っている。いつかのようにプロデューサーの前にはアイドルたちが並んでいる。

ただ前回とは違い、スネークもアイドルたちと一緒に並んでいる。

P「…えーというわけで、三日後の765プロ感謝ライブにプリスキンも出ることになりました。」

突然の発表にもアイドルたちは驚かず、寧ろなにを当然のことをと言ったふうにプロデューサーを見ている。


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:32:17.67 ID:gDXdFf700

P「あれ、驚かないの?」

千早「妥当な判断でしょう。普通のアイドルだったら反対してますけど、なにしろプリスキンですからね。」

春香「私たちもプリスキンがいれば心強いし、きっと最高のライブになりますよ!」

貴音「ええ、プリスキンのステージ、真に楽しみです。」

美希「ミキ、プリスキンに負けないくらい頑張っちゃうの!」

アイドルたちは初となるライブにそれぞれ思いを馳せている。もちろんそれはスネークも例外ではない。


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:32:53.98 ID:gDXdFf700

スネーク「(いよいよ夢にまで見た念願のステージに立てるのか…胸が熱くなるな…)」

P「じゃあ、プリスキンには歌ってもらう曲を決めてもらおう。この中で何か歌いたい曲はあるか?なければ用意するが。」

差し出された曲リストを眺め、スネークはその中から一曲を選んだ。

スネーク「では『キラメキラリ』で。」


102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:34:15.85 ID:gDXdFf700

スネークの選択にアイドルたちがざわつく。

P「おっ、イメージにぴったり合ってるな。本番ではやよいと真美が一緒にステージに立つから入念に打合せしておくんだぞ。」

やよい「うっうー!プリスキンさん頑張りましょうねー!」

真美「真美もプリリンに負けないくらい目立っちゃうからね→!」

スネーク「ああ、よろしく頼む!」


103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:34:17.62 ID:8fYJhQyp0

スネークなら何をしても様になる


106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:35:08.72 ID:gDXdFf700

2009年 2月22日 765プロ感謝ライブ当日 ―ライブ会場―

スネークは舞台袖で輝くステージを見つめていた。

ステージでは春香が『乙女よ大志を抱け!!』を歌っている。しかし、会場の熱は冷たい。

原因は分かっている。会場に来ているファンの多くは『竜宮小町』目当てだ。彼女たちが出てこず、前座が長いことステージに立っていることが不満なのだろう。

本来ならば『竜宮小町』も今頃ステージに立って観客を盛り上げているはずだったのだが、不幸なことに台風に見舞われてしまい到着が遅れていた。

そのため、到着まで他のアイドルたちが場を繋ごうと精一杯頑張っているのだが、実際問題は厳しく、温まっていた空気は既に冷えたものになっていた。


107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:37:13.77 ID:gDXdFf700

しかし、そんな会場を目の当たりにしながらも、スネークには何か得体の知れない自信が自分の中にあるのを感じていた。

スネーク「(…そうだ、俺ならやれるさ。)」

視線をステージから隣に移すと、やよいが緊張した顔を浮かべている。

スネーク「やよい、緊張しているのか?」

やよい「は、はい…もし失敗したらって考えたら…うぅ…」

真美「だいじょ→ぶだよやよいっち!あれだけ練習したんだからきっとうまくいくって!」

