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ドラッグ オン ドラグーン3 討鬼伝

千秋「夏奈。私は藤岡が好きみたいだ」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 15:42:33.11 ID:qtZm4G/rO

夏奈「千秋。それはひょっとしてギャグで言ってるのか?」

千秋「いや。ギャグなんか言ってないぞ。」

夏奈「あ~、友達としてって事ね。アイツはなんだかんだいい奴だしな。」

千秋「いや。残念ながら恋と言う感情みたいだ。」

夏奈「千秋は冗談がうまくなったなぁ~」

千秋「冗談でこんな話するほど私は暇ではない。」

夏奈「………」

千秋「そこで同じ学校に通ってる夏奈に色々と聞こうと思ってな」

夏奈「あ、いや、えっと…。」

千秋「?」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 15:55:10.73 ID:qtZm4G/rO

夏奈「千秋。それは本当に恋と言う感情なのか?」

千秋「どういう事だ?」

夏奈「いいか千秋。恋と言うのは一瞬の気の迷いなんだ。千秋はその一瞬の迷いに感情が流されただけなんだよ。」

千秋「言ってる意味がわからない」

夏奈「じゃあ聞くが。千秋はなぜ恋と言う感情だと思うんだ?ただ友達として好きなだけかもしれないじゃないか。」

千秋「私もそれについてはイマイチわからないんだ。ただ藤岡を見ると胸が苦しくなるような感じがするんだ…。」

夏奈「……病気か?」

千秋「違うと思うぞ。まぁ話を続けると、それで吉野や内田に聞いてみたんだ。そしたらあいつらは口々に恋だと言うんだ。だからこれは恋なんだと思った」

夏奈「内田と吉野め……余計な事を…。」

千秋「ん?何かいったか?」

夏奈「あ、いや別に…。」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 16:12:29.12 ID:qtZm4G/rO

千秋「それに藤岡を見るとなぜか体が熱くなる感じがするんだ。」

夏奈(本格的だな…。)

千秋「それで、私より年上の夏奈に意見を聞こうと思ってな」

夏奈「え!私!?」

千秋「いい加減夏奈も一回くらいは恋と言うものをしたことあるだろ?」

夏奈「あ、いや、そう…だな…。」

千秋「ん?どうした?」

夏奈「え!いや、なんでもない…。」

千秋「なんかいつもと様子が違うぞ?」

夏奈「そ、そんなことないよ!」

千秋「そうか。で、私はどうしたらいいんだ?」

夏奈「そう…だな…。」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 16:16:55.61 ID:qtZm4G/rO

夏奈「とりあえず…は、春香に聞いてみたらどうだ!」

千秋「春香ねぇさまに?」

夏奈「そ、そう!春香は更に年上だからな!私より的確なアドバイスがもらえると思うぞ!」

千秋「そうだな。春香ねぇさまなら何回かこういう体験したことあるはずだからな。そうしてみよう。」

夏奈(ふぅ…千秋が単純で助かった…。)

千秋「春香ねぇさま早く帰ってこないかなぁ~」

夏奈(春香!すまん…後はまかせた!)


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 16:25:31.28 ID:qtZm4G/rO

―――2時間後―――

ガチャ

春香「ただいまー」

千秋「あ!春香ねぇさま!」

夏奈(やっと帰ったか……あの後藤岡の話淡々とさせられていい加減疲れた…。)

千秋「お帰りなさい春香ねぇさま。」

春香「千秋、ただいま。今から急いでご飯作るから待っててね」

千秋「春香ねぇさま、私も手伝います。」

春香「そう?ありがとう!」

千秋「いえ、ついでに聞きたい事もありますので」

春香「なに?」

千秋「いえ、とりあえずご飯の支度でもしながら。」

春香「そうね。そうしましょう。」

タッタッタ…

夏奈(台所に向かったか…。これは様子を見るべきだな…。)


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 16:33:13.96 ID:qtZm4G/rO

―――台所―――

春香「それで千秋。聞きたい事ってなに?」

千秋「あのですね…。」モジモジ

春香「どうしたの?そんなモジモジしちゃって。恥ずかしい事なの?」

千秋「えぇ…少し…///」

夏奈(私にはあんな素振り見せなかったのに…。この差はなんだ…)

春香「どうしたの?大丈夫だから言ってごらん?」

千秋「はい…。実は、藤岡の事が好きになってしまったみたいなんです…」

ザクッ

春香「……っ!!」

夏奈(あ!春香が動揺して指切った!)