やよい「そうかなぁ…」


108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:37:41.29 ID:gDXdFf700

スネーク「危険を冒す者が勝利する。」

やよい「え?どういう意味ですかそれ?」

尋ねられたスネークは歯を見せて笑った。

スネーク「恐怖を乗り越えて行動する者にしか勝利は来ないってことだ。」

やよい「へ~、プリスキンさんって物知りなんですね~」

そうこうしているうちに曲を終えた春香が舞台袖に帰ってくる。


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:38:11.58 ID:gDXdFf700

スネーク「お疲れ。」

春香「ありがとう!プリスキンも頑張ってね!」

スネーク「ああ、任せろ!」

スネーク、やよい、真美は春香と入れ違いにタッチを交わし、輝くステージに向かった。

事前の打ち合わせで、曲に入るまでのマイクパフォーマンスはスネークが担当することになっていたため、定位置に付いたあとスネークはマイクパフォーマンスを始めた。


113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:39:14.67 ID:gDXdFf700

スネーク「みんなー盛り上がっているかーーー?!」

スネークは持っていたマイクを客席の方に向けて問いかけるが、客の反応はいまいちである。

スネーク「ふむ、どうやらお前たち『竜宮小町』が出てこないからって退屈になっている感じだな…残念だが、台風の影響で『竜宮小町』の三人はここに来るのが遅れているんだ。」

スネークの発言に会場がざわめき始めるが、スネークはそのざわめきをかき消すようにまた語り始める。


114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:40:15.67 ID:gDXdFf700

スネーク「ぶっぶー!ちゃんと来るから心配はいらないぞ。『竜宮小町』が来るまでの間は俺たちが『竜宮小町』と同じくらい、いや、それ以上に頑張るから、しっかりと見ててくれよ!」

そう言いスネークは客席にウインクを投げかける。

スネークのウインクに会場のざわめきはなくなり、代わりに期待が膨らみ始めるのをスネークは肌で感じた。

そして曲が流れ始めた。


115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:40:31.22 ID:X4d1PH8p0

美希の見せ場取るなよwww


121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:42:53.69 ID:gDXdFf700

フレーフレー頑張れ!!さあ行こう♪
フレーフレー頑張れ!!最高♪

どんな種も蒔けば芽だつんです
マルマルスーパースター
どんな芽でも花になるんです
ハナマルスーパースタート

観客はスネークのパフォーマンスに酔いしれ始め、サイリウムをガンガン振るようになっている。

また、歌詞と歌詞の間に手拍子や掛け声を入れてくるようにもなってきた。


123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:44:34.06 ID:gDXdFf700

ミラクルどこ来る?待ってるよりも
始めてみましょう ホップステップジャンプ!!

サビの前に来る頃には会場の空気は劇的に変わっていた。

スネークが宙に浮くたびに会場が揺れ、スネークの汗が飛ぶたびに大きな歓声が起きる。

キラメキラリ ずっとチュッと
地球で輝く光
キラメキラリ もっとMOREっと
私を私と呼びたい
トキメキラリ きっとキュンッと
鏡を見れば超ラブリー
トキメキラリ ぐっとギュッと
私は私がダイスキ