千秋「それも友達としてではなく、恋と言う感情を持ってしまったみたいなんです…」

ザクッ

春香「くっ…………!!!」

夏奈(あ!!二回も!)


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 16:41:34.67 ID:qtZm4G/rO

千秋「それでどうしたらいいかわからなくて…。夏奈に相談したら春香ねぇさまの方がそういう事は詳しいと言うので。」

夏奈(千秋め…余計な事を…)

春香「そ、そう…。」

千秋「春香ねぇさま。私はどうしたらいいのでしょう?」

春香「えっ!そ、そうね…。」チラッ

夏奈(なぜそこで私を見る!)

千秋「春香ねぇさま?」

春香「あっ!ごめんなさい。ちょっとボーとしてたわ。」

春香「えっと…。千秋が藤岡君を好きになってしまったって話よね…?」

千秋「はい…///」

春香(どうしたらいいの!千秋はまだ小学生だから変な答え方はできないし~!)

千秋「春香ねぇさま?」

春香(どうしよぅ…)

夏奈(あの春香があそこまで頭を悩ますなんて…これは一筋縄ではいかないな。)


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 16:59:57.12 ID:qtZm4G/rO

春香「と、とりあえず!時間も遅いし先にご飯作っちゃいましょ!」

千秋「そうですね。あまり夏奈を待たせると機嫌が悪くなりますから」

春香「そうね!夏奈の機嫌が悪くなったらめんどくさいものね!」

夏奈(人の事を好き勝手言って上手いように逃げたな。さすが春香。)

―――リビング―――

千秋「ほら。できたぞバカ野郎。」

夏奈「あ、あぁ。」

春香「それじゃ食べよっか!」

千秋「はい。では、いただきます」

春香「いただきます」

夏奈「い、いただきます。」

千秋「モグモグ」

春香「モグモグ」

夏奈「モグモグ」

夏奈(空気が死んでる…。)


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 17:10:57.44 ID:qtZm4G/rO

春香(さっきの話…どうしたらいいのかな…。)

春香(千秋はまだ小学生なのよ!?なのに中学生の藤岡君を好きになるなんて…。)

春香(まだ逆の方がよかったわ…)

千秋「春香ねぇさま?」

春香「へっ?な、なに?」

千秋「いえ…。さっきからチャーハンが床に…。」

春香「えっ!あ、ほんとだ。」

千秋「ずっとボッーとしてますが、どこか具合が悪いのですか?」

春香「だ、大丈夫よ。気にしないで。」

夏奈(春香の奴。そうとう動揺してるな。少し助けてやるか…。)


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 17:17:37.65 ID:qtZm4G/rO

夏奈「なぁー千秋?」

千秋「なんだ?」

夏奈「さっきの藤岡が好きって話なんだけどさ。直接本人に言ってみたらどうだ?」

千秋「えっ!」

春香「ちょ、ちょっと夏奈!」

夏奈「いつまでもウジウジしてたってしょうがない。直接本人に言うのが一番いいと思うぞ。」

春香(ちょっと夏奈ったら!何考えてるの!)ボソボソ

夏奈(大丈夫だ。藤岡も馬鹿じゃない。千秋が好きだって言った所で本気にはするわけない。)ボソボソ

夏奈(いいとこ「うん!僕も千秋ちゃん好きだよ!」とかニコニコ笑いながら返答して終わりだろう)ボソボソ

春香(そ、それもそうね…)ボソボソ

千秋「さっきから二人でボソボソと、どうしたんだ?」

夏奈「いや!なんでもないよ!」

千秋「んー?そうか。」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 17:23:44.52 ID:qtZm4G/rO

夏奈「よし!そうと決まれば明日にでも藤岡を呼ぶか。ちょうど土曜日だし。あいつも暇だろう。」

千秋「あ、明日!?」

夏奈「ん?駄目か?」

千秋「いや…その…。心の準備がな…。」

夏奈(本格的に恋する乙女じゃないか…。)

春香「じゃ、じゃあ日曜日にしよっか?明日1日で心の準備して」

千秋「は、はい…そうします。」

夏奈「よし。じゃあ私から藤岡に連絡を入れておこう。」

千秋「う、うん…。」

夏奈(明日1日空いたのは都合がいい。藤岡と少し打ち合わせをしなければ…。)


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 17:36:11.40 ID:qtZm4G/rO

夏奈「ごちそうさまぁー」

春香「ごちそうさま。」

千秋「ごちそうさまでした。」

夏奈「さて。ちょっと藤岡に電話してくる。」

千秋「あ、あぁ。夏奈!余計な事は言うなよ!ただ呼ぶだけでいい!」

夏奈「わかってるって。」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 17:38:12.93 ID:qtZm4G/rO

プルルル

ガチャ

藤岡「はい。藤岡です。」

夏奈「よー。藤岡か?南だけどー」

藤岡「み、南!?どうしたのこんな時間に!」

夏奈「お前明日暇か?」

藤岡「……っ!!全然暇だよ!!」

夏奈「そうか。じゃあ明日の9時に駅前のマケドに集合な~」

藤岡「9時にマケドね!わかった!」

夏奈「んじゃなー」

ガチャ

藤岡「南からお誘い…。これってデート!?」

夏奈(藤岡のやつやけにテンション高かったな。)



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 17:44:16.92 ID:qtZm4G/rO

―――日曜日―――

藤岡(ワクワクして30分も早く来ちゃったよ…)

藤岡(でも、そろそろかな。)

夏奈「おーい!」

藤岡「っ!」

夏奈「ごーめんごめん。少し寝坊しちゃってさぁ~」

藤岡「大丈夫だよ!俺も今来たところだから!」

夏奈「なんだ。お前も遅刻か。急いで来るんじゃなかった。」

藤岡「あ、ごめん…。」

藤岡(本当は早く来たせいもあって1時間近く待ってたんだけど…)

夏奈「まぁいいや。とりあえず店に入ろう。話があるんだ。」

藤岡「あぁ、うん。」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 18:29:11.02 ID:qtZm4G/rO

―――マケド店内―――

夏奈「それで話というのはだな…。」

藤岡「う、うん」

夏奈「お前…うちの千秋をどう思ってる?」

藤岡「えっ。どうって…可愛いと思うよ?いい子だし。」

夏奈「そうじゃない。女としてだ。」

藤岡「お、女として…?」

夏奈「そうだ。お前が千秋の事を女としてどう見てるかと聞いてるんだ。」

藤岡「い、いきなりそんな事聞かれても…。わかんないよ…。」

夏奈「そうか。ならば聞き方を変えよう。お前はロリコンか?」

藤岡「えっ!」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 18:38:19.81 ID:qtZm4G/rO

夏奈「どうだ?ロリコンなのか?」

藤岡「ち、ちがうよ!俺はロリコンなんかじゃ…!」

夏奈「わ、わかったわかった。そんなに興奮するな。」

藤岡(だって俺は南の事が…)

夏奈「とりあえずまとめると。お前はロリコンではないし、千秋の事も女としてではなく妹の様な存在で可愛いと思ってる。これで間違いないか?」

藤岡「ま、まぁそうなるかな?」

夏奈「ならば安心だ。明日うちに来ることを許可しよう。」

藤岡「え?なんの話?っていうか俺、明日南の家に行くの?」

夏奈「ん?そうだよ。明日好きな時間にうちにくるといい。千秋が話したいんだって。」

藤岡「千秋ちゃんが?なんの話?」

夏奈「さぁ。明日直接本人から言うってさ。」

藤岡「そうなんだ。とりあえず明日南の家に行けばいいんだね。」

夏奈「そうだよ。じゃあ、明日待ってるから~。」

藤岡「あ、うん。」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 18:45:50.58 ID:qtZm4G/rO

藤岡(話ってなんだろう…。ていうか、気合い入れて服選んで1時間も待ったのに話は15分で終わった…。)

藤岡(ゲーセンでも寄って帰ろ…。)

―――南家―――

ガチャ

夏奈「たっだいまー」

千秋「おかえり。どこ行ってたんだ?」

夏奈「いや、ちょっと内田の所にな」

千秋「ふーん。」

夏奈「そうだ。明日藤岡来るんだからシッカリ心の準備しておくんだぞ~。」

千秋「い、言われなくても、わかってる。バカ野郎。」

夏奈「そっかぁー。ならいいんだ。」

千秋「……」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 18:58:24.00 ID:qtZm4G/rO

―――日曜日―――

ピンポーン

夏奈「お!藤岡だな。」

千秋「お、おう…」

夏奈「千秋。お前そんな緊張してて大丈夫か?」

千秋「う、うるさい!バカ野郎!」

夏奈「まぁいいや。中に入れるぞ?」

千秋「ど、どんとこい!」

夏奈(本当に大丈夫か…?)