フレーフレー頑張れ!!さあ行こう♪
フレーフレー頑張れ!!最高♪


曲が終わる頃には観客は大きな盛り上がりを見せており、観客の中にはパンフレットでプリスキンの項目を探す者まで現れていた。


126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:45:18.43 ID:gDXdFf700

曲を終えて、惜しみない拍手を送る観客に手を振りながら舞台袖に戻ると、他のアイドルたち全員が揃っていてスネークたちを迎えてくれた。

春香が興奮しながら酸素スプレーを渡してくる。

春香「三人とも凄かったね!お客さんもすっごい盛り上がってたよ!」

千早「私も、負けていられないわね。」

真「やっぱりプリスキンは凄いや!!よーし僕も頑張るぞー!」

雪歩「わ、私も精一杯頑張りますぅ!!」


127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:45:49.98 ID:gDXdFf700

響「自分も負けないくらいお客さんを盛り上げるぞ!」

貴音「ええ、私たちももっと高みを目指しましょう。」

美希「プリスキン、とーってもキラキラ輝いてたの!ミキも負けないくらいキラキラしちゃうから見ててよね!」

やよい「うっうー!プリスキンさんのおかげでうまくできましたー!この調子で頑張っちゃいますよー!」


128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:46:11.04 ID:gDXdFf700

真美「よ→し!亜美たちが来るまでにお客さんの心を奪っちゃお→!」

全員「おー!!」

スネークの活躍に感化されたアイドルたちは、今まで以上のパフォーマンスで観客を魅せ、失われた熱を取り戻していった。

そして、前座としての役割を最高の形でまっとうした彼女たちは、到着した『竜宮小町』にバトンを渡すと、控え室で泥のように眠ってしまった。

こうして彼女たちの初ライブは大成功という形で終わった。



129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:46:47.64 ID:gDXdFf700

2009年 4月19日 ―765プロ―

事務所には神妙な顔をしたスネークとプロデューサー、そしてその様子を不安げに見守るアイドルたちがいた。

プロデューサーが一冊の週刊誌をスネークに見せる。

P「プリスキン…これは本当なのか?」

表紙には「衝撃の真実?!765プロの最終兵器イロコィ・プリスキンの正体は死んだはずのソリッド・スネーク!?」と大きく書かれている。

問いかけられたスネークは表紙をじっと見つめたまま答えようとしない。


131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:47:31.62 ID:AuOXeANa0

oh...


132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:47:42.55 ID:gDXdFf700

P「黙っているっていうことは肯定ってことなのか…?」

なおもスネークはだんまりを決め込んでいる。

先のライブでの成功を機に、765プロには色々な仕事が舞い込んでくるようになった。

その中でもスネークへの仕事の依頼は他のアイドルたちよりも遥かに多く、スネークは各メディアに取り上げられるようになり、世間への認知度は出演するたびに鰻登りで増えていった。

そしてたった数週間の間にスネークのアイドルランクはAランクへと成長しており、765プロの中では『竜宮小町』を抜きトップに君臨していた。


135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:49:31.67 ID:gDXdFf700

しかし、世間への認知度が高まるにつれて、それに伴う弊害が現れ始め、Sランクアイドルへの道が霞み始めた。

その弊害というのは「イロコィ・プリスキン=ソリッド・スネーク」という噂である。

この噂はネット上で話題になり、プリスキンとスネークの顔写真を比べた画像がアップロードされたり、以前から存在したスネークの死体偽造説と相まったりして、噂はスネークの活躍に比例して日に日に拡大していった。

そしてとうとうその噂が週刊誌に載るところまで来てしまったのだ。


138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:50:15.08 ID:gDXdFf700

週刊誌を見つめるスネークの目には、目線にモザイクが入れられている男の姿が映っている。

その男は「ソリッド・スネークの古くからの知り合い」という肩書きでこの噂のことを真実として語っている。

スネーク「(この頭にこの髭…そして体格…俺の知り合い…オセロットか?)」

Prrrr

その時、スネークの体内通信にオタコンから連絡が入った。


140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:51:23.59 ID:gDXdFf700

スネーク『…オタコン、どうやら俺の正体がバレたようだ。』

オタコン『ああ、僕もさっき見たよ。モザイクはしてあるけどあれはどうみてもオセロットだね。』

スネーク『やつめ…一体なんのつもりだ…?』

オタコン『さあ…?彼なりの妨害工作なんじゃないかな?』

スネーク『せっかくいいところだったのに…』

オタコン『…彼女たちにはどう説明するんだい?』

スネーク『…』


141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:52:15.99 ID:gDXdFf700

オタコン『…僕としては全くのデマだとうまく説明してこの問題は無かったことにするべきだと思う。』

スネーク『…驚いたな、お前のことだから「いい機会だからこれを機にアイドルなんてやめて戻ってきなよ。」とでも言うと思ったんだが…』

オタコン『ついこの間までそう思っていたんだけどね…この間のライブ、輝くステージでキラキラと舞うスネークを見たらそんな気持ちは無くなっちゃったよ。』

スネーク『来てたのか?!』

オタコン『ああ、一番前の席にいたよ。なんたって君の晴れ舞台だからね。』

スネーク『そうだったのか…』



144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:54:42.83 ID:gDXdFf700

オタコン『実のところ、スネークがしょうもないステージを披露するようなら意地でもアイドルを止めさせて連れて帰ろうと思っていたんだ。だけど、そんな考えが恥ずかしくなるくらい君のステージは素晴らしいものだった。』