ガチャ

藤岡「やぁ。来たよ。」

夏奈「おー。待ってたぞ。上がりなよ。」

藤岡「うん。お邪魔しまーす」

千秋(すごいドキドキして死んじゃいそうだ…。)


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:08:35.80 ID:qtZm4G/rO

藤岡「やぁ千秋ちゃん。こんにちは。」

千秋「お、おう。」

藤岡「あ。藤岡(クマ)ちゃんと大切にしてくれてるんだ。ありがとう。」

千秋「ま、まぁな!せっかくもらった物だしな!」

夏奈(あんなシドロモドロな千秋も初めて見たな…。)

藤岡「僕、いつもの場所に座っていいのかな?」

夏奈「好きにするといいよ。」

藤岡「じゃあいつもの場所で…」

千秋「………」

タッタッタ…

ボスッ

夏奈(ほぅ…千秋はいつもの通り藤岡の上か。)


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:12:02.36 ID:qtZm4G/rO

藤岡「千秋ちゃんはいつもここに座るね。」

千秋「だ、ダメか…?」

藤岡「別に(ニコッ 僕は大丈夫だよ。」

千秋「……///」

夏奈(千秋があからさまに照れてる…。珍しい…)

藤岡「あ、そうだ。僕に話があるって聞いたんだけど?」

千秋「あ、あぁ…///」

夏奈(ここからが本番か…。)

藤岡「なにかな?」

千秋「えっと…その…。」

藤岡「?」

千秋「あのだな…つまり……その……。」

夏奈(あぁ!じれったい!)


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:20:17.56 ID:qtZm4G/rO

藤岡「どうしたの?千秋ちゃんらしくないね」

千秋「そ、そんなことないぞ!」

藤岡「そう?じゃあとりあえず言うまで待ってるね。」

千秋「う…うん…」

夏奈(すごくじれったい!ムズムズしてきた…。)

――10分後――

夏奈(まだか!千秋!)


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:24:39.11 ID:qtZm4G/rO

千秋「あのな藤岡!」

藤岡「うん?」

千秋「わ、私な…お、お前が……その……。」

藤岡「うん」

千秋「好きだっ!!」

藤岡「っ!!?」

夏奈(言ったあああ!!)

千秋「……///」

夏奈(藤岡の反応はどうだ!?)

藤岡「あ……あ………あぁ……」

夏奈(放心状態だと…!?)


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:28:48.98 ID:qtZm4G/rO

千秋「お、おい藤岡?」

藤岡「ハッ!ご、ごめん!ボーとしてた!」

千秋「私の話聞いてたか…?」

藤岡「う、うん!聞いてたよ!」

千秋「ということ…なんだ…///」

夏奈(さぁ。藤岡はどうでる!)

藤岡(こんな話だったなんて…。千秋ちゃんはまだ小学生なんだぞ…。)

藤岡(さすがに断るけど、どう断れば…。)


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:37:07.27 ID:qtZm4G/rO

藤岡(でも変に嘘をついて千秋ちゃんを傷つけたくない。正直に言おう。)

千秋「ふ、藤岡?」

藤岡「千秋ちゃん。その気持ちは凄く嬉しい。でも、ごめん…。僕好きな人がいるんだ…。」

千秋「そ、そうか…。」

藤岡「本当にごめん…。」

夏奈(ほぅ…。これは意外な展開になったな。)

千秋「ならしょうがないな。私は大人しく身を引こう。」

藤岡「千秋ちゃん…ごめんね…」

千秋「いやいいんだ。言ったら何かスッキリしたよ。」

夏奈(千秋大人だな…)