スネーク『本当か?!』
オタコン『嘘ついたってしょうがないだろ。なんていうか…キラキラと輝いていて…君のあんな楽しそうな顔は今まで見たことがなかったからね。』

スネーク『知り合いにそう言われるとむず痒いな。』

オタコン『まあ、そんなわけで僕は君のファンの一人なんだ。僕としては、このままアイドル活動を続けて欲しいかな。』

スネーク『メタルギアはいいのか?』


145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:55:36.23 ID:gDXdFf700

オタコン『もちろんそれは放っておけないけど…本人がやりたくないって言っていることを無理やりやらすのは少し違うような気がしてね…』

スネーク『…』

オタコン『まあ、アイドル活動に飽きて、スネークのやる気が復活したら戻ってきてくれればいいかな。それまでは僕の方でなんとかしてみるよ。』

スネーク『…それでいいのか?』

オタコン『スネーク、思えば君は今までずっとどこかの誰かに押し付けられた危険な任務ばかりをこなしてきた。そこに君の意志があろうとなかろうと。』

スネーク『…そうだな。』


146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:56:12.58 ID:gDXdFf700

オタコン『でも、そんな君が初めて任務や使命とか関係なくやりたいと思えることができた。そして君はそれを心の底から楽しんでいる。』

スネーク『…』

オタコン『僕には、いや誰にもそんな君を止める権利なんて持ち合わせていないよ。だから君は君の好きなように行動したらいいと思うんだ。僕は君の相棒として、そしてファンとして全力でサポートするよ。』

スネーク『…俺の思うように、か…わかった、俺は俺の思うとおりにやってみよう。』


147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:56:35.88 ID:gDXdFf700

オタコン『うん、どんな結果でも僕は付いて行くから頑張って!』
そう言い残してオタコンは通信を切った。

目の前にはスネークの返答を待っているプロデューサーがいる。振り返ると相変わらず不安な顔でアイドルたちがこちらを見守っている。

彼女たちに笑顔を向け、プロデューサーに向き直る。

スネーク「俺は…」


149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:57:57.12 ID:gDXdFf700

数時間後 ―社宅―

オタコン『本当によかったのかい、スネーク?』

スネーク『ああ、オセロットがこちらの動きを知っているとなれば、彼女たちに被害が及ぶ可能性も否定はできない。』

オタコン『確かに…オセロットなら女子供でも容赦なく手を出すからね…』

スネーク『それに、俺も十分キラキラを体験したしな。当初の目的は無事に達成できたから、まあ…良しとしよう。』

オタコン『僕としてはもう少し見ていたかったけど…まあ仕方ないよね。』

スネーク『なあに、戻ったら嫌というほど俺の歌やダンスを見せてやる。』


150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:58:19.07 ID:gDXdFf700

オタコン『ホントかい?!それは楽しみだなあ…で、いつこっちに戻ってくるんだい?』

スネーク『一週間後に最後のライブがあるから、その日の最終便でそちらに向かう予定だ。』

オタコン『ライブ…出るのかい?』

スネーク『…ああ、プロデューサーの計らいでな。出してもらえるそうだ。』

オタコン『…スネーク、嬉しそうだね?』

スネーク『ああ、嬉しい。』


151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:58:52.85 ID:gDXdFf700

数時間前 ―765プロー

スネーク「俺は…ソリッド・スネークだ。」

スネークの言葉に全員が驚きの表情を浮かべる。

P「冗談…じゃなさそうだな…」

スネーク「ああ、本当のことだ。イロコィ・プリスキンは偽名だ…まあ、ソリッド・スネークも同じようなものだが…」

P「でも、ソリッド・スネークは死んだはずだろ?なんで生きているんだ?」

スネーク「週刊誌に書いてあるとおりだ。俺は死体を偽造し、ソリッド・スネークの死体に見せかけたんだ。」


154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 21:59:35.64 ID:gDXdFf700