千秋「ちなみに藤岡の好きな人って学校のやつか?」

藤岡「う、うん…。」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:43:56.84 ID:qtZm4G/rO

千秋「へ~。藤岡はその人に告白とかしないのか?」

藤岡「えっ…いや…。」

千秋「?」

藤岡「何回かラブレターは送ったんだけどちゃんとした返事はもらってないんだ…。」

千秋「そうなのか…。そいつも返答ぐらいちゃんとしてやればいいのにな。」

藤岡「うん……」

夏奈(藤岡も苦労してるんだなぁ…)

千秋「なぁ藤岡。その相手って私も知ってるやつなのか?」

藤岡「えっ、まぁ、そうだね。」

千秋「なら話が早い。一緒に今から答えを聞きに行こう。」

藤岡「えっ!!」

夏奈(千秋のやつ…道連れを作る気か?)


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 19:54:43.25 ID:qtZm4G/rO

藤岡「いや……でも…。」

千秋「一緒に聞いてあげるから。藤岡もいつまでも答えが返ってこないと辛いだろ?」

藤岡「う、うん。」

千秋「私は藤岡が正直にすぐ答えを出してくれたから胸の仕えは無くなったけどな。」

藤岡「そうだね…。」

千秋「だから藤岡も答えを聞いてスッキリすると楽になると思うんだ。」

藤岡(まてよ…。これは願ってもないチャンスなのかもしれない…。)

藤岡「そうだね。聞いて…みようか…。」

千秋「よし!そうと決まれば出発だ!」

夏奈(なんか面白くなってきたな!)


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 20:00:46.12 ID:qtZm4G/rO

藤岡「千秋ちゃん…出発の準備なんかいらないよ…。」

千秋「藤岡…?」

夏奈(なんだ?藤岡のやつ…顔が本気だぞ…。)

千秋「私は行かなくていいって事か…?」

藤岡「そうじゃないよ。答えを聞くためにこの家から出る必要が無いって事さ。」

千秋「それって…どういう。」

藤岡「ごめんね千秋ちゃん、ちょっと足から降りてもらえるかな?」

千秋「あ、あぁ…」

スクッ

藤岡「ありがとう。」

スクッ

夏奈(なんだ?急に立ち上がって…)


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 20:09:49.05 ID:qtZm4G/rO

スタスタ

夏奈(なんだ?こっちにくるぞ…)

千秋「まさか…藤岡…」

藤岡(そうだ!これは願ってもないチャンスなんだ!これを活用しない手段はない!)

藤岡「南!」

夏奈「へっ?あ、あたし?」

藤岡「そうだよ。南。」

夏奈「な、なんだよ。そんな本気な顔して…」

藤岡(頑張れ俺!勇気を出せ!千秋ちゃんも頑張ったんだから!)

藤岡「南!前にあげたラブレターがちゃんと伝わってないようだからもう一度言う!!」

夏奈「え…あ……。」

藤岡「南!いや…。夏奈!好きだ!付き合ってくれ!」

夏奈「……っ!!」

千秋「……っ!!」



107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 20:21:04.63 ID:qtZm4G/rO

夏奈「あ…あ……あの。あの……。」

夏奈(あれ?言葉が…でない…。)

千秋「ふ、藤岡が好きな人って…夏奈…だったのか…?」

藤岡「そうだよ。僕は二回ほど南にラブレターを出してるんだ。でも、どっちもちゃんと返事は返ってこなかった…。」

千秋(そういえば夏奈がラブレターを持って帰ってきた事があったな…。藤岡だったのか…。)

藤岡「でも…。直接口で伝えるのは恥ずかしくてできなかった。だから諦めてたんだ…。」

千秋「藤岡…。」

藤岡「でも…千秋ちゃんのおかげで言い出す勇気が出てきたんだ。だから、今言おうと決めた。」

千秋「う、うん…。」

夏奈「……。」


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 20:30:05.01 ID:qtZm4G/rO

藤岡「僕はもう逃げたくない…。だから南!今答えを聞かせてくれ!何時間でも待つから!」

千秋「夏奈…。」

夏奈「な……なんだよ……。」

夏奈「きゅ…急にそんなこと言うなよ……。」

藤岡「あ。いや…。ごめん…。」

夏奈「む…無理だよ…。そんな急に……。」

藤岡「頼むよ南!また待ち続けるなんて嫌なんだ!」

夏奈「いやっ!!」

ダッ!

千秋「あ!夏奈!」

藤岡「……南。」

千秋(なんだ…?あいつ泣いてなかったか…?)


155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 21:50:26.70 ID:qtZm4G/rO

千秋「とりあえず私は夏奈を追いかけてくる」

ダッ

藤岡「千秋ちゃん!まって!」

千秋「藤岡…?

藤岡「千秋ちゃんはここで待ってて。僕が追いかける。」

千秋「でも……」

藤岡「大丈夫。ちゃんと一緒に帰ってくるから」

千秋「わかった。」

藤岡「ごめんね。」

ダッ!

バタンッ

千秋「藤岡…。」

千秋「あ……れ…、何で私は泣いてんだ……。」

千秋「……っ。ヒック……グス…。」



159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 21:58:03.62 ID:qtZm4G/rO

――駅前――

タッタッタ

藤岡「はぁ…はぁ…。南どこ行っちゃったんだ…。」

藤岡(どっか南が行きそうな所あったかな…)

藤岡(だめだ…!わからない…!)

冬馬「あれ?藤岡か?」

藤岡「……冬馬!」

冬馬「ど、どうしたんだ?そんなに息切らして。」

藤岡「いや…。ちょっと南を探してて。」

冬馬「夏奈か?何があったんだ?」

藤岡「いや…ちょっとな…」

冬馬「なんかよくわからないけど俺も探すの手伝うよ。」

藤岡「助かるよ!俺はあっち探すから見つけたら携帯に電話してくれ」

冬馬「わかった!」


162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 22:05:46.20 ID:qtZm4G/rO

――商店街――

冬馬(藤岡の奴だいぶ焦ってたな…。いったいどうしたんだ。)

冬馬(とりあえず夏奈を早く見つけて報告してやろう。)

――学校――

藤岡「はぁ…はぁ…はぁ…。最後に残ったのはここか…」

藤岡「いるかわからないけど教室に行ってみよう。」

タッタッタ

ガラッ

藤岡「あ!南!」

夏奈「ふ、藤岡!」

ダッ!

藤岡「あ!待って南!」


163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 22:14:16.99 ID:qtZm4G/rO

夏奈「なんだよ!離せよ!」

藤岡「南!なんで逃げるんだよ!」

夏奈「関係ないだろ!」

藤岡「関係大有りだよ!!」

夏奈「ビクッ!!」

藤岡「ご、ごめん…つい大声で…。」

夏奈「……」

藤岡「とりあえず落ち着いて話そう?ね?」

夏奈「うん…。」

藤岡「ちょっと冬馬に電話する。駅前で会ったから南を探すの手伝ってもらってたんだ。」

プルルルル

藤岡「冬馬か?南はこっちで見つけたらから大丈夫だよ。ありがとう。」

冬馬「そうか。わかった。そんじゃね。」

藤岡「うん。またサッカーしような。」

冬馬「おう!」


164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 22:23:51.28 ID:qtZm4G/rO

藤岡「少しは落ち着いた?」

夏奈「あ、うん…。なんとかね…」

藤岡「ごめん南。いきなり俺があんなこと言うから…。」

夏奈「いや…私も悪かった…。いきなり逃げ出したりして…。」

藤岡「なんであの時逃げ出したりしたんだ?」

夏奈「わからない…。いきなり頭が真っ白になって、答えを言わなきゃって思ってるのに上手く声が出せなくて…。」

藤岡「南…。」

夏奈「そしたら急に泣きたくなってきて…。見られたくないと思ったら逃げ出してたんだ…。」

藤岡「………」

夏奈「私さ、こんな面と向かって告白されたことなかったし…。こういうの疎いからさ…。ビックリしちゃったんだ。」

藤岡「僕もあんなタイミングで言うなんてどうかしてたよ。ごめん…。」

夏奈「いや…いいんだ。私もラブレターの時にちゃんと返事を返さなかったのがいけないんだし」

藤岡「南…」


167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 22:29:49.32 ID:qtZm4G/rO