P「じゃあ、タンカー沈没事件の犯人っていうのも本当のことなのか?」

プロデューサーの問いにスネークは少し顔を曇らせる。

スネーク「…いや、その事件は少し誤解を孕んでいる。その現場に居合わせたのは確かだが…俺は、ハメられたんだ…」

スネークはタンカー事件のこと、自身の行なっている活動のこと、アイドルになろうと決めた経緯のことを事細かにわかりやすく全員に説明した。

スネーク「………というわけで俺は今に至っているわけだ。」

事務所には沈黙が漂っている。


155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:00:09.57 ID:gDXdFf700

スネーク「(やはり説明したところで犯罪者のレッテルは剥がれないか…)」

そう思っていると、アイドルの中の一人が手を挙げた。それは美希だった。

美希「えーと…つまり、スネークは悪い人達の悪巧みを阻止する正義の味方だったんだけど、ある日悪者さんたちに濡れ衣を着せられて悪い人になっちゃった。ってことでいいの?」

スネーク「まあ、大体そんなところだな。」

美希「じゃあ、スネークはいい人なの!」

スネーク「…いい人?俺が?」


156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:00:35.06 ID:gDXdFf700

美希「そうだよ!だって世界を守るために悪者さんとってるんでしょ?つまりいい人なの!正義の味方なの!」

スネーク「だが、俺はタンカー沈没の犯人で…」

美希「でもそれは濡れ衣でしょ?真実を知らない人にとってはスネークは悪者さんでも、真実を知っているミキたちにとっては正義の味方なの!」

難しい顔をしていたアイドルたちだったが、美希の持論に共感を示し始めた。


160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:01:14.58 ID:gDXdFf700

春香「確かにそうかも…」

千早「犯罪者っていう先入観があったから警戒しちゃったけど、真実を知ってみると私たち情報にうまく踊らされていたようね。」

雪歩「うぅ…疑っちゃってごめんなさいスネークさん!私穴掘って埋まってますぅ…」

やよい「なんかよくわからないですけど、スネークさんはいい人なんですねー!」

響「じ、自分はわかってたぞ!スネークが悪者なわけがないって!」

貴音「伝説の英雄…なるほど、あなたのおーらの正体がなんとなくわかりました…」


161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:01:51.72 ID:gDXdFf700

真美「ね→ね→スネ→ク、今度真美に銃見せてよ→」

亜美「あ、真美ずるい!スネ→ク、亜美にも見せて→!」

あずさ「あらあら、美希ちゃんもたまにはまともなこと言うのね~」

伊織「まあ、そんな噂に踊らされてる一般人なんかほっといてこれからも頑張りなさいよね…って真どうしたの?」

見ると真は拳を作ってフルフルと震えている。顔には少し怒りの色が見えている。


162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:02:36.49 ID:gDXdFf700

真「…なんで?」

スネーク「?」

真「なんで言ってくれなかったのさ?!僕たちは“家族”だって言ったじゃないか!偽名まで使って…相談もしないで…もっと、頼ってくれてもいいじゃんか…」

そう言うと真はその場に座り込み泣き出してしまった。

真美「あ→!スネ→ク、まこちん泣かした→!」

亜美「い→けないんだ→!律っちゃんに言っちゃお→!」

律子「こらあんたたち、空気を読みなさい!」

スネーク「真…」

スネークは真に歩み寄り、真と同じ目線になるように座り込む。


164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:03:32.44 ID:gDXdFf700

スネーク「すまなかったな、真。」

真「…ぐす…謝ったって…ひぐっ…許さないんだからぁ…」

スネーク「実を言うとな、俺には生まれた時から“家族”っていうのがなかったから、あの時真が俺を“家族”だって言ってくれて凄い嬉しかったんだ。」

真「…」

スネーク「俺にとっては初めての“家族”だったから、嬉しさが大きい反面、不安も大きかった。もし、本当のことを話して“家族”を失ってしまったら…そう考えるととてもじゃないが話すことはできなかった。」