夏奈「でも…今回はちゃんと答えを出したよ。」

藤岡「うん…。」

夏奈「いつまでも逃げてる訳にいかないし…。藤岡も千秋の告白をシッカリ受け止めて答えだしたんだしね…」

藤岡「うん…。僕は南の口からちゃんとした答えが聞ければ満足だから。それがどっちに転がってもね。」

夏奈「藤岡…」

藤岡「僕はいつでも大丈夫だから南のタイミングで言ってくれていいよ」

夏奈「わかった…。」

藤岡「………」

夏奈「………」


168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 22:40:18.90 ID:qtZm4G/rO

夏奈「じゃあ、言うな。」

藤岡「…うん。」

夏奈「ここに来て一緒懸命考えたんだ。でも…藤岡と付き合うって言う答えは出せなかった…。」

藤岡「……」

夏奈「なんかさ、藤岡はいい友達っていう関係しか築けないんだ…私の中では…。」

藤岡「うん…」

夏奈「よく家に遊びにも来るし、色々な所に出掛けたりもした。だからこそ家族の一員みたいな感じでしか見れないんだ。」

夏奈「だからさ…すまないけど恋愛の対象として藤岡は見れない。ごめん…。」

藤岡「そっかぁ…。家族…か…。嬉しいんだか悲しいんだかわかんないや…。」

夏奈「藤岡…。」


173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 22:53:34.24 ID:qtZm4G/rO

藤岡「南。」

夏奈「ん?」

藤岡「ありがとう。」

夏奈「えっ…」

藤岡「南がそこまで色々考えて答え出してくれると思わなかったからさ。正直嬉しいよ。」

夏奈「藤岡…。」

藤岡「よし!ちゃんとした答えも聞けたし、なんかスッキリしたよ!」

夏奈「大丈夫か?無理…してないか…?」

藤岡「ん?全然してないよ?凄いスッキリした気分だよ(ニコッ」

夏奈「お前は強いなぁ」

藤岡「そう?まぁ、いつまでもクヨクヨしてられないしね。」

夏奈「藤岡らしいな」

藤岡「ありがとう。あ!もうこんな時間か。千秋ちゃん待ってるし早く帰ろう!」

夏奈「そうだな!」


175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 22:58:39.22 ID:qtZm4G/rO

藤岡「んじゃ競争しようか!」

夏奈「おいおい。お前はサッカー部だろ。勝てるわけないだろー」

藤岡「ハンデあげるよ!南が先にスタートして僕が30秒後にスタートするから」

夏奈「よーしわかった!んじゃお先に失礼。あ、負けたらジュースな!」

藤岡「オッケー!」

夏奈「んじゃ!ヨーイどん!」

タッタッタ

藤岡「……行ったか。」


藤岡「くっ……ひっく……グスッ」


藤岡「俺やっぱり南の事好きなんだなぁ……。」


藤岡「30秒…。行くか!」

タッタッタ!


180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 23:11:56.77 ID:qtZm4G/rO

――南家――

夏奈「はぁ…はぁ…。たっだいま~」

千秋「おかえり。どうしたんだ?そんなに息切らせて。」

夏奈「いや~、ちょっと藤岡と競争しててなぁ~」

千秋「競争?」

ガチャ

藤岡「はぁ…はぁ…あ~、やっぱり無理だったかぁ~!」

夏奈「へっへ~、この夏奈様に30秒もハンデを与えたのは失敗だったなー」

藤岡「くそ~!約束通り今度ジュース奢るよ…」

夏奈「ヤッター!」

千秋(どうやら心配する事もなかったみたいだな。)


186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/01(月) 23:25:41.07 ID:qtZm4G/rO

春香「あら。二人ともおかえり。ご飯の支度できてるから早く上がってきなさい。」

夏奈「はーい。」

春香「藤岡君も食べて行くわよね?」

藤岡「え?いいんですか?」

春香「あたりまえよ。私達家族みたいなものでしょ。遠慮しないの!」

藤岡「家族……。」

春香「ん?どうかした?」

藤岡「いえ、なんでも!じゃあご飯いただきますね!」

夏奈「おう!食ってけ食ってけ!」

千秋「そうだな。藤岡が食べないと残って明日に回るからな。重要任務だぞこれは。」

春香「そうね。ちょっと作りすぎちゃったから沢山食べてね♪」


藤岡「はい!ありがとうございます!(ニコッ」



――FIN――


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