真「失うわけないじゃんかぁ…」

スネーク「そうだな…そんなことを考えた俺が馬鹿だったな。本当にすまなかった。今度からはすぐに“家族”に相談するから、今回は許してくれないか?」

真は涙を拭うとすっと立ち上がった。


165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:04:39.05 ID:gDXdFf700

真「今回だけは許してあげる…でも、約束を破ったらハイキック食らわすからね!」

スネーク「そいつは痛そうだな。」

スネークも立ち上がり拳を差し出す。それを受けて真も拳を突き出し、コツンとお互いの拳を合わせた。

P「それで、これからはどうするんだ?スネーク。」

プロデューサーの方に向き直り、問いに答える。

スネーク「…それなんだが、すぐにでも引退しようと思っている。」

全員「えーーーー?!?!?」


166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:05:24.56 ID:gDXdFf700

美希「スネーク辞めちゃいやんなの!!」

伊織「辞めるなんてこの伊織ちゃんが許さないわよ!」

真「また勝手に決めて…約束は守ってもらいますよ!」

スネークは真の蹴りの猛襲を躱しながら、アイドルたちの反対意見を静めるために考えを述べる。

スネーク「色々考えたんだが…ほっ…俺がこのまま活動を…よっ…続けると…うおっ…765プロにも…はっ…迷惑がかかると思うんだ…くっ…」

真「なんでよけるんですか?!」

スネーク「いや、つい体が反応してしまって…なっ…」

気づくと他のアイドルたちは批判の声を抑えて、真とスネークのやり取りを面白そうに眺めている。


168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:06:04.54 ID:gDXdFf700

律子「おお、これだけでも稼げそうね…」

雪歩「真ちゃんカッコイイ!!」

貴音「さすが伝説の英雄…躱す動きも優雅です…」

スネーク「(このままじゃ埒があかないな…仕方ない、わざと食らってやるか…だが、速度、フォームから見るに威力が心配だな…一応レーションを装備しておくか…よし!)」

真の右脚がスネークの頭に向かってきていることを確認し、スネークはわざと動きを止める。そして真の右脚は綺麗な弧を描き、スネークのこめかみに直撃した。

スネーク「ぐあっ!!!」

スネークがその場に倒れ込む。


171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:07:02.53 ID:gDXdFf700

真「あ、当たっちゃった…大丈夫、スネーク?!」

スネークはよろよろと起き上がり無理やり笑顔を作る。手持ちのレーションが全てなくなっていることに気がついた。

スネーク「(一発の蹴りでこの威力か…FOX部隊よりも強いんじゃないか…?)」

真は心配そうにスネークを見ている。

スネーク「…話を戻そう。俺がこのまま765プロに居続けるのは少し危険な気がするんだ。」

雪歩「どういうことですかぁ?」



174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:08:24.62 ID:gDXdFf700

スネーク「この週刊誌に載っている俺の知り合いと名乗る男…こいつがこれに濡れ衣を着せた張本人だ。」

全員「!」

スネーク「こいつは拷問が趣味という非常に危ない男だ。目的のためなら女子供でも容赦せずに殺しにかかるだろう。」

スネークの話を一同は黙って聞いている。

スネーク「俺がここにいることを知っているということは、いつ襲撃が来てもおかしくはない。俺だけならいいが、お前たちを危険な目に遭わせるわけにはいかないんだ。だから、なるべく早く引退をしたい。」

P「…なるほど、確かに危険だな…わかった、社長には俺がなんとか話をつけてみよう。」

律子「ほ、本気ですかプロデューサー?!」

P「…他のアイドルを危険な目に遭わせるわけにはいかないだろ?」


175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:08:50.86 ID:gDXdFf700

律子「そ、そうですけど…」

P「ただ、引退するのはいいとして…一週間後のライブには出てくれないか?」

スネーク「…出ていいのか?」

P「もちろんだ!お前の最期のライブだからな、最高のライブにしよう!」

スネークが背後に意見を求めると、アイドルたちは全員笑顔を浮かべていた。

スネーク「…ありがとう。みんな、悔いの残らない最高の舞台にしよう!」

全員「おー!!!!」


178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:10:39.17 ID:gDXdFf700

2009年 4月26日 ―ライブ会場―

あれから一週間が経ち、スネークは以前と同じように舞台袖で輝くステージを見つめている。

以前と違うのは、ステージが広くなったことと、ステージの輝き、そして観客の数とそれにともなう熱気の量だった。

スネーク「(前とは比べものにならないステージだ…こんな会場で最期を飾れるなんて最高じゃないか。)」

今、ステージでは春香が歌っている。以前は冷めた空気の中での舞台だったが、今はサイリウムが振られ、掛け声が一糸乱れず飛び交っている。

ステージを眺めていると後ろから肩を叩かれた。振り返ると他のアイドルたちが全員揃ってスネークを囲んでいる。


179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:11:17.61 ID:gDXdFf700

スネーク「どうしたんだ?」

真が照れくさそうに頭を掻いて笑顔を浮かべる。

真「えへへ…スネークの最期のステージを目に焼き付けておこうと思ってさ。」

千早「スネークは私たちの目標だからね。」

スネーク「そうか、まあ見るのは勝手だが、こんなところで油を売って本番で失敗しても知らないぞ。」

軽口を叩いていると、春香がステージから戻ってきた。

いつかのお礼に酸素スプレーを春香に差し出す。



181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:11:45.72 ID:gDXdFf700

春香は差し出された酸素スプレーを笑顔で受け取り、スネークに激を飛ばす。

春香「ありがと、スネーク!次はいよいよスネークだよ、頑張ってね!」

スネーク「そうだな、本腰を入れるか。」

そう言い、スネークはステージに向かって歩き出す。

その背中をアイドルたちの声援が後押しする。


182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:12:11.09 ID:gDXdFf700

亜美・真美「スネ→ク頑張って→!」

やよい「スネークさん頑張ってくださいー!」

雪歩「スネークさん、私応援してますから…!」

伊織「あんたの実力見せつけてやんなさい!!」

あずさ「頑張ってね~スネークちゃん!」

響「スネーク、なんくるないさー!!」

貴音「さあ、遥かな高みを見せてください…!」

美希「すっごいステージで、ミキをワクワクさせて欲しいの!」

千早「スネーク、アイドルの基本を思い出して!」

真「スネーク、ずっと見てるからねー!!」

声援を受けてスネークは最期の輝くステージに立った。


185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:14:02.65 ID:gDXdFf700

会場はざわざわと色めき立っている。

しかし会場のざわめきに対し、スネークの心は静かに澄み渡っていた。

スネーク「(これが最期だ…本気で行くぞ…!!)」

スネークは大きく息を吸い込み曲の紹介をする。

スネーク「聞いてくれ。『ナガネギフラメンコ』

スネークの紹介を受けて、フラメンコ調の曲が流れ出す。


189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:16:18.57 ID:gDXdFf700

ネギ ネギ ネギ ネギ ネギー 
ナガネギフラメンコ オーレー

ネギばたけの中で おれは生まれた オーレー
黒いマント 黒いマスク
変身すれば かっこいいネギー
ぬけば無敵のナガネギの剣だぜ


オーレ オレ オレ オレ オレ オレ オレ オ
ナガネギフラメンコ オーレー
ネギ ネギ ネギ ネギ ネギー
ナガネギフラメンコ オーレー

ネギばたけの中で ネギはおどる オーレー
ネギのリズム ネギのダンス
こころうきうき わくわくネギー
これがうわさの ナガネギフラメンコ

オーレ オレ オレ オレ オレ オレ オレ オ
ナガネギフラメンコ オーレー
ネギ ネギ ネギ ネギ ネギー
ナガネギフラメンコ オーレー


194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:22:12.06 ID:gDXdFf700

スネークが叫び、踊り、走り、跳ぶ度に観客は歓声を上げ拳を振り上げる。

それを受けて、スネークは更にパフォーマンスに力を入れる。

舞台上で輝くスネークはもはやAランクには収まりきらない器量を携えていた。

ネギばたけ生まれの アイドルはおれさ オーレー
夢に生きる 夢のスター
にくいやつだぜ いかすぜネギー
天をめざして 長ネギはのびていくー

オーレ オレ オレ オレ オレ オレ オレ オ
ナガネギフラメンコ オーレー
ネギ ネギ ネギ ネギ ネギー
ナガネギフラメンコ オーレー


曲が終わると同時に割れんばかりの歓声と拍手が会場中に響き渡る。


195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:22:52.47 ID:gDXdFf700

スネークは観客に向かって一礼すると手を振りながら舞台袖に戻っていった。

舞台袖に戻るとアイドルたちがスネークに抱きついてきた。アイドルたちは全員泣きじゃくっており、声にならない声を上げて泣いている。

スネーク「おいおい…そんな顔でステージに出て行ったらファンに笑われるぞ?」

会場からはアンコールの声が響いてきている。観客は彼女たちが再び舞台に現れるのを心待ちにしていた。


197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:25:24.81 ID:gDXdFf700

スネーク「ほら、ファンが呼んでる…お前たちはアイドルだろう?行って来い。」

美希「スネークは?」

スネーク「俺は…少し疲れたからもう少ししたら行くよ…」

真「本当だね?」

スネーク「ああ、本当だ…だからさっさと行って来い…」

スネークが優しく声をかけると、彼女たちはスネークから離れ、涙を拭って輝くステージに走っていった。


198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:27:07.60 ID:gDXdFf700

アフィ転載禁止
これでいいの?


201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:31:00.55 ID:gDXdFf700

その背中を見守り、ぽつりと呟く。

スネーク「ありがとう…いい夢を見させてもらったよ…」

視線を感じて振り返ると、プロデューサーが立っていた。

P「最後まで見ていかないのか?」

プロデューサーの問いかけにスネークは笑みを浮かべ答える。

スネーク「日陰者の俺にとって、彼女たちの世界は少しばかり眩しすぎる。それに…」

P「それに?」

スネーク「俺の戦場はここじゃない。」

P「そうか…まあ、『引退』じゃなくて『休止』ってことにしておくから、気が向いたら帰ってきてくれよ。俺たちの“家”に。」

Pの言葉に手を振り、スネークは会場を去っていった。


202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:32:20.13 ID:gDXdFf700

2009年 4月29日

オタコン「スネーク、これを見てくれ。」

オタコンに呼ばれてPCのディスプレイを見てみると巨大な海洋プラントが映っていた。

スネーク「こいつは確か…『ビッグシェル』だったか?」

オタコン「ご名答。最近『ビッグシェル』のこと調べていたら、どうにもきな臭いことがわかって…」

スネーク「メタルギアか?」

オタコン「断定はできないけどね。どうやら『ビッグシェル』で新型のメタルギアが開発中らしいんだ。潜入してみてくれないかな。」


203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:35:12.72 ID:gDXdFf700

スネーク「わかった。いつだ?」

オタコン「海洋プラントの割に守りが厳重だから何か事件でも起きてくれれば…ん?」

PCをいじるオタコンの手が止まる。

スネーク「どうした?」

オタコン「…スネークチャンスだ!さっき『ビッグシェル』は『サンズ・オブ・リバティ』っていうテロリスト集団に占拠されたらしい。このごたごたを突いて乗り込もう!」



204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:36:56.38 ID:gDXdFf700

スネーク「わかった。すぐ準備する!」

装備を整えながらスネークは数日前まで一緒の時間を過ごした“家族”との写真を一瞥すると、静かに微笑む。

スネーク「(そう、俺は『正義の味方』だからな…)」

MGS2 プラント編に続く


215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:41:38.39 ID:iVp7f2L/0

おつおつ


224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/03(金) 22:54:21.72 ID:7r1n4h460

乙樽
765プロに潜入してヘンタイ行為に励むものかと思ったが違ってて良かった


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